JP2013235089A - 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】誘電率が低く、被着物同士の貼り合わせ時に被着物表面の凹凸を気泡なく埋め込むことができる画像表示装置用粘着シートを提供すること。
【解決手段】画像表示装置用粘着シートであって、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体に由来する構造単位を含み、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールに由来する構造単位の含有量が粘着シートの全質量を基準として8質量%以下である、画像表示装置用粘着シート。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置に関する。
近年、画像表示装置における透明保護板又は情報入力装置(例えばタッチパネル等)と画像表示ユニットの表示面との間の空隙、又は透明保護板と情報入力装置との間の空隙を、空気と比較して屈折率が透明保護板、情報入力装置及び画像表示ユニットの表示面に近い透明材料で置換することにより、透過性を向上させ、画像表示装置の輝度及びコントラストの低下を抑える方法が提案されている(例えば、特許文献1)。画像表示装置の例として液晶表示装置の略図例を図1に示す。タッチパネルを内蔵した液晶表示装置は、透明保護板(ガラスまたはプラスチック基材)D1、タッチパネルD2、偏光板D3、液晶表示セルD4で構成されており、液晶表示装置の割れ防止、応力及び衝撃の緩和、並びに、視認性の向上のために、透明保護板とタッチパネルとの間に粘着層D5が設けられ、さらにタッチパネルと偏光板との間に粘着層D6が設けられる場合もある。
ところで、情報入力装置及び画像表示ユニットには、その周縁部分に入出力の配線を設ける必要があり、透明保護板面側からこれらの配線が見えないように、一般に、透明保護板の周縁部分に印刷等で枠状の装飾部が設けられる(特許文献1の図1における19(枠パターン)等)。これら装飾部により生じる段差を解消するため、透明保護板を貼り合わせる粘着剤として、例えば、フィルム状の粘着剤が用いられる場合があるが、この段差近傍を隙間無く埋め込むためには、フィルム状の粘着剤に優れた段差埋め込み性が求められる。近年、このような段差埋め込み性を改善するためのフィルム状の粘着剤が、種々検討されている(例えば、特許文献2)。
特開2008−83491号公報 特開2011−74308号公報
しかしながら、特許文献2に記載されているフィルム状の粘着剤は、段差埋め込み性をある程度改善できるものの未だ十分であるとは言えない。
一方、近年、静電容量式のタッチパネルが携帯電話に代表される携帯型電子端末に多用されている。静電容量式のタッチパネルでは、タッチパネル内に透明電極が複数配置され、これらの電極間にコンデンサーが形成されている。タッチパネルに指が接近した場合、指先とタッチパネル電極との間に別のコンデンサーが形成され、タッチパネル内電極間のコンデンサーの静電容量に変化が生じる。静電容量式のタッチパネルは、この静電容量変化を検出することで指の位置を検出するものである。静電容量式のタッチパネルでは、駆動回路又はプログラムによって、複数指の同時接触及び指先の動きを検出することもでき、多様な入力を実現することができる。
前述したように、静電容量式のタッチパネルでは、タッチパネルと指先との間に形成されるコンデンサーが重要な役割を演じている。視認性及び耐衝撃性向上の目的で、透明保護板とタッチパネルとの間に粘着層を形成すると、一般的に粘着層の誘電率は空気よりも高いため、タッチパネルと指先との間に形成されるコンデンサーの静電容量が増大し、操作性に影響を及ぼす可能性がある。すなわち、画像表示装置等の透明保護板とタッチパネルとの間に粘着層を介在させる場合、タッチパネルの動作性の観点から、粘着層の誘電率は2〜4の範囲内の適度な値であることが要求されている。前記誘電率が2未満ではタッチパネルの応答性が低下する傾向にあり、4を超えると応答が高くなりすぎて誤作動する可能性がある。特許文献2に記載されているフィルム状の粘着剤では、本発明者らが検討した結果、誘電率が4を超える可能性が高いことが判明した。
以上の課題に対し、本発明は、誘電率が低く、被着物同士の貼り合わせ時に被着物表面の凹凸を気泡なく埋め込むことができる画像表示装置用粘着シートを提供することを目的とする。本発明はまた、そのような画像表示装置用粘着シートを用いた画像表示装置の製造方法及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者等は上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体に由来する構造単位を含み、かつ、粘着シート中のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールに由来する構造単位を粘着シートの全質量に対して8質量%以下とすることにより、誘電率が低いにも関わらず高い接着力をもち、かつ凹凸の埋め込み性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、画像表示装置用粘着シートであって、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体に由来する構造単位を含み、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールに由来する構造単位の含有量が、粘着シートの全質量を基準として8質量%以下である、画像表示装置用粘着シートを提供するものである。このような構成により、被着物への粘着力に優れ、誘電率を低くすることができ、また、被着物同士の貼り合わせ時に被着物表面の凹凸を気泡なく埋め込むことができる。したがって、例えば、透明保護板とタッチパネルとの間にこの粘着シートを介在させた場合であっても、タッチパネルの操作性を損なうことがない。
なお、粘着シートは、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位をさらに含むことが好ましい。これにより、粘着シートの粘着性及び柔軟性をより向上させることができる。
このような粘着シートは、(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマー、(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有する(メタ)アクリル酸系誘導体モノマー、(メタ)アクリロイル基を有する架橋剤及び光重合開始剤を含有する樹脂組成物の硬化物からなるものであることが好ましい。これにより、粘着シートに所望の特性を付与することがより容易となる。
また、本発明は、上記粘着シートを介して、被着物同士を貼り合わせて積層体を得る工程と、積層体を、40℃〜80℃及び0.3〜0.8MPaの条件で加熱加圧処理する工程と、を備える、画像表示装置の製造方法を提供するものである。本発明の粘着シートを用いることにより、視認性、操作性、信頼性等に優れる画像表示装置を得ることができる。
なお、本発明の画像表示装置の製造方法において、加熱加圧処理する工程の後に、積層体に活性エネルギー線を照射する工程を更に備えることが好ましい。このような工程(後述する追加照射工程)を設けることにより、粘着シートに含まれる成分の硬化反応をより充分に進行させることができるため、被着物表面の気泡及び粘着シートの剥がれをさらに抑制することができる。
