JP5924962B2 - シール部材の矯正治具および組み付け方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸の外周に環状に設けられた外周溝に、径方向に変形可能な環状形状に形成されて回転軸の軸端側から軸方向に挿嵌されるシール部材の矯正治具および組み付け方法に関する。
変速機の回転軸と回転軸が挿入されるフロントリテーナの円筒部との間に装着される環状のシール部材を、回転軸の軸中央寄りに嵌合する構造が、例えば下記特許文献1に示されている。
特許文献1に示される構造の場合、環状のシール部材は、予め円筒部の大内径部と小内径部との段差部に装着され、回転軸にも段差部が設けられ、回転軸の小外径先端部を円筒部に大内径部側からシール部材を挿通するように挿入し、円筒部の段差部と回転軸の段差部がシール部材を軸方向で挟持した状態を所定位置として、シール部材が嵌合される。
したがって、シール部材の内径と略近い外径の回転軸を挿入するために、回転軸の先端にガイドとなるキャップを装着し、円筒部の先端にはガイドとなる取付治具を装着しているが、シール部材自体は装着時に変形を受けず、シール部材の矯正治具を要するものではない。
しかしながら、環状のシール部材にはさまざまな種類、装着のしかたがあり、回転軸の外周面に設けた環状溝にシール部材を嵌め込んで、シール部材の外周に被さるように軸方向に組み付けられる中空孔を有する部材の内周面と、シール部材の外周との間においてシールするものがある。
そのようなシール部材では、環状体の周方向の一部に切断部が設けられることで一部環状形状とし、シール部材が外周方向に広がれるようにして、環状溝よりも外径が大きい軸部を通過させて、シール部材を環状溝に嵌め込んでいる。
その場合、シール部材の形状、材質によっては、一旦拡径されてしまうと、塑性変形を起こしてしまい、外径が広がった状態で環状溝に嵌められる結果、その外周に被さるように軸方向から組み付けられる部材の内周面の内径よりもシール部材の外径が広がって、組付け時に干渉し引っ掛かることが生じる。
そこで、組み付け時には、シール部材を個々に縮めつつ組み付ける必要があるが、シール部材の配置数によっては、組付けの手間がかかり、工程の煩雑化、工数の増大のおそれがあった。
特許第3262382号公報(図2、図3)
本発明は、かかる従来技術に鑑み、外周面に設けた外周溝にシール部材を嵌装した回転軸を、シールを行なう外筒部材の内部に挿入する際に、挿嵌時に拡径変形したシール部材を矯正変形させて縮径し、引っ掛かりを抑制して挿入し易くし、組み付け効率を向上させるシール部材の矯正治具および組み付け方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、外筒部材の内部に軸方向に挿入されて同外筒部材とで小組体を構成する回転軸の外周に環状に設けられた外周溝に、径方向に変形可能な環状形状に形成されて前記回転軸の軸端側から軸方向に挿嵌されるシール部材の矯正治具において、間隔を空けて設けられた複数の前記外周溝にそれぞれ前記シール部材が嵌装された前記回転軸が挿入されることで、挿嵌時に拡径変形した前記シール部材を径方向内側に縮めるように矯正変形させるとともに、前記外周溝が配設される範囲に合わせて軸方向に延在する円筒部材で構成され
前記シール部材は、環状形状の周方向において切断部を有し、径方向に変形可能とされたものであり、前記矯正治具は、前記回転軸が挿入されたときに、同回転軸の前記外周溝に嵌装された前記シール部材を径方向に収縮変形させ、
前記回転軸は、前記矯正治具に挿入される先端側が、前記外周溝が形成され前記シール部材が嵌装された後端側に比べて小径に形成されており、前記先端側の小径部にも小径の前記外周溝が形成されるとともに小径の前記シール部材が嵌装され、前記矯正治具は、前記回転軸の後端側の外径に合わせて内径を大径とした大内径部と、前記回転軸の前端側の外径に合わせて内径を小径とした小内径部を有し、
前記矯正治具の前記大内径部と前記小内径部との間が、接続傾斜面を介して連続して接続されたことを特徴とするシール部材の矯正治具である。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のシール部材の矯正治具において、前記回転軸が挿入される前記矯正治具の挿入側端における内周側角部に入口傾斜面が形成されたことを特徴とする
請求項に記載の発明は、請求項に記載のシール部材の矯正治具において、前記入口傾斜面の外周側寄りの最大外径が、前記回転軸の外周溝に嵌装された前記シール部材の拡径変形した最大外径より大きく設定されたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のシール部材の矯正治具において、前記回転軸(41)の外周溝(120)は、前記小組体において、前記外筒部材(65)の中空孔(65c)の内周面に軸中心側に突出し軸方向両端部に環状傾斜面(65e,65g,65k)が形成された環状突出部(65d)に対峙するように設けられたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、外筒部材の内部に軸方向に挿入されて同外筒部材とで小組体を構成する回転軸の外周に環状に設けられた外周溝に、径方向に変形可能な環状形状に形成されて、同回転軸の軸端側から軸方向に挿嵌されるシール部材が嵌装された同回転軸を、外筒部材の内部に軸方向に挿入して同外筒部材を組み付ける際に、請求項記載のシール部材の矯正治具を前記回転軸に嵌装することによって、前記シール部材を径方向内側に縮めるように矯正変形させてから、前記回転軸に前記外筒部材を組み付けることを特徴とするシール部材の組み付け方法である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のシール部材の組み付け方法において、前記シール部材が嵌装された前記回転軸に前記矯正治具が嵌装された状態で、次の前記外筒部材の組み付け工程まで、前記回転軸が運搬あるいは保管されることを特徴とする。
請求項1の発明のシール部材の矯正治具によれば、回転軸に挿嵌される際に拡径変形したシール部材を、径方向内側に縮める矯正治具によって、回転軸の外周溝に嵌装された状態で矯正変形でき、シール部材が嵌装された回転軸に外筒部材を挿嵌する際に、シール部材と外筒部材の引っ掛かりが小さくなって、挿嵌し易くなるとともに、単一の矯正治具によって複数のシール部材を一度に矯正できるため、シール部材の組み付け効率、シール部材を備えた回転軸と外筒部材の組み付け効率が向上する。
