JP2011140561A - 鋼板プレコート用水性塗料組成物およびこれを用いた塗膜 - Google Patents

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俊介 中村
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登 吉田
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Abstract

【課題】塗膜厚みを10μm程度以下と薄くした場合であっても、耐溶剤性(耐エタノール性等)およびプレコート鋼板加工時おける追従性、好ましくはさらに耐食性、硬度(耐傷付き性)および素地隠蔽性に優れる塗膜を形成できるとともに、焼付け時間を極めて短くすることができる鋼板プレコート用水性塗料組成物、ならびにこれを用いた塗膜およびその形成方法を提供する。
【解決手段】芳香族環構造を有するポリエステルポリオールを含むポリエステルポリオール成分(a1)とイソシアネート化合物(a2)とを反応させて得られる水分散性ポリウレタン樹脂(A)と、着色顔料(B)とを含有し、水分散性ポリウレタン樹脂(A)固形分中における、上記ポリエステルポリオール由来の芳香族環構造の含有量が10〜30質量%である鋼板プレコート用水性塗料組成物、ならびにこれを用いた塗膜およびその形成方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、鋼板プレコート用水性塗料組成物、ならびにこれを用いた塗膜およびその形成方法に関する。
従来から、鋼板上に予め塗膜を形成したプレコート鋼板(塗装鋼板)は、各種家電製品や、建材、自動車部品などの用途に広く使用されている。プレコート鋼板に用いられるプレコート用塗料には多くの性能が要求されており、たとえば、プレコート用塗料から形成される塗膜は、耐食性、硬度(耐傷付き性)、耐溶剤性(耐エタノール性等)、プレコート鋼板加工時おける追従性、素地隠蔽性などに優れることが好ましい性能として要求される。ここで、プレコート鋼板加工時における追従性とは、プレコート鋼板加工部位における塗膜の割れ等の損傷に対する耐性や当該部位における塗膜の下地鋼板に対する密着性を含む。
また近年、塗装や焼付けのための時間を短縮し、塗膜形成作業の合理化および省資源化を図るべく、塗膜の薄膜化が望まれており、さらには、地球環境や塗膜形成作業環境等への配慮から、有機溶剤系塗料から水系塗料への転換が望まれている。塗膜の薄膜化および水系塗料への転換は、上記した各種要求性能を前提として達成されなければならない課題である。
特許文献1には、所定のプレコート用塗料を用いることにより、当該塗料からなる単一着色塗膜の膜厚が1〜10μmと薄くても素地隠蔽性などに優れる着色塗装鋼板が開示されている。また、単一着色塗膜形成時の焼付け時間が15〜50秒と比較的短時間であることも記載されている。しかしながら、上記焼付け時間でもなお、塗装ラインが制限されるなどの課題を有しており、焼付け時間のさらなる短縮化が望まれていた。
特開2009−11950号公報
本発明の目的は、塗膜厚みを10μm程度以下と薄くした場合であっても、耐溶剤性(耐エタノール性等)およびプレコート鋼板加工時おける追従性、好ましくはさらに耐食性、硬度(耐傷付き性)および素地隠蔽性に優れる塗膜を形成できるとともに、焼付け時間を極めて短くすることができる鋼板プレコート用水性塗料組成物、ならびにこれを用いた塗膜およびその形成方法を提供することである。
本発明は、芳香族環構造を有するポリエステルポリオールを含むポリエステルポリオール成分(a1)とイソシアネート化合物(a2)とを反応させて得られる水分散性ポリウレタン樹脂(A)と、着色顔料(B)とを含有し、水分散性ポリウレタン樹脂(A)固形分中における、上記ポリエステルポリオール由来の芳香族環構造の含有量が10〜30質量%である鋼板プレコート用水性塗料組成物を提供する。
本発明において用いられる上記水分散性ポリウレタン樹脂(A)は、膜厚200μmのフィルムとして測定される23℃における伸び率が、200〜800%であるポリウレタン樹脂であることが好ましい。
本発明の鋼板プレコート用水性塗料組成物は、イミノ基型メラミン樹脂(C)をさらに含有していてもよい。イミノ基型メラミン樹脂(C)と水分散性ポリウレタン樹脂(A)との含有量比は、固形分質量比で、好ましくは1/99〜30/70である。
上記水分散性ポリウレタン樹脂(A)の固形分含有量は、水性塗料組成物の固形分中、好ましくは20〜90質量%である。また、上記着色顔料(B)の含有量は、水性塗料組成物の固形分中、好ましくは5〜50質量%である。好ましい着色顔料(B)の例は、カーボンブラックを含む。
本発明の鋼板プレコート用水性塗料組成物は、粒子径が3〜20nmのシリカ(D)をさらに含有していてもよい。シリカ(D)の固形分含有量は、水性塗料組成物の固形分中、好ましくは5〜20質量%である。
また本発明は、上記鋼板プレコート用水性塗料組成物を用いて形成された塗膜を提供する。本発明の塗膜の膜厚は2〜10μmであることが好ましい。
さらに本発明は、上記鋼板プレコート用水性塗料組成物を鋼板に塗布した後、鋼板の温度が120〜250℃の範囲内となるまで加熱することにより焼付けを行なう、塗膜の形成方法。本発明の塗膜の形成方法において、焼付けの加熱時間は、3〜15秒とすることができる。
本発明の鋼板プレコート用水性塗料組成物によれば、耐溶剤性(耐エタノール性等)およびプレコート鋼板加工時おける追従性、さらにはこれらの性能とともに耐食性、硬度(耐傷付き性)および素地隠蔽性が良好な薄膜(10μm程度以下)の塗膜を、極めて短い焼付け時間で形成することが可能になる。
<鋼板プレコート用水性塗料組成物>
本発明の鋼板プレコート用水性塗料組成物は、芳香族環構造を有するポリエステルポリオールを含むポリエステルポリオール成分(a1)とイソシアネート化合物(a2)とを反応させて得られる、バインダー樹脂(塗膜形成性樹脂)としての水分散性ポリウレタン樹脂(A)と、着色顔料(B)と、溶剤としての水(もしくは水および水溶性溶剤)とを含有する水性塗料である。好ましくは、さらにイミノ基型メラミン樹脂(C)および/またはシリカ(D)を含有する。
