JP5998991B2 - 静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像用現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents
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(化学式(1)中、R 1 は水素原子またはメチル基、AはOまたはNHを表し、XはAがOの場合は窒素原子含有構造、NHの場合はアルキル基を表す。)で示される(メタ)アクリル系モノマ、ビニルピロリドン及びマレイミドからなる群から選択される化合物であり、前記カチオン性界面活性剤の含有量は、前記被覆樹脂の全量に対して1,000ppm以上55,000ppm以下の範囲である静電荷像現像用キャリアである。
本実施形態に係る静電荷像現像用キャリアは、樹脂被覆層を有する磁性コア粒子を含み、樹脂被覆層に含まれる被覆樹脂が窒素含有モノマを含むモノマを重合した構造を有し、なおかつカチオン性界面活性剤を含む。
(1)
(化学式(1)中、R1は水素原子またはメチル基、AはOまたはNHを表し、XはAがOの場合は窒素原子含有構造、NHの場合はアルキル基を表す。)
本実施形態に係る静電荷像現像用現像剤(現像剤)は、本実施形態に係る静電荷像現像用キャリア(キャリア)と静電荷像現像用トナー(トナー)とを含有する。本実施形態に係る現像剤は、本実施形態に係るキャリアおよびトナーを適当な配合割合で混合することにより調製される。キャリアの含有量((キャリア)/(キャリア+トナー)×100)としては、85質量%以上99質量%以下の範囲が好ましく、87質量%以上98質量%の範囲がより好ましく、89質量%以上97質量%以下の範囲がさらに好ましい。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記像保持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記静電荷像を本実施形態に係る静電荷像現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備えるものである。本実施形態に係る画像形成装置は、必要に応じて、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段、像保持体表面を清掃する像保持体清掃手段等を含むものであってもよい。
帯電手段である帯電部310としては、例えば、図1に示すようなコロトロン等の帯電器が用いられるが、導電性または半導電性の帯電ロールを用いてもよい。導電性または半導電性の帯電ロールを用いた接触型帯電器は、電子写真感光体314に対し、直流電流を印加するか、交流電流を重畳させて印加してもよい。例えばこのような帯電部310により、電子写真感光体314との接触部近傍の微小空間で放電を発生させることにより電子写真感光体314表面を帯電させる。なお、通常は、−300V以上−1000V以下に帯電される。また前記の導電性または半導電性の帯電ロールは単層構造あるいは多重構造でもよい。また、帯電ロールの表面をクリーニングする機構を設けてもよい。
像保持体は、少なくとも潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。像保持体としては、電子写真感光体が好適に挙げられる。電子写真感光体314は、円筒状の導電性の基体外周面に有機感光体等を含む塗膜を有する。塗膜は、基体上に、必要に応じて下引き層、および、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを含む感光層がこの順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよく、望ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜等他の種類の感光層を使用してもよい。
静電荷像形成手段(露光手段)である露光部312としては、特に制限はなく、例えば、像保持体表面に、半導体レーザ光、LED(Light Emitting Diode)光、液晶シャッタ光等の光源を、所望の像様に露光する光学系機器等が挙げられる。
現像手段である現像部316は、像保持体上に形成された静電荷像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する機能を有する。そのような現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択すればよいが、例えば、静電荷像現像用トナーをブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体314に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。電子写真感光体314には、通常直流電圧が使用されるが、さらに交流電圧を重畳させて使用してもよい。
転写手段である転写部318としては、例えば、図1に示すような記録媒体324の裏側からトナーとは逆極性の電荷を記録媒体324に与え、静電気力によりトナー像を記録媒体324に転写するもの、あるいは記録媒体324に直接接触して転写する導電性または半導電性のロール等を用いた転写ロールおよび転写ロール押圧装置を用いればよい。転写ロールには、像保持体に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよいし、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ロールは、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード(周速)等により、任意に設定すればよい。また、低コスト化のため、転写ロールとして単層の発泡ロール等が好適に用いられる。転写方式としては、紙等の記録媒体324に直接転写する方式でも、中間転写体を介して記録媒体324に転写する方式でもよい。
像保持体清掃手段であるクリーニング部320については、像保持体上の残留トナー等の異物を清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ロールクリーニング方式を採用したもの等を適宜選定すればよい。
定着手段(画像定着装置)である定着部322としては、記録媒体324に転写されたトナー像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであり、定着部材を具備する。
