JP2000061229A - 電子写真装置用フィルタ装置 - Google Patents

電子写真装置用フィルタ装置

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JP2000061229A
JP2000061229A JP10237270A JP23727098A JP2000061229A JP 2000061229 A JP2000061229 A JP 2000061229A JP 10237270 A JP10237270 A JP 10237270A JP 23727098 A JP23727098 A JP 23727098A JP 2000061229 A JP2000061229 A JP 2000061229A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱定着部に発生するガスの臭い成分を有効
に除去し、微粒子の捕捉率特性に優れ、且つ目詰まりが
少ない電子写真装置用フィルタ装置を提供すること。 【解決手段】 極微細な粉塵の捕集率が単体で中程度の
プレフィルタ40と、プレフィルタ40の風下側に配置
され、極微細な粉塵の捕集率が単体できわめて高いエア
フィルタ41と、エアフィルタ41の風下側に配置さ
れ、臭気ガス成分を除去するためのガス除去フィルタ4
2と、プレフィルタ40、エアフィルタ41およびガス
除去フィルタ42の周囲を保持する枠体32とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱定着方式の電
子写真装置に用いて好適なフィルタ装置に係り、さらに
詳しくは、加熱定着部に発生するガスの臭い成分を有効
に除去し、微粒子の捕捉率特性に優れ、且つ目詰まりが
少ない電子写真装置用フィルタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コピー、プリンタ、ファクシミリなどに
代表される電子写真装置は、一般に、感光体から紙など
の被転写媒体に静電転写されたトナーを定着させるため
の加熱定着部を有する。加熱定着部では、静電転写され
たトナーを加熱するために、煙を含むガスやオゾンが発
生し、特に大型プリンタで多用されているフラッシュ定
着方式ではこれらの発生が著しい。一般的にこれらを除
去するために、フィルタ装置が装着してある(たとえば
特開昭63−182682号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、加熱定着方
式の電子写真装置のうち、トナーの定着性を向上させる
ために、ワックスを多量に添加しているトナーを用いる
機種では、ワックス少量添加のトナーを用いる機種に比
べて、フィルタの目詰まりが著しいという問題を有して
いる。フィルタに目詰まりが生じると、フィルタの圧力
損失を上昇させてしまい、フィルタの交換時期が早まっ
てしまう。なお、ワックス多量添加型トナーを使用する
機種では、その分解煙の組成は、トナー樹脂分解物/ワ
ックス=約1/8の重量比となっており、ワックス粒子
のサイズは、0.3〜0.5μmである。ワックスの材
質としては、一般的には、ポリエチレン系、カルナバ
系、パラフィン系、シリコン系などがある。分解煙のう
ちのワックス分が、フィルタの目詰まりを早めてしまう
と考えられる。
【0004】また、従来の電子写真装置用フィルタ装置
では、加熱定着部に発生するガスの臭い成分を有効に除
去しきれず、電子写真装置の周囲に刺激臭が発生するお
それがあった。さらに、微粒子の捕捉率特性をさらに向
上させることが望まれていた。
【0005】本発明は、このような実状に鑑みて成さ
れ、加熱定着部に発生するガスの臭い成分を有効に除去
し、微粒子の捕捉率特性に優れ、且つ目詰まりが少ない
電子写真装置用フィルタ装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る電子写真装置用フィルタ装置は、計数
法による0.3μm径の極微細な粉塵の捕集率が5〜7
0%のプレフィルタと、前記プレフィルタの風下側に配
置され、計数法による0.3μm径の極微細な粉塵の捕
集率が99%以上のエアフィルタと、前記エアフィルタ
の風下側に配置され、少なくとも1mmより厚い活性炭
層を有するガス除去フィルタと、前記プレフィルタ、エ
