JP7230445B2 - 無溶剤型接着剤組成物、及び積層体 - Google Patents

無溶剤型接着剤組成物、及び積層体 Download PDF

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Description

本発明は、無溶剤型接着剤組成物、及び積層体に関する。
食品、医療品、化粧品等の包装材料として、アルミニウム箔等の金属箔あるいは金属蒸着フィルムとポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリエステル、ナイロン等のプラスチックフィルムを多層ラミネートして複合化したものが用いられている。これらのプラスチックフィルムと金属箔あるいは金属蒸着フィルムとを張り合わせる接着剤としては、芳香族多価カルボン酸無水物を反応せしめたポリマーポリオール及び有機イソシアネート化合物からなるものが知られている。
また、従来、このような金属箔を含むラミネート複合フィルムに使用される溶剤型ラミネート接着剤としては、主剤としてポリオール化合物、硬化剤としてポリイソシアネート化合物を含有する2液型接着剤が好適に用いられており、また金属箔への耐内容物性(耐酸性)を付与する目的で、ポリオール化合物の分子末端への酸基の導入や、添加剤としてリン酸を併用する方法が広く知られている(例えば、特許文献1又は2)。
さらに、特許文献3には、(メタ)アクリル酸エステルと無水マレイン酸とを共重合させてなる樹脂を用いることで、耐熱水性、耐酸性に優れ、接着性の経時劣化を抑制した溶剤型の接着剤組成物が開示されている。
一方、近年、法規制の強化及び環境保全又は安全性への配慮から、溶剤を含まない接着剤の要望が高まっており、高温殺菌処理に用いられる金属箔を含むラミネート複合フィルムにおいても、金属箔と各種プラスチックフィルム間の接着に使用されるラミネート接着剤の無溶剤化が検討されている。
無溶剤型の接着剤としては、無溶剤化による高粘度化の問題を考慮し、さらに、硬化後には十分な接着強度と内容物に対する耐酸性を付与することを目的として、一般に、低分子量タイプのポリオール化合物(主剤)とポリイソシアネート化合物(硬化剤)とを含有する2液型ウレタン系無溶剤接着剤を、高温条件下で基材に塗布する方法が用いられている。
このため無溶剤型接着剤は、溶剤型接着剤と比較して硬化反応速度が格段に早くなることから、例えば高温殺菌処理用のラミネート接着剤として用いる場合に、金属箔への耐酸 性を付与する目的で主剤に酸基を導入すると、酸基のウレタン化触媒効果により、硬化がさらに促進され、主剤と硬化剤とを配合した後の粘度上昇が激しい。
このような課題に対して、特許文献4には単官能ポリオールを用いることで粘度上昇を抑えポットライフを改良することが開示されている。
しかしながら、特許文献4に記載の発明では、ポリエステルフィルム/アルミニウム箔といったバリア性が高い基材同士を貼り合せる際に、接着剤が十分に塗れ広がることができず、作製された積層体の外観が悪化するといった課題があった。
特公平7-94654号公報 特開平2-84482号公報 特開2012-184283号公報 特開2016-121351号公報
本発明の目的は、硬化時に空気中の水分の影響を受け難く、接着性、耐酸性、及び作業性に優れ、且つポリエステルフィルム/アルミニウム箔といったバリア性が高い基材同士を貼り合せた場合においても外観が良好である、無溶剤型接着剤組成物を提供することにある。
本発明は、以下発明〔1〕~〔5〕に関する。
〔1〕 (メタ)アクリル酸エステルと無水マレイン酸とを共重合させてなる樹脂(a)、数平均分子量500以上~3,000以下のポリオール(b)、分子内にポリプロピレングリコールから誘導される構造を有するポリイソシアネート化合物(c)、及び単官能アルコール(d)を含有し、
前記樹脂(a)の含有量が、前記ポリオール(b)に対して0.1~10質量%であり、
前記単官能アルコール(d)の含有量が、前記イソシアネート(c)に対して、1~45質量%である、無溶剤型接着剤組成物。
〔2〕 前記単官能アルコール(d)の分子量が、50以上2,000以下である、〔1〕に記載の無溶剤型接着剤組成物。
〔3〕 さらに、シランカップリング剤を含有し、シランカップリング剤の含有量が、前記樹脂(a)及びポリオール(b)の合計量に対して、0.1~10質量%である、〔1〕又は〔2〕に記載の無溶剤型接着剤組成物。
〔4〕 〔1〕~〔3〕いずれか1項に記載の無溶剤型接着剤組成物からなる接着剤層が、少なくとも2つのシート状基材の間に積層された積層体。
〔5〕 〔1〕~〔3〕いずれか1項に記載の無溶剤型接着剤組成物からなる接着剤層が、ポリエステル基材と金属層含有基材との間に積層された積層体。
本発明により、硬化時に空気中の水分の影響を受け難く、接着性、耐酸性、及び作業性に優れ、且つポリエステルフィルム/アルミニウム箔といったバリア性が高い基材同士を貼り合せた場合においても外観が良好である、無溶剤型接着剤組成物を提供することができる。
<無溶剤型接着剤組成物>
本発明の無溶剤型接着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステルと無水マレイン酸とを共重合させてなる樹脂(a)、数平均分子量500以上~3,000以下のポリオール(b)、分子内にポリプロピレングリコールから誘導される構造を有するポリイソシアネート化合物(c)、及び単官能アルコール(d)を含有し、前記樹脂(a)の含有量が、前記ポリオール(b)に対して0.1~10質量%であり、前記単官能アルコール(d)の含有量が、前記イソシアネート(c)に対して、1~45質量%であることを特徴とする。
