JP4573743B2 - 補機駆動用伝動機構を備える動力装置 - Google Patents

補機駆動用伝動機構を備える動力装置 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関および変速機を備える動力装置に関し、詳細には、内燃機関の補機を駆動すべく駆動スプロケットおよび被動スプロケットに巻き掛けられた無端伝動帯を備える補機駆動用伝動機構に関する。
内燃機関の補機を駆動する補機駆動用伝動機構として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。開示されたこの伝動機構は、補機であるオイルポンプを内燃機関の回転により駆動すべく、変速機のメイン軸に設けられた駆動スプロケットと該駆動スプロケットに巻き掛けられたチェーンとを備える。また、内燃機関のクランク軸と、変速機の入力軸であるメイン軸および出力軸であるカウンタ軸とは、車両の前後方向に並んで配列されると共に、クランクケースをアッパーケースとロアケースとに分割する分割面上に互いに平行に配置され、オイルポンプは前記分割面よりも下方に配置される。
特開2002−235548号公報(図6)
前述の従来の技術では、駆動スプロケットが設けられるメイン軸は、クランクケースの分割面上に配置されるため、分割面よりも下方に配置されるオイルポンプとの距離が短く、チェーンを案内するガイドは不要である。しかしながら、内燃機関および変速機を前後方向でコンパクトに配置して、内燃機関および変速機から構成される動力装置の前後長を短縮してコンパクト化を図るために、メイン軸を分割面から上方に離れた位置に配置することにより、クランク軸とカウンタ軸との軸間距離を短くすると、メイン軸に設けられる駆動スプロケットと分割面よりも下方に配置されたオイルポンプとの距離が増加して、チェーンの振れが生じることがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜6記載の発明は、動力装置のコンパクト化および無端伝動帯の振れの効果的な抑制を図ることを目的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、駆動スプロケットでの無端伝動帯の歯飛びを防止することを目的とし、請求項4記載の発明は、さらに、無端伝動帯の振れの減衰効果を高めると共にガイドの軽量化を図ることを目的とする。
請求項1記載の発明は、分割面にて上下に分割される上クランクケースと下クランクケースとが結合されて構成されるクランクケースと、前記クランクケースに回転可能に支持されて前記分割面上に配置されるクランク軸と、前記分割面よりも下方に配置される補機と、前記補機を駆動すべく駆動スプロケットおよび被動スプロケットに掛け渡された無端伝動帯を備える補機駆動用伝動機構とを備える内燃機関と、前記クランク軸からの動力が入力される入力軸と、前記入力軸よりも下方に位置して変速後の動力を出力する出力軸とを備え、前記入力軸および前記出力軸は前記クランク軸に平行に配置される変速機と、を備える動力装置において、前記駆動スプロケットは前記分割面から上方に離れた位置に配置された入力軸に設けられ、前記被動スプロケットは前記補機の駆動軸に設けられ、前記伝動機構は、前記無端伝動帯が摺接すると共に前記無端伝動帯の走行方向に沿って細長い長尺状のガイドを備え、前記ガイドは、その取付部において前記上クランクケースのみに取り付けられて、前記上クランクケースと前記下クランクケースとに跨って配置される動力装置である。
これによれば、入力軸が分割面から上方に離れて配置されることから、入力軸が分割面上にない分、クランク軸および出力軸の軸間距離を短くできるので、クランク軸および出力軸の配列方向で、動力装置の長さを短くすることができる。また、ガイドが分割面を越えて上クランクケースおよび下クランクケースに渡って配置されるので、無端伝動帯の振れを広範囲で抑制できるうえ、ガイドが上クランクケースのみに取り付けられるので、動力装置の組立またはメンテナンスの際に、ガイドが、上クランクケースおよび下クランクケースから構成されるクランクケースの組付作業および分解作業の妨げにならない。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の動力装置において、前記走行方向に平行な方向での前記ガイドの両端部のうちの一方の端部は、前記無端伝動帯から離れる方向に屈曲して形成された屈曲部により構成される前記取付部であり、前記取付部は、締結具により前記上クランクケースに締結されると共に、前記駆動スプロケットにおける前記無端伝動帯の巻入れ部の近傍に位置するものである。
これによれば、取付部は、駆動スプロケットの巻入れ部の近傍に位置するうえ、締結具により剛性が高められる。しかも、取付部は屈曲部により構成されるので、屈曲している分、駆動スプロケットが設けられる入力軸を回転可能に支持する軸受部分から離れて位置することになる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の動力装置において、前記駆動スプロケットと比べたとき前記被動スプロケット寄りに配置されて前記被動スプロケットにおける前記無端伝動帯の巻入れ部寄りで前記無端伝動帯が摺接する別のガイドを備え、前記別のガイドは、前記駆動スプロケット寄りに位置して前記下クランクケースに締結される締結部と、前記被動スプロケットにおける前記巻入れ部寄りに位置して前記下クランクケースに係合する係合部とを有する
ものである。
