JP2017019903A - 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 Download PDF

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丸山 直樹
Naoki Maruyama
直樹 丸山
石川 栄作
Eisaku Ishikawa
栄作 石川
中村 智之
Tomoyuki Nakamura
智之 中村
康平 向垣内
Kohei Mukaigaito
康平 向垣内
陽介 星
Yosuke Hoshi
陽介 星
高橋 宏明
Hiroaki Takahashi
宏明 高橋
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Abstract

【課題】段差埋め込み性、加工性、寸法保持性、及び、紫外線吸収機能に優れる画像表示装置用粘着シートを提供する。【解決手段】第1粘着層2a及び第2粘着層2bを備え、第1粘着層2aが、(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーと、熱架橋剤と、を含有し、第2粘着層2bが、(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーと、熱架橋剤と、紫外線吸収剤と、を含有する、粘着シート(画像表示装置用粘着シート)1a。【選択図】図2

Description

本発明は、画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置に関する。
近年、画像表示装置における透明保護板若しくは情報入力装置(例えばタッチパネル)と画像表示ユニットの表示面との間の空隙、又は、透明保護板と情報入力装置との間の空隙を、空気と比較して、透明保護板、情報入力装置及び画像表示ユニットの表示面に屈折率が近い透明材料で置換することにより、光透過性を向上させ、画像表示装置の輝度及びコントラストの低下を抑える方法が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。画像表示装置として、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、有機ELディスプレイ(OLED)、電気泳動ディスプレイ(EPD)等がある。一例として液晶表示装置の断面図を図26に示す。タッチパネルを内蔵した液晶表示装置は、透明保護板D1、タッチパネルD2、偏光板D3及び液晶表示セルD4で構成されており、液晶表示装置の割れ防止、応力及び衝撃の緩和、並びに、視認性の向上のために、透明保護板とタッチパネルとの間に粘着層(透明樹脂層)D5が設けられ、さらに、タッチパネルと偏光板との間に粘着層(透明樹脂層)D6が設けられる場合もある。また、透明保護板の材質は、ガラス製が主流であるが、安価で耐衝撃性に優れるプラスチック製(ポリカーボネート又はポリメチルメタクリレート(以下、「PMMA」と略す)、ポリカーボネート・PMMA複層品等)への置き換えが検討されている。
ところで、情報入力装置及び画像表示ユニットには、その周縁部分に入出力の配線を設ける必要がある。図27に示すように、透明保護板D8側からこれらの配線が見えないように、一般に、透明保護板D8の周縁部分に印刷等で枠状の段差部(装飾部)D7が設けられる(特許文献1の図1における符号19(枠パターン)等)。これらの段差部D7により生じる段差Δtを解消するため、透明保護板D8に貼り合わせる粘着層D9の粘着剤として、例えば、フィルムシート状の粘着剤が用いられる場合がある。この段差近傍を隙間無く埋め込むためには、フィルムシート状の粘着剤に対して優れた段差への埋め込み性が求められる。このような段差への埋め込み性を改善するためのフィルムシート状の粘着剤が種々検討されている(例えば、下記特許文献2〜4参照)。
特許文献2には、未硬化の光硬化性樹脂組成物がシート又はフィルム状であり、且つ、当該未硬化組成物が25℃において固体であり、80℃以下の温度で流動性を発現し、且つ、前記光硬化性接着剤組成物が液晶パネル接着用であることを特徴とする接着剤組成物が開示されている。特許文献3には、異なる粘弾性挙動を有する第1粘着層及び第2粘着層をそれぞれ1層以上有し、且つ、これらの層を積層し一体化してなる構成を備えた粘着シートが開示されている。特許文献4には、粘着性樹脂組成物を単層又は多層のシート状に形成し、これを紫外線架橋して1次硬化させ、さらに、貼り合わせ後に紫外線照架橋による2次硬化を行うフィルムシート状の粘着剤が開示されている。
また、前記液晶表示セルは、偏光フィルム、カラーフィルタ等の光学機能付きフィルム、液晶表示セル、透明基板、バックライト等といった液晶表示セル構成部材からなる。これらは、熱、湿気、紫外線が影響し経年劣化(輝度の低下、色度のムラ等)が起こり、視認性が低下することから、それを防止抑制することが求められる。また、近年、実用化が進んでいる有機ELディスプレイにおいては、有機EL素子の紫外線劣化により色度のムラ等が発生し視認性が低下するため、それを抑制する機能が求められている。例えば、特許文献5には、前記紫外線劣化の問題を解決するために、粘着層に紫外線吸収剤を含ませることで紫外線吸収機能を付与した粘着シートが開示されている。
特開2008−83491号公報 特許第5716881号公報 特許第4806730号公報 特許第4971529号公報 特開2012−211305号公報
画像表示ユニットの前記枠状の段差部は、従来、黒色の隠蔽部を印刷することが一般的であったが、デザインの多様化に伴って、この枠状の隠蔽部を黒色以外の色で形成することが行われるようになってきた。黒色以外の色の場合、隠蔽性が低いため、黒色に比べて隠蔽部(すなわち印刷部)の厚さを20〜80μm程度に厚くする必要がある。さらに、近年、前記画像表示装置の薄型化又は軽量化を目的に、フィルムシート状の粘着剤にも薄膜化が求められるようになってきた。したがって、従来より薄い膜厚で、従来より高い段差を埋め込むことが必要であり、画像表示装置用粘着シートには、従来より優れた段差埋め込み性が求められる。
また、シート状の粘着剤を用いた場合、より柔軟で変形し易くすることで段差への埋め込み性を高めることができる。しかし、シートを所定寸法に切断する加工工程又は切断加工後の保管期間を経て切断面から粘着剤が吐出し、所定寸法を保持できないばかりか、後の積層工程における作業性が悪化する問題がある。そのため、画像表示装置用粘着シートに対しては、段差埋め込み性、加工性(シートとしての加工性)及び寸法保持性を高い次元で両立すると共に、先述の紫外線吸収機能を好適に併せもつことが求められている。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、段差埋め込み性、加工性(シートとしての加工性)、寸法保持性、及び、紫外線吸収機能に優れる画像表示装置用粘着シートを提供することを目的とする。また、本発明は、前記画像表示装置用粘着シートを用いた画像表示装置の製造方法、及び、当該製造方法により得られる画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、特定成分を含有する第1粘着層及び第2粘着層を備える粘着シートを用いることにより上記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明に係る画像表示装置用粘着シートの第1実施形態は、第1粘着層及び第2粘着層を備え、前記第1粘着層が、(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーと、熱架橋剤と、を含有し、前記第2粘着層が、(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーと、熱架橋剤と、紫外線吸収剤と、を含有する。本発明に係る画像表示装置用粘着シートの第2実施形態は、第1粘着層及び第2粘着層を備え、前記第1粘着層が、(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーと、単官能(メタ)アクリレートと、を含有し、前記第2粘着層が、(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーと、熱架橋剤と、紫外線吸収剤と、を含有し、前記第1粘着層の前記(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーが、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート50〜90質量部と、水酸基を有する(メタ)アクリレート10〜30質量部との共重合体を含む。
第1実施形態及び第2実施形態に係る画像表示装置用粘着シートは、段差埋め込み性、加工性(シートとしての加工性)、寸法保持性、及び、紫外線吸収機能に優れる。また、第1実施形態及び第2実施形態に係る画像表示装置用粘着シートは、被着物上に形成される段差部の高さが高い場合であっても、段差埋め込み性、加工性(シートとしての加工性)、寸法保持性、及び、紫外線吸収機能に優れ、且つ、薄膜化時の膜厚均一性に優れるため薄膜形成が容易である。上記粘着層は、段差埋め込み性及び紫外線吸収性に優れるため、画像表示ユニット、タッチパネル又は透明保護板上に高い段差が設けられている場合であっても、優れた耐衝撃性と視認性とを兼ね備え、且つ、紫外線耐性に優れた画像表示装置を得ることができる。
ところで、従来の粘着剤は、段差埋め込み性を付与しようとすると、柔軟な粘着剤とならざるを得ず、特に高温環境下における接着信頼性が不足し、画像表示装置の視認性を低下させる問題がある。一方、第1実施形態及び第2実施形態に係る画像表示装置用粘着シートは、貼り合わせ後の信頼性に優れる(特に、被着物上に形成される段差部の高さが高い場合であっても、貼り合わせ後の信頼性に優れる)ため、画像表示装置の視認性が低下することを抑制できる。
第2実施形態における前記第1粘着層の前記(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーの重量平均分子量は、500000以上であることが好ましい。
前記第1粘着層は、光重合開始剤、及び、光反応性官能基を有する架橋剤を更に含有してもよい。前記光反応性官能基は、(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。前記光反応性官能基を有する架橋剤は、イソシアネート基を更に有することが好ましい。
前記画像表示装置用粘着シートは、420nmの光透過率が90%以上であり、380nmの光透過率が15%以下である態様であることが好ましい。
前記画像表示装置用粘着シートは、第1基材層及び第2基材層を更に備え、前記第1粘着層及び前記第2粘着層が、前記第1基材層及び前記第2基材層の間に配置されている態様であってもよい。
本発明に係る画像表示装置の製造方法は、前記画像表示装置用粘着シートの前記第1粘着層及び前記第2粘着層を介して第1被着物と第2被着物とを貼り合わせて積層体を得る工程と、20〜80℃、0.1〜0.8MPaの条件で前記積層体を加熱及び加圧する加熱加圧工程と、を備える。
このような画像表示装置の製造方法によれば、本発明に係る粘着シートを用いることで、視認性の低下が抑制された画像表示装置を製造することができる。本発明に係る粘着シートを用いることにより、例えば、画像表示ユニット(液晶表示ユニット等)とタッチパネル、画像表示ユニットと透明保護板、タッチパネルと透明保護板のような、画像表示ユニットと、画像表示装置に必要とされるその他の部材(光学部材等)とを貼り合わせることができる。本発明に係る画像表示装置の製造方法は、被着物が、透明保護板及びタッチパネル、又は、透明保護板及び画像表示ユニットである場合に特に有用である。同様に、本発明に係る粘着シートを用いることにより、画像表示装置の画像表示ユニットより視認側にある部材同士を貼合することもできる。その際、例えば、視認側の透明保護板がその外周縁に沿う高段差部を有していても、粘着層が確実に段差を埋め込むことができるため、視認性を低下させることがないと推認される。
本発明に係る画像表示装置の製造方法は、前記加熱加圧工程の後に、前記積層体に対し前記第1粘着層側から紫外線を照射する工程を更に備えていてもよい。前記第1被着物及び前記第2被着物からなる群より選ばれる少なくとも一種は、透明保護板、タッチパネル及び画像表示ユニットからなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。
本発明に係る画像表示装置は、本発明に係る画像表示装置の製造方法により得られる画像表示装置であって、前記第1被着物と、前記第2被着物と、前記粘着層又はその硬化物と、を備え、前記第1被着物及び前記第2被着物のうちの一方の被着物が画像表示ユニットである。本発明に係る画像表示装置は、前記第1被着物及び前記第2被着物のうちの他方の被着物の面が前記第1粘着層に接しており、前記面が段差部を有している態様であってもよい。
