JP2001284337A - 半導体製造装置及び半導体製造装置を用いた半導体装置の製造方法並びに半導体装置 - Google Patents

半導体製造装置及び半導体製造装置を用いた半導体装置の製造方法並びに半導体装置

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JP2001284337A
JP2001284337A JP2000096077A JP2000096077A JP2001284337A JP 2001284337 A JP2001284337 A JP 2001284337A JP 2000096077 A JP2000096077 A JP 2000096077A JP 2000096077 A JP2000096077 A JP 2000096077A JP 2001284337 A JP2001284337 A JP 2001284337A
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semiconductor manufacturing
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Toshimasa Hamada
敏正 浜田
Takashi Itoga
隆志 糸賀
Kimihiko Yamada
公彦 山田
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 省エネルギを実現するために、300°C以
下の低温で高品質の薄膜を成膜できる半導体製造装置及
び半導体製造装置を用いた半導体装置の製造方法並びに
半導体装置を提供する。 【解決手段】 上部電極3と下部電極4からなる、2つ
の電極間にプラズマ5を発生させて、基板2に成膜する
半導体製造装置であって、前記2つの電極間に電極間を
部分的に分離する絶縁体ブロック6を設け、絶縁体ブロ
ック6のない部分にプラズマ5の発生領域を形成するこ
とにより、複数のプラズマ5領域が生成するように制御
したプラズマCVD装置により、300°C以下の温度
で高品質の薄膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置等の半
導体装置とその製造方法、特にシリコン酸化膜等の絶縁
膜の特性に関係する半導体装置とその製造方法並びに半
導体製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】TFT型液晶表示装置の大型化と高精細
化に伴って、スイッチング素子であるTFTの高性能化
に対する要求がますます厳しくなっており、従来のアモ
ルファスシリコン膜を用いたTFTに代って、ポリシリ
コン膜を用いたTFTに対するニーズが高まっている。
TFTアレイプロセスにおいて、TFTの性能を左右す
るゲート絶縁膜や半導体膜はプラズマCVDを用いて形
成している。現在用いられている平行平板型のプラズマ
CVD装置は、プラズマ5を上部電極3と下部電極4間
全域にわたって非常に広い領域で一様に発生させるもの
である。図13に従来の容量結合型(平行平板型)プラズ
マCVD装置の概略図を示す。この方式では、ガラス基
板を拡大した場合、電極面積に対応して莫大な電力を消
費しているにもかかわらず、プラズマ5中の反応種及び
プラズマエネルギを効率よく制御することが難く、高品
質で均一な特性を有する膜を形成することは困難であ
る。高性能TFTを得る上で深刻な課題に突き当ってい
る。現在、ゲート絶縁膜に用いる酸化シリコン膜等は、
現行のプラズマCVDで成膜した直後では、緻密性が満
足されず、膜質は高性能TFTを実現する上で充分では
ない。
【0003】ゲート絶縁膜の品質を向上させるため、膜
形成後に緻密化を行う、すなわち、高温で熱処理を行っ
て、高性能、高信頼性の高品質の絶縁膜を得ている。そ
のために絶縁膜形成に要するエネルギ量は、基板成膜形
成及び熱処理エネルギをあわせると生産量の増加に伴っ
て、無視できない量になる。高品質の絶縁膜を得る他の
方法としては、ECRプラズマCVD法などが検討され
ており低温で比較的膜質の良い絶縁膜の形成が報告され
ているが、これらの報告は小面積での報告であり、大面
積成膜にも適応可能な要素技術は開発が行われていな
い。
【0004】ECRプラズマCVD法は、チャンバ内の
磁場で電子のサイクロトロン共鳴を起こし、その周波数