これによれば、駆動スプロケットおよび被動スプロケットのうち、被動スプロケット寄りに配置される別のガイドにおいて、駆動スプロケット寄りの部分では、別のガイドが駆動スプロケットから離れている分、締結部の配置スペースの確保が容易であり、被動スプロケット寄りの部分では、係合部が係合するだけのスペースが確保されればよいので、被動スプロケット付近で下クランクケースを大型化することなく、別のガイドを被動スプロケットに近づけて配置できる。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の動力装置において、前記ガイドは、記無端伝動帯が摺接する案内面を有する本体部を有し、前記走行方向に直交する直交平面での前記本体部の断面形状は、前記案内面に垂直な方向に沿って延びる連結壁を有するH字状であるものである。
これによれば、案内面を有する本体部が肉抜きされることにより、ガイドが軽量化される一方で、本体部の剛性が低下して、無端伝動帯の振れを減衰させる効果が高められる。また、断面形状がH形状であることにより、ガイドに所要の剛性を持たせることができる
請求項5記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の動力装置において、前記入力軸には、前記入力軸に対する前記クランク軸から動力の伝達および遮断を行うクラッチが同軸に連結され、前記取付部は、前記上クランクケースにおいて前記入力軸を回転可能に支持する支持壁に取り付けられ、前記ガイドは前記支持壁および前記クラッチの間に配置されるものである。
これによれば、入力軸を回転可能に支持する支持壁を利用することにより、ガイドが取り付けられるので、ガイドを取り付けるため専用の部材を別途設ける必要がない。しかも、ガイドは支持壁とクラッチの間に配置されるので、比較的大きな部材であるクラッチが入力軸と同軸に配置されることで生じるスペースを利用してガイドを配置することができる。
請求項6記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の動力装置において、前記ガイドは、前記無端伝動帯が摺接する案内面を有する本体部と、前記本体部の背面から背後に突出して前記クランクケースに係合するフック状係合部とを有するものである。
これによれば、無端伝動帯に振れが発生したとき、フック状係合部は、本体部が無端伝動帯に押されて案内面に垂直な方向に移動することを防止するので、振れを抑制する効果の低下が防止される。また、フック状係合部であるため、本体部との間に形成される空隙を利用して容易に被係合部に係合させることができる。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、クランク軸および出力軸の軸間距離を短くできるので、クランク軸および出力軸の配列方向で動力装置をコンパクト化できる。そして、ガイドは、無端伝動帯の振れを広範囲で抑制できるので、無端伝動帯の振れを効果的に抑制でき、しかも動力装置の組立またはメンテナンスの作業性を低下させることがない。
請求項2記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、駆動スプロケットの巻入れ部の近傍に、締結具により剛性が高められた取付部が位置するので、ガイドにより無端伝動帯の歯飛びが効果的に防止される。しかも、取付部は、駆動スプロケットの巻入れ部の近傍に位置するにも拘わらず、入力軸の軸受部分の強度に影響を与えることがない。
請求項3記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、下クランクケースを大型化することなく別のガイドを被動スプロケットに近づけて配置できるので、別のガイドによる無端伝動帯の振れ抑制効果および歯飛び防止効果を発揮させることができる。
請求項4記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、所要の剛性が確保されたうえで、ガイドが軽量化され、しかも無端伝動帯の振れの減衰効果を高めることができる。
請求項5記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、ガイドを取り付けるための専用の部材を別途設ける必要がないので、ガイドを取り付けるための構造が複雑化することがないうえ、動力装置が軽量化される。しかも、ガイドはクラッチの配置により生じるスペースを利用して配置されるので、ガイドが配置されることによる動力装置の大型化が防止される。
請求項6記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、フック状係合部により、無端伝動帯の振れの抑制効果の低下が防止され、しかも上クランクケースへのガイドの取付時に被係合部への係合が容易になるので、ガイドの取付作業性が向上する。
以下、本発明の実施形態を図1ないし図5を参照して説明する。
図1,図2を参照すると、本発明が適用された動力装置Pは、車両としての自動二輪車に搭載されるものであり、水冷式の多気筒4ストローク内燃機関Eと、該内燃機関Eが発生する動力を駆動輪としての後輪に伝達する動力伝達機構を構成するクラッチとしての多板摩擦式クラッチCおよび変速機としての常時噛合い式歯車変速機Mとを備える。
クランク軸8の回転中心線L1が左右方向を指向する横置き配置で自動二輪車に搭載される内燃機関Eは、4つのシリンダ1aが直列に配列されて一体成形されたシリンダブロック1と、シリンダブロック1の上端部に結合されるシリンダヘッド2と、シリンダヘッド2の上端部に結合されるヘッドカバー3と、シリンダブロック1の下端部に結合される下クランクケース21と、下クランクケース21の下端部に結合されるオイルパン5とから構成される機関本体を備える。
なお、この実施形態において、「前後」、「上下」および「左右」は、特に断らない限り、動力装置Pが自動二輪車に搭載された状態での「前後」、「上下」および「左右」をそれぞれ意味する。また、軸方向とは、回転中心線L1に平行な方向を意味する。