アフィルタおよびガス除去フィルタの周囲を保持する枠
体とを有する。
【0007】前記プレフィルタが二層以上の積層体のと
きには風下側により高い捕集率の層を配置することが好
ましい。前記プレフィルタが、合成繊維製の濾布を有
し、繊維目付量が30〜600g/mであることが
好ましく、50〜500g/m であると更に好まし
い。濾布を構成する繊維の素材は、ポリオレフィン系、
ポリエステル系などの合成樹脂製で、分極した高分子誘
電体(エレクトレット)となっている繊維であることが
好ましい。
【0008】前記ガス除去フィルタが、更に化学反応消
臭剤を付着してある合成繊維不織布層を有することが好
ましい。
【0009】前記ガス除去フィルタの風下側には、微細
な活性炭の飛散を防止する第2エアフィルタを設けるこ
とが好ましい。
【0010】最も風下側に配置されるフィルタ部材と前
記枠体との接合部には、隙間を密封する目張り部材を設
けることが好ましい。
【0011】前記ガス除去フィルタが、化学反応型消臭
剤を付着してある二つの合成繊維不織布層と、これら二
つの合成繊維不織布層の間に、JIS K 1474に
よる粒度8〜12メッシュ95重量%以上の活性炭を嵩
密度0.19〜0.60g/cmにて充填してある
活性炭層とを有することがさらに好ましい。嵩密度が上
記範囲にある時に、ガスに含まれる臭気成分を有効に除
去することができると共に、通気抵抗の低減に寄与す
る。前記活性炭層は、活性炭素繊維製布帛層であっても
良い。
【0012】前記枠体の風下側端面には、ゴムパッキン
が装着してあり、前記枠体は、前記ゴムパッキンを介し
て、電子写真装置の加熱定着部からの排気通路に設置し
てあり、前記ゴムパッキンが、SRIS0101タイプ
C硬度が5〜30で、ASTM D 1056の圧縮永
久歪み30%以下であることがさらに好ましい。硬度が
5〜30で、圧縮永久歪みが30%以下の場合に、特に
シール特性が向上する。
【0013】
【作用】本発明に係る電子写真装置用フィルタ装置で
は、計数法(DOP法)による0.3μm径の極微細な
粉塵の捕集率が99%以上、好ましくは99.9%以上
のエアフィルタを有することから、微粒子の捕捉率特性
に優れ、しかも、少なくとも1mmより厚い活性炭層を
有するガス除去フィルタを有することから、臭気ガス成
分を有効に除去することができる。
【0014】しかも、本発明に係る電子写真装置用フィ
ルタ装置では、エアフィルタの風上側に計数法(DOP
法)による0.3μm径の極微細な粉塵の捕集率が5〜
70%、好ましくは10〜60%のプレフィルタを配置
してあるので、このプレフィルタにより、主としてワッ
クス分を捕集し、極微細な粉塵の捕集率が単体できわめ
て高いエアフィルタへの負荷を軽減することができる。
そのため、ワックス多量添加型トナーを使用する機種で
も、エアフィルタの目詰まりを軽減することが可能にな
り、圧力損失の上昇が少なく、結果として、フィルタ全
体の交換時期を遅らせることができる。プレフィルタが
二層以上の積層体である場合には、風下側がより高い捕
集率の層となるよう配置する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。図1(A)は本発明の1実施形
態に係る電子写真用フィルタ装置の要部断面図、同図
(B)は同図(B)に示すIB部の要部断面図、図2
(A)は図1(A)に示す電子写真装置用フィルタ装置
の概略斜視図、同図(B)は本発明の他の実施形態に係
る電子写真装置用フィルタ装置の分解斜視図、図3はフ
ラッシュ定着式プリンタ装置の概略構成図である。
【0016】図1(A)に示す本実施形態に係るフィル
タ装置2は、たとえば図3に示す電子写真装置としての
フラッシュ定着式プリンタ4に装着され、加熱定着部6
内またはその付近のガスをファン8で吸引し、フィルタ
装置2を通してケーシング10の外部に排気する位置に
設置してある。なお、ファン8は、フィルタ装置2の風
上側に配置し、加熱定着部6内またはその付近のガスを
フィルタ装置2へ強制的に送り込むように構成しても良
い。
【0017】図3に基づきプリンタ4の概略について説
明する。図3に示すように、プリンタ4は、感光ドラム
12を有し、その周囲に、現像部14、転写部16、ク
リーニング部18、前帯電器18およびレーザ照射部2
2が配置してある。クリーニング部18では、感光ドラ
