JP2011165596A - 電子放出部材、電子放出装置及び電子放出部材の製造方法 - Google Patents

電子放出部材、電子放出装置及び電子放出部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた電子放出特性を有する電子放出部材、電子放出装置及び電子放出部材の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の電子放出部材は、金属のマトリックスにカーボンナノファイバーが分散した押出材bである。押出材bの押出方向Aと交差する方向に形成された面が電子放出領域である。本発明の電子放出部材の製造方法は、金属粒子と、カーボンナノファイバーと、を含む混合材料Bを押出加工して押出材bを得る工程(a)と、押出材bを少なくとも押出方向Aの複数個所で分割して、押出方向Aと交差する方向に形成された分割面を有する電子放出部材を得る工程(b)と、を含む。
【選択図】 図4

Description

本発明は、カーボンナノファイバーを用いた電子放出部材、電子放出装置及び電子放出部材の製造方法に関する。
本発明者等は、エラストマー中にカーボンナノファイバーが分散された電子放出部を有する電子放出装置を先に提案した(例えば、特許文献1参照)。この電子放出装置は、電子放出部の側壁に電子放出領域を有することで優れた電子放出特性を得ることができた。
また、本発明者等は、金属のマトリクス中にカーボンナノファイバーが均一に分散した電子放出材料を有する電子放出装置を提案した(例えば、特許文献2参照)。この電子放出材料はカーボンナノファイバーの周囲に周辺相が形成されていた。
特開2008−311083号公報 特開2007−134303号公報
本発明の目的は、優れた電子放出特性を有する電子放出部材、電子放出装置及び電子放出部材の製造方法を提供することにある。
本発明にかかる電子放出部材は、
金属のマトリックスにカーボンナノファイバーが分散した押出材であって、
前記押出材の押出方向と交差する方向に形成された面が電子放出領域であることを特徴とする。
本発明にかかる電子放出部材によれば、押出材の押出方向と交差する方向に形成された面が電子放出領域であるので、優れた電子放出特性を得ることができる。
本発明にかかる電子放出部材において、
前記面が前記押出方向と略直交する方向に形成されていることができる。
本発明にかかる電子放出部材において、
前記カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmであることができる。
本発明にかかる電子放出部材において、
前記金属は、アルミニウムであることができる。
本発明にかかる電子放出装置は、
前記電子放出部材と、
前記電子放出部材と電気的に接続するカソード電極と、
少なくとも絶縁部を介して前記電子放出部材と電気的に絶縁するアノード電極と、
を具備し、
前記電子放出領域は、前記アノード電極へ向けて電子を放出することを特徴とする。
本発明にかかる電子放出装置によれば、優れた電子放出特性を有することができる。
本発明にかかる電子放出装置において、
前記電子放出部材は、シート状に形成され、
前記面は、前記電子放出部材の側壁であることができる。
本発明にかかる電子放出部材の製造方法は、
金属粒子と、カーボンナノファイバーと、を含む混合材料を押出加工して押出材を得る工程(a)と、
前記押出材を少なくとも押出方向の複数個所で分割して、前記押出方向と交差する方向に形成された分割面を有する電子放出部材を得る工程(b)と、
を含み、
前記分割面は、電子放出領域であることを特徴とする。
本発明にかかる電子放出部材の製造方法において、
前記面が前記押出方向と略直交する方向に形成されていることができる。
本発明にかかる電子放出部材の製造方法において、
前記カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmであることができる。
本発明にかかる電子放出部材の製造方法において、
前記金属は、アルミニウムであることができる。
オープンロール法による炭素繊維複合材料の製造方法を模式的に示す図である。 オープンロール法による炭素繊維複合材料の製造方法を模式的に示す図である。 オープンロール法による炭素繊維複合材料の製造方法を模式的に示す図である。 押出加工法による押出材を得る工程(a)を模式的に示す断面図である。 押出材から電子放出材料を得る工程(b)を模式的に示す図である。 押出材から電子放出材料を得る工程(b)を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態にかかる電子放出装置の横断面を示す模式図である。 図7に示した電子放出装置のVIII−VIII’断面図である。 図7に示した電子放出装置のVX−VX’断面図である。 実施例の電子放出部材における分割面の電子顕微鏡写真である。 実施例の電子放出部材における分割面の電子顕微鏡写真である。 実施例の電子放出部材における分割面の電子顕微鏡写真である。 比較例の電子放出部材における分割面の電子顕微鏡写真である。 比較例の電子放出部材における分割面の電子顕微鏡写真である。 比較例の電子放出部材における分割面の電子顕微鏡写真である。 実施例と比較例の電子放出部材における印加電圧(Vμm)とエミッション電流(A/cm)との関係を示すグラフである。 電子放出装置における発光試験を説明する写真である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の一実施形態にかかる電子放出部材は、金属のマトリックスにカーボンナノファイバーが分散した押出材であって、前記押出材の押出方向と交差する方向に形成された面が電子放出領域であることを特徴とする。