さらに、本発明は、画像表示ユニットと、タッチパネルと、樹脂層と、段差部を有する透明保護板と、をこの順に備える画像表示装置であって、樹脂層が、上記粘着シートである画像表示用装置を提供するものである。このような画像表示装置は、視認性、操作性、信頼性等に優れる。
なお、本発明の画像表示装置用粘着シートは、特に、透明保護板とタッチパネルとの間に設けられること、又は、偏光板とタッチパネルとの間に設けられること、が好ましい。画像表示装置のこのような箇所に本発明の画像表示装置用粘着シートが用いられることにより、視認性、操作性、信頼性等に優れる画像表示装置を得ることができる。
本発明によれば、誘電率が低く、被着物同士の貼り合わせ時に被着物表面の凹凸を気泡なく埋め込むことができる画像表示装置用粘着シートを提供することができる。本発明はまた、そのような画像表示装置用粘着シートを用いた画像表示装置の製造方法及び画像表示装置を提供することができる。
画像表示装置の一実施形態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る画像表示装置の断面構造を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る画像表示装置(オンセル又はインセル構造)の断面構造を示す概略図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明をするが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。また、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル」とは「アクリロイル」及びそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。
<画像表示装置用粘着シート>
本実施形態の画像表示装置用粘着シート(以下、場合により「粘着シート」という)は、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体に由来する構造単位を含んでおり、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールに由来する構造単位の含有量が、粘着シートの全質量を基準として8質量%以下である。
粘着シート中のこれらの構造単位の含有量は、例えば、熱分解GC法、固体核磁気共鳴法、赤外分光法等により測定することができる。
(メタ)アクリルアミド又はその誘導体に由来する構造単位の含有量は、粘着シートの全質量に対して5〜30質量%であることが好ましく、6〜25質量%であることがより好ましく、7〜20質量%であることが特に好ましい。これにより埋め込み性、誘電率、及び密着性をより良好なものとすることができる。なお、(メタ)アクリルアミド又はその誘導体に由来する構造単位の含有量は、後述する(A−2)成分又は(B−2)成分等の量を変化させることにより調整することができる。
この際、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有量は、粘着シートの全質量に対して、30〜90質量%であることが好ましく、40〜85質量%であることがより好ましく、50〜80質量%であることが特に好ましい。これにより粘着性、透明性及び取り扱い性をより向上させることができる。なお、アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有量は、後述する(A−1)成分又は(B−1)成分等の量を変化させることにより調整することができる。
ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールに由来する構造単位の含有量は、上記のとおり粘着シートの全質量に対して8質量%以下であるが、誘電率をより低減できる観点からは、7質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。また、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールに由来する構造単位の含有量の下限値は、0質量%以上であることが好ましいが、誘電率と埋め込み性をよりバランス良く向上できる観点からは1質量%以上がより好ましい。なお、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールに由来する構造単位の含有量は、後述するアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレート又はポリアルキレングリコール鎖を有するウレタンジ(メタ)アクリレート等の量を変化させることにより調整することができる。
本実施形態の粘着シートは、(A)(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマー、(B)(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマー、(C)(メタ)アクリロイル基を有する架橋剤及び(D)光重合開始剤を含有する粘着性樹脂組成物の硬化物からなることが好ましい。すなわち、本実施形態の粘着シートは、該粘着性樹脂組成物をシート状に加工して硬化させたものであることが好ましい。
(粘着性樹脂組成物)
以下、本実施形態の粘着性樹脂組成物に含有される成分ごとに説明をする。
[(A)成分:(A)(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマー]
(A)(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーとは、(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマーを1種で重合するか又は2種以上組み合わせて共重合したものをいう。ここで、「(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマー」としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド等のアクリル酸系誘導体などが挙げられる。なお、本実施形態の効果を損なわない範囲であれば、(A)成分は、(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有する化合物、又は(メタ)アクリロイル基を有していない重合性化合物(アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン等の重合性不飽和結合を分子内に1個有する化合物又はジビニルベンゼン等の重合性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物)を、(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーと共重合させたものであってもよい。
(A)成分は、(A−1)アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートと、(A−2)(メタ)アクリルアミド又はその誘導体を、少なくともモノマー成分として含むポリマーであることが好ましい。
