JP2011155207A - インバータモジュールの製造方法及びインバータモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】ベースプレートにスイッチング素子基板を固着する際、放熱フィンに生じるひずみを低減することが可能なインバータモジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】インバータモジュール1の製造方法は、ベースプレート2の第一面に互いに平行に配置される少なくとも3本の線状凹部40と、隣り合う2本の線状凹部40間に設けられることにより少なくとも2個設けられる凸部43と、を形成する凹凸形成工程と、凸部43のそれぞれに放熱フィン8を形成するフィン形成工程と、放熱フィン8を避けて少なくとも3本の線状凹部40のそれぞれの底面に当接する支持部61を備える支持ジグ60によりベースプレート2を第一面側から支持した状態で、第二面2Aに接着用部材10を介してスイッチング素子基板3を配置し、スイッチング素子基板3をベースプレート2側へ押圧してベースプレート2に接着させる基板接着工程と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、ベースプレートの一方の面に放熱フィンが備えられ、当該ベースプレートの他方の面にスイッチング素子基板が備えられたインバータモジュールの製造方法と、当該製造方法を用いて製造されたインバータモジュールに関する。
ハイブリッド車両や電動車両等の動力源として電動機が用いられる。従来、この種の電動機を駆動するためにインバータモジュールが用いられてきた。当該インバータモジュールは、スイッチング素子を組み合わして形成されたインバータ回路を備えて構成され、スイッチング素子には、電動機の負荷に応じた電流が流れる。このため、電動機の負荷が大きくなった場合にスイッチング素子の発熱量が多くなる。一方、インバータモジュールの搭載スペースや重量の観点からは、インバータモジュールの小型化が望まれる。このため、スイッチング素子に対しても小型化が要求される。このようなスイッチング素子の発熱量の低減とスイッチング素子の小型化との間にはトレードオフの関係がある。このため、インバータモジュールを小型化しつつ、スイッチング素子の発熱を効果的に抑えるために、インバータモジュールの冷却方式として水冷方式が用いられることがある。このような水冷方式では、スイッチング素子基板の一方の面にスイッチング素子が載置され、他方の面側から当該スイッチング素子からの熱と熱交換可能に冷却液が流通される構成とされる。特に熱交換効率を高めるために(即ち、冷却効果を高めるために)、当該他方の面に放熱フィンを有する放熱器を備えて構成し、当該放熱フィンに直接冷却液を触れるように流通させる場合もある。このように用いられる放熱フィンの一例として、例えば下記に出典を示す特許文献1に記載のものがある。
特許文献1に記載される放熱器が有する放熱フィンは、金属板の他方の面から押圧工具により金属板の一方の面側に両側角部をなまらせた突堤を所定の方向に沿って形成し、当該突堤を掘り起こし工具で掘り下げることにより板状の放熱フィンを起立形成する。このような掘り起こしを順次繰り返すことにより、複数の板状の放熱フィンが連続して形成される。
特開2005−216975号公報
上述のように、インバータモジュールを水冷方式で冷却する冷却構造では、放熱器における放熱フィンが設けられる面とは反対側の面にスイッチング素子基板が設けられる場合がある。このような構造のインバータモジュールにおいて、スイッチング素子基板を、絶縁部材を介して放熱器側へ押圧して貼り付けることが考えられる。スイッチング素子基板の放熱器への貼り付けは、スイッチング素子基板を放熱器側へ押圧することにより行うことができる。しかし、放熱器の厚さ等によっては、スイッチング素子基板を貼り付ける際の押圧力により、放熱器にひずみが生じる可能性がある。このようなひずみが生じた放熱器を用いてインバータモジュールを構成すると、放熱フィンを含む冷媒の流路の密封性が低下する、或いは他の部品への組付性が悪化する等の問題が生じうる。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、一方の面に放熱フィンが形成されたベースプレートの他方の面にスイッチング素子基板を接着させる際、ベースプレートに生じるひずみを低減することが可能なインバータモジュールの製造方法及びインバータモジュールを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るインバータモジュールの製造方法は、平板状のベースプレートの第一面に対して、互いに平行に配置される少なくとも3本の線状凹部と、隣り合う2本の前記線状凹部間に設けられることにより前記第一面に少なくとも2個設けられる凸部と、を形成する凹凸形成工程と、前記凸部のそれぞれに放熱フィンを形成するフィン形成工程と、前記放熱フィンを避けて、少なくとも3本の前記線状凹部のそれぞれの底面に当接する支持部を備える支持ジグを用い、前記支持ジグにより前記ベースプレートを前記第一面側から支持した状態で、前記ベースプレートの前記第一面とは反対側の第二面に接着用部材を介してスイッチング素子基板を配置し、当該スイッチング素子基板を前記ベースプレート側へ押圧して前記ベースプレートに接着させる基板接着工程と、を有することを特徴とする。
このような特徴とすれば、ベースプレートに形成された少なくとも3本の線状凹部のそれぞれの底面を支持ジグで支持するので、少なくとも2個設けられた凸部のそれぞれに形成された放熱フィンを避けつつ、隣り合う凸部に形成された放熱フィン間を支持することが可能となる。このため、スイッチング素子基板を押圧する際にベースプレートに生じるたわみを低減することができる。したがって、スイッチング素子基板を押圧したことによりベースプレートに生じるひずみを低減することが可能となる。
