JP2011132818A - 内燃機関の動弁機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】カムにより往復動するバルブを備える内燃機関の動弁機構において、コイルスプリングのサージングを防止するために、製造簡単且つ低コストのスプリングシートを備えた動弁機構を提供する。
【解決手段】バルブを閉じ方向に付勢するコイルスプリングの一端に、上記コイルスプリングの軸方向の動きを減衰させるスクイズ膜効果(squeeze film effect)を備えたスプリングシートを設けた。上記スプリングシートは、径方向に横断するバルブ軸線周りの螺旋状のオイルスリットを設けた構造である。
【選択図】 図2
【解決手段】バルブを閉じ方向に付勢するコイルスプリングの一端に、上記コイルスプリングの軸方向の動きを減衰させるスクイズ膜効果(squeeze film effect)を備えたスプリングシートを設けた。上記スプリングシートは、径方向に横断するバルブ軸線周りの螺旋状のオイルスリットを設けた構造である。
【選択図】 図2
Description
本発明は、コイルスプリングで発生するサージングを防止する構造を施した内燃機関の動弁機構に関するものである。
内燃機関の吸排気バルブを閉じ方向に付勢するコイルスプリングでは、機関の高速回転時にサージング即ち自励振動が発生し、バルブの異常運動を招くことがある。このサージング防止手段として、上記コイルスプリングの一部に密巻き部を形成し、この密巻き部のスプリング部材間の相互接触部を、コイルスプリングの軸方向とほぼ直交する平面部で互いに接触するようにした技術が開示されている(特許文献1参照)。
この技術において、機関の通常回転速度時には、コイルスプリングの密巻き部のスプリング部材は相互接触状態が保たれるが、密巻き部以外の部分は通常のコイルスプリングの伸縮作用を行う。カムを介してコイルスプリングに加えられる強制振動の周波数が、コイルスプリングの共振点付近になると、密巻き部は自励振動によって離接を始め、密巻き部の対向平面が衝突することによって、自励振動のエネルギが失われ、更に密巻き部周辺に滞留するオイルを密巻き部の対向平面が押しのけることによって、コイルスプリングは減衰力を受け、これらによってコイルスプリングのサージングが抑制される。
また、日本機械学会論文集に、スクイズフイルムダンパの制振効果を利用した軸受部の振動伝達を低減する方法が示されている(非特許文献1参照)。
日本機械学会論文集(C編)53巻495号(昭62-11)論文No.87-0049A「スクイズ・フィルム・ダンパの制振効果に関する研究」
本発明は、コイルスプリングのサージングを防止するために、製造簡単且つ低コストで高い減衰機能を持つスプリングシートを備えた内燃機関の動弁機構を提供しようとするものである。
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、
カムにより往復動するバルブを備える内燃機関の動弁機構において、
バルブを閉じ方向に付勢するコイルスプリングの一端に、上記コイルスプリングの軸方向の動きを減衰させるスクイズ膜効果(squeeze film effect)を備えたスプリングシートを設けたことを特徴とする内燃機関の動弁機構に関するものである。
カムにより往復動するバルブを備える内燃機関の動弁機構において、
バルブを閉じ方向に付勢するコイルスプリングの一端に、上記コイルスプリングの軸方向の動きを減衰させるスクイズ膜効果(squeeze film effect)を備えたスプリングシートを設けたことを特徴とする内燃機関の動弁機構に関するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の動弁機構において、
上記スプリングシートは、径方向に横断するバルブ軸線周りの螺旋状のオイルスリットを設けた構造であることを特徴とするものである。
上記スプリングシートは、径方向に横断するバルブ軸線周りの螺旋状のオイルスリットを設けた構造であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の動弁機構において、
上記スプリングシートにおける螺旋状のオイルスリットは、バルブ軸線方向の端面から所定距離だけ軸方向にずれた内部に、その始点終点が位置することを特徴とするものである。
上記スプリングシートにおける螺旋状のオイルスリットは、バルブ軸線方向の端面から所定距離だけ軸方向にずれた内部に、その始点終点が位置することを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の動弁機構において、
上記スプリングシートは、大径部のコイルスプリング側の端部に、コイルスプリングの内周をガイドする筒状部が一体に形成されていることを特徴とするものである。