ム12の外周面を清掃し、前帯電器20では、清掃され
た感光ドラム12の外周面を均一に帯電する。レーザ照
射部22では、回転している感光ドラム12の均一帯電
面に所定パターンの光を照射することにより、光が当た
った部分の帯電電荷を除去し、電荷が残った部分に静電
潜像を形成する。
【0018】現像部14では、静電潜像と逆極性に帯電
した着色微粒子であるトナーを潜像に付着させて可視像
とする。次に、転写部16では、ホッパ24から送られ
てくる記録紙25(被転写媒体)を感光体12の外周面
に重ねる。そして、記録紙25の裏側からコロナ放電な
どでトナーの帯電極性とは逆極性の電荷を記録紙に与
え、静電力により感光体上のトナー像を記録紙に転写す
る。トナー像が転写された記録紙25は、定着部6へと
送られ、そこでキセノンランプなどにより加熱され、ト
ナー像を融着して記録紙に定着させる。トナー像が定着
された記録紙25は、スタッカ26の上に重ねられる。
【0019】定着部6では、トナーの加熱により、臭い
成分や煙成分(ワックス成分も含む)を含んだガスが発
生するが、このガスは、本実施形態に係るフィルタ装置
2により濾過され、脱煙および脱臭が図られる。
【0020】図1に示すように、本実施形態に係るフィ
ルタ装置2は、フィルタ本体30と、このフィルタ本体
30の外周を囲む枠体32とを有する。枠体32は、た
とえば木材またはステンレスなどの金属で構成してあ
り、フィルタ本体30の表裏面が外部に露出するための
風上側開口部34と風下側開口部36とを有する。
【0021】枠体32の風下側端面には、図2に示すよ
うに、枠体32の全周に沿って、ゴムパッキン38が装
着してあり、枠体32は、ゴムパッキン38を介して、
図3に示す電子写真装置4の加熱定着部6からの排気通
路に設置してある。なお、ゴムパッキン38は、枠体3
2の風上側端面にも、全周に沿って装着しても良い。こ
のようなゴムパッキン38を、枠体32の少なくとも風
下側端面に全周にわたり装着することで、一方の風上側
開口部34から導入されてフィルタ本体30の表裏面を
貫通して他方の風下側開口部36から流出するガスが他
へ漏洩することを防止する。
【0022】ゴムパッキン38としては、特に限定され
ないが、SRIS0101タイプC硬度が5〜30で、
ASTM D 1056の圧縮永久歪み30%以下であ
るゴムパッキンが好ましく用いられる。このようなゴム
パッキン38の材質としては、特に限定されないが、た
とえば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジ
エンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ニトリル
ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)
などのジエン系ゴム、ブチルゴム(IIR)、エチレン
−プロピレン−ジエンターポリマーゴム(EPDM)、
アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フ
ッ素ゴムなどのオレフィン系ゴム、シリコーンゴム、ウ
レタンゴム、多硫化ゴム、またはこれらの発泡体、また
はウレタンもしくはナイロンの発泡体、軟質塩化ビニル
樹脂などで構成される。好ましくは、ゴムパッキン38
は、独立気泡型発泡体ゴムで構成される。
【0023】図1(A)に示すように、フィルタ本体3
0は、枠体32により保持され、その最も風上側に、プ
レフィルタ40を有する。プレフィルタ40は、合成繊
維製またはガラス繊維製の濾布から成り、繊維目付量が
300〜800g/mである。合成繊維の素材は、
ポリオレフィン系、ポリエステル系などが好適で、分極
した高分子誘電体(エレクトレット)となっている繊維
であることが好ましい。
【0024】本実施形態のプレフィルタ40は、計数法
(DOP法)による0.3μmの極微細な粉塵の捕集率
が5〜70%、好ましくは10〜60%である。このプ
レフィルタは、一層でも二層以上でも良いが、二層以上
の積層シートである場合には、風上側のプレフィルタ用
シートの捕集率が風下側のプレフィルタ用シートの捕集
率よりも低いことが必要である。目詰まりを起こし難い
からである。その場合、プレフィルタ全体としての捕集
率は最も風下の層の捕集率となる。本実施形態のプレフ