をマイクロ波の周波数と一致させることにより均一な高
密度プラズマ密度を得る。シリコンウエハ基板2の8イ
ンチ直径のサイズ程度では、均一な膜ができるものの、
液晶ガラス基板の様な大面積の基板には難しい。
【0005】CAT(Catalytic)CVD法に
よる絶縁膜の成膜は、タングステンワイヤを基板とシャ
ワープレートの間におき、材料ガスであるSiH4とソ
ースガスを、電流を流して1800°C程度に熱したタ
ングステン線に接触させて流し、タングステン線を触媒
として反応の促進を図るものである。ソースガスにはN
3ガスを用い、SiN膜を成膜することが多く、絶縁
膜の形成は、300°C程度で成膜されている例はな
い。スパッタ法による二酸化珪素系絶縁膜の成膜は、通
常のアルゴンガスを放電させ、そのイオンにより二酸化
珪素ターゲットをスパッタし、SiO+イオン、SiO
粒子を発生させ、これを基板方向に衝突させることによ
り、膜を成膜するものである。1Pa以下の低圧力でイ
オン成分が多く基板2に垂直な方向から飛散してくるイ
オンで成膜するため、急峻な段差カバレージを良くする
ことが課題である。
【0006】本発明者等は、基板2の大面積化と生産プ
ロセスの省エネルギ化を図り、且つ、高品質の絶縁膜を
得るためにプラズマ5発生領域制御CVD法の検討を行
った。高絶縁破壊耐性のシリコン酸化膜を低温で形成す
る方法については、特開平11−145131号公報等
にも述べられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高絶縁
破壊耐性のシリコン酸化膜を低温で形成する方法は55
0°C以上の高温度については、特開平11−1451
31号公報等に述べられているが550°C以下の低い
温度については、特開平11−145131号公報等に
述べられている方法では、絶縁耐圧に優れた膜は形成で
きない。
【0008】アクティブマトリクス型液晶表示装置や集
積回路等の電子部品を製造する際に、半導体膜や絶縁膜
やメタル膜を成膜して液晶ディスプレイの絵素や集積回
路のメモリーなどといった素子を形成する際に、プラズ
マ化学気相成長装置が用いられている。これらの装置に
用いられる通常のプラズマ化学気相成長装置は、基板を
300〜500°Cに熱し、13.56MHzの周波数
の高周波プラズマによって基板全面に成膜される。ヒー
タの電力消費により膨大な電力消費となる。そのため
に、二酸化炭素ガスを排出し地球温暖化を招く。各国が
二酸化炭素ガスの使用量を削減しようとしている中で、
この様な生産活動は時代の流れに沿うものではなく、早
急に改善が必要である。
【0009】また、液晶表示装置においてはドライバな
ども基板2の上に一体化して作製するポリシリコン薄膜
トランジスタ製造プロセスが開発され、液晶表示パネル
の高精細化とシステム化が進展中である。従来の薄膜ト
ランジスタだけを作製する片チャネルMOSアモルファ
スシリコン薄膜トランジスタから相補型MOSポリシリ
コン薄膜トランジスタを作製する様になりつつある。特
に、相補型MOSポリシリコン薄膜トランジスタは両チ
ャネルトランジスタを作る分だけ工程が長くなるため、
製造工程の短縮化は社会的に強く要請されている。
【0010】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、高絶縁破壊耐性のの絶縁膜や半導体膜
を、形成できる半導体装置の製造方法及び半導体製造装
置並びにこれらによって製造された半導体装置で、特に
300°C以下の低温で、半導体と半導体表面に形成さ
れる絶縁層や導電層との界面を改善し信頼性や特性を向
上させることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
半導体製造装置は、2つの電極間にプラズマを発生させ
て基板に成膜する半導体製造装置において、前記2つの
電極間に複数のプラズマ発生領域を有することを特徴と
している。
【0012】本発明の請求項2記載の半導体製造装置
は、電極間を部分的に分離する絶縁体ブロックを設け、
絶縁体ブロックのない部分にプラズマ発生領域を形成す
ることを特徴としている。
【0013】本発明の請求項3記載の半導体製造装置
は、電極間を部分的に分離する絶縁体ブロックがライン
状であることを特徴としている。
【0014】本発明の請求項4記載の半導体製造装置
は、電極間を部分的に分離する絶縁体ブロックが耐熱性
絶縁材料からなることを特徴としている。
