JP2011158569A - 液体現像剤、液体現像装置及び湿式画像形成装置 - Google Patents

液体現像剤、液体現像装置及び湿式画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】湿式現像法において、微細な粒子径のトナーを用いて高解像度・高画質な画像を実現しつつ、カブリを抑制することを課題とする。
【解決手段】感光体ドラム10の表面を帯電させる帯電装置11と、帯電された感光体ドラム10の表面に静電潜像を形成させる露光装置12と、電気絶縁性のキャリア液とキャリア液中に分散されたトナー粒子とを有する液体現像剤を用いて感光体ドラム10の表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する液体現像装置14と、現像されたトナー像を記録媒体に転写する一次転写ローラ20及び二次転写部4とを備える湿式画像形成装置1Aにおいて、前記液体現像剤として、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmであり、電気伝導度が0.01〜10pS/cmである液体現像剤を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、又はこれらの機能を併せ持つ複合機等に採用され得る電子写真方式の1つである湿式現像法の技術分野に属する。
一般に、結着樹脂と着色剤とを主要成分とする着色剤粒子(トナー)を用いる電子写真方式は、現像剤の形態により、乾式現像法と湿式現像法とに大別される。
乾式現像法では、トナーと磁性キャリアとを混合した乾式現像剤が用いられる。乾式現像剤は、トナーが大気中に逃散して浮遊する可能性があるため、微細なトナーを用いることができない。乾式現像剤のトナーの平均粒子径(体積基準の中位径(D50))は通常5μm以上である。このように乾式現像法ではトナーの粒子径が比較的大きいので、高解像度で階調性に優れた高画質な画像を得ることが難しい。
これに対し、湿式現像法では、電気絶縁性のキャリア液中に、トナーや分散安定剤等を分散させた液体現像剤が用いられる。帯電したトナーは、電気泳動の原理により現像ローラ表面から感光体ドラム表面に移動し、感光体ドラム表面の静電潜像をトナー像として顕像化する。液体現像剤は、トナーが大気中に逃散する可能性がないため、微細なトナーを用いることができる。液体現像剤では、平均粒子径がサブミクロンサイズのトナーも使用可能である。このように湿式現像法ではトナーの粒子径が比較的小さいので、高解像度で階調性に優れた高画質な画像を得ることができる。
さらに、液体現像剤を用いる湿式現像法は、乾式現像剤を用いる乾式現像法に比べて、少量のトナーで十分な画像濃度が得られるので経済的である、オフセット印刷並みの質感が達成される、質量が重い磁性キャリアを用いないので高速プリントに対応できる、省エネルギー性に優れる等の利点を有する。
特許文献1には、液体現像剤に分散安定剤や帯電制御剤等のイオン性化合物を添加したときの電気伝導度が数10〜数100ps/cm程度であり、再生キャリア液のイオン性化合物の除去が十分でないと、再生キャリア液を液体現像剤に再利用したときにトナーの荷電特性・電気泳動特性が影響を受けて現像画像が劣化するので、その問題に対処する技術が開示されている。
特開2004−117772号公報(段落0040)
近年、電子写真方式に対する高解像度・高画質の要求が増している。電子写真方式でオフセット印刷と同程度又はそれ以上の高解像度・高画質な画像を得るためには、粒子径が比較的小さいトナーを用いる湿式現像法によるのが好ましい。しかし、湿式現像法ではトナーの粒子径が小さくなるほどカブリが発生し易いことがわかった。これは、トナーの粒子径が小さくなるほど、現像ローラ表面から感光体ドラム表面までの絶対的な距離は変わらないが、現像ローラ表面から感光体ドラム表面までのトナーの相対的な泳動距離が長くなり、また、電気泳動中にトナー粒子がキャリア液から受ける粘性抵抗力が大きくなり、その結果、現像ローラ表面から感光体ドラム表面までのトナーの泳動時間が長くなることが影響しているものと考えられる。したがって、湿式現像法で高解像度・高画質な画像を得るためにトナーの粒子径を微細化することと、カブリを抑制することとは、両立が困難であった。
そこで、本発明は、湿式現像法において、微細な粒子径のトナーを用いて高解像度・高画質な画像を実現しつつ、カブリを抑制することを課題とする。
本発明の一局面は、電気絶縁性のキャリア液とキャリア液中に分散されたトナー粒子とを有する液体現像剤であって、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmであり、電気伝導度が0.01〜10pS/cmである液体現像剤である。ここで、体積基準の中位径(D50)とは、粒度分布が求められている1群の粒子の全体積を100%として累積カーブを求めたときの累積カーブが50%となる点の粒子径をいう。
本発明の他の局面は、電気絶縁性のキャリア液とキャリア液中に分散されたトナー粒子とを有する液体現像剤を用いて感光体ドラムの表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する液体現像装置であって、前記液体現像剤として、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmであり、電気伝導度が0.01〜10pS/cmである液体現像剤を用いる液体現像装置である。
