JP2011133382A - 放射性物質除去フィルターユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】
燃焼可能な木材合板を使用したトレイ型放射性物質除去フィルターユニットにおいて、木材合板を使用した部分からのリークを完全に防止する。
【解決手段】
フィルターを介して垂直方向に気体が流入し、フィルターで濾過された気体が側面の少なくとも一方の排出口から流出するトレイ型の放射性物質除去フィルターユニットであって、フィルターの側部を包囲する枠体と、枠体と共に濾過後の気体の排出口への通路を形成する背板とを含み、枠体と背板が木材合板から形成され、背板がその端部を露出した状態で枠体の端部と封止接着され、背板の露出端部が気体不透過性処理を施されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、医療施設や原子力施設などで発生したガス状の放射性物質を捕集除去する放射性物質除去フィルターユニットに関するものである。
従来、医療施設や原子力施設などにおいては、放射性ヨウ素などのガス状の放射性物質が排出されるため、空調施設の気体処理経路中に空気浄化装置を設置し、発生した放射性気体分の濃度を法律に規制された基準値以下に低下させた後、施設外に排出している。
近年は、原子力技術の利用の高まりから、大学の研究施設や医療施設あるいは原子力発電所などにおいて排出される放射性気体量も増加する傾向にあり、また、環境面への配慮からも、大気中に排出される放射性気体の濃度の規制が一段と厳しく設定されてきている。
このため、設置されている空気浄化装置の見直しが図られてきているが、放射性気体濃度の規制の厳格化が図られると、既設の空気浄化装置を取り替えたり改変したりしなければならないという事態が生じる。現在一般的に用いられている装置は図1に示すようなトレイ型フィルターユニットを使用するものである。図1の装置では、施設内の放射性同位元素を含んだ気体はプレフィルター1、HEPAフィルター2を通って、上下に各々約5cm厚に調製された粒状活性炭固定床4の上下面より流入し、そこで放射性同位元素を吸着し、側面の所定の開口面積を有するフランジで固定された流出口3より排気される。トレイ型フィルターユニットは上下2層からなる粒状活性炭固定床4を有し、これが装置のレール状のジャケット5に置かれて固定される。
こうしたトレイ型フィルターユニットとしては、例えば鋼板またはSUS板からなる箱形フレーム内にガスケットを介して上下に各2枚の平行なパンチング板を設け、そのパンチング板の間に粒状活性炭を充填したものが知られている(特許文献1参照)。このようなトレイ型ユニットに用いられる粒状活性炭は、使用後においては集荷した後、次の要領で解体し、焼却処理がなされている。即ち、側面に設けられた取出口の蓋のビスを外して取り外し、トレイ型フィルターユニットを専用の装置で傾けながら内部の活性炭を回収容器内に回収する。また、新しい活性炭はこれと逆の操作で投入される。回収された活性炭は焼却炉へ定量投入して炉内で旋回しながら焼却すると共に、フレーム等は圧縮処理装置で圧縮してドラム缶に封入している。従来のトレイ型フィルターユニットは、充填時の重量が50kg以上あるため取り扱いにくく、また活性炭を回収容器内に移し変える際に粉塵が発生して作業環境が悪くなり、更にはフレームが鋼板またはSUS板からなるために焼却できず、解体作業が面倒であるばかりでなく、解体後に圧縮しても減容率が小さく、貯蔵するドラム缶の数量が多くなり、廃棄物貯蔵施設が手狭になるという不都合を有していた。
そのため、シート化されたチャコールフィルターユニットを内蔵し、該シート状チャコールフィルターへの通過による放射性気体成分の捕集除去を行うことが提案されている(特許文献2参照)。また、ここではチャコールフィルターは織布状、不織布状の活性炭素繊維が用いられている。しかしながら、ここで用いられている活性炭素繊維を用いたフィルターユニットは前述のトレイ型に対応するものでないため、活性炭素繊維シートを用いたトレイ型フィルターユニットが提案された(特許文献3、4)。これらの活性炭素繊維シートを用いたトレイ型フィルターユニットは枠体とそれを固定する背板で構成されているが、枠体も背板も焼却が可能なように木材合板で構成されている。また、同様にフランジも焼却可能なように木材合板によって構成される。合板は木材を削り出して層状にし、樹脂で接着・積層された構造であるため、木材由来の導管がそのまま残り、一般的に多孔性である。従って、木材合板を使用するトレイ型フィルターユニットは、多孔性の合板の孔部を通じてリークが起こりやすく、出荷前の品質検査のために行われるフロンガスリークテストではしばしば不合格が出ることがあった。
