JP2015229687A - 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低い誘電率と共に、高温高湿条件下における耐白化性を有する画像表示装置用粘着シートを提供すること。【解決手段】フィルム状の粘着層2と、上記粘着層2を挟むように積層された一対の基材層3、4と、を備えており、上記粘着層2は、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位を含む粘着性樹脂組成物から形成される画像表示装置用粘着シート1。【選択図】図1
Description
本発明は、画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置に関する。
近年、画像表示装置における透明保護板又は情報入力装置(例えばタッチパネル等)と画像表示ユニットの表示面との間の空隙、又は透明保護板と情報入力装置との間の空隙を、空気と比較して屈折率が透明保護板、情報入力装置及び画像表示ユニットの表示面に近い透明材料で置換することにより、透過性を向上させ、画像表示装置の輝度及びコントラストの低下を抑える方法が提案されている(例えば特許文献1)。画像表示装置の例として液晶表示装置の略図例を図7、図8に示す。タッチセンサを内蔵した液晶表示装置は、透明保護板(ガラス又はプラスチック基板)D1、タッチセンサD2、偏光板D3、液晶表示セルD4で構成されており、液晶表示装置の割れ防止、応力及び衝撃の緩和、並びに、視認性の向上のために、透明保護板とタッチパネルとの間に粘着層D5が設けられ、更にタッチセンサと偏光板との間に粘着層D6が設けられる場合もある。また、透明保護板にタッチパネルが内蔵されたD7と偏光板との間に粘着層D8が設けられる場合もある。
上記画像表示装置の層構成の中でも、タッチセンサと偏光板の間に設けられた粘着層D6、及び、透明保護板にタッチセンサが内蔵されたD7と偏光板との間に設けられた粘着層D8の粘着シートでは、液晶表示装置から発生するノイズを除去し、タッチパネルの感度を上げる観点から、低誘電率化の要求がある。
また、上記画像表示装置の世界市場における使用拡大に伴い、高温高湿な気候にある地域における使用頻度が増加している。したがって、高温高湿条件下においても粘着シートが白化することなく、上記画像表示装置の視認性を低下させないことが求められている。
しかしながら、特許文献2に記載されている粘着剤は、23℃、100kHzにおける誘電率が4.3以上であり、このようなフィルム状の粘着剤は、画像表示装置の応答性を低下させる可能性がある。また、誘電率を低下させるために、粘着樹脂組成物の極性を低下させた粘着シートでは、高温高湿条件下に粘着シートを放置すると、ヘイズが上昇し、上記粘着シートを使用した画像表示装置の視認性が低下することが懸念される。
したがって、本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、23℃、100kHzにおける誘電率が充分に低く、高温高湿(60℃、95%RH)環境下に96時間放置した場合においても、ヘイズが充分に低い画像表示用粘着シートを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位を含む粘着性樹脂組成物から形成され、特定の物性を有する粘着層を備える粘着シートであれば上記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、粘着層と、上記粘着層を挟むように積層された一対の基材層と、を備えており、上記粘着層は、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位を含む粘着性樹脂組成物から形成される画像表示装置用粘着シートを提供する。
また、本発明は、粘着層と、上記粘着層を挟むように積層された第1の基材層及び第2の基材層と、上記第2の基材層に更に積層されたキャリア層と、を備えており、上記粘着層は、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位を含む粘着性樹脂組成物から形成される画像表示装置用粘着シートを提供する。
本発明の粘着シートにおける粘着層がアルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位を含む粘着性樹脂組成物から形成されることで、23℃、100kHzにおける誘電率を充分に低く、例えば3.0以下とすることができ、画像表示装置の感度低下を防止できる。また、本発明の粘着シートにおける粘着層によれば、60℃、95%RH環境下に96時間以上放置した後のヘイズを充分に低く、例えば1.0%以下とすることができ、本発明の粘着シートが有する粘着層を備える画像表示用装置の視認性の低下を防止できる。
上記粘着シートにおける粘着層の厚さは、1.0×102μm〜5.0×102μmであることが好ましい。上記粘着層の厚さを上記範囲とすることにより、耐衝撃性及び視認性により優れたものとなる。
さらに、本発明は、上記粘着シートが有する上記粘着層を介して、被着物同士を貼り合わせて積層体を得る工程と、上記積層体を、20℃〜80℃及び0.1MPa〜0.8MPaの条件で加熱加圧処理する工程と、を含む、画像表示装置の製造方法を提供する。
本発明の粘着シートを用いることにより、例えば、液晶表示ユニット等の画像表示ユニットとタッチパネルの組み合わせ、同画像表示ユニットと透明保護板の組み合わせ、タッチパネルと透明保護板の組み合わせのような、画像表示装置に必要と思われる部材(被着物)同士を貼り合わせることが可能である。なお、本発明は、対象となる被着物が、透明保護板及びタッチパネルの組み合わせである場合に特に好適に用いることができる。同様に、本発明の粘着シートを用いることにより、画像表示装置の画像表示ユニットより視認側にある部材同士を貼合することも可能である。
そして、本発明は、画像表示ユニットと、透明保護板と、上記画像表示ユニット及び上記透明保護板の間に介在する上記粘着層と、を有する、積層体を備える画像表示装置を提供する。また、本発明は、画像表示ユニットと、タッチパネルと、透明保護板と、タッチパネル及び上記透明保護板の間、又は上記タッチパネル及び上記画像表示ユニットの間に介在する上記粘着層と、を有する積層体を備える画像表示装置を提供する。本発明の粘着シートは、誘電率が充分に低いため、画像表示装置の感度の低下を防止するのに好適であり、また、高温高湿条件下に放置した場合のヘイズの上昇を抑制できるため、画像表示装置の視認性の低下を充分に抑制することができる。
本発明によれば、粘着シートの誘電率が低く、かつ、高温高湿環境下に放置した場合においても視認性に優れる画像表示装置用粘着シートを提供することができる。また、本発明は、上記粘着シートを用いた画像表示装置の製造方法及び画像表示装置を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態(第一実施形態及び第二実施形態)について説明をするが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。なお、両実施形態で重複する記載については、第一実施形態においてのみ説明するものとし、第二実施形態の説明においては適宜記載を省略する。また、本明細書において「(メタ)アクリレート」という用語は、「アクリレート」又はそれに対応する「メタクリレート」を意味する。「(メタ)アクリル酸」等の類似の表現についても同様である。
[第一実施形態]
<画像表示装置用粘着シートI(3層品)>
本実施形態の画像表示装置用粘着シートは、粘着層と、上記粘着層を挟むように積層された一対の基材層と、を備えている。上記基材層の外縁は、上記粘着層の外縁よりも外側に張り出していることが好ましい。
<画像表示装置用粘着シートI(3層品)>
本実施形態の画像表示装置用粘着シートは、粘着層と、上記粘着層を挟むように積層された一対の基材層と、を備えている。上記基材層の外縁は、上記粘着層の外縁よりも外側に張り出していることが好ましい。
すなわち、図1及び図2に示されるように、本実施形態に係る粘着シート1(3層品)は、透明なフィルム状の粘着層2と、粘着層2を挟むように積層された重剥離セパレータ3(一方の基材)及び軽剥離セパレータ4(他方の基材)とを備えている。この粘着層2は、例えば、携帯端末用のタッチパネル式ディスプレイ等の画像表示装置において、透明保護板とタッチパネルとの間、又はタッチパネルと液晶表示ユニットとの間に配置される透明なフィルムである。
粘着層2は、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位を含む、粘着性樹脂組成物から形成される。
粘着層2は、23℃、100kHzにおける誘電率が3.0以下であることが好ましい。また、粘着層2は画像表示装置の製造に用いるため、ヘイズが0.1%〜1.5%であることが好ましい。視認性の観点からは、上記ヘイズは、1.0%以下であることが好ましく、0.8%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることが更に好ましい。ヘイズの下限値については0%に近いことが好ましいが、通常は0%より大きく、実用的な観点からは0.1%以上である。
ヘイズ(Haze)とは、濁度を表わす値(%)であり、ランプにより照射され、試料中を透過した光の全透過率Tと、試料中で拡散され散乱した光の透過率Dより、(D/T)×100として求められる。これらはJIS K 7136により規定されており、市販の濁度計、例えば、日本電色工業(株)製NDH−2000などにより容易に測定可能である。
粘着層2において、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位は、粘着性樹脂組成物を構成するポリマー成分に起因するものであってもよいし、モノマー成分に起因するものであってもよい。すなわち、該ポリマー成分中にアルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を含有させることによって、粘着性樹脂組成物に当該構造単位を付与してもよいし、モノマー成分中にアルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートを含有させることで、当該構造単位を付与してもよい。ただし、当該構造単位はポリマー成分とモノマー成分の両者に起因するものであることが、粘着層2の透明性を向上する観点から好ましい。
アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位は、粘着層2の主成分であることが好ましい。本発明において「主成分」とは、粘着層2を構成する成分中で最も多い成分を意味する。
アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有量は、粘着性、透明性及び取り扱い性を向上させる点から、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。同様の観点から、同含有量は90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましく、80質量%以下であることが更に好ましい。
アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有量は、粘着性、透明性及び取り扱い性を向上させる点から、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。同様の観点から、同含有量は90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましく、80質量%以下であることが更に好ましい。
粘着層2は、(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位を含むことで、低誘電率と、高温高湿環境下におけるヘイズの上昇を防止できる効果と、を奏する。(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位は、粘着性樹脂組成物を構成するポリマー成分に起因するものとすることができる。具体的には、(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位を含むポリマー成分の含有量は、低誘電率と、高温高湿環境下におけるヘイズの上昇を防止できる効果を奏する観点から、粘着層2の全質量に対して、0.5質量%以上であることが好ましい。同様の観点から、同含有量は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることが更に好ましい。
なお、「(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位」における「イソプレンに由来する構造単位」とは、下記式(3)で表される骨格を有する構造単位を意味する。「(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位」において、(メタ)アクリロイル基は式(3)で表される骨格に直接結合していても、他の基を介して結合していてもよく、また式(3)で表される骨格におけるどの炭素原子に結合していてもよい。
粘着層2は、(メタ)アクリロイル基を有しないイソプレンに由来する構造単位を更に含んでいてもよい。
粘着層2の厚さは、使用用途及び方法により適宜調整されるため特に限定されないが、1.0×102μm以上であることが好ましく、1.2μm×102以上であることがより好ましく、1.3μm×102以上であることが更に好ましい。また、粘着層2の厚さは、5.0×102μm以下であることが好ましく、3.5×102μm以下であることがより好ましく、3.0×102μmであることが更に好ましい。この範囲で使用した場合、ディスプレイ上に光学部材を貼合せるための透明な粘着シートとして特に優れた効果を発揮する。
また、粘着層2をタッチパネル及び透明保護板の間に用いる場合、粘着層2の23℃、100kHzでの誘電率は、タッチパネルの応答性を確保する観点から、5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましく、3以下であることが更に好ましい。同様の観点から、誘電率の下限値は、2以上であることが好ましい。
また、粘着層2は、例えば、重剥離セパレータ3上に、上記アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び上記(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位を含む粘着性樹脂組成物を、任意の厚みで塗工し、これに活性エネルギー線を照射して硬化させた後に所望の大きさに切断することで形成される。活性エネルギー線の光源としては、波長400nm以下に発光分布を有するものが好ましく、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ及びマイクロウェーブ励起水銀灯が使用できる。また照射エネルギーは特に限定されないが、8.0×102mJ/cm2以上であることが好ましく、1.0×103mJ/cm2以上であることがより好ましく、1.5×103mJ/cm2以上であることが更に好ましい。また、5.0×103mJ/cm2以下であることが好ましく、3.5×103mJ/cm2以下であることがより好ましく、2.5×103mJ/cm2以下であることが更に好ましい。
上記粘着性樹脂組成物は、(A)(メタ)アクリルポリマー、(B)(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマー、(C)2以上の(メタ)アクリロイル基を有する架橋剤及び(D)光重合開始剤を含有することが好ましい。このような粘着性樹脂組成物において、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位は、(A)(メタ)アクリルポリマー及び(B)(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマーの少なくとも一方の成分として導入することができ、(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位は、(C)2以上の(メタ)アクリロイル基を有する架橋剤として導入することができる。
以下、粘着性樹脂組成物について説明する。
以下、粘着性樹脂組成物について説明する。
[(A)成分:(メタ)アクリルポリマー]
(A)成分は、(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマーを1種で重合するか又は2種以上組み合わせて共重合したものをいう。なお、本発明の効果を損なわない範囲であれば、(A)成分は、(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有する化合物、又は(メタ)アクリロイル基を有していない重合性化合物(アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン等の重合性不飽和結合を分子内に1個有する化合物、又は、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物)を、(メタ)アクリルポリマーと共重合させたものであってもよい。
(A)成分は、(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマーを1種で重合するか又は2種以上組み合わせて共重合したものをいう。なお、本発明の効果を損なわない範囲であれば、(A)成分は、(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有する化合物、又は(メタ)アクリロイル基を有していない重合性化合物(アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン等の重合性不飽和結合を分子内に1個有する化合物、又は、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物)を、(メタ)アクリルポリマーと共重合させたものであってもよい。
上記(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリルアミド;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート(n−ラウリル(メタ)アクリレート)、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環を有する(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式基を有する(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ダイアセトンアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート;アルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(A)成分は、ステアリル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を含むことが好ましい。上記ステアリル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有割合は、(A)成分の全質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。また、上記ステアリル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有割合は、(A)成分の全質量に対して、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。ステアリル(メタ)アクリレートの含有割合が上記範囲であると、粘着層と透明保護板(ガラス基板、プラスチック基板等)との密着性がより向上し、粘着層と被着体間の剥がれを防止できる。このような含有割合のポリマーは、一般に、各モノマーを上記含有割合と同じ割合で配合し、共重合させることで得ることができる。また、重合率は、実質的に100質量%に近づくようにすることが好ましい。
ステアリル(メタ)アクリレートとしては、n−ステアリル(メタ)アクリレート(オクタデシル(メタ)アクリレートともいう)、イソステアリル(メタ)アクリレート(16−メチルヘプタデシル(メタ)アクリレートともいう)等が挙げられ、その中でもイソステアリル(メタ)アクリレートが好ましい。これらのステアリル(メタ)アクリレートは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
ステアリル(メタ)アクリレートと共重合する他のモノマーとしては、上記に記載したものに限定されないが、ヒドロキシ基、モルホリノ基、アミノ基、カルボキシ基、シアノ基、カルボニル基、ニトロ基、アルキレングリコール由来の基等の極性基を有するモノマーが好ましい。これら極性基を有する(メタ)アクリレートによって、粘着層と透明保護板との粘着性が向上する。
特に、(A)成分は、ステアリル(メタ)アクリレートと、下記一般式(1)で示されるアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートとの共重合体であることが好ましい。
CH2=CXCOO(CpH2pO)qR ・・・(1)
一般式(1)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、pは2〜4の整数を示し、qは1〜10の整数を示す。
CH2=CXCOO(CpH2pO)qR ・・・(1)
一般式(1)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、pは2〜4の整数を示し、qは1〜10の整数を示す。