[水分散性ポリウレタン樹脂(A)]
本発明の鋼板プレコート用水性塗料組成物に用いられる水分散性ポリウレタン樹脂(A)は、芳香族環構造を有するポリエステルポリオール(a1−i)〔以下、芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)とも称する〕を含むポリエステルポリオール成分(a1)とイソシアネート化合物(a2)とを反応させて得られるものである。したがって、水分散性ポリウレタン樹脂(A)は、芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)由来の芳香族環構造を有するものであり、本発明において芳香族環構造の含有量は、水分散性ポリウレタン樹脂(A)固形分中10〜30質量%とされる。後で詳述するように、この水分散性ポリウレタン樹脂(A)は、従来の有機溶剤系または水系プレコートメタル(PCM)塗料に用いられているポリウレタン樹脂とは異なり、非常に高い分子量を有しており、したがって、架橋剤による架橋硬化反応を必ずしも必要としないことから、短時間の焼付け時間でも十分な膜強度と、十分均質な造膜を達成することができる。このような水分散性ポリウレタン樹脂(A)をバインダー樹脂として用いることにより、短時間の焼付けでも所望の要求性能を満たす塗膜を形成可能な鋼板プレコート用水性塗料組成物が実現される。
〔ポリエステルポリオール成分(a1)〕
水分散性ポリウレタン樹脂(A)を構成するポリエステルポリオール成分(a1)は、芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)を含む。芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)は、芳香族多価カルボン酸類および/または芳香族多価アルコール類由来の構成単位を含み、芳香族多価カルボン酸類および/または芳香族多価アルコール類を含む原料組成物を、公知の方法により縮合反応させることにより得ることができる。
上記芳香族多価カルボン酸類は、芳香族2価カルボン酸類または3価以上の芳香族カルボン酸類などを含み、芳香族2価カルボン酸類としては、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸(ナフタレン−1,8−ジカルボン酸)、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−P,P’−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸またはそれらの酸無水物もしくはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体;ならびに、5−スルホイソフタル酸等のスルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの芳香族2価カルボン酸類は、各種置換基によって置換された置換体であってもよい。
上記3価以上の芳香族カルボン酸類としては、たとえば、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸またはそれらの酸無水物もしくはエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの3価以上の芳香族カルボン酸類は、各種置換基によって置換された置換体であってもよい。芳香族多価カルボン酸類は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)は、芳香族多価カルボン酸類以外の多価カルボン酸類由来の構成単位を含有していてもよい。芳香族多価カルボン酸類以外の多価カルボン酸類としては、たとえば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸またはそれらの酸無水物もしくはエステル形成性誘導体;および、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸またはそれらの酸無水物もしくはエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの多価カルボン酸類は、各種置換基によって置換された置換体であってもよい。芳香族多価カルボン酸類以外の多価カルボン酸類は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記芳香族多価アルコール類としては、たとえば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ハイドロキノン、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、およびそれらのアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができる。これらの芳香族多価アルコール類は、各種置換基によって置換された置換体であってもよい。芳香族多価アルコール類は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)は、芳香族多価アルコール類以外の多価アルコール類由来の構成単位を含有していてもよい。芳香族多価アルコール類以外の多価アルコール類としては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環族ジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族または脂環族多価アルコール;および、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステルを開環重合させて得られる脂肪族多価アルコールが挙げられる。これらの多価アルコール類は、各種置換基によって置換された置換体であってもよい。芳香族多価アルコール類以外の多価アルコール類は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)を構成し得る、芳香族多価カルボン酸類、芳香族多価カルボン酸類以外の多価カルボン酸類、芳香族多価アルコール類および芳香族多価アルコール類以外の多価アルコール類由来の構成単位の含有比率は、水分散性ポリウレタン樹脂(A)固形分中における、芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)由来の芳香族環構造の含有量が10〜30質量%となるように調整される。