各シリンダ1aに往復動可能に嵌合するピストン6は、コンロッド7を介してクランク軸8に連結される。クランク軸8は、シリンダブロック1の下部により構成される上クランクケース11と下クランクケース21とが結合されて構成されるクランクケース4により形成されるクランク室10内に収納されて、上クランクケース11および下クランクケース21に挟持される主軸受9を介してクランクケース4に回転可能に支持され、かつ上クランクケース11と下クランクケース21との分割面H上に回転中心線L1を有する。
シリンダヘッド2には、シリンダ1a毎に、シリンダ軸線Lcが延びる方向でピストン6に対向して形成される燃焼室30と、燃焼室30に開口して1対の吸気弁33により開閉される吸気ポート31および1対の排気弁34により開閉される排気ポート32とが形成され、さらに燃焼室30に臨む点火栓35が装着される。各吸気弁33および各排気弁34は、シリンダヘッド2に回転可能に支持される吸気カム軸36および排気カム軸37を備えるDOHC型の動弁装置によりクランク軸8の回転に同期して開閉される。そのために、各カム軸36,37は、クランク室10から突出するクランク軸8の右の軸端部8aに設けられる駆動スプロケット38aと、各カム軸36,37の右の軸端部に設けられるカムスプロケット38b,38cと、それらスプロケット38a,38b,38cに巻き掛けられるタイミングチェーン38dとから構成される動弁用の伝動機構38により、クランク軸8の1/2の回転速度で回転駆動される。
吸気装置からの吸入空気と燃料との混合気は、吸気ポート31を通って各吸気弁33の開弁時に各燃焼室30に流入し、点火栓35により点火されて燃焼する。燃焼室30内の燃焼ガスの圧力により駆動されて往復運動するピストン6がクランク軸8を回転駆動する。燃焼ガスは、排気ガスとして排気弁34の開弁時に排気ポート32に流出し、さらに排気装置を通じて外部に排出される。
軸端部8aには、クランク室10寄りから順に、駆動スプロケット38aと、始動電動機により駆動される始動用被動ギヤ39の回転をクランク軸8に伝達する一方向クラッチ40とが設けられる。そして、軸方向での上クランクケース11および下クランクケース21の一方側としての右側の端壁12,22において軸方向に突出する突出壁12a,22aは、被動ギヤ39およびクラッチCを囲む周壁を構成し、突出壁12a,22aの軸方向での端面である合わせ面12b,22bには、右側のケースカバー45が多数のボルトにより結合され、該ケースカバー45および端壁12,22により、軸端部8a、駆動スプロケット38a、被動ギヤ39およびクラッチCが収納される共にクランク室10に開放する収納室28が形成される。
一方、クランク室10から突出するクランク軸8の左の軸端部8bには、交流発電機41のロータ41aが設けられる。そして、軸方向での上クランクケース11および下クランクケース21の他方側としての左側の端壁13,23において軸方向に突出する突出壁13a,23aは、交流発電機41を囲む周壁を構成し、突出壁13a,23aの軸方向での端面である合わせ面13b,23bには左側のケースカバー46が多数のボルトにより結合され、該ケースカバー46および端壁13,23により軸端部8bおよび交流発電機41が収納される収納室29が形成される。
図3を併せて参照すると、クランク軸8の動力は、1次減速機構50を介してクラッチCに伝達され、さらにクラッチCから歯車変速機Mに伝達される。1次減速機構50は、クランク軸8に一体成形された駆動ギヤ50aと、該駆動ギヤ50aに噛合すると共にクラッチCの入力側部材としてのクラッチアウタ51に一体に回転するように設けられる被動ギヤ50bとから構成される。
歯車変速機Mは、クラッチCの出力側部材としてのクラッチインナ52にスプライン結合により一体に回転するように連結されると共にメイン側変速ギヤ群55が装着されるメイン軸53と、変速ギヤ群55を構成する複数の変速ギヤ55aとそれぞれ噛合する複数の変速ギヤ56aから構成されるカウンタ側変速ギヤ群56および出力部材としての出力スプロケット59が装着されるカウンタ軸54と、変速レバーにより駆動されるシフトスピンドル57により操作されて回動するシフトドラム58を有する変速操作機構と、を備える。ここで、メイン軸53はクランク軸8からの動力が入力される入力軸であり、カウンタ軸54は変速後の動力を出力する出力軸である。
前記変速操作機構は、メイン軸53またはカウンタ軸54と一体に回転すると共に一部の変速ギヤ55aおよび変速ギヤ56aにより構成されるシフタ55a1,56a1を有し、該シフタ55a1,56a1は、前記変速レバーの操作に応動するシフトドラム58により駆動されるシフトフォーク(図示されず)を介して軸方向に移動させられ、所望の変速比を確立するために、互いに噛合する変速ギヤ55aおよび変速ギヤ56aをそれぞれメイン軸53およびカウンタ軸54と一体に回転するように連結する。
そして、歯車変速機Mにより変速された後のクランク軸8の動力は、出力スプロケット59と後輪の被動スプロケットとに掛け渡された伝動チェーン60とを備える2次減速機構を介して後輪に伝達される。
メイン軸53、カウンタ軸54および両変速ギヤ群55,56は、上クランクケース11の一部分である後部により構成される第1ミッションケースとしての上ミッションケース14と、下クランクケース21の一部分である後部により構成される第2ミッションケースとしての下ミッションケース24とから構成されるミッションケースにより形成されるミッション室20に収納される。クランク室10の後方に位置するミッション室20は、上ミッションケース14および下ミッションケース24の一部分で構成される第1隔壁18および第2隔壁19により、クランク室10および収納室28から隔てられていると共に、クランク室10および収納室28と同様に下方に向かってオイルパン5に開放している。ここで、第1隔壁18は、上ミッションケース14および下ミッションケース24の、クランクケース4内での突出壁15,25により構成され、第2隔壁19は、上ミッションケース14および下ミッションケース24の端壁16,26(端壁12,22の一部分である後部により構成される。)により構成される。
