JP2011162579A - 無溶剤型接着剤組成物およびそれを用いた積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】各種プラスチックフィルムと金属蒸着フィルムまたは金属箔とを貼り合わせた場合でも良好な塗装外観が得られ、接着性能も満足の行く無溶剤型接着剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオールからなる群から選ばれるポリオール成分と、(B)末端にイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と、(C)平均粒子径が1×10−4mm以上0.2mm未満である粉体とを含有することを特徴とする無溶剤型接着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、無溶剤型接着剤組成物およびそれを用いた積層体に関し、より詳細には、食品、医療品、化粧品等の包装用材料として有用な無溶剤型接着剤組成物及びそれを用いた積層体に関する。
各種プラスチックフィルム同士の貼り合わせや、プラスチックフィルムと金属蒸着フィルムや金属箔との貼り合わせは、従来、水酸基/イソシアネート系の溶剤型接着剤を用いるドライラミネート方式により行われていた。しかし、ドライラミネート方式は有機溶剤を含有する接着剤を用いるため、排気による環境汚染、火災爆発の危険性、作業環境の衛生性阻害等、多くの問題を抱えている。
近年、労働作業環境の改善、消防法の強化、大気中へのVOC(揮発性有機化合物)の放出規制等の要求から接着剤の脱有機溶剤化の要求が強くなり、無溶剤化の研究が盛んに行われている。例えば、特開平8−60131号公報では、有機ポリマーポリオールと有機ポリイソシアネート化合物からなる無溶剤型のラミネート用接着剤組成物が開示されている。また、特開2003−96428号公報では、ポリオール成分の水酸基とポリイソシアネート成分のイソシアネート基との比率が水酸基:イソシアネート基=1:1〜1:3である無溶剤型ラミネート接着剤組成物が開示されている。これらの接着剤組成物は、フィルム同士を貼りあわせる場合は問題ないが、食品包装等でより高いバリヤ性能を要求される金属蒸着フィルムを貼りあわせる場合は接着剤の塗装時に「ゆず肌」状の模様が発生し、外観不良が生じてしまうといった問題があった。
外観不良を改良する方法としては接着剤の粘度を下げる方法が提案されているが(特開平8−283691号公報、特開2002−249745号公報)、未だ満足の行く塗装外観は得られてはいない。さらに、接着剤の粘度を下げると接着性能に劣るため延伸ポリプロピレンフィルムと無延伸ポリプロピレンフィルムなどのフィルム同士の接着には適用出来るが、金属蒸着フィルムや金属箔などに対しては良好な接着力が得られないといった問題点があった。
特開平8−60131号公報 特開2003−96428号公報 特開平8−283691号公報 特開2002−249745号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、各種プラスチックフィルムと金属蒸着フィルムまたは金属箔とを貼り合わせた場合でも、「ゆず肌」様の外観不良を生じることなく良好な塗装外観が得られ、接着性能も満足の行く無溶剤型接着剤組成物を提供するものである。
さらに、本発明は、かかる無溶剤型接着剤組成物を用いてシート状基材を積層してなる積層体を提供するものである。
本発明は、(1)(A)ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオールからなる群から選ばれるポリオール成分と、(B)末端にイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と、(C)平均粒子径が1×10−4mm以上0.2mm未満である粉体とを含有することを特徴とする無溶剤型接着剤組成物に関する。
本発明は、(2)前記粉体の含有率が、(A)ポリオール成分と(B)イソシアネート化合物との総量当たり0.01〜10質量%であることを特徴とする前記(1)記載の無溶剤型接着剤組成物に関する。
本発明は、(3)前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を混合した直後の70℃での溶融粘度が50〜5000mPa・sであることを特徴とする前記(1)または(2)記載の無溶剤型接着剤組成物に関する。
本発明は、(4)前記(1)記載の無溶剤型接着剤組成物を用いてシート状基材を積層してなる積層体に関する。
本発明の無溶剤型接着剤組成物は、各種プラスチックフィルムと金属蒸着フィルムまたは金属箔とを貼り合わせた場合でも、外観不良を生じることなく、良好な接着性能を得ることができる。
本発明の無溶剤型接着剤組成物は、(A)ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオールからなる群から選ばれるポリオール成分と、(B)末端にイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と、(C)平均粒子径が1×10−4mm以上0.2mm未満である粉体とを含有する。
