JP2011155170A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】伝熱ガスのガス圧が高圧であっても、基板温度の面内分布を均一化できるプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】プラズマ処理装置の静電チャック21は基板2が載置される基板載置部27A〜27Fを備える。基板載置部27A〜27Fの上端部27aは、外周縁に沿って設けられた上向きに突出する環状突出部41を備える。環状突出部41に囲まれた凹部43には多数の柱状突起47,48が設けられている。基板2の下面2aは環状突出部41と柱状突起47,48の上端面に直接接触して支持される。凹部43内には供給孔29から伝熱ガスが充填される。凹部43は、伝熱ガスのガス圧分布の均一性のために深さを深く設定した内側領域45と、基板2の最外周縁付近の下面と環状突出部41の上端面(基板載置面)41aを通る凹部43からの伝熱ガスの漏洩の均一化のために内側領域45よりも深さを浅く設定した外側領域46とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ処理装置に関する。
特許文献1には、有底の凹部に基板を収容したトレイを静電チャック(ESC)により基板サセプタに保持する構成のICP型のドライエッチング装置が開示されている。基板サセプタには冷却機構が設けられている。トレイを介した基板サセプタとの間接的な熱伝導により基板が冷却されるため、比較的均一に基板が冷却されるものの、基板の冷却効率は低い。そのため、特許文献1に記載のドライエッチング装置では、高いエッチングレートを実現するために高い高周波電力を投入することができない。
特許文献2には、バッチ処理が可能なICP型のドライエッチング装置が開示されている。図15に示すように、特許文献2のドライエッチング装置は、トレイ100に形成された厚み方向に貫通する複数の基板収容孔100aにそれぞれ基板101を収容し、トレイ100ごと基板サセプタ102のESC103に基板101を保持する構成である。基板サセプタ102には冷媒の循環路104を含む冷却機構が設けられている。個々の基板101の下面とESC103との間にはヘリウム(He)等の伝熱ガスが充填されている。ESC103が備える基板載置部105の上端部は、その最外周縁に沿って設けられた環状突出部106と、この環状突出部106で囲まれた伝熱ガスを溜めるための凹部107と、凹部107に内に設けられた多数の柱状突起108とを備える。環状突出部106と柱状突起108の上端面が、基板101の下面に接触する基板接触面106a,108aとして機能する。凹部107の深さDe(基板載置面106a,108aから凹部107の底面までの距離)は、一定である。凹部107に充填された伝熱ガスを介した基板サセプタ102との熱伝導により、プラズマ処理中の基板101が冷却される。伝熱ガスを利用する直接的な冷却により基板101を効果的に冷却できるので、難エッチング材料の高エッチングレートでのエッチングに要求される高い高周波電力の投入が可能である。例えばLEDの製造工程の一部であるサファイア(SF)基板のエッチングや、SF基板に設けた窒化ガリウム(GaN)エピタキシャル層のエッチングを特許文献2のドライエッチング装置で実行する場合、トレイ100の直径が340mmであれば、プラズマ発生用のコイルに投入する高周波電力が1000〜2800W程度、基板サセプタ102側に投入する高周波電力(バイアス電力)が500〜2000W程度である。
しかし、特許文献2に記載のドライエッチング装置で高い高周波電力を投入する場合、個々の基板における面内温度分布を十分に考慮する必要がある。図16の上段のグラフは、基板の中心から周縁に向けて生じた基板温度の分布の一例を示す(周縁に近い領域で比較的急激に基板温度が上昇している)。このような基板温度の分布があると、特にSF基板のエッチングの場合、エッチングレートの基板温度依存性(基板温度が高い程エッチングレートが低い)が顕著であるので、図16の中段のグラフに示すように、基板温度の分布に対応してエッチングレートにも分布が生じる可能性がある(周縁に近い領域で急激にエッチングレートが低下する)。また、エッチングにより形成される構造の側壁のテーパ角度にも基板温度の分布に対応した分布が生じる可能性がある。例えば、図16の下段のグラフに示すように、基板の中心では60度程度である側壁のテーパ角度は基板の外側ほど増加し、基板の周縁では75度程度となる場合がある。このように、基板の面内温度分布は、プラズマ処理の面内ばらつきの原因となり得る。
特許文献3は、He又は水素である伝熱ガスのガス圧が0〜20torr程度(0〜2600Pa)であれば、基板とESC間の熱伝達係数が主としてガス圧で決まるので基板温度の制御性が良好であるとしている。また、特許文献3は、このガス圧の範囲で前述の図15における深さDeを40μm未満、好ましくは20〜35μmに設定すれば基板温度の均一性が得られるとしている。さらに、特許文献3によれば、He又は水素である伝熱ガスのガス圧が0〜10torr程度(0〜1300Pa)の自由分子領域では熱伝達係数は伝熱ガスの圧力のみに依存するので特に好ましく、10〜78torr程度(1300Pa〜10140Pa程度)の遷移領域では熱伝達係数は伝熱ガスの圧力と深さDeに依存し、78torr程度(10140Pa程度)を上回る連続体領域では熱伝達係数は深さDeに依存するとされている。
しかしながら、SF基板やそれに形成したGaNエピタキシャル層のような難エッチング材料の高いエッチングレートでのエッチングには高い高周波電力の投入が必要であり、この高い高周波電力に対応して基板の冷却効率を高めるには、基板とESCの間に充填する伝熱ガスのガス圧を特許文献3で特に好ましいとされている0〜10torr程度(0〜1300Pa程度)よりも高い領域、具体的には1300Pa〜3000Pa程度に設定する必要がある。そのため、特許文献3で教示されているように図15の深さDeを40μm未満の一定値に設定しても、図16を参照して説明した基板温度の面内分布と、それに起因するエッチングレートや形状の面内ばらつきを解消できない。
特開2000−58514号公報 特開2005−297378号公報 特許第3176305号公報(段落0038〜0041,0060)
本発明は、基板とESCの間に伝熱ガスを充填するプラズマ処理装置において、伝熱ガスのガス圧が例えばSF基板やそれに形成したGaNエピタキシャル層のエッチングに要求されるような高圧であっても、基板温度の面内分布を均一化し、プラズマ処理の面内ばらつきを解消することを課題とする。
本発明は、プラズマを発生させる減圧可能なチャンバと、基板が載置される基板載置部を少なくとも1個備え、前記基板載置部に載置された前記基板を静電的に保持する静電チャックを有する、前記チャンバ内に設けられた基板保持部と、前記基板と前記基板載部との間に伝熱ガスを供給する伝熱ガス供給機構と、前記基板保持部を冷却する冷却機構とを備え、前記静電チャックの前記基板載置部の上端部は、周縁に設けられた環状突出部と、同一平面上にある前記環状突出部の上端面と共に前記基板の下面を載置する基板載置面を構成する上端面をそれぞれ備える複数の突起と、前記環状突出部で囲まれた領域であって、前記基板載置部の前記上端部の中心を含む内側領域と、この内側領域と前記環状突出部の間の外側領域とを備え、前記内側領域における前記基板載置面から底面までの第1の深さより、前記外側領域における前記基板載置面から底面までの第2の深さが浅い凹部とを有し、前記基板載置面に載置された前記基板で閉鎖された凹部内に前記伝熱ガス供給機構からの前記伝熱ガスが充填される、プラズマ処理装置を提供する。