また、前記インバータモジュールの製造方法は、前記ベースプレートが平面視で矩形状であり、前記ベースプレートの一組の対辺に平行な方向を第一方向、別の一組の対辺に平行な方向を第二方向とし、少なくとも3本の前記線状凹部を前記第一方向に平行に配置される第一線状凹部とし、前記凹凸形成工程で、少なくとも3本の前記第一線状凹部の内の2本が、前記ベースプレートの前記第一方向に平行な2つの対辺のそれぞれに沿って配置されるように形成すると共に、前記ベースプレートの前記第二方向に平行な2つの対辺のそれぞれに沿って線状凹部が配置されるように少なくとも2本の第二線状凹部を形成すると好適である。
このような方法によれば、ベースプレートの外周を囲む辺の全部を支持ジグで支持することが可能となる。このため、スイッチング素子基板を押圧する際にベースプレートに生じるたわみを、ベースプレートを一方向からのみ支持する場合に比べて、更に低減することが可能となる。したがって、スイッチング素子基板を押圧したことによりベースプレートに生じるひずみを更に低減することが可能となる。
また、前記インバータモジュールの製造方法は、前記凹凸形成工程で、前記第一線状凹部及び前記第二線状凹部を構成する全ての線状凹部のそれぞれに対応する前記第二面側の位置にリブ状凸部を形成すると好適である。
このような方法によれば、リブ状凸部によりベースプレートの強度を補強することができる。したがって、ベースプレートの厚さを薄くして軽量化しつつ、当該ベースプレートに生じるひずみを低減することが可能となる。また、リブ状凸部を線状凹部に対応する第二面側に設けているので、放熱フィンに対応する第二面側の位置に配置すべきスイッチング素子基板の配置を妨げずにベースプレートの強度を補強することが可能となる。
また、前記インバータモジュールの製造方法は、前記フィン形成工程で、前記第二方向に平行な方向に延びる板状の放熱フィンを形成すると好適である。
このような方法とすれば、放熱フィン自体を梁として機能させ、ベースプレートの第二方向のたわみを抑制することができる。したがって、ベースプレートに生じるひずみを更に低減することが可能となる。
また、前記インバータモジュールの製造方法は、前記凹凸形成工程で、前記ベースプレートの前記第二面に、前記スイッチング素子基板が接着される接着領域を囲むようにリブ状凸部を形成すると好適である。
このような方法とすれば、リブ状凸部によりベースプレートの強度を補強することができる。したがって、ベースプレートの厚さを薄くして軽量化しつつ、当該ベースプレートに生じるひずみを低減することが可能となる。また、リブ状凸部を線状凹部に対応する第二面側に設けているので、放熱フィンに対応する第二面側の位置に配置すべきスイッチング素子基板の配置を妨げずにベースプレートの強度を補強することが可能となる。
また、前記インバータモジュールの製造方法は、前記凹凸形成工程で、前記凸部、前記線状凹部、及び前記リブ状凸部をプレス加工により形成すると好適である。
このような方法とすれば、平板状のベースプレートに対して、1回の工程で容易に凸部、線状凹部、及びリブ状凸部を形成することが可能となる。したがって、製造コストを低減することが可能となる。
また、前記インバータモジュールの製造方法は、前記支持ジグは、複数の前記線状凹部のそれぞれの底面に当接する線状当接面を有する複数の支持壁部を前記支持部として有すると共に、複数の前記支持壁部を連結する基台部を有し、複数の前記支持壁部と前記基台部とに囲まれる空間が前記放熱フィンを収容可能なフィン収容空間とされていると好適である。
このような方法とすれば、スイッチング素子基板を接着する際に、放熱フィンを避けて支持ジグにより線状凹部を適切に支持することができる。また、この際、放熱フィンの周りを支持壁部及び基台部により覆った状態でベースプレートを支持することができるので、基板接着工程において放熱フィンを機械的損傷から保護することが可能となる。
また、前記インバータモジュールの製造方法は、前記接着用部材は、電気的絶縁性、熱伝導性、及び粘着性を備えるシート状部材であると好適である。
このような構成とすれば、スイッチング素子基板をベースプレートに固着させ、絶縁性を維持しつつ、熱を効率良く伝達させることが可能となる。したがって、特性の優れたインバータモジュールを製造することが可能となる。
また、上記目的を達成するための本発明に係るインバータモジュールの特徴構成は、平面視で矩形平板状のベースプレートの一組の対辺に平行な方向を第一方向、別の一組の対辺に平行な方向を第二方向として、当該ベースプレートの第一面に、前記第一方向に平行に配置される少なくとも3本の第一線状凹部と、前記第二方向に平行に配置される少なくとも2本の第二線状凹部と、を備え、2本の前記第一線状凹部が、前記ベースプレートの前記第一方向に平行な2つの対辺のそれぞれに沿って配置され、2本の前記第二線状凹部が、前記ベースプレートの前記第二方向に平行な2つの対辺のそれぞれに沿って配置され、隣り合う2本の前記第一線状凹部間に設けられることにより前記第一面に少なくとも2個設けられる凸部と、前記凸部のそれぞれに形成された放熱フィンと、前記ベースプレートの前記第一面とは反対側の第二面に接着用部材を介して接着されたスイッチング素子基板と、を備える点にある。
このような特徴構成とすれば、スイッチング素子基板をベースプレートに接着する際に、支持ジグにより放熱フィンの外周を囲む辺の全部を支持することが可能となる。このため、スイッチング素子基板を押圧する際にベースプレートに生じるたわみを低減することができるので、ひずみの少ないベースプレートを備えたインバータモジュールを実現することができる。したがって、このインバータモジュールによれば、放熱フィンを含む冷媒の流路の密封性を容易に確保することができると共に、ベースプレートと他の部品との組付性が良いために製造コストの低減が容易となる。
また、前記インバータモジュールは、前記第一線状凹部及び前記第二線状凹部を構成する全ての線状凹部のそれぞれに対応する前記第二面側の位置にリブ状凸部が形成され、前記放熱フィンが前記第二方向に平行な方向に延びる板状に形成されていると好適である。