上記スプリングシートは、大径部のコイルスプリング側の端部に、コイルスプリングの内周をガイドする筒状部が一体に形成されていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項2および請求項4に記載の内燃機関の動弁機構において、
上記スプリングシートにおける螺旋状のオイルスリットは、一方の軸方向端面から他方の軸方向端面まで形成されることを特徴とするものである。
上記スプリングシートにおける螺旋状のオイルスリットは、一方の軸方向端面から他方の軸方向端面まで形成されることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関の動弁機構において、
上記筒状部はバルブステムガイドに設けられたバルブステムシールの外周に重なるように設けられることを特徴とするものである。
上記筒状部はバルブステムガイドに設けられたバルブステムシールの外周に重なるように設けられることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項2乃至請求項6の何れかに記載の内燃機関の動弁機構において、
上記内燃機関は、シリンダヘッドに形成される吸気ポートの入口開口付近の中心線がシリンダ軸線に鋭角で交差し、吸気流がほぼ下向きに流れる構造の吸気ポートを備え、上記スプリングシートは、上記吸気ポートの吸気バルブ部分に設けられることを特徴とするものである。
上記内燃機関は、シリンダヘッドに形成される吸気ポートの入口開口付近の中心線がシリンダ軸線に鋭角で交差し、吸気流がほぼ下向きに流れる構造の吸気ポートを備え、上記スプリングシートは、上記吸気ポートの吸気バルブ部分に設けられることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の内燃機関の動弁機構において、
上記スプリングシートは中心孔の内周をバルブステムガイドに近接して設けられ、上記オイルスリット内へオイルを導くオイル通路がスプリングシートの外周に形成されることを特徴とするものである。
上記スプリングシートは中心孔の内周をバルブステムガイドに近接して設けられ、上記オイルスリット内へオイルを導くオイル通路がスプリングシートの外周に形成されることを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の内燃機関の動弁機構において、
上記スプリングシートの周囲にはオイル通路にオイルを貯留する堰が設けられることを特徴とするものである。
上記スプリングシートの周囲にはオイル通路にオイルを貯留する堰が設けられることを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、請求項7に記載の内燃機関の動弁機構において、
上記シリンダヘッドにおける吸気ポートの下側には水温センサ等の補器が設けられることを特徴とするものである。
上記シリンダヘッドにおける吸気ポートの下側には水温センサ等の補器が設けられることを特徴とするものである。
請求項1の発明において、
上記スプリングシートにスクイズフィルムダンパの制振効果を利用するようにしたので、上記バルブのサージングを低減させる場合に、コイルスプリングを小型化でき、エンジンの小型化やバルブステムガイドの植え込み深さの確保が可能となる。
上記スプリングシートにスクイズフィルムダンパの制振効果を利用するようにしたので、上記バルブのサージングを低減させる場合に、コイルスプリングを小型化でき、エンジンの小型化やバルブステムガイドの植え込み深さの確保が可能となる。
請求項2の発明において、
上記オイルスリットの対向面の面積を増やすことが容易であり、コイルスプリングの断面形状を変化させる必要がない。また螺旋部分は単一のまとまった部品となるので、部品点数の増加を抑え、制振効果の増大、組立性の向上も可能となる。
上記オイルスリットの対向面の面積を増やすことが容易であり、コイルスプリングの断面形状を変化させる必要がない。また螺旋部分は単一のまとまった部品となるので、部品点数の増加を抑え、制振効果の増大、組立性の向上も可能となる。
請求項3の発明において、
端面が閉じた平坦形状となり、シリンダヘッドのスプリングシート当接部に対する影響を低減することができる。
端面が閉じた平坦形状となり、シリンダヘッドのスプリングシート当接部に対する影響を低減することができる。
請求項4の発明において、
上記コイルスプリングの径方向への動きによるバルブステムガイドとの接触に伴うサージング低減効果への影響を防止することができる。
上記コイルスプリングの径方向への動きによるバルブステムガイドとの接触に伴うサージング低減効果への影響を防止することができる。
請求項5の発明において、