また、環状形状の周方向において切断部を有するシール部材は、径方向の変形を比較的大きくでき、回転軸に挿嵌する際に比較的容易に拡径変形するので挿嵌が容易であるうえ、矯正治具を回転軸に挿嵌してシール部材が径方向内側に収縮するように圧力を掛けることで収縮変形も得られるので、シール部材の矯正が簡単な手段で行なえる。
また、回転軸の径が異なり、それぞれの径違いの外周溝に径違いのシール部材が嵌装される場合にも、回転軸の外周に沿って形成された矯正治具を用いて一度にシール部材を矯正変形できるので、2つの矯正治具を用いず効率よく矯正作業が行なえる。
そして、回転軸が大内径部と小内径部を有しており、そのそれぞれにシール部材を嵌装するために異径シール部材が複数装着される必要がある場合に、矯正治具の大内径部と小内径部との間を接続傾斜面を介して連続して接続することで、単一の矯正治具によって組付けを可能とすることができるので、矯正治具の交換が不要となり、作業効率が向上する。
請求項の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、回転軸を矯正治具に挿入する際に、拡径変形により外周溝からはみ出ているシール部材が、矯正治具の入口傾斜面に沿って縮径されるので、回転軸が挿入しやすくなる。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、入口傾斜面を、外周溝に挿嵌される際に拡径変形したシール部材の外周溝内での最大外径より大きくすることにより、拡径変形したシール部材を入口傾斜面で確実に捉えて縮径でき、回転軸の挿入がより容易となる。
請求項の発明によれば、請求項1ないし請求項のいずれかの発明の効果に加え、回転軸にシール部材が嵌装された状態で、回転軸が外筒部材内に挿入され、あるいは外筒部材から取り外される際に、シール部材が環状突出部に引っ掛かって、挿入し難くなったり抜け難くなることを、環状傾斜面が形成されることで抑制できる。
請求項の発明のシール部材の組み付け方法によれば、請求項の発明のシール部材の矯正治具の効果を奏しつつ、請求項の発明の矯正治具によりシール部材を矯正変形させたのち、シール部材が嵌装された回転軸に外筒部材を組み付けるので、シール部材が引っ掛かることが抑制され、組み付け性が向上する。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、矯正治具が嵌装された状態で、次の外筒部材の組み付け工程まで、回転軸が運搬あるいは保管されるようにしたので、その間の時間を矯正治具によるシール部材の矯正に用いることができ、シール部材が嵌装された回転軸に外筒部材を組み付ける際にシール部材が引っ掛かることがより防止されると同時に、回転軸を矯正治具が覆うことでシール部材が嵌装された回転軸の保護を図ることができる。
本発明の実施形態に係るシール部材を備えたパワーユニットを搭載した自動二輪車の右側面図である。 図1中II−II矢視によるパワーユニット要部の、断面展開図である。 図2中のIII部の詳細図である。 本発明の実施形態に係るシール部材が嵌装される第1メイン軸と、シール部材の矯正治具の断面説明図である。 本発明の実施形態に係るシール部材の斜視図である。 本発明の実施形態に係るシール部材が嵌装された第1メイン軸に、シール部材の矯正治具が嵌装された状態の断面説明図である。 本発明の実施形態に係るシール部材が嵌装された第1メイン軸が挿入されるクラッチボスの断面説明図である。
以下、本発明に係る一実施形態のシール部材の矯正治具につき、図1ないし図7に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るシール部材130を備えたパワーユニット5を搭載した自動二輪車1の右側面図である。
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係るパワーユニット5を、車両、特に自動二輪車等の小型車両に搭載した状態での車両の向きに従うものとする。図中、矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
図1に示されるように、自動二輪車1の車体フレーム2は、前輪11を軸支したフロントフォーク12を操向可能に支承するヘッドパイプ20と、ヘッドパイプ20から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム21と、メインフレーム21よりも急傾斜で後下がりに延びる左右一対のダウンフレーム22と、メインフレーム21の後端から下方に延びる左右一対のセンターフレーム23と、センターフレーム23の上部から後上がりに延びる左右一対のシートレール24と、センターフレーム23の中間部とシートレール24の後部の間を結ぶリヤフレーム25を備えている。
メインフレーム21、ダウンフレーム22およびセンターフレーム23で囲まれる領域には、内燃機関3と変速機4を一体的に備えたパワーユニット5が、車体フレーム2に支持されるようにして配置され、パワーユニット5が発生する動力で駆動される後輪13を後端部で軸支するスイングアーム14の前端部が、センターフレーム23に上下揺動可能に支承される。
また、内燃機関3の上方で、メインフレーム21に収納ボックス15が搭載され、収納ボックス15の後方にタンデム型の乗車用シート16が、シートレール24で支持されるようにして配置され、乗車用シート16の下方に燃料タンク17が配置される。
図2は、パワーユニット5要部の、図1中II−II矢視による断面展開図である。図2に示されるように、本実施形態の内燃機関3は2気筒4ストロークサイクル内燃機関であり、内燃機関3はクランク軸31を車体幅方向である左右方向に指向させて横置きに車体フレーム2に搭載され、クランク軸31は上下割りの上クランクケース50Aと下クランクケース50Bに軸受を介して挟まれ、回転自在に軸支される。
図1に示されるように、上クランクケース50Aから前方斜め上向きにシリンダブロック32、シリンダヘッド33、シリンダヘッドカバー34が順次重ねられたように前傾して突設されている。シリンダブロック32は、上クランクケース50Aと一体に形成されている。
下クランクケース50Bの下側はオイルパン51で塞がれる。
図2に示されるように、シリンダブロック32は、車幅方向に並列して配置される2つのシリンダボア35を有しており、各シリンダボア35にピストン36が摺動可能に嵌合され、各ピストン36は、コンロッド37によってクランク軸31に連接される。
