JP2011131738A - 荷受台昇降装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クロスメンバ内に油圧パワーユニット、ワイヤ送り装置および油圧シリンダを設置し、油圧パワーユニットをワイヤ送り装置および油圧シリンダより後部開口側に設置した荷受台昇降装置において、ワイヤ送り装置や油圧シリンダをメンテナンスするために必要な作業時間および作業労力を軽減する。
【解決手段】油圧シリンダ、ワイヤ送り装置8および油圧パワーユニット10は、ポスト2,2間に設置されたクロスメンバ7内に設けられ、油圧パワーユニット10は、油圧シリンダおよびワイヤ送り装置8よりもクロスメンバ7の後部開口側に設置されている。そして、油圧パワーユニット10をクロスメンバ7内に設けた支点を中心に回動させることにより、油圧パワーユニット10の一部又は全部をクロスメンバ7の後部開口から出入り可能とする油圧パワーユニット回動手段を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、車輌の荷台後部に設けられる荷受台昇降装置に関する。特に、クロスメンバ内に配設された油圧シリンダによって荷受台を昇降させる荷受台昇降装置に関する。
従来、この種の荷受台昇降装置としては、車輌の荷台の後端両側にそれぞれ立設されたポスト内にスライダが昇降自在に挿入され、これらスライダに荷受台が支持されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この荷受台昇降装置では、ポスト間に連結されたクロスメンバ内に油圧シリンダが配設されており、この油圧シリンダの伸縮動作によってワイヤを介してスライダおよび荷受台を昇降させる。
特許文献1の荷受台昇降装置は、具体的には、図11に示すように、車輌の荷台1の後端両側にそれぞれ立設された一対のポスト2と、各ポスト2内に摺動自在に挿入されたサブポスト3を介して昇降自在に挿入されたスライダ4と、これら左右のスライダ4に回動自在に支持された荷受台としてのテールゲート5と、油圧シリンダ6の伸縮動作によりワイヤ9をクロスメンバ22内からポスト2内へ繰り出し又はワイヤ9をポスト2内からクロスメンバ22内へ引き寄せることでスライダ4を昇降させるワイヤ送り装置(不図示)と、油圧シリンダ6に圧油を供給する油圧パワーユニットPを備えている。
この荷受台昇降装置では、油圧シリンダ6のロッドを収縮させると、クロスメンバ22内のワイヤ9は、ポスト2内へ繰り出されてスライダ4が下降し、サブポスト3およびテールゲート5も下降する。反対に、油圧シリンダ6のロッドを伸長させると、ポスト2内のワイヤ9は、クロスメンバ22内に引き寄せられてスライダ4が上昇し、サブポスト3およびテールゲート5も上昇する。
上記荷受台昇降装置では、張力が発生するワイヤ9に経年使用による伸びが生じ、スライダ4、テールゲート5等が本来の位置からずれるようになる。そこでテールゲート5等の位置を補正するために、ワイヤ9の端位置が調整される。このワイヤの位置調整は、クロスメンバ7の後部の蓋板7aを取り外してクロスメンバ7の後部開口(不図示)を開放し、ワイヤ9の端部に設置されたワイヤ調整機構を作業者がスパナ等の工具を用いて操作することにより行われる。
ところで、上記荷受台昇降装置では、油圧パワーユニットPを車輌の荷台1の左後部下に架装しているが、このように油圧パワーユニットを車輌へ架装する場合、荷台1の一部の切断作業、油圧パワーユニット用ブラケットの製缶作業などが必要となり、架装に多くの時間と労力を費やさなければならない。
そこで、本願発明者は、油圧パワーユニットの架装時間および架装労力を軽減するために、油圧パワーユニットの構成要素を、車幅方向に直列的に配置して、ワイヤ送り装置および油圧シリンダとともに、クロスメンバ内に設置することとした。また、本願発明者は、比較的メンテナンス頻度が高い油圧パワーユニットをワイヤ送り装置および油圧シリンダよりも後部開口側に設置することとした。
特開2005−313750号公報
ところが、油圧パワーユニットをワイヤ送り装置および油圧シリンダよりも後部開口側に設置した場合、ワイヤ送り装置等のメンテナンス作業(例えば既述したワイヤの位置調整作業)を後部開口から行う際に、油圧パワーユニットが作業の邪魔になることがある。この場合、油圧パワーユニットとクロスメンバと固定しているボルト等の固定具による固定を解除して、油圧パワーユニットをクロスメンバ内から取り出して一時的に別の場所に移動させなければならず、そのために多くの時間と労力を費やさなければならないという問題があった。