オイルスリットを端面近傍で止める加工を不要としつつ、筒状部により連結される一体構造として部品点数の増加やそれに伴う組立工数の増加を低減することができる。
オイルスリットを端面近傍で止める加工を不要としつつ、筒状部により連結される一体構造として部品点数の増加やそれに伴う組立工数の増加を低減することができる。
請求項6の発明において、
バルブステムシールをコイルスプリングから保護することができる。
バルブステムシールをコイルスプリングから保護することができる。
請求項7の発明において、
動弁機構が小型となるので、吸気ポートをシリンダ軸線に近づけることができ、エンジンの性能向上とサージング防止の両立を図ることができる。
動弁機構が小型となるので、吸気ポートをシリンダ軸線に近づけることができ、エンジンの性能向上とサージング防止の両立を図ることができる。
請求項8の発明において、
オイルを外周のみからオイルスリットに導く構造としてオイルの動きを制限し、サージング防止効果をより高めることができる。
オイルを外周のみからオイルスリットに導く構造としてオイルの動きを制限し、サージング防止効果をより高めることができる。
請求項9の発明において、
上記堰によりオイル溜めの構造を複雑化させること無くオイルを上記オイルスリットに導くことができる。
上記堰によりオイル溜めの構造を複雑化させること無くオイルを上記オイルスリットに導くことができる。
請求項10の発明において、
動弁機構が小型化できるので、上記吸気ポートをシリンダ軸線に近づけることができ、これによって吸気ポートの下方に補器設置スペースが生じる。これによって、エンジンの性能向上と吸気ポートによる補器の保護との両立を図ることができる。
動弁機構が小型化できるので、上記吸気ポートをシリンダ軸線に近づけることができ、これによって吸気ポートの下方に補器設置スペースが生じる。これによって、エンジンの性能向上と吸気ポートによる補器の保護との両立を図ることができる。
図1は本発明の動弁機構が適用される自動二輪車用エンジン1の側面図である。上記エンジンは、内燃機関2と変速機3との一体型のエンジン1である。エンジン1の殻体は、クランクケース4、シリンダブロック5、シリンダヘッド6及びシリンダヘッドカバー7によって構成されている。クランクケース4内には、クランク軸8が回転可能に保持されている。シリンダブロック5内には上下方向に円筒状に伸びるシリンダ孔9が形成され、此処に、上下に摺動可能にピストン10が設けてある。ピストン10はコンロッド11を介して、クランク軸8のクランクピン12に接続されている。シリンダ孔9とシリンダヘッド6とピストン10とに囲まれて形成される燃焼室13には、シリンダヘッド6に形成された吸気ポート14と排気ポート15が連通している。吸気ポート14の燃焼室側開口14a及び排気ポート15の燃焼室側開口15aには、上記開口を閉じる方向にコイルスプリング38によって付勢された吸気バルブ16Aおよび排気バルブ16Bが設けてある。
シリンダヘッド6には吸気バルブ16A、排気バルブ16Bを開閉動作させるカム軸17が回転自在に支持されている。カム軸17が回転すると、吸気バルブ16Aは、カム軸17に形成された吸気カム18Aによって直接駆動される。排気バルブ16Bは、カム軸17に形成された排気カム18Bに係合するロッカーアーム19を介して駆動される。なお、以下の説明において、吸気バルブ16A、排気バルブ16B、あるいは吸気カム18A、排気カム18Bなどにおいて、吸気排気を区別する必要がない場合は、単にバルブ16、あるいはカム18として述べる。
吸気ポート14には、スロットルボディ20とエアクリーナ(図示なし)が接続されている。スロットルボディ20には燃料インジェクタ21が取付けられている。エアクリーナで清浄化された空気はスロットルボディ20で流量調節されながら吸気ポート14に吸入される。
クランクケース4内の、クランク軸8の後方には、変速機3が設けてある。この変速機3は、常時噛合い式変速機である。クランクケース4にメイン軸22とカウンタ軸23とが回転自在に支持され、これらの軸には、対をなす複数の常時噛合い歯車が設けてある。シフトドラム24に係合して駆動され、メイン軸22またはカウンタ軸23の特定歯車に設けられた嵌合溝に係合する複数のシフトフォーク25によって、上記常時噛合い歯車が係脱される。
クランクケース4の後部のカウンタ軸23の左端は、クランクケース4の外方へ突出し、この左端に後輪駆動スプロケット(図示なし)が取付けられている。この後輪駆動スプロケットと後車軸に取付けられた後輪従動スプロケットとの間に巻きかけられた後輪駆動チェーンによって、後輪が回転駆動される。