本発明の一実施形態にかかる電子放出装置は、前記電子放出部材と、前記電子放出部材と電気的に接続するカソード電極と、少なくとも絶縁部を介して前記電子放出部材と電気的に絶縁するアノード電極と、を具備し、前記電子放出領域は、前記アノード電極へ向けて電子を放出することを特徴とする。
本発明の一実施形態にかかる電子放出部材の製造方法は、金属粒子と、カーボンナノファイバーと、を含む混合材料を押出加工して押出材を得る工程(a)と、前記押出材を少なくとも押出方向の複数個所で分割して、前記押出方向と交差する方向に形成された分割面を有する電子放出部材を得る工程(b)と、を含み、前記分割面は、電子放出領域であることを特徴とする。
(I)電子放出部材の製造方法:
まず、本発明の一実施形態にかかる電子放出部材の製造方法について説明する。
(I−A)工程(a)に用いる混合材料について説明する。
混合材料は、金属粒子とカーボンナノファイバーとを含む。
カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmであることができ、さらに4〜250μmであることができる。カーボンナノファイバーは、ストレート繊維状、あるいは湾曲繊維状であることができる。カーボンナノファイバーの平均直径は、電子顕微鏡による例えば5,000倍の撮像(カーボンナノファイバーのサイズによって適宜倍率は変更できる)から200箇所以上の直径を計測し、その算術平均値として計算して得ることができる。
カーボンナノファイバーの配合量は、特に限定されず、カーボンナノファイバーの特性や電子放出部材の用途に応じて設定できるが、後述するようにエラストマーを用いて炭素繊維複合材料を得る場合には加工性を考慮すると炭素繊維複合材料中のカーボンナノファイバーの充填率は0.1〜40体積%とすることができる。
カーボンナノファイバーとしては、例えば、いわゆるカーボンナノチューブなどが例示できる。カーボンナノチューブは、炭素六角網面のグラフェンシートが円筒状に閉じた単層構造あるいはこれらの円筒構造が入れ子状に配置された多層構造を有する。すなわち、カーボンナノチューブは、単層構造のみから構成されていても多層構造のみから構成されていても良く、単層構造と多層構造が混在していてもかまわない。また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有する炭素材料も使用することができる。なお、カーボンナノチューブという名称の他にグラファイトフィブリルナノチューブ、気相成長炭素繊維といった名称で称されることもある。カーボンナノファイバーは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、気相成長法などによって望ましいサイズに製造することができる。
カーボンナノファイバーは、エラストマーと混練される前に、あらかじめ表面処理、例えば、イオン注入処理、スパッタエッチング処理、プラズマ処理などを行うことによって、エラストマーとの接着性やぬれ性を改善することができる。
金属粒子は、押出加工に用いることができる市販されている金属粒子を用いることができる。金属粒子としては、融点が800℃以下であり、原子量が100以下のいわゆる軽金属を用いることができる。このような金属材料としては、マグネシウム、アルミニウムなどがある。なお、ここで金属材料となるアルミニウムやマグネシウムは、主成分がアルミニウムやマグネシウムの合金を含むものである。後述するようにエラストマーを用いてカーボンナノファイバーと金属粒子とを混合する場合には、カーボンナノファイバーの平均直径よりも大きい平均粒径であることでき、例えば金属粒子の平均粒径は500μm以下であることができ、さらに1〜300μmであることができる。また、金属粒子の形状は、球形粒状に限らず、混合時に金属粒子のまわりに乱流状の流動が発生する形状であれば平板状、りん片状であってもよい。金属粒子の平均粒径は、電子顕微鏡観察による算術平均値とすることができる。
(I−B)混合材料を得る方法について説明する。
混合材料は、金属粒子とカーボンナノファイバーとを均質に混合することができれば公知の方法を採用することができる。例えば、エラストマーに金属粒子とカーボンナノファイバーとを均一に分散させた炭素繊維複合材料を作成し、その炭素繊維複合材料からエラストマーを分解気化させて除去し、金属粒子とカーボンナノファイバーとを含む混合材料を得ることができる。こうして得られた混合材料は、カーボンナノファイバーの凝集塊をほとんど無くすことができる。炭素繊維複合材料の製造方法について図1〜図3を用いて詳細に説明する。