本発明はかかる問題に鑑みて創案されたものであり、クロスメンバ内に油圧パワーユニット、ワイヤ送り装置および油圧シリンダを設置し、油圧パワーユニットをワイヤ送り装置および油圧シリンダより後部開口側に設置した荷受台昇降装置において、ワイヤ送り装置や油圧シリンダをメンテナンスするために必要な作業時間および作業労力を軽減できる荷受台昇降装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するための手段として、本発明の荷受台昇降装置は、以下のように構成されている。
本発明の荷受台昇降装置は、車輌の荷台の後端両側にそれぞれ立設されたポストと、前記ポストに沿って昇降可能に設けられたスライダと、前記スライダに支持された荷受台と、油圧シリンダの伸縮動作によりワイヤを前記ポスト内へ繰り出し又は前記ポスト内から引き寄せることで前記スライダを昇降させるワイヤ送り装置と、前記油圧シリンダに圧油を供給する油圧パワーユニットと、を備え、前記油圧シリンダ、前記ワイヤ送り装置および前記油圧パワーユニットは、前記ポスト間に設置されたクロスメンバ内に設けられ、且つ、前記油圧パワーユニットは、前記油圧シリンダおよび前記ワイヤ送り装置よりも前記クロスメンバの後部開口側に設置されたものを前提とし、前記油圧パワーユニットを前記クロスメンバ内に設けた支点を中心に回動させることにより、前記油圧パワーユニットの一部又は全部を前記クロスメンバの後部開口から出入り可能とする油圧パワーユニット回動手段を備えることを特徴としている。
前記油圧パワーユニット回動手段は、例えば、前記油圧パワーユニットが取付けられたベースプレートと、前記ベースプレートの一端部に軸線を上下方向に向けて固設された中空支柱と、前記中空支柱に嵌入されて、前記中空支柱を前記クロスメンバの底板に回転可能に締結した締結部材と、を有するものである。
かかる構成を備える荷受台昇降装置によれば、ワイヤ送り装置や油圧シリンダのメンテナンス作業を行うに当たって邪魔になる油圧パワーユニットをクロスメンバ内に設けた支点を中心に回動させることにより、簡単に移動させることができる。これにより、当該ワイヤ送り装置や油圧シリンダをメンテナンスするに当たって必要となる作業時間および作業労力を軽減することが可能となる。
また、上記荷受台昇降装置において、前記油圧パワーユニット回動手段は、前記油圧パワーユニットが取付けられたベースプレートを有し、前記ベースプレートが所定回動位置にあるとき、一端が前記ベースプレートに設けられた係合部に、他端が前記クロスメンバに設けられた係合部に係合可能となる位置決めロッドを更に備えるものとすることが望ましい。
かかる構成を備える荷受台昇降装置によれば、位置決めロッドを使用することにより、油圧パワーユニットおよびベースプレートを所定の回動位置に固定できるので、メンテナンス作業の安全確保、油圧パワーユニットの損傷防止などが図られる。
本発明によれば、クロスメンバ内に油圧パワーユニット、ワイヤ送り装置および油圧シリンダを設置し、油圧パワーユニットをワイヤ送り装置および油圧シリンダより後部開口側に設置した荷受台昇降装置において、ワイヤ送り装置や油圧シリンダをメンテナンスするに当たって必要となる作業時間および作業労力を軽減することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る荷受台昇降装置を車輌の左後方から視た斜視図である。 クロスメンバの後部を形成する蓋板を取り外した状態でクロスメンバおよびクロスメンバ内に設けられた各種機器類を車輌後方から視た図である。 クロスメンバ内に設けられた各種機器類を上から視た平面図である。クロスメンバ、ポスト等は想像線で示している。 図2における油圧パワーユニット等の拡大図である。 図3における油圧パワーユニット等の拡大図である。 本発明の実施の形態に係る荷受台昇降装置を車輌の左後方から視た斜視図であって、油圧パワーユニットおよびベースプレートを回動させてクロスメンバから出した状態を示す図である。 図2のA−A断面図である。 本発明の実施の形態に係る荷受台昇降装置の油圧回路図である。 油圧パワーユニットとベースプレートとを分離して表した分解斜視図である。 荷台側から油圧パワーユニットを視た斜視図である。クロスメンバについては底板のみを示している。 従来例に係る荷受台昇降装置を車輌の左後方から視た斜視図である。