一般式(1)で表されるアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシオクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘプタプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。接着性の観点から、一般式(1)で表されるアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートがより好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが更に好ましい。また、これらのアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
(A)成分の重量平均分子量は、1.5×104以上であることが好ましく、2.0×104以上であることがより好ましく、2.5×104以上であることが更に好ましい。重量平均分子量が1.5×104以上であると、透明保護板等に対して剥がれがより発生しにくく、より強力な粘着力を有する粘着層を得ることができる。一方、(A)成分の重量平均分子量は、3.0×105以下であることが好ましく、2.0×105以下であることがより好ましく、1.0×105以下であることが更に好ましい。(A)成分の重量平均分子量が3.0×105以下であると、粘着性樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎず、シート状等の粘着層にする際の加工性がより良好になる。
本明細書中、「重量平均分子量」及び「数平均分子量」とは、後述する測定方法によって算出した値を意味する。
(A)成分を得るための重合方法としては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等の既知の重合方法を用いることができる。
(A)成分を得るために重合する際の重合開始剤としては、熱によりラジカルを発生する化合物を用いることができる。重合開始剤の具体例としては、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等のような有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のようなアゾ系化合物が挙げられる。
(A)成分の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。また、(A)成分の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることが更に好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲であると、粘着性樹脂組成物の粘度が粘着層を作製する際の適正な粘度となり、加工性がより良好となる。また、得られた粘着層は、ガラス基板、プラスチック基板等の透明保護板への粘着性及び表面平坦性がより良好となる。
[(B)成分:(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマー]
(B)成分としては、上記(A)成分を形成する(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマーとして例示した化合物と同様のものが挙げられる。
(B)成分としては、上記(A)成分を形成する(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマーとして例示した化合物と同様のものが挙げられる。
なお、本実施形態においては、粘着性、透明性及び低誘電率の観点から、(B)成分は、ステアリル(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。(B)成分におけるステアリル(メタ)アクリレートの含有量は、(B)成分の総質量に対して、50〜80質量%であることが好ましく、55〜75質量%であることがより好ましく、60〜70質量%であることが更に好ましい。
また、粘着性、透明性及び取り扱い性の観点から、(B)成分は、上述のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。(B)成分におけるヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートの含有量は、(B)成分の総質量に対して、10〜35質量%であることが好ましく、15〜30質量%であることがより好ましく、15〜25質量%であることが更に好ましい。
(B)成分の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、5質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることが更に好ましい。また、(B)成分の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、65質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることがより好ましく、45質量%以下であることが更に好ましい。(B)成分の含有量が、上記範囲であると、粘着性樹脂組成物の粘度が粘着層を作製する際の適正な粘度となり、加工性がより良好となる。また、(B)成分の含有量が、上記範囲であると、得られた粘着シートの粘着性及び透明性の観点においても、より優れる。そして、得られた粘着層と被着体間の高温におけるガラスへのピール強度がより高いものとなる。
[(C)成分:2以上の(メタ)アクリロイル基を有する架橋剤]
(C)成分の具体例としては、ウレタン結合を有するウレタンジ(メタ)アクリレート、側鎖(メタ)アクリロイル変性(メタ)アクリレートポリマー、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリウレタンプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2以上の(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル重合体、2以上の(メタ)アクリロイル基を有するブタジエン重合体、2以上の(メタ)アクリロイル基を有するイソプレン重合体が挙げられる。低誘電率と透明性の観点から、(C)成分としては2以上の(メタ)アクリロイル基を有するイソプレン重合体が特に好ましい。
(C)成分の具体例としては、ウレタン結合を有するウレタンジ(メタ)アクリレート、側鎖(メタ)アクリロイル変性(メタ)アクリレートポリマー、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリウレタンプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2以上の(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル重合体、2以上の(メタ)アクリロイル基を有するブタジエン重合体、2以上の(メタ)アクリロイル基を有するイソプレン重合体が挙げられる。低誘電率と透明性の観点から、(C)成分としては2以上の(メタ)アクリロイル基を有するイソプレン重合体が特に好ましい。
2以上の(メタ)アクリロイル基を有するイソプレン重合体としては、例えば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。なお、式(2)においては、2つの構造単位を連続した形で記載したが、これらの構造単位はランダムに配列されていてもよい。
式(2)中、mは50〜1000の数を示し、nは1〜5の数を示し、R1は水素原子又はメチル基を示す。mは100〜800であることが好ましく、150〜700であることがより好ましく、200〜600であることが更に好ましい。nは1.5〜4であることが好ましく、2〜3.5であることがより好ましく、2〜3であることが更に好ましい。
式(2)中、mは50〜1000の数を示し、nは1〜5の数を示し、R1は水素原子又はメチル基を示す。mは100〜800であることが好ましく、150〜700であることがより好ましく、200〜600であることが更に好ましい。nは1.5〜4であることが好ましく、2〜3.5であることがより好ましく、2〜3であることが更に好ましい。
上記式(2)で表される化合物は、例えば、UC−102(式(2)中、nが2であるものに相当)、UC−203(式(2)中、nが3であるものに相当)(株式会社クラレ製、商品名)として商業的に入手可能である。
(C)成分の最適な含有量は、側鎖の変性割合に応じて変更することができる。(C)成分の含有量が少ないと、粘着力が低下しにくくなり、剥がれ及び気泡が入りやすくなるなどの問題が発生しにくくなる傾向にある。一方、(C)成分の含有量が多いと、保持力が高くなり、信頼性が向上する傾向にある。
(C)成分は、高温条件下又は高温高湿条件下における気泡及び剥がれの発生をより抑制できる観点から、(C)成分の重量平均分子量が3.0×102以上であることが好ましく、5.0×102以上であることが好ましい。また、同様の観点から、(C)成分の重量平均分子量が1.0×105以下であることが好ましく、7.0×104以下であることがより好ましい。
(C)成分の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、15質量%以下であることが好ましい。該含有量が15質量%以下であると架橋密度が高くなり過ぎないため、より充分な粘着性を有し、かつ弾性が高く、脆さのない粘着層を得ることができる。また、段差埋め込み性をより向上できる観点から、(C)成分の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましい。
(C)成分の含有量の下限については特に制限はない。フィルム形成性をより良好にする観点から、(C)成分の含有量が、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることが更に好ましい。
[(D)成分:光重合開始剤]
(D)成分は、活性エネルギー線の照射により硬化反応を促進させるものである。ここで活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
(D)成分は、活性エネルギー線の照射により硬化反応を促進させるものである。ここで活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
(D)成分は特に限定されるものではなく、ベンゾフェノン系、アントラキノン系、ベンゾイル系、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩等の公知の材料を使用することが可能である。特に、(D)成分としては、粘着性樹脂組成物を着色させないものが好ましい。