本発明のさらに他の局面は、感光体ドラムの表面を帯電させる帯電装置と、帯電された感光体ドラムの表面に静電潜像を形成させる露光装置と、電気絶縁性のキャリア液とキャリア液中に分散されたトナー粒子とを有する液体現像剤を用いて感光体ドラムの表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する液体現像装置と、現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置とを備える湿式画像形成装置であって、前記液体現像剤として、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmであり、電気伝導度が0.01〜10pS/cmである液体現像剤を用いる湿式画像形成装置である。
本発明によれば、電気絶縁性のキャリア液とキャリア液中に分散されたトナー粒子とを有する液体現像剤を用いる湿式現像法において、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmと微細であるから、微細な粒子径のトナーを用いて高解像度・高画質な画像を得ることができ、かつ、液体現像剤の電気伝導度が0.01〜10pS/cmと極小であるから、液体現像剤中の分散安定剤や帯電制御剤に由来するイオンの濃度が減り、帯電したトナーの電荷が液体現像剤中のイオンに奪われる事象や、液体現像剤中のイオンがトナーより優先して帯電する事象が減って、カブリを抑制することができる。
本発明に係る液体現像剤、液体現像装置及び湿式画像形成装置によれば、湿式現像法において、高解像度・高画質な画像の実現と、カブリの抑制とを両立することができる。
本発明の実施形態に係る湿式画像形成装置の概略構成図である。 図1に示される湿式画像形成装置が備える液体現像装置の周辺の概略構成図である。
従来、液体現像剤を用いる湿式現像法は、乾式現像剤を用いる乾式現像法と異なり、トナーの帯電機構が接触帯電ではないので、逆極性に帯電したトナーが存在せず、カブリは理論上発生しないと考えられがちである。しかし、湿式現像法においてもカブリは現実に発生する。特に、トナーの粒子径が小さくなるほど、現像ローラ表面から感光体ドラム表面までのトナーの泳動距離が長くなり、電気泳動中にトナー粒子がキャリア液から受ける粘性抵抗力が大きくなり、その結果、現像ローラ表面から感光体ドラム表面までのトナーの泳動時間が長くなることに起因してか、カブリが発生し易くなる。したがって、湿式現像法で高解像度・高画質な画像を得るためにトナーの粒子径を微細化することと、カブリを抑制することとは、両立が困難であった。
液体現像剤による画像形成性能(現像性)に関して液体現像剤の電気伝導度が支配因子の1つであると考えられる。本発明者等は、液体現像剤の電気伝導度を10pS/cm以下に制限することによってカブリを抑制できることを見出した。その結果、平均粒子径がサブミクロンサイズのトナーを用いて高解像度で高画質な画像を安定して良好に得ることができるようになった。その作用機序は必ずしも明らかではないが、液体現像剤に含まれる分散安定剤や帯電制御剤に由来するイオンがトナーより優先して帯電する事象が減るからではないか、あるいは、液体現像剤に含まれる分散安定剤や帯電制御剤に由来するイオンが帯電したトナーの電荷を奪い、十分な帯電量を持たないトナー粒子が発生し、該トナー粒子が現像領域で電界に支配されずにキャリア液中で漂って非画像部に付着することでカブリとなる事象が減るからではないかと考察される。そして、特に、湿式現像法でトナーの粒子径が小さくなると、トナーが現像ローラ表面から感光体ドラム表面に到達するまでの泳動時間が長くなり、トナーが液体現像剤中のイオンと接触する頻度が増えて電荷を奪われる可能性が大きくなるが、そのような場合に、液体現像剤の電気伝導度を10pS/cm以下と極小とすることによって、帯電したトナーの電荷が液体現像剤中のイオンに奪われる事象を減らすことができ、結果的に、湿式現像法において、高解像度・高画質な画像の実現と、カブリの抑制とを両立させることができる。
すなわち、本実施形態に係る液体現像剤は、電気絶縁性のキャリア液とキャリア液中に分散されたトナー粒子とを有する液体現像剤であって、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmであり、液体現像剤の電気伝導度が0.01〜10pS/cmである液体現像剤である。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmと微細であるから、微細な粒子径のトナーを用いて高解像度・高画質な画像を得ることができる。また、液体現像剤の電気伝導度が10pS/cm以下と極小であるから、液体現像剤中の分散安定剤や帯電制御剤に由来するイオンの濃度が減り、帯電したトナーの電荷が液体現像剤中のイオンに奪われる事象や、液体現像剤中のイオンがトナーより優先して帯電する事象が減って、カブリを抑制することができる。よって、湿式現像法において、高解像度・高画質な画像の実現と、カブリの抑制とが両立することが可能となった。
<液体現像装置及び湿式画像形成装置>
