JP2013034961A - 空気清浄機 - Google Patents

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康之 蛭田
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Abstract

【課題】
熱溶着作業を低減し、簡単にユニットの組立てが可能で作業時間短縮が図れるフィルタユニットを備えた空気清浄機を提供することにある。
【解決手段】
紙材によって複数のコアが形成された枠体と、前記コアの内部に投入された脱臭剤と、この脱臭剤が収納された前記コアを覆うように設けられた不織布とを備えた脱臭フィルタであり、この脱臭フィルタと集塵フィルタによって構成されたフィルタユニットと、このフィルタユニットの下流側に設けられたファンとを備えた空気清浄機において、前記枠体を合成樹脂材で一体成形し、この一体成型によって前記枠体に形成された複数の空間に前記脱臭剤を投入するとともに、前記脱臭フィルタは前記脱臭剤が前記枠体の前記空間から脱落することを防止するための不織布を備えている構成とした。
【選択図】図5

Description

本発明は、空気清浄機に関する。
従来の空気清浄機は、一般的に以下の特許文献にも示されているように、空気が通過するフィルタユニットと、このフィルタユニットの下流側に設けられたファンモータとから構成される。
このような空気清浄機において、フィルタユニットは集塵フィルタ部と脱臭フィルタ部とで構成され、集塵フィルタ部は空気中に浮遊している細かい粒子を捕集するために帯電処理が施された集塵濾材(不織布など)が使用されている。この集塵濾材はひだ折りして組み込まれ、脱臭フィルタ部には匂い成分を吸着させることができる粒状の活性炭などが組み合わされている。この脱臭フィルタ部は活性炭を紙枠で形成した無数のハニカム形状コア内に投入させ、不織布などで周囲を熱溶着させることで活性炭がこぼれないような構造となっている。
このような集塵フィルタ部と脱臭フィルタ部は、互いに重ね合わせられ、そして、その外観面となる周囲を紙や不織布で覆いホットメルトなどを使用して熱接着している。
しかしながら、前記活性炭を投入後紙枠へ不織布を熱溶着する作業においては、フィルタ性能を確保するため気密性を向上させる必要があり、全周を熱溶着させるなどの組立作業が必要となる。しかもこの組立時間の外に、加熱、冷却時間を要するため生産コストの低減を図ることが難しかった。
特開平3−32712号公報 登録実用新案第3063411号公報
従来技術におけるフィルタユニットは、大きく集塵フィルタ部と脱臭フィルタ部で構成され、前記集塵フィルタ部は空気中に浮遊している細かい粒子を捕集するために帯電処理を施している集塵濾材(不織布など)が波形に折り畳まれて配置され、脱臭フィルタ部には匂いの成分を吸着させるための粒状の活性炭などが紙枠でハニカム形状に構成されているコア内に投入され、不織布などで周囲を熱溶着させて、当該活性炭がこぼれ出ないようにしている。
そのため、前記集塵フィルタ部と脱臭フィルタ部を互いに重ね合わせ、外観面となる周囲を紙や不織布で覆い、その後ホットメルトなどを使用し熱接着作業を行い一体化していた。
しかしながら、前記活性炭を投入後当該活性炭を前記コア内からこぼれ出さないようにするため、不織布などを熱溶着させていたが、この熱溶着作業おいては、フィルタ性能を確保するため気密性を向上させる必要があり、その全周を熱溶着していた。したがって、熱溶着作業が多く、組立時間の他に、加熱、冷却時間を要し、そのため、作業時間を低減することが難しかった。
本発明の目的は、作業時間を短縮させて生産性を大幅に向上させたフィルタユニットを備えた空気清浄機を提供することにある。
上記目的は、本発明によれば、枠体によって形成されたコアの内部に脱臭剤を収納した脱臭フィルタと、集塵濾材を波形に折り畳んで形成した集塵フィルタと、この集塵フィルタと前記脱臭フィルタとによって形成されたフィルタユニット、及び、このフィルタユニットの下流側に設けられたファンを備えた空気清浄機において、前記枠体を合成樹脂材で一体成形し、この一体成形された前記枠体に形成された複数の空間に前記脱臭剤が収納されるとともに、前記脱臭フィルタは前記脱臭剤が前記枠体の前記空間から脱落することを防止するための不織布を備えていることにより達成される。
また本発明によれば、前記不織布は前記枠体の熱溶着により取り付けられることが好ましい。
また本発明によれば、前記不織布は前記枠体の両面に取り付けられることが好ましい。