本発明によれば、段差埋め込み性、加工性(シートとしての加工性)、寸法保持性、及び、紫外線吸収機能に優れる画像表示装置用粘着シートを提供することができる。また、本発明によれば、前記画像表示装置用粘着シートを用いた画像表示装置の製造方法、及び、当該製造方法により得られる画像表示装置を提供することができる。本発明によれば、画像表示装置の製造のための粘着シートの応用を提供することができる。
画像表示装置用粘着シートの一実施形態を示す斜視図である。 画像表示装置用粘着シートの一実施形態を示す断面図である。 画像表示装置用粘着シートの他の一実施形態を示す斜視図である。 画像表示装置用粘着シートの他の一実施形態を示す断面図である。 母材フィルムの断面図である。 切断工程を示す断面図である。 除去工程を示す断面図である。 除去工程を示す断面図である。 貼付工程を示す断面図である。 母材フィルムの断面図である。 切断工程を示す断面図である。 除去工程を示す断面図である。 除去工程を示す断面図である。 除去工程を示す断面図である。 貼付工程を示す断面図である。 画像表示装置の一実施形態を示す断面図である。 画像表示装置の他の一実施形態を示す断面図である。 軽剥離セパレータの剥離工程を示す断面図である。 被着物への粘着面の貼付工程を示す断面図である。 重剥離セパレータの剥離工程を示す断面図である。 被着物への粘着面の貼付工程を示す断面図である。 キャリア層の剥離工程を示す断面図である。 引張応力−ひずみ曲線評価用サンプルを示す平面図である。 引張応力−ひずみ曲線を示す図である。 広域動的粘弾性測定装置を用いた測定方法を説明するための断面図である。 従来の画像表示装置を示す断面図である。 従来の粘着シートを用いた場合の表面平坦性を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明をするが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。また、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」又はそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又はそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル」とは「アクリロイル」又はそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。
(画像表示装置用粘着シート)
本実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)に係る画像表示装置用粘着シートは、第1粘着層及び第2粘着層を備えている。第1実施形態に係る画像表示装置用粘着シートにおいて、第1粘着層は、(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーと、熱架橋剤と、を含有し、第2粘着層は、(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーと、熱架橋剤と、紫外線吸収剤と、を含有している。第2実施形態に係る画像表示装置用粘着シートにおいて、第1粘着層は、(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーと、単官能(メタ)アクリレートと、を含有し、第2粘着層は、(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーと、熱架橋剤と、紫外線吸収剤と、を含有し、第1粘着層の(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーは、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート50〜90質量部と、水酸基を有する(メタ)アクリレート10〜30質量部との共重合体を含む。第1粘着層及び第2粘着層のそれぞれは、例えば、粘着性樹脂組成物から構成されている。第1粘着層及び第2粘着層は、一体化されていてもよい。
本実施形態に係る画像表示装置用粘着シートは、基材層を備える画像表示装置用粘着シート部材であってもよい。画像表示装置用粘着シートは、例えば、第1粘着層と、第2粘着層と、第1粘着層及び第2粘着層を挟むように積層された一対の基材層と、を備えている。すなわち、第1粘着層及び第2粘着層は、例えば、第1基材層及び第2基材層の間に配置されている。基材層(第1基材層及び/又は第2基材層)の外縁は、粘着層(第1粘着層及び/又は第2粘着層)の外縁よりも外側に張り出していることが好ましい。
例えば、図1及び図2に示されるように、画像表示装置用粘着シートの一態様である粘着シート1aは、透明なフィルム状の粘着層2と、粘着層2を挟むように積層された重剥離セパレータ(第1基材層)3及び軽剥離セパレータ(第2基材層)4とを備えている。粘着層2は、第1粘着層2a及び第2粘着層2bを有している。重剥離セパレータ3、第2粘着層2b、第1粘着層2a及び軽剥離セパレータ4は、積層方向においてこの順に配置されている。重剥離セパレータ3の外縁3e及び軽剥離セパレータ4の外縁4eは、粘着層2(第1粘着層2a及び/又は第2粘着層2b)の外縁2eよりも張り出している。
重剥離セパレータ3の主面(平面形状)は、粘着層2の主面(平面形状)よりも大きいことが好ましく、重剥離セパレータ3の外縁3eは粘着層2の外縁2eよりも外側に張り出していることがより好ましい。粘着層2の外縁2eよりも張り出している部分の重剥離セパレータ3の幅は、取り扱い易さ及び剥がし易さに優れる観点、並びに、埃等の付着を更に低減できる観点から、2〜20mm、又は、4〜10mmであってもよい。粘着層2及び重剥離セパレータ3の主面の形状が略長方形等の略矩形状である場合には、粘着層2の外縁2eよりも張り出している部分の重剥離セパレータ3の幅は、少なくとも1つの辺において2〜20mm若しくは4〜10mmであってもよく、又は、全ての辺において2〜20mm若しくは4〜10mmであってもよい。
軽剥離セパレータ4の主面(平面形状)は、粘着層2の主面(平面形状)よりも大きいことが好ましく、軽剥離セパレータ4の外縁4eは粘着層2の外縁2eよりも外側に張り出していることがより好ましい。軽剥離セパレータ4の外縁4eが粘着層2の外縁2eよりも張り出す幅は、取り扱い易さ及び剥がし易さに優れる観点、並びに、埃等の付着を更に低減できる観点から、2〜20mm、又は、4〜10mmであってもよい。粘着層2及び軽剥離セパレータ4の主面の形状が略長方形等の略矩形状である場合には、軽剥離セパレータ4の外縁4eが粘着層2の外縁2eよりも張り出す幅は、少なくとも1つの辺において2〜20mm若しくは4〜10mmであってもよく、又は、全ての辺において2〜20mm若しくは4〜10mmであってもよい。
軽剥離セパレータ4と粘着層2との間の剥離強度は、重剥離セパレータ3と粘着層2との間の剥離強度よりも低いことが好ましい。これにより、重剥離セパレータ3は軽剥離セパレータ4よりも粘着層2から剥離し難くなる。また、後述するように、重剥離セパレータ3側に向かってブレードBが粘着層2に通される場合、粘着層2の外縁部が重剥離セパレータ3に押し付けられることとなる。これにより、重剥離セパレータ3は軽剥離セパレータ4よりも更に粘着層2から剥離し難くなり、重剥離セパレータ3に剥離が生じる前に軽剥離セパレータ4を剥離させることができる。したがって、重剥離セパレータ3及び軽剥離セパレータ4を片方ずつ剥離させることができ、重剥離セパレータ3及び軽剥離セパレータ4を剥離して粘着層2を別々の被着物に貼り付ける作業を片方ずつ確実に行うことができる。なお、重剥離セパレータ3と粘着層2との剥離強度、及び、軽剥離セパレータ4と粘着層2との剥離強度は、例えば、重剥離セパレータ3及び/又は軽剥離セパレータ4の表面処理を施すことによって調整することができる。表面処理方法としては、例えば、シリコーン系化合物又はフッ素系化合物で離型処理することが挙げられる。
本実施形態に係る画像表示装置用粘着シートは、第1基材層又は第2基材層に積層されたキャリア層を備えていてもよい。画像表示装置用粘着シートは、例えば、第1粘着層及び第2粘着層を有する粘着層(例えばフィルム状の粘着層)と、粘着層を挟むように積層された一対の基材層と、基材層に積層されたキャリア層と、を備えている。キャリア層の外縁と、第1基材層及び第2基材層からなる群より選ばれる少なくとも一種の外縁とは、キャリア層、基材層及び粘着層の積層方向から見て、粘着層(第1粘着層及び/又は第2粘着層)の外縁よりも外側に張り出していることが好ましい。
例えば、図3及び図4に示されるように、画像表示装置用粘着シートの他の一態様である粘着シート1bは、透明なフィルム状の粘着層2と、粘着層2を挟むように積層された重剥離セパレータ3(第1基材層)及び軽剥離セパレータ4(第2基材層)と、重剥離セパレータ3に積層されたキャリアフィルム(キャリア層)5とを備えている。
キャリアフィルム5の外縁5eは、粘着層2の外縁2eよりも外側に張り出している。これにより、外側に張り出したキャリアフィルム5の外縁部をつまむことで、キャリアフィルム5を重剥離セパレータ3から容易に剥離させることができる。キャリアフィルム5の外縁5eは、軽剥離セパレータ4の外縁4eよりも外側に張り出している。これにより、キャリアフィルム5の外縁部が更につまみ易くなっているため、キャリアフィルム5をより容易に剥離させることができる。軽剥離セパレータ4の外縁4eよりも張り出している部分のキャリアフィルム5の幅は、取り扱い易さ及び剥がし易さに優れる観点、並びに、埃等の付着を更に低減できる観点から、0.5〜10mm、又は、1〜5mmであってもよい。キャリアフィルム5、粘着層2、重剥離セパレータ3及び軽剥離セパレータ4の主面の形状が略長方形等の略矩形である場合には、軽剥離セパレータ4の外縁4eよりも張り出している部分のキャリアフィルム5の幅は、少なくとも1つの辺において0.5〜10mm若しくは1〜5mmであってもよく、又は、全ての辺において0.5〜10mm若しくは1〜5mmであってもよい。
軽剥離セパレータ4と粘着層2との間の剥離強度は、重剥離セパレータ3と粘着層2との間の剥離強度よりも低いことが好ましい。キャリアフィルム5と重剥離セパレータ3との間の剥離強度は、重剥離セパレータ3と粘着層2との間の剥離強度よりも低いことが好ましい。ここで、キャリアフィルム5と重剥離セパレータ3との間の剥離強度は、軽剥離セパレータ4と粘着層2との間の剥離強度よりも低いことがより好ましいが、高くてもよい。
キャリアフィルム5と重剥離セパレータ3との間の剥離強度は、例えば、キャリアフィルム5及び重剥離セパレータ3の間に接着剤層等を設けることにより調節してもよい。接着剤層の種類及び接着剤層の厚さによって上記の剥離強度を調整することができる。キャリアフィルム5及び重剥離セパレータ3の間に形成する接着剤層における接着剤の種類としては、例えば、アクリル系接着剤が挙げられる。キャリアフィルム5及び重剥離セパレータ3の間に形成する接着剤層の厚さは、0.1〜10μm又は1〜5μmであってもよい。
このように、粘着シート1a,1bによれば、粘着層2を保護しつつ、重剥離セパレータ3、軽剥離セパレータ4及びキャリアフィルム5を確実に所定の順序で、剥離不良がなく、容易に剥離させることができる。
粘着層2の厚さは、20〜250μmであってもよく、装置を薄型化できる観点から、20〜200μmが好ましい。粘着層2の厚さは、耐衝撃性及び視認性に優れる観点から、25〜250μmであることが好ましい。第1粘着層は、段差埋め込み性を確保する観点から、相対的に厚い方が好ましく、第2粘着層は、総厚を薄くする観点から、相対的に薄い方が好ましい。すなわち、第1粘着層は第2粘着層よりも厚い方が好ましい。
重剥離セパレータ3としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)などの重合体フィルムが挙げられる。重合体フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)であることがより好ましい。重剥離セパレータ3の厚さは、作業性に優れる観点から、50〜200μm、60〜150μm、又は、70〜130μmであってもよい。
軽剥離セパレータ4としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)などの重合体フィルムが挙げられる。重合体フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることがより好ましい。軽剥離セパレータ4の厚さは、作業性に優れる観点から、25〜150μm、30〜100μm、又は、40〜75μmであってもよい。