【0015】本発明の請求項5記載の半導体製造装置
は、請求項1に記載の半導体製造装置において、酸素活
性種を含むプラズマを用いることを特徴としている。
【0016】本発明の請求項6記載の半導体製造装置
は、請求項1に記載の半導体製造装置において、水素活
性種を含むプラズマを用いることを特徴としている。
【0017】本発明の請求項7記載の半導体装置の製造
方法は、請求項1に記載の半導体製造装置を用い、成膜
時の基板温度が300°C以下であることを特徴として
いる。
【0018】本発明の請求項8記載の半導体装置は、請
求項1記載の半導体製造装置で製造した半導体装置であ
って、絶縁膜の固定電荷密度が、3.8×1011cm-2
以下であることを特徴としている。
【0019】本発明の請求項9記載の半導体装置は、請
求項1記載の半導体製造装置で製造した半導体装置であ
って、絶縁膜の絶縁耐圧が8MV/cm以上であること
を特徴としている。
【0020】以下、上記構成による作用を説明する。
【0021】平行平板型プラズマCVD装置において領
域制御すると、不要な活性種が少ないので、低温化の影
響を受けにくくなるために低温成膜が可能となる。した
がって、低温で成膜しても膜質は、高温で熱処理した絶
縁膜と同等の特性を維持することができる。また、平行
平板型プラズマCVD装置においてプラズマ発生領域を
複数存在するよう制御した場合は、副次反応で発生した
不要な活性種が基板表面に吸着しにくくなり、本来成膜
に寄与すべき活性種が膜表面を拡散し、効率的に成膜因
子として寄与する。本発明により、膜形成後に緻密化を
行うための、高温熱処理工程が不要となることから、綜
合的に薄膜形成に要する全エネルギ量を削減できる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
に説明する。
【0023】(実施の形態1)本発明の本発明のプラズ
マ領域制御を行った化学気相成長法の概略図を図1に示
す。図2は本発明の絶縁体ブロックを設置した化学気相
成長装置の概略図である。マスク1で、ガラス、シリコ
ン等の基板2を下部電極4の上に固定し、上部電極3と
下部電極4の間で放電させて、上部電極3と下部電極4
の2つの電極間に複数のプラズマ5領域を発生させて、
基板2に成膜する半導体製造装置である。絶縁体ブロッ
ク6によりプラズマ5の発生領域を狭い領域に制御する
点が、本発明の構成の点で、図13に示す従来の容量結
合型(平行平板型)プラズマCVD装置と異なる部分であ
る。
【0024】従来の容量結合型プラズマCVD装置によ
る絶縁膜の形成方法に比較して、プラズマ5を、プラズ
マ5の領域内で、その反応種の組成と分布を制御するこ
とができる。プラズマ5を効率的に利用できるので、基
板2温度が300°C以下の低温で成膜しても、フラッ
トバンド電圧の絶対値が低く、緻密性、リーク電流、絶
縁耐圧に優れた高品質な絶縁膜を形成することができ
る。
【0025】図13に示す従来のプラズマCVD装置を
用いて、プラズマ5を発生させた場合には、上記のプラ
ズマ5の反応が空間中で拡がりながら自由に起こるた
め、高次シランが発生しやすい。そのために、SiO2
系絶縁膜の成長表面には先に示した前駆体以外に、高次
シランを含む大きな分子が吸着し、成長表面の拡散を妨
げたり膜中にそのまま取り込まれたりするため、膜質を
悪化させる要因になる。
【0026】これに対し、本発明のプラズマ5の発生領
域を狭い領域に制限することにより、SiHやSiH2
が発生しても、副次的な反応を繰り返して起こす前にプ
ラズマ5が空間から出てしまうため、高次シランは発生
しにくくなる。上記の考えに基づいて、通常の平行平板
型プラズマCVD成膜によるSiO2系絶縁膜とプラズ
マ5発生領域制御成膜によるSiO2系絶縁膜とを比較
し、プラズマ5発生領域制御の基本的効果について検証
した。成膜チャンバは、電極面積は、300mm×30
0mm、放電周波数は13.56MHzである。また、
電極間隔は13〜70mm程度、基板2温度は室温〜3
10°Cまで上昇させることができる。
【0027】プラズマ5発生領域制御CVD法の成膜例
として、SiO2系絶縁膜を成膜を行った場合について
以下に示す。SiO2系絶縁膜を成膜する際の原料ガス
としてSiH4とN2O を使用した場合、プラズマ5中
での反応は 図14(式1)に示すように進み、前駆体
である(SiH32O が成長表面に到達後、水素と酸