具体的には、前記伝熱ガス供給機構は、前記凹部の前記内側領域内に前記伝熱ガスの供給口を有する。凹部の内側領域に含まれる基板載置部の中心に単一の伝熱ガスの供給口を設けてもよいし、内側領域内に複数個の伝熱ガスの供給口を複数個設けてもよい。
前記内側領域の平面視での外形寸法は、前記基板載置部の平面視での外形寸法の0.5倍以上0.93倍以下に設定される。基板の直径が4インチ(約100mm)であり、基板載置部の平面での直径が約90〜100mm(例えば97mm)である場合、内側領域の直径は基板載置部の直径の0.64倍以上0.9倍以下に設定される。また、基板の直径が6インチ(約150mm)であり、基板載置部の平面での直径が約140〜150mm(例えば147mm)である場合、内側領域の直径は基板載置部の直径の0.73倍場合以上0.93倍以下に設定される。さらに、基板の直径が3インチ(約76mm)であり、基板載置部の直径が約66〜76mm(例えば73mm)である場合、内側領域の直径は基板載置部の直径の0.6倍以上0.86倍以下に設定される。さらにまた、基板の直径が2インチ(約50mm)であり、基板載置部の直径が約48〜50mm(例えば4.8mm)である場合、内側領域の直径は基板載置部の直径の0.5倍以上0.8倍以下に設定される。
さらに、前記第1の深さは40μm以上100μm未満であり、前記第2の深さは10μm以上40μm未満である。
基板載置面に載置された基板で閉鎖されて伝熱ガスが供給される凹部は、中心を含む深さが深い(40μm以上100μm未満)内側領域と、内側領域と環状突出部の間である深さが浅い(10μm以上40μm未満)外側領域とを備える。内側領域では伝熱ガスの拡散性を向上させるために凹部の深さを深く設定している。伝熱ガスの拡散性向上により、基板の中心(伝熱ガスの供給口)から周縁へ向けての伝熱ガスの圧力降下の勾配が小さくなる。その結果、内側領域では、伝熱ガスのガス圧が比較的高く、かつ伝熱ガスのガス圧分布は均一化される。
環状突出部の上端面(基板載置面)と基板の周縁付近の下面との間の微細な隙間を通って、凹部からチャンバ内に微量の伝熱ガスが漏洩する。仮に凹部の外側領域の深さを内側領域と同じ深い深さに設定すると、基板の周縁付近において凹部に充填されている伝熱ガスの圧力が過度に高くなる。この過度に高い圧力により、平面視で基板の周縁のうちの単一又は複数の特定の箇所のみから凹部内の伝熱ガスが漏洩し、基板の周縁の他の箇所からは凹部内の伝熱ガスが漏洩しない状態となるおそれがある。このような凹部からの不均一な伝熱ガスの漏洩は、基板の温度の面内ばらつきを生じさせて、プラズマ処理の面内ばらつきの原因となる。本発明のプラズマ処理装置では、外側領域の深さを内側領域よりも浅く設定して内側領域よりも基板の周縁に向かう伝熱ガスの圧力降下の勾配を大きくしている。そして、圧力降下の勾配を大きくすることで、凹部からの不均一な伝熱ガスの漏洩(基板の周縁のうちの特定の箇所のみからの伝熱ガスの漏洩)が生じない程度に、基板の周縁付近における凹部内の伝熱ガスの圧力を低下させている。
以上のように、本発明では、ガス圧分布と伝熱ガスの不均一な漏洩防止との両方を考慮し、内側領域では凹部の深さを深くする一方、外側領域では凹部の深さを浅く設定している。
凹部の深さを浅く設定した外側領域では、基板の下面と凹部の底面との距離が短くなることで基板と基板載置部との間の伝熱係数が大きくなる。この伝熱係数の増加は、伝熱ガスの不均一な漏洩防止のために凹部の深さを深く設定したこと(伝熱ガスの圧力降下の勾配を大きくしたこと)による外側領域における基板の冷却効率の低下を補う。その結果、凹部の深さを異ならせたことに起因する内側領域と外側領域における基板の冷却効率の差は最小限に抑制される。
以上の理由により、内側領域では凹部の深さを深く設定し、外側領域では内側領域よりも凹部の深さを浅く設定することで、凹部に充填される伝熱ガスのガス圧がSF基板やそれに形成したGaNエピタキシャル層のような難エッチング材の高エッチングレートでのエッチングに要求されるような高圧(例えば1300〜3000Pa程度)であっても、基板温度の面内分布を均一化し、プラズマ処理の面内ばらつきを解消できる。
前記環状突出部は上端面に設けられた環状溝により互いに区切られた2重又は3重の環状部分を備える。
この構成により、基板の周縁の下面を通って凹部から漏洩する伝熱ガスの経路が一種のラビリンス状となる。そのため、いわゆるラビリンス効果により、凹部からの伝熱ガスの漏洩が抑制される。この漏洩抑制により、前述の不均一な伝熱ガスの漏洩を生じることなく、凹部の外側領域、特に環状突出部付近で伝熱ガスのガス圧を高い圧力で維持でき、基板の周縁付近における基板と基板載置部との間の熱伝達係数の値を大きくできる。その結果、基板の周縁付近における基板の冷却効果が向上し、基板温度分布の均一性がさらに向上する。
前記凹部は、前記内側領域と前記外側領域の境界に設けられた第1のガス分配溝と、前記外側領域と前記環状突出部の境界に設けられた第2のガス分配溝と、前記中心側から前記環状突出部に向けて延びるように設けられた前記第1及び第2のガス分配溝と連通する第3のガス分配溝とを備える。
この構成により、凹部の内側領域及び外側領域の両方における伝熱ガスの拡散性が向上する。その結果、凹部内での伝熱ガスの圧力分布の均一性がさらに向上し、基板温度分布の均一性がさらに向上する。
前記基板載置面から前記第1から第3のガス分配溝の底面までの第3の深さは100μm以下である。
この構成により、第1から第3のガス分配溝を設けたことに起因する基板の下面と静電チャックの基板載置部との間での局所的な異常放電の発生を防止できる。
好ましくは、それぞれ前記基板が収容される厚み方向に貫通する複数の基板収容孔と、個々の前記基板収容孔の孔壁から突出する基板支持部とを備え、前記基板を前記チャンバ内に搬入出可能なトレイをさらに備え、前記静電チャックは、複数の前記基板載置部と、これらの基板載置部が突出するトレイ支持部とを備え、前記基板の搬送時には、前記基板収容孔に収容された前記基板の下面の外周縁部分が前記基板支持部で支持され、前記基板の処理時には、前記トレイが前記基板保持部へ向けて降下することにより、個々の前記基板収容孔に対応する前記基板載置部が前記トレイの下面から挿入され、前記トレイの前記下面が前記誘電体部材の前記トレイ支持部に載置されると共に、前記トレイ支持部から前記基板支持部の上面までの距離が前記トレイ支持部から前記基板載置面までの距離よりも短いことにより、前記基板が前記基板支持部の上面から浮き上がって下面が前記基板載置面上に載置される。
トレイの基板収容孔内に基板載置部が進入することにより、複数の基板がそれぞれ高い位置決め精度で対応する基板載置部の基板載置面に載置される。そのため、個々の基板毎に基板温度の面内分布をさらに均一化できる。