(A−1)アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートは、粘着シートに粘着性及び柔軟性を付与する機能がある。このようなモノマーとしては、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が4〜18のアルキル(メタ)アクリレートを好適に使用できる。
(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーのモノマー成分の全量を100質量%とした場合、(A−1)アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、40質量%〜95質量%であることが好ましく、50質量%〜90質量%であることがより好ましく、60質量%〜80質量%であることがさらに好ましい。含有量が40質量%〜95質量%であれば、粘着シートが適切な柔軟性を持ち、埋め込み性が向上するとともに粘着力が向上する傾向がある。
(A−2)(メタ)アクリルアミド又はその誘導体は、カルボキシル基を有する化合物等よりも誘電率を低くすることができ、なおかつ高い粘着力を達成できることから重要である。このようなモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド誘導体であれば特に限定されず、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。特に、N,N−ジメチルアクリルアミドは、誘電率と粘着力とのバランスに優れることから好ましい。
(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーのモノマー成分の全量を100質量%とした場合、(A−2)(メタ)アクリルアミド又はその誘導体の含有量は、5質量%〜50質量%であることが好ましく、10質量%〜45質量%であることがより好ましく、20質量%〜40質量%であることがさらに好ましい。これにより、埋め込み性、誘電率、及び密着性をより良好なものとすることができる。
また、(A)成分は、上記モノマーに必要に応じてさらに他のモノマーを共重合させてもよい。例えば、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル;ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル;テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート;ヘプタプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールエチルエーテル(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールエチルエーテル(メタ)アクリレート;テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(A)成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値が、80000〜700000であることが好ましい。重量平均分子量が80000以上であると、透明保護板等に対してより剥がれの発生しにくい粘着力を有する粘着層を得ることができ、一方、700000以下であると、粘着性樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎず、シート状の粘着層に加工する際の加工性が良好になる。以上の観点から、(A)成分の重量平均分子量は100000〜500000であることがより好ましく、100000〜300000であることがさらに好ましい。
また、(A)成分の重合方法は、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等の既知の重合方法を用いることができる。
重合開始剤としては、熱によりラジカルを発生する化合物を用いることができる。具体的には、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキシド等のような有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のようなアゾ系化合物が挙げられる。
(A)成分の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、10〜70質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより好ましい。含有量が10〜70質量%であると、粘着性樹脂組成物の粘度が粘着シートを作製する際の適正粘度範囲に入りやすいため加工性がより良好となる。また、得られた粘着シートの、ガラス、プラスチック等の透明基材への粘着性がより良好となる。
[(B)成分:(B)(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有するモノマー]
(B)成分としては、粘着性及び透明性をより良好に確保する観点から、(B−1)アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートを含有することが好ましく、アルキル基の炭素数が6〜12であるアルキル(メタ)アクリレートを含有することがより好ましい。
また、(A)成分との相溶性、埋め込み性、誘電率、及び密着性をより向上する観点から、(B)成分としては(B−2)(メタ)アクリルアミド又はその誘導体を含有することが好ましい。
(B−1)アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートとしては、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、その中でもn−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート等が好ましく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートがより好ましい。また、アルキルメタアクリレートよりもアルキルアクリレートの方が好ましい。これらのアルキル(メタ)アクリレートは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、(B−2)(メタ)アクリルアミド又はその誘導体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
本実施形態において、(B−2)(メタ)アクリルアミド又はその誘導体成分として、ジアセトンアクリルアミドを含むことがより好ましい。ジアセトンアクリルアミドは、(A)(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーとの相溶性をより向上できるため、高透明な粘着シートを得るのに有用である。ジアセトンアクリルアミドを用いる場合の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、0.1〜30質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、2〜10%がさらに好ましい。