以下に、本発明を詳細に説明する。
<(メタ)アクリル酸エステルと無水マレイン酸とを共重合させてなる樹脂(a)>
本発明の無溶剤型接着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステルと無水マレイン酸とを共重合させてなる樹脂(a)を、後述のポリオール(b)に対して0.1~10質量%含む。樹脂(a)を所定範囲量含むことで、耐酸性向上の効果を発揮する。
樹脂(a)は、公知の(メタ)アクリル酸エステルと無水マレイン酸との共重合体であれば特に限定されず、従来公知の樹脂から選択することができ、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸-i-プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸-i-ブチル、メタクリル酸-t-ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル等が挙げられる。中でも無水マレイン酸との共重合性の観点からメタクリル酸メチルが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルと無水マレイン酸とを共重合させてなる樹脂(a)の合成方法は、ラジカル共重合法が用いられる。例えば、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等から、適宜選ばれる。
樹脂(a)を共重合する際、(メタ)アクリル酸エステル、及び無水マレイン酸の量は、(メタ)アクリル酸エステルと無水マレイン酸の合計量に対して、(メタ)アクリル酸エステルの含有量が、好ましくは50~95%であり、より好ましくは50~70%である。また、無水マレイン酸の含有量は、好ましくは5~50%であり、より好ましくは30~50%である。無水マレイン酸の含有量が5%以上であると、長期保管時の接着力が劣化せず好ましい。また、50%以下であると、(メタ)アクリル酸エステルと無水マレイン酸の共重合物の合成が容易であるため好ましい。
樹脂(a)の酸価は、200~600mg/KOHが好ましく、耐酸性の観点から、より好ましくは400~600mg/KOHである。
樹脂(a)の数平均分子量は、500~10,000が好ましく、より好ましくは1,000~7,000であり、特に好ましくは2,000~5,000である。数平均分子量が500以上であると、長期保管時の接着力の劣化がなく好ましい。また、10,000以下であると、接着剤に配合する他の成分との相溶性が良好で、接着剤の塗工外観が優れるため好ましい。
樹脂(a)の添加量は、後述するポリオール(b)に対して、0.1~10質量%であり、好ましくは1~5質量%である。樹脂(a)の添加量が、ポリオール(b)に対して0.1質量%以上であると、耐酸性向上や接着力の長期保持が可能であり好ましい。また、10質量%以下であると、接着剤に配合する他の成分との相溶性が良好で、接着剤の塗工外観が優れるため好ましい。
<数平均分子量500以上~3,000以下のポリオール(b)>
本発明の無溶剤型接着剤組成物は、数平均分子量500以上~3,000以下のポリオール(b)を含む。500以上であると、接着力が十分となるため好ましい。3,000以下であると、無溶剤型接着剤として塗工可能な粘度となるため好ましい。好ましくは1,500~2,500である。数平均分子量が1,500~2,500であると、特に、耐酸性、接着力、及び熱水処理前後の接着力維持の観点で良好であるため好ましい。
ポリオール(b)は、硬化速度の観点から、1分子中の官能基数が、2~10であることが好ましく、より好ましくは2~8である。ポリオール(b)は、特に制限されないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシルアルカン、ポリウレタンポリオール、ひまし油又はそれらの混合物が挙げられる。中でも、耐熱性の観点から、ポリエステルポリオールが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸等二塩基酸若しくはそれらのジアルキルエステル又はそれらの混合物と、
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3′-ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のグリコール類若しくはそれらの混合物と、を反応させて得られるポリエステルポリオール或いはポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
