JP6087797B2 - 液体現像剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体現像剤に関し、特に湿式現像法を採用する電子写真方式での画像形成に用いられる液体現像剤に関する。
一般に、帯電した着色粒子で静電潜像を顕像化する現像方式は、現像剤の形態により、乾式現像法と湿式現像法とに大別される。そのうち、湿式現像法では、電気絶縁性のキャリア液中に着色粒子を分散させた液体現像剤が用いられる。液体現像剤中で帯電した着色粒子は、電気泳動の原理により現像ローラ表面から感光体ドラム表面に移動し、感光体ドラム表面の静電潜像を顕像化することで画像が得られる。得られた画像は感光体ドラムから記録媒体に転写される。液体現像剤は、着色粒子が大気中に飛散する可能性がほとんどないため、例えば平均粒子径がサブミクロンサイズの微細な着色粒子を使用でき、高解像度で階調性に優れた高画質な画像が得られる。
一般的に、液体現像剤は、キャリアオイルのような電気絶縁性有機溶剤(キャリア液)と、熱エネルギーを付与することによって比較的容易に溶融する樹脂(例えば、ポリエステル系樹脂やスチレン−アクリル系樹脂)で、カーボンブラック等の顔料を被覆してなるトナー粒子とから構成されている(特許文献1,2参照)。
特開2007−3974号公報 特開2008−242039号公報
ところで、顔料としてカーボンブラックを用いて現像を行なう場合、コロナ放電によって現像ローラ上のトナー層を帯電させた際にトナー粒子が現像ローラ上で圧縮された状態になるため、カーボンブラック表面が十分に絶縁性物質で被覆されていない状態では、カーボンブラック表面の露出部が接点となって導通が生じる結果、十分な現像特性を得ることが難しく、現像性が劣るという問題がある。
また、液体現像剤に用いられるキャリアオイルのような電気絶縁性有機溶剤は、環境に対する配慮から不揮発性有機溶剤を用いることが望ましが、不揮発性であるため、紙内部に浸透した残存オイルの除去が完全でなく、紙上に転写された着色粒子を定着させるには不十分であり、定着性(耐擦過性)が劣るという問題もある。
本発明は、現像性及び定着性(耐擦過性)に優れた液体現像剤を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明者は鋭意検討した結果、着色粒子として、カーボンブラックを合成樹脂によってカプセル化してなるカプセル化カーボンブラックを使用することにより、カーボンブラックに対して従来よりも高い電気絶縁性を付与できるため、現像性が向上すると共に、スチレン系共重合体を含有するバインダー樹脂を溶解させたキャリア液を使用することにより、定着性(耐擦過性)が向上することを見出した。
すなわち、本発明に係る液体現像剤の製造方法は、電気絶縁性のキャリア液と、バインダー樹脂と、着色粒子とを含有し、少なくともスチレン系共重合体を含有するバインダー樹脂は、前記キャリア液に溶解しており、かつ、前記着色粒子は、カーボンブラックを合成樹脂によってカプセル化してなるカプセル化カーボンブラックを含有する液体現像剤の製造方法であって、前記電気絶縁性のキャリア液は、単一の流動パラフィンのみからなり、25℃における体積抵抗が10 10 Ω・cm以上であり、前記カプセル化カーボンブラックは、カーボンブラックと、メラミン−ホルムアルデヒド共重合体とを一度に混合して粉砕することにより分散液を作製した後、カプセル化を行って作製されたものであり、前記キャリア液に前記バインダー樹脂を溶解させる際に160〜170℃で加熱処理する。
このような構成によれば、現像性及び定着性(耐擦過性)に優れた液体現像剤を提供することができる。
以上のように、本発明によれば、現像性及び定着性(耐擦過性)に優れた液体現像剤を提供することができる。
本実施形態に係る湿式画像形成装置の構成図である。 図1に示される湿式画像形成装置が備える液体現像装置とその周辺の構成図である。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施形態に係る液体現像剤は、基本的構成として、電気絶縁性のキャリア液と、バインダー樹脂と、着色粒子とを含有する。
〔キャリア液〕
一般に、電気絶縁性のキャリア液は液体キャリアの役割を果たし、得られる液体現像剤の電気絶縁性を高めることを目的として用いられる。電気絶縁性のキャリア液としては、電気絶縁性を有するものであって、例えば、25℃における体積抵抗が1010Ω・cm以上(換言すれば電気伝導度が100pS/cm以下)の有機溶剤が好ましい。このような電気絶縁性の有機溶剤としては常温で液体の脂肪族炭化水素が挙げられ、例えば液状のn−パラフィン系炭化水素、iso−パラフィン系炭化水素、又はその混合物、ハロゲン化脂肪族炭化水素等が好ましい。具体的には、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、パークロロエチレン、トリクロロエタン等が挙げられる。また、分岐鎖を有する脂肪族炭化水素が特に好ましい。分岐鎖を有する脂肪族炭化水素としては市販のものを用いてもよく、例えば、エクソンモービル社製の「アイソパーG」、「アイソパーH」、「アイソパーK」、「アイソパーL」、「アイソパーM」、「アイソパーV」等が好適である。また、松村石油研究所社製の流動パラフィン「モレスコホワイトP−40」、「モレスコホワイトP−55」、「モレスコホワイトP−70」、「モレスコホワイトP−200」等も好ましく用いられ得る。また、コスモ石油社製の流動パラフィン「コスモホワイトP−60」、「コスモホワイトP−70」、「コスモホワイトP−120」等も好ましく用いられ得る。