特開昭58−96299号公報 特開2003−66191号公報 特開2006−112817号公報 特開2007−57285号公報
本発明は、上記従来技術の問題を解消するために創案されたものであり、その目的は、燃焼可能な木材合板を使用したトレイ型放射性物質除去フィルターユニットにおいて、木材合板を使用した部分からのリークを完全に防止することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために木材合板を使用したトレイ型放射性物質除去フィルターユニットのリークの原因を鋭意検討した結果、木材合板を使用したフィルターユニットでは、気体が木材合板の露出した端部から入り、合板を構成する層間を通って横方向に進み、合板の表面から外に出ることによって、リークが発生することを見出した。そして、この木材合板の露出した端部に気体不透過性処理を施すことによってリークが発生しなくなることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、フィルターを介して垂直方向に気体が流入し、フィルターで濾過された気体が側面の少なくとも一方の排出口から流出するトレイ型の放射性物質除去フィルターユニットであって、フィルターの側部を包囲する枠体と、枠体と共に濾過後の気体の排出口への通路を形成する背板とを含み、枠体と背板が木材合板から形成され、背板がその端部を露出した状態で枠体の端部と封止接着されるものにおいて、背板の露出端部が気体不透過性処理を施されていることを特徴とする放射性物質除去フィルターユニットである。
本発明の放射性物質除去フィルターは、燃焼可能な木材合板材料で構成されながら、木材合板に由来するリーク現象も効果的に防止することができるので、取扱い性が良好であるだけでなく、信頼性が高い。
従来のトレイ型フィルターユニットを使用した装置の例を示す。 本発明のトレイ型フィルターユニットの全体斜視概略図(背板側)を示す。 本発明のトレイ型フィルターユニットの全体斜視概略図(濾材側)を示す。 本発明のトレイ型フィルターユニットを取り付けた装置の断面図の一部を示す。 本発明のトレイ型フィルターユニットに用いられる木材合板の斜視断面図を示す。 本発明のトレイ型フィルターユニットの背板と枠体の接合部分の断面図を示す。 本発明のトレイ型フィルターユニットのフィルター固定板の接合部分の断面図を示す。
以下、本発明の放射性物質除去フィルターユニットを図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図2a及び図2bは本発明のフィルターユニットの一例の全体斜視概略図であり、それぞれ排出口側よりユニットの背板方向及び濾材開口面方向から見た図を示す。図2a及び図2bからわかるように、フィルターユニットはひだ折りされたフィルター6とセパレーター7、これらを囲う枠体8a、枠体8aを固定する背板8b、フィルター6をユニット内部で保持する板9、フランジ10、ハンドル11から構成される。排出口の前にはフィルター保持板9があり、その保持板9の向こう側に放射性物質を濾過するフィルター6がある。フィルター6は周囲を枠体8aに囲まれているが、フィルター6の上下面のうち一方は空気を取り入れるために開口されており、他方は濾過された空気を排出口の方に誘導する通路がフィルター6と背板8bの間に存在するように背板8bが設けられている。背板8bはその端部が露出するように枠体8aの端部に封止接着される。排出口にはフランジ10とハンドル11が形成され、ハンドル11を持ってフランジ10をフィルターボックスに固定する。図3は図2a,2bのフィルターユニットがフィルターボックスに取り付けられたトレイ型フィルターユニット装置の断面図の一部を示す。図3に示すように、フィルターユニットは、レール状ジャケット5の上を滑らせながら排出口が設置されているフランジ10をフィルターボックスの内壁に押さえつけて固定される。この際、フランジ10とフィルターボックスの内壁が接触する側にはパッキン12が設置され、固定時のリークを防止するようになっている。