まず、図面を参照して、本実施形態に係る液体現像装置及び湿式画像形成装置を説明する。なお、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」、「右」等の方向を表す用語は、単に説明の明瞭化を目的とするものであり、何ら本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いられる「シート」との用語は、例えば、コピー用紙、トレーシングペーパ、厚紙、OHPシート、画像を形成することが可能なその他の記録媒体を意味する。
図1は、本実施形態に係る湿式画像形成装置の概略構成図であり、図2は、図1に示される湿式画像形成装置が備える液体現像装置の周辺の概略構成図である。なお、本実施形態に係る湿式画像形成装置はカラープリンタであるが、例えば、モノクロプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、これらの機能を併せ持つ複合機、シート上に画像を形成することができるその他の装置とすることもできる。
図1に示されるように、本実施形態に係る湿式画像形成装置1Aは、画像形成のための様々なユニットや部品を収納している。画像形成装置1Aは、図1に示された部分の下部に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色用の液体現像剤循環装置をさらに収納しているが、ここではその図示を省略している。
湿式画像形成装置1Aは、画像データに基いてトナー像を形成するタンデム式の画像形成部2と、シートを収容するシート収容部3と、画像形成部2で形成されたトナー像をシート上に転写する二次転写部4と、転写されたトナー像をシート上に定着させる定着部5と、定着の完了したシートを機外に排出する排出部6と、シート収容部3から排出部6までシートを搬送するシート搬送部7とを備えている。
画像形成部2は、中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21のクリーニング部22と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色にそれぞれ対応した画像形成ユニットFY、FM、FC、FBとを備える。
中間転写ベルト21は、導電性を有する、幅広の、無端状のベルト部材であり、図1において時計回りに循環駆動される。中間転写ベルト21の循環駆動において外側を向く面を「表面」と記し、内側を向く面を「裏面」と記す。
画像形成ユニットFY、FM、FC、FBは、中間転写ベルト21の下側走行面に沿って並べて配置されている。なお、画像形成ユニットFY、FM、FC、FBの配置の順番は図示された限りではないが、図1に示された配置は、各色の混色による完成画像への影響を少なくする観点から好ましい配置の1つである。
画像形成ユニットFY、FM、FC、FBは、感光体ドラム10と、帯電装置11と、LED露光装置12と、液体現像装置14と、一次転写ローラ20と、クリーニング装置26と、除電装置13と、キャリア液除去ローラ30とを備える。なお、画像形成ユニットのうち、最も二次転写部4に近接して位置するブラックの画像形成ユニットFBには、キャリア液除去ローラ30が設けられていないが、その他の構成は同じである。
円柱状の感光体ドラム10の表面(周面)は、帯電(本実施形態ではプラス極性に帯電)されたトナーを含むトナー像を担持可能である。図示される感光体ドラム10は、反時計回りに回転可能である。
帯電装置11は、感光体ドラム10の表面を一様に帯電させる。
LED露光装置12は、LEDを光源として有し、外部の機器から入力された画像データに基いて、一様に帯電された感光体ドラム10の表面に光を照射する。これにより、感光体ドラム10の表面に、画像データに基いた静電潜像を形成する。
液体現像装置14は、電気絶縁性のキャリア液とキャリア液中に分散されたトナー粒子とを有する液体現像剤を、感光体ドラム10の表面に形成された静電潜像に対向するように保持する。これにより、静電潜像にトナーを付着させ、静電潜像をトナー像として現像する。
図2に示されるように、液体現像装置14は、現像容器140、現像ローラ141、供給ローラ(アニロックスローラ)142、支持ローラ143、供給ローラブレード144、現像クリーニングブレード145、現像剤回収装置146及び現像ローラ帯電装置147を含む。
現像容器140は、その内部に、液体現像剤が供給され、液体現像剤を貯留する。液体現像剤は、トナーとキャリア液との濃度調整が予め行われた後、供給ノズル278から現像容器140の内部へ供給される。その場合、液体現像剤は、供給ローラ142と支持ローラ143とのニップ部へ向けて供給され、余剰分は支持ローラ143の下方へ落下し、現像容器140の底部に貯留される。貯留された液体現像剤は、パイプ82を通して回収された後、再生・再利用される。
支持ローラ143は現像容器140の略中央に配置され、供給ローラ142に下方から当接されてニップ部を形成する。供給ローラ142は、支持ローラ143の直上ではなく、供給ノズル278から離れる方向にずれて配置される。供給ローラ142の周面には液体現像剤を保持するための溝が設けられる。図中に点線矢印で示すように、支持ローラ143は反時計方向に、供給ローラ142は時計方向に回転する。
供給ノズル278から供給される液体現像剤は、供給ローラ142と支持ローラ143とのニップ部の支持ローラ143の回転方向上流側で一時的に滞留され、両ローラ142,143の回転に伴って、供給ローラ142の溝に保持された状態で上方へ運ばれる。供給ローラブレード144は、供給ローラ142の周面に圧接され、供給ローラ142の溝に保持される液体現像剤の量が所定量になるように規制する。供給ローラブレード144により掻き落とされた余剰の液体現像剤は、現像容器140の底部に貯留される。