本発明では、(A)ポリオール成分として、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオールからなる群から選ばれる1種以上のポリオールが用いられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を、例えば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分子量ポリオールを開始剤として重合して得られるポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルエステルポリオールとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸等の多価カルボン酸若しくはそれらのジアルキルエステル又はそれらの混合物と、上記ポリエーテルポリオールを反応させて得られるポリエーテルエステルポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸等の多価カルボン酸若しくはそれらのジアルキルエステル又はそれらの混合物と、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のグリコール類若しくはそれらの混合物とを反応させて得られるポリエステルポリオール或いはポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリウレタンポリオールとしては、1分子中にウレタン結合を有するポリオールであり、例えば、数平均分子量200〜20,000のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等と有機ポリイソシアネートとを、イソシアネート基/水酸基(当量比)が1未満、好ましくは0.9以下で反応させて得られる。用いる有機ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート;m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4’−トルイジンジイソシアネート、ジアニジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−または1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼンもしくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート;トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン等の有機トリイソシアネート、4,4’―ジフェニルジメタン−2,2’−5,5’−テトライソシアネート等の有機テトライソシアネートのポリイソシアネート単量体、上記ポリイソシアネート単量体から誘導されるアダクト体、イソシアヌレート体、ビュレット体が挙げられる。
本発明では、(B)成分として末端にイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物が用いられる。ポリイソシアネート化合物としては、前記有機ポリイソシアネートとして例示したポリイソシアネート単量体、該ポリイソシアネート単量体の二量体、三量体、ビュレット体、アロファネート体、アダクト体などを用いることができる。かかるポリイソシアネート化合物は単独で用いても、二種以上を併用しても良い。
アダクト体は、ポリイソシアネート単量体と三価以上のアルコールとを反応させることにより製造することができる。三価以上のアルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサトリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
三量体は、ポリイソシアネート単量体のトリマーであり下記一般式(1)で示される。
Figure 2011162579
ビュレット体は、式R−NH−CO−NR−CO−NH−Rで表されるが、2分子のポリイソシアネート単量体と1分子の水を反応させた後、更に1分子のポリイソシアネート単量体を反応させるか、2分子のポリイソシアネート単量体と1分子の第一級アミン化合物を反応させることにより得ることができる。
本発明の無溶剤型接着剤組成物中の(B)成分であるイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を得るためには、イソシアネート基/水酸基の当量比は適宜選択されるが、好ましくは1〜6であり、さらに好ましくは1.5〜4である。前記当量比が1未満である場合は、末端水酸基となってしまい、末端イソシアネートの化合物が得られない可能性がある。一方、前記当量比が6を超えると分子量が高くならないのと同時に、イソシアネート基が多く存在するため(A)成分と混合して接着剤として使用したときに塗膜が硬くなり、高い接着強度が得られない可能性がある。