木材合板はコストや重量、加工性、燃焼性の点で優れた素材であるので、本発明のフィルターユニットでは、枠体8a、背板8bは、取扱いが容易で燃焼可能な素材として木材合板から構成される。また、フランジ10も木材合板から構成されることが好ましい。しかし、ハンドル10はグリップ性の良さと強度を同時に必要とするため、木材加工品や樹脂成形品が用いられる。図4aに本発明のフィルターユニットで使用されうる木材合板の斜視断面図を示す。図4aからわかるように、木材合板は木材を削って薄い層をなし、層に見られる木目がお互いに直角になるように接着剤を用いて複数枚接着積層された構成となっている。各層には木材の導管に由来する気孔が形成されているため、この気孔がリークの原因となることがある。木材合板を経由したリーク現象は合板の端部から入って断面を経由して表面層から出てくるものが主原因である。本発明のフィルターユニットは、図4bに示すように、背板8bがその端部の断面を露出する形で枠体8aの端部と封止接着されて構成されている。本発明ではこの背板の露出した断面13に、即ち気体の入ってくる箇所に気体不透過性処理16を施すことによって上記の原因のリーク現象を防止する。
気体不透過性処理は、従来公知の方法を適宜採用すればよいが、例えば木材合板の端部断面を気体不透過性の樹脂に含浸する方法、断面端部に気体不透過性のフィルムを貼付する方法、塗料を塗布する方法等が挙げられる。これらの方法のうち、作業の容易性、気体不透過性の確実性の点から樹脂に含浸する方法が好ましい。樹脂に含浸する具体的な方法としては、所定の寸法にカットされた背板の合板の露出断面を樹脂浴に含浸させる方法や、フィルターユニットとして組みあがった後に樹脂を含んだ刷毛やスポンジを背板の断面に当てて含浸させる方法が好適に用いられる。含浸させるための樹脂は、フィルターとして組みあがった後に含浸させる場合の活性炭素繊維への吸着を考慮した場合、シンナーを用いた油性塗料や接着樹脂より、水性のものが好ましい。水性の樹脂は溶液でもエマルジョンでも良く、含浸しやすい粘度になるよう調整して用いられる。水性樹脂は一般的にはウレタン系、シリコン系、アクリル系の樹脂塗料があるが特に限定されない。しかし、難燃性などが必要とされる場合には難燃ウレタン系のものを用いることが好適である。
本発明のフィルターユニットは、吸着材料として活性炭素繊維を使用するシート状のものが好適に使用される。ここで使用される活性炭素繊維は公知の方法で製造されるものであり、形態としては不織布、織布、編地、紙状物でシート状であれば特に限定されない。また、特にフィルターの有機ヨウ素の除去特性を向上させるために活性炭素繊維に公知の1種類以上の薬品を添着してもよい。さらに、除去特性を向上させるために所定のシートを何層にも積層したり、製造時の取扱性向上のために他の素材からなるシートを積層してもよい。シートは厚みが2〜20mmであり、目付が200〜2000g/mであることがひだ折り時のハンドリングにおいて望ましいが、設定風量などが適宜勘案されるため、特に限定されるものではない。なお、原子力用途などでは、活性炭素繊維を組み合わせるシートの難燃性が要求されるため、難燃性繊維を主体とするシートが好適に使用される。ここで言う「難燃性」は特に規格として限定されないが、性質としてはUL94−V2または−HF2以上をクリアできるもの、JIS−L−1091(A法)区分2以上で区分されるもの、また、濾材全体として(社)日本空気清浄協会が制定する指針(JACA No.11A−2003)で難燃性に分類されるものが望ましい。