現像ローラ141は、現像容器140の上部開口部に、供給ローラ142と接するように配置される。現像ローラ141は供給ローラ142と同方向に回転される。この結果、現像ローラ141と供給ローラ142とが当接するニップ部では、現像ローラ141の表面は供給ローラ142の表面と逆方向に移動する。これにより、現像ローラ141の周面には、供給ローラ142の周面に保持された液体現像剤が受け渡される。供給ローラ142の溝に保持される液体現像剤の量(液体現像剤の薄層の厚み)が所定値に規制されているので、現像ローラ141の表面に担持される液体現像剤の量(液体現像剤の薄層の厚み)もまた所定値に保たれる。
現像ローラ帯電装置147は、トナーの帯電極性と同極性のバイアス電位(本実施形態ではプラス極性のバイアス電位)を現像ローラ141に外表面側から与えること(現像コロナチャージ)により、現像ローラ141の表面に担持された液体現像剤の薄層中のトナー粒子を現像ローラ141の表面側に移動させる。この結果、液体現像剤の薄層中のトナー成分が電界的作用により現像ローラ141側に集合・圧縮され(トナーコンパクション処理)、現像ローラ141側に高濃度のトナー成分の層が形成される。この後、液体現像剤の薄層は、感光体ドラム10に供給されて、感光体ドラム10上の静電潜像が現像される。これにより、現像効率が向上された、精細なトナー像が形成される。現像ローラ帯電装置147は、現像ローラ141と供給ローラ142との間の接触部よりも現像ローラ141の回転方向下流側であって、現像ローラ141と感光体ドラム10との間の接触部よりも現像ローラ141の回転方向上流側において、現像ローラ141の周面に対向するように設けられる。つまり、現像ローラ帯電装置147は、現像コロナチャージによって電界を発生させる。これにより、現像ローラ141上の液体現像剤の薄層が、現像ローラ141表面上のトナー粒子層と、トナー粒子層上のキャリア液層とに2層化する。現像領域(現像ローラ141と感光体ドラム10との対接領域及びその周辺領域)においては、現像ローラ141上の液体現像剤の薄層がこのように2層化した状態で感光体ドラム10表面に接触する。このとき、現像ローラ141側に集合・圧縮されたトナーが電気泳動の原理により現像ローラ141表面から感光体ドラム10表面に移動し、感光体ドラム10表面の静電潜像をトナー像として顕像化する。現像ローラ帯電装置147による現像コロナチャージによって、現像前に、現像ローラ141上の液体現像剤の薄層内のトナー粒子が現像ローラ141の表面上に圧縮されているので、感光体ドラム10上の非画像域においては、トナーが接触しないため、カブリを抑制することができる。また、現像コロナチャージによる電界形成によって、現像ローラ141上の液体現像剤の薄層内のトナー粒子に電荷が注入されるので、現像電界によってトナーが感光体ドラム10上の静電潜像上に反応よく現像されるとともに、感光体ドラム10の表面上にトナーが静電気的に強固に付着する。
現像ローラ141は感光体ドラム10と接し、感光体ドラム10の表面の静電潜像の電位と現像ローラ141に印加される現像電界との電位差によって、画像データに基いたトナー像が感光体ドラム10の表面に形成される。
現像クリーニングブレード145は、現像ローラ141の感光体ドラム10との接触部の回転方向下流側に接触するように配置され、感光体ドラム10への現像動作を終えた現像ローラ141の表面の液体現像剤を除去する。
現像剤回収装置146は、現像クリーニングブレード145で除去された液体現像剤を回収して、液体現像剤循環装置のパイプ81へ液体現像剤を送り出す。液体現像剤は現像クリーニングブレード145の表面に沿って流下するが、液体現像剤の粘度が高いことから、現像剤回収装置146には液体現像剤の送り出しを補助する送り出しローラが備えられている。
一次転写ローラ20は、中間転写ベルト21の裏面に、感光体ドラム10と対向して配置される。一次転写ローラ20には、電源(図示せず)からトナー像中のトナーとは逆極性(本実施形態ではマイナス)の電圧を印加される。一次転写ローラ20は、中間転写ベルト21と接触している位置で、中間転写ベルト21にトナーと逆極性の電圧を印加する。中間転写ベルト21は導電性を有するので、この印加電圧によって、中間転写ベルト21の表面側及びその周辺にトナーが引き付けられる。中間転写ベルト21は、トナー像を担持して、シートまで搬送する像担持体として機能する。
クリーニング装置26は、感光体ドラム10から中間転写ベルト21に転写されずに残留した液体現像剤をクリーニングするための装置である。クリーニング装置26は、残留現像剤搬送スクリュー261と、クリーニングブレード262とを備える。クリーニング装置26内に配置される残留現像剤搬送スクリュー261は、クリーニングブレード262によって掻き取られ、クリーニング装置26内に収納された残留現像剤をクリーニング装置26の外部に搬送する。
板状のクリーニングブレード262は、感光体ドラム10の表面に残留した液体現像剤を掻き取るように、感光体ドラム10の回転軸方向に延びる。クリーニングブレード262の一端部は、感光体ドラム10の表面に摺接し、感光体ドラム10の回転に伴って感光体ドラム10上に残留した液体現像剤を掻き取る。
除電装置13は、除電用の光源を有し、次の周回による画像形成に備えて、クリーニングブレード262による液体現像剤の除去後、感光体ドラム10の表面を光源からの光によって除電する。