具体的には、ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N,N’,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等の芳香族ケトン化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンジル、ベンジルジメチルケタール等のベンジル化合物;β−(アクリジン−9−イル)(メタ)アクリル酸等のエステル化合物;9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、1,7−ジアクリジノヘプタン等のアクリジン化合物;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリホリノフェニル)−1−ブタノン;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)などが挙げられる。これらの化合物は複数を組み合わせて使用してもよい。
また、粘着性樹脂組成物を着色させない(D)成分としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)などが挙げられ、これらを組み合わせたものがより好ましい。
また、特に厚いシート(粘着層)を作製するためには、(D)成分は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物を含むことが好ましい。
本実施形態における(D)成分の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、(D)成分の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましい。(D)成分の含有量を上記範囲にすることで、粘着層の可視光領域(波長:380nm〜780nm)の光線に対する光透過率(可視光透過率)が高く、また粘着層の色相が黄味を帯びることがない。
[その他添加剤]
粘着性樹脂組成物には、必要に応じて上記(A)、(B)、(C)及び(D)成分とは別に、添加剤を含有させてもよい。上記添加剤としては、例えば、粘着性樹脂組成物の保存安定性を高める目的で添加するパラメトキシフェノール等の重合禁止剤、粘着性樹脂組成物を光硬化させて得られる粘着層の耐熱性を高める目的で添加するトリフェニルホスファイト等の酸化防止剤、紫外線等の光に対する粘着性樹脂組成物の耐性を高める目的で添加するHALS(Hindered Amine Light Stabilizer)等の光安定化剤、ガラス等に対する粘着性樹脂組成物の密着性を高めるために添加するシランカップリング剤が挙げられる。
粘着性樹脂組成物には、必要に応じて上記(A)、(B)、(C)及び(D)成分とは別に、添加剤を含有させてもよい。上記添加剤としては、例えば、粘着性樹脂組成物の保存安定性を高める目的で添加するパラメトキシフェノール等の重合禁止剤、粘着性樹脂組成物を光硬化させて得られる粘着層の耐熱性を高める目的で添加するトリフェニルホスファイト等の酸化防止剤、紫外線等の光に対する粘着性樹脂組成物の耐性を高める目的で添加するHALS(Hindered Amine Light Stabilizer)等の光安定化剤、ガラス等に対する粘着性樹脂組成物の密着性を高めるために添加するシランカップリング剤が挙げられる。
なお、画像表示装置用粘着シートに係る粘着層は、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の重合体フィルムの基材(重剥離セパレータ3)及び重剥離セパレータ3と同じ素材のカバーフィルム(軽剥離セパレータ4)で挟まれている。このとき、粘着層と、重剥離セパレータ3及び軽剥離セパレータ4との剥離性を制御するために、粘着性樹脂組成物には、ポリジメチルシロキサン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤を含有させることができる。
上記添加剤は、単独で用いてもよく、複数種類の添加剤を組み合わせて用いてもよい。なお、上記添加剤の含有量は、通常、上記(A)、(B)、(C)及び(D)の合計含有量と比較すると少量であり、一般に粘着性樹脂組成物の全質量に対して0.01質量%〜5質量%程度である。
また、粘着層の可視光透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。
また、粘着層の可視光透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。
重剥離セパレータ3としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムが好ましく、中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」という場合もある)がより好ましい。重剥離セパレータ3の厚さは、作業性の観点から、50μm以上であることが好ましく、60μm以上であることがより好ましく、70μm以上であることが更に好ましい。また、重剥離セパレータ3の厚さは、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましく、130μm以下であることが更に好ましい。重剥離セパレータ3の平面形状は、粘着層2の平面形状よりも大きく、重剥離セパレータ3の外縁3aは、粘着層2の外縁2aよりも外側に張り出していることが好ましい。重剥離セパレータ3の外縁3aが粘着層2の外縁2aよりも張り出す幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、2mm以上であることが好ましく、4mm以上であることがより好ましい。同様の観点から、上記張り出す幅は、20mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。粘着層2及び重剥離セパレータ3の平面形状が長方形等の矩形状である場合には、重剥離セパレータ3の外縁3aが粘着層2の外縁2aよりも張り出す幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、少なくとも1つの辺において2mm以上であることが好ましく、少なくとも1つの辺において4mm以上であることがより好ましく、全ての辺において2mm以上であることが更に好ましく、全ての辺において4mm以上であることが特に好ましい。同様の観点から、少なくとも1つの辺において20mm以下であることが好ましく、少なくとも1つの辺において10mm以下であることがより好ましく、全ての辺において20mm以下であることが更に好ましく、全ての辺において10mm以下であることが特に好ましい。
軽剥離セパレータ4としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムが好ましく、中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。軽剥離セパレータ4の厚さは、作業性の観点から、25μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましく、40μm以上であることが更に好ましい。同様の観点から、軽剥離セパレータ4の厚さは、1.5×102μm以下であることが好ましく、1.0×102μm以下であることがより好ましく、75μm以下であることが更に好ましい。軽剥離セパレータ4の平面形状は、粘着層2の平面形状よりも大きく、軽剥離セパレータ4の外縁4aは粘着層2の外縁2aよりも外側に張り出していることが好ましい。軽剥離セパレータ4の外縁4aが粘着層2の外縁2aよりも張り出す幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、2mm以上であることが好ましく、4mm以下であることがより好ましい。同様の観点から、上記張り出す幅は、20mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。粘着層2及び軽剥離セパレータ4の平面形状が長方形等の矩形状である場合には、軽剥離セパレータ4の外縁4aが粘着層2の外縁2aよりも張り出す幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、上記張り出す幅は、少なくとも1つの辺において2mm以上であることが好ましく、少なくとも1つの辺において4mm以上であることがより好ましく、全ての辺において2mm以上であることが更に好ましく、全ての辺において4mm以上であることが特に好ましい。同様の観点から、上記張り出す幅は、少なくとも1つの辺において20mm以下であることが好ましく、少なくとも1つの辺において10mm以下であることがより好ましく、全ての辺において20mm以下であることが更に好ましく、全ての辺において10mm以下であることが特に好ましい。
軽剥離セパレータ4と粘着層2との間の剥離強度は、重剥離セパレータ3と粘着層2との間の剥離強度よりも低いことが好ましい。これにより、重剥離セパレータ3は軽剥離セパレータ4よりも粘着層2から剥離し難くなる。なお、重剥離セパレータ3と粘着層2、及び軽剥離セパレータ4と粘着層2との剥離強度は、例えば、重剥離セパレータ3、軽剥離セパレータ4の表面処理を施すことによって調整することができる。表面処理方法としては、例えば、シリコーン系化合物又はフッ素系化合物で離型処理することが挙げられる。
<画像表示装置用粘着シートの製造方法I(3層品)>
本実施形態に係る粘着シートは、例えば、国際公開第2013/161666号に記載の方法により製造することができる。
本実施形態に係る粘着シートは、例えば、国際公開第2013/161666号に記載の方法により製造することができる。
<画像表示装置>
次に、粘着シート1(3層品)を用いて作製される画像表示装置について説明する。粘着シート1が備える粘着層2は、各種画像表示装置に適用することができる。画像表示装置としては、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)、電界放出ディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ(OELD)、3Dディスプレイ、電子ペーパー(EP)等が挙げられる。本実施形態の粘着層2は、画像表示装置の反射防止層、防汚層、色素層、ハードコート層等の機能性を有する機能層、透明保護板を組み合わせて貼り合わせるために使用することもできる。
次に、粘着シート1(3層品)を用いて作製される画像表示装置について説明する。粘着シート1が備える粘着層2は、各種画像表示装置に適用することができる。画像表示装置としては、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)、電界放出ディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ(OELD)、3Dディスプレイ、電子ペーパー(EP)等が挙げられる。本実施形態の粘着層2は、画像表示装置の反射防止層、防汚層、色素層、ハードコート層等の機能性を有する機能層、透明保護板を組み合わせて貼り合わせるために使用することもできる。