このような構成とすれば、リブ状凸部によりベースプレートの強度を補強することができる。したがって、ベースプレートの厚さを薄くして軽量化しつつ、当該ベースプレートに生じるひずみを低減することが可能となる。また、リブ状凸部を線状凹部に対応する第二面側に設けているので、放熱フィンに対応する第二面側の位置に配置すべきスイッチング素子基板の配置を妨げずにベースプレートの強度を補強することが可能となる。また、放熱フィンを第二方向に平行な方向に延びる板状に形成することにより、放熱フィン自体を梁として機能させ、ベースプレートの第二方向のたわみを抑制することができる。したがって、ベースプレートに生じるひずみを更に低減したインバータモジュールを実現することが可能となる。
インバータモジュールを模式的に示す平面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 インバータ回路の配線図である。 インバータモジュールの製造工程の概略を示す図である。 凹凸形成工程とフィン形成工程とを示す上方斜視図である。 凹凸形成工程とフィン形成工程とを示す下方斜視図である。 基板接着工程を示す上方斜視図である。 その他の実施形態に係るインバータモジュールの製造工程の概略を示す図である。 その他の実施形態に係るインバータモジュールを模式的に示す平面図である。
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。本発明に係るインバータモジュールの製造方法によれば、一方の面に放熱フィンを有するベースプレートにおいて、当該ベースプレートの他方の面にスイッチング素子が載置されたスイッチング素子基板を接着させる際、ベースプレートに生じるひずみを低減することが可能である。以下では、このようなインバータモジュールの製造方法について説明する。
図1は、本発明に係るインバータモジュール1の製造方法を用いて製造されたインバータモジュール1を模式的に示した平面図である。図2は図1のII−II線断面図であり、図3は図1のIII−III線断面図である。図4は、本実施形態に係るインバータ回路11の配線図である。なお、図1−図3においては、ベースプレート2上の接続端子領域6に接続される配線等は省略して示している。
図1−図3に示されるように、インバータモジュール1は、ベースプレート2の上面2Aに載置されたスイッチング素子基板3の、特に最も発熱量が多いスイッチング素子4の冷却を行うための冷媒流路7を含む冷却構造を備えている。また、インバータモジュール1は、図4に示されるような三相交流電動機31の駆動用のインバータ回路11を構成するため、図1に示されるように、スイッチング素子4及びダイオード素子5をそれぞれ備えた6つのスイッチング素子基板3を、ベースプレート2の上面2Aに載置して構成されている。図示はしないが、インバータモジュール1は、ベースプレート2上に6つのスイッチング素子基板3を囲むようにケース(図示せず)が載置され、当該ケースによって各スイッチング素子4の動作制御等を行うための制御基板(図示せず)が支持される。以下、このインバータモジュール1の各部の構成について詳細に説明する。
1.基板の冷却構造
まず、図1−図3に基づいてインバータモジュール1におけるスイッチング素子基板3の冷却構造について説明する。図1に示されるように、インバータモジュール1はベースプレート2と、ベースプレート2の上面2Aに載置されたスイッチング素子基板3と、ベースプレート2の下面2Bに接するように設けられた冷媒流路7とを備えて構成される。冷媒流路7内には、所定方向の平行な冷媒の流れを形成する複数の放熱フィン8が設けられる。図2及び図3に示されるように、複数の放熱フィン8は、ベースプレート2の下面2Bに沿って互いに平行に配置されている。本実施形態では、各放熱フィン8は、ベースプレート2の下面2Bに対して垂直に立設された所定厚さの板状に形成される。また、複数の放熱フィン8の間隔は略一定とされ、複数の放熱フィン8の高さも一定とされる。そして、図1に示されるように、複数の放熱フィン8に平行な方向(図1における下から上に向かう方向)が冷媒の流れ方向Dとなる。また、この冷媒の流れ方向Dに対して直交する方向は、冷媒の流れ方向に対する直交方向C(図1における左右方向、以下単に「直交方向C」とする)となる。なお、本実施形態においては、ベースプレート2の上面2Aが本発明に係る第二面に相当し、下面2Bが本発明に係る第一面に相当する。
図2及び図3に示されるように、ベースプレート2は、水路形成部材12により支持される。また、水路形成部材12の底面を覆うように、平板状の底板部材13が設けられる。ここで、水路形成部材12は、平面形状がベースプレート2と略同じ形状とされた、直方体状の外形を有して形成される。また、水路形成部材12は、その外周を囲む周壁12aと、当該周壁12aの内側に形成された当接板部12b及び仕切り壁部12cを有している。そして、周壁12aの上面はベースプレート2の下面2Bに当接しており、周壁12aの下面は底板部材13に当接している。当接板部12bは、放熱フィン8の底面(図2及び図3の下面)に接するように設けられた板状部である。よって、複数の放熱フィン8と当接板部12bとにより囲まれた複数の細長い空間のそれぞれにより冷媒流路7が形成される。したがって、複数の放熱フィン8により区切られた複数の冷媒流路7のそれぞれを流れる冷媒により、複数本の平行な冷媒の流れが形成される。また、仕切り壁部12cは、直交方向Cに沿って設けられ、当接板部12bの下方の空間を2つに仕切る壁状部材である。ここでは、図3における仕切り壁部12cの右側の空間が流入側冷媒溜り14Aとされ、左側の空間が流出側冷媒溜り14Bとされる。
そして、流入側冷媒溜り14Aは、流入側絞り部15Aを介して冷媒流路7に連通し、流出側冷媒溜り14Bは、流出側絞り部15Bを介して冷媒流路7に連通している。流入側絞り部15A及び流出側絞り部15Bは、水路形成部材12の周壁12aと当接板部12bとの間の隙間により構成されている。流入側絞り部15A及び流出側絞り部15Bは、いずれも直交方向Cに長いスリット状の開口部とされる。また、流入側冷媒溜り14A、流出側冷媒溜り14B、流入側絞り部15A、及び流出側絞り部15Bは、いずれも冷媒流路7の全幅Wと同じ直交方向Cの長さを有している。