軸方向にほぼ平行に延びる第1隔壁18は、軸方向に直交する方向(以下、「直交方向」という。)でクランク室10からミッション室20を仕切り、直交方向にほぼ平行に延びる第2隔壁19は、軸方向でクランク室10および収納室28からミッション室20を仕切る。
メイン軸53は、第2隔壁19と、軸方向で第2隔壁19に対向する上ミッションケース14の左の端壁17(上クランクケース11の後部の左の端壁13の一部分である。)とに、それぞれメイン軸53を支持する軸受部分である1対の軸受61,62を介して回転可能に支持される。カウンタ軸54は、第2隔壁19と、軸方向で第2隔壁19に対向する上ミッションケース14の端壁17および下ミッションケース24の端壁27(下クランクケース21の後部の左の端壁23の一部分である。)とに、それぞれ1対の軸受63,64を介して回転可能に支持される。軸受63は、第2隔壁19において分割された2つの隔壁部分である両端壁16,26に挟持され、軸受64は両端壁17,27に挟持される。
メイン軸53およびカウンタ軸54は、互いに平行に配置され、回転中心線L1に平行な回転中心線L2,L3をそれぞれ有する。カウンタ軸54の回転中心線L3は分割面H上に位置し、メイン軸53は、回転中心線L1、軸端部8a,8bおよびカウンタ軸54よりも上方に配置される。さらに、クランク軸8およびカウンタ軸54は、分割面H上に配置、すなわち分割面Hと交差する位置に配置され、メイン軸53は分割面Hから上方に離れた位置に配置され、クランク軸8およびカウンタ軸54はメイン軸53よりも下方に位置する。また、クランク軸8およびカウンタ軸54が互いに平行に並列して配置される方向、すなわち配列方向は、この実施形態では前後方向に一致する。しかも、前後方向で回転中心線L2は、両回転中心線L1,L3の間に位置する。
ミッション室20から右に突出して収納室28内で延びるメイン軸53の軸端部53aには、ミッション室20側から順に、駆動スプロケット101 と、被動ギヤ50bと、メイン軸53に対するクランク軸8から動力の伝達および遮断を行うクラッチCとが同軸に設けられる。クラッチアウタ51に一体に回転するように結合される被動ギヤ50bは、軸端部53aに相対回転可能に支持されるカラー65と、カラー65の外周に設けられるニードル軸受からなる軸受66を介して、メイン軸53に回転可能に支持される。
後述するオイルポンプ80および水ポンプ90を回転駆動する伝動機構Tを構成する駆動スプロケット101 は、軸方向で軸受61とクラッチCとの間、または軸受61を介してメイン軸53を支持する支持壁としての端壁16(上ミッションケース14を構成する第2隔壁19でもある。)とクラッチCとの間に配置されて、カラー67を介して軸端部53aに回転可能に支持され、さらに被動ギヤ50bと一体に回転するように、一体成形された突起が被動ギヤ50bの孔に嵌合して被動ギヤ50bに結合される。それゆえ、駆動スプロケット101 は、1次減速機構50を介してクランク軸8により駆動される。
図1,図3を参照すると、内燃機関Eおよび歯車変速機Mの潤滑系統は、オイルパン5と、オイルパン5からストレーナ68および吸入管69を経て吸入した潤滑油を吐出するオイルポンプ80と、オイルポンプ80から吐出された潤滑油を清浄にするオイルフィルタ70と、オイルフィルタ70を流通した後の潤滑油を冷却する水冷式のオイルクーラ(図示されず)と、内燃機関Eおよび歯車変速機Mの各潤滑箇所をはじめ所要の箇所に潤滑油を導く多数の油路と、から構成される。
内燃機関Eの補機としてのオイルポンプ80は、クランク軸8の動力により回転駆動されると共にトロコイドポンプから構成され、回転中心線L1に平行な回転中心線を有する駆動軸81と、吸入ポートおよび吐出ポートが設けられたポンプボディ82と、駆動軸81により回転駆動されるロータ84を収容すると共にポンプボディ82にボルトにより結合されるポンプカバー83とを備える。ポンプカバー83が下クランクケース21に複数のボルト85で結合されることにより、オイルポンプ80がクランクケース4に取り付けられる。
そして、オイルストレーナ68および吸入管69を経てオイルパン5から汲み上げられた潤滑油は、オイルポンプ80から吐出され、次いで吐出導管71を経て下クランクケース21に設けられた油路72を通ってオイルフィルタ70に流入する。オイルフィルタ70を通過した潤滑油は、油路73を通ってオイルクーラに導かれ、オイルクーラを通過した後にメインギャラリ74に流入する。その後、メインギャラリ74の潤滑油が、下クランクケース21、シリンダブロック1およびシリンダヘッド2に設けられた各油路を経て、内燃機関Eおよび歯車変速機Mの各潤滑箇所に供給される。そして、各潤滑箇所を潤滑した後の潤滑油は、クランク室10、収納室28およびミッション室20内を落下または流下してオイルパン5に戻る。
また、内燃機関Eの冷却系統は、下クランクケース21に装着されて冷却水を圧送する水ポンプ90を備える。内燃機関Eの補機としての水ポンプ90は、オイルポンプ80の駆動軸81と同軸に設けられて一体に回転する駆動軸91と、下クランクケース21に嵌合して保持されると共に駆動軸91を回転可能に支持するポンプボディ92と、ポンプボディ92に結合されるポンプカバー93と、駆動軸91により回転駆動されるインペラ94と、を備える。
ポンプボディ92およびポンプカバー93により形成されてインペラ94が収納されるポンプ室95には、ラジエータで放熱して低温となった冷却水がポンプカバー93の入口ポート93aから流入し、インペラ94により圧送された冷却水がポンプカバー93に設けられた出口ポートから流出して、導管を通ってシリンダブロック1やシリンダヘッド2に設けられた冷却水通路に供給される。
