JP2011150325A - 位相差フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 配向性に優れ、光学的な耐久性を有する位相差フィルムを提供する。
【解決手段】 一枚の高分子(セルロース系高分子を除く)配向フィルムからなる位相差フィルムであって、前記高分子が正又は負の固有複屈折を有するモノマー単位(以下、第1モノマー単位と記す。)と、少なくとも1種類以上の第1モノマー単位と同じ符号の固有複屈折を有するモノマー単位(以下、第2モノマー単位と記す。)を含有し、第1モノマー単位のホモポリマーが下記式(1)を満足することを特徴とする位相差フィルム。
1 450/R1 550 < 1 (1)
(式中、R1 450は、波長450nmで測定した第1モノマー単位からなるホモポリマ
ーの位相差を表し、R1 550は、波長550nmで測定した第2モノマー単位からなる
ホモポリマーの位相差を表す。)
【選択図】 図1

Description

本発明は、正の屈折率異方性をもつモノマー単位と、該モノマー単位と同じ符号の固有複屈折を有するモノマー単位とを含有する、波長400nm〜700nmにおいて、負の波長分散性を発現する位相差フィルムに関し、特に配向性に優れ、位相差フィルムを薄くすることができる。
本発明はまた、この位相差フィルムを用いた液晶パネルと画像表示装置に関する。
近年、家庭用TVの分野においても、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに代表される薄型の平面パネルディスプレイ(FPD)の普及が顕著である。
ところで、液晶ディスプレイは、画像の表示に偏光を用いた表示が利用されており、必ず偏光板が必要とされる。また、偏光板と併せて、視野角拡大や色つきや色むら抑制等の表示品質を向上させる目的で、各種の光学フィルムが開発され、利用されている。
この目的で種々の光学フィルムが開発、利用されているが、その中でも透明性、耐熱性、吸湿性に優れた脂環式ポリオレフィンを用いた光学フィルムが一般的に用いられている。しかし、脂環式ポリオレフィンからなる位相差フィルムは、位相差の波長依存性(波長分散特性)がフラットであるため、例えば脂環式ポリオレフィンで1/4波長板(入射した光と出射する光の位相が1/4波長ずれるフィルム)を作製した場合、入射した波長400nmと800nmの光では、400nmでは100nm、800nmでは200nmの位相ずれが起こる。この位相のずれは、色つきや色むら等の画像むらの原因となる。
そこで波長の広帯域において位相差が1/4波長となるような広帯域1/4波長板が求められている。これに相当するものとして、例えば、(1)複屈折の波長分散の異なる2種類の位相差フィルムを各々の遅相軸が直交するように積層することにより、広帯域の位相差フィルムが得られることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、(2)1/2波長板と1/4波長板をそれぞれの遅相軸がある特定の配置を取るように積層することによって得られる方法も開示されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、(3)特定のアセチル化度を有するセルロースアセテートからなる広帯域位相差フィルム(例えば、特許文献3参照)や、(4)フルオレン環を側鎖に有するビスフェノール構造を含むポリカーボネート共重合体及び負の波長分散性を示す位相差フィルムが開示されている(例えば、特許文献4参照)。
特開平2−285304号公報 特開平10−68816号公報 特開2000−137116号公報 国際公開第2000/26706号パンフレット
しかしながら、(1)や(2)のような波長板を積層する方法は、表示機器の厚みを極力薄くしようとする動向に反するものであり、また遅相軸を特定の配置になるように組み付けなければならず、非常に煩雑な作業を要するという問題点がある。
また、(3)〜(4)においては一枚で広帯域において位相差が負の波長分散特性を有するフィルムが記載されている。しかし(3)の特定のアセチル化度を有するセルロースアセテートは(4)の明細書中に記載されている通り「位相差波長分散の制御が困難であ
り、例えば、位相差波長分散を制御し様々な用途によって異なる最適な位相差波長分散を有する位相差フィルム(例えば反射型液晶表示装置におけるλ/4板)を提供することが困難である。その理由は、酢酸セルロースはアセチル化度にもよるが吸水率が4〜10%程度有する材料であり、これが原因となって加水分解、寸法変形、配向緩和等の問題が生じ、位相差及びその位相差波長分散を実用的なレベルで長期間保持することが困難であるからである。すなわち材料固有に依存する問題であって、酢酸セルロースフィルムは光学的な耐久性に問題があり不都合なのである。」(特許文献4、第0096段落)といった問題があった。
(4)のフルオレン環を側鎖にもつビスフェノール構造を含むポリカーボネート共重合体を用いた場合、ポリマー中に正の屈折率異方性を有するモノマー単位と負の屈折率異方性を有するモノマー単位を有する必要がある。これにより、1)負の波長分散性を発現するためには共重合の組成(正の屈折率異方性を有するモノマー単位と負の屈折率異方性を有するモノマー単位との比率)が限られるため、共重合体の設計自由度が低い。2)正の屈折率異方性を有するモノマーと負の屈折率異方性を有するモノマーの両方を含むため、これらが干渉しあうことからフィルムの屈折率異方性が上がりづらく、配向性を上げるためにはフィルムを厚くする必要があり薄型の機器には適さないといった問題があった。
本発明の目的は、上記従来の問題点を解消するものであって、配向性に優れ、光学的な耐久性を有する位相差フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく、鋭意検討を重ねた結果、特定の固有副屈折と波長分散性を有する二種類以上のモノマーを用いる場合、広い組成比で負の波長分散性を有する高分子配向フィルムが得られることを見出して本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は下記[1]〜[13]に存する。
[1]一枚の高分子(セルロース系高分子を除く)配向フィルムからなる位相差フィルムであって、前記高分子が正又は負の固有複屈折を有するモノマー単位(以下、第1モノマー単位と記す。)と、少なくとも1種類以上の第1モノマー単位と同じ符号の固有複屈折を有するモノマー単位(以下、第2モノマー単位と記す。第2モノマー単位は第1モノマー単位と同一でもよい。)を含有し、第1モノマー単位のホモポリマーが下記式(1)を満足することを特徴とする位相差フィルム。
1 450/R1 550 < 1 (1)
(式中、R1 450は、波長450nmで測定した第1モノマー単位からなるホモポリマーの位相差を表し、R1 550は、波長550nmで測定した第1モノマー単位からなるホモポリマーの位相差を表す。)
[2]第2モノマー単位と第1モノマー単位とが同一である[1]に記載の位相差フィルム。
[3]下記式(3)を満足することを特徴とする[1]に記載の位相差フィルム。
450/R 550 < R 450/R 550 (3)
(式中、R1 450は、波長450nmで測定した第1モノマー単位からなるホモポリマーの位相差を表し、R1 550は、波長550nmで測定した第1モノマー単位からなるホモポリマーの位相差を表し、R 450は、波長450nmで測定した第2モノマー単位からなる
ホモポリマーの位相差を表し、R 550は、波長550nmで測定した第2モノマー単位
からなるホモポリマーの位相差を表す。)
[4]下記式(4)を満足することを特徴とする[3]に記載の位相差フィルム。
450/R 550 > 1 (4)
(式中、R 450は、波長450nmで測定した第2モノマー単位からなるホモポリマー
の位相差を表し、R 550は、波長550nmで測定した第2モノマー単位からなるホモ
ポリマーの位相差を表す。)
[5]下記式(2−1)を満足することを特徴とする[3]または[4]に記載の位相差フィルム。
|Δn1 0|> |Δn2 0| (2−1)
(式中、|Δn 0|及び|Δn 0|は、それぞれ第1モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折の絶対値及び第2モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折の絶対値を表す。)
