JP2020026105A - ガスバリア積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】残留溶剤やラミネート加工時のカールといった課題を解決したゾルゲルコートを有するガスバリアフィルムを含むガスバリア積層体を提供することで、耐ピンホール性に優れた基材フィルムに、レトルト処理等の熱水処理を行っても優れたガスバリア性を発現するガスバリア積層体を提供する。【解決手段】ヒートシール可能な積層体であって、透明ガスバリアフィルム10と、熱接着性樹脂22と、を備えており、透明ガスバリアフィルムは、少なくとも、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有する基材フィルム1の一方の面に、1層以上の金属酸化物からなる蒸着層3と、その上にガスバリア性被膜層4が形成され、透明ガスバリアフィルムのガスバリア性被膜層側に、無溶剤型ラミネート法により無溶剤型接着剤層21を介して、熱接着性樹脂を積層してなるガスバリア積層体である。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性を有する積層体に関する。
食品、医薬品等の包装には機密性が高く、水分や酸素による内容物の劣化を防ぐために各種プラスチックフィルムや金属箔、紙などの材質を用いた包装用材料が開発されている。特に、食品・医薬品用途において長期間保存可能な包装形態として、レトルトやボイルなどの加熱殺菌処理を行ったレトルト包装やボイル包装が一般的に行われている。
レトルト・ボイル用包材に要求される特性として、各種ガスバリア性、耐熱水性、保香性、耐変色性、耐衝撃性、耐圧性、突き刺し耐性、屈曲耐性などが挙げられ、加熱処理条件や内容物に適したラミネート構成が設計される。
そのような包装材料の一例として、例えば耐熱水性や保香性、印刷適性等を付与するために二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称する)フィルムを基材とし、耐衝撃性や突き刺し耐性を付与するために二軸延伸ナイロン(以下、ONYと称する)フィルム、バリア性を付与するガスバリア層としてアルミニウム(Al)箔、もしくは蒸着膜を積層し、まずガスバリアフィルムを作製する。
さらに、ヒートシール性を付与するために耐熱グレードの未延伸ポリプロピレン(以下CPPと称する)フィルムやポリエチレンフィルム等をシーラントとして、接着剤を塗布した前記ガスバリアフィルムとドライラミネート法で貼り合わせ、ガスバリア積層体とすることにより加熱処理に適した包装材が得られる。
レトルト処理は、一般に食品等を保存するために、カビ、酵母、細菌などの微生物を加圧殺菌する方法である。通常は、食品を包装したガスバリア積層体包装材を、105〜140℃、0.15〜0.30MPaで10〜120分の条件で加圧殺菌処理をする。レトルト装置は、加熱蒸気を利用する蒸気式と加圧加熱水を利用する熱水式があり、内容物となる食品等の殺菌条件に応じて適宜使い分ける。
ボイル処理は、食品等を保存するため湿熱殺菌する方法である。通常は、内容物にもよるが、食品等の包装したガスバリア積層体包装材を、60〜100℃、大気圧下で、10〜120分の条件で湿熱殺菌処理を行う。ボイル処理は、通常、熱水槽を用いて100℃以下で処理を行う。方法としては、一定温度の熱水槽の中に浸漬し一定時間処理した後に取り出すバッチ式と、熱水槽の中をトンネル式に通して処理する連続式がある。
例えば、レトルト処理の熱水加圧殺菌処理としては、105℃〜130℃、圧力0.10〜0.30MPa、処理時間10〜60分の条件で熱水加圧殺菌処理をするために、ガスバリア積層体包装材のラミネート構成として、外側よりPET/Al箔/ONY/CPP、PET/ONY/Al箔/CPP、PET/蒸着層/ONY/CPPといった構成が使用される。このように、PETフィルムとONYフィルムの併用が一般的に行われる。
他方、特許文献1には、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと称する)を用いることで、PBT/Al/CPP構成のレトルト包材への展開が提案されている。また、レトルト処理後のガスバリア性を向上するためにポリ(メタ)アクリル酸やポリビニルアルコールに代表される、分子内に親水性の高い高水素結合性基を含有する重合体が用いられているが、乾燥条件下においては非常に優れた酸素等のガスバリア性を有する一方で、
高湿度条件下においては、その親水性に起因して酸素等のガスバリア性が大きく低下する問題や、湿度や熱水に対する耐性が劣る問題があった。
一方、基材フィルムにガスバリア性を付与する方法として、金属酸化物等の無機化合物からなる無機蒸着層を設ける方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、無機蒸着層の基材フィルムへの密着性を高めるため、基材フィルムと無機蒸着層との間にプライマー層を設けることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、更なる高バリア性及び耐水性、耐湿性を付与するために、無機蒸着層上にガスバリア性被覆層を設けることが提案されている。例えば特許文献4では、無機蒸着層上に水溶性高分子と、I)1種類以上の金属アルコキシドまたは金属アルコキシド加水分解物、あるいはII)塩化錫を含む、水溶液、または水アルコール混合溶液とを主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱、乾燥してなるガスバリア性被覆層を第2層として順次積層したガスバリアフィルムを設ける手法が記載されている。
しかし、無機蒸着層を備えるガスバリアフィルムは、加熱処理により無機蒸着層等のバリア層の材質の劣化が起こることで層間の密着性が低下しやすく、レトルト処理、ボイル処理、加熱調理等の加熱処理を行うと、無機蒸着層のデラミネーションが生じ、ガスバリア性が低下することがある。また、無機蒸着層は、無機化合物からなるため脆く、延伸、屈曲等によりガスバリアフィルムに応力(虐待)を加えると、無機蒸着層がダメージを受け、ガスバリア性が低下しやすい。
前記ガスバリア性被膜層のようなゾル・ゲルコーティング系ガスバリアフィルムは一般に、ある一定温度以上の熱が加わると、ガスバリア性被膜層中の脱水縮合によりカールする特性がある。そのため、ドライラミネート工程の乾燥オーブンでカールが起こり、一般のフィルム同士のラミネートに比べ加工が困難である。
カールを改善する手法としては、コーターにて水を塗布するユニットを設け、基材の水分バランスを均一にすることで改善する方法があるが、一般紙や特種紙類を対象とした技術であるため、フィルムには活用出来ない(例えば、特許文献5参照)。
そのため、フィルムのカール対策として、ドライラミネート工程において、カールしない適切なオーブン温度条件を設定するが、その場合、接着剤の希釈溶剤として使用される酢酸エチル等の残留溶剤が多くなることがあるため、特に食品用途の包装材に用いる際に残留溶剤量を確認する必要がある。
一方で、無溶剤型ラミネート法は、ドライラミネート法とは対照的に、乾燥オーブンがなく、有機溶剤の使用もないため、フィルムのカールや残留溶剤の懸念がないといったメリットがある。
但し、無溶剤型ラミネートに用いられる接着剤は、温度により粘度を調整するため、ドライラミネートに用いられる接着剤よりもポリウレタン分子量が低分子量化されているために、ラミネート直後の初期密着が発現しにくい。そのため、連続ラミネート加工をすると巻きズレが起きやすく、レトルト処理に対応したガスバリア積層体であるAl箔を用いた4層構成の積層体や、透明蒸着PETを用いた3層構成の積層体を作製するには、各層のラミネート毎にエイジングが必要となるため、加工が全て終了するまで長期間を要するといった課題がある。
特開2012−214248号公報 国際公開第2003/091317号 国際公開第2005/053954号 特許第3448872号公報 特開平10−140104号公報
既述のように、加熱処理、特にレトルト処理に関しての包装材構成としては、一般的にPETフィルムとONYフィルムの両者が併用されている。これは、PETフィルムの耐熱水性が高い長所である一方、突刺強度は低い短所があり、ONYフィルムは突刺強度が高い長所である一方、耐熱水性は低い短所があるため、お互いに長所短所を補完して用いるためである。