液体現像剤中のキャリア液の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、50〜99質量%であることが好ましく、70〜95質量%であることがより好ましい。キャリア液の含有量が少なすぎると、電気絶縁性が悪くなる傾向がみられ、キャリア液の含有量が多すぎると、記録紙に転写された着色粒子の定着性(耐擦過性)が著しく低下する傾向がみられる。
〔バインダー樹脂〕
本実施形態におけるバインダー樹脂は、少なくともスチレン系共重合体を含有し、このスチレン系共重合体を含有するバインダー樹脂が、前記キャリア液に溶解している。なお、本発明では、温度変化や液体現像剤の製造条件のバラツキのような環境や条件に起因して、液体現像剤に、不可避的に、キャリア液に溶解していないバインダー樹脂が含まれる場合がある。しかし、本発明の目的を阻害しない範囲で、このような液体現像剤での、キャリア液に溶解していないバインダー樹脂の不可避的な含有は許容される。液体現像剤の、キャリア液に溶解していないバインダー樹脂の不可避的な含有とは、具体的には、キャリア液に溶解していないバインダー樹脂の量が、バインダー樹脂全体の質量に対して10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であることをいう。
スチレン系共重合体は、電気絶縁性が高く、キャリア液に容易に溶解するため、このスチレン系共重合体を定着剤として用いると、印刷用紙に転写された未定着状態にある着色粒子を定着させることが可能である。そのため、従来よりも定着工程に要する熱エネルギーを削減することができ、定着性(耐擦過性)が向上する。
液体現像剤中のスチレン系共重合体の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、0.1〜10質量%であることが好ましく、2〜8質量%であることがより好ましく、4〜7質量%であることが最も好ましい。スチレン系共重合体の含有量が少なすぎると、定着性(耐擦過性)が悪くなる傾向がみられる。
スチレン系共重合体は、スチレン系モノマー及びスチレン系モノマーと共重合可能な他の単量体との共重合体である限り特に限定されず、従来公知のスチレン系共重合体から適宜選択して使用することができる。
スチレン系モノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレンが挙げられる。
スチレン系モノマーと共重合させることができる他の単量体としては、例えば脂肪族共役ジエン化合物、不飽和カルボン酸エステル化合物、シアン化ビニル化合物等を挙げることができる。脂肪族共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等;上記不飽和カルボン酸エステル化合物としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート;上記シアン化ビニル化合物としては、例えば(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンを挙げることができる。
スチレン系共重合体の具体例としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体を挙げることができる。
これらの共重合体はランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよく、ブロック共重合体である場合には、A−Bタイプ、A−B−Aタイプ、マルチブロックタイプ等の何れであってもよい。上記の中でも、スチレン系共重合体が、スチレン−ブタジエン共重合体であるのが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体中に含有されるスチレンの含有量は、5〜50質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。スチレン系共重合体は、市販品、及び合成品の何れも使用できる。スチレン系共重合体の市販品としては、スチレン−ブタジエン共重合体については、旭化成ケミカルズ株式会社製の「アサプレン(登録商標)」、及び「タフプレン(登録商標)」、並びにJSR株式会社製の「ダイナロン(登録商標)」等が挙げられる。スチレン−エチレン共重合体については、ダウ・ケミカル社製の「インデックス」等が挙げられる。これらのスチレン系共重合体は2種以上を組み合わせて使用できる。
〔着色粒子〕
本実施形態における着色粒子は、顔料として特にカーボンブラックを使用し、このカーボンブラックを合成樹脂(シェル化剤)によってカプセル化(被覆)したもの(カプセル化カーボンブラック)を含有する。本実施形態における顔料としてのカーボンブラックは、結着樹脂(スチレン系樹脂等)に分散させたトナー粒子として使用するのではなく、カーボンブラックそのものを使用する。
なお、着色剤としては、カーボンブラック以外の有機顔料や無機顔料を併用してもよく、例えば、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラックのような黒色顔料が挙げられる。
前記合成樹脂(シェル化剤)としては、下記(1)〜(3)のものが好ましく、なかでも窒素を含有する合成樹脂がより好ましく、例えばメラミン−ホルムアルデヒド共重合体、尿素−ホルムアルデヒド共重合体が挙げられる。