図1〜図3は、オープンロール法による炭素繊維複合材料の製造方法を模式的に示す図である。図1〜図3に示すように、2本ロールのオープンロール2における第1のロール10と第2のロール20とは、所定の間隔d、例えば0.5mm〜1.5mmの間隔で配置され、図1〜図3において矢印で示す方向に回転速度V1,V2で正転あるいは逆転で回転する。まず、図1に示すように、第1のロール10に巻き付けられたエラストマー30の素練りを行ない、エラストマー分子鎖を適度に切断してフリーラジカルを生成する。素練りによって生成されたエラストマーのフリーラジカルがカーボンナノファイバーと結びつきやすい状態となる。
次に、図2に示すように、第1のロール10に巻き付けられたエラストマー30のバンク34に、金属粒子82とカーボンナノファイバー80とを投入し、混練して混合物36を得ることができる。エラストマー30と金属粒子82とカーボンナノファイバー80とを混合する工程は、オープンロール法に限定されず、例えば密閉式混練法あるいは多軸押出し混練法を用いることもできる。
さらに、図3に示すように、第1のロール10と第2のロール20とのロール間隔dを、例えば0.5mm以下、より好ましくは0〜0.5mmの間隔に設定し、図2で得られた混合物36をオープンロール2に投入して薄通しを1回〜複数回行なう。薄通しの回数は、例えば1回〜10回程度行なうことができる。第1のロール10の表面速度をV1、第2のロール20の表面速度をV2とすると、薄通しにおける両者の表面速度比(V1/V2)は、1.05〜3.00であることができ、さらに1.05〜1.2であることが好ましい。このような表面速度比を用いることにより、所望の剪断力を得ることができる。このように狭いロール間から押し出された炭素繊維複合材料50は、さらにエラストマー30の弾性による復元力で図3のように大きく変形し、その際にエラストマー30と共にカーボンナノファイバー80が大きく移動する。薄通しして得られた炭素繊維複合材料50は、ロールで圧延されて所定厚さのシート状に分出しされる。この薄通しの工程では、できるだけ高い剪断力を得るために、ロール温度を例えば0〜50℃に設定して行うことができ、さらに5〜30℃の比較的低い温度に設定して行うことができる。エラストマー30の実測温度も0〜50℃に調整されることができ、さらに5〜30℃調整されることができる。このような温度範囲に調整することによって、エラストマー30の弾性を利用してカーボンナノファイバー80を分散することができる。このようにして得られた剪断力により、エラストマー30に高い剪断力が作用し、凝集していたカーボンナノファイバー80がエラストマー分子に1本ずつ引き抜かれるように相互に分離し、エラストマー30中に分散される。特に、エラストマー30は、弾性と、粘性と、カーボンナノファイバー80との化学的相互作用と、を有するため、カーボンナノファイバー80を容易に分散することができる。そして、カーボンナノファイバー80の分散性および分散安定性(カーボンナノファイバーが再凝集しにくいこと)に優れた炭素繊維複合材料50を得ることができる。
より具体的には、オープンロールでエラストマーとカーボンナノファイバーとを混合すると、粘性を有するエラストマーがカーボンナノファイバーの相互に侵入し、かつ、エラストマーの特定の部分が化学的相互作用によってカーボンナノファイバーの活性の高い部分と結合する。カーボンナノファイバーの表面が例えば酸化処理によって適度に活性が高いと、特にエラストマー分子と結合し易くできる。次に、エラストマーに強い剪断力が作用すると、エラストマー分子の移動に伴ってカーボンナノファイバーも移動し、さらに剪断後の弾性によるエラストマーの復元力によって、凝集していたカーボンナノファイバーが分離されて、エラストマー中に分散されることになる。本実施の形態によれば、炭素繊維複合材料が狭いロール間から押し出された際に、エラストマーの弾性による復元力で炭素繊維複合材料はロール間隔より厚く変形する。その変形は、強い剪断力の作用した炭素繊維複合材料をさらに複雑に流動させ、カーボンナノファイバーをエラストマー中に分散させると推測できる。そして、一旦分散したカーボンナノファイバーは、エラストマーとの化学的相互作用によって再凝集することが防止され、良好な分散安定性を有することができる。
エラストマーにカーボンナノファイバーを剪断力によって分散させる工程は、前記オープンロール法に限定されず、密閉式混練法あるいは多軸押出し混練法を用いることもできる。要するに、この工程では、凝集したカーボンナノファイバーを分離できる剪断力を十分な弾性を有したエラストマーに与えることができればよい。特に、オープンロール法は、ロール温度の管理だけでなく、混合物の実際の温度を測定し管理することができるため、好ましい。