キャリアフィルム5としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)などの重合体フィルムが挙げられる。重合体フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであってもよい。キャリアフィルム5の厚さは、作業性に優れる観点から、15〜100μm、20〜80μm、又は、20〜50μmであってもよい。
粘着層2は、例えば、携帯端末用のタッチパネル式ディスプレイ等の画像表示装置において、透明保護板とタッチパネルとの間、又は、タッチパネルと液晶表示ユニットとの間に配置される透明なフィルム(透明樹脂層)として用いることができる。透明保護板は、画像表示装置に用いるため高い透明性が求められる。光学的に透明な基材の代表例としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート)、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート(例えば、PMMA)、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びセルローストリアセテート)を含有するポリマー基材が挙げられるが、特に限定されるものではない。
第1粘着層のガラス転移温度は、0℃以下が好ましく、0℃未満がより好ましく、−3℃以下が更に好ましい。第1粘着層は、段差部等の高い段差を埋め込む機能を担っており、ガラス転移温度がこれらの範囲を満たす場合、特に優れた段差埋め込み性を示す。
第2粘着層のガラス転移温度は、0℃以上が好ましく、3℃以上がより好ましく、5℃以上が更に好ましい。第2粘着層は、紫外線吸収機能、加工性(シートとしての加工性)、及び、寸法保持機能を担っており、ガラス転移温度がこれらの範囲を満たす場合、特に優れた加工性及び寸法保持性を示す。
画像表示装置に供するための可視光透過性と、光学フィルム又は表示素子の紫外線劣化対策とを両立するために、粘着シートにおける光透過率は、下記の範囲が好ましい。粘着シートにおける420nmの光透過率は、シートが黄色を帯びることが容易に抑制される観点から、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、98%以上が更に好ましい。粘着シートにおける420nmより長波長側の光透過率が420nmの前記光透過率と同様の範囲の光透過率を満たしていることが好ましい。粘着シートにおける380nmの光透過率は、光学フィルム又は表示素子の紫外線劣化が充分に抑制される観点から、15%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下が更に好ましい。
次に、粘着層の成分について説明する。
[(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマー]
第1粘着層及び第2粘着層の(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーとは、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(例えば、(メタ)アクリロイル基を分子内に1個有するモノマー)を1種類で重合した単独重合体、又は、前記モノマーを2種以上組み合わせて共重合した共重合体をいう。なお、(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーは、(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有する化合物、又は、(メタ)アクリロイル基を有していない重合性化合物(アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン等の、重合性不飽和結合を分子内に1個有する化合物;ジビニルベンゼン等の、重合性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物)を、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーと共重合させた共重合体であってもよい。(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
(メタ)アクリロイル基を分子内に1個有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリロイルモルホリン(下記式(a)で表される化合物);メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート(n−ラウリル(メタ)アクリレート)、ステアリル(メタ)アクリレート等の、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸アルキルエステル);ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の、芳香環を有する(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の、脂環式の置換基を有する(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等の、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート;アルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
Figure 2017019903

[式(a)中、Xは、水素原子又はメチル基を示す。]
(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーは、上記モノマーの中でも、下記式(b)で表される(メタ)アクリレート(アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート)に由来する構造単位を有していることが好ましい。このような(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有割合は、ポリマー全質量を基準として、50〜90質量%が好ましく、50〜85質量%がより好ましい。式(b)で表される(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有割合がこのような範囲である場合、粘着層と透明保護板との密着性が向上する。このような含有割合のポリマーは、一般に、各モノマーを上記含有割合と同じ割合で配合して共重合させることで得ることができる。重合率は、実質的に100質量%に近づくようにすることがより好ましい。
CH=CXCOOR ・・・(b)
[式(b)中、Xは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、炭素数1〜18のアルキル基を示す。]
アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。その中でも、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレートが好ましく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートがより好ましい。また、アルキルメタクリレートよりもアルキルアクリレートの方が好ましい。アルキル(メタ)アクリレートは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
第1粘着層及び/又は第2粘着層の(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーは、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレートと、当該アルキル(メタ)アクリレートと共重合する他のモノマーとの共重合体を含んでいてもよい。アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレートと共重合するモノマーとしては、水酸基を有する(メタ)アクリレート(アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレートを除く)が好ましい。すなわち、(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーは、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位と、水酸基を有する(メタ)アクリレートに由来する構造単位とを有していることが好ましい。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーは、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート50〜90質量部と、水酸基を有する(メタ)アクリレート10〜30質量部との共重合体を含むことが好ましい。
アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレートと共重合する他のモノマーとしては、脂環式の置換基、及び、3級アルキル基からなる群より選ばれる少なくとも一種を有する(メタ)アクリレートが好ましい。すなわち、(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーは、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位と、脂環式の置換基、及び、3級アルキル基からなる群より選ばれる少なくとも一種を有する(メタ)アクリレートに由来する構造単位と、を有することが好ましい。これらの(メタ)アクリレートは、例えば、脂環式の置換基及び/又は3級アルキル基を側鎖に有している。脂環式の置換基及び/又は3級アルキル基を有する(メタ)アクリレートを用いることにより、粘着層の損失正接を高くしつつ、引張破壊伸びを短くし易くなり、段差埋め込み性とシートの加工性とを好適に両立できる。脂環式の置換基を有する(メタ)アクリレートとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。3級アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、t−ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。脂環式の置換基及び/又は3級アルキル基を有する(メタ)アクリレートは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。なお、脂環式の置換基又は3級アルキル基を有する(メタ)アクリレート(例えば、脂環式の置換基又は3級アルキル基を側鎖に有する(メタ)アクリレート)は、熱架橋して粘着層を形成する組成の場合に用いられることが好ましく、光重合(UV重合等)して粘着層を形成する組成の場合には、使用しても使用しなくてもよい。
アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレートと共重合する他のモノマーとしては、モルホリノ基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、カルボニル基、ニトロ基、アルキレングリコール由来の基等の極性基を有するモノマーが好ましい。これら極性基を有する(メタ)アクリレートを用いることにより、粘着層と透明保護板との粘着性が向上する。
アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレートと、下記式(c)で表されるアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートとを併用することもできる。
CH=CXCOO(C2pO) ・・・(c)
[式(c)中、Xは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、pは、2〜4の整数を示し、qは、1〜10の整数を示す。]
式(c)で表されるアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートとしては、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシオクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘプタプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。アルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