ここで、本実施形態における放熱フィン8は、図1及び図3に示されるように、流れ方向Dに沿って複数(本実施形態では2つ)に分割された状態で備えられる。即ち、図1に示されるように、流れ方向Dに複数列(本実施形態では2列)に並んだ状態で形成される。したがって、直交方向Cに長いスリット状の空間20が形成される。このため、図3における右側(上流側)の放熱フィン8間の冷媒流路7を流通する複数本の平行な冷媒の流れは、空間20でまとめられ、その後、図3における左側(下流側)の放熱フィン8間の冷媒流路7を流通する複数本の平行な流れになる。
このように形成された冷却構造において、冷媒は以下のように流れる。図1に示されるように、冷媒はポンプ(図示せず)の吐出圧等によって、流入路16Aから流入して流入側冷媒溜り14Aに送られる。そして、この流入側冷媒溜り14Aに充満した冷媒が、図3に示されるように、流入側絞り部15Aを通過して複数の放熱フィン8間の冷媒流路7に流入する。そして、冷媒流路7内を通る際に、冷媒がベースプレート2及び放熱フィン8との間で熱交換を行い、ベースプレート2上のスイッチング素子基板3の冷却を行う。そして、冷媒流路7を通過した冷媒は、流出側絞り部15Bを通過して流出側冷媒溜り14Bに送られる。その後、流出側冷媒溜り14Bに充満した冷媒が、流出路16Bを通って排出される。以上のように、冷媒流路7内における冷媒の流れ方向Dは、複数の放熱フィン8に平行な方向となる。ここで、ベースプレート2及び放熱フィン8が冷媒との間で熱交換を効率良く行うことが可能なように、ベースプレート2及び放熱フィン8は熱伝導性の高い金属(例えば銅等)で構成すると好適である。なお、本実施形態においては、冷媒として、車両等に用いられる、水にエチレングリコール等を添加した冷却液が用いられる。
2.基板の配置構成
次に、インバータモジュール1におけるスイッチング素子基板3の配置構成について図1に基づいて説明する。本実施形態においては、ベースプレート2の上面2Aに、6つのスイッチング素子基板3が、冷媒の流れ方向Dに2つ並ぶと共に、直交方向Cに3つ並ぶように配置されている。そして、これら6つのスイッチング素子基板3により、後述するようにインバータ回路11を構成している。
スイッチング素子基板3には、インバータ回路11(図4参照)の下アーム33を構成する下アーム用スイッチング素子4Aを備えた下アーム用スイッチング素子基板3Aと、上アーム34を構成する上アーム用スイッチング素子4Bを備えた上アーム用スイッチング素子基板3Bとがある。ここでは、6つのスイッチング素子基板3のうち、冷媒の流れ方向Dの下流側(図1における上側)に配置された3つを下アーム用スイッチング素子基板3Aとし、冷媒の流れ方向Dの上流側(図1における下側)に配置された3つを上アーム用スイッチング素子基板3Bとしている。そして、6つのスイッチング素子基板3は、冷媒の流れ方向Dに直列に(図1における上下方向に並べて)配置された対を成す(一対の)下アーム用スイッチング素子基板3Aと上アーム用スイッチング素子基板3Bとを一組として、3組のスイッチング素子基板3が直交方向Cに並べて配置されている。このように、一対のスイッチング素子基板3A、3Bは、それぞれ上流側と下流側に配置されることにより、冷却構造上でも対となる。なお、下アーム及び上アームの概念については、後に図4に基づいて説明する。また、以下の説明において、単に「スイッチング素子基板3」というときは、下アーム用スイッチング素子基板3A及び上アーム用スイッチング素子基板3Bを総称するものとし、単に「スイッチング素子4」というときは、下アーム用スイッチング素子4A及び上アーム用スイッチング素子4Bを総称するものとする。
各スイッチング素子基板3は、スイッチング素子4、ダイオード素子5、及び接続端子領域6をそれぞれ一つずつ備えている。具体的には、スイッチング素子基板3は、絶縁基板で構成され、スイッチング素子基板3の上側に図示しない半田を用いてスイッチング素子4及びダイオード素子5を固着すると共に、接続端子領域6が形成される。また、スイッチング素子基板3の下側には、絶縁性の接着用部材10が貼り付けられ、ベースプレート2に接着される。接着用部材10は、電気的絶縁性、熱伝導性、及び粘着性を備えるシート状部材で構成される。これにより、スイッチング素子基板3をベースプレート2に固着させ、スイッチング素子基板3とベースプレート2との絶縁性を維持しつつ、スイッチング素子4の熱を放熱フィン8に効率良く伝達させることが可能となる。
なお、図1では省略しているが、接続端子領域6には、スイッチング素子4と制御基板(図示せず)とを電気的に接続するためのリードピン(図示せず)が半田を介して固着される。また、接続端子領域6には、スイッチング素子4とリードピンとを電気的に接続するためのワイヤボンディングも行われる。
また、各スイッチング素子基板3上でのスイッチング素子4、ダイオード素子5、及び接続端子領域6の配置は、以下のようになっている。すなわち、図1に示すように、スイッチング素子4とダイオード素子5とは、冷媒の流れ方向Dに直列に(図1における上下方向に並べて)配置されている。図示の例では、スイッチング素子4がダイオード素子5よりもわずかに大きい外形を有している。そして、ダイオード素子5の直交方向Cの中心位置がスイッチング素子4の直交方向Cの中心位置に対して、直交方向Cの右側にずれた位置に配置され、スイッチング素子4とダイオード素子5の直交方向Cの右側の縁が同一直線状となるようにされている。また、接続端子領域6は、ダイオード素子5の直交方向Cの左側に配置されている。このような各素子等の配置に合わせて、図示の例では、各スイッチング素子基板3は、冷媒の流れ方向Dに長い長方形の平面形状を有する板状に形成されている。
3.インバータ回路の構成