素の置換が起こりSiO2系絶縁膜になる。しかし、実
際には図15(式2)に示すように、SiH4の解離に
よって発生する活性種はSiH3だけでなく、SiHや
SiH2も発生し放電開始後、数μsecから数十μs
ec後には高次シランがプラズマ5中に存在することに
なる。
【0028】プラズマ5発生領域制御を実現するため
に、図2に示すように、絶縁体ブロック6を上部電極3
と下部電極4の間に設置し、絶縁体ブロック6を介して
プラズマ5発生領域の制御を行った。プラズマ5発生領
域は図2に示すように、上部電極3と下部電極4と、絶
縁体ブロック6で囲まれた領域に制限され、小さなプラ
ズマ5の領域が多数存在している。本実施の形態1では
絶縁体ブロック6には石英板を用いたが、アルミナや棚
珪酸ガラス等の耐熱性材料からなる板を用いてもよい。
また基板2を固定している場合は、プラズマ5発生領域
付近に成膜されるが、基板2の全面に成膜する必要があ
る場合は、基板2を移動させる機構を設けることにより
基板2全面に成膜が可能である。
【0029】プラズマ5の発生領域の制御を行った場合
と領域制御しない場合について、SiO2系絶縁膜につ
いて、SiH4流量、RFパワ、基板温度を各々変化さ
せて膜特性を調べた。なお、SiH4流量、RFパワを
検討した時の基板2温度は300°Cとした。以下に示
す成膜条件にて実験を行った。ここで、SiH4 流量、
3〜10SCCM、N2O 流量1000〜2000SCC
M、圧力93〜173Pa、RFパワは、50〜300
W、上下電極間間隔は、17.6mm、基板温度は、2
00〜300°Cある。
【0030】評価方法としては、膜の物性分析は下記の
方法でおこなった。FT−IR分光装置は、日本電子
(株)製の装置を使用した。FT−IR測定では、Si
−Oの伸縮振動波数(1070cm-1)付近の吸収を調
べることにより、Si−Oのボンドの強さを調べた。膜
厚及び屈折率はHe−Neレーザエリプソメータ及びソ
プラ社製分光エリプソメータにより測定した。また、電
気的特性の評価は下記の方法でおこなった。フラットバ
ンド電圧は、アジレントテクノロジ社のLCRメータに
よるC−V測定から求めた。この時評価試料は、P型シ
リコンウエハに絶縁膜を100nm程度成膜し、抵抗線
加熱蒸着法によりアルミニウム膜を、厚さ250nm程
度マスク蒸着して電極を作製した。電極の面積は、およ
そ0.04平方センチメートルである。絶縁耐圧は、C
−V測定と同様、基板2に抵抗線加熱蒸着法によりアル
ミニウム電極を付けてアジレントテクノロジ社のパラメ
ーターアナライザ装置を用いて測定した。リーク電流評
価も、試料は同一のサンプルを用いて測定した。
【0031】(実施の形態2)実施の形態2では図1に
記載の装置を用いて、SiH4流量依存性について検討
した。SiH4とN2Oを原料ガスとしてSiO2系絶縁
膜を成膜する場合、SiO2の理想的化学量論的組成に
近づけるにはSiH4とN2Oの流量比が重要なパラメー
タである。ここではN2O流量は一定にし、SiH4流量
を変化させて電気特性を中心に膜特性を調べた。図3は
本発明のプラズマ領域制御を行った化学気相成長方法で
のモノシラン流量と成膜速度の依存性を示す図である。
図4は従来のプラズマ領域制御を行わない化学気相成長
方法のモノシラン流量と成膜速度の関係の一例を示す図
である。RFパワによらずSiH4流量が増加すること
で成膜速度が増加しており、この傾向はSiH4の供給
律速になっている。また、プラズマ5領域制御の有無に
よる成膜速度に対するSiH4流量依存性は、どちらも
同様の傾向を示した。図6にRFパワ50Wの時のSi
4流量とフラットバンド電圧Vfbの関係を示す。領域
制御有りと無しの場合を比較するとフラットバンド電圧
fbに顕著な差が見られている。プラズマ5領域制御有
りの場合はフラットバンド電圧が小さく、プラズマ5領
域制御無しの場合は大きい値になっている。後の、RF
パワ依存性の項目でも触れるが、RFパワーが50Wと
低い場合、N2Oの解離状態に依って、フラットバンド
電圧Vfbに大きな差となっている。図6に示すように、
SiH4流量についてはプラズマ5領域領域制御有りと
無しのいずれも、SiH4流量を少なくし、SiH4とN
2Oの流量比を小さくした方が、フラットバンド電圧は
低くなる。
【0032】(実施の形態3)実施の形態3では、図1
に記載の装置を用いてRFパワ依存性について検討し
た。図5、図7、図8、図11にRFパワと各パラメー