第1粘着層及び/又は第2粘着層における(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーの重量平均分子量(例えば、(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーを溶剤に溶解させて塗布し、加熱乾燥してシート化する場合の重量平均分子量)は、透明保護板等に対して剥がれの発生しない粘着力を有する粘着層を容易に得ることができる観点から、80000以上であることが好ましい。(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーの重量平均分子量は、粘着性樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎず、シート状の粘着層にする際の加工性が良好になる観点から、700000以下であることが好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値である。
第2実施形態に係る画像表示装置用粘着シートの第1粘着層における(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーの重量平均分子量(例えば、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーで(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーを希釈し、UV重合してシート化する場合の重量平均分子量)は、透明保護板等に対して剥がれの発生しにくい粘着力を有する粘着層を容易に得ることができる観点から、500000以上であることがより好ましい。前記(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーの重量平均分子量は、粘着性樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎず、シート状の粘着層にする際の加工性が良好になる観点から、5000000以下であることがより好ましく、3000000以下であることが更に好ましい。
(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーの重合方法としては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等の既知の重合方法を用いることができる。
(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーを重合する際の重合開始剤としては、熱によりラジカルを発生する化合物を用いることができる。重合開始剤としては、具体的には、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系化合物などが挙げられる。
[熱架橋剤]
第1実施形態における第1粘着層及び第2粘着層は、製膜時に作用する架橋剤として熱架橋剤を含有している。第2実施形態における第2粘着層は、熱架橋剤を含有している。第2実施形態における第1粘着層は、例えば、製膜時に作用する架橋剤を含有していない。
熱架橋剤としては、イソシアネート系、メラミン系、エポキシ系等の熱架橋剤を用いることができる。熱架橋剤としては、接着剤中に緩やかに広がった網目状構造を形成するために、3官能、4官能等の多官能架橋剤が好ましい。
熱架橋剤としては、イソシアネート系の熱架橋剤が好ましい。イソシアネート系の熱架橋剤としては、例えば、多官能イソシアネート系化合物が挙げられる。イソシアネート系の熱架橋剤としては、例えば、多官能ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物が好ましい。多官能ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体;トリオール(トリメチロールプロパン等)、単官能アルコール又はジオールと、ヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物などが挙げられる。熱架橋剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
[光反応性官能基を有する架橋剤]
第1粘着層は、光反応性官能基を有する架橋剤を含有することが好ましい。2枚の基板を貼り合わせて積層体を作製して加温加圧処理し、段差を埋め込んだ後に、紫外線を照射して粘着層を2次硬化させることで粘着層の信頼性を向上させることができる。
第2粘着層は、光反応性官能基を有する架橋剤を含有してもよい。第2粘着層が当該架橋剤を含有することで、第1粘着層から第2粘着層への当該架橋剤の拡散を抑制でき、第1粘着層における所望の光反応性を経時的に安定して得ることができる。
光反応性官能基を有する架橋剤は、信頼性を更に向上させる観点から、2個以上の反応性官能基を有することが好ましい。光反応性官能基を有する架橋剤は、2種以上の光反応性官能基を有してもよい。
光反応性官能基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。光反応性官能基を有する架橋剤は、1個の熱反応性官能基を更に有してもよい。熱反応性官能基としては、イソシアネート基が好ましい。すなわち、光反応性官能基を有する架橋剤としては、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。
光反応性官能基を有する架橋剤の具体例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、εカプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ、ペンタ)(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等の2官能又は多官能(メタ)アクリレート類が用いることができる。
また、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート(EOはエチレンオキサイドを示す)、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類を用いることができる。
さらに、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシメチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルイソシアネート等の、イソシアネート基を有する架橋剤を用いることができる。
光反応性官能基を有する架橋剤の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して0.01〜2質量%であることが好ましく、0.05〜0.5質量%であることがより好ましい。含有量をこの範囲とすると、粘着性を損なうことなく、高温での接着力を高めることができる。
[単官能(メタ)アクリレート]
単官能(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを用いることができる。(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーを得るためのモノマーとして挙げたモノマーを用いることができる。(メタ)アクリロイル基を有するモノマーは、複数組み合わせて用いることが好ましい。(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとしては、粘着層に充分な柔軟性を与え、画像表示装置を貼り合わせた際に外界からの衝撃を吸収して破損を防ぐ観点、及び、歪によって画像が乱れることを防ぐ観点から、n−ブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとしては、粘着力が高くできる観点から、(メタ)アクリロイルモルホリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、及び、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとしては、粘着層が高温高湿条件化に曝された場合に、吸収した水分により白化することを抑制できる観点から、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及び、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。
単官能(メタ)アクリレートは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
[光重合開始剤]
第1粘着層は、光重合(UV重合等)する場合はもちろんであるが、熱架橋した場合においても、紫外線を照射して粘着層を2次硬化させることで粘着層の信頼性を向上させることができる観点から、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系材料、アントラキノン系材料、ベンゾイル系材料、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩等の公知の材料を使用することができる。
具体的には、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(別名:ミヒラーケトン)、N,N−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−(ジメチルアミノ)−4’−メトキシベンゾフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等の芳香族ケトン化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンジル、ベンジルジメチルケタール等のベンジル化合物;β−(アクリジン−9−イル)(メタ)アクリル酸等のエステル化合物;9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、1,7−ジアクリジノヘプタン等のアクリジン化合物;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリホリノフェニル)−1−ブタノン;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド;ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)などが挙げられる。光重合開始剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。光重合開始剤としては、高温での接着力を高める観点から、ベンゾフェノン及び4−メチルベンゾフェノンからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。
また、光重合開始剤としては、粘着性樹脂組成物の着色を抑制し易い観点から、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)などが挙げられ、これらを組み合わせたものが好ましい。
また、光重合開始剤としては、紫外線吸収剤が第2粘着層から第1粘着層へ拡散した場合、又は、そもそも第1粘着層が紫外線吸収剤を含有する場合における紫外線反応性の低下を抑制する観点から、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド等の、長波長に感光領域を有するアシルフォスフィンオキサイド系化合物が好ましい。
第2粘着層は、光重合開始剤を含有してもよい。第2粘着層が光重合開始剤を含有することで、第1粘着層から第2粘着層への光重合開始剤の拡散を抑制でき、第1粘着層における所望の光反応性を経時的に安定して得ることができる。
光重合開始剤の含有量は、粘着層(粘着性樹脂組成物)の全質量を基準として、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましく、0.1〜0.5質量%が更に好ましい。含有量が5質量%以下であることで、透過率が高く、また、色相が黄味を帯びることがなく、且つ、段差埋め込み性に更に優れる粘着層を得ることができる。
[紫外線吸収剤]
第2粘着層は、紫外線吸収剤を含有している。第1粘着層は、紫外線吸収剤を含有していてもよい。第1粘着層が紫外線吸収剤を含有することで、第2粘着層から第1粘着層への紫外線吸収剤の拡散を抑制でき、第1粘着層における所望の光反応性を経時的に安定して得ることができる。