また、(B−2)(メタ)アクリルアミド又はその誘導体成分として、アクリロイルモルホリンを含むことがさらに好ましい。アクリロイルモルホリンは、誘電率が低く、信頼性に優れた粘着シートをより得やすくするのに有用である。アクリロイルモルホリンの含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、1〜30質量%が好ましく、2〜25質量%がより好ましく、5〜20%がさらに好ましい。
また、本実施形態において、(B)成分として、粘着シートの靱性を向上する目的で、下記式(x)で示されるアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートを上記モノマーと併用することができる。但し、(B)成分として下記式(x)で示されるアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートを含有させる場合、誘電率の観点から、作製される粘着シート中のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールに由来する構造単位の含有量が、粘着シート全量に対して8質量%以下となるように、アルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートの含有量を調整する必要がある。
CH=CXCOO(C2pO)R ・・・(x)
式(x)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、pは2〜4の整数を示し、qは1〜10の整数を示す。
式(x)で表されるアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらのうち、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及び1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートがより好ましく、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。また、これらのアルキレングリコール鎖含有(メタ)アクリレートは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して15〜80質量%が好ましい。(B)成分の含有量が、15〜80質量%の範囲であると、得られた粘着シートの粘着性及び透明性がより優れるものとなる。そして、得られた粘着層が段差埋め込み性にも優れるものとなる。以上の観点から、(B)成分の含有量は、30〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%がさらに好ましい。
さらに、(B)成分は、前記したモノマー以外の(メタ)アクリル酸系誘導体モノマーを組み合わせて用いても良い。このようなモノマーとしては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル;2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
[(C)成分:(C)(メタ)アクリロイル基を有する架橋剤]
(C)成分としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を分子内に2つ以上有するモノマーが挙げられる。このような架橋剤としては、公知の材料を使用することが可能である。例えば、下記式(a)〜(f)で表される化合物が挙げられる。ただし、式(a)〜(c)中、sは1から20の整数を示し、式(d)及び(e)中、m及びnはそれぞれ独立に、1から10の整数を示す。
Figure 2013235089
Figure 2013235089
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(C)成分としては、さらに、ウレタン結合を有するウレタンジ(メタ)アクリレートも使用可能である。ウレタン結合を有するウレタンジ(メタ)アクリレートは、他の成分との相溶性が良好である観点から、ポリアルキレングリコール鎖を有することが好ましい。但し、(C)成分として、ポリアルキレングリコール鎖を有するウレタンジ(メタ)アクリレートを含有させる場合、誘電率の観点から、作製される粘着シート中のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールに由来する構造単位の含有量が、粘着シートの全質量に対して8質量%以下となるように、ポリアルキレングリコール鎖を有するウレタンジ(メタ)アクリレートの含有量を調整する必要がある。
また、透明性を確保する観点から、ウレタン結合を有するウレタンジ(メタ)アクリレートは脂環式構造を有することが好ましい。(C)成分と、(A)成分及び(B)成分との相溶性が低い場合、硬化物が白濁する可能性がある。
(C)成分は、高温又は高温高湿下における気泡及び剥がれの発生をより抑制できる観点から、重量平均分子量が100000以下であることが好ましく300〜100000であることがより好ましく、500〜80000であることがさらに好ましい。
また、(C)成分の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、7質量%以下であることがさらに好ましい。架橋剤が7質量%以下であると、得られる粘着シートがより適切な粘着力、柔軟性を有するものとなり、画像表示装置の信頼性、耐衝撃性をさらに向上させることができる。なお、(C)成分の含有量の下限については特に制限はないが、0.1質量%以上であることが、高温時の形状安定性を高めることができるので好ましい。
[(D)成分:(D)光重合開始剤]
(D)光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射により硬化反応が進むものである。ここで活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
(D)成分は特に限定されるものではなく、ベンゾフェノン系、アントラキノン系、ベンゾイル系、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩等公知の開始剤を使用することが可能である。
具体的には、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等の芳香族ケトン化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、β−(アクリジン−9−イル)(メタ)アクリル酸のエステル化合物;9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、1,7−ジアクリジノヘプタン等のアクリジン化合物、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリホリノフェニル)−1−ブタノン;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)などが挙げられる。
特に、粘着性樹脂組成物を着色させないためには、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)などの化合物及びこれらを組み合わせたものが好ましい。
特に厚いシートを作製するためには、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物が好ましい。