[6]下記式(2−2)を満足することを特徴とする[5]に記載の位相差フィルム。
Δn1 0 > Δn2 0 > 0 (2−2)
(式中、Δn 0及びΔn 0は、それぞれ第1モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折及び第2モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折を表す。)
[7]下記式(2−3)を満足することを特徴とする[3]に記載の位相差フィルム。
|Δn1 0|< |Δn2 0| (2−3)
(式中、|Δn 0|及び|Δn 0|は、それぞれ第1モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折の絶対値及び第2モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折の絶対値を表す。)
[8]下記式(2−4)を満足することを特徴とする[3]または[7]に記載の位相差フィルム。
0 < Δn1 0 < Δn2 0 (2−4)
(式中、Δn 0及びΔn 0は、それぞれ第1モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折及び第2モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折を表す。)
[9]第2モノマー単位からなるホモポリマーが、下記式(5)を満足することを特徴とする[3]乃至[8]のいずれか1つに記載の位相差フィルム。
1 < R 450/R 550 < 1.1 (5)
(式中、R 450は、波長450nmで測定した第2モノマー単位からなるホモポリマー
の位相差を表し、R 550は、波長550nmで測定した第2モノマー単位からなるホモ
ポリマーの位相差を表す。)
[10]第2モノマー単位が、炭素数4から22の鎖状または環状構造もしくはヘテロ原子を含む炭素数4から20の鎖状または環状構造であることを特徴とする[3]乃至[9]のいずれか1つに記載の位相差フィルム。
[11]高分子が、ポリエステル、ポリエステルカーボネート及びポリカーボネートのいずれかであることを特徴とする[1]乃至[10]のいずれか1つに記載の位相差フィルム。
[12][1]乃至[11]のいずれか1つに記載の位相差フィルムを用いたことを特徴とする液晶パネル。
[13][12]に記載の液晶パネルを備えることを特徴とする画像表示装置。
本発明の位相差フィルムは、光学的な耐久性を有し薄型の機器に適する配向性に優れた位相差フィルムである。
高分子Bの体積分率φに対する(Δn450/Δn550)−βの値(γ>0の場合) 高分子Bの体積分率φに対する(Δn450/Δn550)−βの値(γ<0の場合)
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されない。
本発明においては、波長 450、550nmにおける高分子配向フィルムの位相差を
450、R550と表記する。高分子配向フィルムの位相差は、光が厚さdのフィルムを透過したときにフィルムの配向方向とそれに垂直な方向の光の進行速度(屈折率)の差にもとづく位相の差をいい、配向方向とそれに垂直な方向の屈折率の差Δnとフィルムの厚さdとの積Δn・dで表わされることは知られている。
本発明における高分子配向フィルムの配向とは、高分子分子鎖が主として特定の方向に並んだ状態を指しており、この状態はフィルムの位相差(Δn・d)測定により測定し得るが、ここでいう配向とは測定波長 550nmで位相差R550 が20nm以上を指す。
配向は、通常フィルムの延伸によって生ずる。
位相差は高分子配向フィルムが同一であれば複屈折Δnに比例するので、位相差の波長分散(波長依存性)は複屈折Δnの波長分散(波長依存性)で表わすことができる。高分子配向フィルムの面内における配向方向の屈折率がそれと垂直な方向の屈折率より大きい場合を、光学的異方性が正といい、逆の場合を光学的異方性が負という。ここで高分子配向フィルムの配向方向は、例えば、フィルムを公知の位相差フィルム製造条件であるガラス転移点温度Tg近傍(Tg±20℃)の条件で一軸延伸した場合には、その延伸方向になる。二軸延伸の場合には配向が高くなるように延伸した方向をいう。本発明において、光学異方性の正負を判断するのに用いる測定光学波長は550nmとする。
以下、本発明の第1モノマー単位からなる高分子を高分子B、第2モノマー単位からなる高分子を高分子Aとして、本発明の原理を説明する。
一般に、高分子Aと高分子Bの二成分からなる高分子ブレンドの複屈折Δnは、以下のように表されることが知られている。(H.Saito and T.Inoue,Jouranal Polymer Science. PartB,25,1629(1987)
Δn=Δn 0×f×φ+Δn 0×f×φ+Δn (a)
(ここでΔn 0、Δn 0は高分子A及びBの固有複屈折、f、fは高分子A及びBの配向関数、φ、φは高分子A及びBのブレンド高分子中の高分子A及びBの体積分率を、Δnは構造性複屈折を表す。)
一般に、複屈折Δnは、Δn=f×Δn0で表される。
前記式(a)は、高分子Aと高分子B間の電子的な相互作用による分極率の変化は完全に無視しているが、以下でもこの仮定を採用する。また、本発明のような位相差フィルム用途では、光学的に透明であることが要求されることより、ブレンドは相溶ブレンドであることが好ましく、この場合には、Δnは非常に小さく、無視することができる。
次に、波長450nmと550nmの位相差R450/R550の比が1より小さくなる位相差フィルムについて、位相差はΔn×dで表されるので、R450/R550は、Δn450/Δn550と置き換えることができる。これを式(a)を用いて表すと、
Δn450/Δn550=(Δn 0-450×f×φ+Δn 0-450×f×φ)/
(Δn 0-550×f×φ+Δn 0-550×f×φ) (b)
となり、相溶ブレンドであるので、f=fと仮定すると、次の様に表せる。
Δn450/Δn550=(Δn 0-450×φ+Δn 0-450×φ)/(Δn 0-550×φ

+Δn 0-550×φ) (c)
高分子AとBの二成分を考えているので、高分子Bの体積分率φをφと置くと、高分子Aの体積分率φは(1−φ)とおくことができるので、式(c)は次のように表すことができる。
Δn450/Δn550={Δn 0-450×(1−φ)+Δn 0-450×φ}/{Δn 0-550×
(1−φ)+Δn 0-550×φ} (d)
式(d)を見ると、Δn450/Δn550は、ΔnA 0-550とΔnB 0-550が等しい場合には、高分子Bの体積分率φに対して直線になるが、通常は双曲線になることが判る。
ここで、双曲線が発散する高分子Bの体積分率を特異点と呼び、φと表記する。φは式(d)の分母が0になる条件として与えられる。即ち式(e)を満たす。
Δn 0-550×(1−φ)+Δn 0-550×φ=0 (e)
式(e)をさらに変形すると、式(f)が得られる。
φ=1/{1−(Δn 0-550/Δn 0-550)} (f)
高分子Bの体積分率φは実際には0以上1以下の範囲でしか変化できないが、Δn 0-550/Δn 0-550によって定まる特異点φは、この範囲をはずれてもよい。
一方、式(d)は、y(φ)=(cφ+d)/(aφ+b)と見ることができるので、これをさらに、y(φ)−β=γ/(φ−α)の形に変形する。
(Δn450/Δn550)−β=γ/(φ−φ) (g)
但し、β=(ΔnB 0-450/ΔnB 0-550)×(1−φ)+(Δn 0-450/Δn 0-550)×φ (h)
γ=(1−φ)×φ×{ΔnB 0-450/ΔnB 0-550−Δn 0-450/Δn 0-550} (i)
である。
式(g)は、φ、Δn 0-450/Δn 0-550及びΔnB 0-450/ΔnB 0-550が定まれば、双曲線が定まることを示している。
x軸をφ、y軸を(Δn450/Δn550)−βとして、式(g)をプロットすると、γの符号により2種類の双曲線を描くことができる。
図1にはγ>0の場合を、図2にはγ<0の場合を示した。
式(g)は、φ、Δn 0-450/Δn 0-550及びΔnB 0-450/ΔnB 0-550が定まれば、双曲線が定まることを示している。
x軸をφ、y軸を(Δn450/Δn550)−βとして、式(g)をプロットすると、γの符号により2種類の双曲線を描くことができる。