しかし、PETとONYの両者を用いるためラミネート工程が増えて、環境負荷への影響が懸念され、コスト面からも改善が求められている。また、ドライラミネート工程におけるガスバリアフィルムのカールや残留溶剤といった加工課題の改善も求められている。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、本発明の課題とするところは、残留溶剤やラミネート加工時のカールといった課題を解決したゾルゲルコートを有するガスバリアフィルムを含むガスバリア積層体を提供することで、さらには、長所補完のためにPETとONYの両方の層を用いることなく、耐ピンホール性に優れた基材フィルムに、レトルト処理等の熱水処理を行っても優れたガスバリア性を発現するガスバリア積層体を提供することである。
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものである。
すなわち、第一の本発明は、ヒートシール可能な積層体であって、透明ガスバリアフィルムと、熱接着性樹脂と、を備えており、透明ガスバリアフィルムは、少なくとも、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有する基材フィルムの一方の面に、1層以上の金属酸化物からなる蒸着層と、その上にガスバリア性被膜層が形成された透明ガスバリアフィルムのガスバリア性被膜層側に、無溶剤型ラミネート法により無溶剤型接着剤層を介して、熱接着性樹脂を積層してなるガスバリア積層体である。
第二の本発明は、前記無溶剤型接着剤層が、ポリイソシアネート(A)と、数平均分子量300〜2000であるポリオールを少なくとも含むアルコール(B)を含む、接着剤組成物であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア積層体である。
第三の本発明は、前記基材フィルムと前記蒸着層との間に、アンカーコート剤を含有する密着層を備えることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のガスバリア積層体である。
第四の本発明は、前記蒸着層の少なくとも1層にAl、Siの少なくとも1種が含有されていることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のガスバリア積層体である。
第五の本発明は、前記無溶剤型接着剤層と、前記熱接着性樹脂層とが、その他の層を介することなく、直接積層されてなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のガスバリア積層体である。
本発明に係るガスバリア積層体は、耐熱水性、物理衝撃に対する耐ピンホール性が高く、レトルト処理、ボイル処理、加熱調理等を行っても優れたガスバリア性を維持することができ、さらに、ガスバリア積層体を作製するラミネート工程の加工課題を解決して残留溶剤の懸念がないガスバリア積層体を可能とした。
本発明に係るガスバリア性に優れた積層体の一様態を示した模式断面図である。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下の説明において適宜図面を参照するが、図面に記載された態様は本発明の例示であり、本発明はこれらの図面に記載された態様に制限されない。
図1は、本発明の積層体の構成例を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る透明ガスバリアフィルム10は、基材フィルム1と、密着層2と、金属酸化物からなる蒸着層3と、ガスバリア性被膜層4とを含んでいる。なお、本発明において、密着層2は必須構成ではなく、基材フィルム1と蒸着層3との密着性が充分であれば密着層2は省略が可能である。
また、包装体関連の用語として「フィルム」と「シート」とは厚さに応じて使い分けることがあるが、ここでは厚さとは無関係に「フィルム」という用語を使用する。
(基材フィルム)
基材フィルム1は、ブチレンテレフタレート(PBT)単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有するものである。
ここで、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂とは、該樹脂のジカルボン酸成分とグリコール成分が結合してなる繰り返し単位の60重量%以上がブチレンテレフタレート単位からなることを意味している。
基材フィルム1に含まれる上記ポリエステル樹脂は、ポリブチレンテレフタレートを60重量%以上含むポリブチレンテレフタレート、もしくはポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートの混合材料であることが好ましい。ポリブチレンテレフタレートが60重量%未満であるとインパクト強度及び耐ピンホール性が低下してしまい、フィルム特性としては十分なものでなくなってしまう。
また、基材フィルム1は二軸延伸でも一軸延伸でもよいが、熱安定性を持たせるためには二軸延伸がより好ましい。
また、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートの混合材料であるポリエステル樹脂を用いることによって、突刺強度も向上する。例えば特開2002−179892号報によると、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主とするポリエステル樹脂とポリブチレンテレフタレート(PBT)を主とするポリエステル樹脂のブレンドフィルムでありながら、PET相とPBT相が独立した結晶を有することで、耐熱水性を持ちながら、柔軟性も兼ね備えることで突刺強度が強いポリエステルフィルムを得ることができるとされている。
前記独立した結晶を得るためには、ポリエステルフィルムを作製するときに個別に融解することが必要であり、示差走査熱量計(DSC)にて個別に結晶融解ピークを検出することで確認することができる。PBT相の結晶ピークが低温側に出現し、続いてPET相の結晶ピークが出現する。この2つのポリエステル樹脂、PETとPBTを用いることにより、ガラス転移が融合する程度の相溶性を確保しながら、個別に結晶融解が生じるためPET相、PBT相の利点を生かすことができる。
基材フィルム1の厚さは、特に限定されない。厚いほど突刺強度は向上するが、用途に応じて、6μm〜200μm程度のものを好適に使用することができる。
この基材フィルム1には、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理などの各種前処理、または易接着層などのアンカーコート層を設けてもよい。また別途、基材フィルムの凹凸を低減するために平坦化層を施しても差し支えない。
(密着層)
密着層2は、上述のような基材フィルム1上に設けられ、基材フィルム1と蒸着層3の密着性能向上と、平面を平滑にすることで次工程の蒸着層を欠陥なく均一に成膜し、高いバリア性を発現することの、二つの効果を得ることを目的とした層であって、アンカーコート剤を含有する層である。
このような密着層2としては、アンカーコート剤として、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂などの樹脂材料が挙げられる。これらのアンカーコート剤の中でも、耐熱性及び層間接着強度の観点から、ポリエステル系ポリウレタン樹脂が好ましい。
また、このような密着層2の厚さは特に限定されないが、この厚みが0.01〜5μmの範囲であることが好ましく、0.03〜3μmの範囲であることがより好ましく、0.05〜2μmの範囲であることが特に好ましい。密着層2の厚みが前記下限値未満では、層間接着強度が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限値を超えると所望のガスバリア性が発現しない傾向にある。
また、密着層2を前記基材フィルム1上に塗工する方法としては、公知の塗工方法が特に制限なく使用可能であり、浸漬法(ディッピング法);スプレー、コーター、印刷機、刷毛等を用いる方法が挙げられる。また、これらの方法に用いられるコーター及び印刷機の種類並びにそれらの塗工方式としては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、キスリバースグラビア方式、オフセットグラビア方式等のグラビアコーター、リバースロールコーター、マイクログラビアコーター、チャンバードクター併用コーター、エアナイフコーター、ディップコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター等を挙げることができる。
さらに、このような密着層2の塗布量としては、アンカーコート剤を塗工して乾燥した後の1mあたりの重量が0.01〜5g/mであることが好ましく、0.03〜3g/mであることがより好ましい。