以下、本発明の実施の形態に係る荷受台昇降装置について図面を参照して説明する。
本発明の実施の形態に係る荷受台昇降装置は、図1〜図5に示すように、ポスト2、サブポスト3、スライダ4、テールゲート5、油圧シリンダ6、ワイヤ送り装置8、ワイヤ9A,9B、油圧パワーユニット10等を備えている。
ポスト2は、車輌の荷台1の後端両側にそれぞれ立設されており、各ポスト2内にはサブポスト3が摺動自在に挿入されている。
スライダ4は、その一部がサブポスト3内に摺動自在に挿入されており、上記サブポスト3を介してポスト2に沿って昇降可能に設けられている。
テールゲート5は、左右のスライダ4,4に回動自在に支持されており、水平状態や起立格納状態とすることができる。このテールゲート5は荷物を受ける荷受台であり、地面と荷台1との間で昇降されるようになっている。
図3に示すように、ワイヤ送り装置8は、油圧シリンダ6の伸縮動作によりワイヤ9A,9Bをポスト2内へ繰り出し又はワイヤ9A,9Bをポスト2内から引き寄せることでスライダ4を昇降させるものである。このワイヤ送り装置8は、油圧シリンダ6のロッドの先端部に設けられた2列の動滑車81、クロスメンバ7の両端部に設けられた定滑車82,84、左右ポスト2,2の上部にそれぞれ設けられた定滑車83,85(図1参照)、これらの滑車81〜85に巻き掛けられたワイヤ9A,9B、これらのワイヤ9A,9Bの基端部をクロスメンバ7内に固定する同クロスメンバ7内に固設された固定部72,74(図7参照)、ワイヤ9A,9Bの基端部に設けられたワイヤ調整機構86などを備えている。
なお、ワイヤ調整機構86は、例えば、図3に示すように、ワイヤ9Aの基端部(ワイヤ9Aについては不図示)が止着されたボルト861と、ダブルナット862,863とからなり、ボルト861は、固定部72,74に設けられたクロスメンバ7の長手方向に開口したボルト挿通孔(不図示)に挿通されている。ダブルナット862,863は、ボルト861の反ワイヤ9A,9B側に形成された雄螺子に螺着されるとともに、上記固定部72,74に係止されている。上記ダブルナット862,863を廻してボルト861の位置を調整することで、ワイヤ9A,9Bの端位置をクロスメンバ7の長手方向に調整することができるようになっている。
油圧シリンダ6およびワイヤ送り装置8は、図3に示すように、クロスメンバ7内の前側に設置されている。油圧シリンダ6のロッドの先端部の2列動滑車81の各列には、2本のワイヤ9A,9Bがそれぞれ巻き掛けられている。一方のワイヤ9Aは、図7に示すように、その一端部がクロスメンバ7内の天面71に固設された固定部72に固定され、図3に示すように、この固定部72から順に動滑車81、クロスメンバ7の左端部に設けられた定滑車82、左ポスト2の上部に設けられた定滑車83(図1参照)を経由して、左スライダ4に他端部が止着されている。
もう一方のワイヤ9Bは、図7に示すように、一端部がクロスメンバ7内の底板73に固設された固定部74に固定され、図3に示すように、この固定部74から順に動滑車81、定滑車82、クロスメンバ7の右端部に設けられた定滑車84、右ポスト2の上部に設けられた定滑車85(図1参照)を経由して、右スライダ4に他端部が止着されている。
油圧シリンダ6のロッドが伸長すると、ポスト2内にあるワイヤ9A,9Bがクロスメンバ7内へ引き寄せられて、スライダ4が上昇し、同時にサブポスト3およびテールゲート5も上昇する。反対に、油圧シリンダ6のロッドが収縮すると、クロスメンバ7内にあるワイヤ9A,9Bがポスト2内へ繰り出されて、スライダ4が下降し、同時にサブポスト3およびテールゲート5も下降する。
つぎに、油圧パワーユニット10について説明する。油圧パワーユニット10は、油圧シリンダ6およびワイヤ送り装置8とともに、クロスメンバ7内に設置されている。クロスメンバ7の後部は蓋板7a(図7参照)で構成されており、この蓋板7aを取り外すことで、クロスメンバ7の後部開口が現れるが、油圧パワーユニット10は、油圧シリンダ6およびワイヤ送り装置8よりも上記後部開口側に設置されている。