図1にはγ>0の場合を、図2にはγ<0の場合を示した。
特異点φの位置により、双曲線の種類をさらに分類できる。図1及び図2において、(I)φ<0の場合を実線、(II)0<φ<1の場合を粗点線、(III)φ>1の場合を細点線で示している。
尚、図1の高分子Aと高分子Bを入れ替えれば図2になるので、両図に本質的な差異はない。以下、図1、即ちγ>0の場合を説明する。
式(f)を用いれば、特異点φによる分類を、波長550nmにおける高分子Aの固有複屈折Δn 0-550と高分子Bの固有複屈折Δn 0-550を用いた表記に変換できる。
(I)φ<0の場合は
Δn 0-550 Δn 0-550かつΔn 0-550、Δn 0-550が共に正
または
Δn 0-550 Δn 0-550かつΔn 0-550、Δn 0-550が共に負
を表す。
(II)0<φ<1の場合は
Δn 0-550が正かつΔn 0-550が負
または
Δn 0-550が負かつΔn 0-550が正
を表す。
(III)φ>1の場合は
Δn 0-550 Δn 0-550かつΔn 0-550、Δn 0-550が共に正
または
Δn 0-550 Δn 0-550かつΔn 0-550、Δn 0-550が共に負
を表す。
ここで、φ=0やφ=1となる可能性もあるが、特殊な場合であり、分類から除外している。φ=0の場合はΔn 0-550=0、φ=1の場合はΔn 0-550=0であることを表している。
特許文献4に記載の発明が規定する双曲線は、(II)0<φ<1の場合(図1に粗点線で示した双曲線に相当)であり、正の屈折率異方性と負の屈折率異方性を有する高分子を組み合わせることが必須である。位相差フィルムにはフィルムの厚みを厚くすること無く高い位相差が求められるが、特許文献4に記載の発明の場合、正の屈折率異方性の高分子と負の屈折率異方性の高分子が打ち消し合い、大きな複屈折が得られない場合が多い。
本発明が規定する双曲線は(I)φ<0の場合(図1に実線で示した双曲線に相当)および(III)φ>1の場合(図1に細点線で示した双曲線に相当)を規定したものである。本発明においては同符号の屈折率異方性を有する高分子を組み合わせることを条件としているため、屈折率異方性が打ち消し合わず、比較的大きな複屈折が得られる。
まず、(I)φ<0の場合について説明する。
ここで、実際に変化させ得る高分子Bの体積分率φの範囲は0以上1以下である。この範囲内でΔn450/Δn550<1となるφの値が存在するためには、以下の不等式(l)を満たす必要がある。
ΔnB 0-450/ΔnB 0-550<1 (l)
つまり本発明では、図1に実線で示した双曲線に関して、高分子Bの体積分率φが0以上1以下の範囲を規定の対象としている。この範囲で双曲線は下凸の形状をしている。そのため、Δn450/Δn550を小さくするためには、φを大きくする、即ち特異点φから離す必要がある。φがφから離れれば、Δn450/Δn550の変化は小さくなるため、実際に製造する時の制御が容易になる。また、φが0以上1以下の範囲に特異点を含まないので、Δn450/Δn550<1を満たすφの範囲が広い利点もある。
高分子Bは第1モノマー単位のホモポリマーであることから、上記式(l)から以下の
式(1)が導かれる。
1 450/R1 550 < 1 (1)
(式中、R1 450およびR1 550は、波長450nmと550nmで測定した第1モノマー単位からなるホモポリマーの位相差を表す。)
本発明の式(2−1)は、第1モノマー単位を高分子Bの構成単位、第2モノマー単位を高分子Aの構成単位とした場合に、(I)φ<0の場合の条件(Δn 0-550
Δn 0-550かつΔn 0-550、Δn 0-550が共に正、またはΔn 0-550 Δn 0-
550かつΔn 0-550、Δn 0-550が共に負)を要約したものである。
|Δn1 0| > |Δn2 0| (2−1)
(式中、|Δn 0|及び|Δn 0|は、それぞれ第1モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折の絶対値及び第2モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折の絶対値を表す。)
モノマーの合成のしやすさから、式(2−1)の中でも以下の式(2−2)を満たすものが好ましい。
Δn1 0> Δn2 0 >0 (2−2)
(式中、Δn 0及びΔn 0は、それぞれ第1モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折及び第2モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折を表す。)
また、上記の(I)〜(III)の分類はγ>0を前提としたものであることから、式(i)を用いて式(m)が導かれる。
ΔnA 0-450/ΔnA 0-550 ΔnB 0-450/ΔnB 0-550 (m)
本発明の式(3)は式(m)と同義である。
450/R 550 < R 450/R 550 (3)
(式中、R 450/R 550及びR 450/R 550は、それぞれ波長450nmと550nmで測定した第1モノマー単位からなるホモポリマー及び第2モノマー単位からなるホモポリマーの位相差R450とR550の比を表す。)
次に、(III)φ>1の場合について説明する。
この場合でも、実際に変化させ得る高分子Bの体積分率φの範囲は0以上1以下である。この範囲内でΔn450/Δn550<1となるφの値が存在するためには、以下の不等式(l)を満たす必要がある。
ΔnB 0-450/ΔnB 0-550<1 (l)
つまり本発明は、図1に細点線で示した双曲線に関して、高分子Bの体積分率φが0以上1以下の範囲を規定の対象としている。この範囲で双曲線は上凸の形状をしている。そのため、Δn450/Δn550を小さくするためには、φを大きくする、即ち特異点φに近づける必要がある。この場合、φが0以上1以下の範囲に特異点を含まないので、Δn450/Δn550<1を満たすφの範囲が広い利点がある。
高分子Bは第1モノマー単位のホモポリマーであることから、上記式(l)から以下の
式(1)が導かれる。
1 450/R1 550 < 1 (1)
(式中、R1 450およびR1 550は、波長450nmと550nmで測定した第1モノマー単位からなるホモポリマーの位相差を表す。)
本発明の式(2−3)は、第1モノマー単位を高分子Bの構成単位、第2モノマー単位を高分子Aの構成単位とした場合に、(III)φ>1の場合の条件(Δn 0-550
Δn 0-550かつΔn 0-550、Δn 0-550が共に正、またはΔn 0-550 Δn 0-550かつΔn 0-550、Δn 0-550が共に負)を要約したものである。
|Δn1 0| < |Δn2 0| (2−3)
(式中、|Δn 0|及び|Δn 0|は、それぞれ第1モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折の絶対値及び第2モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折の絶対値を表す。)
モノマーの合成のしやすさから、式(2−3)の中でも以下の式(2−4)を満たすものが好ましい。
0 < Δn1 0 < Δn2 0 (2−4)
(式中、Δn 0及びΔn 0は、それぞれ第1モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折及び第2モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折を表す。)
また、上記の(I)〜(III)の分類はγ>0を前提としたものであることから、(III)の場合も(I)の場合と同じく、式(i)を用いて式(m)が導かれる。
ΔnA 0-450/ΔnA 0-550 ΔnB 0-450/ΔnB 0-550 (m)
本発明の式(3)は、式(m)と同義である。
450/R 550 < R 450/R 550 (3)
(式中、R 450/R 550及びR 450/R 550は、それぞれ波長450nmと550nmで測定した第1モノマー単位からなるホモポリマー及び第2モノマー単位からなるホモポリマーの位相差R450とR550の比を表す。)