図2は本発明の第1実施形態に係る吸気系動弁機構30Aの断面図である。この動弁機構の構成は、排気系動弁機構30B(後述)にも適用可能である。バルブ16はバルブヘッド31と、これを支えるバルブステム32とからなる。バルブステム32は、シリンダヘッド6に圧入されたバルブステムガイド33に摺動可能に嵌装されている。バルブステム32の頂端面には、バルブクリアランス調整用のシム34を介してリフタ35が設けてある。またバルブステム32の頂部には、コレット36を介してリテーナ37が設けてあり、このリテーナ37にコイルスプリング38の上端が係合されている。コイルスプリング38の下端とシリンダヘッド6の間にはスプリングシート40が設けられ、このスプリングシート40にコイルスプリング38の下端が係合している。バルブステムガイド33の上端には、バルブステムシール41が嵌装され、潤滑油の漏れを防いでいる。
上記コイルスプリング38は、リテーナ37とスプリングシート40との間に圧縮状態で装着されている。通常時にはバルブ16はコイルスプリング38の付勢力によって閉鎖状態に保たれている。内燃機関2が運転されると、回転するカム18の凸部によってリフタ35が押され、上記バルブ16は、コイルスプリング38の付勢力に抗して下方へ移動しバルブ16が開く。
上記スプリングシート40はスチール製で、大径部40aと筒状部40bとからなっている。スプリングシート40の大径部40aのみ、または大径部40aと筒状部40bに跨って、径方向に横断するバルブ軸線周りの螺旋状の微小隙間のオイルスリット42が設けられる。スプリングシート40は、オイルスリット42の配置によって各種形状が可能であり、適切な形状を選んで使用される。図7にスプリングシート40の形状一覧表を、図8、図9に上記一覧表に記載の各種形状のスプリングシート40の側面図が示してある。上記螺旋状のオイルスリット42は、ワイヤ放電加工によって形成される。
図2に示されているスプリングシート40は、図8の形状Aのものであり、大径部40aにオイルスリット42が設けてある。このスプリングシート40の外周にはオイル通路44が設けてある。オイルスリット42を備え潤滑油に浸されているスプリングシート40は、コイルスプリング38の軸方向の動きを減衰させるスクイズ膜効果(squeeze film effect)を備えている。対向する2面の間に油膜が存在し、その2面が互いに接近するとき、2面の間の粘性流体が搾り出される際の摩擦抵抗によって油膜内に高い圧力が発生する。この高い圧力に抗して粘性流体を押し出す時に多くのエネルギーが摩擦によって消費される。これをスクイズ膜効果という。この摩擦エネルギー損失によって、コイルスプリングの自励振動を減衰させることができ、コイルスプリングのサージングを低減させることができる。
図2において、内燃機関2が低速回転の時には、スプリングシート40のオイルスリット42は密着し、コイルスプリング38は通常の伸縮作用を行う。内燃機関2が高速回転となり、カム18を介してコイルスプリング38に加えられる強制振動が、コイルスプリング38の共振点付近になると、上記コイルスプリング38の自励振動とともに上記スプリングシート40も振動し、オイルスリット42は自励振動の影響を受けて離接を始める。スリット42の対向面間のオイルが押し出されるとき、自励振動のエネルギが失われ、更にスプリングシート40の外周部のオイル通路44に溜まっている潤滑油が、スリット42の開閉によって吸引されたり押し出されたりすることによって、自励振動のエネルギが継続的に失われ、コイルスプリング38は減衰力を受け、これらによってコイルスプリング38のサージングが抑制される。
上記スプリングシート40の大径部40aのスプリング側の端部に一体に形成されている筒状部40bは、コイルスプリング38の内周をガイドするためのものである。これは、図2において、コイルスプリング38が径方向へ動いたとき、バルブステムガイド33やバルブステムシール41と接触し、サージング低減効果へ好ましくない影響が及ぶことを防止するためのものである。
図2において、上記筒状部40bはバルブステムガイド33に設けられたバルブステムシール41の外周に重なるように設けられている。これによって、バルブステムシール41をコイルスプリング38から保護することができると共に、バルブステムシール41が膨張して係止部から抜けることを防止する効果がある。
シリンダヘッド6の上記スプリングシート40の周囲部には潤滑油を貯留するためのオイル溜め機能を果たす堰45が設けてある。これによって、上記大径部40aの周囲に形成されるオイル通路44を介してオイルスリット42に吸入あるいは排出される潤滑油を十分に保持することができる。この堰45によりオイル溜めの構造を複雑化させること無くオイル通路44を介してオイルをオイルスリット42に導くことができる。