このようにして得られた炭素繊維複合材料は、エラストマーと、該エラストマー中に均一に分散したカーボンナノファイバーと、金属粒子と、を含むことができる。炭素繊維複合材料は、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって150℃、観測核がHで測定した、無架橋体における、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)は100〜3000μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0〜0.2であることができる。炭素繊維複合材料の150℃で測定したT2n及びfnnは、マトリックスであるエラストマーにカーボンナノファイバーが均一に分散されていることを表すことができる。つまり、エラストマーにカーボンナノファイバーが均一に分散されているということは、エラストマーがカーボンナノファイバーによって拘束されている状態であるともいえる。この状態では、カーボンナノファイバーによって拘束を受けたエラストマー分子の運動性は、カーボンナノファイバーの拘束を受けない場合に比べて小さくなる。そのため、炭素繊維複合材料の第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)及びスピン−格子緩和時間(T1)は、カーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合より短くなり、特にカーボンナノファイバーが均一に分散することでより短くなる。また、エラストマー分子がカーボンナノファイバーによって拘束された状態では、以下の理由によって、非ネットワーク成分(非網目鎖成分)は減少すると考えられる。すなわち、カーボンナノファイバーによってエラストマーの分子運動性が全体的に低下すると、非ネットワーク成分は容易に運動できなくなる部分が増えて、ネットワーク成分と同等の挙動をしやすくなること、また、非ネットワーク成分(末端鎖)は動きやすいため、カーボンナノファイバーの活性点に吸着されやすくなること、などの理由によって、非ネットワーク成分は減少すると考えられる。そのため、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する成分の成分分率(fnn)は、fn+fnn=1であるので、カーボンナノファイバーを含まないエラストマー単体の場合より小さくなる。したがって、炭素繊維複合材料は、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって得られる測定値が上記の範囲にあることによってカーボンナノファイバーが均一に分散されていることがわかる。
次に、炭素繊維複合材料を熱処理することで、該炭素繊維複合材料中に含まれるエラストマーを分解気化することによって、金属粒子とカーボンナノファイバーとを含む混合材料を得ることができる。混合材料は、金属粒子とカーボンナノファイバーが均質に混ざり合った粉体状であってもよく、あるいはその粉体状の混合材料を圧縮処理した圧粉体であってもよく、押出加工に用いることができる公知の形態を採用することができる。混合材料は、カーボンナノファイバーの直径よりも比較的大きな金属粒子の周りにカーボンナノファイバーが均一に分散していることができる。
このような熱処理は、熱処理炉内の真空度、熱処理炉内の雰囲気ガスの種類や濃度、使用されるエラストマーの種類などの種々の条件に従って適宜調整することができるが、少なくとも熱処理温度は、エラストマーの分解気化する温度以上であることができる。また、熱処理温度は、カーボンナノファイバーや金属材料にダメージを与えない温度に設定することができる。例えばエラストマーに天然ゴムを用いた場合、炭素繊維複合材料を窒素雰囲気にした熱処理炉内配置し、480℃以上に加熱することによって、エラストマーは分解気化し、除去することができる。熱処理後、熱処理炉内には、金属粒子の周りにカーボンナノファイバーが分散した混合材料が残ることができる。
炭素繊維複合材料に用いられる原料となるエラストマーは、重量平均分子量が5000〜500万であることができ、さらに2万〜300万であることができる。また、原料となるエラストマーは、パルス法NMRを用いてハーンエコー法によって、観測核がH、30℃で測定した、未架橋体におけるネットワーク成分のスピン−スピン緩和時間(T2n/30℃)が好ましくは100〜3000μ秒、より好ましくは200〜1000μ秒であることができる。エラストマーの分子量やハーンエコー法の測定結果がこの範囲であると、エラストマー分子が互いに絡み合い、相互につながっているので、エラストマーは、カーボンナノファイバーを分散させるために良好な弾性を有していることができる。また、このようなエラストマーは、粘性を有しているので凝集したカーボンナノファイバーの相互に侵入しやすく、さらに弾性を有することによってカーボンナノファイバー同士を分離することができる。