上記説明は二成分に関するが、三成分以上でも上記の考え方は成立する。例えば、第1モノマー単位の規定に該当する成分が複数ある場合には、複数成分の複屈折率値及び複屈折分散値等を体積分率等で補正して複数成分を一成分と見なし、第2モノマー単位も同様に補正して一成分と見なして最終的に第1モノマー単位と第2モノマー単位との組み合わせに変換し、上記式(a)以下の考察の考え方を適用することが可能である。
上記式(a)に基づく説明は高分子A,Bのブレンドとして説明したが、高分子が異なるモノマー単位を含む共重合体の場合にも上述した考察の考え方は同様に成立し、第1モノマー単位に基づく単独重合体(高分子B)と第2モノマー単位に基づく単独重合体(高分子A)とから成ると見なして上記の考え方を適用すればよい。
さらに、単独重合体と共重合体との高分子ブレンドあるいは共重合体どうしの高分子ブレンドでも、上述した考察の考え方を同様に適用することができる。即ち、この場合には、高分子ブレンドの成分高分子を構成するモノマー単位に分けて、その高分子ブレンドをそれぞれのモノマー単位からなる単独重合体の集合体と見なし、この集合体を第1モノマーの規定を満足する単独重合体の群からなる成分Aと負の異方性を有する単独重合体の群からなる成分Bとの組合せと見なして、上記の考察を適用すればよい。
なお、本発明のモノマー単位とは、重合が行われる際の基質となる物質のことであり、高分子の基本構造の構成単位となるものである。例えば、ビスフェノールAからなるポリカーボネート樹脂の場合、モノマー単位は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)である。一般に、ポリカーボネート樹脂は、溶融重合ではビスフェノールAに代表されるジヒドロキシ化合物と、ジフェニルカーボネートに代表される炭酸ジエステルとの重縮合反応により得られるので、重合の観点からは、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルがモノマーになるが、本発明におけるモノマー単位とは、ジヒドロキシ化合物に由来する部分をいい、炭酸ジエステルに由来する部分は含まない。
本発明に用いられる高分子の種類は、セルロース系高分子を除いて特に限定されるものではない。上記の条件を満たすブレンド又は共重合体であればよく、光学性能が良好で、溶融製膜や溶液キャスト製膜ができる熱可塑性樹脂が好ましい。より具体的には例えば、重縮合系ポリマー類、オレフィン系ポリマー類、付加重合系ポリマー類があげられ、重縮合系ポリマー類が好ましい。重縮合系ポリマーとしては、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルカーボネート、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエステルイミド等があげられ、中でもポリエステル、ポリエステルカーボネート及びポリカーボネートが好ましい。
本発明の位相差フィルムが、ブレンドによるポリマーからなるものである場合、光学的に透明である必要があることから、相溶ブレンド又は各々の高分子の屈折率が略等しくなるように選択するのが好ましい。
高分子配向フィルムの吸水率が3重量%以下でないと位相差フィルムとして実用する上で好ましくないため、高分子はフィルムの吸水率が3重量%以下、好ましくは2重量%以下、より好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下となるように選択することが重要である。
第1モノマー単位は、そのホモポリマーの固有複屈折が正又は負であり、R1 450/R1 550 <1を満足する必要がある。従って、第1モノマー単位はホモポリマーの主鎖方向に対して、垂直方向に共役構造を有するものが望ましい。例えば、ナフタレン化合物やフルオレン化合物なら主鎖方向に対して垂直方向にナフタレン環やフルオレン環を配置する、アントラセン化合物なら主鎖方向に対して平行に配置することが望ましい。ナフタレン化合物やフルオレン化合物を主鎖方向に対して垂直に配置する場合は、固有複屈折が負になりやすいので、主鎖方向に化合物全体として固有複屈折が正となるように設計する必要がある。具体的には、例えば、9,9−ビス[2−(3−エトキシフェニルオキシ)エチル]フルオレン、1,8−ビス(ヒドロキシエチルオキシ)アントラセンなどがあげられる。
第2モノマー単位は、第1モノマー単位との組み合わせにより決定されるものであり、そのホモポリマーが第1モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折の符号と同じものであれば限定されない。即ち、第1モノマー単位のホモポリマーの固有複屈折が正の場合、第2モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折も正であって、第1モノマー単位のホモポリマーの固有複屈折が負の場合、第2モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折も負である。更には先の式(2−1)または式(2−3)と、式(3)とを満足するものが好ましい。
第2モノマー単位はそのホモポリマーの波長による位相差の比R 450/R 550は、1より大きくても良いし、1未満であっても良いが、下記式(4)を満たすことが好ましい。
450/R 550 > 1 (4)
(式中、R 450/R 550は、それぞれ波長450nmと550nmで測定した第1モノマー単位からなるホモポリマー及び第2モノマー単位からなるホモポリマーの位相差R450とR550の比を表す。)
これは、高分子の所望の位相差比にする場合、第2モノマー単位のホモポリマーの波長による位相差比が1より大きいと、第1モノマー単位をより多く添加しなければならないためである。
第2モノマー単位としては、ジヒドロキシ化合物が好ましく用いられるが、ジヒドロキシ化合物としては、例えば、脂環式ジヒドロキシ化合物、脂肪族ジヒドロキシ化合物、オキシアルキレングリコール類、芳香族ジヒドロキシ化合物、環状エーテル構造のようなヘテロ原子を含む構造を有するジヒドロキシ化合物、などがあげられる。
脂環式ジヒドロキシ化合物としては、特に限定されないが、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、デカリンジメタノール、トリシクロテトラデカンジメタノール、ノルボルナンジメタノール、アダマンタンジメタノール、シクロヘキサンジオール、トリシクロデカンジオール、ペンタシクロペンタデカンジオール、ノルボルナンジオール、アダマンタンジオール等があげられ、上述した脂環式ジヒドロキシ化合物の具体例のうち、特に、シクロヘキサンジメタノール類、トリシクロデカンジメタノール類、アダマンタンジオール類、ペンタシクロペンタデカンジメタノール類が好ましく、入手のしやすさ、取り扱いのしやすさという観点から、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールが好ましい。
脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等があげられる。
オキシアルキレングリコール類としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等があげられる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフェニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジエトキシジフェニルエーテル等があげられる。
ヘテロ原子を含む構造を有するジヒドロキシ化合物としては、ビス(ヒドロキシアルコキシアリール)アルカン類、ビス(ヒドロキシアルコキシアリール)シクロアルカン類、ジヒドロキシアルコキシジアリールエーテル類、ビスヒドロキシアルコキシアリールスルフィド類、ビスヒドロキシアルコキシアリールスルホキシド類、ビスヒドロキシアルコキシアリールスルホン類、環状エーテル構造を有する化合物類などがあげられる。これらの中でも環状エーテル構造を有する化合物類が好ましい。環状エーテル構造を有する化合物としては、イソソルビド、イソマンニド、イソイデットなどの無水糖アルコール類や、スピログリコール、ジオキサングルコールなどのアセタール環を有する化合物類があげられる。
これらの中でも、炭素数4から22の環状構造、またはヘテロ原子を含む炭素数4から22の環状構造を有するものが好ましく、特には複数の環を有するものが好ましい。
なお、上記例示化合物は何らこれらに限定されるものではない。これらの化合物は、1種又は2種以上を用いることができる。