また本発明によれば、前記不織布は前記枠体の片側面に取り付けられ、逆側面はネットが取り付けられることが好ましい。
また本発明によれば、前記不織布は前記枠体の片側面に熱溶着され、逆側面はネットが接着剤で取り付けられることが好ましい。
また本発明によれば、前記枠体の外周枠を厚み方向に広げ、この広げられた外周枠内にプレフィルタと集塵フィルタを収納することが好ましい。
本発明によれば、作業時間を短縮させて生産性を大幅に向上させたフィルタユニットを備えた空気清浄機を提供できるという、実用的にも極めて優れた効果を発揮する。
本発明に係る空気清浄機を示す斜視図である。 本発明に係る空気清浄機の縦断面図である。 本発明に係る空気清浄機に採用されていたフィルタユニットの斜視図である。 図3に示したフィルタユニットの脱臭フィルタの部分拡大斜視図である。 本発明の実施例に係る脱臭フィルタの部分斜視図である。 図5のA−A線断面図である。 本発明の脱臭フィルタの製造手順を説明するフロー図である。 本発明の実施例2に係る脱臭フィルタの断面図である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明するが、本発明の実施例を説明する前に、図1、図2を引用して本発明になる空気清浄機の概要について述べる。
図1において、空気清浄機の空気清浄機本体1は主部枠体2と前部枠体3とから構成されている。空気清浄機本体1の前面には、前面パネル4が取り付けられ、この前面パネル4の周囲には周囲吸気口11が設けられている。主部枠体2と前部枠体3とは突合せ接合部16で接合され、空気清浄機の外郭を形成している。主部枠体2の上面には送風口12が位置し、この送風口12から清浄化されたクリーンな空気が室内に送風される。また主部枠体2の片側には給水タンク13が着脱自在に取り付けられている。
図2において、前面パネル4の内壁面と対向する空気清浄機本体1の内部にはフィルタユニット5、気化フィルタ6、送風装置7が備えられている。フィルタユニット5は、前部枠体3側に位置し、気化フィルタ6は、送風装置7の下部に位置している。送風装置7は、主部枠体2側に位置し、送風機7aとターボファン7bとで構成されている。
主部枠体2は、内部にファンケーシング8を有し、このファンケーシング8内に送風機7aが取り付けられている。ターボファン7bに吸い込み流を導く吸い込み板9は、ファンケーシング8と共にターボファン7bを囲んで形成される。
主部枠体3には、フィルタユニット5が前部枠体3の前側の空間に収まるように設置されている。その奥側空間の上部には、開口隙間を備えたシャッター板21と、開口隙間を開閉して流路の開閉可能にするためのシャッター22を備えている。このシャッター22の下部には気化フィルタ6が設置された気化流路が形成されている。
シャッター22にはガイドピン(図示せず)が設けられて上下方向に摺動が可能に、前部枠体3に取り付けられる。また、シャッター22の上部には横長の長円状の切欠き穴部(図示せず)が設けられている。
送風機7の上部には、シャッター22を動作させるための長円状の切欠き穴部(図示せず)に対応するカム板(図示せず)を備えたシャッター動作用の電動機26が取り付けられている。この電動機26は、前面を出力軸用の穴を備えたカバー(図示せず)と背面を吸い込み板9で囲み塵埃から保護される。
制御装置10は、空気清浄機本体1の前側上部に備えられており、この制御装置10によって空気清浄機の運転が制御され、表示装置(図示せず)に運低状況が表示されるようになっている。
空気は、前面パネル4の周囲吸気口11から吸い込まれ、フィルタユニット5内を流通することによって塵埃の除去が行われとともに、空気中に含まれる臭いやホルムアルデヒド等の成分物質が除去される。
気化フィルタ6は、塵埃や臭いやホルムアルデヒド等の成分物質が除去された空気に水分を加湿することになる。そして、送風機7に吸い込まれた空気は、送風口12からクリーンな空気となって空気清浄機の外部に送風される。
図1に示したカートリッジ給水タンク13は、気化フィルタ6に水分を浸み込ませる貯溜水タンク14に水を補充するためのものである。このカートリッジ給水タンク13は、空気清浄機本体1の側面方向に取り外し自在となっている。
図示されていないが、カートリッジ給水タンク13の底部に設けたキャップは、水の出口を塞ぐ弁体を有する。カートリッジ給水タンク13を空気清浄機本体1からは外すと、弁体は出口を塞ぎ、貯溜水タンク14に装着すると、弁体は出口を開くようになっている。