上記反射防止層は、可視光反射率が5%以下となる反射防止性を有している層であればよい。上記反射防止層は、透明なプラスチックフィルム等の透明基材に既知の反射防止方法で処理された層を用いることができる。
上記防汚層は、表面に汚れがつきにくくするためのものである。上記防汚層は、表面張力を下げるためにフッ素系樹脂又はシリコーン系樹脂で構成される既知の層を用いることができる。
上記色素層は、色純度を高めるために使用されるものである。上記色素層は、液晶表示ユニット等の画像表示ユニットから発する光の色純度が低い場合に不要な光を低減するために使用される。上記色素層は、不要な部分の光を吸収する色素を樹脂に溶解させ、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム等の基材フィルムに製膜又は積層して得ることができる。
上記ハードコート層は、表面硬度を高くするために使用される。上記ハードコート層としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリル樹脂;エポキシ樹脂などをポリエチレンフィルム等の基材フィルムに製膜又は積層したものを使用することができる。同様に表面硬度を高めるために、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の透明保護板に製膜又は積層したハードコート層を使用することもできる。
粘着層2は、偏光板に積層して使用することができる。この場合、偏光板の視認面側に粘着層2を積層することもでき、その反対側に粘着層2を積層することもできる。
偏光板の視認面側に粘着層2を使用する場合には、粘着層2の更に視認面側に反射防止層、防汚層及びハードコート層を積層することができ、偏光板と液晶セルの間に使用する場合には、偏光板の視認面側に機能性を有する層を積層することができる。
このような積層体とする場合、粘着層2は、ロールラミネート、真空貼合機又は枚葉貼合機を用いて積層することができる。
粘着層2は、画像表示装置の画像表示ユニットと視認側最前面の透明保護板の間であって、視認側の適切な位置に配置されることが好ましい。具体的には、画像表示ユニットと透明保護板の間に生じる空隙に適用されることが好ましい。
また、タッチパネルを画像表示ユニットに組み合わせた画像表示装置において、タッチパネルと画像表示ユニットの間及び/又はタッチパネルと透明保護板の間に、本実施形態の粘着層2が適用されることが好ましいが、画像表示装置の構成上、本実施形態の粘着層2が適用可能であれば、上記に記載した位置に限るものではない。
以下、本発明の一実施形態である画像表示装置について、画像表示装置の一つである液晶表示装置を例として、図3及び図4を用いて詳細に説明する。
図3は、本発明の液晶表示装置の一実施形態を模式的に示す側面断面図である。図3に示す液晶表示装置は、バックライトシステム50、偏光板22、液晶表示セル12及び偏光板20がこの順で積層されてなる画像表示ユニット7と、液晶表示装置の視認側となる偏光板20の上面に設けられた透明樹脂層32と、その表面に設けられた透明保護板(保護パネル)40とから構成される。透明保護板40の偏光板20側の表面に設けられた段差部60は、透明樹脂層32により埋め込まれている。なお、透明樹脂層32が、基本的に本実施形態の粘着層に相当する。
図4は、本発明の液晶表示装置の一実施形態である、タッチパネルを搭載した液晶表示装置を模式的に示す側面断面図である。図4に示す液晶表示装置は、バックライトシステム50、偏光板22、液晶表示セル12及び偏光板20がこの順で積層されてなる画像表示ユニット7と、液晶表示装置の視認側となる偏光板20の上面に設けられた透明樹脂層32と、透明樹脂層32の上面に設けられたタッチパネル30と、タッチパネル30の上面に設けられた透明樹脂層31と、その表面に設けられた透明保護板40とから構成される。透明保護板40のタッチパネル30側の表面に設けられた段差部60は、透明樹脂層31により埋め込まれている。なお、透明樹脂層31及び透明樹脂層32が、基本的に本実施形態の粘着層に相当する。
なお、図4の液晶表示装置においては、画像表示ユニット7とタッチパネル30との間、及びタッチパネル30と段差部60を有する透明保護板40との間の両方に透明樹脂層が介在しているが、透明樹脂層はこれらの少なくとも一方に介在していればよく、特に本実施形態の粘着層を用いる場合はタッチパネル30と段差部60を有する透明保護板40との間に介在することが好ましい。また、タッチパネルがオンセルとなる場合は、タッチパネルと液晶表示セルが一体化される。その具体例としては、図3の液晶表示装置の液晶表示セル12が、オンセル型タッチパネルで置き換えられたものが挙げられる。
また、近年、インセル型タッチパネルと呼ばれる、タッチパネル機能が組み込まれた液晶表示セルの開発が進んでいる。このような液晶表示セルを備えた液晶表示装置は、透明保護板、偏光板、及び液晶表示セル(タッチパネル機能付き液晶表示セル)で構成されており、本発明の光硬化性樹脂組成物は、このようなインセル型タッチパネルを採用している液晶表示装置にも好適に用いることができる。
図3及び図4に示す液晶表示装置によれば、本実施形態の粘着層を透明樹脂層31又は32として備えるので、耐衝撃性を有し、二重映りがなく鮮明でコントラストの高い画像が得られる。
液晶表示セル12は、当技術分野で周知の液晶材料から構成されるものを使用することができる。また、液晶材料の制御方法によって、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super−Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In−Place−Switching)方式などに分類されるが、本発明では、いずれの制御方法を使用した液晶表示セルであってもよい。
偏光板20及び22としては、当技術分野で一般的な偏光板を使用することができる。それら偏光板の表面は、反射防止、防汚、ハードコート等の処理がなされていてもよい。このような表面処理は、偏光板の片面に対して、又はその両面に対して実施されていてよい。
タッチパネル30としては、当技術分野で一般的に用いられているものを使用することができる。
透明樹脂層31又は32は、例えば0.02mm〜3mmの厚さで形成することができる。特に、本実施形態の粘着層2を厚い膜にすることで、より一層優れた効果を発揮させることができ、1.0×102μm以上5.0×102μm以下の透明樹脂層31又は32を形成する場合に好適に用いることができる。
透明保護板40としては、一般的な光学用透明基板を使用することができる。その具体例としては、ガラス基板、石英板等の無機物の板;アクリル樹脂基板、ポリカーボネート板、シクロオレフィンポリマー板等のプラスチック基板;厚手のポリエステルシート等の樹脂シートなどが挙げられる。高い表面硬度が必要とされる場合にはガラス基板、アクリル樹脂基板が好ましく、ガラス基板がより好ましい。これらの透明保護板の表面には、反射防止、防汚、ハードコート等の処理がなされていてもよい。そのような表面処理は、透明保護板の片面に対して、又は両面に対して実施されていてもよい。透明保護板は、その複数枚を組み合わせて使用することもできる。
バックライトシステム50は、代表的には反射板等の反射手段とランプ等の照明手段とから構成される。
本実施形態に係る画像表示装置は、例えば、国際公開第2013/161666号に記載の方法により製造することができる。
粘着シート1(3層品)は、画像表示装置の組み立て等において次のように使用される。まず、軽剥離セパレータ4を粘着シート1(3層品)から剥離して粘着層2の粘着面を露出させる。続いて、粘着層2の粘着面を第1の被着物に貼り付け、ローラー等で押し付ける。この際、第1の被着物の表面に設けられた段差部60は、粘着層2により埋め込まれる。第1の被着物は、例えば画像表示ユニット、透明保護板又はタッチパネルである。続いて、重剥離セパレータ3を粘着層2から剥離して粘着層2の粘着面を露出させる。続いて、粘着層2の粘着面を第2の被着物に貼り付け、加熱加圧処理(オートクレーブ処理)をする。第2の被着物は、例えば画像表示ユニット、透明保護板又はタッチパネルである。このようにして、粘着層2を介して被着物同士を貼り合わせることができる。なお、この時の加熱加圧処理条件は、温度が20℃〜80℃であり、圧力が0.1MPa〜0.8MPaである。
粘着シート1(3層品)は、画像表示装置の組み立て等において次のように使用される。まず、軽剥離セパレータ4を粘着シート1(3層品)から剥離して粘着層2の粘着面を露出させる。続いて、粘着層2の粘着面を第1の被着物に貼り付け、ローラー等で押し付ける。この際、第1の被着物の表面に設けられた段差部60は、粘着層2により埋め込まれる。第1の被着物は、例えば画像表示ユニット、透明保護板又はタッチパネルである。続いて、重剥離セパレータ3を粘着層2から剥離して粘着層2の粘着面を露出させる。続いて、粘着層2の粘着面を第2の被着物に貼り付け、加熱加圧処理(オートクレーブ処理)をする。第2の被着物は、例えば画像表示ユニット、透明保護板又はタッチパネルである。このようにして、粘着層2を介して被着物同士を貼り合わせることができる。なお、この時の加熱加圧処理条件は、温度が20℃〜80℃であり、圧力が0.1MPa〜0.8MPaである。
以上の工程で、第1の被着物と第2の被着物との間に粘着層2が配置される。粘着層2は、特に、透明保護板とタッチパネルとの間、又はタッチパネルと画像表示ユニットとの間に配置されて使用されることが好ましい。
図3の液晶表示装置は、画像表示ユニットと透明保護板との間に本実施形態の粘着層を介在させて積層体を得ることにより製造することができる。すなわち、図3に記載の画像表示装置において、偏光板20の上面に本実施形態の粘着層をラミネート法によって積層することができる。
図4の液晶表示装置は、画像表示ユニットとタッチパネルとの間、又は、タッチパネルと透明保護板との間に本実施形態の粘着層を介在させて積層体を得ることより製造することができる。
[第二実施形態]
<画像表示装置用粘着シートII(4層品)>
本実施形態の画像表示装置用粘着シートは、フィルム状の粘着層と、粘着層を挟むように積層された第1の基材層及び第2の基材層と、第2の基材層に更に積層されたキャリア層と、を備えており、第1の基材層及びキャリア層の外縁は、粘着層の外縁よりも外側に張り出している。
<画像表示装置用粘着シートII(4層品)>
本実施形態の画像表示装置用粘着シートは、フィルム状の粘着層と、粘着層を挟むように積層された第1の基材層及び第2の基材層と、第2の基材層に更に積層されたキャリア層と、を備えており、第1の基材層及びキャリア層の外縁は、粘着層の外縁よりも外側に張り出している。
すなわち、図5及び図6に示されるように、本実施形態に係る粘着シート1(4層品)は、透明なフィルム状の粘着層2と、粘着層2を挟むように積層された軽剥離セパレータ4(第1の基材層)及び重剥離セパレータ3(第2の基材層)と、重剥離セパレータ3に更に積層されたキャリアフィルム5(キャリア層)とを備えている。