前記トレイが前記静電チャックの前記トレイ保持部に静電的に保持されてもよい。
この構成により、トレイが効果的に冷却され、輻射や対流によるトレイの基板収容孔の孔壁及び基板支持部から基板の周縁へのわずかな熱伝達の影響さえも除かれるので、基板温度の均一性がさらに向上する。トレイは基板と同様に静電チャックが内蔵する電極によりトレイ保持部に対して静電的に吸着されてもよいし、トレイ保持部に自己静電吸着してもよい。
前記トレイの個々の前記基板収容孔の前記孔壁には、複数個の前記基板支持部が周方向に間隔をあけて突出し、個々の前記基板載置部の側周壁には、前記基板載置部の上端から前記トレイ支持部に向けて延びる複数の収容溝が設けられ、前記基板の処理時には、前記トレイが前記トレイ支持に向けて降下することにより個々の前記基板支持部が対応する前記収容溝に進入してもよい。
この構成により、基板の基板載置部の基板載置面に対する位置決め精度がさらに向上するので、基板と基板載置部の上端部の平面視での寸法及び形状を実質的に一致させることができる。言い換えれば、基板の基板載置部の上端部に対する位置がずれた場合を考慮して基板載置部の平面視での寸法を基板よりも小さく設定する必要がない。その結果、個々の基板の最外周縁付近まで基板載置面が接触することで特に基板の周縁付近が効果的に冷却され、基板温度分布の均一性がさらに向上する。
本発明の係るプラズマ処理装置では、基板載置面に載置された基板で閉鎖されて伝熱ガスが供給される基板載置部の凹部のうち、内側領域では伝熱ガスの拡散性を向上させてガス圧分布を均一化するために深さを深く設定している(第1の深さ)。一方、凹部のうち外側領域では深さを浅く設定し(第2の深さ)、凹部からの伝熱ガスの漏洩の不均一化を防止すると共に、基板の下面と凹部の底面との距離を短くして基板と基板載置部との間の熱伝達係数を大きくしている。その結果、凹部に充填される伝熱ガスのガス圧がSF基板やそれに形成したGaNエピタキシャル層のような難エッチング材料の高いエッチングレートでのエッチングに要求されるような高圧(例えば1300〜3000Pa)であっても、基板温度の面内分布を均一化し、プラズマ処理の面内ばらつきを解消できる。
本発明の第1実施形態に係るドライエッチング装置の模式的な断面図。 図1の部分Iの拡大図。 基板サセプタ、トレイ、及び基板を示す斜視図。 トレイの平面図。 第1実施形態における基板載置部の平面図。 第1実施形態における基板載置部の模式的な部分拡大断面図。 第1実施形態における基板載置部の模式的な斜視図。 伝熱ガスのガス圧と基板温度及び伝熱係数の関係を示す模式的な線図。 形状及び温度の測定箇所を説明するための基板の平面図。 3重構造の突出部を有する基板載置部の部分拡大断面図。 ラビンリンス構造がない環状突出部を有する基板載置部の部分拡大断面図。 4重構造の突出部を有する基板載置部の部分拡大断面図。 ラビリンス構造の有無による圧力分布の相違を概念的に示す線図。 本発明の第2実施形態に係るドライエッチング装置における基板サセプタ、トレイ、及び基板を示す斜視図。 図11Aの部分拡大図。 第2実施形態における基板載置部の平面図。 第2実施形態における基板載置部の模式的な斜視図。 従来のドライエッチング装置の一例の模式的な部分拡大断面図。 図14のドライエッチング装置における基板の中心からの位置と、基板温度、エッチングレート、及びテーパ角度の関係を示す線図。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2は本発明の第1実施形態に係るICP(誘導結合プラズマ)型のドライエッチング装置1を示す。このドライエッチング装置1は、6枚の4インチ(100mm)の基板2に対して同時にドライエッチング処理を行うバッチ処理を実行可能である。
ドライエッチング装置1は、基板2にプラズマ処理を行うための減圧可能な処理室が内部に構成されたチャンバ(真空容器)3を備える。チャンバ3には、基板2をトレイ4と共にチャンバ3内に搬入出するための開閉可能なゲート3aが設けられている。また、チャンバ3には、真空ポンプ等を備える真空排気装置11が接続された排気口3bが設けられている。チャンバ3内の底部側には、バイアス電圧が印加される下部電極としての機能と、基板2及びトレイ4の保持台としての機能とを有する基板サセプタ(基板保持部)5が配設されている。この基板サセプタ5と対向するチャンバ3の上端開口は石英等の誘電体からなる天板7で閉鎖されている。天板7の上方には、錐体状に巻回された複数の帯状の導電体を備えるICPコイル8が配設されている。ICPコイル8には、それぞれマッチング回路12を介して、高周波電源13が電気的に接続されている。チャンバ3に設けられたガスエッチング供給口3cはMFC(マスフローコントローラ)等を備えるエッチングガス供給源14に接続されている。
図3及び図4を併せて参照すると、トレイ4は、例えばSiC、アルミナ(Al2O3)、イットリア、AlN等のセラミクス材からなる直径340mm程度で厚みが一定の薄板である。トレイ4には、上面4aから下面4bまで厚み方向に貫通する6個の基板収容孔9A〜9Fが設けられている。個々の基板収容孔9A〜9Fに4インチの基板2が収容される。1個の基板収容孔9Aがトレイ4の中央領域に設けられ、その周囲に残りの5個の基板収容孔9B〜9Fが等角度間隔で配置されている。トレイ4には個々の基板収容孔9A〜9Fの孔壁から内向きに突出する本実施形態では無端環状の基板支持部10が設けられている。個々の基板収容孔9A〜9Bにそれぞれ1枚の基板2が収容される。基板収容孔9A〜9Fに収容された基板2は、その下面の外周縁部分が基板支持部10の上面に支持される。
基板サセプタ5は、セラミクス等の誘電体からなる静電チャック(ESC)21、表面にアルマイト被覆を形成したアルミニウム等からなり本実施形態ではペデスタル電極として機能する金属板22、及びセラミクス等の誘電体からなるスペーサ板23を備える。基板サセプタ5の最上部を構成するESC21はインジウム等の接合層24により金属板22の上面に固定されている。
基板サセプタ5の最上部を構成するESC21は、全体として薄い円板状であり平面視での外形が円形である。ESC21の上端面であるトレイ支持面26から、バッチ処理される基板2の枚数に対応する6個の基板載置部27A〜27Fが上向きに突出している。本実施形態では、基板載置部27A〜27Fは扁平な短円柱状である。トレイ支持面26の中央に1個の基板載置部27Aが配置され、この基板載置部27Aの周囲に残りの5個の基板載置部27B〜27Fが平面視で、等角度間隔で配置されている。後に詳述するように、トレイ4がESC21のトレイ支持面26で支持され、6枚の基板2がそれぞれ基板載置部27A〜27Fの上端部27aに保持される。
図2に示すように、ESC21の個々の基板載置部27A〜27Fの上端部27a付近には静電吸着電極28が内蔵されている。これらの静電吸着電極28には直流電圧印加機構15から静電吸着用の直流電圧が印加される。