(1)加熱若しくは酸触媒の添加により付加或は縮合反応を起こすメチロール基或はアルコキシメチル基、ハロゲノメチル基のようなメチロール基の誘導基を有する熱硬化性有機化合物、初期縮合物及び熱硬化性樹脂。例えば、メラミン、尿素、エチレン尿素、ビグアナイド、ベンゾグアナミン、グアニジン、ジシアンジアミド、フタル酸アミド、アルキルフェノール、ジメチルアニリン、p−トルエンスルホンアミド、(メタ)アクリルアミド等の重合体及び共重合体等から選ばれた化合物とホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グリオキザールのようなアルデヒド類との付加物、縮合物、共縮合物、それらのアルコキシメチル誘導体及びハロゲノメチル誘導体のような反応生成物が挙げられる。
(2)加熱若しくは塩基性触媒若しくはポリカルボン酸無水物等の添加により付加或は縮合反応を起こすエポキシ基或はハロヒドリン基を有する熱硬化性有機化合物、初期縮合物及び熱硬化性樹脂。例えば、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA等とエピハロヒドリン或はジハロヒドリンとの縮合物、共縮合物或はグリシジル(メタ)アクリレート等の重合体及び共重合体等の反応生成物が挙げられる。
(3)加熱若しくは塩基性触媒若しくは有機錫触媒等の添加により付加反応を起こすイソシアネート基或はマスクドイソシアネート基を有する熱硬化性有機化合物、初期縮合物及び熱硬化性樹脂。例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートやトリレンジイソシアネートを原料とするビゥレット結合やイソシアヌレート結合を有するポリイソシアネート類、メタクリロイルオキシエチルイソシアナートやイソプロぺニルジメチルベンジルイソシアネートのような重合体及び共重合体等のポリイソシアネート類及びそれらをフェノール等と反応させたマスクドイソシアネート類、及びそれらと反応し得るポリエーテルポリオール、ポルエステルポリオール、ポリビニル系ポリオール、ポリアクリル系ポリオール等のポリオール類、アミン類、ポリアミン類、ポリアミドポリアミン類のようなアミン類が挙げられる。
又、上記で述べた被覆樹脂(シェル化剤)として使用される硬化重合体の有する極性基とは、塩基性基或は酸性基であり、具体的には塩基性基としてはアミノ基、第4級アンモニウム基及びピリジニウム基から選ばれた基であり、酸性基としてはカルボキシル基及びスルホン酸基から選ばれた基である。これらの基を導入し得る化合物としては、例えば、アンモニア、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、アニリン、ジメチルアニリン、グリコール酸、モノクロル酢酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、グリシン、D,L−アラニン、グルタミン酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、オキシ塩化燐が挙げられる。
カーボンブラックのカプセル化方法としては、使用するカーボンブラックの状態及び使用する合成樹脂(シェル化剤)の性質によって下記の如き種々の方法が挙げられる。
(1)水溶性の低分子量の前駆体或はその原料化合物を、必要に応じて上記極性基を有する化合物と共にカーボンブラックの水性微分散液と混合し、必要に応じて更にカーボンブラックを分散し、加熱、硬化触媒の添加或はpHの変化により該原料化合物或は低分子量の前駆体を付加反応や縮合反応を起こさせつつ該粒子表面に吸着又は沈着させ、更に完全に硬化させて粒子表面を硬化重合体で被覆する方法。
(2)予め低分子量の前駆体を、必要に応じて上記極性基を有する化合物と共に付加反応や縮合反応を行って得た比較的高分子量の熱硬化性有機化合物の水溶液をカーボンブラックの水性微分散液と混合し、必要に応じて更にカーボンブラックを分散し、加熱、pHの変化、或は重金属イオン、高級脂肪族アミン又は高級脂肪酸のような添加等により該熱硬化性有機化合物をカーボンブラックの表面に不溶性化合物として析出させ、更に完全に硬化させることによって粒子表面を硬化重合体で被覆する方法。
(3)油溶性の熱硬化性有機化合物を顔料の油性微分散液と混合し、必要に応じて更にカーボンブラックを分散し、次いで付加反応や縮合反応を起こさせて粒子表面を硬化重合体で被覆する方法。
(4)油溶性の熱硬化性有機化合物を水中油滴型エマルジョンとし、それをカーボンブラックの水性微分散液と混合し、カーボンブラックを油滴中に移行させ、更に硬化反応を起こさせ、カーボンブラック表面を硬化重合体で被覆する方法。
以上の如くしてカーボンブラックの表面を硬化重合体で被覆するが、硬化重合体の被覆量としては、カーボンブラックによって比重、表面積、粒子径、粒子の形状等が異なり一概に決められないが、凡そカーボンブラックの1重量%〜100重量%、5重量%〜50重量%であることが好ましく、この際に重要なことは硬化重合体皮膜の厚さが、凡そ約0.01〜0.5μmの薄膜であることであり、その硬化重合体の被覆量なり皮膜の厚さが上記の範囲の下限以下になると連続皮膜の形成が困難となり、且つカーボンブラックの物性改良が不十分となる。一方、上記の範囲の上限を超えると、個々の粒子の団塊化が生じ、分散媒体中への分散が不十分となると共にカーボンブラックの本来の性能、例えば、色調、着色濃度等が低下することになる。
この様な適当な皮膜厚の連続皮膜を形成するのに好都合な方法は上記の方法のうち(1)及び(2)の方法であり、特に(2)の方法が好ましい。