上記した高分子、すなわち共重合体及び/又はブレンドポリマーは公知の方法によって製造し得る。ポリカーボネートはモノマーの種類によりジヒドロキシ化合物とホスゲンとの重縮合による方法、溶融重縮合法等が好適に用いられる。ブレンドの場合は、相溶性ブレンドが好ましいが、完全に相溶しなくても成分間の屈折率を合わせれば成分間の光散乱を抑え、透明性を向上させることが可能である。
本発明の位相差フィルムを構成する高分子配向フィルムの材料高分子の極限粘度は0.3〜2.0dl/gであることが好ましい。これ以下では脆くなり機械的強度が保てないといった問題があり、これ以上では溶液粘度が高すぎるため、溶液製膜する際にはダイラインの発生等の問題や、重合終了時の精製が困難になるといった問題がある。
本発明の位相差フィルムは透明であることが好ましく、ヘーズ値は3%以下、全光線透過率は85%以上であることが好ましい。また、本発明における高分子のガラス転移温度は通常110℃以上150℃以下であり、好ましくは120℃以上140℃以下である。ガラス転移温度が過度に低いと耐熱性が悪くなる傾向にあり、フィルム成形後に寸法変化を起こす可能性があり、又、位相差フィルムとし、偏光板と張り合わせた場合にも画像品
質を下げる場合がある。ガラス転移温度が過度に高いと、フィルム成形時の成形安定性が悪くなる場合があり、又フィルムの透明性を損なう場合がある。
本発明の高分子は、光弾性係数が40×10−12Pa−1以下であることが好ましく、30×10−12Pa−1以下であることが更に好ましい。光弾性係数が過度に大きいと、位相差フィルムとした場合、偏光板と張り合わせると、画面の周囲が白くぼやけるような画像品質の低下が起きる可能性がある。さらに、フェニルサリチル酸、2−ヒドロキシベンゾフェノン、トリフェニルフォスフェート等の紫外線吸収剤や、色味を変えるためのブルーイング剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
本発明の位相差フィルムは上記ポリカーボネートなどのフィルムを延伸等により配向させたフィルムを用いるものである。かかるフィルムの製造方法としては、公知の溶融押し出し法、溶液キャスト法等が用いられるが、生産効率等の観点から溶融押し出し法がより好ましく用いられる。溶液キャスト法における溶剤としては、メチレンクロライド、ジオキソラン等が好適が用いられる。
また、延伸方法も公知の延伸方法を使用し得るが、好ましくは縦一軸延伸である。フィルム中には延伸性を向上させる目的で、公知の可塑剤であるジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル、トリブチルフォスフェート等のりん酸エステル、脂肪族二塩基エステル、グリセリン誘導体、グリコール誘導体等が含有してもよい。
また、上記可塑剤や液晶等の添加剤は、本発明の位相差フィルムの位相差波長分散を変化させ得るが、添加量は、ポリマー固形分対比10wt%以下が好ましく、3wt%以下がより好ましい。位相差フィルムの膜厚としては限定するわけではないが、1μmから400μmであることが好ましい。なお、本発明では位相差フィルムと表現しているが、通常厚さにより呼称の変わる「フィルム」あるいは「シート」といわれるいずれのものも含んで、共通して「フィルム」という。
本発明の位相差フィルムは各種ディスプレイ(液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマ表示装置、FED電界放出表示装置、SED表面電界表示装置)の視野角補償用、外光の反射防止用、色補償用、直線偏光の円偏光への変換用などに用いることができる。
液晶表示装置としては、反射型表示方式の液晶パネルを備える反射型液晶表示装置が好ましい。偏光フィルム、λ/4板、及び透明電極を有する2枚の基板間に液晶層を含む液晶セルをこの順で具備する反射型液晶表示装置であって、かかるλ/4板として、液晶表示装置特に偏光フィルム1枚型反射型液晶表示装置に用いることにより、画質に優れた表示装置を得ることが出来る。この反射型液晶表示装置とは、偏光フィルム、位相差フィルム、透明電極付基板、液晶層、散乱反射電極付基板の順に構成されているもの、偏光フィルム、散乱板、位相差フィルム、透明電極付基板、液晶層、鏡面反射電極付基板の順に構成されているもの、偏光フィルム、位相差フィルム、透明電極付基板、液晶層、透明電極付基板、反射層の順に構成されているもの等である。さらに、該λ/4板は透過型と反射型の両方を兼ね備えた液晶表示装置においても使用し得る。該液晶表示装置の構成としては例えば、偏光フィルム、位相差フィルム、透明電極付基板、液晶層、反射透過兼用電極付基板、位相差フィルム、偏光フィルム、バックライトシステム等である。さらに、例えばコレステリック液晶よりなる左右どちらかの円偏光のみ反射する反射型偏光フィルムにおいて、円偏光を直線偏光に変換する素子として使用すれば、広帯域で良好な直線偏光が得られる。
液晶表示装置に備わっている液晶セルの表示モードは特に制限されず、例えば、インプレーンスイッチング(IPS)モード、バーチカルアラインメント(VA)モード、マル
チドメインバーチカルアラインメント(MVA)モード、コンティニュアスピンホイールアラインメント(CPA)モード、ハイブリッドアラインメントネマチック(HAN)モード、ツイステッドネマチック(TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(STN)モード、オプチカルコンペンセイテッドベンド(OCB)モードなどを挙げることができる。
液晶表示装置には他の部材を備えていてもよい。例えばプリズムアレイシート、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトや輝度向上フィルム等の適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。バックライトとしては、冷陰極管、水銀平面ランプ、発光ダイオード、ELなどがあげられる。
発光素子である有機または無機エレクトロルミネッセンス素子は、発光層の裏側に金属電極を用いているが、この金属電極は光を反射するので、外光存在下ではコントラストが低下する等、著しく視認性が低下する。これを防ぐために、本発明の位相差フィルムと偏光フィルムを組み合わせて円偏光フィルムとし、これを反射防止フィルムとして用いてもよい。この円偏光フィルムは、可視光の広い波長範囲で位相差をλ/4とすることが可能な本発明の位相差フィルムを用いているので、広帯域の波長において反射を防止できるため、反射光に着色が少なく視認性に優れた素子を提供することが出来る。また、タッチパネルとして用いても良く、液晶表示装置、プラズマ表示装置に用いても良い。
本発明の位相差フィルムを、透過型液晶表示装置の色調改善や視野角拡大等の画質向上フィルムとして用いることも出来る。液晶表示装置としては例えば、IPSモード、VAモード、MVAモード、OCBモード、TNモード等を挙げることが出来る。本発明の位相差フィルムを他の位相差フィルムや視野角拡大フィルムのような光学補償フィルムと同時に使用しても良い。位相差フィルムの要求特性として、位相差フィルムに入射する角度が正面角度から斜め入射に変化しても位相差が変化しないことが要求される場合がある。
この場合には、三次元屈折率nx, ny, nzで表される下記式において、Nzが0.2〜1.5の間であることが好ましい。特にNz=0.5のとき、位相差フィルムに入射する角度が正面入射から変化してもほとんど位相差が変化しない。また、位相差フィルム上に何らかの材料をコーティングして更なる光学補償効果や視野角拡大効果を付与したり、湿熱耐久性を向上させたり、耐溶剤性を改良したりしても良い。
また、液晶プロジェクター等に於ける光学部材として、例えば、λ/4板、λ/2板等として偏光変換素子や偏光ビームスプリッター等に本発明の位相差フィルムを用いても良い。さらにまた、この位相差フィルムは、光記録装置の光ヘッドにおいて用いられるλ/4板としても用いることができる。特に、かかる位相差フィルムは、多波長に対してλ/4の位相差を与えることができるので、複数のレーザー光源を使う光ヘッドにおいて、位相差の数を減らすことに寄与することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。本発明において、高分子及び透明フィルムの特性評価は次の方法により行うものである。
(1)固有複屈折
<サンプル作製>