シートの臭気を減らすためには、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)が好ましい。
これらの光重合開始剤は複数を組み合わせて使用してもよい。
(D)成分の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、0.1〜5質量%であることが好ましい。5質量%以下とすることで、得られた粘着シートの透過率が充分に高く、また色相が黄味を帯びることもない。以上の観点から、含有量は3質量%以下がさらに好ましい。
[その他添加剤]
本実施形態の粘着性樹脂組成物には、必要に応じて上記の(A)、(B)、(C)、及び(D)成分とは別に、各種添加剤を含有させてもよい。含有可能な各種添加剤としては、例えば、(A)、(B)、(C)及び(D)成分を配合して得られた粘着性樹脂組成物の保存安定性を高める目的でパラメトキシフェノール等の重合禁止剤、粘着性樹脂組成物を光により硬化させて得られた粘着シートの耐熱性を高める目的でトリフェニルホスファイト等の酸化防止剤、紫外線等の光に対する耐性を高める目的でHALS(Hindered Amine Light Stabilizer)等の光安定化剤、ガラス等への密着性を高める目的でシランカップリング剤などが挙げられる。
また、粘着性樹脂組成物を用いて粘着シートを得る際に、粘着シートは一時的にポリエチレンテレフタレートフィルム等に挟まれる場合がある。そのため、粘着シートとポリエチレンテレフタレートフィルム等の基材との剥離性を制御するために、ポリジメチルシロキサン系、フッ素系等の界面活性剤を配合することができる。
上記添加剤は、単独で用いてもよくまた、複数の添加剤を組み合わせて用いてもよい。なお、これらのその他添加剤の含有量は、通常、上記の(A)、(B)、(C)及び(D)成分の合計含有量と比較すると小さく、好ましくは一般に粘着性樹脂組成物の全質量に対して0.01〜5質量%程度である。
(画像表示装置用粘着シート)
次に、粘着性樹脂組成物を硬化させて得られた粘着シートについて以下に説明する。本実施形態の粘着性樹脂組成物は、そのまま粘着剤として液状の状態で被着物に塗布し、その後硬化させて用いることもできるが、予めシート状に成形して硬化させて粘着シートとして用いることが好ましい。
本実施形態における粘着シートの作製方法を以下に例示する。本実施形態における粘着シートは、基体上に粘着性樹脂組成物をシート状に塗布し、これに活性エネルギー線を照射して硬化させることにより得られる。活性エネルギー線の光源としては、波長400nm以下に発光分布を有するものが好ましく、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ及びマイクロウェーブ励起水銀灯が使用できる。また、照射エネルギーは特に限定されないが、通常300〜2000mJ/cm程度である。このとき、粘着シートの硬化状態は、粘着性樹脂組成物が全硬化した状態(硬化反応が充分進んだ状態)でもよく、半硬化した状態でもよい。半硬化した状態である場合は、後述する追加照射工程にて硬化反応をさらに進めることができる。
粘着シートは、適度な粘着力とリワーク性を兼ね備え、かつ気泡等を含まず、また優れた衝撃緩和性を発揮できる厚さにすることができる。粘着シートの厚さは、使用用途及び方法により特に限定されないが、0.05〜2mmが好ましく、0.1〜1mmがより好ましく、0.15mm(150μm)〜0.5mm(500μm)がさらに好ましい。厚みをこの範囲にした場合、ディスプレイ上に光学部材を貼合せるための透明な粘着シートとして特に優れた効果を発揮する。
また、粘着シートのガラス転移温度は、−10℃以上30℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度をこの範囲とすることで、段差埋め込み性により優れるとともに、保管時の形状変化を充分に抑制することができる。
更に、粘着シートの室温(25℃)、100kHzでの誘電率は、2〜4であることが好ましく、2〜3.9であることがより好ましく、2〜3.8であることが特に好ましい。誘電率が2以上であればタッチパネルの応答性を充分に確保できる傾向にあり、4以下であれば応答が高くなりすぎて誤作動する可能性を充分に低減できる傾向にある。
なお、本実施形態の粘着シートは画像表示装置に適用されるものであるため、充分な透明性を確保するため、その可視光透過率は、可視光領域(波長:380〜780nm)の光線に対して80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
<画像表示装置>
次に、本実施形態の粘着シートを用いて得られる画像表示装置について説明する。
本実施形態の粘着シートは、各種画像表示装置に適用することができる。画像表示装置としては、例えば、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)、電界放出ディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ(OELD)、電子ペーパー(EP)が挙げられる。本実施形態の粘着シートは、例えば、画像表示装置の反射防止層、防汚層、色素層、ハードコート層等の機能性を有する機能層、またはこの層をポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム等の基材フィルムなどの光学フィルタ基材に製膜または積層した多層物、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の透明保護基板、またはこれに各種機能を有する機能層を製膜または積層した多層物などを、組み合わせて貼り合わせるために使用することができる。また、本実施形態の粘着シートは、このような多層物と組み合わせて光学フィルタとして使用することもできる。なお、本実施形態の粘着性樹脂組成物は、これらの多層物に塗布、充填等してから硬化することで使用することも可能である。以下、画像表示装置の各層について説明をする。
反射防止層は、可視光反射率が5%以下となる反射防止性を有している層であればよく、透明なプラスチックフィルム等の透明基材を既知の反射防止方法で処理した層を用いることができる。
防汚層は、表面に汚れがつきにくくするためのもので、表面張力を下げるためにフッ素系樹脂又はシリコーン系樹脂等からなる既知の層を使用することができる。
色素層は、色純度を高めるためのもので、液晶表示用パネル等の画像表示用パネルから発する光の色純度が低い場合に、不要な光を低減するために使用される。色素層は、例えば、不要な光を吸収する色素を樹脂に溶解させ、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム等の基材フィルムに製膜または積層して形成することができる。
ハードコート層は、表面硬度を高くするために使用される。ハードコート層としては、ウレタンアクリレート又はエポキシアクリレート等のアクリル樹脂、エポキシ樹脂などを、ポリエチレンフィルム等の基材フィルムに製膜または積層したものを使用することができる。同様に、表面硬度を高めるために、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の透明保護板、またはこれら保護板にハードコート層を製膜または積層したものを使用することもできる。