液体現像剤中のカプセル化カーボンブラックの含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、0.1〜40質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。カプセル化カーボンブラックの含有量が少なすぎると、色調、着色濃度等が低下する傾向がみられ、カプセル化カーボンブラックの含有量が多すぎると、現像剤の粘度が増加し、現像性や転写性が低下する傾向がみられる。
〔液体現像剤の調製方法〕
液体現像剤の調製方法は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。液体現像剤の好適な調製方法の具体例としては、以下のような手順による調製方法が挙げられる。
(バインダー液の作製)
流動パラフィン等のキャリア液に、スチレン-ブタジエン共重合体等のバインダー樹脂を添加し、所定温度で加熱処理してバインダー液を作製する。このバインダー液について、光学顕微鏡(例えば、Nikon社製、MM−800)を用いて、倍率(好ましくは1000倍)で、バインダー粒子の溶解状態を目視で観察すると、キャリア液中にバインダー粒子が存在せず溶解している。このように、キャリア液中にバインダー粒子を溶解させることにより、定着性(耐擦過性)が向上する。
前記加熱温度は、150〜180℃であることが好ましく、160〜170℃であることがより好ましい。加熱温度が低すぎると、キャリア液中に未溶解のバインダー粒子が残存し、定着性(耐擦過性)が悪くなる傾向がみられ、加熱温度が高すぎると、バインダーの熱劣化が生じ、定着性(耐擦過性)が著しく低下する傾向がみられる。
(顔料分散液の作製)
カーボンブラックと、メラミン−ホルムアルデヒド共重合体等のシェル化剤と、イオン交換水とを混合し、湿式分散機(例えば、シンマルエンタープライズ社製、ダイノーミル)で数時間(好ましくは4時間程度)粉砕し、顔料分散液を作製する。
(カーボンブラックのカプセル化)
上記顔料分散液に酸触媒(好ましくは、硝酸、パラトルエン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸)を加えて所定のpHに調整した後、所定温度(好ましくは80℃)まで昇温し、所定条件(好ましくは80℃で2時間)でシェル化剤の縮合反応を行わせることによって、カーボンブラックのカプセル粒子液を得る。このカプセル粒子液を遠心分離機によって上澄み液を除去することを数回繰り返した後、残渣を乾燥させることによって、カプセル化カーボンブラックを作製する。
(液体現像剤の作製)
前記バインダー液と、カプセル化カーボンブラックとを混合することにより、液体現像剤を作製する。
なお、上述したバインダー液の調製方法は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、例えば、ボールミル等の装置により、キャリア液とバインダー樹脂とを混合し、得られた混合物をビーカー等の容器に投入して熱処理を行う方法が挙げられる。
以上説明した液体現像剤によれば、現像性及び定着性(耐擦過性)を向上させることができる。
<液体現像装置及び湿式画像形成装置>
まず、図面を参照して、本実施形態に係る液体現像装置及び湿式画像形成装置を説明する。
なお、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」、「右」等の方向を表す用語は、単に説明の明瞭化を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
また、以下の説明で用いられる「シート」という用語は、例えば、上質普通紙、コピー用紙、トレーシングペーパ、厚紙、OHPシート等、画像を形成することが可能なあらゆる記録媒体を意味する。図1は、本実施形態に係る湿式画像形成装置の構成図であり、図2は、図1に示される湿式画像形成装置が備える液体現像装置とその周辺の構成図である。
なお、本実施形態に係る湿式画像形成装置はカラープリンタであるが、例えば、モノクロプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、これらの機能を併せ持つ複合機等、シート、すなわち記録媒体に画像を形成することができるその他のあらゆる湿式画像形成装置でも構わない。
図1に示されるように、本実施形態に係る湿式画像形成装置1Aは、画像形成のための様々なユニットや部品を収納している。画像形成装置1Aは、図1に示された部分の下部に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色用の液体現像剤循環装置をさらに収納しているが、ここではその図示を省略している。
湿式画像形成装置1Aは、画像データに基づいて画像を形成するタンデム式の画像形成部2と、シートを収容するシート収容部3と、画像形成部2で形成された画像をシート上に転写する二次転写部4と、画像の定着が完了したシートを機外に排出する排出部6と、シート収容部3から排出部6までシートを搬送するシート搬送部7とを備えている。
一般に、湿式画像形成装置は、通常は、二次転写部4と排出部6との間に、転写された画像をシートに定着させるための定着部5(シートを挟んで対向配置された加熱ローラ51及び加圧ローラ52を備える)が配置される。
しかし、本実施形態に係る湿式画像形成装置1Aでは、そのような定着部がなく、代わりに、単なるシート搬送用のローラ8,8が備えられているだけである。つまり、本実施形態に係る湿式画像形成装置1Aでは、定着部を必要とすることなく、シートに転写された画像をシートに定着させることができる。すなわち、本実施形態においては、従来から用いられてきた熱や光のエネルギーを用いた定着部5を削減することができ、湿式画像形成装置1Aの簡素化やコストダウンを行うことができる。