パルス法NMRを用いたハーンエコー法によって得られるスピン−スピン緩和時間は、物質の分子運動性を表す尺度である。具体的には、パルス法NMRを用いたハーンエコー法によりエラストマーのスピン−スピン緩和時間を測定すると、緩和時間の短い第1のスピン−スピン緩和時間(T2n)を有する第1の成分と、緩和時間のより長い第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn)を有する第2の成分とが検出される。第1の成分は高分子のネットワーク成分(骨格分子)に相当し、第2の成分は高分子の非ネットワーク成分(末端鎖などの枝葉の成分)に相当する。そして、第1のスピン−スピン緩和時間が短いほど分子運動性が低く、エラストマーは固いといえる。また、第1のスピン−スピン緩和時間が長いほど分子運動性が高く、エラストマーは柔らかいといえる。
炭素繊維複合材料に用いられる原料となるエラストマーは、その主鎖、側鎖および末端鎖の少なくともひとつに、カーボンナノファイバーのラジカルと親和性(反応性または極性)が高い不飽和結合や基を有することにより、エラストマーとカーボンナノファイバーとを結合することができる。このことにより、カーボンナノファイバーの凝集力にうち勝ってその分散を容易にすることができる。また、エラストマーと、カーボンナノファイバーと、を混練する際に、エラストマーの分子鎖が切断されて生成したフリーラジカルは、カーボンナノファイバーの欠陥を攻撃し、カーボンナノファイバーの表面にラジカルを生成すると推測できる。
炭素繊維複合材料に用いられる原料となるエラストマーは、天然ゴムや合成ゴムを含むゴム系エラストマー、あるいは熱可塑性エラストマーのいずれであってもよい。エラストマーとしては、例えば、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPR,EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロブチルゴム(CIIR)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、ブタジエンゴム(BR)、エポキシ化ブタジエンゴム(EBR)、エピクロルヒドリンゴム(CO,CEO)、ウレタンゴム(U)、ポリスルフィドゴム(T)などのエラストマー類;オレフィン系(TPO)、ポリ塩化ビニル系(TPVC)、ポリエステル系(TPEE)、ポリウレタン系(TPU)、ポリアミド系(TPEA)、スチレン系(SBS)、などの熱可塑性エラストマー;およびこれらの混合物を用いることができる。特に、エラストマーの混練の際にフリーラジカルを生成しやすい極性の高いエラストマー、例えば、天然ゴム(NR)、ニトリルゴム(NBR)などが好ましい。また、極性の低いエラストマー、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)であっても、混練の温度を比較的高温(例えばEPDMの場合、50℃〜150℃)とすることで、フリーラジカルを生成するので本発明に用いることができる。
(I−C)工程(a)について説明する。
工程(a)は、金属粒子と、カーボンナノファイバーと、を含む混合材料を押出加工して押出材を得る。押出加工は、混合材料を公知の押出加工法によって行うことができる。公知の押出加工法としては、例えば、直接押出法、間接押出法、静水圧押出法などを挙げることができ、金属粒子の材質などによって適した押出加工法を選択することができる。押出加工法に用いる混合材料の形態としては、炭素繊維複合材料からエラストマーを分解気化させた状態、例えば粉末状のままであることができ、さらに予備成形して所定形状のビレットを作成して用いることもできる。
図4は、本発明の一実施形態にかかる押出加工法による押出材を得る工程(a)を模式的に示す断面図である。図4に示す押出装置100は、円筒状のコンテナ102と、コンテナ102の開口部104から挿入されて被加工材を押出方向Aに押すダミーブロック106と、ダミーブロック106を駆動するステム108と、開口部104と対向する開口側に設けられたダイス110と、を有する。金属粒子とカーボンナノファイバーとを含む例えば粉末状の混合材料Bを開口部104から所定温度に加熱されたコンテナ102内に充填し、ダミーブロック106を押出方向Aにステム108によって移動させ、ダイス110の開口部112から押出材bを押し出すことができる。コンテナの温度や押出比は、金属粒子の材質によって適宜決定することができるが、押出比は電子放出性能を向上させるため10以上とすることができ、加工性を考慮すると15〜20であることができる。なお、本実施の形態において押出比は、ダイス110の開口部112の面積(X)に対するコンテナ102の開口部104の面積(Y)の比(Y/X)である。
押出材bは、金属のマトリックスにカーボンナノファイバーが分散している。押出材bは、混合材料Bにおける金属粒子が押出方向Aに伸ばされ、金属粒子と金属粒子との境界部にはカーボンナノファイバーがやはり押出方向Aに沿って配置されていると考えられる。押出材bにおける金属粒子のアスペクト比(長径/短径)が5〜10であることができる。
(I−D)工程(b)について説明する。