以上説明した空気清浄機に搭載された脱臭フィルタの詳細について図3,図4を使って説明する。
図3において、フィルタユニット5は大きな塵埃を取るためのプレフィルタ17とヘパフィルタなどからなる集塵フィルタ18と、脱臭フィルタ19が1セットとなったものである。このフィルタユニット5は前面パネル4の内面側で主部枠体2の内部に収納されている。
図4において、脱臭フィルタ19は空気中の匂いの成分を吸着させるための粒状の活性炭19bなどが紙枠でハニカム形状に構成されているコア19a(空間)内に投入(収納)されている。このコア19aは円内に記載したように、紙材を折り曲げ、或いは蛇行させて形成したものである。活性炭は直径約1mm程度の粒状であるため、そのままではコア19a内からこぼれて落ちてしまうので、不織布20などをコア19aの周囲に取り付けている。
この脱臭フィルタ19の製造にあたっては、コア19aは紙材で形成されているため不織布20を熱溶着させることができない。そのため、従来はコア19aと不織布20との間に熱溶融性のシート(図示せず)を介在させてアイロンプリントを行っていたため、脱臭フィルタ19の製造には多大な時間を要していた。またこの脱臭フィルタ19の製造を自動化しようとしても無数のコア19aに活性炭19bを機械的に投入することは現実的ではない。したがって、活性炭のコア19a内への投入は結局手作業にたよらざるを得ず、製造費用の高騰を招いていた。
そこで、本発明の発明者らは脱臭フィルタ19を自動で製造することを種々検討した結果、紙材で形成していたコア19aを合成樹脂材(以下、プラスチックという)で形成することを考えものである。
以下、本発明の一実施例を図5、図6にしたがって説明する。
図5、図6において、脱臭フィルタ27は格子状となった枠体28がプラスチックの一体に成形によって形成されている。この枠体28は複数の格子によって複数の空間28a(図5の白抜きで表した空間)が形成されている。この空間28a内には無数の活性炭29が投入されている。この活性炭29はこのままでは外部にこぼれてしまうため、枠体28の裏表面は不織布30が張られている。この不織布30は枠体28を構成するプラスチックの面に直接熱プレスで溶着されて取り付けられている。もちろん、不織布30は枠体28の両面(図5では表裏面、図6では左右両面)に取り付けられている。
なお、本実施例では枠体28の両面に不織布30を取り付けたが、必ずしも両面を不織布にする必要はない。片面は不織布で、片側面はネットでも構わない。ただし、ネットの場合は枠体をプラスチック成形する際に予め金型にネットを挟み込んだ状態でプラスチック成形をすることになる。したがって、活性炭を投入した後は熱溶着が可能な不織布でなければならない。つまり、仮に両面をネットにしようとした場合は、活性炭投入後再び枠体を金型に入れてネットを挟み込むための成形を行わなければならないため、理論上は出来ても現実では不可能であり、片面は必ず不織布となる。
さて、本実施例による脱臭剤は活性炭などの粒やゼオライトの粒などであり、これらの粒は極小孔を有する多孔質である。このため、一般家庭などから発生する各種の匂いを吸着することができる。特にゼオライトは、活性炭よりも多孔質の孔が小さいので、活性炭では吸着できない細かな匂い成分を吸着することができる。
次に、本実施例による脱臭フィルタの製造手順を図7で説明する。
図7は本発明の脱臭フィルタの製造手順を説明するフロー図である。
図7において、ステップ101において、脱臭フィルタ27となる枠体28をプラスチックで一体に成形する。ステップ102において、活性炭29を投入すべき空間28aの片面に不織布30を溶着しておく。これは空間28aを活性炭29が収納されるための、一種の容器とするためである。ステップ103において、空間28aに所定量の活性炭29を投入する。ステップ104において、投入された活性炭29がこぼれないように空間28aの一方の片面にも不織布30を溶着する。
このように本実施例によれば、従来は紙の枠体であったものをプラスチックの枠体28としたので、不織布30を枠体28に直接溶着することができ製造時間を短縮できる。また不織布30を接着するための熱溶融性のシートが不要となるため製造コストの削減が可能となる。
一方、図7のフロー図で示したように、枠体28の空間28aに対して活性炭29の投入から不織布30の溶着までの作業が一方向からできる。そのため、脱臭フィルタ27の製造を機械化することが可能となり、一層安価に製造できる可能性がある。例えば、機械化では活性炭の自動投入や不織布の自動熱溶着が可能となる。