画像形成部2は、中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21のクリーニング部22と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色にそれぞれ対応した画像形成ユニットFY、FM、FC、FBとを備える。
中間転写ベルト21は、導電性を有する、幅広の、無端状のベルト部材であり、図1において時計回りに循環駆動される。中間転写ベルト21の循環駆動において外側を向く面を「表面」と記し、内側を向く面を「裏面」と記す。
画像形成ユニットFY、FM、FC、FBは、中間転写ベルト21の下側走行面に沿って並べて配置されている。なお、画像形成ユニットFY、FM、FC、FBの配置の順番は図示された限りではないが、図1に示された配置は、各色の混色による完成画像への影響を少なくする観点から好ましい配置の1つである。
画像形成ユニットFY、FM、FC、FBは、感光体ドラム10と、帯電装置11と、LED露光装置12と、液体現像装置14と、一次転写ローラ20と、クリーニング装置26と、除電装置13と、キャリア液除去ローラ30とを備える。なお、画像形成ユニットのうち、最も二次転写部4に近接して位置するブラックの画像形成ユニットFBには、キャリア液除去ローラ30が設けられていないが、その他の構成は他の画像形成ユニットと同じである。
円柱状の感光体ドラム10の表面(周面)は、帯電(本実施形態ではプラス極性に帯電)された着色粒子で顕像化された画像を担持可能である。感光体ドラム10は、反時計回りに回転可能である。
帯電装置11は、感光体ドラム10の表面を一様に帯電させる。
LED露光装置12は、LEDを光源として有し、外部の機器から入力された画像データに基づいて、一様に帯電された感光体ドラム10の表面に光を照射する。これにより、感光体ドラム10の表面に、画像データに基づいた静電潜像が形成される。
液体現像装置14は、電気絶縁性のキャリア液とキャリア液中に分散された着色粒子とを有する液体現像剤を、感光体ドラム10の表面に形成された静電潜像に対向するように保持する。これにより、帯電された着色粒子で感光体ドラム10表面の静電潜像が顕像化され、画像として現像される。
図2に示されるように、液体現像装置14は、現像容器140、現像ローラ141、供給ローラ(アニロックスローラ)142、支持ローラ143、供給ローラブレード144、現像クリーニングブレード145、現像剤回収装置146及び現像ローラ帯電装置147を含む。
現像容器140は、その内部に、液体現像剤が供給され、液体現像剤を貯留する。液体現像剤は、キャリア液と着色粒子との濃度調整が予め行われた後、供給ノズル278から現像容器140の内部へ供給される。その場合、液体現像剤は、供給ローラ142と支持ローラ143とのニップ部へ向けて供給され、余剰分は支持ローラ143の下方へ落下し、現像容器140の底部に貯留される。貯留された液体現像剤は、パイプ82を通して回収された後、再生・再利用される。
支持ローラ143は現像容器140の略中央に配置され、供給ローラ142に下方から当接させてニップ部を形成する。供給ローラ142は、支持ローラ143の直上ではなく、供給ノズル278から離れる方向にずれて配置される。供給ローラ142の周面には液体現像剤を保持するための溝が設けられる。図中に点線矢印で示すように、支持ローラ143は反時計方向に、供給ローラ142は時計方向に回転する。
供給ノズル278から供給される液体現像剤は、供給ローラ142と支持ローラ143とのニップ部の支持ローラ143の回転方向上流側で一時的に滞留され、両ローラ142,143の回転に伴って、供給ローラ142の溝に保持された状態で上方へ運ばれる。供給ローラブレード144は、供給ローラ142の周面に圧接され、供給ローラ142の溝に保持される液体現像剤の量が所定量になるように規制する。供給ローラブレード144により掻き落とされた余剰の液体現像剤は、現像容器140の底部に貯留される。
現像ローラ141は、現像容器140の上部開口部に、供給ローラ142と接するように配置される。現像ローラ141は供給ローラ142と同方向に回転される。この結果、現像ローラ141と供給ローラ142とが当接するニップ部では、現像ローラ141の表面は供給ローラ142の表面と逆方向に移動する。これにより、現像ローラ141の周面には、供給ローラ142の周面に保持された液体現像剤が受け渡される。供給ローラ142の溝に保持される液体現像剤の量(液体現像剤の薄層の厚み)が所定値に規制されているので、現像ローラ141の表面に担持される液体現像剤の量(液体現像剤の薄層の厚み)もまた所定値に保たれる。