図1及び図3を参照すると、個々の基板載置部27A〜27Fの上端部27aには、伝熱ガス(本実施形態ではヘリウム)の供給孔29が設けられている。個々の基板載置部27A〜27Fの上端部27aとその上に載置された基板2の下面2aとの間の閉鎖された空間には、供給孔29に接続された伝熱ガス供給機構16(図1に図示する。)によって伝熱ガス(本実施形態ではヘリウムガス)が供給される。伝熱ガスの供給時にはカットオフバルブ16aは閉弁され、伝熱ガス供給源(本実施形態ではヘリウムガス源)16bから供給流路16cを経て供給孔29へ伝熱ガスが送られる。流量計16dと圧力計16eで検出される供給流路16cの流量及び圧力に基づき、流量制御バルブ16fが制御される。一方、伝熱ガスの排出時にはカットオフバルブ16aが開弁され、供給孔29、供給流路16c、及び排出流路16gを経て排気口16hから伝熱ガスが排気される。
金属板22には、バイアス電圧としての高周波を印加する高周波印加機構17が電気的に接続されている。また、金属板22を冷却する冷却機構18が設けられている。冷却機構18は、金属板22内に形成された冷媒流路18aと、温調された冷媒を冷媒流路18a中で循環させる冷媒循環装置18bとを備える。
図1にのみ模式的に示すコントローラ30は、流量計16d及び圧力計16eを含む種々のセンサや操作入力に基づいて、高周波電源13、エッチングガス供給源3c、真空排気装置11、直流電圧印加機構15、伝熱ガス供給機構16、高周波電圧印加機構17、及び冷却機構18を含むドライエッチング装置1全体の動作を制御する。
次に、本実施形態のドライエッチング装置の動作の概要を説明する。
基板収容孔9A〜9Fにそれぞれ基板2が収容されたトレイ4は、図示しない搬送アームによりゲート3aからチャンバ3内に搬入され、上昇位置にある昇降ピン19の先端に移載される(このとき昇降ピン19の先端は基板サセプタ5よりも上方に位置する。)。次に、駆動機構20により昇降ピン19が降下することで、基板2とトレイ4が基板サセプタ5に載置される。具体的には、トレイ4は下面4bがESC21のトレイ支持面26へ降下する。トレイ4がトレイ支持面26に向けて降下する際、ESC21の基板載置部27A〜27Fがトレイ4の対応する基板収容孔9A〜9F内へトレイ4の下面4b側から進入する。トレイ4の下面4bがESC21のトレイ支持面26に載置されると、トレイ支持面26から基板支持部10の上面まで距離がトレイ支持面26から基板載置部27A〜27Fの上端までの距離よりも短いため、個々の基板収容孔9A〜9F内の基板2は基板支持面10の上面から持ち上げられて基板載置部27A〜27Fの上端部27aに載置される。
次に、静電吸着電極28に対して直流電圧印加機構15から直流電圧が印加され、個々の基板載置部27A〜27Fの上端部27aに基板2が静電吸着される。続いて、個々の基板載置部27A〜27Fと基板2の下面2aとの間の空間が、伝熱ガス供給機構16から供給孔29を通って供給される伝熱ガスにより充填される。その後、エッチングガス供給源14からチャンバ3内にエッチングガスが供給され、真空排気装置11によりチャンバ3内は所定圧力に維持される。続いて、高周波電源13からICPコイル11に高周波電圧を印加する。ICPコイル8が発生する高周波磁界によりチャンバ3内に誘導電界を発生させ、電子を加速してプラズマを発生さる。このプラズマにより基板2がエッチングされる。1枚のトレイ4で6枚の基板2を基板サセプタ6上に載置できるので、バッチ処理となる。エッチング中は、冷媒循環装置18bにより金属板22の冷媒流路18a中で冷媒を循環させることでESC21を冷却し、基板載置部27A〜27Fとの伝熱ガスを介した熱伝導により個々の基板2を冷却する。
エッチング終了後は、駆動機構20により昇降ピン19が上昇することで、基板2を基板収容孔9A〜9Fに収容したトレイ4が基板サセプタ5から上昇する。その後、図示しない搬送アームにより、基板2を保持したトレイ4がゲート3aを通ってチャンバ3から搬出される。
次に、本実施形態におけるESC21の基板載置部27A〜27Fの上端部27aの構造を詳細に説明する。基板載置部27A〜27Fの構造は同一であるので、以下では基板載置部27Dについて説明する。
基板載置部27Dの上端部27aの平面視での最外周縁の部分に沿って途切れなく、上向きに突出する環状突出部41が設けられている。本実施形態における環状突出部41は、平面視での形状が円環状である。環状突出部41の上端面は平坦面であり、基板載置部27Dに載置される基板2の下面2aと直接接触する基板載置面41aとして機能する。
図6及び図7に示すように、環状突出部41は上端面(基板載置面41a)に設けられた環状溝42により内側部41bと外側部41cとに区切られている。本実施形態では、環状突出部41の幅W1(一定幅)が3.2mmであり、内側部41b、環状溝42、外側部41cの幅W2,W3,W4(いずれも一定幅)がそれぞれ1.2mm、0.8mm、1.2mmである。また、本実施形態では、環状溝42の深さDe1(基板載置面41aから環状溝42の底面までの距離)は25μmである。
基板載置部27Dの上端部27aの環状突出部41で囲まれた領域は、伝熱ガスを充填するための凹部43となっている。凹部43の底面45a,46aからは互いに間隔をあけて配置された多数個の短円柱状の柱状突起47,48が上向きに突出している。これらの柱状突起47,48の上端面は平坦面であり、前述した環状突出部41の上端面は平坦面と同様、基板載置部27Dに載置される基板2の下面2aと直接接触する基板載置面47a,48aとして機能する。つまり、図6に示すように、環状突出部41の上端面(基板載置面41a)と柱状突起47,48の上端面(基板載置面47a,48a)は同一水平面上にあり、基板載置部27Dの上端部27aに載置された基板2の下面2aは、基板載置面41a,47a,48aに直接接触することで基板載置部27Dの上端部27aに支持される。そして、環状突出部41の内周面、凹部43の底面45a,46a、及び基板2の下面2aで画定される閉鎖空間に伝熱ガスが充填される。本実施形態では、柱状突起47,48の上端面(基板載置面47a,48a)の直径DIは2.5〜3.0mm程度である。
凹部43内は、平面視では内側領域45と外側領域46とに分かれている。内側領域45は基板載置部27Dの上端部27aの中心を含む円形の領域であり、外側領域46は内側領域45と環状突出部41との間の円環状の領域である。図1から図3に加えて図5から図7を参照すると、平面視での基板載置部27Dの上端部27aの中心に、伝熱ガスの供給孔29が1個のみ開口している。本実施形態では、この供給孔29を除いて伝熱ガスの供給口は設けられていない。しかし、複数の供給孔29を内側領域45内に設けてもよい。特に、基板のサイズが大きい場合(例えば本実施形態では4インチであるのに対して6インチである場合)には、それに伴って基板載置部27A〜27Dも大型化するので、配置箇所に特に制約を受けることなく複数個の供給孔29を内側領域45内に設けることができる。