タとの関係を示す。プラズマ5発生領域制御を行った場
合もプラズマ5発生領域制御を行わなかった場合も、共
にRFパワが変わっても各々の成膜速度の変動分はほと
んどない。実施の形態2で示したようにSiH4流量によ
って成膜速度が決まっておりSiH4流量の供給律速条
件で成膜される。図8にRFパワとFT−IR測定での
Si−O伸縮モードのピーク位置の関係を示す。パワの
増加とともにピーク位置は高波数側にシフトし、熱酸化
膜でのピーク位置、1070cm-1程度に近づくことか
ら、パワ増加につれ膜質的には熱酸化膜の膜質に近づい
ている。プラズマ5発生領域制御を行った場合はピーク
波数が高く緻密性が向上した点が確認できた。RFパワ
と電界強度2MV/cmでのリーク電流の関係を図11
に示す。プラズマ5領域制御を行った場合の方が、明か
にリーク電流が低く膜質が良くなっていることを示して
いる。図10に代表的なJ−E特性を示す。プラズマ5
領域制御を行う方が、リーク電流が小さくなっていると
ともに絶縁耐圧も良くなっている。図7にRFパワとフ
ラットバンド電圧Vfbの関係を示す。図7からプラズマ
5領域制御無しの場合は、パワが小さいとフラットバン
ド電圧の絶対値が大きくなっている。これはRFパワが
小さいとN2Oの解離が進まず、酸素が供給されにくい
ためSi−Oの結合が弱くなり、膜質が悪化したためで
ある。言い換えればプラズマ5領域制御無しの場合は、
膜質を向上させるためにはRFパワを大きくしなければ
ならない。しかしSiH4流量を小さくし、SiH4の供
給律速状態で成膜する必要があることから、RFパワを
上げても成膜速度は上がらず、消費エネルギの観点から
判断すれば、無駄なエネルギを使用していることにな
る。
【0033】一方、プラズマ5領域制御有りの場合は低
いパワでも良好な膜質が得られることから、RFパワに
対するプロセスウィンドウが広く、RFパワを小さい条件
に選ぶことで、従来の成膜方法よりRFパワによる消費
エネルギを低減できる。
【0034】(実施の形態4)実施の形態4では、図1
に記載の装置を用いて基板2の温度依存性について調べ
た。上記の成膜速度のデータと同様にプラズマ5領域制
御有りの場合の方が20〜30%成膜速度は遅い。また
成膜速度は基板2の温度が低くなると低下する。図9に
基板2の温度とFT−IR測定でのSi−O伸縮モード
のピーク位置の関係を示す。基板2の温度を下げるとピ
ーク位置は低波数側にシフトし、緻密性の低下を示し
た。Si−O伸縮モードのピーク位置に関しても、プラ
ズマ5領域制御有りの方が基板2の温度を低くしても変
化が小さく、低温化しても高温度での特性が維持でき
た。プラズマ5領域を制御しない場合は、基板2の温度
が下がることで、副次反応で発生した不要な活性種が基
板2の表面に吸着しやすくなり、本来、成膜に寄与すべ
き活性種が膜表面を拡散するのを妨げる。しかし、プラ
ズマ5領域制御すると不要な活性種が少ないので低温化
の影響を受けにくく、プラズマ5領域制御により低温成
膜が可能となる。
【0035】(実施の形態5)実施の形態5では、図1
に記載の装置を用いて、本発明をアモルファスシリコン
や微結晶シリコンの成膜にも適用することを調べた。ア
モルファスシリコンや微結晶シリコンの成膜には,Si
4とH2の原料ガスを用いた。図13に示す従来の容量
結合型プラズマCVDでは、プラズマ5を発生させる
と、図15(式2)に示した反応が起こりやすいために
膜中に高次シランが取り込まれたり、パーティクルが発
生するなどの問題が生じる。従って成膜速度を遅くし
て、上記の問題を生じにくくして対策している。
【0036】本発明では、アモルファスシリコンや微結
晶シリコンの成膜に、プラズマ5の領域制御をおこな
い、プラズマ5を狭い領域に制限することにより、図1
3に示す従来の容量結合型プラズマCVDに比較して、
高次のシランが発生しにくくなり、成膜速度を速くして
も良好な膜質を維持することを確認した。
【0037】(実施の形態6)実施の形態6では、図1
に記載の装置を用いて、SiO2系絶縁膜の膜質を向上
させることができることの確認を、基板2温度の低温化
や低パワ条件で膜特性の点から従来の成膜方法との比較
検討をおこなった。その結果、SiO2系絶縁膜の膜質
の評価結果からプラズマ5領域制御を行うことで、フラ
ットバンド電圧やリーク電流が改善され、SiO2系絶
縁膜の膜質を向上させることができることが確認され