アンカーコート剤を塗工して乾燥した後の1mあたりの重量が前記下限未満では、成膜が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると乾燥が不十分で溶剤が残留しやすくなる傾向にある。
密着層2は、単一の層として設けられていても良いが、2層以上の多層構成として設け
られてあっても良い。
(蒸着層)
金属酸化物からなる蒸着層3は、基材フィルム1上に気相堆積法によって形成されたガスバリア性の透明な層である。蒸着層3の材料としては、たとえば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化マグネシウム、又はこれらの混合物を使用することができるが、好ましくは酸化珪素あるいは酸化アルミニウムが望ましい。
蒸着層3の形成には、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、またはプラズマ気相堆積法を利用することができる。真空蒸着法を利用する場合、蒸発材料の加熱手段としては、たとえば、電子線加熱、抵抗加熱、または誘導加熱の方式を利用することができる。電子線加熱方式を利用した場合、蒸発材料の選択の自由度が大きい。
蒸着の際に、プラズマアシスト法またはイオンビームアシスト法を利用すると、より緻密な蒸着層3を形成することができる。また、蒸着の際に、酸素などのガスを吹き込む反応蒸着を利用すると、透明性に優れた蒸着層3を形成することができる。
蒸着層3の厚さは、厚みが薄い場合は蒸着層3を均一な連続膜として形成することが難しく、また十分なガスバリア性が得られない。厚みが厚い場合は、柔軟性が低く、ガスバリア積層体10を撓ませた場合や引っ張った場合に亀裂を生じる可能性がある。また、気相堆積法は、経済的観点からは厚膜の形成には適していない。蒸着層3の厚さは、たとえば、5nmから500nmの範囲内とする。
(ガスバリア性被膜層)
ガスバリア性被膜層4は、蒸着層3上に形成され、ガスバリア性を有する層であれば、従来公知の同様の効果を有する層をいずれも用いることができるが、透明樹脂と無機酸化物などの無機物とを含んだ混合物からなる層を好適に用いることができる。ガスバリア性被膜層4を設けると、より高いガスバリア性を有する透明なガスバリア積層体10を得ることができる。
ガスバリア性被膜層4は、たとえば、金属酸化物からなる蒸着層3上に透明樹脂である水溶性高分子と、無機物として、1種以上の金属アルコキシド又はその加水分解生成物を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主成分としたコーティング液を塗布、乾燥することで得ることができる。
透明樹脂としては、たとえば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどの水溶性高分子、またはそれらの混合物を使用することができる。
特に、PVAを使用した場合、最もガスバリア性に優れたガスバリア性被膜層4を形成することができる。なお、ここでいうPVAとは、典型的には、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られるものである。
このPVAとしては、アセチル基が数10%残存している部分鹸化PVAからアセチル基が数%しか残存していない完全PVAまで様々な鹸化PVAを使用することができる。PVAの分子量に制限はなく、たとえば、重合度が300から数千の範囲内にあるものを使用することができる。なお、一般に鹸化度が高く、かつ重合度が高い高分子量のPVAは優れた耐水性を得ることができる。
金属アルコキシドは、たとえば一般式M(OR)で表される化合物とすることができる。ここで、MはTi、Al、Zr等の金属またはSiを示し、Rは、CH基 ,C基 等のアルキル基を示している。また、nは、元素Mの価数を示している。
金属アルコキシドとしては、たとえば、テトラエトキシシラン〔Si(OC
〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C〕などがあげられ、中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムは加水分解後、水を含んだ溶液中で比較的安定に存在することができる。
また、金属アルコキシドとしてアルコキシシランを使用する場合、このアルコキシシランとしては、たとえば、Si(ORまたはRSi(ORで表される化合物またはそれらの混合物を使用することができる。ここで、RおよびRはCH基,C基,COCH基などの加水分解性基を示し、Rは有機官能基を示している。
なお、金属アルコキシドを加水分解および縮合させることにより得られる金属酸化物膜は硬いため、外力や縮合時の体積縮小によるひずみに起因してクラックが生じ易い。それゆえ、クラックなどを生じることなく、この金属酸化物膜を均一な厚さに形成することは非常に困難である。
これに対し、一般に、高分子と金属アルコキシド及び/またはその加水分解物と水とを含有したコーティング液を用いて形成した膜は、金属酸化物膜と比較して柔軟性が高いため、クラックを発生し難いと言える。
但し、このような膜は、微視的には金属酸化物が均一に分散しておらず、高いガスバリア性が得られないことがある。
この高分子として、水溶性高分子を使用することにより、高分子の水酸基と金属アルコキシドの加水分解物の水酸基との強い水素結合を利用して、縮合の際に金属酸化物を高分子中に均一に分散させることができる。
それゆえ、金属酸化物膜に近いガスバリア性を達成することができる。したがって、このようなガスバリア性被膜層4を蒸着層3上に形成すると、それらを単独で使用した場合と比較して、はるかに高いガスバリア性を達成することができる。
しかしながら、上述の金属アルコキシド及び/又はその加水分解生成物と水酸基を有する水溶性高分子と水とを含有したコーティング液を用いて得られるガスバリア性被膜層4は、水素結合を形成しているため、苛酷な環境で使用した場合に、水の浸入により膨潤して、最終的には溶解を生じることがある。
そのため、このガスバリア積層体10は、蒸着層3とガスバリア性被膜層4とを積層することにより、高いガスバリア性を達成することができたとしても、高温多湿環境などの過酷な条件下では、密着性やガスバリア性が容易に劣化する可能性がある。
これに対し、金属アルコキシドとして、たとえば、RSi(ORで示されるアルコキシシランを使用すると、水が浸入した場合でも膨潤しがたく、耐水性に優れたガスバリア性被膜層4を得ることができる。特に、有機官能基Rが、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、ウレイド基、およびイソシアネート基などの非水溶性官能基である場合、より高い耐水性を達成できる。有機官能基Rが、ビニル、メタクリロキシである場合は製造過程で紫外線または電子線等の電離放射線の照射を行なう。また、金属アルコキシドの加水分解の反応促進剤として、一般に水と触媒(酸、アルカリ)を用いる。
金属アルコキシドが、一般式Si(ORで表されるテトラアルコキシシランと一般式RSi(OR33で表されるトリアルコキシシランの2種を使用する場合、これらのアルコキシシランの比は、たとえば、Si(OR14のSiO2換算重量とRSi(ORのRSi(OH)換算重量との和に対するRSi(ORのRSi(OH)換算重量の割合が、1%から50%の範囲内となるように設定してもよい。
これは、1%より小さくすると耐水性が低くなり、50%を超えると有機官能基Rがガスバリアの孔となり、ガスバリア性が低下するためである。
一般式Si(ORで表されるテトラアルコキシシランと一般式RSi(ORで表されるトリアルコキシシランとの混合比は、上述の割合が、5%から30%の範囲内となるように設定してもよい。
この場合、液体内容物または水分含有内容物を煮沸殺菌処理や加圧・加熱殺菌処理し、さらに高温多湿環境中で長期保存するのに十分な耐水性およびハイバリア性を達成することができる。
一般式Si(ORで表されるアルコキシシランのうち、テトラエトキシシランは加水分解生成物が水系の溶媒中で比較的安定に存在しうるため、これを使用した場合、製造条件の制御が比較的容易である。
ガスバリア性被膜層4を形成するコーティング液の各成分である、一般式Si(ORで表されるアルコキシシランと一般式RSi(ORで表されるアルコキシシランと水溶性高分子は、どの順番で混合してもよい。たとえば、一般式Si(ORで表されるアルコキシシランと一般式RSi(ORで表されるアルコキシシランとを別々に加水分解し、その後、水溶性高分子を含んだ溶液中にこれらを添加してもよい。この方法は、シリコン酸化物の分散性や加水分解の効率の点で優れている。