トナー像を転写する記録媒体324としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録媒体の表面も平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を使用してもよい。
シクロヘキシルメタクリレートモノマ 97質量部
メチルアミノエチルメタクリレートモノマ 3質量部
ドデカンチオール 1質量部
以上の成分を混合して溶解したものを、カチオン性界面活性剤(ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド化合物、コータミン86Pコンク:花王(株)製)0.5質量部をイオン交換水400質量部に溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに開始剤(V−50:和光純薬工業(株)0.5質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、体積平均粒径350nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液1が得られた。この樹脂粒子分散液1を凍結乾燥し、樹脂粒子1を得た。樹脂粒子の重量平均分子量は、東ソー(株)HLC−8120GPC、SC−8020装置を使用し、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用い、標準スチレンの分子量により換算する方法で測定したところ、320,000であった。また、高速液体クロマトグラフィ/重量分析法によりカチオン性界面活性剤の量を測定したところ4,900ppmであった。
カチオン性界面活性剤(コータミン86Pコンク:花王(株)製)の量を5質量部に変更する以外は樹脂被覆層形成用樹脂粒子1の作製方法と同じ方法で、体積平均粒径110nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液2を得た。この樹脂粒子分散液2を凍結乾燥し、樹脂粒子2を得た。樹脂粒子の重量平均分子量は350,000であり、カチオン性界面活性剤の量は49,500ppmであった。
メチルメタクリレートモノマ 77質量部
メチルアミノエチルメタクリレートモノマ 3質量部
スチレンモノマ 20質量部
モノマ組成を上記に変える以外は、樹脂被覆層形成用樹脂粒子1の作製方法と同じ方法で、体積平均粒径320nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液3を得た。この樹脂粒子分散液3を凍結乾燥し、樹脂粒子3を得た。樹脂粒子の重量平均分子量は330,000であり、カチオン性界面活性剤の量は4,950ppmであった。
カチオン性界面活性剤(コータミン86Pコンク:花王(株)製)の量を0.5質量部に変更する以外は樹脂被覆層形成用樹脂粒子1の作製方法と同じ方法で、体積平均粒径350nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液4を得た。この樹脂粒子分散液4を回転式セラミックフィルタを用い洗浄した後、凍結乾燥し、樹脂粒子4を得た。樹脂粒子の重量平均分子量は290,000であり、カチオン性界面活性剤の量は1,050ppmであった。
カチオン性界面活性剤(コータミン86Pコンク:花王(株)製)の量を5.5質量部に変更する以外は樹脂被覆層形成用樹脂粒子1の作製方法と同じ方法で、体積平均粒径90nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液5を得た。この樹脂粒子分散液5を凍結乾燥し、樹脂粒子5を得た。樹脂粒子の重量平均分子量は360,000であり、カチオン性界面活性剤の量は54,500ppmであった。
カチオン性界面活性剤(コータミン86Pコンク:花王(株)製)の量を0.3質量部に変更する以外は樹脂被覆層形成用樹脂粒子1の作製方法と同じ方法で、体積平均粒径450nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液6を得た。この樹脂粒子分散液6を回転式セラミックフィルタを用い洗浄した後、凍結乾燥し、樹脂粒子6を得た。樹脂粒子の重量平均分子量は350,000であり、カチオン性界面活性剤の量は500ppmであった。
カチオン性界面活性剤(コータミン86Pコンク:花王(株)製)の量を6質量部に変更する以外は樹脂被覆層形成用樹脂粒子1の作製方法と同じ方法で、体積平均粒径85nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液7を得た。この樹脂粒子分散液7を凍結乾燥し、樹脂粒子7を得た。樹脂粒子の重量平均分子量は595,000であり、カチオン性界面活性剤の量は59,000ppmであった。
モノマ組成をシクロヘキシルメタクリレートモノマ100質量部に変える以外は、樹脂被覆層形成用樹脂粒子1の作製方法と同じ方法で、体積平均粒径330nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液8が得られた。この樹脂粒子分散液8と樹脂分散液1を各50質量部で混合した後、凍結乾燥し、樹脂粒子8を得た。樹脂粒子の重量平均分子量は450,000であり、カチオン性界面活性剤の量は4,900ppmであった。
メチルアミノエチルメタクリレートモノマを1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル=メタクリレートに変更した以外は樹脂被覆層形成用樹脂粒子1の作製方法と同じ方法で、体積平均粒径320nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液9を得た。この樹脂粒子分散液9を凍結乾燥し、樹脂粒子9を得た。樹脂粒子の重量平均分子量は310,000であり、カチオン性界面活性剤の量は4,900ppmであった。
メチルアミノエチルメタクリレートモノマをビニルピロリドンに変更した以外は樹脂被覆層形成用樹脂粒子1の作製方法と同じ方法で、体積平均粒径300nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液10を得た。この樹脂粒子分散液10を凍結乾燥し、樹脂粒子10を得た。樹脂粒子の重量平均分子量は300,000であり、カチオン性界面活性剤の量は4,900ppmであった。