上記スプリングシート40の筒状部40bと大径部40aには、同径の中心孔40cが貫通している。この中心孔40cの内周はバルブステムガイド33とバルブステムシール41に近接している。これによって潤滑油の吸入排出は外周側のオイル通路44からのみ行われ、内周外周から共に吸入排出が行われる場合に比して、潤滑油の吸入排出の抵抗が大きくなるので、エネルギ消費が大きく、効果的にサージングが抑制される。
図3は本発明の第2実施形態に係る吸気系動弁機構30Aの断面図である。この機構は、排気系動弁機構30Bにも適用可能である。この動弁機構が、上記第1実施形態(図2)の動弁機構と異なる点は、通常の疎巻き部46aに続けて密巻き部46bが形成されたコイルスプリング46が使用され、この密巻き部46bにおいて、隣り合うスプリング部材間を相互に接触させてある点である。上記以外の部分の形状機能は、第1実施形態のものと同じである。潤滑油を貯留する堰45も同様に設けてある。同一形状機能の部分には同じ符号が付してある。
本実施形態では、密巻き部46bの隣り合うスプリング部材間を相互に接触させてあるので、カム18を介してコイルスプリング46に加えられる強制振動が、コイルスプリング46の共振点付近になると、コイルスプリング46の疎巻き部46aの自励振動とともに、密巻き部46bも振動し、互いに接触していた密巻き部46bが離接を始める。上記離接時に、密巻き部46bの対向部位が衝突することによって、自励振動のエネルギが失われる。この時、スプリングシート40も振動し、堰45の内側の、スプリングシート40の外周部のオイル通路44に溜まっている潤滑油が、スリット42の開閉によって吸引・排出され、自励振動のエネルギが失われる。密巻き部46bの自励振動減衰効果と、スプリングシート40のスリット42の自励振動減衰効果との両方の効果によって、コイルスプリング46のサージングが一層効果的に抑制される。
図4は本発明の第3実施形態に係る排気系動弁機構30Bの断面図であるが、この機構は、吸気系動弁機構30Aにも適用可能である。図において、バルブ16、コイルスプリング46、およびスプリングシート40等は、第2実施形態(図3)のものと同形である。本実施形態が、先に述べた実施形態と異なる点は、スプリングシート40へ供給する潤滑油49を、堰45に依存して貯留するのではなく、既設の潤滑油給油経路47にバイパス48を設けて、積極的にスプリングシート40へ潤滑油49を供給する機構を設けてある点である。この構造によって、スプリングシート40で潤滑油切れが生じることなく、コイルスプリング46のサージングを良好に機能させることができる。
図5は本発明の第4実施形態に係る吸気系動弁機構30Aの断面図である。この機構は、排気系動弁機構30Bにも適用可能である。本実施形態では、スプリングシート以外の部分は第1実施形態(図2)のものと同じである。本実施形態のスプリングシートは、環状平板部50aと筒状部50bとからなる小型スプリングシート50と、その下に設けてある複数枚の皿ばね51とからなっている。カム18を介してコイルスプリング38に加えられる強制振動が、コイルスプリングの共振点付近になると、上記コイルスプリング38の自励振動とともに上記複数の皿ばね51も振動し、圧縮伸張を始める。皿ばね51の外周部に溜まっている潤滑油が、皿ばね51の圧縮伸張によって吸引排出を繰り返すので、自励振動のエネルギが継続的に失われ、コイルスプリング38は減衰力を受け、これらによってコイルスプリング38のサージングが抑制される。
図6は本発明の第5実施形態に係る排気系動弁機構30Bの断面図である。この機構は、吸気系動弁機構30Aにも適用可能である。本実施形態では、スプリングシート以外の部分は第2実施形態(図3)のものと同じであり、スプリングは疎巻き部46aと密巻き部46bとを備えたコイルスプリング46が示してある。本実施形態のスプリングシートは、環状平板部50aと筒状部50bとからなる図5のものと同様の小型スプリングシート50と、その下に設けてあるゴムダンパー52とからなっている。ゴムダンパー52は耐熱性の高い合成ゴム製であり、小型スプリングシート50に焼き付けてある。このゴムダンパー52の圧縮伸張の固有振動数がコイルスプリング46の振動数と異なるので、コイルスプリング46のサージングが抑制される。
図1において、本発明の吸気系動弁機構30Aは、吸気バルブ16Aに設けられる。本発明によって動弁機構30Aが小型となるので、シリンダヘッド6とシリンダヘッドカバー7の接合面26の後部26Aを高く設定し、吸気ポート外側開口部14bを接合面後部26Aの近傍に設け、吸気ポート14の中心線C1を吸気流がほぼ下向きに流れるよう略直線状に形成し、吸気ポート中心線C1をシリンダ軸線C2に近づけてシリンダ軸線C2に鋭角で交差させることができる。これによって、サージング防止とエンジン1の吸気効率の向上との両立を図ることができる。