工程(b)は、工程(a)によって得られた押出材を少なくとも押出方向に複数個所で分割して、押出方向と交差する方向に形成された分割面を有する電子放出部材を得る。図5及び図6は、本発明の一実施形態にかかる工程(b)を模式的に示す図である。図5において、押出方向Aにそって延びる押出材bは破線で示す円柱体であり、その押出材bから押出方向Aに沿った長手方向を有する複数の薄板b−1を切り出す。薄板b−1は、例えば上面b−10と底面b−12とが押出方向Aに長い長方形であり、側壁b−13の厚さtを有する。薄板b−1をさらに押出方向Aに沿って複数個所で分割することで図6に示す電子放出部材b−2を得ることができる。薄板b−1を分割する方法は、金属材料を分割する公知の方法を適宜選択することができるが、電子放出性能を良好にするために分割面b−26は破断面、例えば曲げ破断面や引張破断面などとすることができる。例えば、図5に示すように、薄板b−1の上面b−10もしくは底面b−12にノミで押出方向Aに交差する方向例えば略直交する方向にノッチb−11を複数箇所に入れ、ノッチb−11の両側を持って曲げ応力をかけることによって割ることによって分割面b−26を破断面とすることができる。また、分割面b−26を破断面ではなく、例えば切断面で形成した場合には、分割面b−26を研摩やショットブラストなどによって所定粗さにさらに加工することができる。
こうして得られた電子放出部材b−2は、分割面b−26が押出方向Aと略直交する方向に形成された面であり、電子放出領域とすることができる。なお、ここでは、分割面b−26が押出方向Aと略直交する方向に形成したが、少なくとも押出方向Aと交差する方向に形成することで、押出方向Aに沿って形成された面よりも優れた電子放出性能を得ることができる。したがって、分割面b−26は、例えば押出方向Aに対し70度〜110度とすることができ、さらに80度〜100度とすることができ、特に90度(直交する)とすることができる。
なお、図5の薄板b−1における上面b−10、底面b−12及び側壁b−13は、図6における電子放出部材b−2における上面b−20、底面b−22及び側壁b−23にそれぞれ対応し、分割面b−26、b−26は電子放出部材の側壁の一部であり、側壁b−23に直行しかつたがいに対向する2つの側壁である。分割面b−26は、押出方向に交差していれば、立方体や直方体の電子放出部材における側壁に限らず、例えば電子放出部材を一部切り欠いて形成した凹部や穴の壁部であることができる。
(II)電子放出装置
図7は、本発明の一実施形態にかかる電子放出装置120を示す模式図である。図8は、図7に示した電子放出装置120のVIII−VIII’断面図である。図9は、図8に示した電子放出装置120のVX−VX’断面図である。
図7に示す電子放出装置120は、第1のガラス板123と第2のガラス板122とがその周縁部に配置されたガラス製のスペーサ125を挟んで離間配置されている。第1、第2のガラス板122,123とスペーサ125に囲まれた内部空間133は、真空である。第1のガラス板123における第2のガラス板122に対抗する面には、カソード電極126aに接続された導電性例えばステンレス製の第1の基板126が配置されている。第1の基板126は、第1のガラス板123から内部空間133へ貫通する第1の開口部129と第2の開口部130とが形成されている。第1、第2の開口部129、130を横断するように板状の電子放出部材128が複数配置されている。電子放出部材128は、その両端を第1、第2の開口部129,130の端部に接触して固定されている。第2のガラス板122における第1のガラス板123に対抗する面には、アノード電極124aに接続された導電性例えばステンレス製の第2の基板124が配置されている。第2の基板124における電子放出部材128に対抗する面には、蛍光体を塗布して形成した蛍光部126、126が設けられている。2つの蛍光部126,126の間の第2の基板124及び第2のガラス板122には、ゲッター132へ通じる第3の開口部131が形成されている。第1の基板126と第2の基板124とは、絶縁性例えばセラミックス製のスペーサ127を挟んで離間配置されている。
図8を用いて、電子放出部材128の配置を説明する。電子放出部材128は、長方形の開口形状を有する第1、第2の開口部129、130の長手方向に沿って複数個並んで配置されている。図8の左上の電子放出部材128を図6の符号を適用して説明する。電子放出部材128は第2の基板126と対向する表面が例えば長方形の上面b−20であり、その長手方向の両端すなわち側壁b−23、b−23に隣接する図示せぬ底面b−22の一部は第1の基板126に載置され固定されている。隣り合う電子放出部材128と対向する面が分割面b−26であり、電子放出領域である。隣り合う電子放出部材128、128は離間配置され、第2の開口部130を通過して第1のガラス板123へ蛍光部126で発光した光が通り抜けることができる。