図4および図5に示すように、油圧パワーユニット10は、電動モータ11、作動油タンク12、油圧ポンプ13、アダプタ14、バルブブロック15等で構成されており、クロスメンバ7内の設置スペースに対応して各構成要素11,12,14,15は概ね車幅方向に直列に配置されている。
電動モータ11は、アダプタ14の左側面にボルト143にて固定されている。電動モータ11の出力軸はアダプタ14内を貫通して油圧ポンプ13の入力軸に連結されている。
作動油タンク12は、図4に示すように、アダプタ14の右側面にボルト143にて固定されている。この作動油タンク12内には、油圧シリンダ6に供給される作動油が貯留されている。
油圧ポンプ13は、上記作動油タンク12内でアダプタ14の右側面にボルトにて固定されている。この油圧ポンプ13の吸込側には、サクションフィルタ131が取付けられており、このサクションフィルタ131を通じて作動油タンク12内の作動油が油圧ポンプ13に吸い込まれる。
アダプタ14には、図5に示すように、第1チューブ接続部141および第2チューブ接続部142が取付けられている。第1チューブ接続部141は、アダプタ14内に形成された図示しない吐出側油路を介して油圧ポンプ13の吐出口に連通している。第2チューブ接続部142は、アダプタ14内に形成された図示しないタンク側油路を介して作動油タンク12内に連通している。
バルブブロック15は、油圧パワーユニット10の上記構成要素11〜14とは別体に設けられている。このバルブブロック15は、油圧シリンダ6の動作に関わるバルブ類を有しており、例えば図4、図5および配管図(図8)に示すように、内部に油路が形成されたバルブブロック本体151と、バルブブロック本体151に設けられたソレノイドバルブ152、流量制御弁153(図8参照)、逆止弁157(図8参照)、リリーフ弁158(図8参照)等からなる。
また、バルブブロック本体151には、図3および図5に示すように、第3チューブ接続部154、第4チューブ接続部155および第5チューブ接続部156が取付けられている。第3チューブ接続部154はアダプタ14の第1チューブ接続部141と可撓性チューブ17Aを介して接続されている。また、第4チューブ接続部155はアダプタ14の第2チューブ接続部142と可撓性チューブ17Bを介して接続されている。また、第5チューブ接続部156は、可撓性チューブ17Cを介して油圧シリンダ6に接続されている。
以上のように構成された荷受台昇降装置においては、電動モータ11および油圧ポンプ13を駆動し、ソレノイドバルブ152を遮断位置152a(図8参照)とすることで、作動油タンク12内の作動油が油圧ポンプ13に吸引され、油圧ポンプ13から可撓性チューブ17Aを介してバルブブロック15内の第1油路159a(図8参照)に供給される。そして、第1油路159aに供給された圧油は、逆止弁157を開放し、可撓性チューブ17Cを経て油圧シリンダ6のヘッド側に供給される。
これにより、油圧シリンダ6のロッドが伸長し、左右のポスト2,2内のワイヤ9A,9Bがクロスメンバ7内に引き寄せられて、スライダ4、サブポスト3およびテールゲート5が上昇する。
一方、電動モータ11および油圧ポンプ13の駆動を停止し、ソレノイドバルブ152を連通位置152b(図8参照)にすると、油圧シリンダ6のヘッド側と作動油タンク12とが連通し、油圧シリンダ6のヘッド側の作動油が作動油タンク12内へ戻ることが可能となる。これにより、油圧シリンダ6のロッドは、テールゲート5、積荷等の荷重によって収縮し、クロスメンバ7内のワイヤ9A,9Bが左右のポスト2,2内に繰り出されて、スライダ4、サブポスト3およびテールゲート5が下降する。なお、符号153の流量制御弁は、テールゲートの下降速度を制御するために設けられている。
次に、油圧パワーユニット10を回動させるための構造について説明する。
油圧パワーユニット10は、図9に示すように、ベースプレート16上に取付けられている。このベースプレート16は、クロスメンバ7内の底板73に沿って配置される底板部161と、この底板部161の両側部から上方に立ち上がった立ち上がり部162と、立ち上がり部162の上端部に連続した、油圧パワーユニット10を取付けるための取付座163とを有している。また、ベースプレート16(底板部161)の一端部には、中空支柱168が軸線を上下方向に向けて固設されている。なお、底板部161には、ベースプレート16の長手方向に間隔をおいてボルト挿通孔(不図示)が形成されており、各ボルト挿通孔に雌ねじが連続するようにナット170が溶接されている。このボルト挿通孔およびナット170は、図7に示すように、ボルト183にて、ベースプレート16をクロスメンバ7内に固定するために使用される。