略円柱状のキャリア液除去ローラ30は、感光体ドラム10の回転軸と平行な回転軸を中心として感光体ドラム10と同方向に回転可能である。キャリア液除去ローラ30は、感光体ドラム10と中間転写ベルト21とが接触する位置よりも二次転写部4が配置されている側に配置されており、中間転写ベルト21の表面からキャリア液を除去する。
図1に示されるシート収容部3は、トナー像を定着させるシートを収容する。シート収容部3は、湿式画像形成装置1Aの下部に配置される。また、シート収容部3は、シートを収容可能に形成された給紙カセット(図示せず)を含む。
二次転写部4は、中間転写ベルト21上に形成されたトナー像をシートに転写する。二次転写部4は、中間転写ベルト21を支持する支持ローラ41と、支持ローラ41に対向して配置された二次転写ローラ42とを有する。
二次転写部4の上側に配置される定着部5は、シートにトナー像を定着させる。定着部5は、加熱ローラ51と、加熱ローラ51に対向して配置された加圧ローラ52とを有する。
湿式画像形成装置1Aの上面に設けられた排出部6には、定着部5でトナー像が定着されたシートが排出される。シート搬送部7は、複数の搬送ローラ対を備え、シート収容部3から、二次転写部4及び定着部5を経て、排出部6までシートを搬送する。
<液体現像剤>
本実施形態に係る液体現像剤は、基本的構成として、電気絶縁性のキャリア液中にトナー粒子が分散された構成である。
[キャリア液]
電気絶縁性のキャリア液は液体キャリアの役割を果たし、得られる液体現像剤の電気絶縁性を高めることを目的として用いられる。電気絶縁性のキャリア液としては、電気絶縁性を有するものであって、例えば、25℃における体積抵抗が1011Ω・cm以上(換言すれば電気伝導度が10pS/cm以下)の有機溶媒が好ましい。このような電気絶縁性の有機溶媒としては常温で液体の脂肪族炭化水素が挙げられ、例えば液状のn−パラフィン系炭化水素、iso−パラフィン系炭化水素、またはその混合物、ハロゲン化脂肪族炭化水素等が好ましい。具体的には、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、パークロロエチレン、トリクロロエタン等が挙げられる。また、分岐鎖を有する脂肪族炭化水素が特に好ましい。分岐鎖を有する脂肪族炭化水素としては市販のものを用いてもよく、例えばエクソンモービル社製のアイソパーG、アイソパーH、アイソパーK、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV等が好適である。また、松村石油研究所社製の流動パラフィン「モレスコホワイトP−70」、「モレスコホワイトP−200」等も好ましく用いられ得る。
[トナー]
トナーは、結着樹脂と着色剤とを主要成分(トナー原料)とする。
(結着樹脂)
結着樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等。)、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂等。)、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂;等が挙げられる。なお、結着樹脂は、帯電制御樹脂を含んでもよい。
(着色剤)
着色剤としては、公知の顔料や染料を用いることができる。例えば黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物などが挙げられる。黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどが挙げられる。橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKなどが挙げられる。赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどが挙げられる。紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどが挙げられる。青色顔料としては、C.I.Pigment Blue 15:3、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCなどが挙げられる。緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキなどが挙げられる。着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましい。
[その他の添加剤]
本発明の液体現像剤は、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、分散安定剤等が挙げられる。
分散安定剤は、トナーを絶縁性有機溶媒中に分散しやすくするものである。分散安定剤としては、市販のものを用いることができる。例えば、ビックケミー社製のBYK−116などが好適である。ルーブリゾール社製のソルスパース9000、11200、13940、16000、17000、18000や、ISP社製のAntaron(登録商標)V−216、V−220等も好ましく用いられ得る。これらのうち、液体現像剤の電気伝導度が高くなるのを抑制する観点から、液体現像剤中でイオンを発生しない分散安定剤又はイオンの発生量が可及的に少ない分散安定剤が好ましい。そのような分散安定剤としては、例えばノニオン系の分散安定剤が挙げられる。