こうして得られた濾材を設計通過風速になるような濾過面積にするためにひだ折りし、そのひだとひだの間に波型に加工したセパレーターを挿入する。次に、図5に示すように、フィルター固定板9aの一方にウレタン系接着剤15を塗布し、そこにひだ折りされた濾材(フィルター)の一方の端面を接着する。さらにもう一方の端面にはあらかじめ外枠になるようにコの字形に仮組みされた枠体8aをウレタン系接着剤で接着する。接着剤が固化する前に枠体8aの形を整え、枠体の接着面を釘などで固定する。枠と枠の間はリークしやすいため、接合面はあらかじめ接着剤を塗布して封止する。ここで用いられる合板や接着剤は原子力用途などでは難燃性であることが望ましい。ただし、合板や樹脂は使用量が多いため、焼却しやすいように有害物質、例えば臭素系難燃剤が含まれていないことが特に望まれる。また、枠体とひだ折りされた濾材の接着剤で接合していない側については濾材の端面と枠体8aの接触部分に濾材端部のしわや折れ曲がりなどで微妙な隙間が形成される場合があるので、濾材端面と枠体の接触部分を目視で確認し、隙間がある場合はものさしを接触部分に挿入してしわや折れ曲がりを修正し、濾材が完全に接触するようにした後、ホットメルト樹脂を接触面に流して完全に接着する。
フィルターの側面の枠体8aが組みあがった後、フィルターボックス固定用のフランジ10を枠体8aに取り付ける。必要によりハンドル11をフランジ10に取り付ける。フランジ10に用いられる素材は、合板、プラスチック板など燃焼可能なものであれば特に限定されないが、枠体8aを固定する必要があるため、強度があり、かつ軽量なものが望ましく、そのため、合板、または合板と樹脂板の接合物が好適に用いられる。フランジ10はハンドル11を取り付けた後、ボルト締めで強固に固定される。次に、背板8bを枠体8aの露出端部の上に接合する。このとき、枠体8aの端部は露出しないが、背板8bの端部は露出するように接合する。背板8bの露出端部の気体不透過性処理は枠体取り付け後に行ってもよいし、取り付け前に予め行ってもよい。最後に、フランジ10にはフィルターボックスとの密着性を高めるためパッキン12を隙間なく貼付する。なお、パッキン12は、取付時に最も隙間が出来やすい場所であることから、独立発泡の合成ゴム系で、特に厚み5〜10mm、硬度10〜30程度のものが好適に用いられる。
次に実施例、比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例中のリーク試験は下記の方法に準拠して行った。
リーク試験
フィルターユニットを評価用フィルターボックスに装着し、濃度3ppmに調整されたフッ素系化合物(FX−3250D 3M社製)を含む空気を風量9.4m/secで上流側より通気した。そのときのフィルターユニットを通過した下流側のフッ素系化合物の濃度をECDガスクロマトグラフで測定した。リーク率は下流側の濃度を上流側の濃度で除して求めたものであり、リーク率0.1%以下を合格とし、それを越えるものを不良とした。
実施例1
目付200g/m、厚み2.5mmの活性炭素繊維不織布3枚とその両面に目付35g/m、厚み0.7mmのポリフェニレンスルフィド繊維からなるスパンレース不織布をニードルパンチにより積層し、積層フィルターとした。このフィルターを山高さ100mm、山数20山でひだ折り加工し、幅591mmにスリットし、ひだとひだの間に山高さ7.2mm、長さ591mm、幅95mmの波型セパレーターを挿入して寸法591mm×586mm、高さ100mmのひだ折りフィルターとした。さらに、難燃性を有する木材合板(厚み12mm)をフィルター固定板1(図5−9a):寸法95mm×586mm、およびフィルター固定板2(図5−9b):81mm×586mmにカットし、それらをL字に接着した。L字を組んだ合板の両端に、674mm×153.5mmに切り取った難燃性の木材合板(図5−8a)を接着し、さらにフランジ取付枠(図5−14)を取り付けた。
フィルター固定板(図5−9a)の一方にウレタン系接着剤(図5−15)を塗布し、ひだ折りされた濾材の一方の端面と接着剤を接着した。さらにもう一方の端面にはあらかじめ外枠になる難燃性の木材合板にウレタン系接着剤を塗布して接着した。接着剤が固化する前に枠体の形を整え、枠体の接着面を釘などで固定した。枠と枠の接合部分はリークしやすいため接合面にはあらかじめ接着剤を塗布し、固定した。濾材と側面の枠体8aの接触状態を目視確認し、隙間がないことを確認した後、ポリアミド系ポットメルト樹脂を接触部分に流し込み、濾材と枠体を接着した。次にあらかじめABS樹脂性のハンドルを取り付けたフランジ(図2a、b−10)を用意し、フランジ取付枠部に取り付けた。