図1において、本発明によって吸気系動弁機構30Aが小型化するので、シリンダヘッド6とシリンダヘッドカバー7の接合面26の後部26Aを高く設定し、吸気ポート外側開口部14bを接合面後部26Aの近傍に設けることによって、吸気ポート14の下方に補器設置スペースが生じる。上記内燃機関2は水冷式であるので、冷却水の水温を検知するための水温センサ27を上記補器設置スペースに設けることが出来る。これによって、エンジン1の性能向上と吸気ポート14による補器の保護との両立を図ることができる。
図7は、第1〜第3実施形態に用いられるオイルスリット付きスプリングシート40の、各種形状の一覧表である。上記一覧表に掲載のA〜Gは形状名である。図8に形状A〜Dの側面図、図9に形状E〜Gの側面図が示してある。
これらのスプリングシート40の形状は、
(1)オイルスリットの形成範囲は、大径部のみ、または筒状部と大径部に跨る。
(2)オイルスリットの螺旋形状は、一重螺旋、または二重螺旋。
(3)オイルスリットの始点終点の位置は、中実部内、または端面に露出。
の組み合わせによって定義されている。オイルスリットの対向面の隙間の寸法は、約0.1mmである。
(1)オイルスリットの形成範囲は、大径部のみ、または筒状部と大径部に跨る。
(2)オイルスリットの螺旋形状は、一重螺旋、または二重螺旋。
(3)オイルスリットの始点終点の位置は、中実部内、または端面に露出。
の組み合わせによって定義されている。オイルスリットの対向面の隙間の寸法は、約0.1mmである。
図8に示されるスプリングシート40形状A〜Dでは、オイルスリット42の始点終点は、軸線方向の端面から所定距離だけ軸線方向にずれた内部に位置している。オイルスリット42の始点終点の位置には、微細なドリル孔43が設けてある。このドリル孔43は、スリット形成開始時にワイヤを挿通し、スリット形成終了時にワイヤを引き抜くために設けられるものである。この形式のスリット42では、端面が閉じた平坦状となり、シリンダヘッド6のスプリングシート40当接部に対するスリット端面のヤスリ作用がないので、シリンダヘッド6側の当接面を傷つけることが低減される。また、オイルスリットの始点終点がドリル孔の円形断面部に位置するので、応力集中の発生を防止することができる。
図9に示されるスプリングシート40では、オイルスリット42は、一方の軸方向端面から他方の軸方向端面まで形成されている。この形状では、オイルスリット42を端面近傍で止める加工が不要であり、特に形状E,Fでは、筒状部により連結される一体構造となるので、部品点数の増加やそれに伴う組立工数の増加を低減することができる。なお、上記形状E、Fの場合でも、放電加工開始位置でワイヤーを挿通するために、筒状部40bと大径部40aの境界の筒状部40b側に、径方向の小径のドリル孔43が設けることが望ましい。
以上詳述したように、上記実施形態においては次のような効果がもたらされる。
(1)バルブ16を閉じ方向に付勢するコイルスプリング38の一端に、上記コイルスプリング38の軸方向の動きを減衰させるスクイズ膜効果(squeeze film effect)を備えたスプリングシート40を設けてあるので、上記バルブのサージングを低減させ、スプリングを小型化でき、エンジン1の小型化やバルブステムガイド33の植え込み深さの確保が可能となる。
(2)上記スプリングシート40には、径方向に横断するバルブ軸線周りの螺旋状のオイルスリット42を設けた構造であり、スプリング自体の断面形状を変化させる必要がなく、また螺旋部分は単一のまとまった部品となるので、部品点数の増加を抑え、組立性の向上も可能となる。
(3)上記スプリングシート40(形状A〜D)における螺旋状のオイルスリット42は、バルブ軸線方向の端面から所定距離だけ軸方向にずれた内部にその始点終点が位置するので、端面が閉じた平坦形状となり、シリンダヘッド6のスプリングシート40の当接部を傷つけることがない。
(4)上記スプリングシート40には、大径部40aのコイルスプリング38側の端部に、コイルスプリング38の内周をガイドする筒状部40bが一体に形成されているので、コイルスプリング38の径方向への動きによるバルブステムガイド33やバルブステムシール41との接触に伴うサージング低減効果への影響を防止することができる。
(5)上記スプリングシート40(形状E〜G)における螺旋状のオイルスリット42は、一方の端面から他方の端面まで形成されるので、オイルスリット42を端面近傍で止める加工を不要としつつ、筒状部40bにより連結される一体構造として部品点数の増加やそれに伴う組立工数の増加を低減することができる。
(6)上記筒状部40bはバルブステムガイド33に設けられたバルブステムシール41の外周に重なるように設けられるので、バルブステムシール41をコイルスプリング38から保護することができる。また、バルブステムシール41の係止部の広がりによるバルブステムシール41の抜けを防止することができる。