キャリアフィルム5の外縁5aは、粘着層2の外縁2aよりも外側に張り出している。これにより、外側に張り出したキャリアフィルム5の外縁部をつまむことで、キャリアフィルム5を第2の基材層から容易に剥離させることができる。また、キャリアフィルム5の外縁5aは、軽剥離セパレータ4の外縁4aよりも外側に張り出していることが好ましい。これにより、キャリアフィルム5の外縁部が更につまみ易くなっているため、キャリアフィルム5をより容易に剥離させることができる。キャリアフィルム5の外縁5aが軽剥離セパレータ4の外縁4aよりも張り出す幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがより好ましい。同様の観点から、10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。キャリアフィルム5、粘着層2、重剥離セパレータ3及び軽剥離セパレータ4の平面形状が長方形等の矩形状である場合には、キャリアフィルム5の外縁5aが軽剥離セパレータ4の外縁4aよりも張り出す幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、少なくとも1つの辺において0.5mm以上であることが好ましく、少なくとも1つの辺において1mm以上であることがより好ましく、全ての辺において0.5mm以上であることが更に好ましく、全ての辺において1mm以上であることが特に好ましい。同様の観点から、少なくとも1つの辺において10mm以下であることが好ましく、少なくとも1つの辺において5mm以下であることがより好ましく、全ての辺において10mm以下であることが更に好ましく、全ての辺において5mm以下であることが特に好ましい。
重剥離セパレータ3は、直前の工程までキャリアフィルム5によって保護されているため、重剥離セパレータ3の表面の傷が少なくなる。これにより、粘着層2の傷を容易に視認でき、傷が生じている粘着層2を被着物に貼り付ける前に容易に排除できる。
キャリアフィルム5は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムであり、中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。キャリアフィルム5の厚みは、作業性の観点から、15μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。同様の観点から、1.0×102μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが更に好ましい。
軽剥離セパレータ4と粘着層2との間の剥離強度は、重剥離セパレータ3と粘着層2との間の剥離強度よりも低くなっている。キャリアフィルム5と重剥離セパレータ3との間の剥離強度は、重剥離セパレータ3と粘着層2との間の剥離強度よりも低くなっている。ここで、キャリアフィルム5と重剥離セパレータ3との間の剥離強度は、軽剥離セパレータ4と粘着層2との間の剥離強度より低いことがより好ましいが、高くても本願の効果を損なうことはない。
キャリアフィルム5と重剥離セパレータ3との剥離強度は、例えばキャリアフィルム5及び重剥離セパレータ3の間に形成させる接着剤層の種類及び接着剤の厚さによって調整される。キャリアフィルム5及び重剥離セパレータ3の間に形成させる接着剤の種類としては、例えば、アクリル系接着剤等の接着剤が挙げられる。キャリアフィルム5及び重剥離セパレータ3の間に形成させる接着剤層の厚さは、0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。さらに、接着剤層の厚さは、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
このように、本実施形態の粘着シート1(4層品)によれば、粘着層2を保護しつつ、各セパレータ3,4及びキャリアフィルム5を確実に所定の順序で剥離不良なく容易に剥離させることができる。
本実施形態に係る粘着シートは、例えば、国際公開第2013/161666号に記載の方法により製造することができる。
<画像表示装置の製造方法II(4層品)>
本実施形態の粘着シート1(4層品)は、最初に、キャリアフィルム5を重剥離セパレータ3から剥離してから用いることを除いては、第一実施形態の粘着シートと同様にして使用することができる。
本実施形態の粘着シート1(4層品)は、最初に、キャリアフィルム5を重剥離セパレータ3から剥離してから用いることを除いては、第一実施形態の粘着シートと同様にして使用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
以下、実施例により本発明の説明をする。本実施例では、第一実施形態及び第二実施形態に係る粘着シートを作製しているが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
合成例1(アクリルポリマー(A−1)の合成)
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管を取り付けた反応容器に、初期モノマーとして、イソステアリルアクリレート(日立化成(株)製、商品名「FA−117A」)96.0gと2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名「HEA」)24.0gとメチルエチルケトン150.0gを取り、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で常温(25℃)から80℃まで加熱した。得られた溶液の温度を80℃に維持しながら、追加モノマーとしてのイソステアリルアクリレート24.0gと2−ヒドロキシエチルアクリレート6.0gをt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5.0gに溶解した溶液を、120分間かけて滴下した。滴下終了後、更に2時間反応させた。
続いて、メチルエチルケトンを留去することにより、イソステアリルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの共重合体(重量平均分子量3.0×105)を得た。
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管を取り付けた反応容器に、初期モノマーとして、イソステアリルアクリレート(日立化成(株)製、商品名「FA−117A」)96.0gと2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名「HEA」)24.0gとメチルエチルケトン150.0gを取り、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で常温(25℃)から80℃まで加熱した。得られた溶液の温度を80℃に維持しながら、追加モノマーとしてのイソステアリルアクリレート24.0gと2−ヒドロキシエチルアクリレート6.0gをt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5.0gに溶解した溶液を、120分間かけて滴下した。滴下終了後、更に2時間反応させた。
続いて、メチルエチルケトンを留去することにより、イソステアリルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの共重合体(重量平均分子量3.0×105)を得た。
合成例2(アクリルポリマー(A−2)の合成)
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管を取り付けた反応容器に、初期モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート84.0gと2−ヒドロキシエチルアクリレート36.0gとメチルエチルケトン150.0gを取り、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で常温(25℃)から80℃まで加熱した。得られた溶液の温度を80℃に維持しながら、追加モノマーとしての2−エチルヘキシルアクリレート21.0gと2−ヒドロキシエチルアクリレート9.0gをt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5.0gに溶解した溶液を、120分間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間反応させた。
続いて、メチルエチルケトンを留去することにより、2−エチルヘキシルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの共重合体(重量平均分子量1.8×105)を得た。
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管を取り付けた反応容器に、初期モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート84.0gと2−ヒドロキシエチルアクリレート36.0gとメチルエチルケトン150.0gを取り、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で常温(25℃)から80℃まで加熱した。得られた溶液の温度を80℃に維持しながら、追加モノマーとしての2−エチルヘキシルアクリレート21.0gと2−ヒドロキシエチルアクリレート9.0gをt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5.0gに溶解した溶液を、120分間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間反応させた。
続いて、メチルエチルケトンを留去することにより、2−エチルヘキシルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの共重合体(重量平均分子量1.8×105)を得た。
合成例3(ポリウレタンジアクリレート(C−1)の合成)
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び空気導入管を取り付けた反応容器に、ポリプロピレングリコール(数平均分子量2.0×103)285.3g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトン(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルFA2D」)24.5g、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.13g及び触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5gを取り、100mL/分の風量で空気を流しながら、15分間で常温(25℃)から75℃まで加熱した。得られた溶液の温度を75℃に維持しながら、イソホロンジイソシアネート39.6gを2時間かけて均一に滴下し、反応を行った。