取付座163のうちベースプレート16の一端近傍に設けられた取付座163A,163Bには、電動モータ11のモータブラケット181が防振ゴム182を介してボルト164およびナット166にて取付けられている。また、ベースプレート16の中間部に設けられた取付座163C,163Dには、アダプタ14の脚部145が防振ゴム146を介してボルト164およびナット166にて取付けられている。また、ベースプレート16の他端近傍の片側部において上方に立ち上がった取付座163Eには、バルブブロック本体151が取付けられている。具体的には、バルブブロック本体151に形成された2つの貫通孔151bと取付座163Eの所定位置に形成されたボルト挿通孔163Eaとに六角穴付ボルト167,167が挿通され、そのボルト先端部が前記ボルト挿通孔163Eaの出口に溶接されたナット(不図示)に捩じ込まれている。
上記中空支柱168が固設されている底板部161およびクロスメンバ7の底板73(図9において不図示)には、中空支柱168の中空部と連続するボルト挿通孔(不図示)が設けられており、中空支柱168および上記ボルト挿通孔に支軸および締結部材となるボルト164Aがクロスメンバ7の下部より挿入され、中空支柱168の上端から突出したボルト164Aの先端部にワッシャ169が装着されナット166が締め付けられている。このようにして、ベースプレート16の基端部は、クロスメンバ7内の底板73に回動可能に締結され、ベースプレート16は、油圧パワーユニット10を載せた状態で、ボルト164Aおよび中空支柱168により構成される支点を中心として図1および図6に示すように、回動してクロスメンバ7の後部開口から出入可能となっている。
また、ベースプレート16の片側部(車輌前方側の側部)には、図9および図10に示すように、位置決めロッド19のホルダ191が設けられ、このホルダ191に位置決めロッド19が取付けられている。
位置決めロッド19は、ベースプレート16および油圧パワーユニット10の一部又は全部がクロスメンバ7の後部開口から出て、所定回動位置にあるとき、ベースプレート16およびクロスメンバ7に係合して上記回動を固定するためのものであり、例えば、図9および図10に示すように、真直な直軸部192と、この直軸部192の両端部に形成された屈曲部193と、屈曲部193の挿入深さを規制するフランジ部194とを備えている。
ホルダ191は、ベースプレート16の片側に形成された水平板191bとこの水平板191bに形成された挿入孔191aとからなる。なお、水平板191bは、既述の取付座163と一体に設けられているが、取付座163と別体に設けてもよい。
以上のように構成された荷受台昇降装置において、ワイヤ9A,9Bの端位置の調整作業を行う場合について以下に説明する。
先ず、クロスメンバ7の蓋板7aを取り外し、図1に示すように、クロスメンバ7の後部開口を開放する。
次に、ベースプレート16とクロスメンバ7の底板73とを固定しているボルト183(図7参照)を取り外し、図6に示すように、車輌後方からワイヤ調整機構86が視認できるようになる所定位置まで、ベースプレート16および油圧パワーユニット10をボルト164Aおよび中空支柱168からなる支点(図9参照)を中心に回動させる。
次に、図10中の2点鎖線にて示すように、ホルダ191から位置決めロッド19を取り出し、位置決めロッド19の一方の屈曲部193をクロスメンバ7の底板73に設けられたボルト挿通孔(係合部)73aに挿入(係合)し、他方の屈曲部193をホルダ191の挿入孔(係合部)191aに挿入(係合)する。これにより、位置決めロッド19の両端は、クロスメンバ7のボルト挿通孔73aとホルダ191の挿入孔191aとに係合し、ベースプレート16および油圧パワーユニット10の回動が所定位置に固定される。このように油圧パワーユニット10およびベースプレート16の回動を固定することで、作業の安全が確保される。また、油圧パワーユニット10を何かの障害物に衝突させて損傷してしまうおそれも少なくなる。
次に、図6に示すように、車輌後方から視認できるようになったワイヤ調整機構86にスパナ23等の工具を係合して、ワイヤ9A,9Bの端位置の調整作業が行われる。