(7)本発明の動弁機構30が用いられる内燃機関2は、シリンダヘッド6に形成される吸気ポート14の中心線C1がシリンダ軸線C2に鋭角で交差し、吸気流がほぼ下向きに流れる構造の吸気ポート14を備え、上記スプリングシート40は、上記吸気ポート14の吸気バルブ16A部分に設けることが出来る。これは、動弁機構30が小型となったことによるもので、吸気ポート14をシリンダ軸線C2に近づけることができたからである。これによって、エンジンの性能向上とサージング防止の両立を図ることができる。
(8)上記スプリングシート40は中心孔40cの内周をバルブステムガイド33に近接して設けられ、上記オイルスリット42内へオイルを導くオイル通路44がスプリングシート40の外周に形成されている。オイルを外周のみからオイルスリット42に導く構造としてオイルの動きを制限して、サージング防止効果をより高めている。
(9)上記スプリングシート40の周囲には上記オイル通路44を介して上記オイルスリット42へ導くためのオイルを貯留する堰45が設けられる。この堰45によってオイル溜めの構造を複雑化させること無くオイルをスリット42に導くことができる。
(10)上記シリンダヘッド6における吸気ポート14の下側には水温センサ27等の補器が設けられる。動弁機構30が小型化できるので、上記吸気ポート14をシリンダ軸線C2に近づけることができ、これによって吸気ポート14の下方に補器設置スペースが生じ、これによって、エンジン1の性能向上と吸気ポート14による補器の保護との両立を図ることができる。
(1)バルブ16を閉じ方向に付勢するコイルスプリング38の一端に、上記コイルスプリング38の軸方向の動きを減衰させるスクイズ膜効果(squeeze film effect)を備えたスプリングシート40を設けてあるので、上記バルブのサージングを低減させ、スプリングを小型化でき、エンジン1の小型化やバルブステムガイド33の植え込み深さの確保が可能となる。
(2)上記スプリングシート40には、径方向に横断するバルブ軸線周りの螺旋状のオイルスリット42を設けた構造であり、スプリング自体の断面形状を変化させる必要がなく、また螺旋部分は単一のまとまった部品となるので、部品点数の増加を抑え、組立性の向上も可能となる。
(3)上記スプリングシート40(形状A〜D)における螺旋状のオイルスリット42は、バルブ軸線方向の端面から所定距離だけ軸方向にずれた内部にその始点終点が位置するので、端面が閉じた平坦形状となり、シリンダヘッド6のスプリングシート40の当接部を傷つけることがない。
(4)上記スプリングシート40には、大径部40aのコイルスプリング38側の端部に、コイルスプリング38の内周をガイドする筒状部40bが一体に形成されているので、コイルスプリング38の径方向への動きによるバルブステムガイド33やバルブステムシール41との接触に伴うサージング低減効果への影響を防止することができる。
(5)上記スプリングシート40(形状E〜G)における螺旋状のオイルスリット42は、一方の端面から他方の端面まで形成されるので、オイルスリット42を端面近傍で止める加工を不要としつつ、筒状部40bにより連結される一体構造として部品点数の増加やそれに伴う組立工数の増加を低減することができる。
(6)上記筒状部40bはバルブステムガイド33に設けられたバルブステムシール41の外周に重なるように設けられるので、バルブステムシール41をコイルスプリング38から保護することができる。また、バルブステムシール41の係止部の広がりによるバルブステムシール41の抜けを防止することができる。
(7)本発明の動弁機構30が用いられる内燃機関2は、シリンダヘッド6に形成される吸気ポート14の中心線C1がシリンダ軸線C2に鋭角で交差し、吸気流がほぼ下向きに流れる構造の吸気ポート14を備え、上記スプリングシート40は、上記吸気ポート14の吸気バルブ16A部分に設けることが出来る。これは、動弁機構30が小型となったことによるもので、吸気ポート14をシリンダ軸線C2に近づけることができたからである。これによって、エンジンの性能向上とサージング防止の両立を図ることができる。
(8)上記スプリングシート40は中心孔40cの内周をバルブステムガイド33に近接して設けられ、上記オイルスリット42内へオイルを導くオイル通路44がスプリングシート40の外周に形成されている。オイルを外周のみからオイルスリット42に導く構造としてオイルの動きを制限して、サージング防止効果をより高めている。
(9)上記スプリングシート40の周囲には上記オイル通路44を介して上記オイルスリット42へ導くためのオイルを貯留する堰45が設けられる。この堰45によってオイル溜めの構造を複雑化させること無くオイルをスリット42に導くことができる。