80℃で5時間真空乾燥をした高分子4.0gを、幅8cm、長さ8cm、厚さ0.5mmのスペーサーを用いて、熱プレスにて熱プレス温度200℃〜250℃で、予熱1分〜3分、圧力20MPaの条件で1分間加圧後、スペーサーごと取り出し、水管冷却式プレスにて圧力20MPaで3分間加圧冷却してシートを作製した。このシートから幅5mm、長さ20mmにサンプルを切り出した。
<測定>
He−Neレーザー、偏光子、補償板、検光子、及び光検出器からなる複屈折測定装置と振動型粘弾性測定装置(ユービーエム社製「Rheogel E−4000」)を組み合わせた装置を用いて測定した。(詳細は、日本レオロジー学会誌Vol.19,p93−97(1991)を参照。)
切り出したサンプルを粘弾性測定装置に固定し、室温からガラス転移温度近傍まで時間温度換算則を用いて合成曲線が作成できるように数条件で測定した。粘弾性測定装置より貯蔵弾性率E’(ω)及び損失弾性率E“(ω)を測定周波数を1Hzから133Hzまで変化させながら測定した。同時に、出射されたレーザー光を偏光子、試料、補償板、検光子の順に通し、光検出器(フォトダイオード)で拾い、ロックインアンプを通して角周波数ω又は2ωの波形について、その振幅とひずみに対する位相差を求め、これより複屈折Δn(ω)を求めた。このとき、偏光子と検光子の方向は直交し、またそれぞれ、試料の伸長方向に対してπ/4の角度をなすように調整した。
複屈折Δn(ω)=Δn0×cos(ωt+δ
次に、複屈折Δn(ω)に対して、下式のようにひずみ光学比O(ω)を定義し、求めた。
ひずみ光学比O(ω)=Δn(ω)/ε(ω)
ここで、複屈折と応力はそれぞれ二つの成分関数からなり、修正応力光学則が成立するものとして、それぞれを下式で表すことができる。
E’(ω)=E’(ω)+E’(ω)
O’(ω)=C×E’(ω)+C×E’(ω)
E”(ω)=E”(ω)=E”(ω)+E”(ω)
O”(ω)=C×E”(ω)+C×E”(ω)
測定により得られたE’(ω)、E”(ω)及びO*(ω)を用いて、上記4式を解くことができる。
固有複屈折Δn0は、
Δn0=5/3×O’(ω=∞)=5/3×C×E’(ω=∞)
として、求めた。
(測定の原理、測定方法については、高分子論文集Vol.53,No.10,p602−613(1996)を参照。)
(2)位相差及び位相差の波長分散性
フィルムを幅4cm、長さ4cmに切り出したサンプルを、位相差測定装置(王子計測機器社製KOBRA−WPR)により測定波長450nmの位相差(R450)及び550
nmの位相差(R550)を測定した。そして測定した位相差(R450)と位相差(R550
の比を計算した。
(3)複屈折
前記位相差測定装置により波長590nmの位相差(R590)を測定した。前記位相差
(R590)を前記サンプルの厚み(t)で除し、下記式に従い、複屈折を求めた。
複屈折Δn=R590/t
(4)ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、DSC220)を用いて、高分子約10mgを10℃/minの昇温速度で加熱して測定し、JIS−K7121(1987)に準拠して、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度である、補外ガラス転移開始温度を求め、それをガラス転移温度とした。
(5)還元粘度
ポリカーボネート樹脂の還元粘度は森友理化工業社製ウベローデ型粘度管を用いて、溶媒として、塩化メチレンを用い、温度20.0℃±0.1℃で測定した。濃度は0.6g/dLになるように、精密に調整した。
溶媒の通過時間t0、溶液の通過時間tから、下記式:
ηrel=t/t0
より相対粘度ηrelを求め、 相対粘度ηrelから、下記式:
ηsp=(η−η0)/η0=ηrel−1
より比粘度ηspを求めた。
比粘度ηspを濃度c(g/dL)で割って、下記式:
ηred=ηsp/c
より還元粘度(換算粘度)ηredを求めた。
この数値が高いほど分子量が大きい。
<製造例1>1,8−ビス(ヒドロキシエチルオキシ)アントラセンおよびそのホモポリカーボネート
窒素を通じた4つ口の500mL丸底フラスコに、1,8−ジヒドロキシアントラキノン30質量部、テトラブチルアンモニウムブロミド40質量部、エチレンカーボネート21.8質量部、溶媒としてジメチルホルムアミド(以下「DMF」と略記することがある)(180mL)を入れてこれらを溶解させた。フラスコを150℃に加熱したオイルバスに浸し反応を開始した。加熱反応の間の内溶液の温度は145℃であった。反応途中、1.5時間後にエチレンカーボネート21.8質量部、さらに4.0時間後にエチレンカーボネート10.9質量部を追加した。反応は8.0時間行い、その後フラスコをオイルバスからはずし内溶液が室温となるまで冷却した。内溶液を水1500mL中にあけ、ろ過により固形分を濾取後、この固形分をMeOH 500mLに加温溶解し、再結晶を行なった。再結晶により得られた目的物(1,8−ビス(ヒドロキシエチル)アントラキノン)は、鶯色の粉末で重量は25.9質量部(収率64%)であった。
次いで、窒素を通じた4つ口の500mL丸底フラスコに、上記反応で得られた1,8−ビス(ヒドロキシエチル)アントラキノン10質量部、亜鉛粉末19.9質量部、水(75mL)、28%アンモニア水75mLを入れ、100℃に加熱したオイルバスに浸し反応を行なった。反応の間、25分後に28%アンモニア水20mL、亜鉛粉末5質量部を追加した。反応は合計1時間35分行い、この間内溶液の色が黄土色から灰色がかった緑色に変化するのが観察された。反応終了後、フラスコを氷−水バスに浸し冷却しながら濃塩酸を35mL添加して中和、内溶液が酸性となったのを確認後、酢酸エチル300mLを添加して濾過した。ろ液は酢酸エチル層と水相とに分離し、水相をさらに酢酸エチル100mLで抽出し先の酢酸エチル層とあわせた。一方、濾取された灰色のペースト状物は、酢酸エチル50mLで3回洗浄し、得られた酢酸エチル溶液は同様に先の酢酸エチル相と合わせた。こうして得られた酢酸エチル溶液(550mL)は、飽和重曹水200mL、飽和食塩水200mLで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒をロータリーエバポレーターで留去した。得られた黄色粉末を酢酸エチル/メタノール混合溶媒系から再結晶し、目的物である1,8−ビス(ヒドロキシエチルオキシ)アントラセンを薄黄色の粉末として4.5質量部(収率49%)得た。
Figure 2011150325
こうして得られた1,8−ビス(ヒドロキシエチルオキシ)アントラセンを実施例1の記載の条件で重合することでR450/R550が0.59、固有複屈折率が+0.15のホモポリカーボネートが得られる。
<製造例2>1,4−CHDMのホモポリカーボネート
1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下「1,4−CHDM」と略記することがある)186.4質量部、ジフェニルカーボネート(以下「DPC」と略記することがある)290.7質量部、及び触媒として、炭酸セシウム0.2重量%水溶液1.068質量部を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaにし、加熱槽温度を190℃まで1時間で上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
反応容器全体を190℃で15分保持した後、第2段目の工程として、反応容器内の圧力を6.67kPaとし、加熱槽温度を230℃まで、15分で上昇させ、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。攪拌機の攪拌トルクが上昇してくるので、8分で250℃まで昇温し、さらに発生するフェノールを取り除くため、反応容器内の圧力を0.200kPa以下に到達させた。所定の攪拌トルクに到達後、反応を終了し、生成した反応物を水中に押し出して、ポリカーボネートのペレットを得た。得られたホモポリカーボネートの還元粘度は1.007dl/g、R450/R550が1.02、固有複屈折率が+0.066であった。
<製造例3>