[製造方法]
本実施形態に係る液体現像剤の製造方法は、トナー原料を混練してトナー粒子を作製する工程(混練工程)と、得られたトナー粒子を電気絶縁性のキャリア液中に分散する工程(分散工程)とを有する。
混練工程では、結着樹脂や着色剤等のトナー原料(主要成分)と、必要に応じて含有されるこれら以外の添加剤を混練してトナーを作製する。混練する際は、例えば60〜100℃の温度にて加温混練するのが好ましい。また、混練工程で得られるトナー(トナー混練物)は、冷却した後、カッターミルなどを用いて粗粉砕し、さらにジェットミルなどを用いて微粉砕するのが好ましい(混練粉砕法)。
こうして得られたトナーを用いて、公知の方法により液体現像剤を調製する。すなわち、分散工程では、トナー粒子と電気絶縁性のキャリア液とを例えばボールミルやサンドグラインダーあるいはダイノーミル(シンマルエンタープライズ社製)等の分散機で混合して、トナー粒子が電気絶縁性のキャリア液に分散した液体現像剤を得る。配合割合は、トナー100質量部に対してキャリア液の配合量は100〜1000質量部が好ましく、200〜400質量部がより好ましい。なお、トナー粒子とキャリア液とを混合する際に、分散安定剤を添加してもよい。この場合、トナー100質量部に対して分散安定剤の配合量は0.01〜90質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
この分散工程における湿式分散・湿式粉砕により、トナー粒子が微細に粉砕される。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmとなるように、好ましくは0.2〜0.4μmとなるように、湿式分散・湿式粉砕の時間や回転数等の分散条件・粉砕条件を調製する。湿式分散・湿式粉砕の時間が過度に短いと、あるいは回転数が過度に少ないと、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.8μmを超え、解像度に劣ることになる。一方、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2μm未満であると、トナーの泳動時間が長くなり過ぎ、カブリが多く発生することになる。
また、得られた液体現像剤を遠心分離し、上澄み層を除去し、除去した量と同じ量の新しいキャリア液を加えることにより、液体現像剤に含まれるイオンの濃度を低減(調節)でき、その結果、液体現像剤の電気伝導度を10pS/cm以下に低下させる(調節する)ことができる。あるいは、得られた液体現像剤を、分液ロートを用いて、同量のイオン交換水と混合・攪拌し、静置して水層と油層とに分離させた後、油層を減圧乾燥することにより、油層である液体現像剤に含まれるイオンの濃度を低減(調節)でき、結果的に、液体現像剤の電気伝導度を10pS/cm以下に低下させる(調節する)ことができる。
液体現像剤の電気伝導度が10pS/cm以下となるまで、好ましくは1pS/cm以下となるまで、より好ましくは0.02pS/cm以下となるまで、上記の遠心分離後の上澄み層を新しいキャリア液と交換する操作を複数回繰り返してもよい。液体現像剤の電気伝導度が10pS/cmを超えると、カブリ濃度が高くなり、画質が総合的に不良となる。電気伝導度は、可能であれば、零(ゼロ)としてもよい。ただし、液体現像剤の電気伝導度の下限値は0.01pS/cmで十分である。液体現像剤の電気伝導度を0.01pS/cm未満まで低下させてもよいが、液体現像剤の電気伝導度を0.01pS/cm未満まで低下させるために遠心分離等を行うために必要な時間が過度に長くなる。液体現像剤のイオン濃度は、その他の周知の技法、例えばイオン吸着の技法等を用いて低減しても構わない。
以下、実施例を通して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
<液体現像剤の作成>
(液体現像剤1)
通常の混練粉砕法により、60質量部の結着樹脂(藤倉化成社製のスチレン−アクリル樹脂「FCA207P」)に対して、40質量部の青色顔料(C.I.Pigment Blue 15:3)を含有するトナー粒子を作成した。作成したトナー粒子は正帯電性であり、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は7μmであった。このトナー粒子20質量部を、電気絶縁性のキャリア液としての流動パラフィン「モレスコホワイトP−70」(松村石油研究所社製)64質量部に加え、さらに分散安定剤としての「Antaron V−216」(ISP社製)を16質量部加えて、ダイノーミル(シンマルエンタープライズ社製)を用い、48時間、湿式分散・湿式粉砕することにより、液体現像剤を調製した(キャリヤ液:64質量%、トナー粒子の含有量:20質量%、分散安定剤の含有量:16質量%)。調製した液体現像剤のトナー粒子について、粒度分布を測定し、体積基準の中位径(D50)を算出したところ、0.2μmであった。得られた液体現像剤を、冷却式遠心分離機を用いて、14000rpm/24時間/20℃の条件で遠心分離し、上澄み層(油層)を除去し、除去した量と同じ量の新しい「モレスコホワイトP−70」を加えた後、再び遠心分離し、上澄み層を同量の新しいキャリア液と交換する、という操作を繰り返し行って電気伝導度を調節し(低下させ)、電気伝導度が0.01pS/cmのシアン(C)の液体現像剤1が得られた。
(液体現像剤2)