紫外線吸収剤としては、紫外線と同じ波長領域に吸収を有する化合物であれば使用できる。具体的には、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(例えば、株式会社ADEKA製のアデカスタブLA−29、LA−31、LA−32、LA−36、及び、BASFジャパン株式会社製のTinuvinPS、Tinuvin99−2、Tinuvin326、Tinuvin384−2、Tinuvin900、Tinuvin928、Tinuvin1130)、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、BASFジャパン株式会社製のUninul3049、Uninul3050)、トリアジン系紫外線吸収剤(例えば、株式会社ADEKA製のアデカスタブLA−46、LA−F70、及び、BASFジャパン株式会社製のTinuvin1600、Tinuvin1577ED、Tinuvin400、Tinuvin405、Tinuvin460、Tinuvin477、Tinuvn479)等を用いることができる。紫外線吸収剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。紫外線吸収特性を調整する観点から、2種類以上の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
[その他の添加剤]
粘着層(粘着性樹脂組成物)は、必要に応じて、上記の各成分(ポリマー、架橋剤等)とは別に各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、粘着層(粘着性樹脂組成物)の保存安定性を高める目的で添加する重合禁止剤(パラメトキシフェノール等)、粘着性樹脂組成物を光硬化させて得られる粘着層の耐熱性を高める目的で添加する酸化防止剤(トリフェニルホスファイト等)、紫外線等の光に対する粘着性樹脂組成物の耐性を高める目的で添加する光安定化剤(HALS(Hindered Amine Light Stabilizer)等)、ガラス等に対する粘着性樹脂組成物の密着性を高めるために添加するシランカップリング剤などが挙げられる。
粘着層2は、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の重合体フィルムである基材層(重剥離セパレータ3)と、これと同種の基材のカバーフィルムである基材層(軽剥離セパレータ4)によって挟まれることがある。このとき、粘着層2とこれら基材層との剥離性を制御するために。粘着性樹脂組成物は、ポリジメチルシロキサン系、フッ素系等の界面活性剤を含有してもよい。
これらの添加剤は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの添加剤の含有量は、通常、上記の各成分の含有量の合計と比較すると少量であり、一般に、粘着性樹脂組成物の全質量に対して0.01〜5質量%である。
(画像表示装置用粘着シートの作製方法)
画像表示装置用粘着シートは、例えば、前記粘着性樹脂組成物を基材上に塗工し、有機溶剤を含む場合は乾燥させて、加熱又は光照射することにより粘着層を形成することで得ることができる。その後、別の基材を粘着層に被せてもよい。
粘着性樹脂組成物をシート状に加工する方法(例えば、熱架橋した粘着層を加工する方法)としては、公知の技術を使用することができる。例えば、まず、第1粘着層及び第2粘着層のそれぞれについて、例えば、上述の粘着性樹脂組成物をケトン系溶剤(メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)で希釈して調製した塗液を基材(重合体フィルム等)上にフローコート法、ロールコート法、グラビアロール法、ワイヤバー法、リップダイコート法等により塗工する。次いで、溶剤を除去することにより、任意の膜厚を有するシートに加工することができる。
なお、第1粘着層がモノマーを含有し、紫外線照射を必要とする場合、上述の溶剤による希釈を行わない以外は同様にして塗工し、次いで、紫外線を照射して重合反応を進行させ、任意の膜厚を有するシートに加工することができる。
塗液の調製に際しては、各成分の配合後に溶剤で希釈することもできる。各成分の配合前に予め溶剤で希釈しておくこともできる。
塗液の固形分含量は、塗工性に優れる観点から、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。同様の観点から、塗液の固形分含量は、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
塗液の粘度(25℃)は、塗工性に優れる観点から、1Pa・s以上30Pa・s以下であることが好ましい。
粘着層2は、第1粘着層と第2粘着層とを積層させてなる。第1粘着層を備えるシートと、第2粘着層を備えるシートとをそれぞれ作製しておき、後工程で重ね合わせて画像表示装置用粘着シート(透明両面粘着シート等)を作製することもできる。また、どちらか一方の粘着層を備えるシートを作製しておき、このシートに他方の粘着層の粘着性組成物を塗布して画像表示装置用粘着シート(透明両面粘着シート)を作製することもできる。第1粘着層と第2粘着層との層界面の密着力を増強する観点から、後者の方法が好ましい。
(画像表示装置用粘着シートの製造方法)
粘着シート1aは、例えば、次のようにして製造することができる。まず、図5に示されるように、重剥離セパレータ3上に、粘着層2及び仮セパレータ6が順に積層された母材フィルム10aを準備する。粘着層2は、第1粘着層2a及び第2粘着層2bを有しており、第1粘着層2a及び重剥離セパレータ3の間に第2粘着層2bが配置されている。仮セパレータ6は、例えば、軽剥離セパレータ4と同じ素材からなる層である。
続いて、図6に示されるように、ブレードBを備えた打抜装置(不図示)により、仮セパレータ6及び粘着層2を所望の形状に切断する。打抜装置は、クランク式の打抜装置であってもよく、レシプロ式の打抜装置であってもよく、平盤打抜き式又はロータリー式の打抜装置であってもよい。また、上記切断にはレーザーカッターを用いることもできる。各基材の剥離性に優れる観点から、平盤打抜き式又はロータリー式の打抜装置が好ましい。この工程では、重剥離セパレータ3に到達する深さでブレードBを仮セパレータ6及び粘着層2に通し、仮セパレータ6及び粘着層2を切断することが好ましい。これにより、重剥離セパレータ3の粘着層2側の主面3bに切込部3cが形成され、粘着層2からの重剥離セパレータ3の剥離が容易になる。
続いて、図7に示されるように、仮セパレータ6及び粘着層2の外側部分を除去し、図8に示されるように、粘着層2から仮セパレータ6を剥離し、図9に示されるように、粘着層2に軽剥離セパレータ4を貼付する。以上の工程で粘着シート1aが完成する。
粘着シート1bは、例えば、次のようにして製造することができる。まず、図10に示されるように、キャリアフィルム5上に、重剥離セパレータ3、粘着層2及び仮セパレータ6が順に積層された母材フィルム10bを準備する。粘着層2は、第1粘着層2a及び第2粘着層2bを有しており、第1粘着層2a及び重剥離セパレータ3の間に第2粘着層2bが配置されている。重剥離セパレータ3は、例えば、上記接着剤層(図示せず)を介してキャリアフィルム5に接着される。仮セパレータ6は、例えば、軽剥離セパレータ4と同じ素材からなる層である。
続いて、図11に示されるように、ブレードBを備えた打抜装置(不図示)により、仮セパレータ6、粘着層2及び重剥離セパレータ3を所望の形状に切断する。この工程では、キャリアフィルム5に到達する深さでブレードBを仮セパレータ6、粘着層2及び重剥離セパレータ3に通すことができる。これにより、キャリアフィルム5の粘着層2側の主面5bに切込部5cが形成される。このように、仮セパレータ6からキャリアフィルム5にブレードBを到達させることにより、仮セパレータ6、粘着層2及び重剥離セパレータ3を完全に切断することができる。
続いて、図12に示されるように、仮セパレータ6、粘着層2及び重剥離セパレータ3の外側部分を除去する。このとき、図13に示されるように、キャリアフィルム5の外縁が重剥離セパレータ3の外縁よりも外側に張り出さないよう、重剥離セパレータ3の外縁は、キャリアフィルム5の外縁と略面一となっていてもよい。すなわち、仮セパレータ6及び粘着層2の外側部分のみを除去し、重剥離セパレータ3の外側部分は除去せずにキャリアフィルム5上に残し、切断後の重剥離セパレータ3はそのままキャリアフィルム5に付いた状態であってもよい。これにより、表面が露出したキャリアフィルム5が他の部分へ接着することを効果的に防ぐことができる。
図12に示されるように仮セパレータ6、粘着層2及び重剥離セパレータ3の外側部分を除去した後、図14に示されるように、粘着層2から仮セパレータ6を剥離し、図15に示されるように、粘着層2に軽剥離セパレータ4を貼付する。以上の工程で粘着シート1bが完成する。このように、重剥離セパレータ3の外縁と粘着層2の外縁とが略面一であるように切断されたフィルムであれば、軽剥離セパレータ4と重剥離セパレータ3との剥離し易さの差が更に顕著となるため、重剥離セパレータ3を剥離する前に、軽剥離セパレータ4を更に容易に剥離することができる。さらに、重剥離セパレータ3の外縁と粘着層2の外縁とが揃うことで、粘着層2の外縁の位置が明確になるため、粘着層2と被着物との位置合わせが容易となる。
(画像表示装置)
次に、粘着シート1a,1bを用いて作製される画像表示装置について説明する。粘着シート1a,1bが備える粘着層2は、各種画像表示装置に適用することができる。画像表示装置としては、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)、電界放出ディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ(OELD)、3Dディスプレイ、電子ペーパー(EP)等が挙げられる。粘着層2は、画像表示装置の機能層(機能性を有する層。反射防止層、防汚層、色素層、ハードコート層等)、透明保護板などを組み合わせて貼り合わせるために使用することもできる。
反射防止層は、可視光反射率が5%以下となる反射防止性を有している層であればよく、透明なプラスチックフィルム等の透明基材に既知の反射防止方法で処理された層を用いることができる。
防汚層は、表面に汚れがつきにくくするための層であり、表面張力を下げるためにフッ素系樹脂又はシリコーン系樹脂等で構成される既知の層を用いることができる。
色素層は、色純度を高めるために使用される層であり、液晶表示ユニット等の画像表示ユニットから発する光の色純度が低い場合に不要な光を低減するために使用される。不要な部分の光を吸収する色素を樹脂に溶解させ、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム等の基材フィルムに製膜又は積層して得ることができる。
ハードコート層は、表面硬度を高くするために使用される。ハードコート層としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリル樹脂;エポキシ樹脂などを基材フィルム(ポリエチレンフィルム等)に製膜又は積層した部材を使用することができる。同様に、表面硬度を高めるために、プラスチック製透明保護板にハードコート層を製膜又は積層した部材を使用することもできる。
粘着層2は、偏光板に積層して使用することができる。この場合、偏光板の視認面側に粘着層2を積層することができ、その反対側に粘着層2を積層することもできる。
偏光板の視認面側に使用する場合には、粘着層2の更に視認面側に反射防止層、防汚層及び/又はハードコート層を積層することができる。偏光板と液晶表示セルとの間に使用する場合には、偏光板の視認面側に機能層を積層することができる。
このような積層体を用いる場合、粘着層2は、ロールラミネート、真空貼合機又は枚葉貼合機を用いて積層することができる。
粘着層2は、画像表示装置の画像表示ユニットと視認側最前面の透明保護板との間であって、視認側の適切な位置に配置されることが好ましい。具体的には、画像表示ユニットと透明保護板との間に応用(use)されることが好ましい。
タッチパネルを画像表示ユニットに組み合わせた画像表示装置においては、タッチパネルと画像表示ユニットとの間、及び/又は、タッチパネルと透明保護板との間に粘着層2が応用(use)されることが好ましいが、画像表示装置の構成上、粘着層2が適用可能であれば、上記に記載した位置に限るものではない。
以下、画像表示装置の一例である液晶表示装置について、図16及び図17を用いて詳細に説明する。
図16は、画像表示装置の一実施形態(液晶表示装置)を模式的に示す側面断面図である。図16の液晶表示装置は、バックライトシステム50、偏光板22、液晶表示セル12及び偏光板20がこの順で積層されてなる画像表示ユニット7と、液晶表示装置の視認側となる偏光板20の上面に設けられた透明樹脂層32と、その表面に設けられた透明保護板(保護パネル)40とから構成される。透明保護板40の表面には段差部60が設けられ、これにより段差が形成されている。この段差は、透明樹脂層32の一部によって埋め込まれた状態となっている。なお、透明樹脂層32が、基本的に粘着層2に相当する。粘着層2は、段差部60が設けられた透明保護板40側に第1粘着層2a(図示せず)が位置するように配置されている。液晶表示装置の大きさ等により異なるが、段差部60の厚さが20〜70μm(特に30〜60μm)である場合、本実施形態の粘着層を用いることが特に有用である。段差部60の厚さが前記の範囲である場合、段差埋め込み性に優れる観点から、粘着層2の厚さは厚い方が好ましいが、本実施形態の粘着層は、厚さが薄くても段差埋め込み性に優れる。