ポリエステルポリオール成分(a1)は、水分散性ポリウレタン樹脂(A)固形分中における、芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)由来の芳香族環構造の含有量が10〜30質量%となる限りにおいて、芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)以外のポリエステルポリオール(a1−ii)を含んでいてもよい。このようなポリエステルポリオール(a1−ii)としては、脂肪族および脂環族ポリエステルポリオール等の芳香環構造を含まないポリエステルポリオールを挙げることができる。脂肪族および脂環族ポリエステルポリオールは、上述の芳香族多価カルボン酸類以外の多価カルボン酸類および芳香族多価アルコール類以外の多価アルコール類を用いて調製することができる。
〔イソシアネート化合物(a2)〕
イソシアネート化合物(a2)としては、従来公知のものを使用することができる。イソシアネート化合物(a2)の具体例を挙げれば、たとえば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−または1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(別名イソホロンジイソシアネート;IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(別名水添MDI)、2−または4−イソシアナトシクロヘキシル−2’−イソシアナトシクロヘキシルメタン、1,3−または1,4−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ビス−(4−イソシアナト−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−または1,4−α,α,α’α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,4−または2,6−ジイソシアナトトルエン、2,2’−、2,4’−または4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−またはm−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
〔水分散性ポリウレタン樹脂(A)の特性等および製造方法〕
水分散性ポリウレタン樹脂(A)は、上記ポリエステルポリオール成分(a1)と上記イソシアネート化合物(a2)とのウレタン化反応によって得られる樹脂であり、芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)由来の芳香族環構造を、水分散性ポリウレタン樹脂(A)固形分中10〜30質量%の量で含有する。このような水分散性ポリウレタン樹脂(A)を含有する本発明の鋼板プレコート用水性塗料組成物によれば、耐溶剤性(耐エタノール性等)およびプレコート鋼板加工時おける追従性、さらには耐食性、硬度(耐傷付き性)および素地隠蔽性が良好な薄膜(10μm程度以下)の塗膜を、極めて短い焼付け時間で形成することが可能になる。芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)由来の芳香族環構造の含有量が、水分散性ポリウレタン樹脂(A)固形分中10質量%未満であると、水分散性ポリウレタン樹脂(A)の伸び率が増加するため、プレコート鋼板加工時おける塗膜の追従性は向上するものの、良好な耐溶剤性を有する塗膜が得られない。また、30質量%を超えると、塗膜の耐溶剤性等は向上するものの、プレコート鋼板加工時おける塗膜の追従性が低下して、プレコート鋼板加工部位において塗膜の割れ等の損傷が生じたり、塗膜の剥がれが生じやすくなる。水分散性ポリウレタン樹脂(A)固形分中における芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)由来の芳香族環構造の含有量は、好ましくは15質量%以上である。
本発明において、水分散性ポリウレタン樹脂(A)固形分中における芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)由来の芳香族環構造の含有量は、下記式(1):
芳香族環構造の含有量(質量%)=100×〔(芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)を構成する芳香族多価カルボン酸類のモル数[mol])×(芳香族多価カルボン酸類1分子中の芳香族環構造の数)×(芳香族環部分の分子量[g/mol])+(芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)を構成する芳香族多価アルコール類のモル数[mol])×(芳香族多価アルコール類1分子中の芳香族環構造の数)×(芳香族環部分の分子量[g/mol])〕/〔水分散性ポリウレタン樹脂(A)固形分質量[g]〕 (1)
によって計算される。ここで、「芳香族環部分の分子量」とは、芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)が有する芳香族環残基としての分子量ではなく、この残基が遊離の芳香族環化合物として存在する場合における分子量であり、また、芳香族環構造が有する置換基(芳香環は除く)は分子量に含めない。たとえば、芳香族多価カルボン酸類としてアルキル置換テレフタル酸を用いる場合の「芳香族環部分の分子量」は、ベンゼン環の分子量78.11である。2種以上の芳香族多価カルボン酸類を用いる場合、上記式(1)における(芳香族ポリエステルポリオール(a1−i)を構成する芳香族多価カルボン酸類のモル数[mol])×(芳香族多価カルボン酸類1分子中の芳香族環構造の数)×(芳香族環部分の分子量[g/mol])は、各芳香族多価カルボン酸類について計算したものの和である。2種以上の芳香族多価アルコール類を用いる場合も同様である。