ワイヤ9A,9Bの端位置の調整作業が完了した後は、ベースプレート16および油圧パワーユニット10の回動位置を固定している位置決めロッド19を取り外し、これを再び図10中実線にて示すように、ホルダ191に格納する。
そして、ベースプレート16および油圧パワーユニット10を回動させて、クロスメンバ7内に収容する。最後に、ボルト183にてベースプレート16とクロスメンバ7の底板73に固定し、蓋板7aを取付けてクロスメンバ7の後部開口を塞ぐ。
以上に説明した荷受台昇降装置によれば、クロスメンバ7の後部開口から視てワイヤ送り装置8および油圧シリンダ6が油圧パワーユニット10より奥に設置されていても、ボルト183を取り外し、ベースプレート16および油圧パワーユニット10を回動させるだけで、ワイヤ送り装置8および油圧シリンダ6をクロスメンバ7の後部開口から視認することができるようになる。ベースプレート16および油圧パワーユニット10をクロスメンバ7から完全に取り出すための労力負担と比較して、ベースプレート16および油圧パワーユニット10を回動させるための労力負担は、格段に小さいため、本発明の荷受台昇降装置によれば、ワイヤ送り装置8および油圧シリンダ6に対して種々のメンテナンス作業(例えば既述のワイヤの端位置調整作業)を容易に施すことができるようになる。
また、比較的メンテナンス頻度が高い油圧パワーユニット10は、クロスメンバ7の後部開口の近くに設置されているので、油圧パワーユニット10のメンテナンス作業も容易に行うことができる。
また、ボルト183を取り外し、油圧パワーユニット10を回動させてクロスメンバ7から露出させるだけで、油圧パワーユニット10がクロスメンバ7内に収容されているときには、クロスメンバ7の後部開口から視認できない裏側部分のメンテナンス作業も行うことができるようになる。
本発明は、例えば、貨物自動車の荷台後方に設けられる荷受台昇降装置に適用可能である。
1 荷台
2 ポスト
4 スライダ
5 テールゲート(荷受台)
6 油圧シリンダ
7 クロスメンバ
8 ワイヤ送り装置
9A,9B ワイヤ
10 油圧パワーユニット
16 ベースプレート
19 位置決めロッド
73a ボルト挿通孔(クロスメンバに設けられた係合部)
191a 挿入孔(ベースプレートに設けられた係合部)
193 屈曲部
168 中空支柱
164A ボルト(締結部材)
166 ナット(締結部材)

Claims (3)

  1. 車輌の荷台の後端両側にそれぞれ立設されたポストと、前記ポストに沿って昇降可能に設けられたスライダと、前記スライダに支持された荷受台と、油圧シリンダの伸縮動作によりワイヤを前記ポスト内へ繰り出し又は前記ポスト内から引き寄せることで前記スライダを昇降させるワイヤ送り装置と、前記油圧シリンダに圧油を供給する油圧パワーユニットと、を備え、
    前記油圧シリンダ、前記ワイヤ送り装置および前記油圧パワーユニットは、前記ポスト間に設置されたクロスメンバ内に設けられ、且つ、前記油圧パワーユニットは、前記油圧シリンダおよび前記ワイヤ送り装置よりも前記クロスメンバの後部開口側に設置された荷受台昇降装置であって、
    前記油圧パワーユニットを前記クロスメンバ内に設けた支点を中心に回動させることにより、前記油圧パワーユニットの一部又は全部を前記クロスメンバの後部開口から出入り可能とする油圧パワーユニット回動手段を備えることを特徴とする荷受台昇降装置。
  2. 請求項1に記載の荷受台昇降装置において、
    前記油圧パワーユニット回動手段は、前記油圧パワーユニットが取付けられたベースプレートと、前記ベースプレートの一端部に軸線を上下方向に向けて固設された中空支柱と、前記中空支柱に嵌入されて、前記中空支柱を前記クロスメンバの底板に回転可能に締結した締結部材と、を有することを特徴とする荷受台昇降装置。
  3. 請求項1に記載の荷受台昇降装置において、
    前記油圧パワーユニット回動手段は、前記油圧パワーユニットが取付けられたベースプレートを有しており、
    前記ベースプレートが所定回動位置にあるとき、一端が前記ベースプレートに設けられた係合部に、他端が前記クロスメンバに設けられた係合部に係合可能となる位置決めロッドを更に備えることを特徴とする荷受台昇降装置。
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