クランクケース50の左側面には、クランクケース50との間に発電機室52を形成する発電機カバー53が結合され、発電機室52内に収容される発電機54のロータ54aが、発電機室52内に突入したクランクシャフト31の端部に固定され、発電機54のステータ54bは、ロータ54aで囲まれるようにして発電機カバー53に固定されている。
クランクケース50の右側面には、クランクケース50との間にクラッチ室55を形成するクラッチカバー56が結合されている。
クランクケース50内には、クランク軸31と平行な軸線を有して、クランクケース50で回転自在に支承される第1メイン軸41、第2メイン軸42と、カウンタ軸43との間に選択的に確立可能な複数変速段の歯車列、第1速〜第6速歯車列G1〜G6とが設けられた変速機4が収容されている。
第1メイン軸41と第2メイン軸42とは、同軸に配置されており、クランケース50の右側壁を回転自在に貫通する第1メイン軸41の左端部は、クランクケース50の左側壁にボールベアリング44を介して回転自在に支承され、第1メイン軸41の右端部は、クラッチカバー56に支承される。
第2メイン軸42は、第1メイン軸41を同軸に囲繞して、クランクケース50の右側壁を回転自在に貫通するものであり、クランクケース50の右側壁と第2メイン軸42との間にはボールベアリング45が介装され、第1メイン軸41と第2メイン軸42との間には、複数のニードルベアリング46が介装されている。
カウンタ軸43の左端部は、クランクケース50の左側壁との間にボールベアリング47を介在させてクランクケース50の左側壁後部から突出され、また、カウンタ軸43の右端部は、クランクケース50の右側壁にニードルベアリング48を介して回転自在に支承される。
そして、第1メイン軸41とカウンタ軸43との間には、第1速歯車列G1、第3速歯車列G3および第5速歯車列G5が設けられ、第2メイン軸42とカウンタ軸43との間には、第2速歯車列G2、第4速歯車列G4および第6速歯車列G6が設けられる。
クランクケース50の左側壁から突出したカウンタ軸43の左端部には、駆動スプロケット57が固定されており、駆動スプロケット57に巻き掛けられる無端状の駆動チェーン58により、変速機4から出力される回転動力が後輪13の被駆動スプロケット59に伝達される。
すなわち、内燃機関3のクランク軸31から出力される回転動力を後輪13に伝達する動力伝達系は、クランク軸31からの動力を伝達する伝動歯車装置としての一次減速装置60、第1クラッチ機構61、第2クラッチ機構62、変速機4、駆動スプロケット57および駆動チェーン58(図1参照)を含んで構成されている。
一次減速装置60と、一次減速装置60と第1メイン軸41の間に介設される第1クラッチ機構61と、一次減速装置60と第2メイン軸42の間に介設される第2クラッチ機構62とが、クラッチ室55に収容される。
図2中のIII部の詳細図である図3に示されるように、第1メイン軸(本発明の「回転軸」)41の右端寄り中間部には、前記動力伝達系に配設される回転軸としての中空のクラッチボス(本発明の「外筒部材」)65が相対回転可能に装着されて本発明の「小組体」を構成しており、クラッチボス65は、第2メイン軸42に軸方向で隣接している。
クラッチボス65には、クラッチボス65の軸方向中間部で半径方向外側方に張り出すように膨らんだ大径部65aと、大径部65aの外周から半径方向外側方に張り出すフランジ部65bとが、一体に設けられる。
第1メイン軸41はクラッチボス65の中空孔65cの内周面に非常に小さなクリアランスで挿通しているが、クラッチボス65は、その右端部近くで第1ニードルベアリング63、左端部近くで第2ニードルベアリング64を介して、第1メイン軸41に支持されている。
第1クラッチ機構61は、クラッチボス65と第1メイン軸41との間の動力断・接を可能としてクラッチボス65および第1メイン軸41上に設けられる。
第2クラッチ機構62は、クラッチボス65と第2メイン軸42との間の動力断・接を可能としてクラッチボス65および第2メイン軸42上に設けられる。
一次減速装置60は、クランク軸31とともに回転するプライマリドライブギア66と、クランク軸31からプライマリドライブギア66を介して回転動力が伝達され、クラッチボス65の
大径部65aに軸方向相対移動および相対回転可能に支持されるプライマリドリブンギア67と、プライマリドリブンギア67とクラッチボス65の間に介設される複数のダンパスプリング68と、プライマリドリブンギア67とクラッチボス65のフランジ部65bの間で摩擦力を発生させてクラッチボス65とプライマリドリブンギア67の間の相対回転を抑制するようにプライマリドリブンギア67をフランジ部65b側に向けて付勢するフリクションスプリング69とを備える。
プライマリドリブンギア67は、クラッチボス65の大径部65aを同軸に囲繞する円筒状のボス部67aと、ボス部67aから半径方向外方に張り出すとともにプライマリドライブギア66に噛合する複数の歯67cが外周に設けられた円板部67bとを一体に有する。
ダンパスプリング68は、コイルスプリングであり、プライマリドリブンギア67の平板部67bに周方向等間隔に設けられた複数の収容孔70に収容される。
また、円板部67bは、右方に対面し、クラッチボス65のフランジ部65bに溶接接合された第1サイドプレート71と、左方に対面する第2サイドプレート72とで挟まれており、両サイドプレート71、72でダンパスプリング68が、収容孔70に保持される。
また、第1、第2サイドプレート71、72の周方向に等間隔をあけた複数個所には、円筒状のカラー73が介在して配置されており、カラー73のそれぞれを貫通するリベット74で、第1サイドプレート71と第2サイドプレート72が連結され、第1、第2サイドプレート71、72は、クラッチボス65とともに回転する。
そして、プライマリドリブンギア67と、第1、第2サイドプレート71、72およびクラッチボス65との間に相対回転が生じていない状態では、ダンパスプリング68の両端は、プライマリドリブンギア67および第1、第2サイドプレート71、72に当接しており、相対回転が生じると、プライマリドリブンギア67と、第1、第2サイドプレート71、72との間でダンパスプリング68が圧縮され、急激なトルク変化が緩衝される。
カラー73を挿通せしめる複数の規制孔75が、クラッチボス65の周方向に沿って長い長孔状に形成されて、プライマリドリブンギア67の円板部67bに設けられており、プライマリドリブンギア67と、第1、第2サイドプレート71、72すなわちクラッチボス65との相対回動が、規制孔75内でカラー73が移動する範囲に規制される。