た。プラズマ5領域制御無しで評価した条件の中で、良
好な膜質が得られるRFパワは300Wであるが、プラ
ズマ5領域制御を行った場合に、同等以上の膜質が得ら
れるRFパワの範囲は50〜300Wと広い。さらに低
温成膜した場合であっても膜質劣化が小さい。このこと
から、RFパワや基板2温度のプロセスウィンドウが広
く、低パワ低温成膜による生産プロセスの消費エネルギ
低減に寄与できる。尚、上記の成膜実験で得られた膜特
性の一例は以下の通りである。フラットバンド電圧は−
4.8V( as−grown )、固定電荷密度は3.8
×1011cm-2、絶縁耐圧8MV/cm以上(測定条件
は、at、1μA/cm2)、リーク電流は8.2×1
-11A/cm2 (測定条件は、at、2MV/c
m)。本発明により、膜特性を向上させ基板2温度の低
温化や低パワ条件で良好な膜特性が得られた。
【0038】(実施の形態7)実施の形態7では、図1
に記載の装置を用いて、SiO2系絶縁膜の膜質を向上
させることができることの確認を、フラットバンド電圧
やリーク電流に関する膜特性の点から、従来の成膜方法
との比較検討をおこない、さらにSiO2系絶縁膜ゲー
ト絶縁膜として形成したアクティブマトリクス基板を試
作し、そのTFTのId−Vg特性が実用可能かどうか
の確認をおこなった。その結果、プラズマ5領域制御を
行うことで、フラットバンド電圧やリーク電流が改善さ
れ、SiO2系絶縁膜の膜質を向上させることができる
ことが確認できた。実際にTFT型液晶表示装置のアク
ティブマトリクス基板として、基板2として、硼珪酸ガ
ラスコーニング♯7059を用いてゲート絶縁膜とし
て、プラズマ5領域制御を行って、RFパワ300W、
温度300°Cで低温成膜を行った。その際モニタ基板
で確認した膜特性は以下の通りであった。フラットバン
ド電圧−4.8V(as−grown)、固定電荷密度
は3.8×1011cm-2、絶縁耐圧8MV/cm以上
(測定条件at、1μA/cm2)、リーク電流は8.
2×10-11A/cm2以下(測定条件at、2MV/c
m)。上記の条件でSiO2ゲート絶縁膜を成膜しTF
Tを作製した。代表的なTFTのId−Vg特性の一例
を、図12に示す。TFT型液晶表示装置のアクティブ
マトリクス基板のTFT特性として、従来の容量結合型
プラズマCVDで成膜を行ったSiO2膜より、基板2
温度の低温化ができ、アクティブマトリクス型液晶表示
装置として十分実用的に機能できる良好なId−Vg特
性を有するTFTが得られた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による絶縁
膜形成及び装置によれば、不要な活性種が少ないので低
温化の影響を受けにくくなり低温成膜が可能となる効果
を奏する。具体的に本発明の製造装置で成膜したSiO
2膜でのSi−O伸縮モードのピーク位置を確認する
と、基板温度が300°C以下でも高温度で成膜した膜
特性と同等の高品質絶縁膜を形成できる効果を奏するこ
とを確認した。
【0040】また、プラズマ発生領域制御CVDと従来
のプラズマCVDを比較するとRFパワに関しては、低
パワ側にプロセスウィンドウが拡がり、成膜後の緻密化
焼成なしでも良好な成膜ができる。基板温度が下がるこ
とで副次反応で発生した不要な活性種が基板表面に吸着
しにくくなり、本来成膜に寄与すべき活性種が膜表面を
拡散するのを妨げるので、膜形成後に高温熱処理が不要
となり、生産プロセスの省電力化を促進し、そのため炭
酸ガス排出による地球温暖化や大気の汚染を防止する効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ領域制御を行った化学気相成
長法の概略図である。
【図2】本発明の絶縁体ブロックを設置した化学気相成
長装置の概略図である。
【図3】本発明のプラズマ領域制御を行った化学気相成
長方法でのモノシラン流量と成膜速度の関係の一例を示
す図である。
【図4】従来のプラズマ領域制御を行わない化学気相成
長方法のモノシラン流量と成膜速度の関係の一例を示す
図である。
【図5】従来のプラズマ領域制御を行わない化学気相成
長方法のRFパワと成膜速度の関係の一例を示す図であ
る。
【図6】本発明のプラズマ領域制御を行った化学気相成
長方法と従来の化学気相成長方法のフラットバンド電圧
のモノシラン流量依存性を示す図である。
【図7】本発明のプラズマ領域制御を行った化学気相成
長方法と従来の化学気相成長方法のフラットバンド電圧