ィルタ40は、単純なシート形状であるが、場合によっ
ては、下述するエアフィルタ41と同様に、プリーツ加
工しても良い。
【0025】図1(A)に示すように、枠体32により
保持されたプレフィルタ40の風下側には、エアフィル
タ41が積層してある。エアフィルタ41は、清浄化さ
れるべきガスの流れ(矢印X)に対して垂直の平面方向
に沿って複数回屈曲加工(たとえばプリーツ加工)して
ある。本実施形態では、エアフィルタ41は、極微細な
粉塵の捕集率が計数法(DOP法)による0.3μm径
の極微細な粉塵の捕集率が99%以上、好ましくは9
9.9%以上のの高性能フィルタで構成してある。高性
能フィルタとしては、特に限定されないが、HEPAエ
アフィルタ(HighEfficiency Particle Air Filterの
略)が好ましく用いられる。HEPAエアフィルタは、
計数法(DOP法)による0.3μmの極微細な粉塵の
捕集率が99.97%以上であるガラス繊維濾紙製フィ
ルタである。
【0026】枠体32に保持されたエアフィルタ41の
風下側には、ガス除去フィルタ42が装着してある。ガ
ス除去フィルタ42は、図1(B)に示すように、化学
反応型消臭剤を付着してある二つの合成繊維不織布層4
4,46と、これら二つの合成繊維不織布層44,46
の間に、JIS K 1474による粒度8〜12メッ
シュ95重量%以上の活性炭を厚さ1mmより厚くなる
ように嵩密度0.19〜0.60g/cmにて充填
してある活性炭層48とを有する。
【0027】合成繊維不織布44,46としては、特に
限定されないが、厚み2〜10mm程度のポリエステ
ル、レーヨン、ポリプロピレンなどから成る不織布を例
示することができる。合成繊維不織布44,46には化
学反応型消臭剤を付着させることが好ましい。化学反応
型消臭剤としては、特に限定されないが、たとえばリン
酸エステルと銅(II)との化合物から成り、たとえば4
大悪臭であるアンモニア臭、メルカプタン臭、硫化水素
臭およびアミン臭を消臭する機能を持つ。
【0028】活性炭層48に含まれる活性炭粒子の平均
粒径は、特に限定されないが、1〜5mm程度が好まし
い。活性炭は粒子の代わりに繊維を編んだ布帛であって
も良い。活性炭層48の厚みは、3〜20mm程度が好
ましい。合成繊維不織布44,46は、粒状の活性炭が
外側へ飛び出さないようにする機能もある。
【0029】図1(B)に示すように、ガス除去フィル
タ42の風下側には、第2エアフィルタ50が積層して
ある。第2エアフィルタ50は、エアフィルタ41より
も単体での捕集率が低い中性能エアフィルタから成るガ
ラス繊維濾紙や合成繊維濾紙や合成繊維不織布などで構
成してある。第2エアフィルタ50は、エアフィルタ4
1に比較し、フィルタ自体の材質は同様であるが、目の
粗さなどが異なり、単独で比較した場合には、エアフィ
ルタ41の方が第2エアフィルタ50よりも粉塵の捕集
率が高い。この第2エアフィルタ50は、活性炭層48
に充填された微細な活性炭の飛散を防止する機能も有す
る。
【0030】本実施形態では、ガス除去フィルタ42の
風上側表面には、風上側金網52が積層してあると共
に、第2エアフィルタ50の風下側表面には、風下側金
網54が積層してある。これら金網52および54は、
ガス除去フィルタ42の活性炭層48に含まれる粒状活
性炭の重力により、合成繊維不織布44および46が第
2エアフィルタ50と共に外側に膨らみすぎることを有
効に防止するために装着する。このような目的からは、
金網52および54は、フィルタ本体30の表面および
背面の全面を必ずしも覆う必要がなく、たとえば合成樹
脂製または金属製の帯状またはリボン状の金網を、フィ
ルタ本体30の表面および背面の一部に装着し、合成繊
維不織布44および46が第2エアフィルタ50と共に
外側に膨らみすぎることを有効に防止しても良い。
【0031】図1(A),(B)および図2(A)に示
すように、目張り部材56が、第2エアフィルタ50の
風下側表面の周囲と枠体32との接合部を密封するよう
に、枠体32の全周にわたり装着してある。目張り部材
56は、枠体38と第2エアフィルタ50との隙間を密
封するためのものであり、たとえば接着剤を塗布して硬
化させたものである。この目張り部材56は、金網54
の上から、第2エアフィルタ50の風下側表面の周囲と
枠体32との接合部を密封するように、枠体32の全周