本発明で用いられる水分散性ポリウレタン樹脂(A)は、非常に高い分子量を有しており、典型的には、GPCによる分子量測定では測定不可能である。このような高分子量の水分散性ポリウレタン樹脂(A)を用いることにより、架橋剤による架橋硬化反応を必ずしも必要としないことから、短時間の焼付け時間でも十分均質な造膜を達成することができる。また、水分散性ポリウレタン樹脂(A)は、このような高分子量性と、上記所定の芳香族環構造含有量を兼ね備えているので、得られる塗膜は、短時間の焼付け時間であっても均質であるとともに、耐溶剤性およびプレコート鋼板加工時おける追従性などに優れている。さらに、芳香族環構造含有量が上記所定の範囲内である場合、水分散性ポリウレタン樹脂(A)が有するウレタン結合同士の凝集力は、短時間の焼付けにおける塗膜均質性および塗膜強度の確保に有効に働く。芳香族環構造含有量が30質量%を超える場合、分子間の立体反発が大きくなり過ぎて、ウレタン結合同士の凝集力が阻害され、短時間の焼付けにおける塗膜形成性(造膜性)が低下する傾向にある。
水分散性ポリウレタン樹脂(A)は、非常に高い分子量を有しているので、キャスト法などによってフィルム成形が可能である。本発明で用いられる水分散性ポリウレタン樹脂(A)は、膜厚200μmのフィルムとして測定される23℃における伸び率が、200〜800%であることが好ましく、300〜700%であることがより好ましい。伸び率がかかる範囲内にある水分散性ポリウレタン樹脂(A)を用いることにより、適度な伸び率を有する、プレコート鋼板加工時おける追従性に優れた塗膜を得ることができる。水分散性ポリウレタン樹脂(A)の伸び率は、分子量や芳香族環構造の含有量等に依存し、たとえば、芳香族環構造の含有量を高くするほど伸び率は低下し、低くするほど伸び率は上昇する傾向にある。水分散性ポリウレタン樹脂(A)の伸び率が200%未満であると、プレコート鋼板加工時おける塗膜の追従性が良好な塗膜が得られにくい傾向にある。また、伸び率が800%を超えると、耐溶剤性が低下する傾向にある。
水分散性ポリウレタン樹脂(A)の固形分含有量は、水性塗料組成物の固形分中、通常、20〜90質量%程度であり、好ましくは40〜80質量%である。水分散性ポリウレタン樹脂(A)の固形分含有量が20質量%未満であると、塗膜が脆くなり、プレコート鋼板加工時おける塗膜の追従性が低下する傾向にある。また、水分散性ポリウレタン樹脂(A)の固形分含有量が90質量%を超えると、塗膜の硬度(耐傷付き性)が低下する傾向にある。
水分散性ポリウレタン樹脂(A)の調製方法は特に制限されないが、ポリエステルポリオール成分(a1)とイソシアネート化合物(a2)とを、有機溶剤中で公知の方法により反応させる方法を挙げることができる。この際、ポリエステルポリオール成分(a1)とイソシアネート化合物(a2)とを、イソシアネート化合物(a2)が有するイソシアネート基が過剰となる条件でウレタン化反応を行なうことにより、あらかじめイソシアネート基を有するプレポリマーを調製し、これに低分子量ポリオールまたはポリアミンを反応させ、鎖長延長させる方法により、得られる水分散性ポリウレタン樹脂(A)の高分子量化を図ることができる。
上記低分子量ポリオールとしては、たとえば、2,2’−ジメチロールプロピオン酸、2,2’−ジメチロールブタン酸、2,2’−ジメチロール酪酸、2,2’−ジメチロール吉草酸等のカルボキシル基を含有するポリオール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環族ジオールなどを挙げることができ、さらに多官能成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール等を併用することもできる。
上記ポリアミンとしては、たとえば、N−(2−スルホエチル)エチレンジアミンの金属塩、2−(β−アミノアルキル−アミノプロピオンアミド)−アルカンスルホン酸塩等のジアミノスルホネート、エチレンジアミン等の脂肪族1級ジアミンと(メタ)アクリル酸等のα−オレフィン系カルボン酸の付加物などのアニオン性基を有するポリアミン;ヒドラジン、およびアジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジン誘導体等のアニオン性基を有しないポリアミンの他、1,2−ジアミノエタン、1,2−または1,3−ジアミノプロパン、1,2−、1,3−または1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、N,N’−ビス−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(イソホロンジアミン)、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−ブチルシクロヘキシル)メタン、1,2−、1,3−または1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノプロパン等のジアミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミンなどを挙げることができる。
ここで、水分散性ポリウレタン樹脂(A)は、水分散性ポリウレタン樹脂(A)が粒状物(コロイド状物)として水(もしくは水および水溶性溶剤)に分散された水分散体として調製されることが好ましい。この場合、本発明の鋼板プレコート用水性塗料組成物は、好ましくは、当該水分散体と後述する各種添加剤とを混合することにより得られる。水分散性ポリウレタン樹脂(A)が粒状物として水に分散された水分散体を含む鋼板プレコート用水性塗料組成物は、良好なフロー性を有し、焼付け時、水分散性ポリウレタン樹脂(A)の粒子形状を崩壊させて、均質性に優れた膜を形成させることができる。分散体として塗料組成物に含まれる場合であっても水分散性ポリウレタン樹脂の芳香族環構造含有量が30質量%を超える場合には、良好なフロー性を得ることができず、その結果、塗膜の均質性が損なわれ、プレコート鋼板加工時おける塗膜の追従性などが低下する。