のRFパワ依存性を示す図である。
【図8】本発明のプラズマ領域制御を行った化学気相成
長法と従来の化学気相成長方法のSi−O伸縮モード波
数のRFパワ依存性を示す図である。
【図9】本発明のプラズマ領域制御を行った化学気相成
長方法と従来の化学気相成長方法のSi−O伸縮モード
波数の基板温度依存性を示す図である。
【図10】本発明のプラズマ領域制御を行った化学気相
成長方法と従来の化学気相成長方法の電流密度Jと電界
強度Eの関係を示す図である。
【図11】本発明のプラズマ領域制御を行った化学気相
成長方法と従来の化学気相成長方法のリーク電流のRF
パワ依存性を示す図である。
【図12】本発明のプラズマ領域制御を行った化学気相
成長方法でゲート絶縁膜を作製したTFTでのId−V
g特性の一例である。
【図13】従来の容量結合型(平行平板型)プラズマC
VD装置の概略図である。
【図14】SiO2系絶縁膜を成膜する際の原料ガスと
してSiH4とN2O を使用した場合でのプラズマ中で
の反応式(式1)である。
【図15】実際に放電開始後プラズマ中に存在する発生
する活性種の反応式(式2)である。
【符号の説明】
1 マスク 2 基板 3 上部電極 4 下部電極 5 プラズマ 6 絶縁体ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 公彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 4K030 AA06 AA14 AA17 BA44 FA03 JA10 KA30 KA46 LA02 5F045 AA08 AB04 AB32 AD03 AD04 AD05 AD06 AD07 BB07 DC61 DP02 DQ10 EB02 EH14 5F058 BA20 BC02 BF07 BJ02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの電極間にプラズマを発生させて基
    板に成膜する半導体製造装置において、 前記2つの電極間に複数のプラズマ発生領域を有するこ
    とを特徴とする半導体製造装置。
  2. 【請求項2】 電極間を部分的に分離する絶縁体ブロッ
    クを設け、絶縁体ブロックのない部分にプラズマ発生領
    域を形成することを特徴とする請求項1記載の半導体製
    造装置。
  3. 【請求項3】 絶縁体ブロックがライン状であることを
    特徴とする請求項2記載の半導体製造装置。
  4. 【請求項4】 絶縁体ブロックが耐熱性絶縁材料からな
    ることを特徴とする請求項2から請求項3に記載の半導
    体製造装置。
  5. 【請求項5】 酸素活性種を含むプラズマを用いること
    を特徴とする、請求項1に記載の半導体製造装置。
  6. 【請求項6】 水素活性種を含むプラズマを用いること
    を特徴とする、請求項1に記載の半導体製造装置。
  7. 【請求項7】 成膜時の基板温度が300°C以下であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置を
    用いた半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の半導体製造装置で製造し
    た半導体装置であって、絶縁膜の固定電荷密度が、3.
    8×1011cm-2以下であることを特徴とする半導体装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の半導体製造装置で製造し
    た半導体装置であって、絶縁膜の絶縁耐圧が8MV/c
    m以上であることを特徴とする半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011150325A (ja) * 2009-12-22 2011-08-04 Mitsubishi Chemicals Corp 位相差フィルム

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JP2011150325A (ja) * 2009-12-22 2011-08-04 Mitsubishi Chemicals Corp 位相差フィルム

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