図17は、画像表示装置の他の一実施形態(タッチパネルを搭載した液晶表示装置)を模式的に示す側面断面図である。図17の液晶表示装置は、バックライトシステム50、偏光板22、液晶表示セル12及び偏光板20がこの順で積層されてなる画像表示ユニット7と、液晶表示装置の視認側となる偏光板20の上面に設けられた透明樹脂層32と、透明樹脂層32の上面に設けられたタッチパネル30と、タッチパネル30の上面に設けられた透明樹脂層31と、その表面に設けられた透明保護板40とから構成される。透明保護板40の表面には段差部60が設けられ、これにより段差が形成されている。この段差は、透明樹脂層31の一部によって埋め込まれた状態となっている。なお、透明樹脂層31及び透明樹脂層32が、基本的に粘着層2に相当する。粘着層2は、段差部60が設けられた透明保護板40側に第1粘着層2a(図示せず)が位置するように配置されている。
なお、図17の液晶表示装置においては、画像表示ユニット7とタッチパネル30との間、及び、タッチパネル30と透明保護板40との間の両方に透明樹脂層が介在しているが、透明樹脂層はこれらの少なくとも一方に介在していればよい。特に、粘着層2を用いる場合、透明保護板40の表面に設けられた段差部60により形成される段差を埋め込むため、タッチパネル30と透明保護板40との間に透明樹脂層を介在させることが好ましい。また、タッチパネルがオンセルとなる場合、タッチパネルと液晶表示セルとが一体化される。その具体例としては、図16の液晶表示装置の液晶表示セル12が、オンセルで置き換えられたものが挙げられる。
また、近年、インセル型タッチパネルと呼ばれる、タッチパネル機能が組み込まれた液晶表示セルの開発が進んでいる。このような液晶表示セルを備えた液晶表示装置は、透明保護板、偏光板及び液晶表示セル(タッチパネル機能付き液晶表示セル)で構成されており、粘着層2は、このようなインセル型タッチパネルを採用している液晶表示装置にも好適に用いることができる。
図16及び図17の液晶表示装置によれば、本実施形態の粘着層を透明樹脂層31,32として備えるので、耐衝撃性を有し、二重映りがなく鮮明でコントラストの高い画像が得られる。
液晶表示セル12は、当技術分野で周知の液晶材料から構成されるものを使用することができる。また、液晶材料の制御方法によって、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super−Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In−Place−Switching)方式等に分類されるが、本実施形態では、いずれの制御方法を使用した液晶表示セルであってもよい。
偏光板20,22としては、当技術分野で一般的な偏光板を使用することができる。偏光板の表面は、反射防止、防汚、ハードコート等の処理がなされていてもよい。このような表面処理は、偏光板の片面又は両面に対して実施されていてよい。
タッチパネル30としては、表面に指又は物体が触れた圧力で電極が接触する抵抗膜方式、表面に指又は物体が触れたときの静電容量の変化を感知する静電容量方式、電磁誘導方式等が挙げられるが、粘着層2は、静電容量方式のタッチパネルを採用している液晶表示装置に用いることが特に好適である。タッチパネル30は、当技術分野で一般に用いられているものを使用することができるが、上記静電容量方式のタッチパネルとしては、例えば、基板上に透明電極を形成した構造を有するものが挙げられる。上記基板としては、ガラス基板、ポリエチレンテレフタレートフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム等が挙げられる。透明電極としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の金属酸化物が挙げられる。上記基板の厚さは、例えば20〜1000μmである。上記透明電極の厚さは、例えば10〜500nmである。
なお、粘着層2を静電容量方式のタッチパネルに用いる場合、粘着層2の誘電率が適切な範囲であることが好ましい。粘着層2の室温(25℃)における100kHzでの誘電率(例えば、粘着層2をタッチパネルと透明保護板との間に用いる場合の誘電率)は、例えば、2.0〜4.5、2.0〜4.0、又は、3.5〜4.0であってもよい。誘電率が2.0以上であれば、タッチパネルの応答性を充分に確保できる傾向にある。誘電率が4.5以下であれば、応答性が高すぎることによる誤作動を充分に低減できる傾向にある。
透明樹脂層31,32の厚さは、例えば0.02〜3mmである。特に、粘着層2を用いる本実施形態では、透明樹脂層31,32を厚膜にすることで一層優れた効果を発揮させることができ、透明樹脂層31,32の厚さは、100〜500μmが好ましい。
透明保護板40としては、一般的な光学用透明基板を使用することができる。その具体例としては、ガラス基板、石英板等の無機物の板;アクリル樹脂基板、ポリカーボネート板、シクロオレフィンポリマー板等のプラスチック基板;厚手のポリエステルシート等の樹脂シートなどが挙げられる。高い表面硬度が必要とされる場合には、ガラス基板又はアクリル樹脂基板であってもよく、ガラス基板が好ましい。これらの透明保護板の表面には、反射防止、防汚、ハードコート等の処理がなされていてもよい。このような表面処理は、透明保護板の片面又は両面に対して施されていてもよい。透明保護板は、複数枚を組み合わせて使用することもできる。
バックライトシステム50は、代表的には、反射板等の反射手段と、ランプ等の照明手段とから構成される。
(画像表示装置の製造方法)
本実施形態に係る画像表示装置の製造方法は、例えば、本実施形態に係る粘着シートの粘着層を介して第1被着物と第2被着物とを貼り合わせて積層体を得る工程と、前記積層体を加熱及び加圧する加熱加圧工程と、を備える。加熱加圧工程では、例えば、第1被着物及び第2被着物の積層方向に積層体を加圧する。本実施形態に係る画像表示装置の製造方法は、前記加熱加圧工程の後に、前記積層体に対し前記第1粘着層側から紫外線を照射する工程を更に備えていてもよい。
前記第1被着物及び前記第2被着物からなる群より選ばれる少なくとも一種は、例えば、透明保護板、タッチパネル及び画像表示ユニット(偏光板、バックライトシステム、液晶表示セル、有機ELセル等を含み得る)からなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。被着物は、タッチセンサー機能付き透明保護板、タッチセンサー機能付きフィルム、液晶表示セル、タッチセンサー機能付き液晶表示セル、有機ELセル、タッチセンサー機能付き有機ELセル等であってもよい。
本実施形態に係る画像表示装置の製造方法により得られる画像表示装置は、第1被着物と、第2被着物と、前記第1被着物及び前記第2被着物の間に配置された前記粘着層又はその硬化物と、を備える。前記第1被着物及び前記第2被着物のうちの一方の被着物が画像表示ユニットであってもよい。前記第1被着物及び前記第2被着物のうちの他方の被着物の面が前記第1粘着層に接しており、前記面が段差部を有している態様であってもよい。
粘着シート1aは、画像表示装置の組み立て等において次のように使用される。まず、図18に示されるように、軽剥離セパレータ4を粘着シート1aから剥離して、粘着層2の粘着面S1を露出させる。続いて、図19に示されるように、粘着層2の粘着面S1を被着物A1に貼り付け、ローラーR等で粘着層2を被着物A1に対して押し付ける。この際、被着物A1の表面の段差部60により形成された段差は、粘着層2が流動することにより埋め込まれる。被着物A1は、例えば、画像表示ユニット、透明保護板又はタッチパネルである。
続いて、図20に示されるように、重剥離セパレータ3を粘着層2から剥離して、粘着層2の粘着面S2を露出させる。続いて、図21に示されるように、粘着層2の粘着面S2を被着物A2に貼り付け、得られた積層体を加熱及び加圧する(例えば、オートクレーブにより処理する)。被着物A2は、例えば、画像表示ユニット、透明保護板又はタッチパネルである。このようにして、粘着層2を介して被着物同士を貼り合わせることができる。積層体を加熱及び加圧する条件としては、例えば、温度が20〜80℃又は20〜60℃であり、圧力が0.1〜0.8MPa又は0.1〜0.6MPaである。加熱及び加圧の時間は、5〜60分又は10〜50分であってもよい。
上記の画像表示装置の製造方法は、積層体の加熱及び加圧の前又は後に、粘着層2に対して両被着物(例えば、透明保護板及びタッチパネル)のいずれか一方の側から紫外線を照射する工程を備えていてもよい。これにより、粘着シートが紫外線硬化系である場合、高温高湿下における信頼性(気泡の発生低減及び剥がれの抑制)並びに接着力を更に向上させることができる。高温高湿下における信頼性を更に向上させることができる観点から、段差部を有しない被着物(例えばタッチパネル)側から粘着層2に対して紫外線を照射することができる。
紫外線の照射量は、特に制限されないが、500〜5000mJ/cmであってもよい。紫外線を照射する工程は、高温高湿下における信頼性を向上させる観点から、積層体の加熱及び加圧の後に行うことができる。
以上の工程で、被着物A1と被着物A2との間に、粘着層2又はその硬化物が透明樹脂層として配置される。粘着層2(透明樹脂層)は、特に、透明保護板とタッチパネルとの間、又は、タッチパネルと画像表示ユニットとの間に配置されることができる。
図16の液晶表示装置は、画像表示ユニット7と透明保護板40との間に粘着層2を介在させて積層体を得ることにより製造することができる。すなわち、図16の液晶表示装置において、偏光板20の上面に粘着層2をラミネート法によって積層することができる。
図17の液晶表示装置は、画像表示ユニットとタッチパネルとの間、及び/又は、タッチパネルと透明保護板との間に粘着層2を介在させて積層体を得ることにより製造することができる。
粘着シート1bは、最初に、図22に示されるように、キャリアフィルム5を重剥離セパレータ3から剥離してから用いることを除いては、粘着シート1aと同様にして使用することができる。この場合、直前の工程まで重剥離セパレータ3がキャリアフィルム5によって保護されているため、重剥離セパレータ3の表面の傷が少なくなる。これにより、粘着層2の傷を容易に視認でき、傷が生じている粘着層2を被着物に貼り付ける前に容易に排除できる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
以下、実施例により本発明を説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<アクリル酸系誘導体ポリマーの合成>
(製造例1:アクリル酸系誘導体ポリマーA−1の合成)
冷却管、温度計、攪拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管の付いた反応容器に、初期モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート42.0g、イソボルニルアクリレート6.0g及び2−ヒドロキシエチルアクリレート12.0gと、酢酸エチル100.0gと、トルエン20gと、をとり、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で室温(25℃)から80℃まで加熱した。
その後、80℃に保ちながら、追加モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート28.0g、イソボルニルアクリレート4.0g及び2−ヒドロキシエチルアクリレート8.0gを使用し、これにラウロイルパーオキシド1.0gを溶解した溶液を準備し、この溶液を60分間かけて滴下した。滴下終了後、更に2時間反応させた。
続いて、酢酸エチル13g及びトルエン20gを加え、固形分含量40質量%の共重合樹脂(重量平均分子量450000)(アクリル酸系誘導体ポリマーA−1)の溶液を得た。なお、重量平均分子量の測定は、下記の装置及び測定条件を用いて、テトラヒドロフラン(THF)を溶剤としたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを使用して行い、標準ポリスチレンの検量線を使用して決定した。
装置:株式会社日立製作所製
RI検出器:L−3350
使用溶剤:THF
カラム:日立化成株式会社製 Gelpac GL−R420+R430+R440
カラム温度:40℃
流量:2.0mL/分
(製造例2:アクリル酸系誘導体ポリマーA−2の合成)