中でも、イソフタル酸、及びアジピン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種と、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、及び1,6-ヘキサンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種と、を反応させて得られるポリエステルポリオールが好適に用いられ、特に好ましくは、イソフタル酸、及びアジピン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種と、1,6-ヘキサンジオールと、を反応させて得られるポリエステルポリオールである。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を、例えば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分量ポリオールを開始剤として重合して得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
ポリエーテルエステルポリオールとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸等の二塩基酸若しくはそれらのジアルキルエステル又はそれらの混合物と、上記ポリエーテルポリオールを反応させて得られるポリエーテルエステルポリオールが挙げられる。
ポリエステルアミドポリオールとしては、上記エステル化反応に際し、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアミノ基を有する脂肪族ジアミンを原料としてあわせて使用することによって得られる。
アクリルポリオールの例としては、1分子中に1個以上の水酸基を含むアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,8-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールAの中から選ばれた1種又は2種以上のグリコールをジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られたものが挙げられる。
ポリヒドロキシアルカンとしては、ブタジエン、又はブタジエンとアクリルアミド等と共重合して得られる液状ゴムが挙げられる。
ポリウレタンポリオールとしては、1分子中にウレタン結合を有するポリオールであり、例えば、数平均分子量200~2,000のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等とポリイソシアネートとをNCO/OHが1未満が好ましく、より好ましくは0.9以下で反応させて得られる。
これらポリオール(b)は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。また、 本発明では、上記ポリオール(b)として、その分子中(分子内部や分子末端)にカルボキシル基を有するものを用いてもよい。
<分子内にポリプロピレングリコールから誘導される構造を有するポリイソシアネート化合物(c)>
本発明の無溶剤型接着剤組成物は、分子内にポリプロピレングリコールから誘導される構造を有するポリイソシアネート化合物(c)を含む。ポリイソシアネート化合物が、ポリプロピレングリコールから誘導される構造を有することで、基材への濡れ性向上、及び分離量増加による炭酸ガス発泡抑制により、バリア性が高い基材同士を貼り合せた場合においても、優れた外観とすることが可能となる。これらポリイソシアネート化合物(c)は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
分子内にポリプロピレングリコールから誘導される構造を有するポリイソシアネート化合物(c)としては、公知のポリイソシアネート化合物と、ポリプロピレングリコールとの反応生成物が挙げられる。ポリイソシアネート化合物と、ポリプロピレングリコールとの反応比率は、NCO/OH比が2以上であることが好ましく、ポリプロピレングリコールの分子量は200~3,000であることが好ましい。また、上記反応の際は、ポリプロピレングリコールの他に、さらに、公知のポリオールを併用してもよい。
公知のポリイソシアネート化合物としては、特に限定されず、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族ジイソシアネート;
1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート;
m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-2,6-トリレンジイソシアネート又は2,6-トリレンジイソシアネート若しくはその混合物、4,4’-トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;
1,3-1,4-キシリレンジイソシアネート又は1,4-キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、1,3-ビス(1-イソシアネート-1-メチルエチル)ベンゼン又は1,4-ビス(1-イソシアネート-1-メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物等の芳香族ジイソシアネート;
トリフェニルメタン-4,4’,4’ ’-トリイソシアネート、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、2,4,6-トリイソシアネートトルエン等のトリイソシアネート;4,4’-ジフェニルジメチルメタン-2,2’-5,5’-テトライソシアネート等のテトライソシアネート等のポリイソシアネート単量体;等が挙げられる。
