JP2011123178A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】用紙にトナー像を定着する定着ベルトと、ニップ部を形成する加圧ロールと、定着ベルトを張架する定着ロールと、用紙を定着ベルトから剥離させる剥離パッドと、定着ベルトを内部から加熱すると共に定着ベルトの蛇行を制御する内部加熱ロール612と、を備え、内部加熱ロール612は、固定された中心軸101と、中心軸101を中心として回転する外周部102と、外周部102を内側から加熱するハロゲンヒータ72と、ハロゲンヒータ72から発生する熱放射を反射するための熱反射板103と、を備えることを特徴とする定着ユニット60。
【選択図】図3
Description
特許文献1には、フルカラーセンサによって基準画像の濃度を読取り、この濃度に基づいて、温度調節回路部によって熱ローラ定着器の加熱温度を可変設定する。そして、温度調節回路部によって設定された熱ローラ定着器の加熱温度により転写紙を定着し、目標とするグロスを得るようにする画像形成装置が記載されている。
本発明は、ロールとして、回転軸が固定され、この固定された回転軸とベアリングを介して回転する外周部を有するものを使用した場合でも、ベアリングに使用される潤滑油の劣化を抑制することができ、経年劣化をより抑制することができる定着装置等を提供することを目的とする。
請求項3に記載の発明は、複数の前記熱反射部材の少なくとも1つは、前記中心軸に沿って形成される延伸部を有することを特徴とする請求項2に記載の定着装置である。
請求項4に記載の発明は、前記熱反射部材は、前記外周部のピーク温度を有する箇所より端部側に配置することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の定着装置である。
請求項5に記載の発明は、前記中心軸に固定される熱検知部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の定着装置である。
請求項2の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、加熱手段から発生する熱放射をより効率的に反射することができる。
請求項3の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、加熱手段の端部から発生する熱放射をより効率的に反射することができる。
請求項4の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、ベアリングの温度上昇をより抑制することができる。
請求項5の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、熱検知部をより容易に固定することができる。
請求項6の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、良好な画質を維持することができる画像形成装置が提供できる。
<画像形成装置の説明>
図1は本実施の形態に係る定着ユニット(定着器)60が適用される画像形成装置1の構成例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂「タンデム型」のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部10と、画像形成装置1全体の動作制御や例えばパーソナルコンピュータ(PC)等との通信、画像データに対して行う画像処理等を実行する主制御部50と、ユーザからの操作入力の受付やユーザに対する各種情報の表示を行うユーザインターフェース(UI)部90と、を備えている。
画像形成部10は、例えば電子写真方式により画像を形成する機能部であって、並列的に配置されるトナー像形成手段の一例としての6つの画像形成ユニット11C,11M,11HC,11HM,11Y,11K(以下、「画像形成ユニット11」)を備えている。各画像形成ユニット11は、機能部材として、例えば、静電潜像が形成され、その後に各色トナー像が形成される感光体ドラム12と、感光体ドラム12の表面を予め定められた電位で帯電する帯電器13と、帯電器13により帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光する露光器14と、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を各色トナーにより現像する現像器15と、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16と、を備えている。
各画像形成ユニット11の現像器15各々は、各色トナーを貯蔵するトナー容器17C,17M,17HC,17HM,17Y,17K(以下、「トナー容器17」)とトナー搬送路(不図示)で連結されている。そして、トナー搬送路中に設けられた補給用スクリュー(不図示)によりトナー容器17から現像器15に各色トナーが補給されるように構成されている。