オイルポンプ80および水ポンプ90は、ミッション室20の真下で、ミッション室20とオイルパン5との間の空間に配置され、両駆動軸81,91はクランク室10およびミッション室20よりも下方に配置される。そして、メイン軸53(したがって回転中心線L2)が両回転中心線L1,L3を含む平面である分割面Hの上方に配置される一方、オイルポンプ80および水ポンプ90が、分割面Hよりも下方で分割面Hから離れた位置に配置される。
図1,図3,図4を参照すると、内燃機関Eに備えられて、オイルポンプ80の駆動軸81および水ポンプ90の駆動軸91を回転駆動するための補機駆動用伝動機構Tは、駆動ホイールとしての駆動スプロケット101 と、駆動軸81に一体に回転するように設けられる被動ホイールとしての被動スプロケット102 と、両スプロケット101 ,102 に掛け渡される無端伝動帯としての無端チェーン103 と、無端チェーン103 の外周側に接触して無端チェーン103 を案内して無端チェーン103 の振れを抑制する1対のガイドとしてのチェーンガイド120 ,160 とを備える。
収納室28の下部に配置される被動スプロケット102 は、駆動軸81の右の軸端部に軸方向にねじ込まれるボルト104 で結合され、伝動機構Tにより、被動スプロケット102 は駆動スプロケット101 と等速で回転駆動される。
第1のチェーンガイド120 は、被動スプロケット102 と比べたとき駆動スプロケット101 寄りに配置されると共に、分割面Hに対して、その半分以上がオイルポンプ80および水ポンプ90とは反対側である上側またはメイン軸53側に位置するように、かつ軸方向から見て(以下、「側面視」という。)その半分以上がクラッチCのクラッチアウタ51および被動ギヤ50bと重なるように配置される(図1参照)。また、チェーンガイド120 は、図2に示されるように、軸方向でミッション室20を形成する端壁16と被動ギヤ50bとの間で、しかも右端のシリンダ1aに嵌合するピストン6が連結されるクランクピン8cと交差すると共に回転中心線L1に直交する平面h1と交差する位置に配置される。この平面h1は、軸方向で、クランクピン8cを挟む1対のクランクウェブ8dの間に位置する。そして、軸方向で端壁16と被動ギヤ50bとの間は、クランク室10とミッション室20とを隔てる壁がないスペースである。
図1,図4を参照すると、無端チェーン103 の走行方向に沿って長細い長尺状であって、側面視でほぼL字状のチェーンガイド120 は、無端チェーン103 の張り側部分103bが摺接する案内面124aを有すると共に無端チェーン103 に沿って延びる本体部121 と、本体部121 に連なると共にチェーンガイド120 が取り付けられる端壁16(上クランクケース11の一部である上ミッションケース14を構成する第2隔壁19でもある。)に固定状態で取り付けられる取付部131と、本体部121 の背面125aから背後に突出して端壁16の被係合部としての円柱状のピン153 に係合する係合部141 とを一体に有し、本体部121 、取付部131 および係合部141 が、弾性材、例えば合成樹脂により一体成形された部材である。そして、チェーンガイド120 は、取付部131 において端壁16のみに取り付けられ、端壁16と端壁26とに跨って配置される。
端壁16および端壁26に渡って延びている本体部121 は、チェーンガイド120 に対する無端チェーン103 の走行方向で、取付部131に近い位置にある基端部122 と、基端部122 に比べて取付部131 から遠い位置にある先端部123 とを有する。本体部121 は基端部122 で取付部131 と連結され、基端部122 は駆動スプロケット101 において無端チェーン103 との噛合開始部分である巻入れ部101aに近接して配置される。そして、案内面124aには、巻入れ部101a寄りで無端チェーン103が摺接し、巻入れ部101aの近傍、この実施形態では、駆動スプロケット101 の歯列の3ピッチp分以内の長さで巻入れ部101aから離れた位置まで無端チェーン103が摺接する。それゆえ、取付部131 は巻入れ部101aの近傍に位置する。また、係合部141 は、走行方向で基端部122 と先端部123 との間で両者のほぼ中央に、または走行方向で案内面124aのほぼ中央に位置する。
本体部121 には、無端チェーン103 の振れを減衰させ易くするために、本体部121 がある程度弾性変形し易くなるように、案内面124aに垂直な方向(以下、「垂直方向」という。)で案内面124aと対向する背面125aとの間に、軸方向で反対方向に向かって開放する凹部126 が設けられる。
この凹部126 を形成すべく、本体部121 は、垂直方向で凹部126 を挟んで、案内面124aを有する案内壁124 と、背面125aを有する背後壁125 と、走行方向および垂直方向に平行に延びて案内壁124 と背後壁125 を連結する第1連結壁127とを有する。連結壁127は、軸方向での本体部121 の幅W3の中央部に設けられるため、走行方向に直交する直交平面h2での本体部121 の断面形状は、H字状である。そして、凹部126 は、走行方向で、背後壁125 における係合部141 との連結部125bを含む範囲であって、連結部125bの幅W1よりも広い範囲に渡って設けられ、この実施形態では走行方向で案内面124aの過半に渡る範囲W2、より具体的には、案内面124a全体をほぼ含む範囲W2に設けられる。