図9に示すように、第2の基板124上に2つの蛍光部126、126が形成されている。蛍光部126、126は、第1、第2の開口部129,130に合わせて長方形の外形を有しており、電子放出部材128の分割面b−26から放出された電子を受けて発光することができる。蛍光部126は、蛍光体を公知の方法で第2の基板124に塗布し、例えば焼成するなどして形成することができる。電子放出部材128における「側壁」は、蛍光部と対向する面に交差する面であることができ、ここでは4面ある側壁b−23の対向する2面が分割面b−26である。また、分割面b−26は、蛍光部126に対向する面を上面としたときに側壁となる例を説明したが、これに限らず、蛍光部126と対向する面とすることもできる。
アノード電極124aとカソード電極126aとの間へ電圧を印加すると、電子放出部材128の分割面b−26からアノード電極124aへ向かって電子を放出し、蛍光部126に当たって発光する。押出方向Aと交差する方向に形成した分割面b−26を電子放出領域としたことで、分割面b−26の全体から蛍光部126へ向けて効率よく電子を放出することができる。しかも、この電子放出装置120は、隣り合う電子放出部材128の隙間から蛍光部126で発光した光を取り出すことができるので、比較的高価なITOガラスを用いなくても電子放出装置を構成することができる。また、従来のエラストマーをマトリックスとした電子放出材料は、エラストマーから微量なガスがでるため、電子放出装置内の真空状態に維持することが難しかった。しかし、電子放出装置120によれば、電子放出部材128にエラストマーを用いておらず、金属をマトリックスとする押出材を用いることによって電子放出装置120内の真空状態を容易に維持することができる。
なお、上記のように本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。したがって、このような変形例はすべて、本発明の範囲に含まれるものとする。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)電子放出部材の作製
6インチオープンロール(ロール温度10〜20℃、ロール間隔1.5mm)に、100重量部(phr)の重量平均分子量が約300万の天然ゴムを投入して、ロールに巻き付かせ、5分間素練りした後、500重量部(phr)の純アルミニウム粒子を投入して混合し、さらに10重量部(phr)のILJIN社製多層カーボンナノファイバー(平均直径13nm)を投入し、混合物をオープンロールから取り出した。そして、ロール間隔を1.5mmから0.3mmへと狭くして、混合物を再びオープンロールに投入して薄通しを繰り返し5回行なった。このとき、2本のロールの表面速度比を1.1とした。さらに、ロール間隙を1.1mmにセットして、薄通しして得られた炭素繊維複合材料を投入し、分出しした。
分出しされた炭素繊維複合材料は90℃、5分間プレス成形し、それぞれ厚さ1mmのシート状の炭素繊維複合材料(無架橋体)に成形した。
この無架橋体の炭素繊維複合材料について、パルス法NMRを用いてハーンエコー法及びソリッドエコー法による測定を行った。この測定は、日本電子(株)製「JMN−MU25」を用いて行った。測定は、観測核がH、共鳴周波数が25MHz、90゜パルス幅が2μsecの条件で行い、ハーンエコー法のパルスシーケンス(90゜x−Pi−180゜x)にて、Piをいろいろ変えて減衰曲線を測定した。また、サンプルは、磁場の適正範囲までサンプル管に挿入して測定した。測定温度は、150℃であった。この測定によって求めた、第1のスピン−スピン緩和時間(T2n/150℃)は1640μ秒であり、第2のスピン−スピン緩和時間(T2nn/150℃)は計測されず、第2のスピン−スピン緩和時間を有する成分の成分分率(fnn)は0であった。なお、同様に測定した原料エラストマーの天然ゴムの第1のスピンースピン緩和時間(T2n/30℃)は、700μ秒であった。
シート状の無架橋体の炭素繊維複合材料を熱処理炉内に配置し、窒素雰囲気の炉内で480℃、2時間熱処理して、天然ゴムを分解気化させて除去し、粉体状の混合材料を得た。
工程(a):
粉体状の混合材料を図4に示した押出装置100のコンテナで500℃に予備加熱後、560℃で2時間かけて押出加工して押出材を得た。押出装置100の設定は、押出比が16(コンテナ開口部直径が100mm、ダイス開口部直径が25mm)、押出速度が1mm/minであった。
工程(b):
押出材を図5に示したように長手方向が押出方向Aに沿った長さ50mm×幅12mmの表面が長方形であり、厚さが1mmの薄板b−1を切り出した。薄板を図5に示したように、上面b−10にノミで押出方向Aに直交する方向にノッチb−11を入れ、ノッチb−11の両側をペンチで挟み持って曲げ応力をかけて割り、破断面を分割面b−26とした電子放出部材b−2を複数個得た。電子放出部材は、長手方向すなわち分割面b−26が押出方向Aと直交する、表面が長さ12mm×幅2mmの長方形であり、厚さが1mmの薄板であった。
(2)電界電子放出実験