加えて、画像形成部10は、定着ユニット60にて用紙上に定着された各色トナー像を冷却し、用紙上への各色トナー像の定着を促進する冷却ユニット80と、用紙の曲がり(カール)を矯正するカール矯正ユニット85と、を備えている。
なお、本実施の形態の画像形成装置1では、中間転写ベルト20、一次転写ロール21、および二次転写ロール22により転写手段が構成される。また、二次転写ロール22が配置され、中間転写ベルト20上の各色トナー像が用紙に二次転写される領域を、以下、「二次転写領域Tr」という。
また、画像形成部10は、用紙搬送系として、用紙を収容する複数(本実施の形態では2個)の用紙収容容器40A,40Bと、この用紙収容容器40A,40Bに収容された用紙を繰り出して搬送する繰出しロール41A,41Bと、用紙収容容器40Aからの用紙を搬送する第1搬送路R1と、用紙収容容器40Bからの用紙を搬送する第2搬送路R2と、を備えている。さらに、画像形成部10は、用紙収容容器40Aおよび用紙収容容器40Bからの用紙を二次転写領域Trに向けて搬送する第3搬送路R3と、を備えている。加えて、画像形成部10は、二次転写領域Trにて各色トナー像が転写された用紙を定着ユニット60、冷却ユニット80、およびカール矯正ユニット85を通過するように搬送する第4搬送路R4と、カール矯正ユニット85からの用紙を画像形成装置1の排出部に設けられた用紙積載部44に向けて搬送する第5搬送路R5と、を備えている。
第1搬送路R1から第5搬送路R5は、それぞれに沿って搬送ロールや搬送ベルトが配置され、送られてくる用紙を順次、搬送する。
また、画像形成部10は、両面搬送系として、定着ユニット60で第1面に各色トナー像が定着された用紙を一旦保持する中間用紙収容容器42と、カール矯正ユニット85からの用紙を中間用紙収容容器42に向けて搬送する第6搬送路R6と、中間用紙収容容器42に収容された用紙を上記の第3搬送路R3に向けて搬送する第7搬送路R7と、を備えている。さらに、画像形成部10は、カール矯正ユニット85の用紙搬送方向下流側に配置され、用紙を用紙積載部44に向けて搬送する第5搬送路R5と中間用紙収容容器42に搬送する第6搬送路R6とに選択的に振り分ける振分機構部43と、中間用紙収容容器42に収容された用紙を繰り出して第7搬送路R7に向けて搬送する繰出しロール45と、を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置1での基本的な画像形成動作について説明する。
画像形成部10の画像形成ユニット11各々は、上記の機能部材を用いた電子写真プロセスによりC色,M色,HC色,HM色,Y色,K色の各色トナー像を形成する。各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像は、一次転写ロール21により中間転写ベルト20上に順に一次転写され、各色トナーが重畳された合成トナー像を形成する。中間転写ベルト20上の合成トナー像は、中間転写ベルト20の移動(矢印方向)に伴って二次転写ロール22が配置された二次転写領域Trに搬送される。
二次転写領域Trでは、二次転写ロール22により形成された転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された合成トナー像が用紙に一括して二次転写される。
なお、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナー(一次転写残トナー)、および二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(二次転写残トナー)は、それぞれクリーナ16、およびベルトクリーナ26によって除去される。
二次転写領域Trでは、第1面の場合と同様にして、二次転写ロール22により形成された転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された第2面の各色トナー像が用紙に一括して二次転写される。
このようにして、画像形成装置1での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
次に、本実施の形態の画像形成装置1に用いられる定着ユニット60について説明する。
図2は、本実施の形態の定着ユニット60の構成を説明するための断面構成図である。この定着ユニット60は、定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に対して接離自在に構成される加圧部材の一例としての加圧ロール62とで主要部が構成されている。
定着ロール611は、例えばアルミニウムやSUSで形成された円筒状ロールであり、図示しない駆動モータからの回転駆動力を受けて、図中矢印方向に回転する。そして、定着ロール611の内部に配置された加熱源としての例えば3本のハロゲンヒータ71により、定着ロール611は予め定められた温度(例えば、150℃)に加熱される。