(10)上記シリンダヘッド6における吸気ポート14の下側には水温センサ27等の補器が設けられる。動弁機構30が小型化できるので、上記吸気ポート14をシリンダ軸線C2に近づけることができ、これによって吸気ポート14の下方に補器設置スペースが生じ、これによって、エンジン1の性能向上と吸気ポート14による補器の保護との両立を図ることができる。
1…エンジン、2…内燃機関、3…変速機、4…クランクケース、5…シリンダブロック、6…シリンダヘッド、7…シリンダヘッドカバー、8…クランク軸、9…シリンダ孔、10…ピストン、11…コンロッド、12…クランクピン、13…燃焼室、14…吸気ポート、14a…吸気ポート燃焼室側開口、14b…吸気ポート外側開口部、15…排気ポート、15a…排気ポート燃焼室側開口、16…バルブ、16A…吸気バルブ、16B…排気バルブ、17…カム軸、18…カム、18A…カム、18B…カム、19…ロッカーアーム、20…スロットルボディ、21…燃料インジェクタ、22…メイン軸、23…カウンタ軸、24…シフトドラム、25…シフトフォーク、26…シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーの接合面、26A…接合面後部、26B…接合面前部、27…水温センサ、30…動弁機構、30A…吸気系動弁機構、30B…排気系動弁機構、31…バルブヘッド、32…バルブステム、33…バルブステムガイド、34…シム、35…リフタ、36…コレット、37…リテーナ、38…コイルスプリング、40…スプリングシート、40a…大径部、40b…筒状部、40c…中心孔、41…バルブステムシール、42…オイルスリット、43…ドリル孔、44…オイル通路、45…堰、46…密巻き部、47…潤滑油給油経路、48…バイパス、50…小型スプリングシート、50a…環状平板部、50b…筒状部、51…皿ばね、52…ゴムダンパー、53…中実部、C1…吸気ポート中心線、C2…シリンダ軸線
Claims (10)
- カムにより往復動するバルブを備える内燃機関の動弁機構において、
バルブを閉じ方向に付勢するコイルスプリングの一端に、上記コイルスプリングの軸方向の動きを減衰させるスクイズ膜効果(squeeze film effect)を備えたスプリングシートを設けたことを特徴とする内燃機関の動弁機構。 - 上記スプリングシートのスクイズ膜形状は、径方向に横断するバルブ軸線周りの螺旋状のオイルスリットを設けた構造であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の動弁機構。
- 上記スプリングシートにおける螺旋状のオイルスリットは、バルブ軸線方向の端面から所定距離だけ軸方向にずれた内部に、その始点終点が位置することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の動弁機構。
- 上記スプリングシートは、大径部のスプリング側の端部に、スプリングの内周をガイドする筒状部が一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の動弁機構。
- 上記スプリングシートにおける螺旋状のオイルスリットは、一方の軸方向端面から他方の軸方向端面まで形成されることを特徴とする請求項2及び請求項4に記載の内燃機関の動弁機構。
- 上記筒状部はバルブステムガイドに設けられたバルブステムシールの外周に重なるように設けられることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の動弁機構。
- 上記内燃機関は、シリンダヘッドに形成される吸気ポートの入口開口付近の中心線がシリンダ軸線に鋭角で交差し、吸気流がほぼ下向きに流れる構造の吸気ポートを備え、上記スプリングシートは、上記吸気ポートの吸気バルブ部分に設けられることを特徴とする請求項2乃至請求項6の何れかに記載の内燃機関の動弁機構。
- 上記スプリングシートは中心孔の内周をバルブステムガイドに近接して設けられ、上記オイルスリット内へオイルを導くオイル通路がスプリングシートの外周に形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の内燃機関の動弁機構。
- 上記スプリングシートの周囲にはオイル通路にオイルを貯留する堰が設けられることを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の動弁機構。
- 上記シリンダヘッドにおける吸気ポートの下側には水温センサ等の補器が設けられることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の動弁機構。
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