現像ローラ帯電装置147は、着色粒子の帯電極性と同極性のバイアス電位(本実施形態ではプラス極性のバイアス電位)を現像ローラ141に外表面側から与えること(現像コロナチャージ)により、現像ローラ141の表面に担持された液体現像剤の薄層中の着色粒子を現像ローラ141の表面側に移動させる。この結果、液体現像剤の薄層中の着色粒子が電界的作用により現像ローラ141側に集合・圧縮され(コンパクション処理)、現像ローラ141側に高濃度の着色粒子の層が形成される。この後、液体現像剤の薄層は、感光体ドラム10に供給されて、感光体ドラム10上の静電潜像が現像される。これにより、現像効率が向上された、精細な画像が形成される。現像ローラ帯電装置147は、現像ローラ141と供給ローラ142との間の接触部よりも現像ローラ141の回転方向下流側であって、現像ローラ141と感光体ドラム10との間の接触部よりも現像ローラ141の回転方向上流側において、現像ローラ141の周面に対向するように設けられる。つまり、現像ローラ帯電装置147は、現像コロナチャージによって電界を発生させる。これにより、現像ローラ141上の液体現像剤の薄層が、現像ローラ141表面上の着色粒子層と、着色粒子層上のキャリア液層とに2層化する。現像領域(現像ローラ141と感光体ドラム10との対接領域及びその周辺領域)においては、現像ローラ141上の液体現像剤の薄層がこのように2層化した状態で感光体ドラム10表面に接触する。このとき、現像ローラ141側に集合・圧縮された着色粒子が電気泳動の原理により現像ローラ141表面から感光体ドラム10表面に移動し、感光体ドラム10表面の静電潜像を画像として顕像化する。現像ローラ帯電装置147による現像コロナチャージによって、現像前に、現像ローラ141上の液体現像剤の薄層内の着色粒子が現像ローラ141の表面上に圧縮されているので(コンパクション処理)、感光体ドラム10上の非画像域においては、着色粒子が接触しないため、形成した画像にカブリが発生することを抑制することができる。また、現像コロナチャージによる電界形成によって、現像ローラ141上の液体現像剤の薄層内の着色粒子に電荷が注入されるので、現像電界によって着色粒子が感光体ドラム10上の静電潜像上に反応よく現像されるとともに、感光体ドラム10の表面上に着色粒子が静電気的に強固に付着する。
現像ローラ141は感光体ドラム10と接し、感光体ドラム10の表面の静電潜像の電位と現像ローラ141に印加される現像電界との電位差によって、画像データに基づいた画像が感光体ドラム10の表面に形成される。
現像クリーニングブレード145は、現像ローラ141の感光体ドラム10との接触部の回転方向下流側に接触するように配置され、感光体ドラム10への現像動作を終えた現像ローラ141の表面の液体現像剤を除去する。
現像剤回収装置146は、現像クリーニングブレード145で除去された液体現像剤を回収して、液体現像剤循環装置のパイプ81へ液体現像剤を送り出す。液体現像剤は現像クリーニングブレード145の表面に沿って流下するが、液体現像剤の粘度が高いことから、現像剤回収装置146には液体現像剤の送り出しを補助する送り出しローラが備えられている。
一次転写ローラ20は、中間転写ベルト21の裏面に、感光体ドラム10と対向して配置される。一次転写ローラ20には、電源(図示せず)から画像中の着色粒子とは逆極性(本実施形態ではマイナス)の電圧を印加される。一次転写ローラ20は、中間転写ベルト21と接触している位置で、中間転写ベルト21に着色粒子と逆極性の電圧を印加する。中間転写ベルト21は導電性を有するので、この印加電圧によって、中間転写ベルト21の表面側及びその周辺に着色粒子が引き付けられる。中間転写ベルト21は、画像を担持して、シートまで搬送する像担持体として機能する。
クリーニング装置26は、感光体ドラム10から中間転写ベルト21に転写されずに残留した液体現像剤をクリーニングするための装置である。クリーニング装置26は、残留現像剤搬送スクリュー261と、クリーニングブレード262とを備える。クリーニング装置26内に配置される残留現像剤搬送スクリュー261は、クリーニングブレード262によって掻き取られ、クリーニング装置26内に収納された残留現像剤をクリーニング装置26の外部に搬送する。
板状のクリーニングブレード262は、感光体ドラム10の表面に残留した液体現像剤を掻き取るように、感光体ドラム10の回転軸方向に延びる。クリーニングブレード262の一端部は、感光体ドラム10の表面に摺接し、感光体ドラム10の回転に伴って感光体ドラム10上に残留した液体現像剤を掻き取る。
除電装置13は、除電用の光源を有し、次の周回による画像形成に備えて、クリーニングブレード262による液体現像剤の除去後、感光体ドラム10の表面を光源からの光によって除電する。
略円柱状のキャリア液除去ローラ30は、感光体ドラム10の回転軸と平行な回転軸を中心として感光体ドラム10と同方向に回転可能である。キャリア液除去ローラ30は、感光体ドラム10と中間転写ベルト21とが接触する位置よりも二次転写部4が配置されている側に配置されており、中間転写ベルト21の表面からキャリア液を除去する。
図1に示されるシート収容部3は、その表面に画像を定着させ、形成させるシートを収容する。シート収容部3は、湿式画像形成装置1Aの下部に配置される。また、シート収容部3は、シートを収容可能に形成された給紙カセット(図示せず)を含む。
二次転写部4は、中間転写ベルト21上に形成された画像をシートに転写する。二次転写部4は、中間転写ベルト21を支持する支持ローラ41と、支持ローラ41に対向して配置された二次転写ローラ42とを有する。なお、本実施形態では、この二次転写部4と、前記一次転写ローラ20とが、転写装置を構成する。
二次転写部4の上側には、前述したように、定着部5に代えて、搬送ローラ8,8が備えられている。
湿式画像形成装置1Aの上面に設けられた排出部6には、画像の定着が完了したシートが排出される。シート搬送部7は、複数の搬送ローラ対を備え、シート収容部3から、二次転写部4を経て、排出部6までシートを搬送する。
以上説明した、本発明の液体現像剤を用いる画像形成方法によれば、現像性及び定着性(耐擦過性)を向上させることができる。
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(バインダー液の作製)