にわたり装着しても良い。なお、図2(B)に示すよう
に、目張り部材56aとして矩形リング枠を用い、電子
写真装置用フィルタ装置2aを構成しても良い。目張り
部材56aを構成する矩形リング枠の材質としては、特
に限定されないが、合成樹脂、木材、金属などが例示さ
れる。矩形リング枠から成る目張り部材56aは、タッ
カー、釘、ステープルなどにより枠体32の風下側開口
部36に装着される。
【0032】本実施形態に係る電子写真装置用フィルタ
装置2を図3に示す電子写真装置4の排気通路に装着し
た場合には、加熱定着部6に発生するガスの臭い成分を
有効に除去し、微粒子の捕捉率特性に優れている。しか
も、本実施形態に係る電子写真装置用フィルタ装置2で
は、エアフィルタ41の風上側に特定のプレフィルタ4
0を配置してあるので、このプレフィルタ40により、
主としてワックス分を捕集し、極微細な粉塵の捕集率が
単体できわめて高いエアフィルタ41への負荷を軽減す
ることができる。そのため、ワックス多量添加型トナー
を使用する機種であっても、エアフィルタ41の目詰ま
りを軽減することが可能になり、圧力損失の上昇が少な
く、結果として、フィルタ本体30の交換時期を長くす
ることができる。
【0033】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0034】たとえば、上記実施形態では、ガス除去フ
ィルタ42の活性炭層48として、粒状の活性炭を充填
した層を例示したが、活性炭層48としては、厚みが1
〜30mm程度の活性炭素繊維製布帛層であっても良
い。活性炭炭素繊維布帛層は、粒状活性炭と同様に、消
臭効果に優れている。
【0035】また、図1に示す実施形態では、活性炭層
48の両側に合成繊維不織布44および46を配置した
が、たとえば風下側の不織布46は必ずしもなくても良
くても良い。また、本発明では、ガス除去フィルタ42
の具体的構成は、特に限定されない。
【0036】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。
【0037】実施例1 図1(A)に示す構造のフィルタ装置2を作製した。木
製枠体32の縦寸法は320mmであり、横寸法は17
0mmであり、厚みは90mmであった。
【0038】プレフィルタ40としては、風上側に計数
法による0.3μmの微細粉塵の捕集率が単体で18%
であり、目付量65g/mのガラス繊維製ろ布(L
ydall Inc.製、品番1909、厚さ0.33
mm)、風下側に計数法にろる0.3μmの微細粉塵の
捕獲率が単体で50%であり、目付量65g/mのガ
ラス繊維製ろ布(Lydall Inc.製、品番号1
894、厚さ0.33mm)の二層構造をプリーツ加工
したものを用いた。プリーツのジグザグ単位幅は約3m
mであり、ジグザグ高さは25mmであった。また、ろ
布の表面積は0.6mであった。
【0039】エアフィルタ41としては、DOP法によ
る0.3μmの微細粉塵の捕集率が単体で99.97%
であるHEPAガラス繊維濾紙(厚み0.4mmの北越
製紙株式会社製の品番H320−A)をプリーツ加工
(凹凸加工)したものを用いた。プリーツ加工後のエア
フィルタ41のジグザグ単位幅Uは約3mmであり、ジ
グザグ厚みT2は25mmであった。また、濾材表面積
は0.75mであった。
【0040】ガス除去フィルタ42としては、化学反応
型消臭剤を付着してある二つの合成繊維不織布層44,
46と、これら二つの合成繊維不織布層44,46の間
に、JIS K 1474による粒度8〜12メッシュ
95重量%以上の活性炭を嵩密度0.45±0.03g
/cmにて充填してある活性炭層48とを用いた。
化学反応型消臭剤を付着してある合成繊維不織布層4
4,46としては、それぞれ厚み3mmのリン酸エステ
ルと銅(II)化合物よりなる化学反応型消臭剤を付着
させたポリエステル不織布(ゼオン化成株式会社製の品
番ZCL−F3002)を用いた。活性炭層48には、
平均粒径3mmの粒状活性炭を、層48の厚みが14m
mとなるように、ガス除去フィルタ42の風上側表面と
合成繊維不織布層44,46の面方向に均一に充填し
た。
【0041】合成繊維不織布層46の風下側に積層した
第2エアフィルタ50としては、DOP法による0.3
μmの微細粉塵の捕集率が単体で90%である厚み0.