水分散性ポリウレタン樹脂(A)の水分散体は、たとえば、ウレタン化反応後の反応液を、中和剤を用いて中和し、水を加えて水溶化した後、有機溶剤を除去することにより調製することができる。中和剤としては、たとえば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを用いることができる。水分散体に含まれる水分散性ポリウレタン樹脂(A)の平均粒子径は特に制限されないが、通常、10〜500nm程度であり、塗膜形成性(造膜性)の観点から、好ましくは100nm以下である。水分散性ポリウレタン樹脂(A)の平均粒子径は、動的光散乱法(日機装社製マイクロトラックUP150等)の粒子径測定装置を用いて測定することができる。
[着色顔料(B)]
本発明の鋼板プレコート用水性塗料組成物は、上記水分散性ポリウレタン樹脂(A)とともに、着色顔料(B)を含む。着色顔料(B)の添加により、塗膜に素地隠蔽性が付与される。着色顔料(B)としては、塗料に使用される従来公知のものを使用することができ、たとえば、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系顔料、および、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン、各種焼成顔料等の無機系顔料が挙げられる。これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色顔料(B)の含有量は、水性塗料組成物の固形分中、通常5〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。着色顔料(B)の含有量が5質量%未満であると、十分な素地隠蔽性を付与することが困難であり、また、50質量%を超えると、塗膜が脆くなり、プレコート鋼板加工時おける塗膜の追従性が低下する傾向にある。
上記のなかでも、カーボンブラックは、高い隠蔽性を有し、比較的少量で塗膜に高い素地隠蔽性を付与できることから好ましく用いられる。カーボンブラックを着色顔料(B)として用いる場合、カーボンブラックの含有量は、水性塗料組成物の固形分中、5〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。カーボンブラックの含有量が5質量%未満であると、十分な素地隠蔽性を付与することが困難であり、また、20質量%を超えると、塗膜が脆くなり、プレコート鋼板加工時おける塗膜の追従性が低下する場合がある。カーボンブラックの含有量が、水性塗料組成物の固形分中、5質量%以上であると、塗膜厚が10μm以下程度と薄い場合であっても、十分な素地隠蔽性を得ることができる。
[イミノ基型メラミン樹脂(C)]
本発明の鋼板プレコート用水性塗料組成物は、上記水分散性ポリウレタン樹脂(A)を含有するものであるため、良好な耐溶剤性および耐食性を示すが、イミノ基型メラミン樹脂(C)を含有させることにより、耐溶剤性および硬度(耐傷付き性)をさらに向上させることができる。イミノ基型メラミン樹脂(C)は水分散性ポリウレタン樹脂(A)に対する架橋性(水分散性ポリウレタン樹脂(A)が有する水酸基と反応する性質)を有するとともに、自己架橋性(イミノ基型メラミン樹脂(C)のイミノ基同士が反応する性質)を有しており、これらの架橋反応により塗膜の耐溶剤性および硬度(耐傷付き性)が向上する。特に、15秒程度以下の短時間焼付けにおいては、イミノ基同士の架橋反応が有効に作用し、塗膜の耐溶剤性および硬度(耐傷付き性)を向上させる。
なお、「メラミン樹脂」とは、一般的に、メラミンとアルデヒドから合成される熱硬化性樹脂を意味し、トリアジン核1分子中に3つの反応性官能基−NX12を有している。メラミン樹脂としては、反応性官能基として−N−(CH2OR)2〔Rはアルキル基、以下同じ〕を含む完全アルキル型;反応性官能基として−N−(CH2OR)(CH2OH)を含むメチロール基型;反応性官能基として−N−(CH2OR)(H)を含むイミノ基型;反応性官能基として、−N−(CH2OR)(CH2OH)と−N−(CH2OR)(H)とを含む、あるいは−N−(CH2OH)(H)を含むメチロール/イミノ基型の4種類を例示することができる。したがって、本発明において好ましく用いられる「イミノ基型メラミン樹脂」とは、トリアジン核1分子に含まれる3つの反応性官能基のうち平均1個以上が−N−(CH2OR)(H)であるメラミン樹脂をいう。本発明において、各種メラミン樹脂のなかでもイミノ基型メラミン樹脂が好ましく用いられるのは、上記架橋反応に対する触媒がなくても低温反応性に優れるという理由による。
イミノ基型メラミン樹脂(C)としては、市販品を入手可能であり、たとえば、サイメル(登録商標)250、251、254、325、712;マイコート(登録商標)212、715、778(いずれも日本サイテック社製)等が挙げられる。イミノ基型メラミン樹脂(C)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水性塗料組成物中におけるイミノ基型メラミン樹脂(C)の含有量は、イミノ基型メラミン樹脂(C)と水分散性ポリウレタン樹脂(A)との含有量比が、固形分質量比で、1/99〜30/70となるように、好ましくは5/95〜20/80となるように調整される。イミノ基型メラミン樹脂(C)と水分散性ポリウレタン樹脂(A)との含有量比が30/70を超えると、塗膜が脆くなり、プレコート鋼板加工時おける塗膜の追従性が低下する傾向にある。
[シリカ(D)]
本発明の鋼板プレコート用水性塗料組成物は、シリカ(D)をさらに含有していてもよい。シリカ(D)の添加により、耐食性などの塗膜性能をより向上させることができる。シリカ(D)の粒子径の範囲は、3〜20nmであることが好ましく、10〜20nmであることがより好ましい。シリカ(D)の粒子径が20nmを超えると、粒子径が3〜20nmである場合と比較して、塗膜の耐食性に劣る傾向にある。シリカ(D)の粒子径は、動的光散乱法(日機装社製マイクロトラックUP150等)の粒子径測定装置を用いて測定することができる。