本体部121 には、案内壁124 と背後壁125 とを連結すると共に連結壁127とも連結される複数、この実施形態では2つの第2連結壁128 ,129 が、凹部126 を走行方向で仕切るように、直交平面h2に平行に延びて設けられ、これら連結壁128 ,129 により、凹部126 は、複数の、ここでは3つの小凹部126a,126b,126cに分けられる。連結壁128 は、背後壁125 における連結部125bと案内壁124 とを連結し、連結壁129 は、基端部122 での背後壁125 における取付部131との連結部125cと案内壁124 とを連結する。各連結壁128 ,129 の軸方向での幅は、この実施形態では幅W3に等しい。
そして、連結壁127、および両連結壁128 ,129 は、チェーンガイド120 が無端チェーン103 の振れを抑制するための所要の剛性を本体部121 に付与する。
取付部131 は、走行方向に平行な方向でのチェーンガイド120 の両端部のうちの一方の端部であり、無端チェーン103 から離れる方向に屈曲して形成された屈曲部により構成され、係合部141 よりも巻入れ部101a 寄りで、締結具としてのボルト151 により端壁16の円柱状の取付座152に不動に結合される。なお、チェーンガイド120 の両端部のうちの他方の端部は先端部123 である。
幅W3よりも小さい軸方向での幅W4を有する係合部141 は、背面125aから、連結部125bにおいて垂直方向で案内面124aが位置する側とは反対側、すなわち背後に突出する部分であり、係合部141 には孔141aが設けられ、該孔141aに端壁16に一体成形されたピン153 が嵌入することにより、係合部141 が端壁16に係合する。そして、チェーンガイド120 は、チェーンガイド120 がない状態での無端チェーン103 の外周形状に案内面124aが沿う形態で端壁16に取り付けられる。
図1を参照すると、駆動スプロケット101 と比べたとき被動スプロケット102 寄りに配置される第2のチェーンガイド160 は、無端チェーン103 の弛み側部分103aが摺接する案内面161aを有する板状の本体部161 と、本体部161 を端壁26(下クランクケース21の一部である下ミッションケース24を構成する第2隔壁19でもある。)に固定状態で取り付けるための締結部162 および係合部163 と、を一体に有する。
案内面161aには、被動スプロケット102 において無端チェーン103 との噛合開始部分である巻入れ部102a寄りで無端チェーン103 が摺接し、巻入れ部102aの近傍、この実施形態では、被動スプロケット102 の歯列の3ピッチ分(図4(A)に示される駆動スプロケット101 のピッチpと同様である。)以内の長さで巻入れ部102aから離れた位置まで無端チェーン103 が摺接する。
締結部162 は、チェーンガイド110 において駆動スプロケット101 寄りに位置する部分であり、端壁26にねじ込まれる締結具としてのボルト164 により端壁26に不動に締結される。係合部163 は、チェーンガイド160 において巻入れ部102a寄りに位置する部分である。係合部163 には孔163aが設けられ、該孔163aに壁部26に一体成形された被係合部としてのピン165 が嵌入することにより、係合部163 が端壁26に係合する。そして、チェーンガイド160 は、チェーンガイド160 がない状態での無端チェーン103 の外周形状に案内面161aが沿う形態で端壁26に取り付けられる。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
動力装置Pにおいて、いずれもメイン軸53よりも下方に位置するカウンタ軸54とクランク軸8とが互いに平行に分割面H上に配置され、分割面Hよりも下方に位置するオイルポンプ80を駆動する伝動機構Tは、分割面Hから上方に離れた位置に配置されたメイン軸53に設けられる駆動スプロケット101 およびオイルポンプ80の駆動軸81に設けられる被動スプロケット102 に掛け渡された無端チェーン103 と、無端チェーン103 が摺接すると共にその走行方向に沿って細長い長尺状のチェーンガイド120 とを備え、チェーンガイド120 は、その取付部131 において端壁16のみに取り付けられて、上クランクケース11の端壁16と下クランクケース21の端壁26とに跨って配置されることにより、メイン軸53が分割面Hから上方に離れて配置されることから、メイン軸53が分割面H上にない分、分割面H上に配置されるクランク軸8およびカウンタ軸54の軸間距離を短くできるので、クランク軸8およびカウンタ軸53の配列方向である前後方向で、動力装置Pの長さを短くすることができる。また、チェーンガイド120 が分割面Hを越えて端壁16および端壁26に渡って配置されるので、無端チェーン103 の振れを広範囲で抑制できるうえ、チェーンガイド120 が端壁16のみに取り付けられるので、動力装置Pの組立またはメンテナンスの際に、チェーンガイド120 が、上クランクケース11および下クランクケース21から構成されるクランクケース4の組付作業および分解作業の妨げにならない。この結果、クランク軸8およびカウンタ軸54の軸間距離を短くできるので、前後方向で動力装置Pをコンパクト化できる。そして、チェーンガイド120 は、無端チェーン103 の振れを広範囲で抑制できるので、無端チェーン103 の振れを効果的に抑制でき、しかも動力装置Pの組立またはメンテナンスの作業性を低下させることがない。
走行方向に平行な方向でのチェーンガイド120 の両端部のうちの一方の端部は、無端チェーン103 から離れる方向に屈曲して形成された屈曲部により構成される取付部131 であり、取付部131 は、ボルト151 により端壁16に締結されると共に、駆動スプロケット101 の巻入れ部101aの近傍に位置することにより、取付部131 は、巻入れ部101aの近傍に位置するうえ、ボルト151 により剛性が高められるので、チェーンガイド120 により無端チェーン103 の歯飛びが効果的に防止される。しかも、取付部131 は屈曲部により構成されるため、屈曲している分、駆動スプロケット101 が設けられるメイン軸53を回転可能に支持する軸受61から離れて位置することになるので、取付部131 は、巻入れ部101aの近傍に位置するにも拘わらず、メイン軸53の軸受61の強度に影響を与えることがなく、メイン軸53が安定して支持される。