前記(1)で得られた押出材の分断面b−26が押出方向Aに対し直交(実施例)および平行(比較例)になるように分割した長さ2.5mm×幅2mm×厚さ1mmのサイズの電子放出部材の電界電子放出実験を行った。この電子放出部材の分断面b−26をITOガラスアノード電極に0.18mmのスペーサを挟んで対向させ、真空度4.6×10−4Pa中で、電子放出部材とITOガラスアノード電極との間に電圧(0〜1000V)を印加した時の印加電圧(V/mm)とエミッション電流(A/cm)との関係を図16に示した。図16において「垂直」と示したグラフが押出方向Aに直交する分割面b−26を有する実施例であり、「平行」と示したグラフが押出方向Aと平行な分割面b−26を有する比較例であった。分断面b−26が押出方向Aに直交する方向に切り出した実施例の電子放出部材の方が優れた電子放出性能を示した。
また、実施例として作成した押出方向Aと直交する分割面b−26を電子顕微鏡観察した写真を図10〜図12に示し、比較例として作成した押出方向Aと平行な分割面b−26を電子顕微鏡観察した写真を図13〜図15に示した。なお、押出方向Aは、図10では紙面に対して手前から奥へ向かう方向、図11では紙面に対して手前上側から奥下側へ向かう方向、図12ではほぼ上下方向であり、図13〜図15における押出方向Aは図の左右方向である。
(3)電子放出装置の作成
前記(1)で得られた電子放出部材を用いて、図7〜図9に示した電子放出装置120を作成した。なお、ガラス板122,123は厚さ1.8mmであり、第1、第2の基板126、124はステンレス製の板であり、スペーサ125は厚さ2.1mmのガラス製であり、スペーサ127は厚さ0.3mmのマイカ製であり、蛍光部126はP22蛍光体を膜厚15μmにスクリーン印刷して焼成し、電子放出部材128を7枚×2列(14枚)第1の基板126に固定した。
(4)電子放出装置の発光試験
前記(3)で作成した電子放出装置120を用いて電子放出による発光試験を行った。
電子放出装置120のアノード電極124aとカソード電極126aとの間へ電圧(0〜1000V)を印加した時の発光の様子と輝度を観測した。電子放出装置120は、電子放出部材128の間から発光が確認できた。図17は、3000Vを印加した時の電子放出装置120の発光の様子である。輝度は、電圧が増加するにつれて上昇し、4000Vで12400cd/mに達した。
2 オープンロール
10 第1のロール
20 第2のロール
30 エラストマー
50 炭素繊維複合材料
80 カーボンナノファイバー
82 金属粒子
d ロール間隔
V1 第1のロールの表面速度
V2 第2のロールの表面速度
100 押出装置
102 コンテナ
110 ダイス
A 押出方向
B 混合材料
b 押出材
b−1 薄板
b−2 電子放出部材
b−10 上面
b−11 ノッチ
b−26 分割面
120 電子放出装置
126 蛍光部
128 電子放出部材

Claims (10)

  1. 金属のマトリックスにカーボンナノファイバーが分散した押出材であって、
    前記押出材の押出方向と交差する方向に形成された面が電子放出領域である、電子放出部材。
  2. 請求項1において、
    前記面が前記押出方向と略直交する方向に形成されている、電子放出部材。
  3. 請求項1または2において、
    前記カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmである、電子放出部材。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記金属は、アルミニウムである、電子放出部材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載された電子放出部材と、
    前記電子放出部材と電気的に接続するカソード電極と、
    少なくとも絶縁部を介して前記電子放出部材と電気的に絶縁するアノード電極と、
    を具備し、
    前記電子放出領域は、前記アノード電極へ向けて電子を放出する、電子放出装置。
  6. 請求項5において、
    前記電子放出部材は、シート状に形成され、
    前記面は、前記電子放出部材の側壁である、電子放出装置。
  7. 金属粒子と、カーボンナノファイバーと、を含む混合材料を押出加工して押出材を得る工程(a)と、
    前記押出材を少なくとも押出方向の複数個所で分割して、前記押出方向と交差する方向に形成された分割面を有する電子放出部材を得る工程(b)と、
    を含み、
    前記分割面は、電子放出領域である、電子放出部材の製造方法。
  8. 請求項7において、
    前記面が前記押出方向と略直交する方向に形成されている、電子放出部材の製造方法。
  9. 請求項7または8において、
    前記カーボンナノファイバーは、平均直径が0.5ないし500nmである、電子放出部材の製造方法。
  10. 請求項7〜9のいずれかにおいて、
    前記金属は、アルミニウムである、電子放出部材の製造方法。
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