内側領域45と外側領域46では、凹部43の深さDe2,De3が異なる。具体的には、内側領域45における凹部43の深さDe2(基板載置面41a,47a,48aから内側領域45における凹部43の底面45aまでの距離)よりも、外側領域46における凹部43の深さDe3(基板載置面41a,47a,48aから外側領域46における凹部43の底面46aまでの距離)を浅く設定している。本実施形態では、内側領域45での凹部の深さDe2が50μm程度、外側領域46での凹部43の深さDe3を25μm程度に設定している。別の見方をすれば、内側領域45に属する柱状突起47よりも、外側領域46に属する柱状突起48の高さが低い(前者が50μmで後者が25μm)。内側領域45の深さDe2は40μm以上100μm未満の範囲で設定し、外側領域46の深さDe3は10μm以上40μm未満の範囲で設定される。内側領域45の深さDe2と外側領域46の深さDe3との間には10〜80μm程度、特に10〜50μm程度の差があることが好ましい。
以下、図5を参照して、内側領域45の大きさの設定、つまり内側領域45と外側領域46の境界の設定について説明する。本実施形態では、前述のように基板2は4インチ(約100mm)であり、それに対応して基板載置部27Dの直径D1は97mmに設定されている。なお、基板2が4インチの場合、基板載置部27Dの平面視での直径D1は約90〜100mm程度の範囲で設定できる。直径D1を約100mm程度、すなわち4インチの基板2の直径と同程度に設定する場合、後述する第2実施形態のように基板載置部27の側壁に設けた収容溝55に基板支持部21を収容する構成が採用される。この基板載置部27Dの直径D1(=97mm)に対し、内側領域45の直径D2は62mm以上87mm以下の範囲で設定される。言い換えれば、内側領域45の直径D2は基板載置部27Dの直径D1(=97mm)の0.64倍以上0.9倍以下の範囲で設定される。外側領域46の幅W6(環状突出部41の幅W1も含む)は、内側領域45の直径D2に応じて5mm以上17.5mm以下の範囲で設定される。以下の表1に基板2が4インチで基板載置部27Dの直径D1が97mmの場合の内側領域45の直径D2、基板載置部27Dの直径D1に対する内側領域45の直径D2の比率D2/D1、及び外側領域46の幅W6の関係を示す。
Figure 2011155170
以下の表2は、基板2が6インチ(約150mm)であり、基板載置部27Dの直径D1が147mmの場合の内側領域45の直径D2、比率D2/D1、及び外側領域46の幅W6の関係を示す。なお、基板2が6インチの場合、基板載置部27Dの平面視での直径D1は約140〜150mm程度の範囲で設定できる。直径D1を約150mm程度、すなわち6インチの基板2の直径と同程度に設定する場合、後述する第2実施形態のように基板載置部27の側壁に設けた収容溝55に基板支持部21を収容する構成が採用される。表2に示すように、基板2が6インチの場合、内側領域45の直径D2は基板載置部27Dの直径D1(=147mm)の0.73倍以上0.93倍以下の範囲で設定される。
Figure 2011155170
以下の表3は、基板2が3インチ(約76mm)であり、基板載置部27Dの直径D1が73mmの場合の内側領域45の直径D2、比率D2/D1、及び外側領域46の幅W6の関係を示す。なお、基板2が3インチの場合、基板載置部27Dの平面視での直径D1は約66〜76mm程度の範囲で設定できる。直径D1を約100mm程度、すなわち3インチの基板2の直径と同程度に設定する場合、後述する第2実施形態のように基板載置部27の側壁に設けた収容溝55に基板支持部21を収容する構成が採用される。表3に示すように、基板2が3インチの場合、内側領域45の直径D2は基板載置部27Dの直径D1(=73mm)の0.6倍以上0.86倍以下の範囲で設定される。
Figure 2011155170
以下の表4は、基板2が2インチ(約50mm)であり、基板載置部27Dの直径D1が48mmの場合の内側領域45の直径D2、比率D2/D1、及び外側領域46の幅W6の関係を示す。なお、基板2が2インチの場合、基板載置部27Dの平面視での直径D1は約45〜50mm程度の範囲で設定できる。直径D1を約50mm程度、すなわち2インチの基板2の直径と同程度に設定する場合、後述する第2実施形態のように基板載置部27の側壁に設けた収容溝55に基板支持部21を収容する構成が採用される。
表4に示すように、基板2が2インチの場合、内側領域45の直径D2は基板載置部27Dの直径D1(=48mm)の0.5倍以上0.8倍以下の範囲で設定される。
Figure 2011155170
表1から表4より明らかなように、基板2が2インチ(約50mm)から6インチ(約150mm)である場合、内側領域45の直径D2は基板載置部27Dの直径D1(=45〜150mm)の0.5倍以上0.93倍以下の範囲で設定される。
次に、内側領域45における凹部43の深さDe2よりも外側領域46における凹部43の深さDe3を深く設定している理由を説明する。
ドライエッチング中、基板2の平面視での周縁付近は、主として下面2aが環状突出部41の上端面(基板載置面41a)と直接的に接触することによる熱伝導で冷却される。一方、ドライエッチング中、基板2のうち周縁付近よりも中心側は、凹部43に充填された伝熱ガス(本実施形態ではHeガス)を介した基板2の下面2aと基板載置部27Dの上端部27aとの間の熱伝達により冷却される。基板2がSF基板で120mm/min程度の高いエッチングレートとする場合、チャンバ3内の圧力を低圧(例えば0.6Pa)として高い高周波電力をIPCコイル8と基板サセプタ5に高い高周波電力を印加する。そのため、基板2を適切な温度(本実施形態では110℃程度)に冷却するには凹部43に充填される伝熱ガスのガス圧力を2000Pa以上の高圧(本実施形態では2600Pa)に設定する必要がある。
図8の上側のグラフには、凹部43は内側領域45と外側領域46の深さDe2,De3が25μmで一定であると仮定した場合の凹部43内の伝熱ガスの圧力(供給孔29が設けられている基板2の中心に対応する位置での圧力)と基板2の温度の関係を示す(実線が基板の周縁付近を示し点線は基板の中心を示す)。また、図6の上側のグラフの破線は、この場合の基板2の中心から周縁までの凹部43内の伝熱ガスの圧力を示す。なお、図8の下側のグラフに示すように伝熱ガスのガス圧が1300〜10140Paであると、伝熱ガスは遷移領域であり基板2と基板載置部27Dとの間の熱伝達係数は伝熱ガスの圧力と基板2の下面2aから基板載置部27Dの上端部27aとの間の距離(凹部43の深さ)の両方に依存する。
図6の上側のグラフの破線で示すように、凹部43の深さを浅い深さ(25μm)で一定として場合には、供給孔29が設けられている基板2の中心から周縁に向う伝熱ガスの拡散性が十分でないために、基板2の中心から周縁に向けての伝熱ガスの圧力降下の勾配が大きい。そのため、図8の上側のグラフに示すように、凹部43の深さが25μmで浅いと、供給孔29からの伝熱ガスの供給圧力が2600Paであって十分高い場合でも、基板2の周縁の温度(98℃)と基板2の中心の温度(87℃)の間には10℃を上回る温度差がある。本実施形態では、内側領域45の凹部43の深さDe3を深く(50μm)設定している。深さDe3を深くして伝熱ガスの拡散性向上させたことで、図6の上側のグラフの実線で示すように、内側領域45における基板2の中心から周縁へ向けての伝熱ガスの圧力降下の勾配が小さくなる(内側領域45における伝熱ガスの圧力分布が均一化される)。これは凹部43の深さが深い方が供給孔29から流す伝熱ガスの凹部43内での拡散に対する抵抗が小さくなり、伝熱ガスの拡散性が向上するためであると推察される。圧力分布が均一化された方が基板2の冷却効果が均一となるので、基板温度の分布が均一化される。そして、図16を参照して説明したように、基板温度の分布が均一化された方が、エッチングレートやエッチングにより得られる形状も均一化される。