耐熱性の観点からは、脂肪族ジイソシアネートが好ましい。
また、ポリイソシアネート化合物(c)は、さらに、公知のイソシアネート化合物から誘導されるイソシアネート基含有化合物を併用してもよい。前記イソシアネート基含有化合物としては、例えば、前述の公知のイソシアネート化合物と、ポリプロピレングリコール以外の公知のポリオールとの反応生成物や、公知のポリイソシアネート化合物と、ポリプロピレングリコールと、ポリプロピレングリコール以外の公知のポリオールとの反応生成物等が挙げられる。
ポリプロピレングリコール以外の公知のポリオールとしては、分子量200~3,000のポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシアルカン、ひまし油、ポリウレタンポリオール等が好適に用いられる。
これらポリイソシアネート化合物(c)は、接着剤の用途により単独あるいは2種以上の混合物として適宜用いることが出来る。耐熱性の観点からは、脂肪族系のポリイソシアネート化合物が好ましい。
イソシアネート化合物(c)の含有量は、硬化速度の観点から、ポリオール(b)100質量部に対して、1~100質量部含有することが好ましく、より好ましくは50~70質量部である。
<単官能アルコール(d)>
本発明の無溶剤型接着剤組成物は、単官能アルコール(d)を前述のイソシアネート(c)に対して1~45質量%含む。単官能アルコール(d)を所定範囲量含むことで、レトルト耐性後の接着力保持性が向上し、耐酸性の向上の効果を発揮する。これら単官能アルコール(d)は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
単官能アルコール(d)は、特に限定されないが、好ましくは、分子量50以上2,000以下である。上記所定分子量の単官能アルコールとしては、例えば、1-ブタノール、1-プロパノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セタノール、1-ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
これら単官能アルコール(d)の含有量は、ポリイソシアネート(c)に対して1~45質量%であり、レトルト後の接着力維持の観点から、好ましくは5~30質量%であり、より好ましくは10~20質量%である。
<シランカップリング剤>
本発明の無溶剤型接着剤組成物は、耐熱水性を高めるため、さらに、シランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するトリアルコキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するトリアルコキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシジル基を有するトリアルコキシシラン等が挙げられる。シランカップリング剤の添加量は、ポリオール(b)100質量部に対して0.1~10質量部であることが好ましく、0.5~3.0質量部であることがより好ましい。
<リンの酸素酸>
また、本発明の接着剤組成物には、耐酸性を高めるため、さらに、リンの酸素酸又はその誘導体を含有させることができる。リンの酸素酸又はその誘導体の内、リンの酸素酸としては、遊離の酸素酸を少なくとも1個有しているものであればよく、例えば、次亜リン酸、亜リン酸、オルトリン酸、次リン酸等のリン酸類、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、ウルトラリン酸等の縮合リン酸類が挙げられる。また、リンの酸素酸の誘導体としては、上記のリンの酸素酸を遊離の酸素酸を少なくとも1個残した状態でアルコール類と部分的にエステル化されたもの等が挙げられる。これらのアルコールとし(ては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等の脂肪族アルコール、フェノール、キシレノール、ハイドロキノン、カテコール、フロログリシノール等の芳香族アルコール等が挙げられる。リンの酸素酸又はその誘導体は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リンの酸素酸又はその誘導体の添加量は、接着剤の固形分を基準として0.01~10質量%であることが好ましく、0.05~5質量%であることがより好ましく、0.1~1質量%であることが特に好ましい。
<リン酸エポキシ>
さらに、本発明の接着剤は、金属密着性能向上のために、リン酸エポキシを含有させることができる。リン酸エポキシとしては、DSM Resins社製 URAD-DD79が挙げられる。リン酸エポキシの添加量は、接着剤の固形分を基準として、0.01~10質量%であることが好ましく、0.1~1質量%であることが特に好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の接着剤組成物は、さらに、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、防黴剤、増粘剤、可塑剤、顔料、充填剤等の添加剤を必要に応じて含有してもよく、硬化反応を調節するため公知の触媒、添加剤等を含有してもよい。