第1クラッチ機構61は、油圧クラッチであり、一次減速装置60よりも右側に配置され、一次減速装置60とは反対側(右側)に開放した椀状に形成されてクラッチボス65に相対回転不能に結合される第1クラッチアウタ80と、第1メイン軸41に相対回転不能に結合される第1クラッチインナ81と、第1クラッチアウタ80に軸方向の相対移動を可能として係合される複数枚の第1駆動摩擦板82と、第1駆動摩擦板82と交互に配置され軸方向の相対移動を可能として第1クラッチインナ81に係合される複数枚の第1被動摩擦板83と、交互に配置される摩擦板群82、83のうちの最外方の摩擦板に対向するリング状の第1受圧板84と、第1受圧板84に摩擦板群82、83とは反対側から係合することを可能として第1クラッチアウタ81に装着される第1止め輪85と、摩擦板群82、83を第1受圧板84との間に挟む押圧部86aを外周部に有して第1クラッチアウタ80に液密且つ摺動可能に嵌合されるとともに第1クラッチアウタ80との間に第1油圧室87を形成する第1ピストン86と、第1ピストン86を第1油圧室87の容積を縮小させる側に付勢する第1クラッチばね88とを備え、第1クラッチインナ81とクラッチカバー56との間にボールベアリング89が介装されている。
すなわち、第1メイン軸41の右端部は第1クラッチインナ81を介してクラッチカバー56に回転自在に支承されている。
上記のように構成された第1クラッチ機構61では、第1油圧室87に油圧が作用していない状態では第1駆動摩擦板82と第1被動摩擦板83が圧接せず、動力伝達を遮断したクラッチオフ状態にあり、第1油圧室87への油圧の作用時には第1駆動摩擦板82と第1被動摩擦板83が圧接して、第1クラッチ機構61は、クランクシャフト31から一次減速装置60、ダンパスプリング68およびクラッチボス65を介して第1クラッチアウタ80に伝達される回転動力を第1メイン軸41に伝達するクラッチオン状態となる。
第2クラッチ機構62も、油圧クラッチであり、一次減速装置60よりも左側に配置され、一次減速装置60を挟んで略左右対称に配置された第2クラッチアウタ90と、第2メイン軸42に相対回転不能に結合される第2クラッチインナ91と、第2駆動摩擦板92と、第2被動摩擦板93と、第2受圧板94と、第2止め輪95と、押圧部96aを有し第2油圧室97を形成する第2ピストン96と、第2クラッチばね98は、第1クラッチ機構61におけると同様に機能する。
すなわち、第2クラッチ機構62では、第2油圧室97に油圧が作用していない状態では動力伝達を遮断したクラッチオフ状態にあり、第2油圧室97への油圧の作用時に第2クラッチ機構62は、クランクシャフト31から一次減速装置60、ダンパスプリング68およびクラッチボス65を介して第2クラッチアウタ90に伝達される回転動力を第2メイン軸42に伝達するクラッチオン状態となる。
第1クラッチ機構61の第1クラッチアウタ80およびクラッチボス65には、第1油圧室87に通じる第1油路101Bが設けられ、クラッチボス65の内周には、第1油路101Bに通じる第1ボス側環状凹部103Bが設けられ、第1ボス側環状凹部103Bに対峙する第1メイン軸41の外周にも第1軸側環状凹部103Aが設けられる。
また、第2クラッチ機構62の第2クラッチアウタ90およびクラッチボス65には、第2油圧室97に通じる第2油路102Bが設けられ、クラッチボス65の内周には、第2油路102Bに通じる第2ボス側環状凹部104Bが設けられ、第2ボス側環状凹部104Bに対峙する第1メイン軸41の外周にも第2軸側環状凹部104Aが設けられる。
第1メイン軸41のクラッチカバー56側の端部には、相互に平行な第1、第2軸方向油路105、106が、内端を閉じるとともに軸方向に延びて設けられ、第1メイン軸41の右端部で、第1軸方向油路105の外端開口部は栓部材107で塞がれ、第2軸方向油路106の外端開口部は解放されている。
第1軸方向油路105は、第1メイン軸41に設けられた半径方向の第1軸側油路101Aを介して、第1軸側環状凹部103Aと第1ボス側環状凹部103Bが成す第1環状油路103に連通し、さらに第1油路101Bを介して第1油圧室87に連通し、第1油圧室87へのオイルの供給路を形成する。
第2軸方向油路106は、第1メイン軸41に設けられた半径方向の第2軸側油路102Aを介して、第2軸側環状凹部104Aと第2ボス側環状凹部104Bが成す第2環状油路104に連通し、さらに第2油路102Bを介して第2油圧室97に連通し、第2油圧室97へのオイルの供給路を形成する。
また、クラッチカバー56側で、第1メイン軸41の右端部は、クラッチカバー56に嵌合固定された筒部材108の筒部材中空孔108aに、後述の小径のシール部材130′によって液密に挿入され、非常に小さなクリアランスで覆われており、筒部材108の外周とクラッチカバー56との間に形成される環状の第1油室109に第1軸方向油路105を通じさせるために、第1メイン軸41には軸側連通路110Bとそれに連通して外周に設けられたメイン軸側環状凹部111Bが設けられ、筒部材108にはメイン軸側環状凹部111Bに対峙して内周に設けられた筒部材側環状凹部111Aとそれに連通し第1油室109に開口する筒部材側連通路110Aが設けられる。
したがって、第1油室109は、筒部材側連通路110A、筒部材側環状凹部111Aとメイン軸側環状凹部111Bが成す環状油路111、および軸側連通路110Bを介して、第1軸方向油路105に通じる。
第1油室109には、クラッチカバー56に設けられた第1制御供給油路115を介して、図示しない油圧制御装置から油圧が制御された第1クラッチ機構61用のオイルが供給され、オイルはさらに第1軸方向油路105を介して第1油圧室87に送られ、第1クラッチ機構61の制御が行われる。
一方、第1メイン軸41および筒部材108と、クラッチカバー56との間には、第2軸方向油路106に通じる、第2油室112が形成される。
第2油室112には、クラッチカバー56に設けられた図示しない第2制御供給油路を介して、図示しない油圧制御装置から油圧が制御された第2クラッチ機構62用のオイルが供給され、オイルはさらに第2軸方向油路106を介して第2油圧室97に送られ、第2クラッチ機構62の制御が行われる。
第1、第2クラッチ機構61、62には、上記のクラッチ制御用の油路のほかに、潤滑用の
油路等が形成されているが、それ自体は従来広く公知のものであるので説明を省略する。