ガスバリア性被膜層4を形成するためのコーティング液には、ガスバリア性被膜層4のインキまたは接着剤に対する濡れ性の向上や密着性の向上、ガスバリア性被膜4の収縮によるクラック発生の防止などを考慮して、添加物を添加してもよい。
この添加物としては、たとえば、イソシアネート化合物、コロイダルシリカ、スメクタイトなどの粘土鉱物、安定化剤、着色剤、レオロジー調整剤、及びそれらの混合物を使用することができる。
ガスバリア性被膜層4の厚みは、厚みが薄い場合ガスバリア性被膜層4を均一な連続膜として形成することが難しく、十分なガスバリア性が得られない。厚みが厚い場合は膜に亀裂を生じ易い。ガスバリア性被膜層4の厚さは、たとえば、0.01μmから50μmの範囲内とする。
ガスバリア性被膜層4を形成するためのコーティング液は、たとえば、ディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等により塗布することができる。このコーティング液を塗布してなる塗膜は、たとえば、熱風乾燥法、熱ロール乾燥法、高周波照射法、赤外線照射法、UV照射法、またはそれらの組み合わせにより乾燥させることができる。
ガスバリア性被膜層4の厚さは目的に応じて決められるが、一般的には0.01〜50μmの範囲である。また、包装体の形状により基材側にシーラント層を設ける構成、両側に設ける構成である場合もある。
(無溶剤型接着剤層)
無溶剤型接着剤層は、ポリイソシアネート(A)と、数平均分子量が300〜2000であるポリオールを少なくとも含むアルコール(B)を含む接着剤組成物である。本発明の接着剤組成物は、ポリイソシアネート(A)とアルコール(B)とを使用時に混合する、いわゆる2液硬化型であってもよいし、ポリイソシアネート(A)とアルコール(B)とが予め混合された1液型であってもよい。
本発明の接着剤組成物は、好ましくは、2液硬化型である。また、本発明の接着剤組成物において、ポリイソシアネート(A)やアルコール(B)を、それぞれ複数種類用いてもよい。アルコール(B)は、ポリオール(B1)と単官能アルコール(B2)との混合物であることが好ましいが、ポリオール(B1)単独であってもよい。
<ポリイソシアネート(A)>
本発明のポリイソシアネート(A)は、3官能以上のイソシアネート化合物(C1)と、3官能以上のイソシアネート化合物(C2)および単官能アルコール(D)を当量比が3官能以上のイソシアネート化合物(C2)中のイソシアナト基100mol%に対して単官能アルコール(D)25〜65mol%となるように反応させて得られた反応生成物であるアルコール付加イソシアネート(E)とを含んでなる。
ポリイソシアネート(A)100重量%中のアルコール付加イソシアネート(E)の割合としては、耐酸性とポットライフ及び接着強度の観点から、20〜80重量%であることが好ましく、より好ましくは30〜50重量%である。
<3官能以上のイソシアネート化合物(C1)>
本発明の3官能以上のイソシアネート化合物(C1)としては、イソシアナト基を3つ以上有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、脂肪族ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物の3量体である、ビュレット体、ヌレート体、アダクト体、アロファネート体、ならびにイソシアネートとポリオールを反応させたウレタンプレポリマー等が挙げられるが、これらに限定されない。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができるが、これらに限定されない。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(別名:IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができるが、これらに限定されない。
3官能以上のイソシアネート化合物(C1)の数平均分子量は、2,000以下である
ことが、ポットライフが良好であるため好ましい。3官能以上のイソシアネート化合物(C1)の数平均分子量は、さらに好ましくは1,500以下である。
これらの3官能以上のイソシアネート化合物(C1)は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
なかでも、本発明の接着剤組成物を無溶剤型接着剤として使用する場合は、脂環族ジイソシアネートまたは脂肪族ジイソシアネートのビュレット体、ヌレート体、アダクト体、アロファネート体の使用が、粘度とポットライフ、及び耐酸性の面で好ましく、さらに接着強度の観点から、IPDIヌレート体と、HDIビュレット体またはHDIヌレート体とを併用することが特に好ましい。IPDIヌレート体の使用量としては、3官能以上のイソシアネート化合物(C1)中10〜50重量%含有することが好ましく、より好ましくは20〜40重量%である。
<アルコール付加イソシアネート(E)>
本発明のアルコール付加イソシアネート(E)は、3官能以上のイソシアネート化合物(C2)と単官能アルコール(D)とを、3官能以上のイソシアネート化合物(C2)中のイソシアナト基100mol%に対して単官能アルコール(D)25〜65mol%であるように反応させて得られる。
アルコール付加イソシアネート(E)は、3官能以上のイソシアネート化合物(C2)1分子に単官能アルコール(D)が1分子、2分子、3分子、またはそれ以上付加した付加体(1官能〜多官能のアルコール付加イソシアネート化合物)の混合物である。
アルコール付加イソシアネート(E)の製造方法としては、特に制限なく、例えば3官能以上のイソシアネート化合物(C2)と、単官能アルコール(D)とを、窒素等の不活性ガスの雰囲気下、既知のウレタン化反応により反応させることで得ることができる。
単官能アルコール(D)は、3官能以上のイソシアネート化合物(C2)中のイソシアナト基100mol%に対して25〜65mol%であることが好ましい。単官能アルコール(D)の反応率が25mol%未満の場合、十分な耐酸性が得られず、反応率が65mol%より大きい場合、接着強度が低下する。好ましくは反応率が30〜50mol%である。反応生成物であるアルコール付加イソシアネート(E)には、未反応の3官能以上のイソシアネート化合物(C2)が残存して含まれていてもよい。
<3官能以上のイソシアネート化合物(C2)>
アルコール付加イソシアネート(E)の原料となる3官能以上のイソシアネート化合物(C2)は、イソシアナト基を3つ以上有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、および脂環族ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物の3量体である、ビュレット体、ヌレート体、アダクト体、アロファネート体、ならびにイソシアネートとポリオールを反応させたウレタンプレポリマー等が挙げられる。ジイソシアネートおよびウレタンプレポリマーの好ましい具体例としては、3官能以上のイソシアネート化合物(C1)として例示したものと同じものが挙げられる。
3官能以上のイソシアネート化合物(C2)は3官能以上のイソシアネート化合物(C1)と同じであっても良いし、異なっていても良い。接着剤組成物を無溶剤型接着剤として使用する場合は、粘度とポットライフ、及び耐酸性の面でジイソシアネートとしては脂肪族ジイソシアネートが好ましく、より好ましくはHDIである。また、3量体としてはビュレット体、ヌレート体、アダクト体が好ましく、より好ましくはビュレット体、ヌレ
ート体である。
<単官能アルコール(D)>
単官能アルコール(D)としては、分子中に水酸基を1つ有するものであれば特に限定されないが、例えば、脂環族アルコール(D1)、脂肪族アルコール、芳香族アルコールが挙げられるが、これらに限定されない。
なかでも脂環族アルコール(D1)の使用が、接着強度の観点から特に好ましい。これらの単官能アルコールは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