カチオン性界面活性剤(コータミン86Pコンク:花王(株)製)をカチオン性界面活性剤(ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド化合物、花王製、コータミン24P)に変更した以外は樹脂被覆層形成用樹脂粒子1の作製方法と同じ方法で、体積平均粒径200nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液11を得た。この樹脂粒子分散液11を凍結乾燥し、樹脂粒子11を得た。樹脂粒子の重量平均分子量は250,000であり、カチオン性界面活性剤の量は4,950ppmであった。
モノマ組成をシクロヘキシルメタクリレートモノマ100質量部に変える以外は、樹脂被覆層形成用樹脂粒子1の作製方法と同じ方法で、体積平均粒径330nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液12が得られた。この樹脂粒子分散液12を凍結乾燥し、樹脂粒子12を得た。樹脂粒子の重量平均分子量は350,000であり、カチオン性界面活性剤の量は4,950ppmであった。
シクロヘキシルメタクリレートモノマ 97質量部
メチルアミノエチルメタクリレートモノマ 3質量部
ドデカンチオール 1質量部
以上の成分を混合して溶解したものを、アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)0.5質量部をイオン交換水400質量部に溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに開始剤(過硫酸アンモニウム)0.5質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、体積平均粒径300nmの樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液13が得られた。この樹脂粒子分散液13を凍結乾燥し、樹脂粒子13を得た。樹脂粒子の重量平均分子量は345,000であり、アニオン性界面活性剤の量は4,950ppmであった。
カチオン性界面活性剤(コータミン86Pコンク:花王(株)製)を使用しなかった以外は樹脂被覆層形成用樹脂粒子1の作製方法と同じ方法で、樹脂粒子分散液を得ようとしたが、樹脂粒子を作製することができなかった。
[キャリアの調製]
フェライト粒子(Mn−Mgフェライト、真比重4.7g/cm3、体積平均粒径40μm、飽和磁化60emu/g、表面粗さ1.5μm) 100質量部
樹脂被覆層形成用樹脂粒子1 5質量部
カーボンブラック 0.5質量部
上記材料を5Lヘンシェルミキサー(日本コークス社製)に入れ、2,000rpmで60分混合し、樹脂粒子をフェライト粒子に固定化させた。ヘンシェルミキサー温度を100℃に保ち2,000rpmで20分間撹拌した後、1,000rpmで回転させたまま50℃まで冷却し、樹脂被覆層形成キャリア1を得た。樹脂被覆層形成キャリアを目開き75μmの網で篩分してキャリア1を得た。
トナー粒子100質量部と体積平均粒径40nmのシリコーンオイル処理シリカ粒子(RY50:日本エアロジル社製)1.2質量部、体積平均粒径150nmのヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理化シリカ粒子1.5質量部とをサンプルミルで混合して外添トナー1を得た。
上記現像剤1を用いて富士ゼロックス社製複写機Docu Centre Color 500改造機により高温高湿環境である35℃、85%RH環境下で1%印字チャートを100,000枚印字し、初期(10枚目)、10,000枚、50,000枚、80,000枚、および100,000枚印字後、ならびに100,000枚印字後72時間放置後に、帯電性が影響しやすいハーフトーン画質、画像汚れおよび細線再現性の評価を下記の基準で行った。得られた結果を表2に示す。
○:ハーフトーン画質劣化が目視でまったく解らない場合
△:ハーフトーン画質劣化が目視で若干気になる場合
×:ハーフトーン画質劣化が目視で明確に解る場合
(画像汚れ)
○:画像汚れが目視でまったく解らない場合
△:画像汚れが目視で若干気になる場合
×:画像汚れが目視で確認できる場合
上記改造機を用い、2,400dpiの解像度で1on1off画像を、現像方向に対し垂直方向の5cm×5cmチャートをA4用紙の左上および中央および右下に出力した。出力されたサンプルを×100倍の目盛付きルーペにて線間隔がトナーの飛び散り等によって最も間隔が狭くなっている距離から下記の基準でグレード評価を行った。得られた結果を表2に示す。
○:飛び散りによる距離の減少、細線細りによる増加がほとんど見られない場合
△:減少、増加は見られるが細線が確認できる場合
×:細線距離が判別できなかったり、欠落が見られる場合
実施例1の樹脂被覆層形成用溶液1を樹脂被覆層形成用溶液2〜11にそれぞれ変更する以外は実施例1と同じようにキャリアおよび表1に示す現像剤を作製し、評価を行った。得られた結果を表2に示す。
実施例1の樹脂被覆層形成用溶液1を樹脂被覆層形成用溶液12,13にそれぞれ変更した以外は実施例1と同じようにキャリアおよび表1に示す現像剤を作製し、評価を行った。得られた結果を表2に示す。
Claims (7)
- 前記被覆樹脂は、さらに脂環式アルキルメタクリレートモノマの重合体を含むことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用キャリア。
- 請求項1または2に記載の静電荷像現像用キャリアを含有することを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
- 請求項1または2に記載の静電荷像現像用キャリアと、体積平均粒径が50nm以上200nm以下の外添剤粒子を有する静電荷像現像用トナーと、を含有することを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
- 請求項3または4に記載の静電荷像現像用現像剤を含有することを特徴とする現像剤カートリッジ。
- 請求項3または4に記載の静電荷像現像用現像剤を収納し、像保持体表面に形成された静電荷像を前記静電荷像現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、前記像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記像保持体表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記静電荷像を請求項3または4に記載の静電荷像現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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