4mmの中性能エアフィルタ(北越製紙株式会社製の品
番H730−A)を用いた。図1(B)に示すように、
ガス除去フィルタ42の風上側表面と第2エアフィルタ
50の風下側表面にそれぞれ金網52と54を設置し保
護した。
【0042】枠体32の風下側開口端面には、厚み5m
mの独立発泡型ネオプレン製パッキン38(株式会社イ
ノアックコーポレーション製のスポンジゴム製品番号C
−4205)を装着した。パッキン38のSRIS01
01タイプC硬度が10で、ASTM D 1056の
圧縮永久歪みが16.5%であった。また、目張り部材
56としては、ポリウレタン系2成分型接着剤(サンユ
レジン(株)社製の製品番号A−404および製品番号
H−110A)を用いた。
【0043】このように構成したフィルタ装置2を、図
3に示す電子写真装置4(富士通(株)製のプリンタ装
置:製品番号F6712E)の加熱定着部6の排気ライ
ンに取り付けた。電子写真装置4では、印刷用トナーと
して、ワックス多量添加型の定着性の良いトナーを用い
た。
【0044】この電子写真装置4を、プリンタ印字率2
0%として実際に印字試験を行い、排気ラインの排気口
からの初期排出粉塵量と臭気とフィルタ寿命とを調べ
た。結果を表1に示す。表1に示すように、初期排出粉
塵量は、0.011mg/m であった。また、寿命は
50,000枚であり、臭気は極僅かな甘味臭であっ
た。
【0045】
【表1】
【0046】なお、排出粉塵量は、光散乱積分方式の浮
遊粉塵相対濃度測定機(デジタル粉塵計:P−5H、S
HIBATA製)を用いて、排気口より約30cm離れ
た位置の排気をサンプリングして測定した。また、フィ
ルタ寿命は、フィルタ装置が一定圧力損失差に到達する
までの印刷枚数により評価した。すなわち、プリンタに
よりA4版紙面に印字率20%で印刷した場合、トナー
定着煙によってフィルタ装置の初期の圧力損失より50
mmAq上昇したときの印刷枚数をフィルタ寿命とし
た。さらに、臭気は、3名のパネリストにより官能評価
した。
【0047】実施例2 プレフィルタ40として、風下側のフィルタを下記に示
すフラットな単純シート状のフィルタに取替えた以外
は、実施例1と同様にして電子写真装置用フィルタ装置
を組み立て、測定した。
【0048】すらわち、実施例1のプレフィルタの内、
風下側のプリーツフィルタの代わりに、計数法による
0.3μmの微細粉塵の捕集率が単体で60%であり、
目付量550g/mのガラス繊維製ろ布(東洋紡績
(株)製、品番EF−200BX、厚さ3.6mm)か
らなるフラットのシートを用い、風上側は実施側1と同
じプリーツフィルタとしてプレフィルタを構成した。
【0049】実施例1と同じ試験を行った結果を表1に
示す。
【0050】表1に示すように、初期排出粉塵量は、
0.024mg/mであった。また、寿命は60,
000枚であり、臭気は刺激臭は取れたが、極僅かな甘
味臭が残った。
【0051】比較例1 プレフィルタ40を装着しなかった以外は、前記実施例
1と同様にして、電子写真装置用フィルタ装置を組み立
て、実施例1と同じ試験を行った。結果を表1に示す。
表1に示すように、初期排出粉塵量は、0.028mg
/mであり、臭気は刺激臭は取れたものの、極僅か
な甘味臭であったが、フィルタ寿命が8,000枚と実
施例に比べて短かった。
【0052】比較例2 プレフィルタ40としては、風上側に計数法による0.