図3に示されるように、第1クラッチアウタ80およびクラッチボス65と、第1メイン軸41とは、相対的に回転しつつ、第1クラッチ機構61の作動用のオイルを、第1メイン軸41の第1軸側環状凹部103Aとクラッチボス65の第1ボス側環状凹部103Bが成す第1環状油路103において受給するものとしており、そのため、第1環状油路103を挟む軸方向左右両側において、軸方向のオイルリークを防ぐために、第1メイン軸41外周にシール溝(本発明の「外周溝」)120が設けられてシール部材130が嵌装され、クラッチボス65の中空孔65cの内周面にはシール溝120に対峙するように軸中心側に突出する近接内周面(本発明の「環状突出部」)65d(図7参照)が形成されている。
同様に、第2クラッチアウタ90およびクラッチボス65と、第1メイン軸41とは、相対的に回転しつつ、第2クラッチ機構62の作動用のオイルを、第1メイン軸41の第2軸側環状凹部104Aとクラッチボス65の第2ボス側環状凹部104Bが成す第2環状油路104において受給するものとしており、そのため、第2環状油路104を挟む軸方向左右両側において、軸方向のオイルリークを防ぐために、第1メイン軸41外周にシール溝120が設けられてシール部材130が嵌装され、クラッチボス65の中空孔65cの内周面にはシール溝120に対峙するように軸中心側に突出する近接内周面65dが形成されている。
さらに同様に、第1メイン軸41の右端部は、クラッチカバー56に嵌合固定された筒部材108に対して回転しつつ、第1クラッチ機構61の作動用のオイルを、第1メイン軸41のメイン軸側環状凹部111Bと筒部材108の筒部材側環状凹部111Aが成す環状油路111で受給するものとしており、そのため、環状油路111を挟む軸方向左右両側において、軸方向のオイルリークを防ぐために、第1メイン軸41外周に小径のシール溝120′が設けられ、小径のシール部材130′が嵌装されている。
そのため、第1メイン軸41と第2メイン軸42とを組み付けたメイン軸アセンブリ40に対して、第1、第2クラッチ機構61、62等を取り付けたクラッチボス65を組み付ける際には、図4に示されるように、シール部材130を第1メイン軸41のシール溝120に嵌装した後、クラッチボス65の中空孔65cに、第1メイン軸41を右端側から挿入することとなる。
第1メイン軸41は、クラッチボス65の中空孔65cに、所定の僅かなクリアランスで遊貫するように設定されている(図3参照)。
シール部材130は、図5に示されるように、回転部でのシール性を良好にするため矩形断面のリングであり、適切な耐摩耗性、化学的安定性、物理的性質を備える樹脂製、例えばテフロン(登録商標;ポリテトラフルオロエチレン)製である。
また、シール部材130は、シール溝120に嵌め込まれ、さらに第1メイン軸41がクラッチボス65の中空孔65aに挿入された状態で、シール部材130の外周が、クラッチボス65の中空孔65aの内周との適切な接触状態が得られるような寸法で作られている。
しかし、シール溝120に嵌め込む際には、第1メイン軸41の右軸端側から軸方向左向きに挿嵌するため、シール部材130の内径を、図4中に示されるシーリング130Aのように、一旦、少なくとも第1メイン軸41の外径より大きく変形させる必要があり、そのために、図5に示されるように、シール部材130は、環状形状の周方向において斜めのスリット(本発明の「切断部」)131によって一箇所が切断され、径方向に拡大変形を容易に可能としている。
シール部材130の斜めのスリット131は、シール溝120内で軸方向に接し、軸方向のシール性を損なうことはない。
しかしながら、シール溝120へ挿嵌する際にシール部材130が一旦拡径変形されると、そのままでは塑性変形として残留し易く、図4に示すように、シール溝120において、シール部材130の外径が第1メイン軸41の外径より所定値以上に拡大変形した状態となる恐れがある
その場合、第1メイン軸41にクラッチボス65を嵌装する際、拡大変形して第1メイン軸41の外周面から所定値以上突出したシール部材130が、クラッチボス65の中空孔65cの内周部に引っ掛かるため、シール部材130を個々にシール溝120内に押し込んで外径を縮めつつ、第1メイン軸41をクラッチボス65の中空孔65c内へ挿入しなければならず、特に、シール部材130の数が多い場合は、工程が煩雑化し、工数が増大してしまうことは、前述の通りである。
以上の点は、前述の第1メイン軸41の右端部側の小径のシール溝120′と小径のシール部材130′においても同様である。
したがって、嵌め込み時に生じた小径のシール部材130′の拡径変形による軸外周面からの所定値以上の突出に対して、同様に筒部材108(図3参照)の挿嵌時の対処が必要となる。
なお、小径のシール部材130′は、シール部材130とは異径で相対的に小径であるが、材質は同様であり、斜めのスリット131′によって環状形状の一箇所が切断され、嵌め込みのための拡径変形を容易としている構造等も同様である(図5参照)。
本実施形態のシール部材の矯正治具140は、上述のようにシール溝120、120′に挿嵌する際に拡径変形したシール部材130、130′を、所定値以下の軸外周面からの突出量になるように矯正するためのものであり、シール溝120、120′に嵌め込まれたシール部材130、130′を、さらにシール溝120、120′内に押し込んで、外径を縮める塑性変形を起こさせて矯正変形を行なうものである。
図4に示されるように、矯正治具140は、メイン軸アセンブリ40において第2メイン軸42に覆われない第1メイン軸41の右端側を覆い、少なくともシール溝120、120′が配設される範囲に合わせて軸方向に延在する長さの、両端が開口した治具中空孔141を有する円筒部材で構成されている。
治具中空孔141は、第2メイン軸42に覆われない第1メイン軸41の右端側に装着されたとき、少なくともクラッチボス65が装着される範囲の第1メイン軸41の後端側を、クラッチボス65の中空孔65cと同様に、非常に小さなクリアランスで覆う大内径部141Aと、少なくとも筒部材108が装着される範囲の第1メイン軸41の先端側を、筒部材108の筒部材中空孔108aと同様に、非常に小さなクリアランスで覆う小内径部141Bとを備えている。
矯正治具140を用いるときは、メイン軸アセンブリ40のシール溝120、120′にシール部材130、130′を挿嵌した後、第1メイン軸41の右端側を、矯正治具140の治具中空孔141に大内径部141A側の開口端141aから挿入させつつ、矯正治具140を左方に移動させ、第2メイン軸42右端に向けて挿嵌して行く。
第1メイン軸41が挿入される治具中空孔141の大内径部141A側の挿入側端141aには内周側角部に、治具中空孔中心軸141xに対して1/2直角以下の入口面取り角αをなす入口傾斜面(面取り部)142が設けられており、入口傾斜面142の外周側寄りの最大外径142aは、第1メイン軸41のシール溝120に嵌装されたシール部材130の想定される拡径変形した最大外径130aより大きく設定される(142a>130a)。