上記好ましい粒子径を有するシリカ(D)としては、シリカ微粒子が溶媒中に分散されたコロイダルシリカを好ましく用いることができる。コロイダルシリカの分散媒としては、たとえば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、およびこれらの混合物などが挙げられる。
コロイダルシリカとしては、各種の市販品を用いることができる。市販品の具体例を挙げれば、たとえば、「スノーテックス」シリーズおよび「オルガノゾル」シリーズ(日産化学工業社製)、「アデライト」シリーズ(ADEKA社製)、「カタロイド」シリーズおよび「オスカル」シリーズ(日揮触媒化成社製)、「クォートロン」シリーズ(扶桑化学工業社製)などが挙げられる。コロイダルシリカは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリカ(D)の固形分含有量は、水性塗料組成物の固形分中、好ましくは5〜20質量%であり、より好ましくは7〜15質量%である。シリカ(D)の固形分含有量が5質量%未満であると、耐食性等を向上させる効果が十分に得られず、また、20質量%を超えると、塗膜が脆くなり、プレコート鋼板加工時おける塗膜の追従性などが低下する傾向にある。
[その他の添加剤]
本発明の鋼板プレコート用水性塗料組成物は、上記(A)〜(D)以外のその他の添加剤を含有していてもよい。その他の添加剤としては、たとえば、pH調整剤、色分かれ防止剤、沈殿防止剤、表面調整剤、潤滑剤、消泡剤、防腐剤、凍結防止剤、顔料分散剤、乳化剤、紫外線吸収剤、防かび剤、抗菌剤、シリカ(D)以外の体質顔料等の当該分野において慣用されている添加剤を挙げることができる。また、本発明の水系塗料組成物の貯蔵安定性、塗膜形成性等の向上目的として、水以外の溶剤を水系塗料組成物に含有させてもよい。
シリカ(D)以外の体質顔料としては、たとえば、タルク、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、アルミナ、ベントナイトなどを挙げることができる。これらは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水以外の溶剤としては、たとえば、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール系有機溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系有機溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;3−メトキシブチルアセテート等のエステル系有機溶媒;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤;ならびに、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、トルエン、ペンタン、iso−ペンタン、ヘキサン、iso−ヘキサン、シクロヘキサン、ソルベントナフサ、ミネラルスピリットなどを挙げることができる。これらは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記のなかでも、水と併用される溶剤は、親水性あるいは水溶性溶剤であることが好ましい。
本発明の鋼板プレコート用水性塗料組成物は、たとえば、上記水分散性ポリウレタン樹脂(A)(好ましくは粒状水分散性ポリウレタン樹脂(A)が分散された分散体)および着色顔料(B)、ならびに任意で用いられるイミノ基型メラミン樹脂(C)、シリカ(D)およびその他の添加剤を、ローラーミル、ボールミル、ビーズミル、ペブルミル、サンドグラインドミル、ポットミル、ペイントシェーカー、ディスパー等の混合機を用いて混合することにより、調製することができる。
<鋼板プレコート用水性塗料組成物からなる塗膜およびその形成方法>
本発明の塗膜は、上記本発明の鋼板プレコート用水性塗料組成物によって形成されるものである。本発明によれば、上記鋼板プレコート用水性塗料組成物を用いるため、耐溶剤性(耐エタノール性等)およびプレコート鋼板加工時おける追従性、さらにはこれらの性能とともに耐食性、硬度(耐傷付き性)および素地隠蔽性が良好な薄膜(10μm程度以下)の塗膜を、極めて短い焼付け時間で形成することが可能になる。
本発明の塗膜の膜厚は特に制限されないが、10μm程度以下の膜厚でも、上記の各種塗膜性能を維持することが可能である。ただし、膜厚が2μm未満であると、耐溶剤性、耐食性、素地隠蔽性などに劣る場合があることから、膜厚は2μm以上とすることが好ましく、より好ましくは3μm以上である。一方、膜厚が10μmを超える場合、概して良好な塗膜性能を得ることができるが、プレコート鋼板加工時おける塗膜の追従性に劣る場合があることから、膜厚の好ましい上限は10μmであり、より好ましくは8μmである。上記膜厚は、電磁膜厚計(フィッシャー社製)を用い、任意に選択した10箇所を測定し、その平均値から算出される。
鋼板プレコート用水性塗料組成物からなる塗膜は、鋼板プレコート用水性塗料組成物を鋼板に塗布した後、鋼板を加熱する焼付け処理を行なうことによって形成することができる。鋼板としては、たとえば、亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板、アルミニウム合金めっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっき鋼板、ステンレス鋼板、冷延鋼板等を用いることができる。鋼板は、リン酸亜鉛処理、日本ペイント社製サーフコートEC2200等のクロムフリー処理、塗布型クロメート等の表面処理が施されたものであってもよく、また、特に耐食性を必要とする場合など、当該表面処理層上に、さらにエポキシ樹脂プライマー、ポリウレタン変性エポキシ樹脂プライマー、ポリエステル樹脂プライマー等のプライマー層を備えるものであってもよい。