<無溶剤型接着剤組成物の製造>
本発明の無溶剤型接着剤組成物の製造方法は特に限定されないが、好ましくは、
(メタ)アクリル酸エステルと無水マレイン酸とを共重合させてなる樹脂(a)及び数平均分子量500以上3,000以下のポリオール(b)を含むA成分、並びに、
分子内にポリプロピレングリコールから誘導される構造を有するポリイソシアネート化合物(c)及び単官能アルコール(d)を含むB成分、を混合して得たものである。A成分及びB成分を予め準備しておき、塗工直前に配合して使用することが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルと無水マレイン酸とを共重合させてなる樹脂(a)と、単官能アルコール(d)とを別々に保管すると、両成分の劣化を抑制でき、本願発明の効果を十分に発揮させることができるため、好ましい。
また、接着剤組成物の粘度は、25℃~150℃、好ましくは25℃~100℃で100~10,000mPa・s、好ましくは100~5,000mPa・sである。
本発明の接着剤組成物は、無溶剤型のラミネーターによってフィルム表面に塗布し、接着面を貼り合せ、常温又は加温下に硬化させることにより使用することができる。通常、無溶剤型では塗布量が乾燥固形物量1.0~3.0g/m、の範囲で使用すると好都合である。
<積層体>
本発明の積層体は、上述の無溶剤型接着剤組成物からなる接着剤層が、少なくとも2つのシート状基材の間に積層されたものである。詳細には、本発明の無溶剤接着剤組成物を第1のシート状基材に塗布して接着剤層を形成し、前記接着剤層に第2のシート状基材を重ね合わせ、両シート状基材の間に位置する前記接着剤層を硬化したものである。
シート状基材は、特に限定されず、例えば、従来公知のプラスチックフィルム、紙、金属箔等が挙げられ、2つのシート状基材は、同種のものでも異種のものでも良い。
プラスチックフィルムとしては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のフィルムを用いることができるが、熱可塑性樹脂のフィルムが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、繊維素系プラスチック等が挙げられる。
また、シート状基材は、基材上に、印刷インキをグラビア又はフレキソ印刷して印刷インキ層を設けたものを用いてもよく、印刷インキとしては、制限なく用いることができ、溶剤型、水性型又は活性エネルギー線硬化型インキ等を使用することができる。
積層体の厚さは、通常10μm以上である。本発明の無溶剤型接着剤組成物を用いて、積層体を作製するには、通常用いられている方法、例えば、ラミネーターによって接着剤を一方のシート状基材の片面に塗布し、他方のシート状基材と貼り合わせ、常温若しくは加温下に硬化させれば良い。シート状基材表面に施される接着剤量は1~10g/m程度である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。実施例及び比較例中の部、%は、特に指定がない場合は質量部、質量%を意味する。
<数平均分子量(Mn)の測定方法>
数平均分子量(Mn)の測定は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPCSystem-21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、溶媒としてはテトロヒドロフラン、分子量の決定はポリスチレン換算で行った。
<酸価の測定方法>
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続した。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。
酸価は次の(式1)により求めた。(単位:mgKOH/g)。
(式1)酸価(mgKOH/g)=[{(b-a)×F×28.25}/S]
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
<水酸基価の測定方法>
共栓三角フラスコ中に試料約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。
水酸基価は次の(式2)により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
(式2)水酸基価(mgKOH/g)=[{(b-a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
<無水マレイン酸系共重合体の製造>
(製造例1)(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸共重合体(a-1)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、トルエン200部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ、攪拌しながら110℃まで昇温した。次に、滴下槽1にメタクリル酸メチル90部、アクリル酸ブチル60部、無水マレイン酸150部、トルエン50部を仕込み、滴下槽2に過酸化ベンゾイル9部をトルエン50部に溶解せしめたものを仕込み、夫々同時に2時間かけて反応容器内の温度を110℃に保ちながら、攪拌下に滴下した。反応終了後、室温まで冷却し、大量のメタノールによりポリマーを沈殿、ろ過し、120℃で6時間乾燥し、数平均分子量3,000、酸価488の(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸共重合体(a-1)を得た。