次に、本実施形態に係るインバータモジュール1により構成されるインバータ回路11の電気的な構成について説明する。図4に示されるように、インバータ回路11は三相交流電動機31の駆動用の回路となっている。即ち、インバータ回路11は三相交流電動機31のU相コイル31u、V相コイル31v、及びW相コイル31wのそれぞれに対応して設けられた(U相、V相、及びW相の各相に対応する)U相アーム32u、V相アーム32v、及びW相アーム32wを備えている。そして、これらの各相用のアーム32u、32v、32wは、それぞれ相補的に動作可能な一対の下アーム33及び上アーム34を有して構成される。ここで、下アーム33は、nチャネルIGBT素子でなる下アーム用スイッチング素子4Aと、当該下アーム用スイッチング素子4Aのエミッタ−コレクタ間に並列に接続されたダイオード素子5とを有して構成されている。同様に、上アーム34は、nチャネルIGBT素子でなる上アーム用スイッチング素子4Bと、当該上アーム用スイッチング素子4Bのエミッタ−コレクタ間に並列に接続されたダイオード素子5とを有して構成される。ここで、ダイオード素子5は、アノードがスイッチング素子4のエミッタに接続され、カソードがスイッチング素子4のコレクタに接続されている。
また、各相用の一対の下アーム33と上アーム34とは、下アーム33がグランドとなる負極N側となり、上アーム34が電源電圧となる正極P側となるように直列に接続されている。具体的には、下アーム用スイッチング素子4Aのエミッタが負極Nに接続され、上アーム用スイッチング素子4Bのコレクタが正極Pに接続されている。即ち、下アーム用スイッチング素子4Aがロアサイドスイッチとなり、上アーム用スイッチング素子4Bがハイサイドスイッチとなる。そして、下アーム用スイッチング素子4Aのコレクタと上アーム用スイッチング素子4Bのエミッタとが、各アーム32u、32v、32wが対応する電動機31のU相コイル31u、V相コイル31v、及びW相コイル31wのそれぞれに接続されている。
インバータ回路11は、インバータモジュール1の各スイッチング素子基板3との関係では、下アーム用スイッチング素子基板3Aの下アーム用スイッチング素子4A及びダイオード素子5が下アーム33を構成し、上アーム用スイッチング素子基板3Bの上アーム用スイッチング素子4B及びダイオード素子5が上アーム34を構成することになる。即ち、ベースプレート2上に配置された6つのスイッチング素子基板3のうち、冷媒の流れ方向Dの下流側(図1における上側)に配置された3つの下アーム用スイッチング素子基板3AがそれぞれU相アーム32u、V相アーム32v、及びW相アーム32wの下アーム33を構成し、冷媒の流れ方向Dの上流側(図1における下側)に配置された3つの上アーム用スイッチング素子基板3BがそれぞれU相アーム32u、V相アーム32v、及びW相アーム32wの上アーム34を構成する。また、ベースプレート2上において、冷媒の流れ方向Dに直列に(図1における上下方向に並べて)配置された一対の(一組の)下アーム用スイッチング素子基板3Aと上アーム用スイッチング素子基板3Bとが、それぞれU相アーム32u、V相アーム32v、及びW相アーム32wのいずれかを構成する。したがって、例えば、直交方向Cの左側(図1における左側)の一対のスイッチング素子基板3A、3BがU相アーム32uを構成し、直交方向Cの中央の一対のスイッチング素子基板3A、3BがV相アーム32vを構成し、直交方向Cの右側(図1における右側)の一対のスイッチング素子基板3A、3BがW相アーム32wを構成する。
4.インバータモジュールの製造方法
ここで、上述のように、各スイッチング素子4のコレクタ−エミッタ間には、U相コイル31u、V相コイル31v、及びW相コイル31wに流れる電流に応じた電流が流れる。このため、三相交流電動機31に要求された要求トルクが大きい場合には、当該コレクタ−エミッタ間に流れる電流も大きくなる。したがって、三相交流電動機31に要求された要求トルクに応じて各スイッチング素子4の発熱量が多くなる。このため、インバータモジュール1は上述のように冷媒で冷却可能な冷却構造を備えて構成される。以下、インバータモジュール1の製造方法について説明する。
本発明に係るインバータモジュール1の製造方法は、凹凸形成工程と、フィン形成工程と、基板接着工程と、を備えてなる。このような各工程の概略構成が図5に示される。図5では、上述の図3と同様の位置でのベースプレート2の断面を示している。また、凹凸形成工程及びフィン形成工程後におけるベースプレート2の上方斜視図が図6に示され、下方斜視図が図7に示される。
4−1.凹凸形成工程
インバータモジュール1の製造にあたり、図6(a)及び図7(a)に示されるような平板上のベースプレート2が用いられる。特に、本実施形態におけるベースプレート2は平面視で矩形状のもの、即ち、矩形平板状のベースプレート2が用いられる。凹凸形成工程では、このような平面状のベースプレート2の第一面に対して、互いに平行に配置される少なくとも3本の線状凹部40が形成される。
本実施形態では、上述のようにベースプレート2の第一面はベースプレート2の下面2Bが相当する。また、線状凹部40とは線状の凹溝が相当する。ベースプレート2の下面2Bに、線状凹部40として、このような線状の凹溝がそれぞれ互いに平行となるように少なくとも3本形成される。本実施形態では、図6(a)及び図7(a)に示されるように、ベースプレート2の一組の対辺に平行な方向を第一方向X、別の一組の対辺に平行な方向を第二方向Yとすると、ベースプレート2の下面2Bにおいて第一方向Xに平行に3本の線状凹部40が配置されている。以下の説明では、第一方向Xに平行に配置された3本の線状凹部40を第一線状凹部41として説明する。
特に、図示されるように、3本の第一線状凹部41の内の2本が、ベースプレート2の第一方向Xに平行な2つの対辺のそれぞれに沿って配置されるように形成されると好適である。第一方向Xに平行な2つの対辺のそれぞれに沿って配置されるとは、ベースプレート2の第一方向Xに平行な2つの両辺に平行に配置されているとともに、第一方向Xに平行な2つの辺のそれぞれに接して配置されている状態を表わしている。このように第一線状凹部41の内の2本を配置するように形成することにより、後述する基板接着工程において、支持ジグ60でベースプレート2における第二方向Yの最も外側の部分を支持することが可能となる。
また、隣り合う2本の第一線状凹部41間に設けられることにより第一面に少なくとも2個設けられる凸部43が形成される。上述のように、第一面とは下面2Bが相当し、本実施形態では下面2Bに3本の第一線状凹部41が形成される。したがって、隣り合う2本の線状凹部40間の凸部43は2個形成される。凸部43には、後述するフィン形成工程において放熱フィン8が形成される。このため、凸部43の幅(後述する、第二方向Yの長さ)は所望する放熱フィン8の幅となるように形成される。