鋼板プレコート用水性塗料組成物の塗布方法としては、ロールコーター、エアレススプレー、静電スプレー、カーテンフローコーターなど従来公知の方法を採用することができる。
焼付け温度は、好ましくは120〜250℃であり、より好ましくは150〜230℃である。焼付け温度が120℃を下回ると、均質な塗膜が形成されず、良好な塗膜性能が得られない恐れがある。また、焼付け温度が250℃を上回ると、樹脂成分の分解等が生じる恐れがある。なお、ここでいう焼付け温度とは、鋼板を加熱する焼付け処理において、鋼板が達する最高温度(最高到達板温)を意味する。
焼付け処理における加熱時間は特に制限されず、たとえば3〜60秒とすることができるが、本発明の鋼板プレコート用水性塗料組成物によれば、極めて短い焼付け時間であっても、優れた性能を有する塗膜を形成できることから、3〜15秒程度で十分である。このように、本発明によれば、優れた塗膜性能を維持しつつ、焼付け時間を極めて短縮できることから、省エネルギー化を図ることができるとともに、塗装ラインの合理化を図ることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔1〕ポリエステルポリオールの調製
(製造例PE1:ポリエステルポリオールPE1の調製)
温度計、窒素ガス導入管、攪拌機を備えた反応容器に、窒素ガスを導入しながら、テレフタル酸443質量部、イソフタル酸443質量部、アジピン酸420質量部、エチレングリコール196質量部、1,4−ブタンジオール306質量部、ネオペンチルグリコール328質量部およびジブチル錫オキサイド0.5質量部を仕込み攪拌した。ついで、窒素ガスを導入しながら、230℃まで昇温し、酸価が1以下になるまで同温度で15時間重縮合反応を行ない、ポリエステルポリオールPE1を得た。
(製造例PE2〜PE5:ポリエステルポリオールPE2〜PE5の調製)
表1に示した原料組成に従い、製造例PE1と同様の手順にて、ポリエステルポリオールPE2〜PE5を得た。
表1に、ポリエステルポリオールPE1〜PE5の固形分中における芳香族環構造の含有量(質量%)および数平均分子量(GPC測定によるポリスチレン換算値)を併せて示した。なお、これらポリエステルポリオールPE1〜PE5の固形分中における芳香族環構造の含有量は、上記式(1)における分母〔水分散性ポリウレタン樹脂(A)固形分質量[g]〕を〔ポリエステルポリオール固形分質量[g]〕に置き換えて計算したものである。
Figure 2011140561
〔2〕粒状水分散性ポリウレタン樹脂の水分散体の調製
(製造例PU1:水分散体PU1の調製)
ポリエステルポリオールPE1の1000質量部を減圧下100℃で脱水し、80℃まで冷却した後、メチルエチルケトン900質量部を加え、十分に攪拌し溶解させた。次に、2,2’−ジメチロールプロピオン酸80質量部を加え、ついでイソホロンジイソシアネート280質量部を加えて75℃で8時間反応させ、ウレタン化工程を実施した。イソシアネート値が0.1質量%以下になったのを確認した後、50℃まで冷却し、トリエチルアミン60質量部を加えて中和し、さらに水4000質量部を加えて、得られたポリウレタン樹脂を水溶化させた。得られた透明なポリウレタン樹脂溶液から、減圧下、40〜60℃にてメチルエチルケトンを除去した後、水を加えて濃度調節を行ない、樹脂固形分30質量%の安定な透明コロイド状の水分散体PU1を得た。
(製造例PU2〜PU5:水分散体PU2〜PU5の調製)
表2に示した原料組成に従い、製造例PU1と同様の手順にて、樹脂固形分30質量%の水分散体PU2〜PU5を得た。
Figure 2011140561
得られた各水分散体について、上記式(1)に基づいて、ポリウレタン樹脂固形分中における芳香族環構造の含有量を算出した。また、下記方法に従って、膜厚200μmのフィルムとしてポリウレタン樹脂の伸び率を測定した。これらの結果を表2に併せて示した。
(ポリウレタン樹脂の伸び率の測定)
ポリプロピレンフィルム基材上に23℃の条件下で、ポリウレタン樹脂の水分散体を、乾燥後の膜厚が200μmとなるようにキャストして、108℃×2時間、ついで150℃×5分間の加熱乾燥処理を実施した後、23℃の条件下で5日養生し、その後、基材から剥離することにより、ポリウレタン樹脂フィルムのサンプルを得た。得られたサンプルを切削して、チャック間長さ=30mm、すなわち有効評価サイズ=30mm×10mmになるように装着し、測定温度23℃、引っ張り速度50mm/分の条件下、テンシロン(オリエンテック社製 テンシロン万能試験機RTM100)を用いて、伸び率を測定した。
(1)水性塗料組成物の調製
<水性塗料組成物の調製例1>
カーボンブラック顔料(三菱化学社製 カーボンブラック#2350)302質量部と分散用樹脂(ビックケミージャパン社製 Disperbyk190)151質量部と希釈剤(純水483質量部およびブチルセロソルブ64質量部)とを混合して混合物を得た。ついで、分散機(大平システム社製 卓上式SGミル1500W型)に、得られた混合物とガラスビーズを1500質量部とを入れ、分散させることにより、カーボンブラック分散ペーストを得た。
ついで、得られたカーボンブラック分散ペースト100質量部、上記で得られた水分散体PU1 411質量部、イミノ基型メラミン樹脂(日本サイテック インダストリーズ社製 サイメル712)17質量部およびコロイダルシリカ(日産化学工業社製 スノーテックス20、粒子径:10〜20nm、シリカ含有量:20質量%、分散媒:水)151質量部を混練することにより水性塗料組成物1を得た。
<水性塗料組成物の調製例2〜19>
表3に示した原料組成に従い、上記調製例1と同様の手順にて、水性塗料組成物2〜19を調製した。なお、表3に示される「スノーテックスXS」および「スノーテックス20L」の詳細は次のとおりである。
(a)「スノーテックスXS」:コロイダルシリカ(日産化学工業社製 スノーテックス20XS、粒子径:4〜6nm、シリカ含有量:20質量%、分散媒:水)、
(b)「スノーテックス20L」:コロイダルシリカ(日産化学工業社製 スノーテックス20L、粒子径:40〜50nm、シリカ含有量:20質量%、分散媒:水)。
