JP2011158569A - 液体現像剤、液体現像装置及び湿式画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感光体ドラム10の表面を帯電させる帯電装置11と、帯電された感光体ドラム10の表面に静電潜像を形成させる露光装置12と、電気絶縁性のキャリア液とキャリア液中に分散されたトナー粒子とを有する液体現像剤を用いて感光体ドラム10の表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する液体現像装置14と、現像されたトナー像を記録媒体に転写する一次転写ローラ20及び二次転写部4とを備える湿式画像形成装置1Aにおいて、前記液体現像剤として、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmであり、電気伝導度が0.01〜10pS/cmである液体現像剤を用いる。
【選択図】図1
Description
まず、図面を参照して、本実施形態に係る液体現像装置及び湿式画像形成装置を説明する。なお、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」、「右」等の方向を表す用語は、単に説明の明瞭化を目的とするものであり、何ら本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いられる「シート」との用語は、例えば、コピー用紙、トレーシングペーパ、厚紙、OHPシート、画像を形成することが可能なその他の記録媒体を意味する。
本実施形態に係る液体現像剤は、基本的構成として、電気絶縁性のキャリア液中にトナー粒子が分散された構成である。
電気絶縁性のキャリア液は液体キャリアの役割を果たし、得られる液体現像剤の電気絶縁性を高めることを目的として用いられる。電気絶縁性のキャリア液としては、電気絶縁性を有するものであって、例えば、25℃における体積抵抗が1011Ω・cm以上(換言すれば電気伝導度が10pS/cm以下)の有機溶媒が好ましい。このような電気絶縁性の有機溶媒としては常温で液体の脂肪族炭化水素が挙げられ、例えば液状のn−パラフィン系炭化水素、iso−パラフィン系炭化水素、またはその混合物、ハロゲン化脂肪族炭化水素等が好ましい。具体的には、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、パークロロエチレン、トリクロロエタン等が挙げられる。また、分岐鎖を有する脂肪族炭化水素が特に好ましい。分岐鎖を有する脂肪族炭化水素としては市販のものを用いてもよく、例えばエクソンモービル社製のアイソパーG、アイソパーH、アイソパーK、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV等が好適である。また、松村石油研究所社製の流動パラフィン「モレスコホワイトP−70」、「モレスコホワイトP−200」等も好ましく用いられ得る。
トナーは、結着樹脂と着色剤とを主要成分(トナー原料)とする。
結着樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等。)、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂等。)、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂;等が挙げられる。なお、結着樹脂は、帯電制御樹脂を含んでもよい。
着色剤としては、公知の顔料や染料を用いることができる。例えば黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物などが挙げられる。黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどが挙げられる。橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKなどが挙げられる。赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどが挙げられる。紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどが挙げられる。青色顔料としては、C.I.Pigment Blue 15:3、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCなどが挙げられる。緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキなどが挙げられる。着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましい。
本発明の液体現像剤は、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、分散安定剤等が挙げられる。
本実施形態に係る液体現像剤の製造方法は、トナー原料を混練してトナー粒子を作製する工程(混練工程)と、得られたトナー粒子を電気絶縁性のキャリア液中に分散する工程(分散工程)とを有する。
(液体現像剤1)
通常の混練粉砕法により、60質量部の結着樹脂(藤倉化成社製のスチレン−アクリル樹脂「FCA207P」)に対して、40質量部の青色顔料(C.I.Pigment Blue 15:3)を含有するトナー粒子を作成した。作成したトナー粒子は正帯電性であり、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は7μmであった。このトナー粒子20質量部を、電気絶縁性のキャリア液としての流動パラフィン「モレスコホワイトP−70」(松村石油研究所社製)64質量部に加え、さらに分散安定剤としての「Antaron V−216」(ISP社製)を16質量部加えて、ダイノーミル(シンマルエンタープライズ社製)を用い、48時間、湿式分散・湿式粉砕することにより、液体現像剤を調製した(キャリヤ液:64質量%、トナー粒子の含有量:20質量%、分散安定剤の含有量:16質量%)。調製した液体現像剤のトナー粒子について、粒度分布を測定し、体積基準の中位径(D50)を算出したところ、0.2μmであった。得られた液体現像剤を、冷却式遠心分離機を用いて、14000rpm/24時間/20℃の条件で遠心分離し、上澄み層(油層)を除去し、除去した量と同じ量の新しい「モレスコホワイトP−70」を加えた後、再び遠心分離し、上澄み層を同量の新しいキャリア液と交換する、という操作を繰り返し行って電気伝導度を調節し(低下させ)、電気伝導度が0.01pS/cmのシアン(C)の液体現像剤1が得られた。
液体現像剤を遠心分離し、上澄み層を同量の新しいキャリア液と交換する、という操作の繰り返し回数が異なる他は、液体現像剤1と同様にして、電気伝導度が10pS/cmのシアン(C)の液体現像剤2を調製した。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、0.2μmであった。