(製造例2)(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸共重合体(a-2)
組成をメタクリル酸メチル90部、アクリル酸ブチル120部、無水マレイン酸90部とした以外は、製造例1と同様に重合、乾燥し、数平均分子量3,500、酸価298の(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸共重合体(a-2)を得た。
(製造例3)(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸共重合体(a-3)
組成をメタクリル酸メチル90部、ヒドロキシエチルアクリレート110部、無水マレイン酸90部、過酸化ベンゾイル6部とした以外は、製造例1と同様に重合、乾燥し、数平均分子量5,000、酸価302の(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸共重合体(a-3)を得た。
(製造例4)スチレン-無水マレイン酸共重合体(a-4)
組成をスチレン150部、無水マレイン酸150部とした以外は、製造例1と同様に重合、乾燥し、数平均分子量2,800、酸価501のスチレン-無水マレイン酸共重合体(a-4)を得た。
<ポリオールの製造>
(製造例5)ポリエステルポリオール(b-1)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、1,6-ヘキサンジオール396部、イソフタル酸109部、アジピン酸287部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら260℃まで昇温した。酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHgで反応を継続し、余剰のアルコールを除去して、水酸基価が57mgKOH/g、数平均分子量約2,000のポリエステルポリオール(b-1)を得た。
(製造例6)ポリエステルポリオール(b-2)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、エチレングリコール59部、ネオペンチルグリコール396部、イソフタル酸121部、アジピン酸321部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら260℃まで昇温した。酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHgで反応を継続し、余剰のアルコールを除去して、水酸基価が56mgKOH/g、数平均分子量約2,000のポリエステルポリオール(b-2)を得た。
(製造例7)ポリエステルポリオール(b-3)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、1,6-ヘキサンジオール396部、イソフタル酸214部、アジピン酸188部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら260℃まで昇温した。酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHgで反応を継続し、余剰のアルコールを除去して、水酸基価が57mgKOH/g、数平均分子量約2,000のポリエステルポリオール(b-3)を得た。
(製造例8)ポリエステルポリオール(b-4)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、1,6-ヘキサンジオール500部、イソフタル酸140部、アジピン酸131部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら260℃まで昇温した。酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHgで反応を継続し、余剰のアルコールを除去して、水酸基価が224mgKOH/g、数平均分子量約500のポリエステルポリオール(b-4)を得た。
(製造例9)ポリエステルポリオール(b-5)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、1,6-ヘキサンジオール390部、イソフタル酸111部、アジピン酸292部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら260℃まで昇温した。酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHgで反応を継続し、余剰のアルコールを除去して、水酸基価が38mgKOH/g、数平均分子量約3,000のポリエステルポリオール(b-5)を得た