冷却管、温度計、攪拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管の付いた反応容器に、初期モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート36.0g、t−ブチルメタクリレート12.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート9.0g及びメチルメタクリレート3.0gと、酢酸エチル100.0gと、トルエン20gと、をとり、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で室温(25℃)から80℃まで加熱した。
その後、80℃に保ちながら、追加モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート24.0g、t−ブチルメタクリレート8.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート6.0g及びメチルメタクリレート2.0gを使用し、これにラウロイルパーオキシド1.0gを溶解した溶液を準備し、この溶液を60分間かけて滴下した。滴下終了後、更に2時間反応させた。
続いて、酢酸エチル13g及びトルエン20gを加え、固形分含量40質量%の共重合樹脂(重量平均分子量440000)(アクリル酸系誘導体ポリマーA−2)の溶液を得た。なお、重量平均分子量の測定は、製造例1と同様にして行った。
(製造例3:アクリル酸誘導体ポリマーA−3の合成)
冷却管、温度計、攪拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管の付いた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート140.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート30.0g及び4−アクリロイルモルホリン30.0gをとり、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で室温(25℃)から80℃まで加熱した。
その後、ラウロイルパーオキシド0.004gを加え、温度80〜100℃を保つように適宜反応容器の温度を調整し、攪拌に支障がない程度に粘度が上昇するまで反応させ、固形分含量100質量%の共重合樹脂(重量平均分子量1040000)(アクリル酸系誘導体ポリマーA−3)を得た。なお、重量平均分子量の測定は、製造例1と同様にして行った。
(製造例4:アクリル酸系誘導体ポリマーA−4の合成)
冷却管、温度計、攪拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管の付いた反応容器に、初期モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート51.0g、メチルメタクリレート9.0g、及び酢酸エチル100.0gと、トルエン20gと、をとり、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で室温(25℃)から80℃まで加熱した。
その後、80℃に保ちながら、追加モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート34.0g及びメチルメタクリレート6.0gを使用し、これにラウロイルパーオキシド1.0gを溶解した溶液を準備し、この溶液を60分間かけて滴下した。滴下終了後、更に2時間反応させた。
続いて、脱溶剤して共重合樹脂(重量平均分子量270000)(アクリル酸系誘導体ポリマーA−4)を得た。なお、重量平均分子量の測定は、製造例1と同様にして行った。
(製造例5:アクリル酸系誘導体ポリマーA−5の合成)
冷却管、温度計、攪拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管の付いた反応容器に、初期モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート42.0g、酢酸ビニル15.0g及びアクリル酸3.0gと、酢酸エチル100.0gと、トルエン20gと、をとり、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で室温(25℃)から80℃まで加熱した。
その後、80℃に保ちながら、追加モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート28.0gと、酢酸ビニル10.0g及びアクリル酸2.0gとを使用し、これにラウロイルパーオキシド1.0gを溶解した溶液を準備し、この溶液を60分間かけて滴下した。滴下終了後、更に2時間反応させた。
続いて、脱溶剤して共重合樹脂(重量平均分子量500000)(アクリル酸系誘導体ポリマーA−5)を得た。なお、重量平均分子量の測定は、製造例1と同様にして行った。
<画像表示装置用粘着性樹脂組成物の調製、及び、粘着シートの作製>
(実施例1)
製造例1で得られたアクリル酸系誘導体ポリマーA−1の溶液の固形分含量100質量%に対して、熱架橋剤として多官能ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物(旭化成ケミカルズ株式会社製、デュラネートAE710)0.025質量%を秤量し、攪拌混合して第1粘着層用樹脂組成物を得た。その後、表面に離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに第1粘着層用樹脂組成物を滴下し、バーコーターを用いて、乾燥後の厚さが100μmとなるように塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して第1粘着層を作製した。
次いで、製造例2で得られたアクリル酸系誘導体ポリマーA−2の溶液の固形分含量100質量%に対して、熱架橋剤として多官能ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物(旭化成ケミカルズ株式会社製、デュラネートAE710)0.1質量%と、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物1(BASFジャパン株式会社製、TINUVIN326)1.6質量%及びベンゾトリアゾール系化合物2(BASFジャパン株式会社製、TINUVIN928)2.4質量%と、を秤量し、攪拌混合して第2粘着層用樹脂組成物を得た。その後、表面に離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに第2粘着層用樹脂組成物を滴下し、バーコーターを用いて、乾燥後の厚さが50μmとなるように塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して第2粘着層を作製した。
さらに、上記第1粘着層と第2粘着層とを1.0kgfのハンドローラーにて貼り合わせ、ポリエチレンテレフタレートフィルムで粘着層を挟んだ透明な粘着シートを得た。
(実施例2)
製造例1で得られたアクリル酸系誘導体ポリマーA−1の溶液の固形分含量100質量%に対して、熱架橋剤として多官能ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業株式会社製、コロネートHL)0.025質量%及び2−イソシアネートエチルアクリレート(昭和電工株式会社製、カレンズAOI)0.1質量%と、光重合開始剤としてアシルフォスフィンオキサイド系化合物(BASFジャパン株式会社製、DAROCUR TPO)0.5質量%と、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物1(BASFジャパン株式会社製、TINUVIN326)0.5質量%及びベンゾトリアゾール系化合物2(BASFジャパン株式会社製、TINUVIN928)0.8質量%と、を秤量し、攪拌混合して第1粘着層用樹脂組成物を得た。その後、表面に離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに第1粘着層用樹脂組成物を滴下し、バーコーターを用いて、乾燥後の厚さが100μmとなるように塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して第1粘着層を作製した。
次いで、製造例2で得られたアクリル酸系誘導体ポリマーA−2の溶液の固形分含量100質量%に対して、熱架橋剤として多官能ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業株式会社製、コロネートHL)0.1質量%及び2−イソシアネートエチルアクリレート(昭和電工株式会社製、カレンズAOI)0.1質量%と、光重合開始剤としてアシルフォスフィンオキサイド系化合物(BASFジャパン株式会社製、DAROCUR TPO)0.5質量%と、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物1(BASFジャパン株式会社製、TINUVIN326)0.5質量%及びベンゾトリアゾール系化合物2(BASFジャパン株式会社製、TINUVIN928)0.8質量%と、を秤量し、攪拌混合して第2粘着層用樹脂組成物を得た。その後、表面に離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに第2粘着層用樹脂組成物を滴下し、バーコーターを用いて、乾燥後の厚さが50μmとなるように塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して第2粘着層を作製した。
さらに、上記第1粘着層と第2粘着層とを1.0kgfのハンドローラーにて貼り合わせ、ポリエチレンテレフタレートフィルムで粘着層を挟んだ透明な粘着シートを得た。
(実施例3)
製造例2で得られたアクリル酸系誘導体ポリマーA−2の溶液の固形分含量100質量%に対して、熱架橋剤として多官能ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物(旭化成ケミカルズ株式会社製、デュラネートAE710)0.1質量%と、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物1(BASFジャパン株式会社製、TINUVIN326)1.6質量%及びベンゾトリアゾール系化合物2(BASFジャパン株式会社製、TINUVIN928)2.4質量%と、を秤量し、攪拌混合して第2粘着層用樹脂組成物を得た。その後、表面に離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに第2粘着層用樹脂組成物を滴下し、バーコーターを用いて乾燥後の厚さが50μmとなるように塗布し、100℃で10分間加熱乾燥して第2粘着層を作製した。
次いで、製造例3で得られたアクリル酸系誘導体ポリマーA−3を75.0gと、モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート15.0g、4−ヒドロキシブチルアクリレート7.0g及び4−アクリロイルモルホリン3.0gと、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製、商品名「Irgacure−184」)0.5gと、を秤量し、攪拌混合して第1粘着層用樹脂組成物を得た。その後、第1粘着層用樹脂組成物を、加熱乾燥した第2粘着層上に塗工して塗膜(第1粘着層)を形成した。次いで、表面に離型処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルムを塗膜の上に積層し、紫外線照射装置(アイグラフィクス株式会社製)を用いて紫外線を照射(2000mJ/cm(波長365nm換算))することで、ポリエチレンテレフタレートフィルムで粘着層を挟んだ透明な粘着シートを得た。
(比較例1)
製造例4で得られたアクリル酸系誘導体ポリマーA−4 100質量%に対して、架橋剤として4官能アクリレート(新中村化学工業株式会社製、NKエステルATM−4PL)20質量%と、光重合開始剤として4−メチルベンゾフェノン及び2,4,6−トリメチルベンゾフェノンの混合物(日本シーベルヘグナー株式会社製、エザキュアTZT)2.0質量%と、を秤量し、攪拌混合して第1粘着層用樹脂組成物を得た。その後、表面に離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに第1粘着層用樹脂組成物を、ホットメルトコーターを用いて、厚さが100μmとなるように塗布した。その後、表面に離型処理したポリエチレンテレフレートフィルムを重ねて、シート状に成形した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを介してメタルハライドランプの紫外線を表裏両側からそれぞれ1000mJ/cm照射(波長365nm換算)して前記第1粘着層用樹脂組成物を紫外線架橋させて、第1粘着層付シートを作製した。