キャリア液としての流動パラフィン(松村石油研究所社製、モレスコホワイトP−55)94質量部(以下、「部」と略す)に、バインダー樹脂としてのスチレン-ブタジエン共重合体(旭化成ケミカルズ社製、タフプレン315P、スチレン/ブタジエン組成比=30/70)6部を添加し、160〜170℃で加熱してバインダー液を作製した。
(顔料分散液の作製)
酸性カーボンブラック(三菱カーボン社製、MA77)20部、シェル化剤としてメラミン−ホルムアルデヒド共重合体(昭和電工社製、SM−607)1部、イオン交換水79部を混合し、湿式分散機(シンマルエンタープライズ社製、ダイノーミル)で4時間粉砕し、体積平均粒子径0.5μmの顔料分散液を作製した。
(カーボンブラックのカプセル化)
上記方法によって得られた顔料分散液100部に1mol/L硝酸を加えてpHを4.5に調整した後、80℃まで昇温し、80℃で2時間保持し冷却することによって、体積平均粒子径0.5μmのカーボンブラックのカプセル粒子液を得た。このカプセル粒子液を遠心分離機によって上澄み液を除去することを2回繰り返した後、残存水分が200ppm以下になるまで残渣を乾燥させることによって、カプセル化カーボンブラックを作製した。
(現像剤の作製)
カプセル化カーボンブラック5部とバインダー液95部とを混合し、体積平均粒子径0.5μmの着色粒子を含有する液体現像剤を作製した。なお、この体積平均粒子径の測定は、粒度分布測定器としてMASTERSIZER2000(MALVERN社製)を用いて、キャリア液(流動パラフィン(松村石油研究所社製、モレスコホワイトP−55))で100倍希釈した液体現像剤をフロー方式によって測定した。
〔実施例2〕
バインダー樹脂としてのスチレン-ブタジエン共重合体(旭化成ケミカルズ社製、タフプレン315P、スチレン/ブタジエン組成比=30/70)に代えて、スチレン-ブタジエン共重合体(旭化成ケミカルズ社製、アサプレンT−412、スチレン/ブタジエン組成比=20/80)を使用した以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒子径0.5μmの着色粒子を含有する液体現像剤を得た。
〔実施例3〕
バインダー樹脂としてのスチレン-ブタジエン共重合体(旭化成ケミカルズ社製、タフプレン315P、スチレン/ブタジエン組成比=30/70)に代えて、スチレン-ブタジエン共重合体(旭化成ケミカルズ社製、アサプレンT−438、スチレン/ブタジエン組成比=35/65)を使用した以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒子径0.5μmの着色粒子を含有する液体現像剤を得た。
〔実施例4〕
酸性カーボンブラック(三菱カーボン社製、MA77)に代えて、塩基性カーボンブラック(三菱カーボン社製、♯260)を使用した以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒子径0.5μmの着色粒子を含有する液体現像剤を得た。
〔実施例5〕
酸性カーボンブラック(三菱カーボン社製、MA77)に代えて、中性カーボンブラック(三菱カーボン社製、♯990)を使用した以外は実施例1と同様にして、体積平均粒子径0.5μmの着色粒子を含有する液体現像剤を得た。
〔実施例6〕
攪拌器及び不活性ガス供給部を有する350mlのステンレス鋼製オートクレーブを使用し、そして尿素2.04g(和光純薬社製)、37%ホルムアルデヒド溶液75ml(和光純薬社製)、ヘキサメチレンテトラミン3.8g(和光純薬社製)及びイオン交換水200mlを最初に入れた。カーボンブラック(三菱カーボン社製、MA77)50gを投入した後、0.2mol/Lパラトルエンスルホン酸水溶液4ml(和光純薬社製)を加え、反応器を2.4バールの窒素下に置き、混合物を100℃の温度及び4.4バールの圧力で2時間撹拌した。次いで、混合物を遠心分離処理によって、上澄み液のpHが少なくとも5に達するまでデカンテーションした。次いで生成物を真空乾燥オーブン中で40℃にて乾燥した。得られたカプセル化カーボンブラックを5部、バインダー液95部を混合し、体積平均粒子径0.5μmの着色粒子を含有する液体現像剤を得た。
〔比較例1〕
カプセル化カーボンブラックに代えて、カプセル化処理を施していない酸性カーボンブラック(三菱カーボン社製、MA77)を使用した以外は実施例1と同様にして、体積平均粒子径0.5μmの着色粒子を含有する液体現像剤を得た。
〔比較例2〕
バインダー液作製時の加熱温度を160〜170℃から、120〜130℃に下げた以外は、実施例1と同様にしてバインダー液を作製した。即ち、キャリア液としての流動パラフィン(松村石油研究所社製、モレスコホワイトP−55)94部に、バインダー樹脂としてのスチレン-ブタジエン共重合体6部(旭化成ケミカルズ社製、タフプレン315P、スチレン/ブタジエン組成比=30/70)を添加し、120〜130℃で加熱してバインダー液を作製した。
上記のようにして作製したバインダー液を用いる以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒子径0.5μmの着色粒子を含有する液体現像剤を作製した。
〔比較例3〕
バインダー樹脂としてのスチレン-ブタジエン共重合体(旭化成ケミカルズ社製、タフプレン315P、スチレン/ブタジエン組成比=30/70)に代えて、スチレン-ブタジエン共重合体(旭化成ケミカルズ社製、アサプレンT−412、スチレン/ブタジエン組成比=20/80)を使用した以外は、比較例2と同様にして、体積平均粒子径0.5μmの着色粒子を含有する液体現像剤を得た。
≪評価≫