液体現像剤を遠心分離し、上澄み層を同量の新しいキャリア液と交換する、という操作の繰り返し回数が異なる他は、液体現像剤1と同様にして、電気伝導度が10pS/cmのシアン(C)の液体現像剤2を調製した。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、0.2μmであった。
(液体現像剤3)
キャリア液としての「モレスコホワイトP−70」の配合量を70質量部とし、分散安定剤としての「Antaron V−216」の配合量を10質量部とした他は、液体現像剤2と同様にして、電気伝導度が10pS/cmのシアン(C)の液体現像剤3を調製した(キャリヤ液:70質量%、トナー粒子の含有量:20質量%、分散安定剤の含有量:10質量%)。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、0.8μmであった。
(液体現像剤4)
液体現像剤を遠心分離し、上澄み層を同量の新しいキャリア液と交換する、という操作の繰り返し回数が異なる他は、液体現像剤3と同様にして、電気伝導度が0.02pS/cmのシアン(C)の液体現像剤4を調製した。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、0.8μmであった。
(液体現像剤5)
キャリア液としての「モレスコホワイトP−70」の配合量を48質量部とし、分散安定剤としての「Antaron V−216」の配合量を32質量部とした他は、液体現像剤2と同様にして、電気伝導度が30pS/cmのシアン(C)の液体現像剤5を調製した(キャリヤ液:48質量%、トナー粒子の含有量:20質量%、分散安定剤の含有量:32質量%)。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、0.1μmであった。
(液体現像剤6)
液体現像剤を遠心分離し、上澄み層を同量の新しいキャリア液と交換する、という操作の繰り返し回数が異なる他は、液体現像剤5と同様にして、電気伝導度が0.01pS/cmのシアン(C)の液体現像剤6を調製した。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、0.1μmであった。
(液体現像剤7)
分散安定剤としての「Antaron V−216」に代えて「ソルスパース11200」(リーブリゾール社製)を用いた他は、液体現像剤2と同様にして、電気伝導度が100pS/cmのシアン(C)の液体現像剤7を調製した。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、0.2μmであった。
(液体現像剤8)
キャリア液としての「モレスコホワイトP−70」の配合量を72質量部とし、分散安定剤としての「ソルスパース11200」の配合量を8質量部とした他は、液体現像剤7と同様にして、電気伝導度が120pS/cmのシアン(C)の液体現像剤8を調製した(キャリヤ液:72質量%、トナー粒子の含有量:20質量%、分散安定剤の含有量:8質量%)。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、0.8μmであった。
(液体現像剤9)
キャリア液としての「モレスコホワイトP−70」の配合量を72質量部とし、分散安定剤としての「Antaron V−216」の配合量を8質量部とした他は、液体現像剤2と同様にして、電気伝導度が20pS/cmのシアン(C)の液体現像剤9を調製した(キャリヤ液:72質量%、トナー粒子の含有量:20質量%、分散安定剤の含有量:8質量%)。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、1.0μmであった。
<画像形成>
図1に示された湿式画像形成装置(カラープリンタ)1Aを用い、シアン(C)の画像形成ユニットFCにシアン(C)の液体現像剤1〜9を仕込んで、感光体ドラム10の表面に、顔料載り量0.026g/cm相当で3cm×3cm四方のソリッド画像を形成した。画像データに基いたトナー像を感光体ドラム10の表面に形成するときに現像ローラ141に印加する現像電界は400Vとした。
<D50算出のための粒度分布の測定方法>
調製した液体現像剤を所定量サンプリングし、液体現像剤に用いられているキャリア液と同じキャリア液(モレスコホワイトP−70)で100倍(体積)に希釈し、マルバーン(MALVERN)社製のレーザー回折式粒度分布測定装置「マスターサイザー(MASTERSIZER)2000」を用いて、フロー方式により測定した。
<液体現像剤の電気伝導度の算出>
調製した液体現像剤の電気伝導度を、日置電機株式会社製の超絶縁計「SM−8220」及び日置電機株式会社製の液体試料用電極「SME−8330」(電極定数:509cm)を用いて算出した。すなわち、液体試料用電極に液体現像剤を25mL入れ、25℃の環境下、印加電圧100V、印加時間180秒の条件で、液体現像剤の電気抵抗(Ω)を測定し、電気伝導度を次式(1)に基き算出した:電気伝導度(pS/cm)=1/{(電気抵抗(Ω)×電極定数(cm))×1012} …(1)。
<濃度測定>
感光体ドラム10の表面に形成したトナー像を、メンディングテープで3回繰り返し剥離し、3枚の剥離したテープの反射濃度を、マクベススペクトロアイ分光濃度計を用いて測定し、感光体ドラム10上の画像形成部の反射濃度(画像濃度)として、次式(2)に基き算出した:画像形成部の反射濃度(画像濃度)=3枚の剥離テープの反射濃度の和−剥離前のメンディングテープの反射濃度×3 …(2)。