本実施形態の粘着シートは、偏光板に積層して使用することができる。この場合、偏光板の視認面側に積層することもでき、その反対側に積層することもできる。
偏光板の視認面側に使用する場合には、粘着シートのさらに視認面側に反射防止層、防汚層、ハードコート層を積層することができ、偏光板と液晶セルとの間に使用する場合には、偏光板の視認面側に機能性を有する層を積層することができる。
このような積層物を作製する場合、粘着シートは、ロールラミネート、真空貼合機、また枚葉貼合機を用いて積層することができる。
粘着シートは、画像表示装置の画像表示用パネルと視認側最前面の保護板(前面板又は透明保護板)との間であって、視認側の適切な位置に配置されることが好ましい。具体的には、画像表示用パネルと前面板又は透明保護板との間に適用されることが好ましい。
また、タッチパネルを画像表示装置に組み合わせた画像表示装置においては、タッチパネルと画像表示用パネルの間及び/又はタッチパネルと前記前面板又は透明保護板の間に適用されることが好ましいが、画像表示装置の構成上、本実施形態の粘着シートが適用可能であれば、上記に記載した位置に限るものではない。
本実施形態の画像表示装置は、画像表示ユニットと、タッチパネルと、樹脂層と、段差部を有する透明保護板と、をこの順に備えるものであり、樹脂層が、本実施形態の画像表示装置用粘着シートである。このような画像表示装置を、図2及び図3を用いて説明をする。
図2は、本実施形態の画像表示装置の一例の断面構造を示す概略図であって、タッチパネルを内蔵した液晶表示装置を示す。このタッチパネルを内蔵した液晶表示装置は、透明保護板(ガラス又はプラスチック基材)1、タッチパネル3、偏光板4、液晶モジュール5で構成されており、透明保護板1とタッチパネル3とが、また、タッチパネル3と偏光板4とが、それぞれ粘着層6、7を介して貼り合わされている。なお、粘着層6及び/又は粘着層7には、前述した本実施形態の粘着シートが用いられる。また、装飾部(段差部)2が透明保護板に形成されている。
装飾部2の厚さは液晶表示装置の大きさ等により異なるが、厚さが40μm〜100μmである場合、本実施形態の粘着シートを用いることが特に有用である。
また、近年、オンセル構造又はインセル構造と呼ばれる、タッチパネル機能が組み込まれた液晶モジュールの開発が進んでいる。このような液晶モジュールを用いた画像表示装置の一例の断面構造を示す概略図を図3に示す。透明保護板(ガラス又はプラスチック基材)1、偏光板4、液晶モジュール(タッチパネル機能付き液晶モジュール)5で構成されており、透明保護板1と偏光板4とが、粘着層8を介して貼り合わされている。また、装飾部2が透明保護板に形成されている。
画像表示装置の前面板または透明保護板は、一般的な光学用透明基板を使用することができる。具体的には、ガラス板、石英等の無機物の板、アクリル樹脂板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート板、シクロオレフィンポリマー板等のプラスチック(有機物)板、厚手のポリエステルシート等の樹脂シートなどが挙げられる。
液晶画像表示装置に組み込まれる液晶表示セルは、当技術分野で周知の液晶材料から構成されるものを使用することができる。また、液晶材料の制御方法によって、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super−twisted nematic)方式、VA(Virtical Alignment)方式及びIPS(In−Place−Switching)方式等に分類されるが、いずれの制御方法を使用した液晶表示セルであってもよい。
また、前記画像表示装置として有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子を用いることもできる。
<画像表示装置の製造方法>
本実施形態の粘着シートを用いて、画像表示装置を製造する方法としては、粘着シートを介して被着物同士を貼り合わせて積層体を得る工程と、積層体を40℃〜80℃及び0.3〜0.8MPaの条件で加熱加圧処理する工程と、を備える、製造方法が挙げられる。このような製造方法によれば、得られる画像表示装置は高温下、高温高湿下に長期間暴露されても気泡、剥がれが発生しにくくなる。
具体的には、透明保護板、タッチパネル、画像表示ユニットのいずれか2つを、粘着シートを介して貼りあわせた後、オートクレーブにより加熱、加圧処理することが好ましい。加熱、加圧処理の条件は上記のとおりであるが、高温下、高温高湿下の信頼性をより向上する観点から、加熱条件としては、30℃〜80℃が好ましく、加圧条件としては0.2〜0.6MPaが好ましい。なお、このような条件で加熱、加圧処理をする場合、処理時間は10〜60分間が好ましい。また、上述の気泡、剥がれをさらに抑制できる観点から、被着物同士を貼り合わせて積層体を得た後、又はオートクレーブにより積層体を加熱、加圧処理した後、粘着シートに対して活性エネルギー線(紫外線)を照射する追加照射工程を設け、粘着シートに含まれる成分の硬化反応をさらに進行させることがより好ましい。この工程における活性エネルギー線の照射エネルギーは特に限定されないが、200〜2000mJ/cm程度であることが好ましい。
以下、実施例により本発明の説明をする。なお、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
製造例1
<(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーの合成>
冷却管、温度計、攪拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管の付いた反応容器に、ブチルアクリレート(BA)70g、ジメチルアクリルアミド(DMAA)30g、及びメチルエチルケトン100g、2,2’−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN)0.5gを入れ、100ml/分の風量で窒素置換しながら70℃まで加熱し、1時間反応させた。さらに80℃まで加熱し3時間反応させた。
続いて、メチルエチルケトンを留去することによりブチルアクリレートとジメチルアクリルアミドの共重合体(重量平均分子量70,000)を得た(以下、この共重合体を「BA/DMAA(70/30)ポリマー」とする)。
また、同様の方法を用い、BA 80gとDMAA 20gを用いてBA/DMAA(80/20)ポリマーを、BA 65gとDMAA 35gを用いてBA/DMAA(65/35)ポリマーを合成した。
なお、重量平均分子量の測定は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを使用して行い、下記の装置及び測定条件を用いて標準ポリスチレンの検量線を使用して換算することによって決定した値である。検量線の作成にあたっては、標準ポリスチレンとして5サンプルセット(PStQuick MP−H, PStQuick B[東ソー(株)製、商品名])を用いた。
装置:高速GPC装置 HCL−8320GPC(検出器:示差屈折計)
(東ソー(株)製、商品名)
使用溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム:カラムTSKGEL SuperMultipore HZ−H
(東ソー(株)製、商品名)
カラムサイズ:カラム長が15cm、カラム内径が4.6mm
測定温度:40℃
流量:0.35ml/分
試料濃度:10mg/THF5ml