本発明では(C)成分として、平均粒子径が1×10−4mm以上0.2mm未満、好ましくは1×10−3mm以上1×10−1mm以下である粉体を用いる。平均粒子径が0.2mm以上の場合は、粒子径が大きすぎるため、塗工後の塗膜外観が不透明となり、外観不良となってしまう。1×10−4mm未満であると接着剤に添加しても流動特性が添加しない接着剤と変らないため、塗工後の塗膜外観が良化しない。ここで、平均粒子径とは平均体積径であり、レーザー光散乱法により求めた値である。
かかる粉体としては、無機化合物または有機化合物のいずれも用いることができ、単独で用いても二種以上を併用しても良い。
無機化合物の粉体としては、例えば、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナホワイト、硫酸カリウム、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、ゼオライト、活性炭、カオリン、タルク、ロウ石クレー、けい石、マイカ、グラファイト、セリサイト、モンモリロナイト、セリサイト、セピオライト、ベントナイト、パーライト、ゼオライト、ワラストナイト、蛍石、ドロマイトなどの粉体が挙げられる。これらのなかでもシリカやタルクが賞用される。
有機化合物の粉体としては、例えば、ベンゾグアナミン樹脂、シリコン系樹脂、スチレン樹脂、架橋ポリスチレン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル共重合系樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ナイロン6、ナイロン12、セルロース、アクリル樹脂、メタクリル樹脂などの粉体が挙げられる。これらのなかでもベンゾグアナミン樹脂が賞用される。
本発明の無溶剤型接着剤組成物は(C)成分の粉体を含有することにより優れた塗装外観及び良好な接着性能が得られる。(C)成分の粉体を含有してなる無溶剤型接着剤組成物はチクソトロピックな流動特性を示し、塗工する際の塗工ロール上で強い剪断力を受け低粘度となり、ロールから基材へ転移する。基材へ転移した接着剤組成物は急速に構造粘性を発揮し、素早く基材へ定着し良好な外観を得ることができる。
本発明では(C)成分の粉体の含有率は要求性能、接着方法等によって適宜選択されるが、(A)ポリオール成分と(B)イソシアネート化合物との総量当たり0.01〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることがさらに好ましい。前記(C)成分の含有率が0.01質量%未満の場合は、接着剤に添加しても流動特性が添加しない接着剤と変らないため、塗工後の塗膜外観が良化しない可能性がある。一方、10質量%超の場合は塗工後の塗膜外観が不透明となり、外観不良となってしまう可能性がある。
(C)成分の粉体は、(A)ポリオール成分に配合しても、(B)ポリイソシアネート化合物に配合しても、(A)及び(B)の両方に配合しても、さらには(A)と(B)の混合時に配合してもよい。
前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を混合した直後の70℃での溶融粘度は、好ましくは50〜5000mPa・s、さらに好ましくは100〜3000mPa・sである。なお、本発明において、混合した直後とは、均一混合後1分以内であることを意味し、溶融粘度はB型粘度計により求めた値を示す。70℃における溶融粘度が5,000mPa・s超では、塗工が困難になり良好な作業性を確保することが難しく、塗工温度を100℃に上げても良好な塗装外観は得られない傾向にある。100℃以上で塗工するとフィルムが伸びて印刷柄のピッチずれを起こし、ラミネートができなくなる傾向にある。一方、70℃における溶融粘度が50mPa・s未満では、初期凝集力が弱いために十分な接着性能が得られなかったり、基材に接着剤を塗工する際に塗膜の厚みが均一にならず外観不良を生じたり、反りが発生する傾向にある。
本発明の無溶剤型接着剤組成物は、更に、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、防徽剤、増粘剤、可塑剤、消泡剤、顔料、充填剤等の添加剤を必要に応じて使用することができる。また、接着性能を更に高めるために、シランカップリング剤、リン酸、リン酸誘導体、酸無水物、粘着性樹脂等の接着助剤を使用することができる。また、硬化反応を調節するため公知の触媒、添加剤等を使用することができる。
本発明の無溶剤型接着剤組成物の使用方法は、(A)ポリオール成分、(B)ポリイソシアネート化合物及び(C)粉体とを混合し、無溶剤型のラミネーターによって接着剤組成物をシート状基材の表面に塗布する。その後、シート状基材の接着面と別のシート状基材を貼り合せ、常温又は加温下に養生して硬化させる。接着剤組成物の塗布量は、基材の種類や塗工条件等に応じて適宜選択されるが、通常、1.0〜5.0g/mであり、好ましくは1.5〜4.5g/mである。