以上が内側領域45の深さDe2を深く設定している理由である。続いて、外側領域46の深さDe3を浅く設定している理由を説明する。
環状突出部41の上端面(基板載置面41a)と基板2の周縁付近の下面2aとの間の微細な隙間を通って、凹部43からチャンバ3内に微量の伝熱ガスが漏洩する。仮に凹部43の外側領域46の深さDe3を内側領域と同じ深い深さに設定すると、基板2の周縁付近において凹部43に充填されている伝熱ガスの圧力が過度に高くなる。この過度に高い圧力により、平面視で基板2の周縁のうちの単一又は複数の特定の箇所のみから凹部43内の伝熱ガスが漏洩し、基板2の周縁の他の箇所からは凹部43内の伝熱ガスが漏洩しない状態となるおそれがある。このような凹部43からの不均一な伝熱ガスの漏洩は、基板2の温度の面内ばらつきを生じさせて、プラズマ処理の面内ばらつきの原因となる。本実施形態では、外側領域46の深さDe3を内側領域45の深さDe2よりも浅く(50μm)設定し、内側領域45よりも基板2の周縁に向かう伝熱ガスの圧力降下の勾配を大きくしている。そして、圧力降下の勾配を大きくすることで、凹部43からの不均一な伝熱ガスの漏洩(基板2の周縁のうちの特定の箇所のみからの伝熱ガスの漏洩)が生じない程度に、基板2の周縁付近における凹部43内の伝熱ガスの圧力を低下させている。
以上のように、ガス圧分布と伝熱ガスの不均一な漏洩防止との両方を考慮し、内側領域45では凹部43の深さDe2を深くする一方、外側領域46では凹部43の深さDe3を浅く設定している。
凹部43の深さDe3を浅く設定した外側領域46では、基板2の下面2aと凹部43の底面との距離が短くなることで基板2と基板載置部27Dとの間の伝熱係数が大きくなる。この伝熱係数の増加は、伝熱ガスの不均一な漏洩防止のために凹部43の深さDe3を深く設定したこと(伝熱ガスの圧力降下の勾配を大きくしたこと)による外側領域46における基板2の冷却効率の低下を補う。その結果、凹部43の深さDe2,De3を異ならせたことに起因する内側領域46と外側領域45における基板2の冷却効率の差は最小限に抑制される。
以上のように、内側領域45では凹部43の深さDe2を深く設定し、外側領域46では内側領域45よりも凹部43の深さDe3を浅く設定することで、凹部43に充填される伝熱ガスのガス圧がSFからなる基板2やそれに形成したGaNエピタキシャル層のような難エッチング材の高エッチングレートでのエッチングに要求されるような高圧(例えば1300〜3000Pa程度で本実施形態では2600Pa)であっても、基板温度の面内分布を均一化し、プラズマ処理の面内ばらつきを解消できる。
凹部43の底面45a,46aには、ガス分配溝51,52,53,54が設けられている。図5に示すように、ガス分配溝51〜53は平面視で同心円状に配置された円環状の溝であり、ガス分配溝54は平面視で凹部43の中心(基板載置部27Aの上端部27aの中心)から環状突出部41に向けて径方向外向きに延びる直線状の溝である。本実施形態では、6個の直線状のガス分配溝54が平面視で、等角度間隔で配置されている。個々の直線状のガス分配溝54と、環状のガス分配溝51〜53とは、それらの交差位置で互いに連通し、伝熱ガスがガス分配溝54からガス分配溝51〜53へ、又はその逆に流れるようになっている。
ガス分配溝51は内側領域45のうち比較的中心側に近い位置に設けられている。また、ガス分配溝52は、内側領域45と外側領域46の境界、つまり内側領域45における凹部43の底面45aのうち外側領域46に接している部分に設けられている。さらに、ガス分配溝53は、外側領域46と環状突出部41の境界、つまり外側領域46における凹部43の底面46aのうち環状突出部41の内周面に接している部分に設けられている。本実施形態では、ガス分配溝51〜54の幅W5は1.0mm程度に設定している。
ガス分配溝51〜54を設けることで供給孔29から凹部43に内に供給される伝熱ガス(Heガス)の拡散性が向上する。その結果、凹部43内での伝熱ガスの圧力分布の均一性がさらに向上するので、基板温度分布の均一性がさらに向上してエッチングレートやエッチング形状の面内ばらつきをより一層低減できる。
本実施形態では、ガス分配溝51〜54の深さDe4(基板載置面41a,47a,48aからガス分配溝51〜54の底面までの距離)を100μmに設定している。その理由は以下の通りである。本実施形態のように凹部43に充填するHeガスの圧力が2600Pa以上である場合、基板2の下面2aとESC21の表面との距離が300μm程度以上となると基板2の下面2a側に放電(いわゆるバッハクファイアー)が生じる。また、基板2がSF基板にGaNエキタピシャル層を形成したものである場合、基板2がESC21から離れる向きに最大で150μm程度の反りが生じる。従って、ガス分配溝51〜54の深さDe4は、放電防止のための300μmから基板2の反りを考慮した150μmと位置ずれ等の他の要因を考慮した50μmと引いた差である100μm以下に設定することが好ましい。なお、過度に浅いと伝熱ガスの拡散を効果的に促進できないので、ガス分配溝51〜54の深さDe4は50μm以上に設定することが好ましい。
前述のように、本実施形態のドライエッチング装置1では、トレイ4の個々の基板収容孔9A〜9F内にESC21の対応する基板載置部27A〜27Fが進入することにより、6枚の基板2が基板載置部27A〜27Fの上端部27aに載置される。つまり、個々の基板2の対応する基板載置部27A〜27Fの載置は、基板収容孔9A〜9Fへの基板載置部27A〜27Fの差し込みで案内される。そのため、個々の基板2の基板載置面41a,47a,48aに対する位置決め精度が高い。このように基板載置面41a,47a,48aに対して基板2が高精度で載置される点でも、個々の基板2毎の基板温度の面内分布を均一化し、エッチングレートやエッチング形状の面内ばらつきの低減を図ることができる。
(実験例)
本実施形態のドライエッチング装置で実際に基板2のドライエッチングを実行し、エッチングレート、エッチングにより形成される構造の側壁のテーパ角度、及びエッチング中の基板温度を測定した。基板2(4インチ)はSFであった。伝熱ガスは、BCl3とArの混合ガスであり、BCl3ガスとArガスの流量は共に100sccmであった。チャンバ3内の圧力は0.6Paとした。ICPコイル8に印加される高周波電力は1500Wで、基板サセプタ5に印加されるバイアスの高周波電力は1500Wとした。ESC21の静電吸着用電極に印加される直流電圧は2.56kVとした。供給孔29から凹部43内へのHeガス(伝熱ガス)の供給圧力は2600Paとした。基板サセプタ5の温度は45℃に維持される。エッチング時間は545秒であった。図9に示すように、基板2上に高さ1.0μmで直径3.0μmの円柱2bを5.0μmピッチで多数形成した。円柱2bの形状は基板2の中心である測定点P1と、基板2の外周縁から1.5mmだけ内側に等角度間隔で配置された4個の測定点P2〜P5との合計5点について測定した。具体的には、走査電子顕微鏡を使用した個々の測定点P1〜P5について複数個の円柱2bの側壁のテーパ角度θを測定した。個々の測定点P1〜P5毎に最大値から最小値を引いた差を平均値で除した値を求め、その値をその測定点P1〜P50でのテーパ角度θとした。また、基板温度はサーモラベルを使用して基板2の中心(測定点P1)と周縁側の測定点P2〜P5の1つにおいて測定した。