このように本実施例では、枠体の同時成形によるネットを挟み込んだ場合には、空間28aに活性炭を投入後片側だけに不織布を熱溶着することになるので、片側の熱溶着作業が廃止でき(片側がネットの場合)、作業時間の短縮が図れる。
次に本発明の実施例2を図8を使って説明する。
図8において、脱臭フィルタ27は格子状となった枠体28がプラスチックの一体に成形によって形成されている。この枠体28は複数の格子によって複数の空間28a(図5の白抜きで表した空間)が形成されている。この空間28a内には無数の活性炭29が投入されている。この活性炭28はこのままでは外部にこぼれてしまうため、枠体28の裏表面は不織布30が張られている。この不織布30は枠体28を構成するプラスチックの面に直接熱プレスで溶着されている。もちろん、不織布30は枠体28の両面(図5では表裏面、図6では左右両面)に張られている。なお、上述したように、片側は不織布でなく、ネットであっても構わない。
本実施例では、脱臭フィルタ27を構成する枠体28の外周枠体28bが図6に示した外周枠体28bより大きくなっている。この大きくなった外周枠体28b内にプレフィルタ6と集塵フィルタ7を収納して1セットのフィルタユニット5を形成している。
これにより、脱臭フィルタ27が一種のケースとなってプレフィルタ6と集塵フィルタ7を収納することができるため、プレフィルタ6と集塵フィルタ7を一体に構成するための作業工程が省略でき、製造コストの低減を図ることができる。
以上のごとく本発明によれば、仕切部の外周にネットをインサート成形で構成することにより、熱溶着作業が低減できる。また、吸着材の仕切部を樹脂成形品などで構成することで、活性炭投入部形状を任意の形状にできるため活性炭の自動投入作業が可能で手作業が生じることは無く組立時間の短縮が図れる。さらに、前記集塵フィルタ部と脱臭フィルタ部は成形樹脂の材料にて形成され互いに組合せすることでフィルタユニットを構成したことで、熱溶着作業を低減し、簡単にユニットの組立てが可能で、作業時間短縮が図れるフィルタユニットを提供できる。
1…空気清浄機本体、2…主部枠体、3…前部枠体、4…前面パネル、5…フィルタユニット、6…気化フィルタ、7…送風装置、7a…送風機、7b…ターボファン、8…ファンケーシング、9…吸い込み板、10…制御装置、11…周囲吸気口、12…送風口、13…給水タンク、14…貯溜水タンク、16…突合せ接合部、17…プレフィルタ17、18…集塵フィルタ、19…脱臭フィルタ、19b…活性炭19b、19a…コア、20…不織布、21…シャッター板、22…シャッター、23…ガイドピン、24…切欠き穴部、25…カム板、26…電動機、27…脱臭フィルタ、28…枠体、28a…空間、28b…外周枠、29…活性炭、30…不織布。

Claims (6)

  1. 枠体によって形成されたコアの内部に脱臭剤を収納した脱臭フィルタと、集塵濾材を波形に折り畳んで形成した集塵フィルタと、この集塵フィルタと前記脱臭フィルタとによって形成されたフィルタユニット、及び、このフィルタユニットの下流側に設けられたファンを備えた空気清浄機において、
    前記枠体を合成樹脂材で一体成形し、この一体成形された前記枠体に形成された複数の空間に前記脱臭剤が収納されるとともに、
    前記脱臭フィルタは前記脱臭剤が前記枠体の前記空間から脱落することを防止するための不織布を備えていることを特徴とする空気清浄機。
  2. 請求項1記載の空気清浄機において、
    前記不織布は前記枠体の熱溶着により取り付けられていることを特徴とする空気清浄機。
  3. 請求項1記載の空気清浄機において、
    前記不織布は前記枠体の両面に取り付けられていることを特徴とする空気清浄機。
  4. 請求項1記載の空気清浄機において、
    前記不織布は前記枠体の片側面に取り付けられ、逆側面はネットが取り付けられていることを特徴とする空気清浄機。
  5. 請求項1記載の空気清浄機において、
    前記不織布は前記枠体の片側面に熱溶着され、逆側面はネットが接着剤で取り付けられていることを特徴とする空気清浄機。
  6. 請求項1記載の空気清浄機において、
    前記枠体の外周枠を厚み方向に広げ、この広げられた外周枠内にプレフィルタと集塵フィルタを収納したことを特徴とする空気清浄機。
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