窒素雰囲気下で、3−(ベンジルオキシ)フェノール6.2gのメチルエチルケトン溶液(80mL)に炭酸カリウム26gと1,2−ジブロモエタン46.5gを添加して還流条件下で15時間かけて攪拌した。反応液は室温まで冷却し、液中の不溶性固体をろ過で取り除いてろ過後のろ液減圧下で濃縮した後、酢酸エチルに溶解させて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と脱塩水で洗浄した。酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過して減圧下で濃縮し、3−(ベンジルオキシ)フェノールブロモエチルエチル9.0gを得た。収率は95%で、純度は96%であった。同様の操作を繰り返し行った。
次いで、フルオレン2.5gと上記操作により得た3−(ベンジルオキシ)フェノールブロモエチルエチル10gをジメチルスルホキシド200mLに溶解し、これにテトラブチルアンモニウムブロミド480mgを加えた。その後、反応液を窒素下で脱気した後、氷−水浴で0℃に冷却し、50wt%の水酸化ナトリウム水溶液6.0mLを滴下した。反応は室温で2時間かけて攪拌して行い、その後1.0Mの塩酸水溶液を添加して反応を停止し、これに酢酸エチルを入れて抽出した。酢酸エチル溶液は脱塩水と飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。この酢酸エチル溶液は、ろ過した後、減圧下に濃縮した。得られた粗製物を減圧下に乾燥して9,9’−ビス[2−(3−ベンジルオキシ)エチル]フルオレン10.0gを得た。収率は96%、純度90%であった。
次いで、得られた9,9’−ビス[2−(3−ベンジルオキシ)エチル]フルオレン8.3gを酢酸エチル70mLとエタノール180mLに溶解し、この溶液に5.0wt%のパラジウム−炭素(Pd/C)5.7gを添加した。この溶液を入れたフラスコに水素
で満たしたバルーンを取り付け、水素雰囲気下(0.1MPa)で7時間攪拌して、水素化分解を行った。反応終了後、反応混合物をセライトでろ過し、パラジウム−炭素(Pd/C)を取り除いた。ろ過後の溶液は減圧下に濃縮した後、1.0wt%の水酸化ナトリウム水溶液200mLに溶解させた。このアルカリ水溶液をトルエンとヘキサンの混合溶液(1/1)で洗い、疎水性副生物を除去した後、濃塩酸を滴下して酸性に戻した。この酸性水溶液を酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過、減圧下に濃縮した。得られた粗製物を減圧下に乾燥して、9,9’−ビス[2−(3−ヒドロキシフェニルオキシ)エチル]フルオレン5.0gを得た。収率は94%、純度は99%であった。
上記操作で得られた9,9’−ビス[2−(3−ヒドロキシフェニルオキシ)エチル]フルオレン5.0gをN,N−ジメチルアセトアミド150mLに溶解し、炭酸カリウム78mgとエチレンカーボネート2.2gを加えて、150℃で加熱しながら30分間攪拌した。その後、反応生成物を0℃まで冷却した後、1.0Mの塩酸水溶液を加えて酸処理し、これを酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相を分離した後、酢酸エチル溶液は脱塩水と飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、溶液を減圧下に濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/酢酸エチル=50/50)で精製し、目的とする9,9’−ビス[2−(3−エトキシフェニルオキシ)エチル]フルオレン4.2gを得た。収率は70%であった。
Figure 2011150325
9,9’−ビス[2−(3−エトキシフェニルオキシ)エチル]フルオレン7.93gとジフェニルカーボネートを11.63g、及び触媒として、炭酸セシウム(0.2重量%水溶液)を0.066mLをそれぞれを反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、反応の第1段目の工程として、反応容器の熱媒温度を150℃にし、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、反応容器内の圧力を常圧から13.3kPaにし、反応容器の熱媒温度を190℃まで1時間で上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
反応容器内温度を190℃で15分保持した後、第2段目の工程として、反応容器内の圧力を6.67kPaとし、反応容器の熱媒温度を230℃まで、15分で上昇させ、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。攪拌機の攪拌トルクが上昇してくるので、さらに発生するフェノールを取り除くため、反応容器内の圧力を0.200kPa以下に減圧した。所定の攪拌トルクに到達後、反応を終了し、生成した反応物を水中に押し出した後に、ペレット化を行った。得られたホモポリカーボネートの還元粘度(ηsp/c)は
0.462dl/g、ガラス転移温度Tgは、61.2℃であった。
450/R550が0.988、固有複屈折率が+0.003であった。
<製造例4>
9,9’−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン50.0gと炭酸カリウム47.5gにN,N−ジメチルアセトアミド200gを加え、攪拌しながら80℃まで昇温させた後、クロロ酢酸メチル37.3gを滴下し、更に80℃で4時間攪拌した。反応液を25℃まで冷却した後、400mlの水中に反応液を滴下し、白色固体を析出させた。得られた固体を濾過し、水でよく洗浄した。更に、テトラヒドロフラン80gを加え、加熱して溶解させた後、トルエン80gを加えて25℃まで放冷し、析出した白
色結晶の9,9’−ビス(3−メチル−4−フェノキシ酢酸)フルオレン(以下、「BMACF」と略記することがある)を回収した。収率は64%であった。
Figure 2011150325
<製造例5>
9,9’−ビス(3−メチル−4−フェノキシ酢酸)フルオレン20.0gをテトラヒドロフラン170mLに溶解し、エチレングリコール82mL(40当量)とナトリウムメトキシド1.0gを加えた。この混合物を攪拌しながら加熱し、反応の進行とともに生成するメタノールをテトラヒドロフランと共沸させて留去した。2時間の間、留去されたテトラヒドロフラン/メタノール量は500mLであり、この留去量に合わせて合計500mLのテトラヒドロフランを追加しながら反応を行った。反応はLC分析で追跡し、原料が全て消費されたことを確認した時点で、反応液を室温まで冷却した。反応混合物は、飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ、ジエチルエーテル200mLと酢酸エチル100mLで抽出し、分液して得られた有機相は脱塩水で3回洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、減圧下に濃縮し、室温まで冷却した。この間に析出した半固体状の化合物を分離して減圧下で乾燥することによって、下記化学式で示す化合物(以下「BHEACF」と略記することがある)を得た。収率は71%、LC純度は98%であった。
9,9’−ビス[2−(3−エトキシフェニルオキシ)エチル]フルオレンを得られたBHEACF20.28gに、DPCの使用量を8.48gに変えた以外は、製造例3と同様にしてホモポリカーボネートを得た。
得られたホモポリカーボネートのTgは97.3℃であった。
Figure 2011150325
<製造例6>
エチレングリコールを1,4−シクロヘキサンジメタノール220gに変えた以外は、製造例5と同様に反応を行い、下記化学式で表される化合物(以下「BCHDMCF」と略記することがある)22.9gを得た。収率は80%、LC純度98%であった。
9,9’−ビス[2−(3−エトキシフェニルオキシ)エチル]フルオレンを得られたBCHDMCF28.99gに、DPCの使用量を8.48gに変えた以外は、製造例3
と同様にしてホモポリカーボネートを得た。
Figure 2011150325
<製造例7>
製造例2において、1,4−CHDMをイソソルバイド127.34質量部に、DPCの使用量を190.4質量部に変更した以外は、製造例2と同様にして、ポリカーボネートのペレットを得た。
下記表1に、製造例1〜3、および製造例5〜7で得られたモノマーから得られたポリマーの物性を示す。
Figure 2011150325
製造例1で得られたモノマーのホモポリマーがR450/R550<1を満たし、第1モノマー単位の原料に相当する。
<実施例1>