伝動機構Tが、チェーンガイド120 のほかに、駆動スプロケット101 と比べたとき被動スプロケット102 寄りに配置されて被動スプロケット102 の巻入れ部102aが摺接する別のチェーンガイド160 を備え、該チェーンガイド160 は、駆動スプロケット101 寄りに位置して下クランクケース21の端壁26に締結される締結部162 と、巻入れ部102a寄りに位置して端壁26に係合する係合部163 とを有することにより、チェーンガイド160 において、駆動スプロケット101 寄りの部分では、チェーンガイド160 が駆動スプロケット101 から離れている分、締結部162 の配置スペースの確保が容易であり、被動スプロケット102 寄りの部分では、係合部163 が係合するだけのスペースが確保されればよいので、被動スプロケット102 付近で下クランクケース21を大型化することなく、チェーンガイド160 を被動スプロケット102 に近づけて配置できる。この結果、下クランクケース21を大型化することなくチェーンガイド160 を被動スプロケット102 に近づけて配置できるので、チェーンガイド160 による無端チェーン103 の振れ抑制効果および歯飛び防止効果を発揮させることができる。
チェーンガイド120 は、無端チェーン103 が摺接する案内面124aを有する本体部124 を有し、走行方向に直交する直交平面h2での本体部124 の断面形状は、垂直方向に沿って延びる連結壁127を有するH字状であることにより、案内面124aを有する本体部124 が肉抜きされるために、チェーンガイド120 が軽量化される一方で、本体部124 の剛性が低下して、無端チェーン103 の振れを減衰させる効果が高められる。また、断面形状がH形状であることにより、チェーンガイド120 に所要の剛性を持たせることができる。この結果、所要の剛性が確保されたうえで、チェーンガイド120 が軽量化され、しかも無端チェーン103 の振れの減衰効果を高めることができる。
メイン軸53には、メイン軸53に対するクランク軸8から動力の伝達および遮断を行うクラッチCが同軸に連結され、取付部131 は、メイン軸53を回転可能に支持する支持壁である端壁16に取り付けられ、チェーンガイド120 は端壁16およびクラッチCの間に配置されることにより、メイン軸53を回転可能に支持する端壁16を利用することにより、チェーンガイド120 が取り付けられることから、チェーンガイド120 を取り付けるため専用の部材を別途設ける必要がないので、チェーンガイド120 を取り付けるための構造が複雑化することがないうえ、動力装置Pが軽量化される。しかも、チェーンガイド120 は、クラッチCと端壁16との間、またはクラッチCよりも端壁16寄りの被動ギヤ50bと端壁16との間に配置されるので、比較的大きな部材であるクラッチCおよび被動ギヤ50bがメイン軸53と同軸に配置されることで生じるスペースを利用してチェーンガイド120 を配置することができることから、チェーンガイド120 が配置されることによる動力装置Pの大型化が防止される。
また、軸方向で端壁16と被動ギヤ50bとの間は、クランク室10とミッション室20とを隔てる壁がないスペースであるので、巻入れ部101aの近傍から下方に向かって延びて端壁16と端壁26とに跨って延びる長尺のチェーンガイド120 の配置スペースを、動力装置Pを大型化することなく確保できる。
チェーンガイド120 がクランクピン8cと交差する平面h1と交差する位置に配置されることにより、クランクウェブ8dに干渉することなくチェーンガイド120 を長尺化できる。また、クランクピン8cに供給される潤滑油が遠心力で飛散し、チェーンガイド120 に衝突して付着した後に集合し、その集合した潤滑油が、チェーンガイド120 を流下またはチェーンガイド120 から落下して無端チェーン103 に供給されるので、無端チェーン103 の潤滑が促進される。
無端チェーン103 に振れが発生したとき、係合部141 は、本体部121 が無端チェーン103 に押されて垂直方向に移動することを防止するので、振れを抑制する効果の低下が防止される。
本体部121 と取付部131との連結部125cを有する基端部122 に連結壁129 が設けられることにより、取付部131の存在により基端部122 での剛性を高めることができるので、巻入れ部101a の直前での無端チェーン103 の振れを抑制して、歯飛びの発生の防止に寄与する。
本体部121 には、凹部126 が設けられることにより、凹部126 で本体部121が弾性変形しやすくな、るので、チェーンガイド120 の減衰効果が向上する。
本体部121 は、凹部126 を挟んで、案内面124aを有する案内壁124 と背面125aを有する背後壁125 とを有し、凹部126 は、無端チェーン103 の走行方向で、背後壁125 における係合部141 との連結部125bを含むと共に連結部125bよりも広い範囲に渡って設けられ、案内壁124 と背後壁125 を連結する連結壁127 〜129 が設けられることにより、無端チェーン103 の振れに対抗する係合部141 からの反力は、連結壁127 〜129 を介して本体部121 に伝達されるので、無端チェーン103 の振れが抑制される。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