入口面取り角αは、好ましくは例えば、30°である。
また、治具中空孔141の大内径部141Aと小内径部141Bとの間には、治具中空孔中心軸141xに対して1/2直角以下の接続傾斜角α′をなす接続傾斜面143が設けられており、
接続傾斜面143の外周側寄りの最大外径143aは、第1メイン軸41の小径のシール溝120′に嵌装された小径のシール部材130′の想定される拡径変形した最大外径130′aより大きく設定される(143a>130′a)。
接続傾斜角α′は、好ましくは例えば、30°である。
したがって、第1メイン軸41の右端側から挿嵌される矯正治具140は、拡径変形したシール部材130を、外径のより大きな挿入側端141aの入口傾斜面142で確実に捉え、入口傾斜面142に沿って、拡径変形によりシール溝120からはみ出ているシール部材130を縮径しつつ押さえ込むとともに、接続傾斜面143に沿って、拡径変形により小径のシール溝120′からはみ出ている小径のシール部材130′を縮径しつつ押さえ込んで、途中で引っ掛かることなく、図6に示されるように第1メイン軸41に容易に嵌装される。
矯正治具140が第1メイン軸41に嵌装された図6に示される状態において、シール部材130は、第1メイン軸41外周面と非常に小さなクリアランスで位置する治具中空孔141の大内径部141Aの内周面によってシール溝120内に押さえ込まれ、小径のシール部材130′は、第1メイン軸41外周面と非常に小さなクリアランスで位置する治具中空孔141の小内径部141Bの内周面によって小径のシール溝120′内に押さえ込まれる。
そのような矯正治具140の所定時間の嵌装状態によって、シール部材130、130′には、外径を縮める塑性変形が生じ、矯正治具140を逆方向に移動して第1メイン軸41から外した後も、シール溝120、120′において、シール部材130、130′の外径が第1メイン軸41の外周面から突出する高さが所定値以下となるように矯正変形させることができる。
通常、メイン軸アセンブリ40を構成する工程と、さらに第1メイン軸41にクラッチボス65等を組み付ける工程との間には、部材の運搬工程と何らかの保管等による待ち時間がある。
したがって、メイン軸アセンブリ40を構成して後、第1メイン軸41にシール部材130、130′の挿嵌を行って直ぐ矯正治具140を挿嵌すれば、上記の待ち時間を矯正治具140によるシール部材130、130′の矯正変形時間として利用できる。
また、矯正治具140は、部材の運搬、保管工程等において、メイン軸アセンブリ40の第1メイン軸41の外周面を保護する保護治具としての働きも発揮でき、特に、メイン軸アセンブリ40を他の場所で構成して、所定の箇所へ運搬、輸送する場合などは、矯正と保護の両面で極めて有効に機能するものとなる。
本実施形態においては、シール部材130が拡径変形して軸外周面から突出した高さを、上述のように矯正治具140によって所定値以下に矯正変形したうえで、さらにクラッチボス65の挿嵌をより容易にするクラッチボス65の構造を備えている。
すなわち、図7に示されるように、第1環状油路103を構成する第1ボス側環状凹部103Bおよび第2環状油路104を構成する第2ボス側環状凹部104Bと、それらを軸方向左右で挟み第1メイン軸41と非常に小さなクリアランスを有する近接内周面65dとの間には、クラッチボス中空孔中心軸65xに対して1/2直角以下の接続傾斜角βをなす環状傾斜面65eが設けられている。
近接内周面65dは、第1メイン軸41にクラッチボス65が嵌装された小組体において、第1メイン軸41のシール溝120に対峙するように、クラッチボス65の中空孔65cの内周面から軸中心側に突出する環状突出部であり、シール部材130と回転摺動する面である。
また、最も左右外方の近接内周面65dの左右外側には、潤滑用の環状油路を構成する潤滑用環状凹部65fが形成されているが、近接内周面65dと潤滑用環状凹部65fとの間にもクラッチボス中空孔中心軸65xに対して接続傾斜角βをなす環状傾斜面65gが設けられる。
接続傾斜角βは、好ましくは大きくとも、45°である。
潤滑用環状凹部65fのさらに左右外側には、シール部材130の所定値以下の軸外周面からの突出をクリアできる比較的大きいクリアランスを有する外側内周面65hが形成されるが、潤滑用環状凹部65fと外側内周面65hとの間には、クラッチボス中空孔中心軸65xに対して1/2直角以下の接続傾斜角γをなす環状傾斜面65iが設けられている。
接続傾斜角γは、好ましくはβ以下であり、例えば、30°である。
第1ボス側環状凹部103Bと、第2ボス側環状凹部104Bの、それぞれの左右内側の近接内周面65dの間には潤滑用の環状油路を構成する中央潤滑用環状凹部65jが形成されているが、中央潤滑用環状凹部65jとその左右を挟む近接内周面65dとの間には、クラッチボス中空孔中心軸65xに対して1/2直角以下の接続傾斜角γ′をなす環状傾斜面65kが設けられている。
接続傾斜角γ′は、好ましくはβ以下であり、例えば、30°である。
上記のようなクラッチボス65の構造によれば、メイン軸アセンブリ40の第1メイン軸41(図4参照)に対し、クラッチボス65を右から左方に移動して挿嵌する際、すなわち相対的には図7中の2点鎖線矢印のように、クラッチボスの中空孔65cに、第1メイン軸41の右端を左方から右方へと挿入する際に、第1メイン軸41に嵌め込まれたシール部材130(以降、最も右側のシール溝120に嵌め込まれたシール部材130の動きで説明する)は、第1メイン軸41の外周面から所定値以下の突出をしているが、クラッチボス65の比較的クリアランスの大きい外側内周面65hをクリアして潤滑用環状凹部65f内に挿入される。
続いて、シール部材130は、潤滑用環状凹部65fから、第1メイン軸41と非常に小さなクリアランスを有する最も左側の近接内周面65d内に移行しようとするが、1/2直角以下の接続傾斜角βをなす環状傾斜面65gによってシール溝130内に押し込まれるので、滑らかに引っ掛かることなく移行できる。
続いて、第2ボス側環状凹部104B内に入って、シール部材130は再び所定値以下で突出するが、第2ボス側環状凹部104Bの右側の環状傾斜面65eによってシール溝120内に押し込まれるので、中央寄り左側の近接内周面65d内に滑らかに引っ掛かることなく移行できる。
続いて、シール部材130は、中央潤滑用環状凹部65jに入り若干突出を戻すが、続く接続傾斜角β以下の接続傾斜角γ′の傾斜接続部65kによってシール溝120内に押し込まれるので、中央寄り右側の近接内周面65d内に滑らかに引っ掛かることなく移行できる。