また、ベースプレート2の下面2Bに、ベースプレート2の第二方向Yに平行な少なくとも2本の線状凹部40が形成される。本実施形態では、ベースプレート2の第二方向Yに平行な2つの対辺のそれぞれに沿って線状凹部40が配置されるように形成される。第二方向Yに平行な2つの対辺のそれぞれに沿って配置されるとは、ベースプレート2の第二方向Yに平行な2つの両辺に平行に配置されているとともに、第二方向Yに平行な2つの辺のそれぞれに接して配置されている状態を表わしている。このように線状凹部40を配置するように形成することにより、後述する基板接着工程において、支持ジグ60でベースプレート2における第一方向Xの最も外側の部分を支持することが可能となる。ここで、以下の説明では、上述の第一線状凹部41と区別するために、線状凹部40を第二線状凹部42として説明する。したがって、第二線状凹部42は、ベースプレート2の第二方向Yに平行に2本配置される。
更に、本実施形態では第一線状凹部41及び第二線状凹部42を構成する全ての線状凹部40のそれぞれに対応する第二面側の位置にリブ状凸部50が形成される。第二面とは上面2Aが相当する。また、全ての線状凹部40とは、本実施形態では3本の第一線状凹部41と2本の第二線状凹部42とである。ここで、上述のように、これらの第一線状凹部41及び2本の第二線状凹部42は、ベースプレート2の下面2Bに対して凹溝で形成される。したがって、全ての線状凹部40のそれぞれに対応する第二面側の位置とは、3本の第一線状凹部41と2本の第二線状凹部42とを構成するベースプレート2の下面2Bの凹溝に対応する上面2Aの位置に相当する。即ち、ベースプレート2の下面2Bに形成された3本の第一線状凹部41及び2本の第二線状凹部42の板厚方向反対側の位置となる。リブ状凸部50は、このような位置にリブ状の凸部として形成される。
このようなリブ状凸部50は、ベースプレート2の上面2Aに、後述する基板接着工程において、スイッチング素子基板3が接着される接着領域55を囲むように形成される。このように形成することにより、リブ状凸部50によりベースプレート2の強度を補強することができる。したがって、ベースプレート2の厚さを薄くして軽量化しつつ、当該ベースプレート2に生じるひずみを低減することが可能となる。また、リブ状凸部50を3本の第一線状凹部41と2本の第二線状凹部42とに対応する上面2A側に設けているので、放熱フィン8に対応する上面2A側の位置に配置すべきスイッチング素子基板3の配置を妨げずにベースプレート2の強度を補強することが可能となる。
本実施形形態では、このような凸部43、第一線状凹部41、リブ状凸部50はプレス加工により形成される。このプレス加工は、図5(a)に示される平板状のベースプレート2を図5(b)において黒矢印で示されるリブ状凸部50を形成する部位を支持しつつ、白抜き矢印で示される方向にリブ状凸部50を形成しない領域を押圧することにより行われる。プレス加工により図6(b)及び図7(b)に示されるようにベースプレート2が加工される。このようなプレス加工により、平板上のベースプレート2に対して、1回の工程で容易に凸部43、第一線状凹部41、リブ状凸部50を形成することが可能となる。したがって、製造コストを低減することが可能となる。
4−2.フィン形成工程
凹凸形成工程に続いて、フィン形成工程が行われる。フィン形成工程では、凸部43のそれぞれに放熱フィン8を形成する。フィン形成工程では、第二方向Yに平行な方向に延びる板状の放熱フィン8が形成される。放熱フィン8の形成は、凸部43を第二方向Yに平行に専用ジグで掘り起こし、放熱フィン8がベースプレート2の下面2Bから立設するように形成することも可能であるし、凸部43を所定間隔で第二方向Yに平行に掘削して凹溝を形成することも可能である。このように形成された放熱フィン8が、図6(c)及び図7(c)に示される。放熱フィン8間に形成される凹溝が、上述の冷媒流路7として用いられる。
ここで、本実施形態のベースプレート2には、第一方向Xに平行に3本の第一線状凹部41が形成され、第二方向Yに平行に2本の第二線状凹部42が形成される。このため、第二方向Yのたわみに対する強度が第一方向Xのたわみに対する強度に比べて弱くなる。そこで、放熱フィン8の板状部分を第二方向Yに平行な方向に形成すると好適である。このように放熱フィン8を形成することにより、放熱フィン8自体を梁として機能させ、ベースプレート2の第二方向Yのたわみに対する強度を向上させ、当該第二方向Yのたわみを抑制することができる。したがって、ベースプレート2に生じるひずみを更に低減することが可能となる。
4−3.基板接着工程
フィン形成工程に続いて、基板接着工程が行われる。この基板接着工程では、上述のように放熱フィン8が形成されたベースプレート2にスイッチング素子基板3を接着する。この基板接着工程では、放熱フィン8を避けて、3本の第一線状凹部41のそれぞれの底面に当接する支持部61を備える支持ジグ60が用いられる。3本の第一線状凹部41のそれぞれの底面とは、第一線状凹部41を構成する凹溝の底面である。即ち、ベースプレート2の下面2Bが相当する。また、本実施形態では、2本の第二線状凹部42も配置される。したがって、支持ジグ60は、第二線状凹部42を構成する凹溝の底面にも支持部61が当接するように構成される。これにより、支持ジグ60によりベースプレート2を下面2Bから支持した状態とすることが可能となる。このような支持ジグ60の上方斜視図が図8に示される。支持ジグ60は、複数の第一線状凹部41及び第二線状凹部42のそれぞれの底面に当接する線状当接面を有する複数の支持壁部62を支持部61として構成される。線状当接面とは、ベースプレート2の下面2Bに当接する当該ベースプレート2の下面2Bに対向する支持部60が有する面である。このような支持部60は、壁状の支持壁部62から形成される。