次いで、市販溶剤タイプのアクリル系粘着剤(ベース樹脂:アクリル酸エステル共重合体、商品名「SKダイン1882」:綜研化学株式会社製)1000質量部に対して、イソシアネート系硬化剤(商品名「L−45」:綜研化学株式会社製)1.85質量部及びエポキシ系硬化剤(商品名「E−5XM」:綜研化学株式会社製)0.5質量部を均一混合して粘着剤溶液を調製した。この粘着剤溶液を、ホットメルトコーターを用いて、シリコーン離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型面に厚さ50μmとなるように塗布し、溶剤を乾燥(加熱温度80℃、乾燥時間5分)させるようにして加熱反応架橋させ、厚さ50μmの粘着層を備えた第2粘着層付シートを作製した。
第1粘着層付シートの片側の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、第1粘着層の片面に、溶剤を乾燥させた直後の第2粘着層付シートの粘着層を密着一体化して、室温(23℃)で7日間放置熟成し、厚さ150μmの2層の粘着層を備えた粘着シートを得た。
(比較例2)
比較例1のアクリル酸系誘導体ポリマーA−4に代えて、製造例5で得られたアクリル酸系誘導体ポリマーA−5を用いた以外は、比較例1と同様にして粘着シートを得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各粘着シートについて以下の試験方法で評価した。
(1.段差埋め込み性評価)
作製した粘着シートを49mm×72mmの寸法に切り出した後、当該粘着シートの片側面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した。56mm×86mm×0.5mmの寸法のガラス基板に偏光板(住友化学株式会社製)を貼り付けた基板の偏光板面に、ハンドローラーを用いて(25℃、荷重:500gf)、粘着層を貼り付けた。次いで、粘着シートのもう一方のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、外周部に幅9mm、厚さ50μmの寸法の段差部を設けた56mm×86mm×0.7mmの寸法のガラス基板に、真空貼合装置(株式会社タカトリ製、商品名「TPL−0512MH」)を用いて、25℃、0.2MPa、真空度1000Paの条件で3秒間粘着層を貼り付けた。その後、オートクレーブによる処理(45℃、0.5MPa、30min)を行って評価サンプルとした。段差埋め込み性は、残存する気泡の形状と数を計測し、下記の基準で評価した。結果を表1に示す。
[評価基準]
A:残存気泡なし
B:直径1mm以下の気泡が10個以下残存
C:長さ1cm以上の線状気泡が残存
D:長さ3cm以上の線状気泡が残存
(2.貼り合わせ信頼性評価)
上記段差埋め込み性評価で作製したサンプルを80℃の温水に6時間浸漬した。次いで、85℃のオーブンで24時間加熱した。その後、気泡の発生数を計測し、下記の基準で貼り合わせ信頼性を評価した。なお、実施例2については、信頼性試験前に、サンプルに対し、メタルハライドランプで照度65mW/cm、積算露光量2600mJ/cm(波長405nm)の条件で露光を行った。結果を表1に示す。
[評価基準]
A:気泡発生なし
B:直径1mm以下の気泡が10個以下発生
C:長さ5mm以上の線状気泡が発生
D:粘着層の寸法が変化
(3.引張割線弾性率)
作製した粘着シートを100mm×100mm×0.150mmのサイズに2枚切り出した。次いで、それぞれ軽剥離セパレータを剥離して粘着層同士が接するように貼り合せた後、50mm×50mm×0.300mmのサイズに切り出した。
切り出した粘着シートの2辺を長辺70mm×短辺50mm×厚さ0.100mmの引張応力−ひずみ曲線評価用支持フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300)の長辺側に、25℃、大気圧下において、ゴムローラー(ローラー径:50mm、ローラー幅:210mm)を用いて0.07MPaの圧力にて貼付し、貼り合わされていない粘着層のサイズが長さ5mm×幅50mmとなるようにした。
次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムに貼り合わせていないもう一方の粘着層側の重剥離セパレータを剥離し、引張応力−ひずみ曲線評価用サンプル101を作製した(図23)。上記で得たサンプルを引張試験機(株式会社オリエンテック製、商品名「RTC−1210」)を用いて、サンプルのポリエチレンテレフタレート部を摘んで、23℃環境下、引張速度300mm/分で測定して引張応力−ひずみ曲線を得た。
得られた引張応力−ひずみ曲線の例を図24に示す。引張割線弾性率は、下式に準拠して算出し、下記の基準で評価した。結果を表1に示す。
Esc = Fs/(ε×A)
Esc:引張始めから1.5mmのひずみを加えた時の引張割線弾性率(kPa)
Fs:引張始めから1.5mmのひずみを生じるのに要する荷重(引張応力)(N[kgf])
ε:規定したひずみ=1.5mm
A:試験サンプルの引張前の平均断面積(mm
[評価基準]
A:引張割線弾性率が80kPa以上
B:引張割線弾性率が50kPa以上80kPa未満
C:引張割線弾性率が50kPa未満
(4.打ち抜き加工性評価)
図5に示されるように、重剥離セパレータ3(東レフィルム加工株式会社製、セラピールBX8、50μm)上に粘着層2(厚さ150μm)が形成され、粘着層2上に軽剥離セパレータ6(東レフィルム加工株式会社製、セラピールBKE、50μm)が形成された母材フィルム10aを100mm×200mmのサイズに切り出した。平盤打抜き式の打抜装置(台湾万栄機械有限公司製)を用いて、80mm×135mmのサイズで加工された打ち抜き刃(双豊金型公司製、ピナクル刃、内刃10°/外刃25°)により、25℃、大気圧下において、母材サンプルを打ち抜いて加工性を評価した。n=10枚のサンプルについて、剥離角度180°にて軽剥離セパレータを角部から対角線方向に3〜5秒手で剥離した際の泣き別れ(重剥離セパレータからの粘着層の浮き)の発生率を下記の基準で評価した。結果を表1に示す。
[評価基準]
A:発生率0%
B:発生率10〜50%
C:発生率60%以上
(5.紫外線吸収性の測定)
作製した粘着シートを30mm×30mm×0.150mm(厚さ)のサイズに切り出した。切り出した粘着シートをソーダライムガラス(厚さ0.5mm)に貼着して試験片を作製した。紫外可視近赤外分光光度計(日本分光株式会社製;機器名「V570」)を用いて、作製した試験片の波長域200〜800nmにおける光線透過率を測定し、380nm及び420nmにおける光線透過率を読み取った。結果を表1に示す。
(6.ヘイズの測定)
作製した粘着シートを50mm×50mm×0.150mm(厚さ)のサイズに切り出した。切り出した粘着シートを85℃、85%RHの条件下で24時間放置した後に、粘着シートを取り出し、濁度計(日本電色工業株式会社製、NDH−5000)を用いて、粘着シート単層の状態で測定した。結果を表1に示す。
(7.ガラス転移温度(Tg)の測定)
10mm×10mm×0.5mm(厚さ)の前記第1粘着層及び前記第2粘着層をサンプルとして作製した。このサンプルをそれぞれ2つ準備し、図25に示すように、治具100を用いて両端のプレートP1と中央のプレートP2との間にサンプルSをはさみ込み測定サンプルとした。そして、広域動的粘弾性測定装置(Pheometric Scientific社製、Solids Analyzer RSA−II)を用いて、シェアサンドイッチモード、周波数1.0Hz、歪み0.1%、測定温度範囲−30〜100℃で昇温速度5℃/分にて貯蔵弾性率、損失弾性率、損失正接を測定した。損失正接が最大となるときの温度をTgとして読み取った。結果を表1に示す。
Figure 2017019903
1a,1b…粘着シート(画像表示装置用粘着シート)、2,2a,2b,D5,D6,D9…粘着層、2e,3e,4e,5e…外縁、3…重剥離セパレータ(基材層)、3b,5b…主面、3c,5c…切込部、4…軽剥離セパレータ(基材層)、5…キャリアフィルム、6…仮セパレータ、7…画像表示ユニット、10a,10b…母材フィルム、12,D4…液晶表示セル、20,22,D3…偏光板、30,D2…タッチパネル、31,32…透明樹脂層、40,D1,D8…透明保護板、50…バックライトシステム、60,D7…段差部、100…治具、101,S…サンプル、A1,A2…被着物、B…ブレード、P1,P2…プレート、R…ローラー、S…サンプル、S1,S2…粘着面、Δt…段差。

Claims (13)

  1. 第1粘着層及び第2粘着層を備え、
    前記第1粘着層が、(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーと、熱架橋剤と、を含有し、
    前記第2粘着層が、(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーと、熱架橋剤と、紫外線吸収剤と、を含有する、画像表示装置用粘着シート。
  2. 第1粘着層及び第2粘着層を備え、
    前記第1粘着層が、(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーと、単官能(メタ)アクリレートと、を含有し、
    前記第2粘着層が、(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーと、熱架橋剤と、紫外線吸収剤と、を含有し、
    前記第1粘着層の前記(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーが、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート50〜90質量部と、水酸基を有する(メタ)アクリレート10〜30質量部との共重合体を含む、画像表示装置用粘着シート。
  3. 前記第1粘着層の前記(メタ)アクリル酸誘導体ポリマーの重量平均分子量が500000以上である、請求項2に記載の画像表示装置用粘着シート。
  4. 前記第1粘着層が、光重合開始剤、及び、光反応性官能基を有する架橋剤を更に含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着シート。
  5. 前記光反応性官能基が(メタ)アクリロイル基である、請求項4に記載の画像表示装置用粘着シート。
  6. 前記光反応性官能基を有する架橋剤がイソシアネート基を更に有する、請求項4又は5に記載の画像表示装置用粘着シート。
  7. 420nmの光透過率が90%以上であり、
    380nmの光透過率が15%以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着シート。
  8. 第1基材層及び第2基材層を更に備え、
    前記第1粘着層及び前記第2粘着層が、前記第1基材層及び前記第2基材層の間に配置されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着シート。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着シートの前記第1粘着層の外縁及び前記第2粘着層を介して第1被着物と第2被着物とを貼り合わせて積層体を得る工程と、
    20〜80℃、0.1〜0.8MPaの条件で前記積層体を加熱及び加圧する加熱加圧工程と、を備える、画像表示装置の製造方法。
  10. 前記加熱加圧工程の後に、前記積層体に対し前記第1粘着層側から紫外線を照射する工程を更に備える、請求項9に記載の画像表示装置の製造方法。
  11. 前記第1被着物及び前記第2被着物からなる群より選ばれる少なくとも一種が、透明保護板、タッチパネル及び画像表示ユニットからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項9又は10に記載の画像表示装置の製造方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の画像表示装置の製造方法により得られる画像表示装置であって、
    前記第1被着物と、前記第2被着物と、前記粘着層又はその硬化物と、を備え、
    前記第1被着物及び前記第2被着物のうちの一方の被着物が画像表示ユニットである、画像表示装置。
  13. 前記第1被着物及び前記第2被着物のうちの他方の被着物の面が前記第1粘着層に接しており、
    前記面が段差部を有している、請求項12に記載の画像表示装置。

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