脂環族アルコール(D1)としては、芳香族性を有しない飽和または不飽和の炭素環を1つ以上含むアルコールであれば特に限定されない。飽和または不飽和の炭素環としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、およびシクロドデカン等の単環のシクロアルカン;シクロプロペン、シクロブテン、シクロプロペン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、およびシクロオクテン等の単環のシクロアルケン;ビシクロウンデカン、デカヒドロナフタレン等の二環式アルカン;ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環式アルケン;トリシクロデカン、アダマンタン、ステロイド等の三環以上のアルカンまたはアルケンなどが挙げられるが、これらに限定されない。前記炭素環は、脂肪族の分枝を有していても構わない。
脂環族アルコール(D1)の好ましい具体例としては、シクロペンタノール、メチルシクロペンタノール、シクロペンチルメタノール、シクロペンチルプロパノール、シクロヘキサノール、シクロヘキシルエタノール、シクロヘキシルプロパノール、シクロヘキシルブタノール、メチル−,エチル−,プロピル−およびブチルシクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、メントール、デカヒドロ-2-ナフトール、ボルネオール、ヒドロキシジシクロペンタジエン、コレステロール等が挙げられるが、これらに限定されない。
<アルコール(B)>
本発明のアルコール(B)としては、酸価が0.5〜30mgKOH/gであれば特に限定されず、例えば、酸基を有するポリエステルポリオール等が挙げられる。アルコール(B)の酸価が0.5mgKOH/g未満の場合、十分な耐酸性が得られず、30mgKOH/gより大きい場合、ポットライフが悪化する。好ましくは1mgKOH/g〜25mgKOH/gである。
アルコール(B)は、ポリオール(B1)と単官能アルコール(B2)とを含むことが好ましいが、ポリオール(B1)単独であってもよい。アルコール(B)がポリオール(B1)単独である場合には、ポリオール(B1)の酸価は1〜15mgKOH/gであってよい。
また、アルコール(B)がポリオール(B1)と単官能アルコール(B2)とを含む場合には、ポリオール(B1)の酸価は15〜40mgKOH/gであってよく、アルコール(B)100重量%中の前記単官能アルコール(B2)の含有量は50重量%以下であってよい。
アルコール(B)100重量%中の前記単官能アルコール(B2)の含有量は1〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜40重量%である。
<ポリオール(B1)>
本発明のポリオール(B1)としては、酸価が1〜40mgKOH/gであれば特に限定されず、例えば、酸基を有するポリエステルポリオール等が挙げられる。ポリオール(B1)の酸価が1mgKOH/g未満の場合、十分な耐酸性が得られず、40mgKOH/gより大きい場合、ポットライフが悪化する。ポリオール(B1)の酸価は、例えば1〜25mgKOH/g、1〜30mgKOH/g、1〜40mgKOH/g、2〜25mgKOH/g、2〜30mgKOH/g、2〜40mgKOH/g、などであってよい。ポリオール(B1)の酸価は、より好ましくは2mgKOH/g以上、25mgKOH/g未満である。
酸基を有するポリエステルポリオールとしては、以下の例には限定されないが、例えば、二塩基酸とジオールとのエステル化反応により得られる縮合物、前記ジオールを開始剤として得られるカプロラクトン重合物、バレロラクトン重合物、メチルバレロラクトン重合物、乳酸重合物、及び、ひまし油脂肪酸重合物等ならびに、前記重縮合物中の水酸基と酸無水物との反応物等が挙げられる。
二塩基酸としては、以下の例には限定されないが、例えば、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、グルタル酸、1、4−シクロヘキシルジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等が挙げられる。
ジオールとしては、以下の例には限定されないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3,5−トリメチルペンタンジオール、2、4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−アルカンジオール、1,3−アルカンジオール、1−モノグリセライド、2−モノグリセライド、1−モノグリセリンエーテル、2−モノグリセリンエーテル、ダイマージオール、水添ダイマージオール等が挙げられる。
酸無水物としては、以下の例には限定されないが、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸の他、新日本理化(株)より入手できる、リカシッドTMEG−X(ただしXは、100、200、500、600、S)、リカシッドTMA−X(ただしXは、C、10、15)等の無水トリメリット酸エステル無水物が挙げられる。
ポリオール(B1)中の水酸基としては、全水酸基の70mol%以上が1級水酸基であること、つまり、2級または3級水酸基が全水酸基の30mol%未満であることが好ましい。この範囲であると、ポリオール成分の反応性が高くなり、塗布作業やエイジング作業時の湿度条件によらず十分な接着強度や耐酸性が得られるためである。
本明細書において1級水酸基とは、水酸基(−OH)が結合している炭素原子に結合している炭素原子の数が1つである基を意味し、2級水酸基または3級水酸基とは、前記炭素原子の数が2つまたは3つである基を意味する。
ポリオール(B1)の数平均分子量は、300〜2000であると耐酸性及びポットライフが良好であるため好ましい。ポリオール(B1)の数平均分子量は、さらに好ましくは450〜2000である。
これらのポリオールは、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
ここで、本発明における数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(Gel Permeation Chromatography:GPC)法により、測定することができる。
<単官能アルコール(B2)>
本発明の単官能アルコール(B2)としては特に限定されないが、例えば、脂肪族モノオール、脂環族モノオール、芳香脂肪族モノオール、ポリオキシアルキレンモノオール、及びオキシカルボン酸エステル等が挙げられる。
脂肪族モノオールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノールラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデカノール、セチルアルコール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、ノナデカノール、その他のアルカノール(C20〜50)、オレイルアルコール、およびこれらの異性体が挙げられるが、これらに限定されない。
脂環族モノオールとしては、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、4−ブチルシクロヘキサノール、4−ペンチルシクロヘキサノール、4−ヘキシルシクロヘキサノール、シクロデカノール、シクロドデカノール、シクロペンタデカノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール、メントール、2−ノルボルナノール、ボルネオール、2−アダマンタノール、ジシクロヘキシルメタノール、デカトール、2−シクロヘキシルシクロヘキサノール、4−シクロヘキシルシクロヘキサノール、4−(4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサノール、4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサノール、α−アンブリノール、デスオキシコルチコステロン、11−デヒドロコルチコステロン、コレステロール、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、ラノステロール、エルゴステロール、β−コレスタノール、テストステロン、エストロン、ジギトキシゲニン、デヒドロエピアンドロステロン、コプロスタノール、プレグネノロン、エピコレスタノール、7−デヒドロコレステロール、安息香酸エストラジオール、チゴゲニン、ヘコゲニン、メタンジエノン、酢酸コルチゾン、ステノロン、およびこれらの異性体が挙げられるが、これらに限定されない。
芳香脂肪族モノオールとしては、ベンジルアルコール等が挙げられるが、これに限定されない。