測定結果は以下の通りである。エッチングレートは110nm/minであった。基板温度は中心では87℃であるのに対して周縁側では98℃であった。すなわち、中心と周縁側の温度差は5℃程度でありエッチング中の基板温度の面内ばらつきが非常に小さいことが確認できた。また、テーパ角度θは中心では60°であるのに対して周縁側では65°であった。すなわち、中心と周縁でのテーパ角度θの差は5°程度であり、面内ばらつきが解消された均一化なプラズマ処理を実現できることが確認できた。
本実施形態では、例えば図6中の拡大図に示すように、環状突出部41は1個の環状溝42により2つの環状部分、すなわち内側部41bと外側部41cに分かれている。つまり環状突出部41は2重構造となっている。図10Aに示すように、環状突出部41は2個の平面視で同心円状の環状溝42,42’により3つの環状部分41d,41e,41fに分かれた3重構造としてもよい。環状突出部41をこのような2重構造又は3重構造とすることによっても、基板2の冷却効果の向上と基板温度部分の均一化向上を図ることができる。以下、その理由を説明する。
まず、環状突出部41を2重又は3重構造とすると、基板2の周縁付近の下面2aと環状突出部41aの上端面(基板載置面41a)の接触箇所を経て凹部43から漏洩する伝熱ガスの経路は一種のラビリンス状となる。そのため、いわゆるラビリンス効果により、環状突出部41の上端面と基板2の下面2aとの間の微細な隙間から伝熱ガスの漏洩が防止される。この漏洩抑制により、凹部43の外側領域46、特に環状突出部41付近で伝熱ガスのガス圧力を高い圧力で維持できる。その結果、基板2の周縁付近における基板2と基板載置部27Dとの間の熱伝達係数の値を大きくできる。
図10Bに示すように、環状突出部41に環状溝を設けずに1重構造とした場合、環状突出部41付近で伝熱ガスのガス圧力が低くなる(図11の実線は本実施形態のように環状溝42によって伝熱ガスの経路をラビリンス状とした場合を示す、破線は環状突出部41の上端面(基板載置面41a)を単なる平坦面とした場合を示す)。環状溝42を設けない(環状突出部41が1重構造)である点を除いて、前述した実験例と同一条件で基板2の温度を測定したところ、中心では87℃であったが周縁側では126℃であった。すなわち、中心と周縁側の温度差は40℃を上回り、エッチング中の基板温度の面内ばらつきが大きい。これは環状突出部41が1重構造であるため環状突出部41の上端面と基板2の下面2aとの間の微細な隙間から伝熱ガスの漏洩を効果的に防止できないために、基板2の周縁側で伝熱ガスの圧力が低下したためと考えられる。
図10Cに示すように、環状突出部41を3個の同心円状の環状溝42,42’,42’’により4つ環状部分41d〜41gを分かれた4重構造とした場合、環状溝42〜42’や環状部分41d〜41gの幅が本実施形態と同様(内側部41b、環状溝42、外側部41cの幅W2,W3,W4はそれぞれ1.2mm、0.8mm、1.2mm)とすると、環状突出部41の幅W1が7.2mm程度に達する。この程度まで環状突出部41の幅が大きくなると、基板2の周縁付近において凹部43に充填されている伝熱ガスの圧力が過度に高くなる。その結果、平面視で基板2の周縁のうちの単一又は複数の特定の箇所のみから凹部43内の伝熱ガスが漏洩し、基板2の周縁の他の箇所からは凹部43内の伝熱ガスが漏洩しない状態となるおそれがある。このような凹部43からの不均一な伝熱ガスの漏洩は、基板2の温度の面内ばらつきを生じさせて、プラズマ処理の面内ばらつきの原因となる。従って、環状突出部41は4重以上の構造ではなく、2重又は3重構造が好ましい。
(第2実施形態)
図12Aから図14に示す本発明の第2実施形態のドライエッチング装置1は、ESC21の基板載置部27A〜27Fに対する基板2の位置決め精度をさらに向上させるための構造を備えている。
図12A及び図12Bを参照すると、トレイ4の基板収容孔9A〜9Fの孔壁には、周方向に間隔をあけて突起状の3個の基板支持部10が設けられている。詳細には、基板収容孔9A〜9Fの貫通方向から見ると、基板収容孔9A〜9Fの中心に対して等角過度間隔(120°間隔)で3個の基板支持部21が設けられている。図13及び図14を併せて参照すると、ESC21の個々の基板載置部27A〜27Fの側周壁には上端部27aからトレイ支持面26に向けて鉛直方向に延びる3個の収容溝55が形成されている。平面視では、個々の基板載置部27A〜27Fの平面視での中心に対して等角度間隔で3個の収容溝55が設けられている。収容溝55の平面視での寸法及び形状は、突起状の基板支持部19よりもわずかに大きく設定されている。
図13及び図14に示すように、環状突出部41とガス分配溝53の収容溝55を通る部分は、収容溝55を取り囲むように部分的に内側に迂回している。つまり、基板載置部27A〜27Fには収容溝55を設けているが、第1実施形態と同様に、環状突出部41とガス分配溝53は無端状である。
図12Aに示すようにESC21の個々の基板載置部27A〜27Fの上方にトレイ4の個々の基板収容孔9A〜9Fが平面視で位置合わせされた状態で配置されている場合、トレイ4がESC21に向けて降下すると、個々の基板収容孔9A〜9Fの3個の基板支持部21が対応する基板載置部27A〜27Fの収容溝55の上端からその内部に進入して下方に収容溝55内を降下する。従って、この場合、トレイ4の下面4bがトレイ支持面26に達し、かつ基板2の下面2aが基板載置面41a,47a,48a上に載置されるまでトレイ4を降下させることができる。しかし、個々の基板載置部27A〜27Fに対する個々の基板収容孔9A〜9Fの平面視での位置がずれている場合、基板支持部10と収容溝55の平面視での位置もずれるので、基板支持部10は収容溝55に進入できず、基板載置部27A〜27Fと干渉し、基板収容孔9A〜9Fに対して基板載置部27A〜27Fが挿入されない。このように、従って、突起状の基板支持部10と収容溝55とを設けることにより、個々の基板2の基板載置面41a,47a,48aに対する位置決め精度をさらに高めることができる。
突起状の基板支持部10と収容溝55を採用して位置決め精度を高めることで、基板2と基板載置部27A〜27Fの上端部27aの平面視での寸法及び形状を実質的に一致させることができる。言い換えれば、基板2の基板載置部27A〜27Fの上端部27aに対する位置がずれた場合を考慮して基板載置部27A〜27Fの平面視での寸法を基板2よりも小さく設定する必要がない。その結果、個々の基板2の最外周縁付近まで環状突出部41の上端面である基板載置面41aが接触することで基板2の周縁付近における冷却効果が向上し、基板温度分布の均一性がさらに向上する。例えば、基板2の直径が100mmであれば基板載置部27A〜27Fの直径をそれと同一の100mmに設定できる。