また、内部加熱ロール612は、その両端部に定着ベルト610を内側から外側に向けて押圧するバネ部材(不図示)が配置され、定着ベルト610全体の張力を例えば15kgfに設定している。
さらには、内部加熱ロール612には、定着ベルト610の蛇行(ベルトウォーク)を制御するための機構が設けられている。すなわち、内部加熱ロール612の近傍には、定着ベルト610の端部位置(エッジ位置)を検知するベルトエッジ位置検知機構(不図示)が配置されている。また、内部加熱ロール612には、内部加熱ロール612の一方の端部を内部加熱ロール612の軸方向と直行する方向に変位させる変位機構(不図示)が設けられている。そして、この変位機構は、ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて内部加熱ロール612の一方の端部を変位させることで定着ベルト610を内部加熱ロール612の軸方向に変位させる。それにより、定着ベルト610のベルトウォークを制御している。
このように、本実施の形態の定着ユニット60では、定着ロール611と内部加熱ロール612と外部加熱ロール613とによって定着ベルト610が加熱される構成を採用している。
次に、本実施の形態の定着ユニット60での定着動作について説明する。
画像形成装置1の二次転写領域Tr(図1参照)において合成トナー像(未定着トナー像)が静電転写された用紙Pは、第4搬送路R4(図1参照)に沿って定着ユニット60のニップ部N(図2参照)に向けて搬送される。そして、ニップ部Nを通過する用紙P表面の未定着トナー像は、主としてロールニップ部N1に作用する圧力と熱とにより用紙Pに定着される。
その結果、本実施の形態の定着ユニット60では、高速で連続通紙されても定着温度が略一定に維持される。また、高速での定着動作の開始時に定着温度が落ち込む現象(所謂「温度ドループ現象」)の発生が抑制される。特に、熱容量の大きな厚紙等に対する定着においても、定着温度の維持および温度ドループ現象の発生が抑制され、さらには、紙種に対応させて定着温度を途中で切り替える(定着温度のアップおよびダウンの双方を含む。)必要がある場合にも、定着ベルト610は熱容量が小さいので、ハロゲンヒータ71、さらにはハロゲンヒータ72、ハロゲンヒータ73の出力調整により、温度の切り替えを容易としている。
そのため、ロールニップ部N1において定着ロール611の曲率のもとで加熱加圧された用紙Pは、剥離パッドニップ部N2において加圧ロール62による相反する方向に向いた曲率に進行方向が変化させられる。その際に、用紙P上のトナー像と定着ベルト610表面との間で微小なマイクロスリップが生じる。それによって、トナー像と定着ベルト610との付着力が弱められ、用紙Pは定着ベルト610から剥離され易い状態が形成される。このように、剥離パッドニップ部N2は、最終の剥離工程で確実に剥離が行なわれるための準備工程にも位置付けられる。
以上述べた動作により定着ユニット60での定着処理が完了する。
ここで、内部加熱ロール612について更に詳しく説明を行なう。
図3は、内部加熱ロール612について説明した断面図である。
図3に示した内部加熱ロール612は、その一方の端部について図示したものである。そして図3に示すように内部加熱ロール612は、固定された中心軸101と、中心軸101を中心として回転する外周部102と、外周部102内部に配置され、外周部102を内側から加熱する加熱手段の一例としてのハロゲンヒータ72と、中心軸101に固定されると共に外周部102の両端部に配され、ハロゲンヒータ72から発生する熱放射を反射するための熱反射部材の一例としての熱反射板103とから主要部が構成されている。なお、ハロゲンヒータ72は説明をよりわかりやすくするため点線により図示している。
また他には外周部102の温度を測定する温度検知部の一例としての温度センサ(図示せず)を設置する関係からも中心軸101が固定されている方が好ましい。つまり、温度センサを外周部102の外周表面の温度を測定するためこれに接するように設置する。そして温度センサを中心軸101に接続することで、温度センサを固定することが可能となる。
図4(a)は、内部加熱ロール612内部に設置される4本のハロゲンヒータ72のそれぞれの発熱体が配される箇所を説明した図である。
図4(a)において、斜線部で示した部分が、発熱体が配される箇所である。図4(a)に示したように4本のハロゲンヒータ72であるハロゲンヒータ72a,72b,72c,72dは、それぞれ異なる箇所に発熱体が配され、異なるパターンで熱放射を行なう。
図3に示した例では、熱反射板103は、熱反射板103a,103b,103cの3枚からなる。またこのうち一番端部に位置する熱反射板103aは、中心軸101に沿って形成される延伸部106を有する。ハロゲンヒータ72は、上述の通り、その端部においては、ほとんど熱放射を行なわない。しかしながら、少量の熱放射は行なっている。そのためこのような延伸部106を設けることで、この分の熱放射も反射し、ベアリング104に到達するのを抑制することができる。これにより、ベアリング104の温度上昇を更に抑制することができる。