ポリオキシアルキレンモノオールとしては、例えば、活性水素を1個含有するアルキル化合物等を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドを開環付加重合させたものが挙げられるが、これらに限定されない。
オキシカルボン酸エステルとしては、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、クエン酸、イソクエン酸、リシノール酸、α−オキシプロピオン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノエライジン酸、リシノステアロール酸、マンデル酸等のオキシカルボン酸と上記モノオール類とから得られる水酸基含有エステル等が挙げられるが、これらに限定されない。
単官能アルコール(B2)の数平均分子量は、100〜6,000であるとポットライフが良好であるため望ましい。単官能アルコール(B2)の数平均分子量は、さらに好ましくは200〜4,000である。
アルコール(B)としては、先に述べたように、酸価が1〜15mgKOH/gであるポリオール(B1)を単独で用いることができる。ポリオール(B1)の酸価が1mgKOH/g以上であると十分な耐内容物性が得られ、15mgKOH/g未満であるとポットライフが良好となる。好ましくは2mgKOH/g以上、10mgKOH/g未満である。
ポリオール(B1)と単官能アルコール(B2)を併用する場合には、下記式1の関係を満足するとポットライフが向上するため好ましい。
(1) Xa/56.1×Xc−Yh/56.1×Yc≦0.26
(式中、Xaはポリオール(B1)の酸価(mgKOH/g)、Xcはポリオール(B1)と単官能アルコール(B2)との合計重量中のポリオール成分(B1)の重量比、 Yhは単官能アルコール(B2)の水酸基価(mgKOH/g)、Ycはポリオール(B1)と単官能アルコール(B2)との合計重量中の単官能アルコール(B2)の重量比である。)
式1の左辺の値は、上述のように0.26以下であってよいが、0.23以下であることがより好ましい。
本発明の無溶剤型接着剤層を構成する接着剤組成物は、ポリイソシアネート(A)中のイソシアナト基と、アルコール(B)中の水酸基の当量比(イソシアナト基/水酸基)が0.7〜2.5であり、好ましくは0.8〜2.5、より好ましくは1.0〜2.0である。イソシアナト基/水酸基比が0.7より小さい場合、十分な接着強度が得られず、イソシアナト基/水酸基比が2.5より大きい場合、耐酸性が悪化する。
本発明の接着剤組成物は、安全性や環境負荷低減の観点から無溶剤型接着剤として使用することが好ましいが、必要に応じて少量の有機溶剤または水を含有することもできる。
本発明の接着剤組成物は、さらに接着強度や耐酸性を向上させる目的で、シランカップリング剤、またはリンの酸素酸もしくはその誘導体を含有することができ、アルコール(B)の合計100重量%に対して、好ましくは0.01〜5重量%、さらには0.02〜3重量%含有することが好ましい。
これらのシランカップリング剤、およびリンの酸素酸もしくはその誘導体は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明の接着剤組成物は、上記成分の他に、必要に応じて充填剤、軟化剤、老化防止剤、安定剤、接着促進剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、無機フィラー、粘着付与性樹脂、繊維類、可使用時間延長剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、防黴剤、増粘剤、可塑剤、顔料等の着色剤、充填剤等の添加剤を含有することができる。
(熱接着性樹脂層)
熱接着性樹脂層22は、熱接着性を有する透明な樹脂層である。熱接着性樹脂層22の材料としては、熱によって溶融し相互に融着し得る樹脂のフィルムを使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂のフィルムを使用することができる。
本発明の積層体の製造方法としては、既知の無溶剤型接着剤組成物の積層方法を使用することができるが、具体的には、上述のようなポリイソシアネート(A)と、アルコール(B)を均一に混合した接着剤組成物を、無溶剤型のラミネーターによって透明ガスバリアフィルムに塗布して無溶剤型接着剤層を形成する。
その後、前記無溶剤型接着剤層と熱接着性樹脂層とを貼り合せ、常温又は加温下でエイジングして硬化させることで得られる。
この時、無溶剤型接着剤層と熱接着性樹脂層との間には、その他の層を介する事無く、直接貼り合わせすることができる。
もしも、無用剤型接着剤層と熱接着性樹脂層との間に、その他の層を介した場合には、加工工程が増えると共に、材料費の増加も見込まれ、製造コスト的に不利となる。
無溶剤型接着剤層を形成するための接着剤組成物を塗布する際の塗布温度は、塗布する際の作業性、並びに加熱下の接着剤組成物の粘度を考慮し、通常は40〜100℃、好ましくは60℃〜90℃で行うが、より高温である方が塗工後に温度が低下した際に弾性を付与でき、巻きずれを防止できる等の点で好ましい。塗布量は、通常1.0〜5.0g/m2、好ましくは1.5〜4.5g/m2である。
透明ガスバリアフィルム10と無溶剤型接着剤層21との間には、用途・要求に応じて、印刷インキ層などを介在させてもよい。
印刷層は包装袋などとして実用的に用いるために形成されるものであり、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系、塩化ビニル系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層であり、文字、絵柄等が形成されている。形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式を用いることができる。厚さは0.1〜2.0μmが好ましい。
次に、上記のようなガスバリア積層体を製袋して包装体を製造する方法について説明すると、例えば、上記のような方法で製造したガスバリア積層体を使用し、その内層の熱接着性樹脂層22の面を対向させて、それを折り重ねるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその周辺端部を熱融着してシール部を設けて、種々の形態からなる液体充填用袋を製造することができる。
その製袋方法としては、上記のガスバリア積層体を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、その他等のシール形態により熱融着して、本発明にかかる種々の形態の液体充填用袋を製造することができる。その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能である。
得られた液体充填要袋に対して、食品等を充填する場合には、加熱殺菌処理などが施される。
加熱殺菌処理方法としては、レトルト処理、ボイル処理などが挙げられる。レトルト処理は、一般に食品等を保存するために、カビ、酵母、細菌などの微生物を加圧殺菌する方法である。通常は、食品を包装したガスバリア積層体包装材を、105〜140℃、0.15〜0.30MPaで10〜120分の条件で加圧殺菌処理をする。
レトルト装置は、加熱蒸気を利用する蒸気式と加圧加熱水を利用する熱水式があり、内容物となる食品等の殺菌条件に応じて適宜使い分ける。ボイル処理は、食品等を保存するため湿熱殺菌する方法である。
通常は、内容物にもよるが、食品等の包装したガスバリア積層体包装材を、60〜100℃、大気圧下で、10〜120分の条件で湿熱殺菌処理を行う。ボイル処理は、通常、熱水槽を用いて行うが、一定温度の熱水槽の中に浸漬し一定時間後に取り出すバッチ式と、熱水槽の中をトンネル式に通して殺菌する連続式がある。
本発明のガスバリア積層体を用いることにより、上述のような製袋加工や加熱殺菌処理などの後処理工程においても、耐熱水性、物理衝撃に対する耐ピンホール性が高く、レトルト処理、ボイル処理、加熱調理等を行っても優れたガスバリア性を維持することができ、さらに、ガスバリア積層体を作製するラミネート工程の加工課題を解決して残留溶剤の懸念がないガスバリア積層体を提供することができる。
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」をそれぞれ表す。
なお、実施例中の「数平均分子量」、「水酸基価」および「酸価」の測定方法は、次の通りである。
数平均分子量:カラムとしてShodex GPC LF−604(Shodex社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(Shodex社製、GPC−104)で展開溶媒にTHFを用いた時のポリスチレン換算分子量を用いた。