キャリア液としての「モレスコホワイトP−70」の配合量を70質量部とし、分散安定剤としての「Antaron V−216」の配合量を10質量部とした他は、液体現像剤2と同様にして、電気伝導度が10pS/cmのシアン(C)の液体現像剤3を調製した(キャリヤ液:70質量%、トナー粒子の含有量:20質量%、分散安定剤の含有量:10質量%)。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、0.8μmであった。
液体現像剤を遠心分離し、上澄み層を同量の新しいキャリア液と交換する、という操作の繰り返し回数が異なる他は、液体現像剤3と同様にして、電気伝導度が0.02pS/cmのシアン(C)の液体現像剤4を調製した。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、0.8μmであった。
キャリア液としての「モレスコホワイトP−70」の配合量を48質量部とし、分散安定剤としての「Antaron V−216」の配合量を32質量部とした他は、液体現像剤2と同様にして、電気伝導度が30pS/cmのシアン(C)の液体現像剤5を調製した(キャリヤ液:48質量%、トナー粒子の含有量:20質量%、分散安定剤の含有量:32質量%)。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、0.1μmであった。
液体現像剤を遠心分離し、上澄み層を同量の新しいキャリア液と交換する、という操作の繰り返し回数が異なる他は、液体現像剤5と同様にして、電気伝導度が0.01pS/cmのシアン(C)の液体現像剤6を調製した。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、0.1μmであった。
分散安定剤としての「Antaron V−216」に代えて「ソルスパース11200」(リーブリゾール社製)を用いた他は、液体現像剤2と同様にして、電気伝導度が100pS/cmのシアン(C)の液体現像剤7を調製した。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、0.2μmであった。
キャリア液としての「モレスコホワイトP−70」の配合量を72質量部とし、分散安定剤としての「ソルスパース11200」の配合量を8質量部とした他は、液体現像剤7と同様にして、電気伝導度が120pS/cmのシアン(C)の液体現像剤8を調製した(キャリヤ液:72質量%、トナー粒子の含有量:20質量%、分散安定剤の含有量:8質量%)。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、0.8μmであった。
キャリア液としての「モレスコホワイトP−70」の配合量を72質量部とし、分散安定剤としての「Antaron V−216」の配合量を8質量部とした他は、液体現像剤2と同様にして、電気伝導度が20pS/cmのシアン(C)の液体現像剤9を調製した(キャリヤ液:72質量%、トナー粒子の含有量:20質量%、分散安定剤の含有量:8質量%)。トナー粒子の体積基準の中位径(D50)は、1.0μmであった。
図1に示された湿式画像形成装置(カラープリンタ)1Aを用い、シアン(C)の画像形成ユニットFCにシアン(C)の液体現像剤1〜9を仕込んで、感光体ドラム10の表面に、顔料載り量0.026g/cm2相当で3cm×3cm四方のソリッド画像を形成した。画像データに基いたトナー像を感光体ドラム10の表面に形成するときに現像ローラ141に印加する現像電界は400Vとした。
調製した液体現像剤を所定量サンプリングし、液体現像剤に用いられているキャリア液と同じキャリア液(モレスコホワイトP−70)で100倍(体積)に希釈し、マルバーン(MALVERN)社製のレーザー回折式粒度分布測定装置「マスターサイザー(MASTERSIZER)2000」を用いて、フロー方式により測定した。
調製した液体現像剤の電気伝導度を、日置電機株式会社製の超絶縁計「SM−8220」及び日置電機株式会社製の液体試料用電極「SME−8330」(電極定数:509cm)を用いて算出した。すなわち、液体試料用電極に液体現像剤を25mL入れ、25℃の環境下、印加電圧100V、印加時間180秒の条件で、液体現像剤の電気抵抗(Ω)を測定し、電気伝導度を次式(1)に基き算出した:電気伝導度(pS/cm)=1/{(電気抵抗(Ω)×電極定数(cm))×1012} …(1)。
感光体ドラム10の表面に形成したトナー像を、メンディングテープで3回繰り返し剥離し、3枚の剥離したテープの反射濃度を、マクベススペクトロアイ分光濃度計を用いて測定し、感光体ドラム10上の画像形成部の反射濃度(画像濃度)として、次式(2)に基き算出した:画像形成部の反射濃度(画像濃度)=3枚の剥離テープの反射濃度の和−剥離前のメンディングテープの反射濃度×3 …(2)。
トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmであり、電気伝導度が0.01〜10pS/cmであった液体現像剤1〜4は、画像形成性能(現像性)が良好であった。つまり、画像濃度が高く、カブリ濃度が低く、画質が総合的に良好であった。視覚による解像度官能評価(600dpiで、日本画像学会発行のテストチャートNo.1Rを用いて、解像度の官能評価を行った。)も良好であった。
2 画像形成部
4 二次転写部(転写装置)
10 感光体ドラム
11 帯電装置
12 露光装置
14 液体現像装置
20 一次転写ローラ(転写装置)
21 中間転写ベルト
141 現像ローラ
142 供給ローラ(アニロックスローラ)
147 現像ローラ帯電装置
Claims (3)
- 電気絶縁性のキャリア液とキャリア液中に分散されたトナー粒子とを有する液体現像剤であって、
トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmであり、電気伝導度が0.01〜10pS/cmである液体現像剤。 - 電気絶縁性のキャリア液とキャリア液中に分散されたトナー粒子とを有する液体現像剤を用いて感光体ドラムの表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する液体現像装置であって、
前記液体現像剤として、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmであり、電気伝導度が0.01〜10pS/cmである液体現像剤を用いる液体現像装置。 - 感光体ドラムの表面を帯電させる帯電装置と、帯電された感光体ドラムの表面に静電潜像を形成させる露光装置と、電気絶縁性のキャリア液とキャリア液中に分散されたトナー粒子とを有する液体現像剤を用いて感光体ドラムの表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する液体現像装置と、現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置とを備える湿式画像形成装置であって、
前記液体現像剤として、トナー粒子の体積基準の中位径(D50)が0.2〜0.8μmであり、電気伝導度が0.01〜10pS/cmである液体現像剤を用いる湿式画像形成装置。
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