3μmの微細粉塵の捕集率が単体で70%であり、目付
量が120g/mのポリプロピレン繊維製ろ布(東
洋紡績(株)製、品番EFU−95、厚さ約1mm)、
風下側に計数法による0.3μmの微細粉塵の捕集率が
単体で18%であり、目付量が65g/mのガラス
繊維製ろ布(Lydall Inc.製、品番190
9、厚さ0.33mm)の二層構造をプリーツ加工した
ものを用いた。プリーツのジグザグ単体幅は約3mmで
あり、ジグザグ高さは25mmであった。また、ろ布の
表面積は0.6mであった。プレフィルタ以外のフ
ィルタ装置の構成及び電子写真装置は実施例1と同じに
して、実施例1と同様な測定項目につき試験をした。結
果を表1に示す。初期排出粉塵量は0.030g/m
で比較的少なく、臭気も極僅かな甘味臭であった
が、フィルタ寿命は7,000枚と短かった。
【0053】比較例3 ガス除去フィルタとして、化学反応型消臭剤を付着させ
ていない二つの合成繊維付着層と、これら二つの合成繊
維不繊布層の間にJIS K 1474による粒度8〜
12メッシュ95重量%以上の活性炭を厚さ1mm以下
狭んだものを用いた以外は前記実施例1同様にして電子
写真装置用フィルタ装置を組み立て、実施例1と同じ試
験を行った。結果を表1に示す。表1に示すように、初
期排出粉塵量は0.011mg/mで、フィルタ寿
命も50, 000枚である点は実施例1と同様の結果で
あったが、臭気は刺激臭及び甘味臭が強かった。
【0054】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
電子写真装置用フィルタ装置によれば、加熱定着部に発
生するガスの臭い成分を有効に除去し、微粒子の捕捉率
特性に優れ、且つ目詰まりが少なく、フィルタの寿命が
長い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は本発明の1実施形態に係る電子
写真用フィルタ装置の要部断面図、同図(B)は同図
(B)に示すIB部の要部断面図である。
【図2】 図2(A)は図1(A)に示す電子写真装置
用フィルタ装置の概略斜視図、同図(B)は本発明の他
の実施形態に係る電子写真装置用フィルタ装置の分解斜
視図である。
【図3】 図3はフラッシュ定着式プリンタ装置の概略
構成図である。
【符号の説明】
2… フィルタ装置 4… レーザプリンタ装置(電子写真装置) 6… 加熱定着部 30… フィルタ本体 32… 枠体 34… 風上側開口部 36… 風下側開口部 38… パッキン 40… プレフィルタ 41… エアフィルタ 42… ガス除去フィルタ 44,46… 合成繊維不織布層 48… 活性炭層 50… 第2エアフィルタ 52,54… 金網 56,56a… 目張り部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 21/00 538 Fターム(参考) 2H027 JA01 JA03 JB02 JC08 2H033 AA35 BC08 4D002 AA03 AA06 AA13 AA14 AB02 AC10 BA04 BA14 CA07 CA11 CA13 DA18 DA23 DA41 DA44 DA70 EA03 GB12 HA01 4D012 BA03 CA09 CB01 CG01 CG04 CH01 CK08 4D058 JA12 JA14 JB04 JB05 JB14 JB25 JB26 JB29 JB39 JB41 KA01 KA06 KA12 KA23 KA27 KC04 SA20 TA03 TA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計数法による0.3μm径の極微細な粉
    塵の捕集率が5〜70%のプレフィルタと、 前記プレフィルタの風下側に配置され、計数法による
    0.3μm径の極微細な粉塵の捕集率が99%以上のエ
    アフィルタと、 前記エアフィルタの風下側に配置され、少なくとも1m
    mより厚い活性炭層を有するガス除去フィルタと、 前記プレフィルタ、エアフィルタおよびガス除去フィル
    タの周囲を保持する枠体とを有する電子写真装置用フィ
    ルタ装置。
  2. 【請求項2】前記プレフィルタが二層以上の積層体のと
    きは風下側により高い捕集率の層を配置することを特微
    とする請求項1に記載の電子写真装置用フィルタ装置。
  3. 【請求項3】前記プレフィルタが、合成繊維製またはガ
    ラス繊維製の濾布を有し、繊維目付量が30〜600g
    /mである請求項1または2に記載の電子写真装置
    用フィルタ装置。
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