水酸基価:JIS K1557−1に準拠して測定した。
酸価:JIS K0070に準拠して測定した。
密着層は、以下の手順で調製した。
塗液1:三井化学(株)製アンカーコート剤溶液 主剤:タケラックA−525(内 ウレタン樹脂の前駆体50重量%、酢酸エチル50重量%)/硬化剤:タケネートA−52(内 ウレタン樹脂の硬化剤55重量%、酢酸エチル45重量%)/溶媒:酢酸エチルこれをA−525:A−52:酢酸エチル=9:1:165(固形分濃度3重量%)で配合した。
ガスバリア性被膜層は以下の手順で調整した。
(a)テトラエトキシシラン(Si(OC);以下、TEOSと略記)17.9gとメタノール10gに0.1N塩酸72.1gを加えて30分間攪拌して加水分解させた固形分5%(重量比SiO2換算)の加水分解溶液。
(b)ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記)の5%(重量比)、水/メタノー
ル=95/5(重量比)溶液。
(c)1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートを水/イソプロピルアルコ−ル=1/1溶液で固形分5%(重量比RSi(OH)換算)に調整した加水分解溶液。
上記(a)〜(c)溶液の配合比率を、a液/b液/c液=70/20/10(固形分重量比率)となるように混合し、実施例1に使用する塗液2を得た。
無溶剤型接着剤層は以下の手順で調整した。
(a)ポリイソシアネート(A);以下の3成分の試薬を合成・購入して用いた。
・3官能以上のイソシアネート化合物(C1)
(C1−1)・・・HDIビュレット(製品名:バナソートHB-100、BASF社製)
(C1−2)・・・IPDIビュレット(製品名:VESTANT T1890/100、エボニック社製)
・アルコール付加イソシアネート(E)・・・ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体193.3部、l−メントール56.7部(イソシアナト基100mol%に対して35mol%分)を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら110℃で4時間反応を行い、アルコール付加イソシアネート(E)を得た。
(b)アルコール(B);以下の2成分の試薬を合成・購入して用いた。
ポリオール(B1)・・・イソフタル酸175部、アジピン酸320部、安息香酸49部、エチレングリコール76部、ネオペンチルグリコール380部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら150℃〜240℃に加熱してエステル化反応を行った。酸価が2.1(mgKOH/g)になったところで反応温度を200℃にし、反応容器内部を徐々に減圧し、1.3kPa以下で30分反応させた後、110℃まで冷却した。
その後、無水トリメリット酸28部を加えて110℃にて酸変性することで、ポリオール(B1)を得た。得られたポリオール(B1)の水酸基はすべて1級水酸基であり、数平均分子量は750、酸価は20.1であった。水酸基価は97であった。
・単官能アルコール(B2)・・・ヘキシルデカノール(製品名:リソノール16SP、高級アルコール工業社製、理論水酸基価231mgKOH/g)
上記(a)(b)の配合比率を以下で加熱混合し、塗液3を得た。
ポリイソシアネート(A);((C1−1):(C1−2):(E))=25:10:15/アルコール(B);((B1):(B2))=60:40
(実施例1)
基材フィルム1として、厚さ15μmのポリブチレンテレフタレート成分を80%含む二軸延伸ポリエステルフィルムのコロナ処理面側に、塗液1をグラビアロールコート法にて、乾燥温度60℃にて、塗工して密着層を0.1g/mの厚さで硬化させた。
次に金属酸化物層として電子ビーム式真空蒸着法により、酸素を導入しながらアルミを蒸発させ、厚み10nmのAlOx蒸着膜を形成した。
次いで塗液2を、張力60N/m、乾燥温度70℃の条件でコーティング加工を順次行った。密着層(0.1g/m2)/AlOx蒸着膜(10nm)/ガスバリア性被膜層(0.3g/m2)からなる透明ガスバリアフィルムを得た。
続いて、透明ガスバリアフィルムのガスバリア性被膜層の上に、未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP:東レフィルム加工製 トレファンNO ZK207、厚さ60μm)
を、無溶剤型接着剤(塗液3)を1.8g/m2となるよう70℃に加温して用いて無溶剤型ラミネート法によってラミネートし、40℃で3日間エイジングすることで、〔透明ガスバリアフィルム/無溶剤型接着剤層/CPP(60μm)〕の構成を有するガスバリア積層体を得た。
(実施例2)
塗液3を90℃加温の条件で、透明ガスバリアフィルムに塗布してラミネートした以外は実施例1と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(実施例3)
塗液3をアルコール(B)のポリオール(B1)成分のみとし、添加剤としてシランカップリング剤である3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、リン酸をそれぞれ1.0重量%、0.1重量%ずつ添加して90℃加温の条件で透明ガスバリアフィルムに塗布してラミネートした以外は実施例1と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(実施例4)
蒸着層を厚み10nmのSiOx蒸着膜とした以外は実施例1と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(実施例5)
蒸着層を厚み10nmのSiOx蒸着膜とし、塗液3を90℃加温の条件で透明ガスバリアフィルムに塗布してラミネートした以外は実施例1と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(実施例6)
蒸着層を厚み10nmのSiOx蒸着膜とし、塗液3をアルコール(B)のポリオール(B1)成分のみとし、添加剤としてシランカップリング剤である3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、リン酸をそれぞれ1.0重量%、0.1重量%ずつ添加して90℃加温の条件で透明ガスバリアフィルムに塗布してラミネートした以外は実施例1と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(比較例1)
無溶剤型接着剤層の代わりとなる接着剤層を2液型のドライラミネート用接着剤(三井化学(株)製 A525/A52)を用いて、オーブン温度を80℃に設定し、ドライラミネート法によってドライ塗布量3.0g/m2となるようラミネートした以外は実施例1と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(比較例2)
無溶剤型接着剤層の代わりとなる接着剤層を2液型のドライラミネート用接着剤(三井化学(株)製 A525/A52)を用いて、オーブン温度を60℃に設定し、ドライラミネート法によってドライ塗布量3.0g/m2となるようラミネートした以外は実施例1と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(比較例3)
透明ガスバリアフィルムの基材フィルムにPETフィルム(東レ(株)製 P60)を用いた以外は実施例1と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(比較例4)
透明ガスバリアフィルムの基材フィルムにONYフィルム(ユニチカ(株)製 ONM)を用いた以外は実施例1と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(比較例5)
透明ガスバリアフィルムの基材フィルムにPETフィルム(東レ(株)製 P60)を用いた以外は実施例1と同様にして透明ガスバリアフィルムを得た。
続いて、透明ガスバリアフィルムのガスバリア性被膜層の上に、中間層となるONYフィルム(ユニチカ社製 ONMB−RT)を、2液型のドライラミネート用接着剤(三井化学(株)製 A525/A52)を用いて、オーブン温度を60℃に設定し、ドライラミネート法によってドライ塗布量3.0g/m2となるようラミネートし、続いて、透明ガスバリアフィルム/ONYフィルムのONYフィルム側に、同様のドライラミネート法によって、CPPフィルムをラミネートし、〔透明ガスバリアフィルム/接着剤層/ONY/接着剤層/CPP(60μm)〕の構成を有するガスバリア積層体を得た。