滴下終了後、6時間反応させた。イソシアネート基が消失したことをIR測定により確認して反応を終了し、ポリプロピレングリコールとイソホロンジイソシアネートを構造単位として有し、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタンジアクリレート(重量平均分子量3.0×104)を得た。
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び空気導入管を取り付けた反応容器に、ポリプロピレングリコール(数平均分子量2.0×103)285.3g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトン(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルFA2D」)24.5g、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.13g及び触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5gを取り、100mL/分の風量で空気を流しながら、15分間で常温(25℃)から75℃まで加熱した。得られた溶液の温度を75℃に維持しながら、イソホロンジイソシアネート39.6gを2時間かけて均一に滴下し、反応を行った。
滴下終了後、6時間反応させた。イソシアネート基が消失したことをIR測定により確認して反応を終了し、ポリプロピレングリコールとイソホロンジイソシアネートを構造単位として有し、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタンジアクリレート(重量平均分子量3.0×104)を得た。
合成例4(ポリウレタンジアクリレート(C−2)の合成)
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び空気導入管を取り付けた反応容器に、ポリプロピレングリコール(数平均分子量2.0×103)285.3g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトン(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルFA2D」)37g、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.13g及び触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5gを取り、100mL/分の風量で空気を流しながら、15分間で常温(25℃)から75℃まで加熱した。得られた溶液の温度を75℃に維持しながら、イソホロンジイソシアネート39.6gを2時間かけて均一に滴下し、反応を行った。
滴下終了後、6時間反応させた。イソシアネート基が消失したことをIR測定により確認して反応を終了し、ポリプロピレングリコールとイソホロンジイソシアネートを構造単位として有し、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタンジアクリレート(重量平均分子量5.0×103)を得た。
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び空気導入管を取り付けた反応容器に、ポリプロピレングリコール(数平均分子量2.0×103)285.3g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトン(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルFA2D」)37g、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.13g及び触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5gを取り、100mL/分の風量で空気を流しながら、15分間で常温(25℃)から75℃まで加熱した。得られた溶液の温度を75℃に維持しながら、イソホロンジイソシアネート39.6gを2時間かけて均一に滴下し、反応を行った。
滴下終了後、6時間反応させた。イソシアネート基が消失したことをIR測定により確認して反応を終了し、ポリプロピレングリコールとイソホロンジイソシアネートを構造単位として有し、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタンジアクリレート(重量平均分子量5.0×103)を得た。
なお、重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを使用して測定し、下記の装置及び測定条件を用いて標準ポリスチレンの検量線を使用して換算することによって決定した値である。検量線の作成にあたっては、標準ポリスチレンとして5サンプルセット(PStQuick MP−H, PStQuick B[東ソー(株)製、商品名])を用いた。
装置:高速GPC装置 HLC−8320GPC(検出器:示差屈折計)
(東ソー(株)製、商品名)
使用溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム:カラムTSKGEL SuperMultipore HZ−H
(東ソー(株)製、商品名)
カラムサイズ:カラム長が15cm、カラム内径が4.6mm
測定温度:40℃
流量:0.35mL/分
試料濃度:10mg/THF5mL
注入量:20μL
装置:高速GPC装置 HLC−8320GPC(検出器:示差屈折計)
(東ソー(株)製、商品名)
使用溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム:カラムTSKGEL SuperMultipore HZ−H
(東ソー(株)製、商品名)
カラムサイズ:カラム長が15cm、カラム内径が4.6mm
測定温度:40℃
流量:0.35mL/分
試料濃度:10mg/THF5mL
注入量:20μL
また、数平均分子量は、重量平均分子量同様、GPCを用いて測定した分子量分布曲線から、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算できる。
粘着性樹脂組成物の原料となる以下の各成分を準備した。
A成分:アクリルポリマー(A−1)〜(A−2)
B成分:イソステアリルアクリレート(ISTA)
:2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)
:4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)
:N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)
:2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)
:ダイアセトンアクリルアミド(DAAM)
:アクリロイルモルホリン(ACMO)
C成分:イソプレンアクリレート((株)クラレ製、商品名「UC−102」)
:ポリウレタンジアクリレート(C−1)〜(C−2)
D成分:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン(株)製、商品名「Irgacure−184」)
A成分:アクリルポリマー(A−1)〜(A−2)
B成分:イソステアリルアクリレート(ISTA)
:2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)
:4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)
:N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)
:2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)
:ダイアセトンアクリルアミド(DAAM)
:アクリロイルモルホリン(ACMO)
C成分:イソプレンアクリレート((株)クラレ製、商品名「UC−102」)
:ポリウレタンジアクリレート(C−1)〜(C−2)
D成分:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン(株)製、商品名「Irgacure−184」)
<実施例1>
[粘着シート1の作製(3層品)]
重剥離セパレータとして厚み75μmのポリエチレンテレフタレート(藤森工業(株)社製)、並びに軽剥離セパレータ及び仮セパレータとして厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(藤森工業(株)社製)を用いて、以下の(I)〜(VI)の手順で粘着シートを作製した。
[粘着シート1の作製(3層品)]
重剥離セパレータとして厚み75μmのポリエチレンテレフタレート(藤森工業(株)社製)、並びに軽剥離セパレータ及び仮セパレータとして厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(藤森工業(株)社製)を用いて、以下の(I)〜(VI)の手順で粘着シートを作製した。
(I)アクリルポリマー(A−1)35.0g、イソステアリルアクリレート(ISTA)39.0g、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)10.0g、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)10.0g、イソプレンアクリレート((株)クラレ製、商品名「UC−102」)0.5g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(I−184)(BASFジャパン(株)製、商品名「Irgacure−184」)0.5gを秤量し、これらを撹拌混合することで、25℃で液状の粘着性樹脂組成物を得た。
(II)この粘着性樹脂組成物を重剥離セパレータ上に塗工して塗膜を形成した後、粘着層上に仮セパレータを積層し、紫外線照射装置(アイグラフィックス(株)社製)を用いて紫外線を照射(2.0×103mJ/cm2)することで重剥離セパレータと仮セパレータとで粘着層を挟んだ粘着シートを得た。なお、粘着層の厚みは1.5×102μmとなるように調整して塗工した。
(III)220mm×180mmになるように重剥離セパレータ、粘着層、及び仮セパレータを直径72mmのロータリーブレードにより切断した。