このようにして得られた実施例及び比較例の液体現像剤を用い、下記の基準に従い各特性の評価を行った。これらの結果を下記の表1に併せて示した。
〔バインダー粒子の溶解状態〕
実施例及び比較例で作製したバインダー液について、光学顕微鏡(Nikon社製、MM−800、倍率:1000倍)を用いて、バインダー粒子の溶解状態を目視で観察した。評価は、キャリア液中にバインダー粒子が存在せず溶解していたものを○、キャリア液中に未溶解のバインダー粒子が残存していたものを×とした。
<画像形成方法>
定着部を備えない湿式画像形成装置としてカラープリンター(京セラドキュメントソリューションズ社製の湿式画像形成の実験機、線速:116mm/秒)を用い、ブラックの画像形成ユニットFCに液体現像剤を仕込んで、シートとしての上質普通紙(王子製紙社製のC2紙:90g/m)上に、顔料載り量で0.026mg/cm相当の均一塗りつぶしの正方形のソリッド画像(5cm×5cm)を形成した。現像ローラ周面上における液体現像剤層の厚みを5μmに設定した。また、画像データに基づいた画像を感光体ドラムの表面に形成するときに現像ローラに印加する現像電界を400Vとした。そして、排出部に排出されたシートを下記の定着性試験(耐擦過性試験)に供した。
〔定着性試験(耐擦過性試験)〕
二次転写部によりソリッド画像が転写され、排出部に排出されたシートの画像部分について定着性を評価するために、耐擦過性試験を行った。すなわち、二次転写部により画像が形成されてから5秒後に、その画像部分の上に、質量が300gの金属製の円柱状の錘(直径:50mm、底面に布(サラシ)をあてたもの)を置き、画像を左右に横切って画像の外まで移動するようにその錘を10往復移動させた。画像が錘の質量で摩擦され、摩耗したか否かを見るために、ソリッド画像の外の部分であって錘が移動した部分について、濃度を分光濃度計(グレタグマクベス社製の「X−riteスペクトロアイ」)で測定した。定着性の評価基準は、濃度が0.01未満のものを「○」、濃度が0.01以上、0.3未満のものを「△」、濃度が0.3以上のものを「×」とした。
〔現像性評価〕
液体現像液を現像ローラ上に塗布することにより、現像ローラ上に5μmの現像液の薄層(液体トナー層)を形成した。現像コロナチャージによって電界を発生させ、現像ローラ上の液体トナー層を、現像ローラ表面上のトナー粒子層と、トナー粒子層上の溶媒層とに2層化させた。現像コロナチャージの電界形成により、現像電界によってトナーが感光体ドラム上の静電潜像上に反応よく現像されるとともに、感光体表面上にトナーを強固に付着させた。現像後の感光体上の画像形成部に現像されたトナー層をメンディングテープで3回繰り返して剥離し、各々の剥離したテープの反射濃度をマクベススペクトロアイ分光濃度計を用いて測定した。非画像形成部の反射濃度は剥離テープ試験を1回行なった。感光体上の画像形成部の反射濃度と、非画像形成部の反射濃度を、下記式1と式2に基づき算出し、下記の基準に従い現像性を評価した。
(式1)
感光体上画像形成部の反射濃度=(3枚の反射濃度の和−元のメンディングテープ反射濃度×3)/3
(式2)
非画像形成部の反射濃度=非画像形成部の反射濃度の最大値−元のメンディングテープ反射濃度
〔評価基準〕
(画像形成部反射濃度)
○:2以上
×:2未満
(非画像形成部反射濃度(カブリ))
○:0.02以下
×:0.02超
Figure 0006087797
上記表1の結果から、実施例1〜6は、着色剤としてカプセル化処理を施したカーボンブラックを使用しているため現像性は良好であり、またキャリア液中にバインダー粒子が溶解しているため、定着性(耐擦過性)も良好であった。
これに対して、比較例1は、着色剤としてカプセル化処理を施していないカーボンブラックを使用したため現像不良が生じ、耐擦過性評価が実施可能な画像を形成することができなかった。
比較例2,3は、キャリア液中に未溶解のバインダー粒子が残存していたため、定着性(耐擦過性)が劣っていた。
本発明は、湿式現像法を採用する電子写真方式での画像形成に用いられる液体現像剤として利用することができる。
1A 湿式画像形成装置(カラープリンター)
2 画像形成部
4 二次転写部(転写装置)
6 排出部
7 被記録媒体搬送部
10 感光体ドラム
11 帯電装置
12 露光装置
14 液体現像装置
20 一次転写ローラ(転写装置)
21 中間転写ベルト
141 現像ローラ
142 供給ローラ(アニロックスローラ)
147 現像ローラ帯電装置

Claims (2)

  1. 電気絶縁性のキャリア液と、バインダー樹脂と、着色粒子とを含有し、少なくともスチレン系共重合体を含有するバインダー樹脂は、前記キャリア液に溶解しており、かつ、前記着色粒子は、カーボンブラックを合成樹脂によってカプセル化してなるカプセル化カーボンブラックを含有する液体現像剤の製造方法であって、前記電気絶縁性のキャリア液は、単一の流動パラフィンのみからなり、25℃における体積抵抗が10 10 Ω・cm以上であり、前記カプセル化カーボンブラックは、カーボンブラックと、メラミン−ホルムアルデヒド共重合体とを一度に混合して粉砕することにより分散液を作製した後、カプセル化を行って作製されたものであり、前記キャリア液に前記バインダー樹脂を溶解させる際に160〜170℃で加熱処理することを特徴とする液体現像剤の製造方法。
  2. 前記バインダー樹脂は、スチレン/ブタジエン組成比が30/70〜35/65のスチレン-ブタジエン共重合体である請求項1に記載の液体現像剤の製造方法。
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