続いて、シール部材130は、第1ボス側環状凹部103B内に入って、シール部材130は再び所定値以下の突出状態となるが、第1ボス側環状凹部103Bの右側の環状傾斜面65eによってシール溝120内に押し込まれるので、最も右側の近接内周面65d内に滑らかに引っ掛かることなく移行できる。
最も右側のシール溝120に嵌め込まれたシール部材130に続き、左側のシール溝120に嵌め込まれた複数のシール部材130も、同様に滑らかに引っ掛かることなくクラッチボス65の中空孔65c内を移行し、所定の位置で、近接内周面65dと対峙して、適切な接触状態を得られ、シール部材として機能する。
したがって、クラッチボス65等が支障なく容易にメイン軸アセンブリ40に装着される。
なお、クラッチボス65を第1メイン軸41から取り外す場合も、各傾斜接続部65e、65g、65i、65kは左右対称に同様の傾斜角を備えているので、装着時と逆方向に移行する際に、各シール部材130等を損傷することなく、滑らかに引っ掛かることなく外すことができる。
また、詳説しないが、筒部材108においても同様に(図3参照)、筒部材中空孔108aの左側の開口部には、1/2直角以下の面取り角をなす入口傾斜面、筒部材側環状凹部111Aの軸方向左右には、1/2直角以下の接続傾斜角をなす環状傾斜面が設けられているので、小径のシール部材130′に所定値以下の軸外周面からの突出があっても、滑らかに引っ掛かることなく筒部材108をメイン軸アセンブリ40に挿嵌し、取り外しできる。
以下、本実施形態のシール部材の矯正治具および組み付け方法の特徴につきまとめて述べる。
すなわち、本実施形態のシール部材の矯正治具は、クラッチボス65の内部に軸方向に挿入されてクラッチボス65とでとで小組体を構成する第1メイン軸41の外周に環状に設けられたシール溝120、120′に、径方向に変形可能な環状形状に形成されて第1メイン軸41の軸端側から軸方向に挿嵌されるシール部材130、130′の矯正治具140において、間隔を空けて設けられた複数のシール溝120、120′にそれぞれシール部材130、130′が嵌装された第1メイン軸41が挿入されることで、挿嵌時に拡径変形したシール部材130、130′を径方向内側に縮めるように矯正変形させるとともに、シール溝120、120′が配設される範囲に合わせて軸方向に延在する円筒部材で構成されている。
したがって、第1メイン軸41に挿嵌される際に拡径変形したシール部材130、130′を、径方向内側に縮める矯正治具140によって、第1メイン軸41のシール溝120、120′に嵌装された状態で矯正変形でき、シール部材130、130′が嵌装された第1メイン軸41にクラッチボス65を挿嵌する際に、シール部材130、130′とクラッチボス65の引っ掛かりが小さくなって、挿嵌し易くなるとともに、単一の矯正治具140によって複数のシール部材130、130′を一度に矯正できるため、シール部材130、130′の組み付け効率、シール部材130、130′を備えた第1メイン軸41とクラッチボス65の組み付け効率が向上する。
また、シール部材130、130′は、環状形状の周方向においてスリット131、131′を有し、径方向に変形可能とされたものであり、矯正治具140は、第1メイン軸41が挿入されたときに、第1メイン軸41のシール溝120、120′に嵌装されたシール部材130、130′を径方向に収縮変形させる。
そのため、環状形状の周方向においてスリット131、131′を有するシール部材130、130′は、径方向の変形を比較的大きくでき、第1メイン軸41に挿嵌する際に比較的容易に拡径変形するので挿嵌が容易であるうえ、矯正治具140を第1メイン軸41に挿嵌してシール部材130、130′が径方向内側に収縮するように圧力を掛けることで収縮変形も得られるので、シール部材130、130′の矯正が簡単な手段で行なえる。
また、第1メイン軸41は、矯正治具140に挿入される先端側が、シール溝131が形成されシール部材130が嵌装された後端側に比べて小径に形成されており、先端側の小径部にも小径のシール溝120′が形成されるとともに小径のシール部材130′が嵌装され、矯正治具140は、第1メイン軸41の後端側の外径に合わせて内径を大径とした大内径部140Aと、第1メイン軸41の前端側の外径に合わせて内径を小径とした小内径部140Bを有している。
そのため、第1メイン軸41の径が異なり、それぞれの径違いのシール溝120、120′に径違いのシール部材130、130′が嵌装される場合にも、第1メイン軸41の外周に沿って形成された矯正治具140を用いて一度にシール部材130、130′を矯正変形できるので、2つの矯正治具を用いず効率よく矯正作業が行なえる。
また、第1メイン軸41が挿入される矯正治具140の挿入側端141aにおける内周側角部に入口傾斜面142が形成されている。
そのため、第1メイン軸41を矯正治具140に挿入する際に、拡径変形によりシール溝120からはみ出ているシール部材130が、矯正治具140の入口傾斜面142に沿って縮径されるので、第1メイン軸41が挿入しやすくなる。
また、入口傾斜面142の外周側寄りの最大外径142aが、第1メイン軸41のシール溝120に嵌装されたシール部材130の拡径変形した最大外径130aより大きく設定されている。
入口傾斜面142を、シール溝120に挿嵌される際に拡径変形したシール部材130シール溝120での最大外径120aより大きくすることにより、拡径変形したシール部材130を入口傾斜面142で確実に捉えて縮径でき、第1メイン軸41の挿入がより容易となる。
また、クラッチボス65の中空孔65cの内周面に、第1メイン軸41にクラッチボス65を組み付けた小組体において第1メイン軸41のシール溝120に対峙するように、軸中心側に突出する近接内周面65dが形成され、近接内周面65dの軸方向両端部に環状傾斜面65e、65g、65kが形成された。
そのため、第1メイン軸41にシール部材130が嵌装された状態で、第1メイン軸41がクラッチボス65内に挿入され、あるいはクラッチボス65から取り外される際に、シール部材130が近接内周面65dに引っ掛かって、挿入し難くなったり抜け難くなることを、環状傾斜面65e、65g、65kが形成されることで抑制できる。