(製造例10)ポリエステルポリオール(b-6)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、1,6-ヘキサンジオール555部、イソフタル酸130部、アジピン酸114部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら260℃まで昇温した。酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHgで反応を継続し、余剰のアルコールを除去して、水酸基価が289mgKOH/g、数平均分子量約400のポリエステルポリオール(b-6)を得た。
(製造例11)ポリエステルポリオール(b-7)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、1,6-ヘキサンジオール380部、イソフタル酸113部、アジピン酸299部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら260℃まで昇温した。酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHgで反応を継続し、余剰のアルコールを除去して、水酸基価が28mgKOH/g、数平均分子量約4,000のポリエステルポリオール(b-7)を得た。
<分子内にポリプロピレングリコールから誘導される構造を有するイソシアネート化合物の製造>
(製造例12)ポリイソシアネート(c-1)
ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体(製品名:バナソートHB-100、BASF社製)209.8部、数平均分子量約400のポリプロピレングリコール10 部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら90℃で4時間反応を行い、分子内にポリプロピレングリコールから誘導される構造を有するポリイソシアネート化合物(c-1)を得た。
(製造例13)ポリイソシアネート(c-2)
ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体(製品名:バナソートHI-100、BASF社製)209.8部、数平均分子量約2,000のポリプロピレングリコール42 部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら90℃で4時間反応を行い、分子内にポリプロピレングリコールから誘導される構造を有するポリイソシアネート化合物(c-2)を得た。
(製造例14)ポリイソシアネート(c-3)
m-キシリレン ジイソシアナート(製品名:タケネート500、三井化学社製)210部、製造例10で得た数平均分子量400のポリエステルポリオール20部、数平均分子量約2,000のポリプロピレングリコール50部を反応容器に仕込み、窒素ガス気流下で攪拌しながら90℃で4時間反応を行い、分子内にポリプロピレングリコールから誘導される構造を有するポリイソシアネート化合物(c-3)を得た。
(製造例15)ポリイソシアネート(c-4)
ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体(製品名:バナソートHB-100、BASF社製)209.8部、製造例10で得た数平均分子量400のポリエステルポリオール(b-6)10部 を反応容器に仕込み、窒素 ガス気流下で攪拌しながら90℃で4時間反応を行い、分子内にポリプロピレングリコールから誘導される構造を有しないポリイソシアネート化合物(c-4)を得た。
<無溶剤型接着剤組成物の製造>
[実施例1]
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、(メタ)アクリル酸エステル-無水マレイン酸共重合体(a-1)5.0部、及びポリエステルポリオール(b-1)100部を、窒素ガス気流化で攪拌しながら78℃まで昇温し1時間保持し、室温まで冷却後、シランカップリング剤(γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)0.9部を混合して、A成分を得た。
一方、ポリイソシアネート(c-1)70部に、単官能アルコールであるポリオキシプロピレンアルキルエーテル(d-2)(日油社製『ユニルーブMB-38』、理論水酸基価28mgKOH/g、数平均分子量約2,000)5部を、窒素ガス気流化で攪拌しながら常温で撹拌、混合して、B成分を得た。
A成分とB成分とを配合して、無溶剤型接着剤組成物を調整した。
[実施例2~7、比較例1~7]
表1記載の材料及び配合量を用いた以外は、実施例1と同様の操作により、無溶剤型接着剤組成物を得た。
<無溶剤接着剤組成物の評価>
得られた無溶剤型接着剤組成物について、以下の評価を実施した。結果を表1に示す。
(積層体の作製)
無溶剤テストコーターを用いて、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルム)に、得られた無溶剤型接着剤組成物を、温度80℃、塗工速度200m/分、固形分塗布量3.0g/mにて塗布し、厚み9μmアルミニウム箔(以下、AL箔)と張り合わせた。さらに、得られた積層体のAl箔面上に、先程と同様にして、無溶剤型接着剤組成物を塗布し、塗布面を、厚み70μmで表面コロナ放電処理をした未延伸ポリプロピレンフィルム(以下、CPPフィルム)と貼り合せて、40℃で3日間保温し、PETフィルム/接着剤層/AL箔/接着剤層/CPPフィルムの構成である積層体を得た。