図3に示した熱反射板103を設けた内部加熱ロール612を使用した定着ユニット60(図2参照)を用いた画像形成装置1(図1参照)により、画像形成を行なった。この際に定着ロール611の表面温度を195℃に制御を行なった。同様にして、内部加熱ロール612の表面温度を190℃に、外部加熱ロール613の表面温度を180℃になるように制御を行なった。
また用紙Pとしては、富士ゼロックス株式会社製ミラーコートプラチナ(坪量256g/m2、用紙サイズA3)を使用した。画像形成を行なうプロセスとしては、最初に約150sスタンバイを行なった後に、画像形成を用紙Pの枚数で250枚行なった。このとき画像形成を行なう時間は約200sであった。そして、画像形成後はスタンバイ状態に戻した。
上記のような運転条件で、ベアリング104の温度変化を測定した。なお本実施の形態において、ベアリング104に使用した潤滑油の耐熱温度は、260℃であるが、潤滑油の劣化抑制の観点からは、240℃以下にする必要がある。
図3に示した内部加熱ロール612から熱反射板103を除去した内部加熱ロールを使用したこと以外は、実施例1と同様にして画像形成を行ない、ベアリング104の温度変化を測定した。
結果を図5に示す。図5において横軸は時間(s)を表し、縦軸は、ベアリング104の温度(℃)を表す。また実施例1の結果は実線により示し、比較例1の結果は点線で示した。
図5に示すように実施例1の熱反射板103を設けた内部加熱ロール612を使用した場合は、ベアリング104の温度が全プロセス中200℃以下に収まっていることがわかる。対して、比較例1の熱反射板103を設けなかった内部加熱ロールを使用した場合は、画像形成後のスタンバイ状態において、240℃を超えて温度の上昇が生じることがわかる。
Claims (6)
- 記録材にトナー像を定着する定着部材と、
前記定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する加圧部材と、
前記定着部材を挟み前記加圧部材と対向して配され、当該定着部材を張架する張架部材と、
前記定着加圧部の下流側領域であって前記張架部材に隣接する位置に配され、前記記録材を前記定着部材から剥離させる剥離部材と、
前記定着部材を内部から加熱すると共に、当該定着部材の蛇行を制御する内部加熱手段と、を備え、
前記内部加熱手段は、
固定された中心軸と、
前記中心軸を中心として回転する外周部と、
前記外周部内部に配置され、当該外周部を内側から加熱する加熱手段と、
前記中心軸に固定されると共に前記外周部の両端部に配され、前記加熱手段から発生する熱放射を反射するための熱反射部材と、
を備えることを特徴とする定着装置。 - 前記熱反射部材は、前記外周部の両端部において中心軸方向にそれぞれ複数配されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 複数の前記熱反射部材の少なくとも1つは、前記中心軸に沿って形成される延伸部を有することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記熱反射部材は、前記外周部のピーク温度を有する箇所より端部側に配置することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の定着装置。
- 前記中心軸に固定される熱検知部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の定着装置。
- トナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、
記録材にトナー像を定着する定着部材と、当該定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する加圧部材と、当該定着部材を挟み当該加圧部材と対向して配され当該定着部材を張架する張架部材と、当該定着加圧部の下流側領域であって当該張架部材に隣接する位置に配され当該記録材を当該定着部材から剥離させる剥離部材と、当該定着部材を内部から加熱すると共に当該定着部材の蛇行を制御する内部加熱手段と、を備える定着手段と、
を備え、
前記内部加熱手段は、固定された中心軸と、当該中心軸を中心として回転する外周部と、当該外周部内部に配置され当該外周部を内側から加熱する加熱手段と、当該中心軸に固定されると共に当該外周部の両端部に配され当該加熱手段から発生する熱放射を反射するための熱反射部材と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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