本発明の無溶剤型接着剤組成物を用いてシート状基材を積層することにより積層体を得ることができる。シート状基材としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルム、アルミニウム、酸化珪素、酸化アルミ等を蒸着した金属蒸着フィルム、ステンレス、鉄、銅、鉛等の金属箔などが用いられる。かかる基材の組合せは、プラスチックフィルム同士であっても、プラスチックフィルムと金属蒸着フィルムまたは金属箔でもよい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。実施例および比較例中の%および部は、断りのない限りは全て質量基準である。
ポリウレタンポリオール及びポリエーテルエステルポリオールの数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より求め、標準ポリスチレン換算値として算出した。70℃における溶融粘度はB型粘度計により求めた。
(合成例A−1)
分子量約400のポリプロピレングリコール30部、分子量約2000のポリプロピレングリコール40部、グリセリンにポリプロピレングリコールを付加した分子量約3000のトリオール20部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート10部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で3時間加熱してウレタン化反応を行った。数平均分子量2000の両末端に水酸基を有するポリウレタンポリオール樹脂を得た。以下、この樹脂をポリオールA−(1)と記す。
(合成例A−2)
合成例A−1で得られたポリオールA−(1)100部を70℃窒素ガス気流下で撹拌しながら、平均粒子径2.5×10−3mmのシリカの粉体(富士シリシア化学株式会社製、商品名:サイリシア430)0.5部加えた後、1時間撹拌して、シリカの粉体を含有したポリオールを得た。以下、このポリオールをポリオールA−(2)と記す。
(合成例A−3)
分子量約1000のポリプロピレングリコール50部、分子量約400のポリプロピレングリコール20部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート10部、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体20部を窒素ガス気流下で攪拌しながら70℃〜80℃で3時間加熱してウレタン化反応を行った。数平均分子量2000の両末端に水酸基を有するポリウレタンポリオール樹脂を得た。以下、この樹脂をポリオールA−(3)と記す。
(合成例A−4)
合成例A−3で得られたポリオールA−(3)100部を70℃窒素ガス気流下で撹拌しながら、平均粒子径5×10−3mmのタルクの粉体(日本タルク株式会社製、商品名:MICRO ACE L−1)0.5部加えた後、1時間撹拌して、タルクの粉体を含有したポリオールを得た。以下、このポリオールをポリオールA−(4)と記す。
(合成例A−5)
アジピン酸とプロピレングリコールを主成分とする分子量約2000のポリエーテルエステルポリエーテル(旭電化工業株式会社製、商品名:アデカニューエースF7−67)95部、トリメチロールプロパン5部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら150〜180℃に2時間加熱してエステル交換反応を行った。数平均分子量約1800の両末端に水酸基を有するポリエーテルエステルポリオール樹脂を得た。以下この樹脂をポリオールA−(5)と記す。
(合成例A−6)
合成例A−5で得られたポリオールA−(5)100部を70℃窒素ガス気流下で撹拌しながら、平均粒子径2.5×10−3mmのベンゾグアナミン樹脂の粉体(株式会社日本触媒製、商品名:エポスターM30)0.5部加えた後、1時間撹拌して、ベンゾグアナミンの粉体を含有したポリオールを得た。以下、このポリオールをポリオールA−(6)と記す。
(合成例A−7)
合成例A−5で得られたポリオールA−(5)100部を70℃窒素ガス気流下で撹拌しながら、平均粒子径3.1×10−5mmのアルミナ粉体(シーアイ化成株式会社製、商品名:ナノテックパウダー)0.5部加えた後、1時間撹拌して、アルミナ粉体を含有したポリオールを得た。以下、このポリオールをポリオールA−(7)と記す。
(合成例A−8)
合成例A−5で得られたポリオールA−(5)100部を70℃窒素ガス気流下で撹拌しながら、平均粒子径0.2mmのミクロマイカ(コープケミカル株式会社製、商品名:MK−300)0.5部加えた後、1時間撹拌して、アルミナ粉体を含有したポリオールを得た。以下、このポリオールをポリオールA−(8)と記す。
(合成例B−1)
トリメチロールプロパンと2,4−および2,6−トリレンジイソシアネートのアダクト体50部、およびイソホロンジイソシアネート50部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら100℃〜120℃で50分間加熱しポリイソシアネート混合物を得た。以下、このポリイソシアネート混合物をポリイソシアネートB−(1)と記す。
(合成例B−2)