一方、684mm×610mm、厚み5.5mmの難燃性の木材合板の背板(8b)を用意し、図4bに示すように、背板端部を露出するが枠体端部を露出しないように、フィルターユニットのA側(図5)に隙間のないように取り付けた。その後、取り付けられた背板の露出端部に難燃性を有する水性エマルジョン(ウレタン系水性塗料「アクレックスNo.3400」(信和化学工業株式会社製))を刷毛で丁寧に含浸させ、気体不透過性処理を施した。かくして得られたフィルターユニットを10個製造してリーク試験を行ったところ、不良はゼロであった。
実施例2
背板の露出端部を覆うように、難燃性を有する5cm幅の気体不透過性テープを貼付して気体不透過性処理を施した以外は実施例1と同様にフィルターユニットを作成した。得られたフィルターユニットを10個製造してリーク試験を行ったところ、不良はゼロであった。
実施例3
背板の露出端部を覆うように、ポリエチレンコーティングされたポリエステルフィルムのポリエチレンコーティング部分を露出端部に向けて貼りつけ、フィルム上からアイロンをかけてポリエチレンコーティング部分を溶かすことで接着させ、気体不透過性処理を施した以外は実施例1と同様にフィルターユニットを作成した。得られたフィルターユニットを10個製造してリーク試験を行ったところ、不良はゼロであった。
実施例4
背板を取り付けた後に気体不透過性処理を施すことをせずに、背板の取り付け前に難燃性を有する水性エマルジョン(ウレタン系水性塗料「アクレックスNo.3400」(信和化学工業株式会社製))を満たした容器に背板の四方の露出端部を10秒程度含浸させ、乾燥させて気体不透過性処理を施した以外は実施例1と同様にフィルターユニットを作成した。得られたフィルターユニットを10個製造してリーク試験を行ったところ、不良はゼロであった。
比較例1
背板の露出端部に気体不透過性処理を施さなかった以外は実施例1と同様にフィルターユニットを作成した。得られたフィルターユニットとした。同じフィルターユニットを10個製造してリーク試験を行ったところ、不良が2枚発生した。
比較例2
背板の非フィルター側の表面に難燃性の水性エマルジョン(ウレタン系水性塗料「アクレックスNo.3400」(信和化学工業株式会社製))を刷毛で丁寧に含浸させて気体不透過性処理を施したが、背板の露出端部に気体不透過性処理を施さなかった以外は実施例1と同様にフィルターユニットを作成した。得られたフィルターユニットを10個製造してリーク試験を行ったところ、不良が1枚発生した。
本発明のフィルターユニットは、焼却可能な木材合板で作られながら、木材合板に由来するリークも防止しているので、取扱い性が良好であるだけでなく、信頼性が高い。従って、本発明のフィルターユニットは医療施設や原子力施設の放射性物質の除去に極めて有用である。
1 : プレフィルター
2 : HEPAフィルター
3 : 排出口
4 : 活性炭固定床
5 : レール状ジャケット
6 : フィルター
7 : セパレーター
8a: 枠体
8b: 背板
9a: フィルター固定板1
9b: フィルター固定板2
10: フランジ
11: ハンドル
12: パッキン
13: 背板露出端部
14: フランジ取付板
15: 濾材固定用接着剤
16: 気体不透過性処理部分

Claims (1)

  1. フィルターを介して垂直方向に気体が流入し、フィルターで濾過された気体が側面の少なくとも一方の排出口から流出するトレイ型の放射性物質除去フィルターユニットであって、フィルターの側部を包囲する枠体と、枠体と共に濾過後の気体の排出口への通路を形成する背板とを含み、枠体と背板が木材合板から形成され、背板がその端部を露出した状態で枠体の端部と封止接着されるものにおいて、背板の露出端部が気体不透過性処理を施されていることを特徴とする放射性物質除去フィルターユニット。
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