(比較例6)
透明ガスバリアフィルムの基材フィルムにPETフィルム(東レ(株)製 P60)を用いた以外は実施例1と同様にして透明ガスバリアフィルムを得た。
続いて、ガスバリアフィルムのガスバリア性被膜層の上に、中間層となるONYフィルム(ユニチカ社製 ONMB−RT)を、無溶剤型接着剤(塗液3)を1.8g/m2となるよう70℃に加温して用いて無溶剤型ラミネート法によってラミネートし、続いて、ガスバリアフィルム/ONYフィルムのONYフィルム側に、同様の無溶剤型ラミネート法によって、CPPフィルムをラミネートし、〔透明ガスバリアフィルム/無溶剤型接着剤層/ONY/無溶剤型接着剤層/CPP(60μm)〕の構成を有するガスバリア積層体を得た。
<ガスバリア積層体の加工性評価>
表1に実施例1〜6および比較例1〜6の加工性評価結果を示す。
フィルム温度について、ラミネート加工時の接着剤を塗布するガスバリアフィルムにサーモラベル(アイビー技研株式会社製 5点表示ラベルCR)を貼って加工することで、フィルムにかかる実際の温度を測定した。
カール評価について、ラミネート加工時のガスバリアフィルムを以下の基準で判断した。
○:ガスバリアフィルムにカールなくラミネートされ、所定の加工幅が得られる
×:ガスバリアフィルムがカールした状態でラミネートされ、所定の加工幅が得られない
(残留溶剤測定試験)
各例の積層フィルムから100mm四方の領域を切り出して四つ折りにし、裁断した。裁断した積層フィルムを20mlバイアル瓶に入れ、ガスクロマトグラフィー(アジレント製:7890A)にて80℃で20分加熱し、積層フィルムに含まれる残留溶剤の量を測定した。
比較例5および6の3層構成について、連続ラミネート加工可否を以下の基準で判断した。
○:巻きズレ・巻きシワ等なく外観良好な状態のガスバリア積層体が得られる
×:巻きズレ・巻きシワ等が入り、外観不良のあるガスバリア積層体が得られる
表1より、実施例1〜6のPBTを基材としたガスバリアフィルムは、ゾルゲルコート層を有しているが、無溶剤型ラミネートによりいずれもカールなく、さらには残留溶剤も0.2mg以下となり、蒸着層の種類に関わらず、無溶剤型接着剤に対する加温温度が最大90℃にしても安定したラミネート加工が可能であった。
一方で、比較例1は実施例1と同様のガスバリアフィルムだが、ラミネート方法をドライラミネートでフィルム温度が65℃まで加熱されたことで、フィルム端部がカールして所定の有効幅が得られなかった。
比較例2は、実施例1と同様のガスバリアフィルムで、ドライラミネートでカールなく加工可能な温度範囲で行ったが、フィルム温度が50℃と低いために、接着剤に使用した有機溶剤が揮発しきらず、残留溶剤が10mgと、無溶剤型ラミネートと比較して50倍程度の残存量となった。
比較例3および4は、実施例1〜6と同様に安定したラミネート加工が可能であった。
比較例5は、レトルト用途の包装体として一般的な構成であり、ドライラミネート法によって加工したが、残留溶剤が2mgと、依然として残存量が無溶剤型ラミネート法と比較して多いことが実用上懸念される。
比較例6は、比較例5と同一構成で、無溶剤型ラミネート法によって連続ラミネート加工を行ったところ、無溶剤型接着剤の特性上初期密着が弱いために、巻きズレ・巻きシワが発生して外観不良となった。
<ガスバリア積層体(ラミネート品)の物性評価>
表2に実施例1〜6および比較例2〜6のレトルト処理前後の各物性評価結果を示す。尚、比較例1については、カール発生に伴い、所定の有効幅が得られなかったため、物性評価未実施であることから、表2に記載していない。
得られたガスバリア積層体を15cm×10cmのパウチ状に3方インパルスシールし、内容物に200mlの水道水を入れ、残り一辺をインパルスシールして、4方パウチを作成した。このパウチをレトルト装置にて0.2MPa、121℃で30分レトルト処理を行った。
以下に熱水加熱処理後のパウチ評価を述べる。なお、熱水加熱処理後に中身の水道水を捨て、十分に乾燥させた状態で評価を行った。
(1 ガスバリア性の評価:[酸素透過度の測定方法])
酸素透過度測定装置(MOCON社製 OXTRAN 2/20)を用いて、温度30℃、相対湿度70%の条件で測定した。測定方法は、JIS K−7126、B法(等圧法)に準拠し、測定値は単位[cc/m2・day・MPa]で表記した(N=3平均値)。
(2 ガスバリア性の評価:[水蒸気透過度の測定方法])
水蒸気透過度測定装置(MOCON社製 PERMATRAN 3/33)を用いて、温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した。測定方法は、JIS K−7126、B法(等圧法)に準拠し、測定値は単位[g/m2・day]で表記した(N=3平均値)。
(3 突刺強度の評価)
レトルト処理後のガスバリア積層体を5cm四方に切り出し、突刺し測定用治具に固定し、基材面に直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を毎分50±0.5mmの速度で突刺し、針が貫通するまでの荷重[N]の測定を行った。(N=3平均値)
表1及び表2より、実施例1〜3のPBT基材にAlOx蒸着を施した透明ガスバリアフィルムは、比較例4のONY構成よりも酸素および水蒸気バリア性が優れており、かつ、ONY基材を含むラミネート構成に近い優れた突刺強度物性を有し耐ピンホール性があることが確認できる。また、ラミネート強度も実用上問題ない強度を有している。
実施例4〜6のPBT基材にSiOx蒸着を施したガスバリアフィルムは、比較例5の現行レトルト構成と同等の優れた酸素および水蒸気バリア性を有しており、かつ、ONY基材を含むラミネート構成に近い優れた突刺強度物性を有し耐ピンホール性があることが確認できる。また、ラミネート強度も実用上問題ない強度を有している。
上述の結果より、ガスバリア積層体加工性およびガスバリア積層体物性評価の双方を踏まえて、表2中に総合評価を以下の基準で判定した。
○:加工性・物性ともに優れている
△:物性は優れているものの、加工性に一部課題がある
×:加工性あるいは物性が劣っており、実用上で問題になる項目が1つ以上ある
表1および表2に示すように、本発明のガスバリア包装体は、現行のレトルト構成に匹敵するバリア性・密着性・耐ピンホール性を有し、なおかつ、無溶剤型ラミネート法にすることで現行レトルト構成より残留溶剤の少ない包装体として利用可能である。
1 … 基材フィルム
2 … 密着性
3 … 蒸着層
4 … ガスバリア性被膜層
10 … 透明ガスバリアフィルム
21 … 無溶剤型接着剤層
22 … 熱接着性樹脂層
30 … ガスバリア積層体

Claims (5)

  1. ヒートシール可能な積層体であって、透明ガスバリアフィルムと、熱接着性樹脂と、を備えており、
    前記透明ガスバリアフィルムは、少なくとも、ブチレンテレフタレート単位を主たる構成単位とするポリエステル樹脂を含有する基材フィルムの一方の面に、1層以上の金属酸化物からなる蒸着層と、その上にガスバリア性被膜層が形成されてなり、
    前記透明ガスバリアフィルムの前記ガスバリア性被膜層側に、無溶剤型接着剤層を介して、熱接着性樹脂を積層したことを特徴とするガスバリア積層体。
  2. 前記無溶剤型接着剤層が、ポリイソシアネート(A)と、数平均分子量300〜2000であるポリオールを少なくとも含むアルコール(B)を含む、接着剤組成物であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア積層体。
  3. 前記基材フィルムと前記蒸着層との間に、アンカーコート剤を含有する密着層を備えることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のガスバリア積層体。
  4. 前記蒸着層の少なくとも1層にAl、Siの少なくとも1種が含有されていることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のガスバリア積層体。
  5. 前記無溶剤型接着剤層と、前記熱接着性樹脂層とが、その他の層を介することなく、直接積層されてなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のガスバリア積層体。
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