窒素を通じた50mL3つ口フラスコにトリホスゲン0.607質量部、乾燥テトラヒドロフラン(以下「THF」と略記することがある)(市販品 10mL)を入れ、氷−水浴で冷却した。この中に製造例1で得た1,8−ビス(ヒドロキシエチルオキシ)アントラセン0.5質量部と1,4−シクロヘキサンジメタノール0.725質量部とを乾燥ピリジン13.3質量部に溶解した溶液をシリンジで55分かけて滴下した。この間、薄いオレンジ色の塩が析出するのが観察された。滴下後さらに冷却を継続しながら1時間、温度を室温に戻してから1時間攪拌した。その後、トリホスゲン0.068質量部の乾燥THF(0.5mL)溶液を、さらにその1時間後にトリホスゲン0.033mgの乾燥THF(0.5mL)溶液を滴下して室温で15時間攪拌した。その後、反応液をメタノール250mL中にあけ、析出したごく薄い茶色のポリマーを回収した。乾燥後のポリマーの重量は1.25質量部(収率89%)であった。このポリマーをテトラクロロエタンに溶解し、ウベローデ粘度計にて粘度を測定したところ30℃での粘度は、0.36であった。また、ガラス転移温度は同様の操作を4回繰り返した。
得られたポリマーを、真空乾燥器で50℃で、24時間乾燥した。乾燥したポリマーを、温度180℃の熱プレス法を用いてフィルムを得た。試験片として、幅20mm、長さ30mmのフィルムを切り出し、熱風乾燥機中で、試験片をクリップに挟んで、温度62℃で錘100gの荷重をかけて3時間延伸した。
延伸倍率は1.14倍であった。また、厚みは0.35mmであった。位相差は、R450が146.7nm、R550が196.7nmであった。R450/R550は0.746であった。また、複屈折は、0.000578であった。これらの結果を以下の表2に纏める。
<実施例2>
製造例3で得られたポリマーを、実施例1と同様にしてフィルムを得た。また、試験片として、幅30mm、長さ65mmのフィルムを切り出し、バッチ式二軸延伸装置(東洋精機社製)で、延伸温度をガラス転移温度+10℃で、延伸速度720mm/分(ひずみ速度1200%/分)で、1×2.0倍の一軸延伸を行った。R450が132.3nm、
550が133.8nmであった。R450/R550は0.988であった。また、複屈折は
、0.0015であった。これらの結果を以下の表2に纏める。
<実施例3>
製造例5で得られたポリマーを、熱プレス法を用いてフィルムを得る際の温度を250℃に変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたポリマーとフィルムの物性を、実施例1と同様にして測定した。結果を以下の表2に纏める。
<実施例4>
9,9’−ビス[2−(3−エトキシフェニルオキシ)エチル]フルオレンを、製造例6で得られたBCHDMCF20.05gとイソソルバイド5.67gに、DPCの使用量を17.61gに変えた以外は製造例3と同様にして重合を行い、ポリマーを得た。得られたポリマーとフィルムの物性を、実施例1と同様にして測定した。結果を以下の表2に纏める。
Figure 2011150325
以上の結果から、1枚で負の波長分散性を有する高分子配向フィルムが得られたことがわかる。

Claims (13)

  1. 一枚の高分子(セルロース系高分子を除く)配向フィルムからなる位相差フィルムであって、前記高分子が正又は負の固有複屈折を有するモノマー単位(以下、第1モノマー単位と記す。)と、少なくとも1種類以上の第1モノマー単位と同じ符号の固有複屈折を有するモノマー単位(以下、第2モノマー単位と記す。第2モノマー単位は第1モノマー単位と同一でもよい。)を含有し、第1モノマー単位のホモポリマーが下記式(1)を満足することを特徴とする位相差フィルム。
    1 450/R1 550 < 1 (1)
    (式中、R1 450は、波長450nmで測定した第1モノマー単位からなるホモポリマ
    ーの位相差を表し、R1 550は、波長550nmで測定した第1モノマー単位からなる
    ホモポリマーの位相差を表す。)
  2. 第2モノマー単位と第1モノマー単位とが同一である請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 下記式(3)を満足することを特徴とする請求項1に記載の位相差フィルム。
    450/R 550 < R 450/R 550 (3)
    (式中、R1 450は、波長450nmで測定した第1モノマー単位からなるホモポリマ
    ーの位相差を表し、R1 550は、波長550nmで測定した第1モノマー単位からなる
    ホモポリマーの位相差を表し、R 450は、波長450nmで測定した第2モノマー単位からなるホモポリマーの位相差を表し、R 550は、波長550nmで測定した第2モノマー単位からなるホモポリマーの位相差を表す。)
  4. 下記式(4)を満足することを特徴とする請求項に記載の位相差フィルム。
    450/R 550 > 1 (4)
    (式中、R 450は、波長450nmで測定した第2モノマー単位からなるホモポリマーの位相差を表し、R 550は、波長550nmで測定した第2モノマー単位からなるホモポリマーの位相差を表す。)
  5. 下記式(2−1)を満足することを特徴とする請求項3または4に記載の位相差フィルム。
    |Δn1 0|> |Δn2 0| (2−1)
    (式中、|Δn 0|及び|Δn 0|は、それぞれ第1モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折の絶対値及び第2モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折の絶対値を表す。)
  6. 下記式(2−2)を満足することを特徴とする請求項に記載の位相差フィルム。
    Δn1 0 > Δn2 0 > 0 (2−2)
    (式中、Δn 0及びΔn 0は、それぞれ第1モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折及び第2モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折を表す。)
  7. 下記式(2−3)を満足することを特徴とする請求項3に記載の位相差フィルム。
    |Δn1 0|< |Δn2 0| (2−3)
    (式中、|Δn 0|及び|Δn 0|は、それぞれ第1モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折の絶対値及び第2モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折の絶対値を表す。)
  8. 下記式(2−4)を満足することを特徴とする請求項3または7に記載の位相差フィルム。
    0 < Δn1 0 < Δn2 0 (2−4)
    (式中、Δn 0及びΔn 0は、それぞれ第1モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折及び第2モノマー単位からなるホモポリマーの固有複屈折を表す。)
  9. 第2モノマー単位からなるホモポリマーが、下記式(5)を満足することを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
    1 < R 450/R 550 < 1.1 (5)
    (式中、R 450は、波長450nmで測定した第2モノマー単位からなるホモポリマーの位相差を表し、R 550は、波長550nmで測定した第2モノマー単位からなるホモポリマーの位相差を表す。)
  10. 第2モノマー単位が、炭素数4から22の鎖状または環状構造もしくはヘテロ原子を含む炭素数4から20の鎖状または環状構造であることを特徴とする請求項3乃至9のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
  11. 高分子が、ポリエステル、ポリエステルカーボネート及びポリカーボネートのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の位相差フィルムを用いたことを特徴とする液晶パネル。
  13. 請求項12に記載の液晶パネルを備えることを特徴とする画像表示装置。
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