第2実施形態のその他の構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本発明は前記実施形態に限定されず、例えば以下に列挙するような種々の変形が可能である。
ESC21は、基板2を静電吸着するための静電吸着電極28により、又は静電吸着電極28とは別の設けた静電吸着電極によりトレイ支持面26にトレイ4の下面4bを静電吸着により保持してもよい。あるいは、自己静電吸着によりトレイ4の下面4bをESC21のトレイ支持面26に静電吸着させてもよい。前述の実施形態のようにチャンバ3内の圧力が低圧(0.6Pa)である場合でも、輻射や対流によるトレイ4の基板収容孔9A〜9Fの孔壁及び基板支持部10から基板2への周縁への僅かな熱伝導がある。トレイ4をESC21に静電吸着して基板2と同様に冷却するとことにより、輻射や対流によるわずかな熱伝達の影響さえも除かれるので、基板温度の均一性がさらに向上する。
ドライエッチング装置を例に本発明を説明したが、本発明は化学気相成長(CVD)装置を含む他のプラズマ処理装置にも適用できる。
1 ドライエッチング装置
2 基板
2a 下面
3 チャンバ
3a ゲート
3b 排気口
3c エッチングガス供給口
4 トレイ
4a 上面
4b 下面
5 基板サセプタ
7 天板
8 ICPコイル
9A〜9F 基板収容孔
10 基板支持部
11 真空排気装置
12 マッチング回路
13 高周波電源
14 エッチングガス供給源
15 直流電圧印加機構
16 伝熱ガス供給機構
16a カットオフバルブ
16b 伝熱ガス供給源
16c 供給流路
16d 流量計
16e 圧力計
16f 流量制御バルブ
16g 排出流路
16h 排気口
17 高周波電圧印加機構
18 冷却機構
18a 冷媒流路
18b 冷媒循環装置
19 昇降ピン
20 駆動機構
21 静電チャック(ESC)
22 金属板
23 スペーサ板
24 接合層
26 トレイ支持面
27A〜27F 基板載置部
27a 上端部
28 静電吸着用電極
29 供給孔
30 コントローラ
41 環状突出部
41a 基板載置面
41b 内側部
41c 外側部
42 環状溝
43 凹部
45 内側領域
45a 底面
46 外側領域
46a 底面
47,48 柱状突起
47a,48a 基板載置面
51,52,53,54 ガス分配溝
55 収容溝
100 トレイ
100a 基板収容孔
101 基板
102 基板サセプタ
103 ESC
104 循環路
105 基板載置部
106 突出部
106a 基板載置面
107 凹部
108 柱状突起
108a 基板載置面

Claims (10)

  1. プラズマを発生させる減圧可能なチャンバと、
    基板が載置される基板載置部を少なくとも1個備え、前記基板載置部に載置された前記基板を静電的に保持する静電チャックを有する、前記チャンバ内に設けられた基板保持部と、
    前記基板と前記基板載部との間に伝熱ガスを供給する伝熱ガス供給機構と、
    前記基板保持部を冷却する冷却機構と
    を備え、
    前記静電チャックの前記基板載置部の上端部は、
    周縁に設けられた環状突出部と、
    同一平面上にある前記環状突出部の上端面と共に前記基板の下面を載置する基板載置面を構成する上端面をそれぞれ備える複数の突起と、
    前記環状突出部で囲まれた領域であって、前記基板載置部の前記上端部の中心を含む内側領域と、この内側領域と前記環状突出部の間の外側領域とを備え、前記内側領域における前記基板載置面から底面までの第1の深さより、前記外側領域における前記基板載置面から底面までの第2の深さが浅い凹部とを有し
    前記基板載置面に載置された前記基板で閉鎖された凹部内に前記伝熱ガス供給機構からの前記伝熱ガスが充填される、プラズマ処理装置。
  2. 前記伝熱ガス供給機構は、前記凹部の前記内側領域内に前記伝熱ガスの供給口を有する、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記内側領域の平面視での外形寸法は、前記基板載置部の平面視での外形寸法の0.5倍以上0.93倍以下である、請求項1又は請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記第1の深さは40μm以上100μm未満であり、前記第2の深さは10μm以上40μm未満である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記環状突出部は上端面に設けられた環状溝により互いに区切られた2重又は3重の環状部分を備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記凹部は、
    前記内側領域と前記外側領域の境界に設けられた第1のガス分配溝と、
    前記外側領域と前記環状突出部の境界に設けられた第2のガス分配溝と、
    前記中心側から前記環状突出部に向けて延びるように設けられた前記第1及び第2のガス分配溝と連通する第3のガス分配溝と
    を備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記基板載置面から前記第1から第3のガス分配溝の底面までの第3の深さが100μm以下である、請求項6に記載のプラズマ処理装置。
  8. それぞれ前記基板が収容される厚み方向に貫通する複数の基板収容孔と、個々の前記基板収容孔の孔壁から突出する基板支持部とを備え、前記基板を前記チャンバ内に搬入出可能なトレイをさらに備え、
    前記静電チャックは、複数の前記基板載置部と、これらの基板載置部が突出するトレイ支持部とを備え、
    前記基板の搬送時には、前記基板収容孔に収容された前記基板の下面の外周縁部分が前記基板支持部で支持され、
    前記基板の処理時には、前記トレイが前記基板保持部へ向けて降下することにより、個々の前記基板収容孔に対応する前記基板載置部が前記トレイの下面から挿入され、前記トレイの前記下面が前記誘電体部材の前記トレイ支持部に載置されると共に、前記トレイ支持部から前記基板支持部の上面までの距離が前記トレイ支持部から前記基板載置面までの距離よりも短いことにより、前記基板が前記基板支持部の上面から浮き上がって下面が前記基板載置面上に載置される、請求項1から請求項7のいずれ1項に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記トレイは前記静電チャックの前記トレイ保持部に静電的に保持される、請求項8に記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記トレイの個々の前記基板収容孔の前記孔壁には、複数個の前記基板支持部が周方向に間隔をあけて突出し、
    個々の前記基板載置部の側周壁には、前記基板載置部の上端から前記トレイ支持部に向けて延びる複数の収容溝が設けられ、
    前記基板の処理時には、前記トレイが前記トレイ支持に向けて降下することにより個々の前記基板支持部が対応する前記収容溝に進入する、請求項8又は請求項9に記載のプラズマ処理装置。
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