また、支持部60は、複数の支持壁部62を連結する基台部63を有し、複数の支持壁部62と基台部63とに囲まれる空間が放熱フィン8を収容可能なフィン収容空間として利用される。このように支持ジグ60の支持部61及び支持壁部62で囲まれたフィン収容空間に放熱フィン8が収容された状態が図5(d)に示される。
このような支持ジグ60を用いることにより、ベースプレート2の外周を囲む辺の全部を支持ジグ60で支持することが可能となる。このため、スイッチング素子基板3を押圧する際にベースプレート2に生じるたわみを、ベースプレート2を一方向からのみ支持する場合に比べて、更に低減することが可能となる。したがって、スイッチング素子基板3を押圧することによりベースプレートに生じるひずみを更に低減することが可能となる。また、基板接着工程においてベースプレート2を適切に支持しつつ、フィン形成工程により形成された放熱フィン8を機械的損傷から保護することが可能となる。
基板接着工程では、上述のようにベースプレート2を下面2B側から支持ジグ60で支持した状態で、当該ベースプレート2の下面2Bとは反対側の上面2Aに接着用部材10を介してスイッチング素子基板3が配置される。接着用部材10とは、上述のように、電気的絶縁性、熱伝導性、及び粘着性を備えるシート状部材である。スイッチング素子基板3は、ベースプレート2の上面2Aのリブ状凸部50により囲まれた接着領域55に接着用部材10を介して配置される。
そして、図5(d)において白抜き矢印で示されるように、スイッチング素子基板3をベースプレート2側に押圧してベースプレート2に接着させる。本発明のインバータモジュール1の製造方法によれば、このように支持ジグ60を用いてベースプレート2を支持した状態で、スイッチング素子基板3をベースプレート2に接着する。この際、ベースプレート2の第二方向Yにおける中央部に形成された第一線状凹部41が支持ジグ60により支持された状態となっている。このため、スイッチング素子基板3をベースプレート2側に押圧した場合であっても、ベースプレート2にたわみが生じにくい。したがって、ベースプレート2にひずみを生じさせることなく、適切にスイッチング素子基板3をベースプレート2に接着することが可能となる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記実施形態では、凹凸形成工程において、平板状のベースプレート2の下面2Bに対して、線状凹部40と凸部43とがリブ状凸部50とともにプレス加工により形成されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば、図9(b)に示されるように、平板上のベースプレート2の下面2Bに対して掘削加工により少なくとも3本の線状凹部40と少なくとも2個の凸部43とを形成することも当然に可能である。なお、このような場合には、凹凸形成工程で、ベースプレート2の上面2Aに、リブ状凸部を形成しないようにすることも当然に可能である。このように形成されたベースプレート2であっても、フィン形成工程において図9(c)に示されるように凸部43に放熱フィン8を形成し、基板接着工程において図9(d)に示されるようにスイッチング素子基板3をベースプレート2の上面2Aに載置することができる。
(2)上記実施形態では、凹凸形成工程において、平板状のベースプレートの下面2Bに対して、第一線状凹部41が3本形成され、第二線状凹部42が2本形成されるとともに、凸部43が2個設けられるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。第一線状凹部41を4本以上形成し、第二線状凹部42を3本以上形成することも可能である。或いは、第一線状凹部41の本数よりも第二線状凹部42の本数が多くなるように形成する(例えば、第一線状凹部41を3本形成し、第二線状凹部42を4本以上形成する)ことも可能である。更には、第一線状凹部41と第二線状凹部42とを同じ本数にすることも可能である。
(3)上記実施形態では、第一線状凹部41の内の2本のそれぞれが、第一方向Xに平行な2つの辺のそれぞれに接して配置され、2本の第二線状凹部42が、それぞれ第二方向Yに平行な2つの辺のそれぞれに接して配置されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。第一線状凹部41の内の2本の一方又は双方を、第一方向Xに平行な2つの辺に接しないように配置することは当然に可能である。また、2本の第二線状凹部42の一方又は双方を、第二方向Yに平行な2つの辺に接しないように配置することも当然に可能である。このような構成であっても、ベースプレート2に生じるひずみを低減することは当然に可能である。
(4)上記実施形態では、放熱フィン8は、第二方向Yに平行な方向に延びる板状に形成されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。放熱フィン8を第一方向Xに平行な方向に延びる板状に形成することも当然に可能である。
(5)上記実施形態では、6つのスイッチング素子基板3を備えたインバータモジュール1の製造を例示して説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。本発明によれば、図10に示されるような12個のスイッチング素子基板3を備えたインバータモジュール1の製造を行うことも可能である。このような場合には、2つの三相交流電動機31を制御する2つのインバータ回路11を含むインバータモジュール1を製造することが可能である。また、上述のような12個のスイッチング素子基板3とともに、それぞれの三相交流電動機31を駆動するために電源の出力電圧を昇圧する昇圧回路が有するスイッチング素子が載置された2つのスイッチング素子基板を備えたインバータモジュール1の製造を行うことも可能である。もちろん、上記以外の個数のスイッチング素子基板を備えたインバータモジュール1を製造することも当然に可能である。
(6)上記実施形態では、インバータ回路11の冷却に用いられる冷却構造について説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば、三相交流電動機31を駆動するために電源の出力電圧を昇圧する昇圧回路を冷却する冷却構造の製造に用いることも当然に可能である。係る場合には、適切にスイッチング素子やダイオード素子やインダクタを冷却することが可能である。