注入量:20μl
製造例2
<ポリウレタンアクリレートの合成>
冷却管、温度計、攪拌装置、滴下漏斗及び空気注入管のついた反応容器にポリプロピレングリコール(分子量2,000)223.12g、ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート76.29g、2−エチルヘキシルアクリレート99.68g、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール0.12g及び触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5gをとり、空気を流しながら75℃に昇温後、75℃で攪拌しつつイソホロンジイソシアネート49.35gを2時間かけて均一滴下し、反応を行った。
滴下終了後、5時間反応させたところで、さらに2−ヒドロキシエチルアクリレート44.85gを追加し、1時間反応させた。IR測定の結果、イソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、ポリプロピレングリコールとイソホロンジイソシアネートに由来する構造単位を有し、かつアクリロイル基を有するポリウレタンジアクリレート(重量平均分子量8,500)を得た。
ポリウレタンアクリレート中のポリプロピレングリコールに由来する構造単位の含有量は、以下の式より算出した。
{223.12g(ポリプロピレングリコール(分子量2,000))/[223.12g(ポリプロピレングリコール(分子量2,000))+76.29g(ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート)+49.35(イソホロンジイソシアネート)+99.68g(2−エチルヘキシルアクリレート)+44.85g(2−ヒドロキシエチルアクリレート)+0.12g(p−メトキシフェノール)+0.5g(ジブチル錫ジラウレート)]}×100=45.2質量%
比較製造例1
<アクリルアミド誘導体モノマーを含まない(メタ)アクリル酸系誘導体ポリマーの合成>
冷却管、温度計、攪拌装置、滴下漏斗及び窒素導入管の付いた反応容器に、初期モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)84.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)36.0g及びメチルエチルケトン150.0gをとり、100ml/分の風量で窒素置換しながら15分間で常温(25℃)から70℃まで加熱した。
その後、70℃に保ちながら、追加モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート21.0g及び2−ヒドロキシエチルアクリレート9.0gを追加した後、ラウロイルパーオキシド1.0gを溶解した溶液を60分間かけて滴下し、滴下終了後さらに2時間反応させた。
続いて、メチルエチルケトンを留去することにより2−エチルヘキシルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの共重合体(重量平均分子量150,000)を得た(以下、この共重合体を「EHA/HEAポリマー」とする)。
実施例1〜5
<粘着性樹脂組成物の調製及び粘着シートの作製>
製造例1で得られたBA/DMAA(80/20)ポリマー、BA/DMAA(70/30)ポリマー、BA/DMAA(65/35)ポリマー、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)、アクリロイルモルホリン(ACMO)、ジアセトンアクリルアミド(DAAA)、製造例2で得られたポリウレタンジアクリレート(PUDA)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(I−184)を用いて、表1に記載の配合成分及び配合量で攪拌混合し、粘着性樹脂組成物を得た。なお、表1中、ポリプロピレングリコールに由来する構造単位の含有量(PPG量)は、次式で求めた。
{ポリウレタンアクリレート中に含まれるポリプロピレンングリコールに由来する構造単位の含有量(6g×0.452=2.7g)/粘着シートの全質量(100g)}×100=2.7質量%
その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムに上記で得られた粘着性樹脂組成物を滴下し、さらにポリエチレンテレフタレートフィルムをその上から被せ、ローラーにて粘着性樹脂組成物をシート状に成形し、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、アイドルフィン3000、ハイパワーメタルハライドランプ)を用いて紫外線を700mJ/cm照射して、透明な粘着シートを得た。また、マイクロメーターにより測定した各粘着シートのシート厚は、表1に示すとおりであった。
比較例1〜2
配合成分としてさらに比較製造例1で得られたEHA/HEAポリマーを準備し、表1に記載の配合成分及び配合量にして配合したこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着性樹脂組成物及び粘着シートを作製した。
<評価>
各実施例及び比較例で得られた粘着性樹脂組成物又は粘着シートについて以下の試験方法で評価した。
1.ガラス転移温度(Tg)
光照射装置(浜松ホトニクス社製、ライトニングキュアLC8)を取り付けた粘弾性測定装置(アントンパール社製、Physica MCR301)、直径12mmの測定プレートを用い、せん断モード、周波数1.0Hz、ギャップ175μm、測定温度範囲−15〜100℃により粘着シートのガラス転移温度を測定した。まず、作製した粘着性樹脂組成物を粘弾性測定装置のガラス板上に滴下し、測定プレートを測定位置にセットした後、過剰な粘着性樹脂組成物をかきとった。次いで測定部温度を25℃にして光照射を7秒間行い(積算光量700mJ/cm)、測定プレートとガラス板との間に粘着シートを形成した。測定温度を−15℃まで冷却した後、100℃まで2℃/分で昇温しながら損失弾性率、貯蔵弾性率、tanδを測定し、tanδのピーク温度をガラス転移温度とした。
2.埋め込み性及び信頼性評価
86mm×56mm×t0.7mmのガラス板の周縁部5mmに、60μm厚の黒色印刷を施したガラス基板(以下、「段差付ガラス基板」という)を用意した。作製した粘着シートを長さ86mm、幅56mmのサイズに切り出し、86mm×56mm×t0.7mmの寸法のガラス基板にローラーを用いて貼付した。次いで、その上に段差付ガラス基板をローラーを用いて貼り合わせ、オートクレーブ処理(50℃、0.45MPa)を30分間行った。さらに、メタルハライドランプからの紫外線を1000mJ/cm照射し、評価サンプルとした。
埋め込み性は、気泡及び剥がれの有無を以て評価した。具体的には、目視にて気泡及び剥がれが発生しなかった場合はA、周辺部にのみ少量気泡が発生した場合はB、全面に気泡ないしは剥がれが発生した場合はCとした。
次に、評価サンプルを以下の環境条件下に設定時間放置し、取り出した後信頼性評価(気泡、剥がれの有無)を行った。評価基準は、目視にて気泡及び剥がれが発生しなかった場合はA、周辺部にのみ少量気泡が発生した場合はB、全面に気泡ないしは剥がれが発生した場合はCとした。
・高温高湿試験(表中、「85/85」と記載。);