Figure 2011140561
(2)塗膜の形成
<実施例1>
0.5mm厚の亜鉛めっき鋼板を金属素地に使用して、上記の水性塗料組成物1を乾燥膜厚が7μmになるように塗装し、オーブン(エヌ・ケイ・テック社製 小型テストオーブン)にて加熱時間12秒で、最高到達板温度が200℃になる条件(すなわち、亜鉛めっき鋼板の温度が加熱開始から12秒後に、最高温度として200℃になる条件)で乾燥させることにより、塗膜を形成した。
<実施例2〜25、比較例1〜2>
表4に示される水性塗料組成物、塗膜厚および焼付け条件(加熱時間、最高到達板温度)に変更したこと以外は実施例1と同様にして塗膜を形成した。
Figure 2011140561
(塗膜の評価)
次に示す項目について、塗膜性能の評価試験を行なった。結果を表4に示す。
〔1〕素地隠蔽性
亜鉛めっき鋼板の代わりに、JIS K5600に規定された隠蔽率試験紙(太佑機材社製)上に塗膜を形成し、JIS K5600 4−1,2に従って隠蔽率を測定した。評価基準は下記のとおりである。
1:隠蔽率が85%超、
2:隠蔽率が80%超〜85%以下、
3:隠蔽率が75%超〜80%以下、
4:隠蔽率が70%超〜75%以下、
5:隠蔽率が70%以下。
〔2〕加工性
23℃の温度条件下、各実施例、比較例で得られた塗装鋼板に、当該塗装鋼板と同じ亜鉛めっき鋼板の金属素地(厚み0.5mm)を1枚当て、これを支点として塗装鋼板を180°折り曲げた。折り曲げ部の塗膜割れ部面積を以下の基準によって評価した。
1:塗膜割れが全くない、
2:塗膜割れが10%以下、
3:塗膜割れが10%超〜30%以下、
4:塗膜割れが30%超〜50%以下、
5:塗膜割れが50%超。
〔3〕加工部密着性
23℃の温度条件下、各実施例、比較例で得られた塗装鋼板に、当該塗装鋼板と同じ亜鉛めっき鋼板の金属素地(厚み0.5mm)を1枚当て、これを支点として塗装鋼板を180°折り曲げた。折り曲げ部にポリエステルテープを密着させ、45°の角度でテープを剥離させた後、素地から剥離した塗膜部面積を以下の基準によって評価した。
1:塗膜剥離が全くない、
2:塗膜剥離が5%以下、
3:塗膜剥離が5%超〜10%以下、
4:塗膜剥離が10%超〜30%以下、
5:塗膜剥離が30%超。
〔4〕鉛筆硬度
23℃の温度条件下、各実施例、比較例で得られた塗装鋼板の塗膜面に対し、JIS−S−6006に規定された高級鉛筆を用い、JIS−K−5400に従って鉛筆硬度試験を行ない、評価した。
〔5〕耐溶剤性
23℃の温度条件下、各実施例、比較例で得られた塗装鋼板の塗膜面にエタノールを浸したガーゼを1Kg/cm2の荷重をかけて素地面が見えるまで往復ラビングし、下記基準に従って評価した。
1:200回超える往復をしても素地面が見えない。
2:150回超〜200回以下の往復で素地面が見える。
3:100超〜150回以下の往復で素地面が見える。
4:50回超〜100回以下の往復で素地面が見える。
5:50回以下の往復で素地面が見える。
〔6〕耐食性
各実施例、比較例で得られた塗装鋼板を5cm×12cmに切断し、端部をポリエステルテープでシールした。この塗装鋼板の塗膜面に、カッターナイフでクロス状に傷をつけて、35℃の条件下で5%NaCl水溶液を48時間噴霧した後、クロス状の傷部からの塗膜の最大フクレ幅を以下の基準によって評価した。
1:フクレがない、
2:フクレ幅が0.1mm以上〜1mm以下、
3:フクレ幅が1mm超〜2mm以下、
4:フクレ幅が2mm超〜4mm以下、
5:フクレ幅が4mm超。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (11)

  1. 芳香族環構造を有するポリエステルポリオールを含むポリエステルポリオール成分(a1)とイソシアネート化合物(a2)とを反応させて得られる水分散性ポリウレタン樹脂(A)と、
    着色顔料(B)と、
    を含有し、
    前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)固形分中における、前記ポリエステルポリオール由来の芳香族環構造の含有量が10〜30質量%である、鋼板プレコート用水性塗料組成物。
  2. 前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)は、膜厚200μmのフィルムとして測定される23℃における伸び率が、200〜800%である、請求項1に記載の鋼板プレコート用水性塗料組成物。
  3. イミノ基型メラミン樹脂(C)をさらに含有し、
    前記イミノ基型メラミン樹脂(C)と前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)との含有量比が、固形分質量比で1/99〜30/70である、請求項1に記載の鋼板プレコート用水性塗料組成物。
  4. 前記水分散性ポリウレタン樹脂(A)の固形分含有量は、前記水性塗料組成物の固形分中20〜90質量%である、請求項1に記載の鋼板プレコート用水性塗料組成物。
  5. 前記着色顔料(B)の含有量は、前記水性塗料組成物の固形分中5〜50質量%である、請求項1に記載の鋼板プレコート用水性塗料組成物。
  6. 前記着色顔料(B)はカーボンブラックである、請求項1に記載の鋼板プレコート用水性塗料組成物。
  7. 粒子径が3〜20nmのシリカ(D)をさらに含有し、
    前記シリカ(D)の固形分含有量は、前記水性塗料組成物の固形分中5〜20質量%である、請求項1に記載の鋼板プレコート用水性塗料組成物。
  8. 請求項1に記載の鋼板プレコート用水性塗料組成物を用いて形成された塗膜。
  9. 膜厚が2〜10μmである、請求項8に記載の塗膜。
  10. 請求項1に記載の鋼板プレコート用水性塗料組成物を鋼板に塗布した後、前記鋼板の温度が120〜250℃の範囲内となるまで加熱することにより焼付けを行なう、塗膜の形成方法。
  11. 前記焼付けの加熱時間が3〜15秒である、請求項10に記載の塗膜の形成方法。
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