(ラミネート強度試験)
得られた積層体から、15mm×300mmの大きさの試験片を切り出し、引張り試験機を用い、温度20℃、相対湿度65%の条件下で、T型剥離により、剥離速度30cm/分で、PETフィルム/AL箔間、及びAL箔/CPPフィルム間のラミネート強度(N/15mm)を測定した。
また、得られた積層体を、(株)日阪製作所製「RCS-40RTGN」高温高圧調理殺菌試験機により、3r.p.m.、135℃、30分間、3MPaの加圧下で熱水殺菌(レトルト処理)を行った後、15mm×300mmの大きさの試験片を切り出し、前述の評価条件と同様にしてラミネート強度を測定した。
(PET/AL箔 間の外観(積層体の界面状態))
得られた積層体について、PET側から、PET/AL箔 間の外観を目視観察し、以下の基準にて評価した。
◎:ゆず肌状の模様や小さな斑点状の模様が観察されない(非常に良好)
○:小さな斑点状の模様やゆず肌状の模様が多少観察される(良好)
△:ゆず肌状の模様があり、小さな斑点状の模様が多少観察される(使用可能)
×:ゆず肌状の模様があり、小さな斑点状の模様が多数観察される(使用不可)
(耐酸性試験)
得られた積層体を用いて、未延伸ポリプロピレンが内側となるように9cm×13cmの大きさのパウチを4つずつ作製し、内容物として3%酢酸水溶液/ケチャップ/サラダ油=1/1/1の質量比で混合したものを充填した。
4つ作製した内の2つは、レトルト処理を行わずにそのまま、50℃で2週間保存後、又は50℃で4週間保存後の、AL箔/CPPフィルム間の剥離状態を目視で観察した。また、前述の評価条件と同様にしてラミネート強度を測定した。
残る2つは、(株)日阪製作所製「RCS-40RTGN」高温高圧調理殺菌試験機により、3r.p.m.、135℃、30分間、3MPaの加圧下で熱水殺菌(レトルト処理)を行った後、50℃で2週間保存後、又は50℃で4週間保存後の、AL箔/CPPフィルム間の剥離状態を目視で観察した。また、前述の評価条件と同様にしてラミネート強度を測定した。
剥離状態及び、前述のラミネート強度試験におけるレトルト前のAL箔/CPPフィルム間のラミネート強度に対する変化から、下記基準で評価を行った。
◎:剥離なし ラミネート強度低下なし(非常に良好)
○:剥離なし ラミネート強度低下あり(良好)
△:部分的に剥離あり(使用可能)
×:全面に剥離あり(使用不可)
Figure 0007230445000001
表1中の略称を以下に示す。
MMA:メタクリル酸メチル
BA:アクリル酸ブチル
St:スチレン
HEA:ヒドロキシヘチルアクリレート
1,6-HD:1,6ヘキサンジオール
IPA:イソフタル酸
AJA:アジピン酸
EG:エチレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
PPG:プロピレングリコール
XDI:m-キシリレンジイソシアネート
表1に示すように、本発明の無溶剤型接着剤組成物から得られた積層体は、硬化時に空気中の水分の影響を受け難く作業性が良好であり、接着性、及び耐酸性に優れ、且つポリエステルフィルム/アルミニウム箔といったバリア性が高い基材同士を貼り合せた場合においても外観が良好であることが示された。
特に、樹脂(a)の酸価が400~600mg/KOHである場合、又は樹脂(a)の添加量がポリオール(b)に対して1~5質量%である場合に、優れた耐酸性を示した。また、ポリオール(b)の数平均分子量が1,500~2,500である場合に、優れた耐酸性と接着力とを示した。また、単官能アルコール(d)の含有量が、ポリイソシアネート(c)に対して10~20質量%である場合に、優れた接着力を示した。
特に、上記を兼ね備え、さらに、最適なポリエステルポリオール構造を有するた実施例6は、接着性、耐酸性、及び外観が特に優れていた。

Claims (5)

  1. (メタ)アクリル酸エステルと無水マレイン酸とを共重合させてなる樹脂(a)、数平均分子量500以上3,000以下のポリオール(b)、分子内にポリプロピレングリコールから誘導される構造を有するポリイソシアネート化合物(c)、及び単官能アルコール(d)を含有し、
    前記ポリイソシアネート化合物(c)が、脂肪族ポリイソシアネート化合物とポリプロピレングリコールとの反応生成物であり、
    前記樹脂(a)の含有量が、前記ポリオール(b)に対して0.1~10質量%であり、
    前記単官能アルコール(d)の含有量が、前記イソシアネート(c)に対して、1~45質量%である、無溶剤型接着剤組成物。
  2. 前記単官能アルコール(d)の分子量が、50以上2,000以下である、請求項1に記載の無溶剤型接着剤組成物。
  3. さらに、シランカップリング剤を含有し、シランカップリング剤の含有量が、前記樹脂(a)及びポリオール(b)の合計量に対して、0.1~10質量%である、請求項1又は2に記載の無溶剤型接着剤組成物。
  4. 請求項1~3いずれか1項に記載の無溶剤型接着剤組成物からなる接着剤層が、少なくとも2つのシート状基材の間に積層された積層体。
  5. 請求項1~3いずれか1項に記載の無溶剤型接着剤組成物からなる接着剤層が、ポリエステル基材と金属層含有基材との間に積層された積層体。
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