(7)上記実施形態では、接着用部材10は、電気的絶縁性、熱伝導性、及び粘着性を備えるシート状部材であるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。接着用部材10として、半田を用いることも可能であるし、樹脂等を用いることも当然に可能である。
(8)上記実施形態では、支持ジグ60が有する支持部61がベースプレート2に形成された放熱フィン8の外周を囲むように下面2Bと当接するように図示した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。ベースプレート2の外周を囲む所定の辺において、支持部61が開口部を有するように形成することも当然に可能である。
(9)上記実施形態では、スイッチング素子4がnチャネルIGBTであるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。スイッチング素子4として、nチャネルMOS−FETを用いることも可能であるし、npn型バイポーラトランジスタを用いることも当然に可能である。
本発明は、ベースプレートの一方の面に放熱フィンが備えられ、当該ベースプレートの他方の面にスイッチング素子基板が備えられたインバータモジュールの製造方法と、当該製造方法を用いて製造されたインバータモジュールに利用可能である。
1:インバータモジュール
2:ベースプレート
2A:上面(第二面)
2B:下面(第一面)
3:スイッチング素子基板
4:スイッチング素子
5:ダイオード素子
6:接続端子領域
8:放熱フィン
40:線状凹部
43:凸部
50:リブ状凸部
60:支持ジグ
61:支持部
62:支持壁部
63:基台部

Claims (10)

  1. 平板状のベースプレートの第一面に対して、互いに平行に配置される少なくとも3本の線状凹部と、隣り合う2本の前記線状凹部間に設けられることにより前記第一面に少なくとも2個設けられる凸部と、を形成する凹凸形成工程と、
    前記凸部のそれぞれに放熱フィンを形成するフィン形成工程と、
    前記放熱フィンを避けて、少なくとも3本の前記線状凹部のそれぞれの底面に当接する支持部を備える支持ジグを用い、前記支持ジグにより前記ベースプレートを前記第一面側から支持した状態で、前記ベースプレートの前記第一面とは反対側の第二面に接着用部材を介してスイッチング素子基板を配置し、当該スイッチング素子基板を前記ベースプレート側へ押圧して前記ベースプレートに接着させる基板接着工程と、
    を備えるインバータモジュールの製造方法。
  2. 前記ベースプレートが平面視で矩形状であり、前記ベースプレートの一組の対辺に平行な方向を第一方向、別の一組の対辺に平行な方向を第二方向とし、少なくとも3本の前記線状凹部を前記第一方向に平行に配置される第一線状凹部とし、
    前記凹凸形成工程で、少なくとも3本の前記第一線状凹部の内の2本が、前記ベースプレートの前記第一方向に平行な2つの対辺のそれぞれに沿って配置されるように形成すると共に、前記ベースプレートの前記第二方向に平行な2つの対辺のそれぞれに沿って線状凹部が配置されるように少なくとも2本の第二線状凹部を形成する請求項1に記載のインバータモジュールの製造方法。
  3. 前記凹凸形成工程で、前記第一線状凹部及び前記第二線状凹部を構成する全ての線状凹部のそれぞれに対応する前記第二面側の位置にリブ状凸部を形成する請求項2に記載のインバータモジュールの製造方法。
  4. 前記フィン形成工程で、前記第二方向に平行な方向に延びる板状の放熱フィンを形成する請求項3に記載のインバータモジュールの製造方法。
  5. 前記凹凸形成工程で、前記ベースプレートの前記第二面に、前記スイッチング素子基板が接着される接着領域を囲むようにリブ状凸部を形成する請求項1又は2に記載のインバータモジュールの製造方法。
  6. 前記凹凸形成工程で、前記凸部、前記線状凹部、及び前記リブ状凸部をプレス加工により形成する請求項3から5のいずれか一項に記載のインバータモジュールの製造方法。
  7. 前記支持ジグは、複数の前記線状凹部のそれぞれの底面に当接する線状当接面を有する複数の支持壁部を前記支持部として有すると共に、複数の前記支持壁部を連結する基台部を有し、複数の前記支持壁部と前記基台部とに囲まれる空間が前記放熱フィンを収容可能なフィン収容空間とされている請求項1から6のいずれか一項に記載のインバータモジュールの製造方法。
  8. 前記接着用部材は、電気的絶縁性、熱伝導性、及び粘着性を備えるシート状部材である請求項1から7のいずれか一項に記載のインバータモジュールの製造方法。
  9. 平面視で矩形平板状のベースプレートの一組の対辺に平行な方向を第一方向、別の一組の対辺に平行な方向を第二方向として、当該ベースプレートの第一面に、前記第一方向に平行に配置される少なくとも3本の第一線状凹部と、前記第二方向に平行に配置される少なくとも2本の第二線状凹部と、を備え、
    2本の前記第一線状凹部が、前記ベースプレートの前記第一方向に平行な2つの対辺のそれぞれに沿って配置され、2本の前記第二線状凹部が、前記ベースプレートの前記第二方向に平行な2つの対辺のそれぞれに沿って配置され、
    隣り合う2本の前記第一線状凹部間に設けられることにより前記第一面に少なくとも2個設けられる凸部と、
    前記凸部のそれぞれに形成された放熱フィンと、
    前記ベースプレートの前記第一面とは反対側の第二面に接着用部材を介して接着されたスイッチング素子基板と、
    を備えるインバータモジュール。
  10. 前記第一線状凹部及び前記第二線状凹部を構成する全ての線状凹部のそれぞれに対応する前記第二面側の位置にリブ状凸部が形成され、
    前記放熱フィンが前記第二方向に平行な方向に延びる板状に形成されている請求項9に記載のインバータモジュール。
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