(IV)粘着層及び仮セパレータを205mm×160mmになるように直径72mmのロータリーブレードにより切断した。この時、重剥離セパレータの長辺側の両辺が、粘着層の長辺側の両辺より7.5mm張り出すように、また、重剥離セパレータの短辺側の両辺が、粘着層の短辺側の両辺より5mm張り出すように切断した。なお、(III)及び(IV)の切断は、ロータリー式打抜装置を用いた。
(V)仮セパレータを剥離し、215mm×170mmの軽剥離セパレータを粘着層上に積層した。このようにして、粘着シートを得た。この時、軽剥離セパレータの長辺側の両辺が、粘着層の長辺側の両辺より5mm張り出すように、又軽剥離セパレータの短辺側の両辺が、粘着層の短辺側の両辺より5mm張り出すように積層した。
<実施例3及び比較例1〜3>
配合条件を表1に示す配合としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
配合条件を表1に示す配合としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
[各種評価]
各実施例及び比較例で得られた粘着シートについて、以下の(1)〜(3)の評価を行った。
各実施例及び比較例で得られた粘着シートについて、以下の(1)〜(3)の評価を行った。
(1)濁度(ヘイズ)の測定
作製した粘着シートを60℃、95%RHの環境下に96時間放置した。次に、作製した粘着シートを幅40mm、長さ100mmの寸法の矩形に切り出し、50mm×100mm×3mm(厚さ)寸法のガラス基板(ソーダライムガラス)に、該粘着シートの片側面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、ハンドローラーを用いて(25℃、荷重:500gf)貼合せた。次いで、粘着シートの反対面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着材面を光源側としてヘイズを測定した。
測定は、濁度計(日本電色工業(株)製、NDH−2000)を用いて、JIS K 7136:2000に準じて行った。
ヘイズ(%)=(Td/Tt)×100
Td:拡散透過率 Tt:全光線透過率
作製した粘着シートを60℃、95%RHの環境下に96時間放置した。次に、作製した粘着シートを幅40mm、長さ100mmの寸法の矩形に切り出し、50mm×100mm×3mm(厚さ)寸法のガラス基板(ソーダライムガラス)に、該粘着シートの片側面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、ハンドローラーを用いて(25℃、荷重:500gf)貼合せた。次いで、粘着シートの反対面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着材面を光源側としてヘイズを測定した。
測定は、濁度計(日本電色工業(株)製、NDH−2000)を用いて、JIS K 7136:2000に準じて行った。
ヘイズ(%)=(Td/Tt)×100
Td:拡散透過率 Tt:全光線透過率
(2)誘電率測定
作製した粘着シートに紫外線照射装置を用いて紫外線を2.0×103mJ/cm2照射した後、幅50mm、長さ50mmの寸法の矩形に切り出し、該粘着シートの片側面に100mm×100mm×18μm(厚さ)寸法の銅箔(日本電解(株)製、商品名「SLP−18」)の光沢面側を粘着シートがはみ出さないように貼合せた。次いで、粘着シートの反対面に20mm×20mm×18μm(厚さ)寸法の銅箔(日本電解(株)製、商品名「SLP−18」)の光沢面側を粘着シートがはみ出さないように貼合せた。100mm×100mm寸法の銅箔及び20mm×20mm寸法の銅箔のそれぞれのほぼ中央部に端子を接触させて、誘電率測定装置(Agilent Technologies社製、LCR meter E4980)により23℃、100kHzにおける誘電率を測定した。
各実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。表1の各成分の含有量は、樹脂組成物の総量を基準とする質量部である。
作製した粘着シートに紫外線照射装置を用いて紫外線を2.0×103mJ/cm2照射した後、幅50mm、長さ50mmの寸法の矩形に切り出し、該粘着シートの片側面に100mm×100mm×18μm(厚さ)寸法の銅箔(日本電解(株)製、商品名「SLP−18」)の光沢面側を粘着シートがはみ出さないように貼合せた。次いで、粘着シートの反対面に20mm×20mm×18μm(厚さ)寸法の銅箔(日本電解(株)製、商品名「SLP−18」)の光沢面側を粘着シートがはみ出さないように貼合せた。100mm×100mm寸法の銅箔及び20mm×20mm寸法の銅箔のそれぞれのほぼ中央部に端子を接触させて、誘電率測定装置(Agilent Technologies社製、LCR meter E4980)により23℃、100kHzにおける誘電率を測定した。
各実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。表1の各成分の含有量は、樹脂組成物の総量を基準とする質量部である。
<実施例2>
[粘着シートの作製(4層品)]
(I)配合条件を表1に示す配合としたこと以外は、実施例1の(I)と同様の方法で液状の粘着性樹脂組成物を得た。
(II)この粘着性樹脂組成物を重剥離セパレータの一方の面上に塗工して塗膜を形成した後、粘着層上に仮セパレータを積層し、紫外線を照射(2.0×103mJ/cm2)し、その後、重剥離セパレータの他方の面に、アクリル系接着剤(ヒタレックスK−6040(商品名)、日立化成(株)製)をラミネートし、その上にキャリアフィルムを積層した。
(III)220mm×180mmになるように重剥離セパレータ、粘着層、仮セパレータ及びキャリアフィルムを切断した。
(IV)粘着層、重剥離セパレータ及び仮セパレータを205mm×160mmになるように、直径72mmのロータリーブレードにより切断した。切断には、ロータリー式打抜装置を用いた。この時、キャリアフィルムの長辺側の両辺が、粘着層の長辺側の両辺より7.5mm張り出すように、また、キャリアフィルムの短辺側の両辺が、粘着層の短辺側の両辺より5mm張り出すように切断した。
(V)仮セパレータを剥離し、215mm×170mmの軽剥離セパレータを粘着層上に積層した。このようにして、粘着シートを得た。この時、軽剥離セパレータの長辺側の両辺が、粘着層の長辺側の両辺より5mm張り出すように、又軽剥離セパレータの短辺側の両辺が、粘着層の短辺側の両辺より5mm張り出すように積層した。
[粘着シートの作製(4層品)]
(I)配合条件を表1に示す配合としたこと以外は、実施例1の(I)と同様の方法で液状の粘着性樹脂組成物を得た。
(II)この粘着性樹脂組成物を重剥離セパレータの一方の面上に塗工して塗膜を形成した後、粘着層上に仮セパレータを積層し、紫外線を照射(2.0×103mJ/cm2)し、その後、重剥離セパレータの他方の面に、アクリル系接着剤(ヒタレックスK−6040(商品名)、日立化成(株)製)をラミネートし、その上にキャリアフィルムを積層した。
(III)220mm×180mmになるように重剥離セパレータ、粘着層、仮セパレータ及びキャリアフィルムを切断した。
(IV)粘着層、重剥離セパレータ及び仮セパレータを205mm×160mmになるように、直径72mmのロータリーブレードにより切断した。切断には、ロータリー式打抜装置を用いた。この時、キャリアフィルムの長辺側の両辺が、粘着層の長辺側の両辺より7.5mm張り出すように、また、キャリアフィルムの短辺側の両辺が、粘着層の短辺側の両辺より5mm張り出すように切断した。
(V)仮セパレータを剥離し、215mm×170mmの軽剥離セパレータを粘着層上に積層した。このようにして、粘着シートを得た。この時、軽剥離セパレータの長辺側の両辺が、粘着層の長辺側の両辺より5mm張り出すように、又軽剥離セパレータの短辺側の両辺が、粘着層の短辺側の両辺より5mm張り出すように積層した。
粘着シートについて上記と同様の評価を行ったところ、所望の形状を備える粘着シートを作製することができ、かつ実施例1と同様に光学特性、誘電率について優れる結果となった。
本発明によれば、低誘電率及び高温高湿環境下に放置後の光学特性に優れる画像表示装置用粘着シートを製造することができる。このような粘着層が組み込まれたデバイスは、タッチパネルの感度の低下を防止するだけでなく、視認性の低下も防止できるため、本発明の粘着シートは画像表示装置の用途に適している。特に、本発明に係る粘着シートは、タッチパネル等の情報入力装置と透明保護板との間を充填する際に用いられるシート材料として極めて有用である。
1…粘着シート、2…粘着層、3…重剥離セパレータ、4…軽剥離セパレータ、5…キャリアフィルム、2a,3a,4a,5a…外縁、7…画像表示ユニット、12…液晶表示セル、20,22…偏光板、30…タッチパネル、31,32…透明樹脂層、40…透明保護板(ガラス又はプラスチック基板)、50…バックライトシステム、60…段差部。
Claims (7)
- 粘着層と、前記粘着層を挟むように積層された一対の基材層と、を備えており、
前記粘着層は、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位を含む粘着性樹脂組成物から形成される、画像表示装置用粘着シート。 - 粘着層と、前記粘着層を挟むように積層された第1の基材層及び第2の基材層と、前記第2の基材層に更に積層されたキャリア層と、を備えており、
前記粘着層は、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位を含む粘着性樹脂組成物から形成される、画像表示装置用粘着シート。 - 前記粘着層の膜厚が、1.0×102μm〜5.0×102μmである請求項1又は2に記載の画像表示装置用粘着シート。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置用粘着シートが備える前記粘着層を介して、被着物同士を貼り合わせて積層体を得る工程と、
前記積層体を、20℃〜80℃及び0.1MPa〜0.8MPaの条件で加熱加圧処理する工程と、を備える、画像表示装置の製造方法。 - 前記被着物が、透明保護板、タッチパネル、及び画像表示ユニットから選択される少なくとも2種である、請求項4記載の画像表示装置の製造方法。
- 画像表示ユニットと、
透明保護板と、
前記画像表示ユニット及び前記透明保護板の間に介在する、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位を含む粘着層と、
を有する、積層体を備える画像表示装置。 - 画像表示ユニットと、
タッチパネルと、
透明保護板と、
前記タッチパネル及び前記透明保護板の間、又は前記画像表示ユニット及び前記タッチパネルの間に介在する、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び(メタ)アクリロイル基を有するイソプレンに由来する構造単位を含む粘着層と、
を有する、積層体を備える画像表示装置。
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