評価サンプルを85℃、85%RHの恒温高湿試験装置中に24時間放置した。
・高温試験(表中、「80」と記載。);
評価サンプルを80℃のオーブン中に6時間放置した。
3、粘着力
作製した粘着シートを長さ50mm、幅10mmのサイズに切り出し、長さ120mm、幅20mm、厚さ75μmのPETフィルム(帝人デュポン社製A4100)にローラーを用いて貼付した。これを厚さ3mmのガラス基板にローラーを用いて貼付し、メタルハライドランプからの紫外線を1000mJ/cm照射した。さらに30分間室温で養生し、粘着力を測定した。粘着力は引張試験機(ORIENTEC製RTM−100)を用い、180度剥離によって測定した。剥離速度は300mm/分、測定温度は25℃の条件で行った。
4、誘電率
作製した粘着シートを直径56mmの円形に切り出し、直径56mm、厚さ2mmのアルミ板にローラーを用いて貼付した。メタルハライドランプからの紫外線を1000mJ/cm照射した後、粘着シート上に直径36mm、厚さ80μmの円形銅箔電極と、外径54mm、内径40mm、厚さ80μmのリング状銅箔電極をローラーを用いて貼り合わせた。そして、LCRメーター(ヒューレットパッカード社製HP4275A)と誘電体測定用電極(ヒューレットパッカード社製HP16451B)を用いて、室温(25℃)で100kHzにおける静電容量を測定し、次式の関係に基づき粘着シートの誘電率を求めた。
(静電容量)=(真空の誘電率)×(粘着シートの誘電率)×(円形銅箔電極の面積)÷(粘着シートの厚み)
5、濁度
作製した粘着シートを長さ30mm、幅30mmのサイズに切り出し、0.7mm厚ガラス板にローラーを用いて貼付した。色差・濁度測定器(日本電色工業社製COH−300A)を用い、濁度を測定した。
Figure 2013235089
表1より明らかなように、本発明の粘着シートは、誘電率が低く、粘着力、信頼性に優れている。また、シート厚が薄くとも埋め込み性が良好で気泡の発生がなく、画像表示装置の薄型化、軽量化が可能である。
実施例6〜7
<粘着性樹脂組成物の調製及び粘着シートの作製>
製造例1で得られたBA/DMAA(65/35)ポリマー、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)、アクリロイルモルホリン(ACMO)、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(日立化成工業製、FA−400A、ポリエチレングリコール鎖の数の平均値が9であり、平均分子量が466)、ダイアセトンアクリルアミド(和光純薬工業製)、ヘキサンジオールジアクリレート(日立化成工業製FA−126AS)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(I−184)を用いて、表2に記載の配合成分及び配合量で攪拌混合し、粘着性樹脂組成物を得た。なお、表2中、ポリエチレングリコールに由来する構造単位の含有量(PEG量)の算出に当たっては、FA−400A中に含まれるポリエチレングリコールに由来する構造単位の含有量が85質量%{396(ポリエチレングリコール鎖の数の平均値から換算した分子量)/466(FA−400Aの平均分子量)×100}であることを利用した。
その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムに上記で得られた粘着性樹脂組成物を滴下し、さらにポリエチレンテレフタレートフィルムをその上から被せ、ローラーにて粘着性樹脂組成物をシート状に成形し、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、アイドルフィン3000、ハイパワーメタルハライドランプ)を用いて紫外線を2000mJ/cm照射して透明な粘着シートを得た。また、マイクロメーターにより測定した各粘着シートのシート厚は、表1に示すとおりであった。
比較例3〜4
表2に記載の配合成分及び配合量にして配合したこと以外は、実施例6と同様の方法で粘着性樹脂組成物及び粘着シートを作製した。
<評価>
各実施例及び比較例で得られた粘着性樹脂組成物又は粘着シートについて、上記と同様の評価方法にて埋め込み性及び誘電率を評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2013235089
表2から明らかなように、ポリエチレングリコールに由来する構造単位の含有量が、粘着性樹脂組成物の全質量に対して8質量%以下であるときに、誘電率を4以下にすることができることがわかる。
本発明の画像表示装置用粘着シートを用いることで、耐衝撃性を有し、視認性に優れる画像表示装置を提供することができる。本発明の粘着シートは、特に、視認側の透明保護板(例えば、プラスチック基板)との密着力が高く、85℃/85%RHのような高温高湿下に曝されても、剥がれ、浮き、気泡等を発生することなく、ディスプレイの視認性を低下させない。すなわち、画像表示パネルと表示装置に必要と思われる部材を貼合することが可能であり、特に、表示装置の画像表示パネルより視認側にある部材同士を貼合する際に好適に用いることが可能である。特に、液晶ディスプレイパネルとタッチパネル、液晶ディスプレイパネルと透明保護板、タッチパネルと透明保護板等を貼着させる粘着シートとして有用である。
1…透明保護板、2…装飾部(段差部)、3…タッチパネル、4…偏光板、5…液晶モジュール、6、7、8…粘着層。

Claims (8)

  1. 画像表示装置用粘着シートであって、
    (メタ)アクリルアミド又はその誘導体に由来する構造単位を含み、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールに由来する構造単位の含有量が粘着シートの全質量を基準として8質量%以下である、画像表示装置用粘着シート。
  2. アルキル基の炭素数が4〜18であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位をさらに含む、請求項1記載の画像表示装置用粘着シート。
  3. (メタ)アクリル酸系誘導体ポリマー、(メタ)アクリロイル基を分子内に1つ有する(メタ)アクリル酸系誘導体モノマー、(メタ)アクリロイル基を有する架橋剤及び光重合開始剤を含有する樹脂組成物の硬化物からなる、請求項1又は2記載の画像表示装置用粘着シート。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の画像表示装置用粘着シートを介して、被着物同士を貼り合わせて積層体を得る工程と、
    前記積層体を、40℃〜80℃及び0.3〜0.8MPaの条件で加熱加圧処理する工程と、を備える、画像表示装置の製造方法。
  5. 前記加熱加圧処理する工程の後に、前記積層体に活性エネルギー線を照射する工程を更に備える、請求項4記載の画像表示装置の製造方法。
  6. 画像表示ユニットと、タッチパネルと、樹脂層と、段差部を有する透明保護板と、をこの順に備え、前記樹脂層が、請求項1〜3のいずれか一項記載の画像表示装置用粘着シートである、画像表示装置。
  7. 透明保護板とタッチパネルとの間に設けられる、請求項1〜3のいずれか一項記載の画像表示装置用粘着シート。
  8. 偏光板とタッチパネルとの間に設けられる、請求項1〜3のいずれか一項記載の画像表示装置用粘着シート。
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