また、本実施形態のシール部材の組み付け方法は、クラッチボス65の内部に軸方向に挿入されてクラッチボス65とで小組体を構成する第1メイン軸41の外周に環状に設けられたシール溝120、120′に、径方向に変形可能な環状形状に形成されて、第1メイン軸41の軸端側から軸方向に挿嵌されるシール部材130、130′が嵌装された第1メイン軸41を、クラッチボス65の内部に軸方向に挿入してクラッチボス65を組み付ける際に、上述のシール部材130、130′の矯正治具140を第1メイン軸41に嵌装することによって、シール部材130、130′を径方向内側に縮めるように矯正変形させてから、第1メイン軸41にクラッチボス65を組み付ける。
そのため、本実施形態の矯正治具140の効果を奏しつつ、矯正治具140によりシール部材130、130′を矯正変形させたのち、シール部材130、130′が嵌装された第1メイン軸41にクラッチボス65を組み付けるので、シール部材130、130′が引っ掛かることが抑制され、組み付け性が向上する。
また、シール部材130、130′が嵌装された第1メイン軸41に矯正治具140が嵌装された状態で、次のクラッチボス65の組み付け工程まで、第1メイン軸41が運搬あるいは保管される。
そのため、その運搬あるいは保管される間の時間を、矯正治具140によるシール部材130、130′の矯正に用いることができ、シール部材130、130′が嵌装された第1メイン軸41にクラッチボス65を組み付ける際に、シール部材130、130′が引っ掛かることがより防止されると同時に、第1メイン軸41を矯正治具140が覆うことでシール部材130、130′が嵌装された第1メイン軸41の保護を図ることができる。
以上、本発明の実施形態に係るシール部材の矯正治具および組み付け方法につき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項の発明の要旨の範囲で多様な態様で適用し得ることは勿論である。
例えば、「回転軸」はパワーユニットの第1メイン軸41に限定されず、「外筒部材」はクラッチボス65に限定されず、請求項1、請求項7の要件を満たす「回転軸」と「外筒部材」であれば、広く該当する。
5…パワーユニット、41…第1メイン軸(本発明の「回転軸」)、65…クラッチボス(本発明の「外筒部材」)、65c…中空孔、65d…近接内周面(本発明の「環状突出部」)
、65e、65g、65k…環状傾斜面、120…シール溝(本発明の「外周溝」)、120′…小径のシール溝(本発明の「小径の外周溝」)、130…シール部材、130a…最大外径、130′…小径のシール部材、131、131′…スリット(本発明の「切断部」)140…矯正治具、141A…大内径部、141B…小内径部、141a…挿入側端、142…入口傾斜面、142a…最大外径

Claims (6)

  1. 外筒部材(65)の内部に軸方向に挿入されて同外筒部材(65)とで小組体を構成する回転軸(41)の外周に環状に設けられた外周溝(120,120′)に、径方向に変形可能な環状形状に形成されて前記回転軸(41)の軸端側から軸方向に挿嵌されるシール部材(130,130′)の矯正治具(140)において、
    間隔を空けて設けられた複数の前記外周溝(120,120′)にそれぞれ前記シール部材(130,130′)が嵌装された前記回転軸(41)が挿入されることで、挿嵌時に拡径変形した前記シール部材(130,130′)を径方向内側に縮めるように矯正変形させるとともに、
    前記外周溝(120,120′)が配設される範囲に合わせて軸方向に延在する円筒部材で構成され
    前記シール部材(130,130′)は、環状形状の周方向において切断部(131,131′)を有し、径方向に変形可能とされたものであり、
    前記矯正治具(140)は、前記回転軸(41)が挿入されたときに、同回転軸(41)の前記外周溝(120,120′)に嵌装された前記シール部材(130,130′)を径方向に収縮変形させ、
    前記回転軸(41)は、前記矯正治具(140)に挿入される先端側が、前記外周溝(120)が形成され前記シール部材(130)が嵌装された後端側に比べて小径に形成されており、前記先端側の小径部にも小径の前記外周溝(120′)が形成されるとともに小径の前記シール部材(130′)が嵌装され、
    前記矯正治具(140)は、前記回転軸(41)の後端側の外径に合わせて内径を大径とした大内径部(140A)と、前記回転軸の前端側の外径に合わせて内径を小径とした小内径部(140B)を有し、
    前記矯正治具(140)の前記大内径部(140A)と前記小内径部(140B)との間が、接続傾斜面(143)を介して連続して接続されたことを特徴とするシール部材の矯正治具。
  2. 前記回転軸(41)が挿入される前記矯正治具(140)の挿入側端(141a)における内周側角部に入口傾斜面(142)が形成されたことを特徴とする請求項1記載のシール部材の矯正治具。
  3. 前記入口傾斜面(142)の外周側寄りの最大外径(142a)が、前記回転軸(41)の外周溝(120)に嵌装された前記シール部材(130)の拡径変形した最大外径(130a)より大きく設定されたことを特徴とする請求項記載のシール部材の矯正治具。
  4. 前記回転軸(41)の外周溝(120)は、前記小組体において、前記外筒部材(65)の中空孔(65c)の内周面に軸中心側に突出し軸方向両端部に環状傾斜面(65e,65g,65k)が形成された環状突出部(65d)に対峙するように設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか記載のシール部材の矯正治具。
  5. 外筒部材(65)の内部に軸方向に挿入されて同外筒部材(65)とで小組体を構成する回転軸(41)の外周に環状に設けられた外周溝(120,120′)に、径方向に変形可能な環状形状に形成されて、同回転軸(41)の軸端側から軸方向に挿嵌されるシール部材(130,130′)が嵌装された同回転軸(41)を、外筒部材(65)の内部に軸方向に挿入して同外筒部材(65)を組み付ける際に、
    請求項記載のシール部材の矯正治具(140)を前記回転軸(41)に嵌装することによって、前記シール部材(130,130′)を径方向内側に縮めるように矯正変形させてから、前記回転軸(41)に前記外筒部材(65)を組み付けることを特徴とするシール部材の組み付け方法。
  6. 前記シール部材(130,130′)が嵌装された前記回転軸(41)に前記矯正治具(140)が嵌装された状態で、次の前記外筒部材(65)の組み付け工程まで、前記回転軸(41)が運搬あるいは保管されることを特徴とする請求項記載のシール部材の組み付け方法。
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