感光体ドラム10の表面に形成したトナー像の周囲を、メンディングテープで1回剥離し、剥離したテープの反射濃度を、マクベススペクトロアイ分光濃度計を用いて測定し、感光体ドラム10上の非画像形成部の反射濃度(カブリ濃度)として、次式(3)に基き算出した:非画像形成部の反射濃度(カブリ濃度)=剥離テープの反射濃度の最大値−剥離前のメンディングテープの反射濃度 …(3)。
なお、一例として、例えば、画像濃度については、1.3以上が「良」(合格)、1.3未満が「不良」(不合格)と評価することができる。同様に、カブリ濃度については、0.05未満が「良」(合格)、0.05以上が「不良」(不合格)と評価することができる。
結果を表1に示す。
<評価結果>
トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmであり、電気伝導度が0.01〜10pS/cmであった液体現像剤1〜4は、画像形成性能(現像性)が良好であった。つまり、画像濃度が高く、カブリ濃度が低く、画質が総合的に良好であった。視覚による解像度官能評価(600dpiで、日本画像学会発行のテストチャートNo.1Rを用いて、解像度の官能評価を行った。)も良好であった。
トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2μm未満であった液体現像剤5,6は、トナーの泳動時間が長くなり過ぎたため、液体現像剤1〜4よりも、カブリ濃度が高くなった。特に、電気伝導度が10pS/cmを超えていた液体現像剤5は、液体現像剤6よりも、カブリ濃度がより高くなった。また、液体現像剤5,6は、液体現像剤1〜4よりも、画像濃度が低くなった。これは、液体現像剤5,6は、液体現像剤1〜4よりも、トナー粒子の径が小さかったために、所定時間内に電気泳動で感光体ドラムの表面に到達できなかったトナーが増えたからと推測される。
電気伝導度が10pS/cmを超えていた液体現像剤7,8は、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmであっても、液体現像剤1〜4よりも、カブリ濃度が高くなった。特に、液体現像剤7は、液体現像剤8よりも、画像濃度が低くなった。これは、液体現像剤7は、液体現像剤8よりも、トナー粒子の径が小さかったために、電気伝導度が10pS/cmを超えていたこともあって、所定時間内に電気泳動で感光体ドラムの表面に到達できなかったトナーが多かったからと推測される。
トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.8μmを超えていた液体現像剤9は、画像濃度は良好であった。しかし、視覚による解像度官能評価は不良であった。また、電気伝導度が10pS/cmを超えていたため、液体現像剤1〜4よりも、カブリ濃度が高くなり、不良評価となった。
本発明は、カラープリンタ、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、これらの機能を併せ持つ複合機等に採用され得る電子写真方式の1つである湿式現像法の技術分野において、広範な産業上の利用可能性を有する。
1A 湿式画像形成装置(カラープリンタ)
2 画像形成部
4 二次転写部(転写装置)
10 感光体ドラム
11 帯電装置
12 露光装置
14 液体現像装置
20 一次転写ローラ(転写装置)
21 中間転写ベルト
141 現像ローラ
142 供給ローラ(アニロックスローラ)
147 現像ローラ帯電装置

Claims (3)

  1. 電気絶縁性のキャリア液とキャリア液中に分散されたトナー粒子とを有する液体現像剤であって、
    トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmであり、電気伝導度が0.01〜10pS/cmである液体現像剤。
  2. 電気絶縁性のキャリア液とキャリア液中に分散されたトナー粒子とを有する液体現像剤を用いて感光体ドラムの表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する液体現像装置であって、
    前記液体現像剤として、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmであり、電気伝導度が0.01〜10pS/cmである液体現像剤を用いる液体現像装置。
  3. 感光体ドラムの表面を帯電させる帯電装置と、帯電された感光体ドラムの表面に静電潜像を形成させる露光装置と、電気絶縁性のキャリア液とキャリア液中に分散されたトナー粒子とを有する液体現像剤を用いて感光体ドラムの表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する液体現像装置と、現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置とを備える湿式画像形成装置であって、
    前記液体現像剤として、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmであり、電気伝導度が0.01〜10pS/cmである液体現像剤を用いる湿式画像形成装置。
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