合成例B−1で得られたポリイソシアネートB−(1)100部に平均粒子径2.5×10−3mmシリカの粉体(富士シリシア化学株式会社製、商品名:サイリシア430)0.5部加えた後、1時間撹拌して、シリカの粉体を含有したポリイソシアネートを得た。以下、このポリイソシアネートをポリイソシアネートB−(2)と記す。
(合成例B−3)
ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体70部およびイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体(デグサジャパン株式会社製、商品名:VESTANATT 1890/100)30部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら100℃〜120℃で50分間加熱しポリイソシアネート混合物を得た。以下、このポリイソシアネート混合物をポリイソシアネートB−(3)と記す。
(合成例B−4)
合成例B−3で得られたポリイソシアネートB−(3)100部を70℃窒素ガス気流下で撹拌しながら、平均粒子径5×10−3mmタルクの粉体(日本タルク株式会社製、商品名:MICRO ACE L−1)0.5部加えた後、1時間撹拌して、タルクの粉体を含有したポリイソシアネートを得た。以下、このポリイソシアネートをポリイソシアネートB−(4)と記す。
(実施例1)
合成例A−1で得たポリオールA−(1)を100部反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら50℃〜70℃で50分加熱して溶解した。次いで、合成例B−2で得たポリイソシアネートB−(2)を50部80℃で混合して、無溶剤型接着剤組成物を得た。この組成物の70℃における溶融粘度を、均一混合後1分経過した時に測定したところ、600mPa・sであった。また下記の方法に従い、塗装外観と接着力を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2〜4、比較例1〜5)
表1に示すポリオール及びポリイソシアネートを所定の割合で用いること以外は、実施例1と同様に操作して無溶剤型接着剤組成物を得、70℃における溶融粘度を測定した。また、同様にして塗装外観と接着力を評価した。結果を表1に示す。
無溶剤接着剤組成物の評価
PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(厚さ:12μm)の表面に、70℃に調整した上記各実施例または比較例で得られた無溶剤型接着剤組成物を、無溶剤テストコーターで塗布し(塗布量:2.0g/m)、この塗布面にアルミニウム蒸着無延伸ポリプロピレンフィルム(VMCPP、厚さ:25μm)を積層した。これら積層体を40℃の恒温槽にいれ、2日間放置してラミネートフィルムを作成した。得られた各ラミネートフィルムについて、塗装外観および接着力を下記の要領で観察・測定し、それらの結果を表1に示した。
(塗装外観)
ラミネートフィルムの塗工外観を、目視観察した。塗装外観は作成したラミネートフィルムをPETフィルム側から観察したときに、PETフィルムを透して下地の蒸着フィルム面がゆず肌状の模様や小さな斑点状の模様がなく、均一な塗工面であった場合を「良好」、ゆず肌状の模様や小さな斑点状の模様が多数観察された場合を「不良」として表1に示した。
(接着力)
ラミネートフィルムを長さ300mm、幅15mmに切り取り、テストピースとした。インストロン型引張試験機を使用し、剥離速度300mm/分の剥離速度で引張り、PET/VMCPP間のT型剥離強度(N/15mm)を測定した。この試験を5回行い、その平均値を求めた。
Figure 2011162579
表1より、実施例1〜4は塗装外観が良好で接着強度にも優れていることがわかる。これに対し、比較例1〜5は塗装外観及び接着強度に劣ることがわかる。

Claims (4)

  1. (A)ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオールからなる群から選ばれるポリオール成分と、
    (B)末端にイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と、
    (C)平均粒子径が1×10−4mm以上0.2mm未満である粉体とを
    含有することを特徴とする無溶剤型接着剤組成物。
  2. 前記粉体の含有率が、(A)ポリオール成分と(B)イソシアネート化合物との総量当たり0.01〜10質量%であることを特徴とする請求項1記載の無溶剤型接着剤組成物。
  3. 前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を混合した直後の70℃での溶融粘度が50〜5000mPa・sであることを特徴とする請求項1または2記載の無溶剤型接着剤組成物。
  4. 請求項1記載の無溶剤型接着剤組成物を用いてシート状基材を積層してなる積層体。
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