チェーンガイド120 の係合部は、図5に示されるように、フック状係合部171 であってもよい。なお、チェーンガイド120 の、係合部171以外の構造は前述の実施形態と同様である。この係合部171 は、係合部141 と同様に背後に突出する立上がり部172 と、立上がり部172 に連なって先端部123 側からピン153 の外周を囲むように延びると共に、案内面124aとほぼ平行に対面する端面173bを有する端部173aを有する円弧状の鉤部173 とから構成される。立上がり部172 は、走行方向でピン153 に対して取付部131とは反対側の位置で突出する。それゆえ、係合部171 には、ピン153 を囲まない開口174 が走行方向でピン153 に対して取付部131側および垂直方向で背面125aに対向する側に形成されて、鉤部173 は部分的にピン153 の外周の過半を包囲する。そして、垂直方向で端面173bと背面125aとの間の空隙175 は、ピン153 の直径とほぼ等しく、開口174を通じて係合部171 をピン153 に容易に係合させることができる。
このように、チェーンガイド120 が上クランクケース11のピン153 に係合するフック状係合部171 を有することにより、無端チェーン103 に振れが発生したとき、係合部171 は、本体部121 が無端チェーン103 に押されて垂直方向に移動することを防止するので、チェーンガイド120 の、振れを抑制する効果の低下が防止される。また、係合部171 がフック状であるため、本体部121 との間に形成される空隙175 を利用して容易にピン153 に係合させることができるので、チェーンガイド120 の取付の作業性が向上する。
伝動機構Tを構成する無端伝動帯は、駆動スプロケットおよび被動スプロケットに噛合する歯を有する歯付ベルトであってもよい。
変速機は、常時噛合い式以外の歯車変速機でもよく、歯車変速機以外の変速機であってもよい。
伝動機構Tは、オイルポンプおよび水ポンプのいずれか1つを駆動するものであってもよい。内燃機関の補機は、オイルポンプおよび水ポンプ以外のものであってもよい。
本発明が適用された伝動機構を備える内燃機関および変速機を備える動力装置において、ケースカバーを外した状態で、一部を断面で示す右側面図であり、図2における概ねI−I矢視図である。 図1の概ねII−II線断面図である。 図1の概ねIII−III線断面図である。 (A)は、図1のチェーンガイド付近の拡大図であり、(B)は、(A)のB−B線断面図であり、(C)は、(A)のC−C線断面図であり、(D)は、(A)のD−D線断面図である。 本発明の別の実施形態を示し、図4(A)に対応する図である。
符号の説明
1…シリンダブロック、4…クランクケース、8…クランク軸、53…メイン軸、54…カウンタ軸、80…オイルポンプ、90…水ポンプ、120 …チェーンガイド、P…動力装置、E…内燃機関、C…クラッチ、M…歯車変速機、T…伝動機構。

Claims (6)

  1. 分割面にて上下に分割される上クランクケースと下クランクケースとが結合されて構成されるクランクケースと、前記クランクケースに回転可能に支持されて前記分割面上に配置されるクランク軸と、前記分割面よりも下方に配置される補機と、前記補機を駆動すべく駆動スプロケットおよび被動スプロケットに掛け渡された無端伝動帯を備える補機駆動用伝動機構とを備える内燃機関と、
    前記クランク軸からの動力が入力される入力軸と、前記入力軸よりも下方に位置して変速後の動力を出力する出力軸とを備え、前記入力軸および前記出力軸は前記クランク軸に平行に配置される変速機と、
    を備える動力装置において、
    前記駆動スプロケットは前記分割面から上方に離れた位置に配置された入力軸に設けられ、前記被動スプロケットは前記補機の駆動軸に設けられ、前記伝動機構は、前記無端伝動帯が摺接すると共に前記無端伝動帯の走行方向に沿って細長い長尺状のガイドを備え、前記ガイドは、その取付部において前記上クランクケースのみに取り付けられて、前記上クランクケースと前記下クランクケースとに跨って配置されることを特徴とする動力装置。
  2. 前記走行方向に平行な方向での前記ガイドの両端部のうちの一方の端部は、前記無端伝動帯から離れる方向に屈曲して形成された屈曲部により構成される前記取付部であり、前記取付部は、締結具により前記上クランクケースに締結されると共に、前記駆動スプロケットにおける前記無端伝動帯の巻入れ部の近傍に位置することを特徴とする請求項1記載の動力装置。
  3. 前記駆動スプロケットと比べたとき前記被動スプロケット寄りに配置されて前記被動スプロケットにおける前記無端伝動帯の巻入れ部寄りで前記無端伝動帯が摺接する別のガイドを備え、前記別のガイドは、前記駆動スプロケット寄りに位置して前記下クランクケースに締結される締結部と、前記被動スプロケットにおける前記巻入れ部寄りに位置して前記下クランクケースに係合する係合部とを有することを特徴とする請求項1または2記載の動力装置。
  4. 前記ガイドは、前記無端伝動帯が摺接する案内面を有する本体部を有し、前記走行方向に直交する直交平面での前記本体部の断面形状は、前記案内面に垂直な方向に沿って延びる連結壁を有するH字状であることを特徴とする請求項1または2記載の動力装置。
  5. 前記入力軸には、前記入力軸に対する前記クランク軸から動力の伝達および遮断を行うクラッチが同軸に連結され、前記取付部は、前記上クランクケースにおいて前記入力軸を回転可能に支持する支持壁に取り付けられ、前記ガイドは前記支持壁および前記クラッチの間に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の動力装置。
  6. 前記ガイドは、前記無端伝動帯が摺接する案内面を有する本体部と、前記本体部の背面から背後に突出して前記クランクケースに係合するフック状係合部とを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の動力装置。

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