JP2011122160A - 記録用インク及びその製造方法、並びに、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】着色剤、界面活性剤、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール及び2−エチル−1,3−へキサンジオールの少なくともいずれかである浸透剤並びに消泡剤を含むインク液を遠心分離した後、更に平均孔径が1.2μm〜5.0μmのメンブレンフィルターで濾過してなり、粒径が0.5μm以上の粗大粒子を3.0×107(個/5μl)以下含み、かつ粒径が1μm以上5μm未満の粒子の前記粗大粒子における量が0.005個数%〜1個数%である記録用インクである。
【選択図】なし
Description
また、記録用インクの保存安定性及び画像濃度を向上させる目的で、例えば、粒径が0.5μm以上の粒子を6×104〜6×105個/μlとし、かつ粒径が5μm以上の粒子数を50個/μl以下とする記録用インクが提案されている(特許文献4参照)。しかし、これは、該粒子には顔料凝集物のみならず水性ポリマー凝集物も含まれ、顔料凝集物の生成を制御するものではない。
<1> 着色剤、界面活性剤、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール及び2−エチル−1,3−へキサンジオールの少なくともいずれかである浸透剤並びに消泡剤を含むインク液を遠心分離した後、更に平均孔径が1.2μm〜5.0μmのメンブレンフィルターで濾過してなり、粒径が0.5μm以上の粗大粒子を3.0×107(個/5μl)以下含み、かつ粒径が1μm以上5μm未満の粒子の前記粗大粒子における量が0.005個数%〜1個数%であることを特徴とする記録用インクである。
<2> 着色剤が、少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す顔料である前記<1>に記載の記録用インクである。
<3> 着色剤が、分散剤の存在下で水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す前記<1>から<2>のいずれかに記載の記録用インクである。
<4> 着色剤が、水不溶性色材及び水難溶性色材の少なくともいずれかを含むポリマー微粒子である前記<1>から<3>のいずれかに記載の記録用インクである。
<5> 着色剤の平均粒径が10〜200nmである前記<1>から<4>のいずれかに記載の記録用インクである。
<6> 界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩界面活性剤から選択される少なくとも1種である前記<1>から<5>のいずれに記載の記録用インクである。
<7> ポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤が、一般式、CnHn+1O(CmH2mO)lH (ただし、該一般式中、n、m及びlは、整数を表す。)、で表される化合物から選択され、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩界面活性剤が、一般式、CnHn+1O(CmH2mO)lCH2COOH (ただし、該一般式中、n、m及びlは、整数を表す。)、で表される化合物から選択される前記<6>に記載の記録用インクである。
<8> 消泡剤がシリコーン消泡剤から選択される前記<1>から<7>のいずれかに記載の記録用インクである。
<9> シリコーン消泡剤が、自己乳化型及びエマルジョン型のいずれかである前記<8>に記載の記録用インクである。
<10> 湿潤剤を含む前記<1>から<9>のいずれかに記載の記録用インクである。
<11> 水溶性有機溶媒を含む前記<1>から<10>のいずれかに記載の記録用インクである。
<12> 粗大粒子の50℃で30日間放置後における増加率が、50個数%以下である前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクである。
<13> シアンインク、マゼンタインク、イエローインク及びブラックインクから選択される少なくとも1種である前記<1>から<12>のいずれかに記載の記録用インクである。
<14> 着色剤、界面活性剤、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール及び2−エチル−1,3−へキサンジオールの少なくともいずれかである浸透剤並びに消泡剤を混合してインク液を調製するインク液調製工程と、
該インク液を遠心分離した後、更に平均孔径が1.2μm〜5.0μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、粒径が0.5μm以上の粗大粒子を3.0×107(個/5μl)以下とし、かつ粒径が1μm以上5μm未満の粒子の前記粗大粒子における量を0.005個数%〜1個数%とする粗大粒子調整工程とを含むことを特徴とする記録用インクの製造方法である。
<15> 前記<1>から<13>のいずれかに記載の記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジである。
<16> 前記<1>から<13>のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<17> 刺激が、熱(温度)、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<16>に記載のインクジェット記録装置である。
<18> 前記<1>から<13>のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<19> 刺激が、熱(温度)、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<18>に記載のインクジェット記録方法である。
<20> 記録材上に前記<1>から<13>のいずれかに記載の記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物である。
本発明の記録用インクは、粒径が0.5μm以上の粗大粒子を3.0×107(個/5μl)以下含み、かつ粒径が1μm以上5μm未満の粒子の前記粗大粒子における量が1個数%以下であり、着色剤、界面活性剤、浸透剤及び消泡剤を含み、更に必要に応じて湿潤剤などのその他の成分を含む。
前記粒径が0.5μm以上の粗大粒子の量としては、例えば、3.0×107(個/5μl)以下であることが必要であり、8.0×106(個/5μl)以下であることが好ましい。また、該量は、室温等の通常保存条件で満たしていることが好ましく、50℃で30日間放置後等の劣悪保存条件でも満たしているのがより好ましい。
該粗大粒子の量が、前記数値範囲内であると、目詰まり等を起こし難く、吐出安定性が向上し、ある程度の粗大粒子も存在する結果、小インク液滴での高速印字等を行っても十分な画像濃度が得られる。なお、粒径が5μm以上の粗大粒子は、本来、ノズル目詰まりを生ずる点で好ましくないが、通常、インクジェット記録方式のプリンター等には、ノズルヘッドに至るインク流路に、インクカートリッジからの異物の混入を防ぐ目的で、平均孔径が5μm程度のフィルタが取り付けられているので、現在では、ノズルの目詰まり等の直接の原因にはなり難い。前記粗大粒子の量が、前記通常保存条件のみならず、前記劣悪保存条件でも満たされていると、保存安定性、吐出安定性等に優れる点で好ましい。
前記量が、前記数値範囲内にあると、凝集の核となり易い大きな粒子が少ないため保存安定性に優れる一方、1個数%を超えると、長期間に亘る保存安定性が顕著に劣化することがある。また、前記量が、前記通常保存条件のみならず、前記劣悪保存条件でも満たされていると、保存安定性、吐出安定性等に優れる点で好ましい。
前記増加率が、50個数%を超えると、記録用インクの保存安定性、吐出安定性等が十分でないことがある。
前記記録用インクにおける粗大粒子数及び粒度分布は、例えば、該記録用インクの製造時に、遠心分離、フィルタ濾過、限外濾過等を行うことにより所望の範囲に制御乃至調整することができる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、顔料、染料、これらを含有するポリマー微粒子、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、記録画像に耐光性や耐水性を付与可能な点で、顔料が好ましい。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックなどが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
この場合、該自己分散型顔料は、表面に前記親水基(カルボキシル基、スルホン基など)が存在し表面が改質されているため、分散剤の不存在下でも水中に分散可能であり、前記記録用インク中での分散性、分散安定性に優れ、また、該自己分散型顔料を含む前記記録用インクは、保存安定性、吐出安定性(例えば、間欠吐出安定性)等に優れ、乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止してヘッドのノズル付近のインクの水分が蒸発しても、目詰まり等が生ずることがなく、簡単なクリーニングを行うだけで容易に、高品質な印字乃至画像を得ることができ、かつ記録後の記録物の耐水性をより向上させることができる点で有利である。
前記自己分散型顔料は、相乗効果により、間欠吐出安定性等に優れ、高品質な印字乃至画像を記録可能な点で、前記界面活性剤、前記浸透剤等と併用してもよい。
前記酸性染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、食用染料として知れらているものなどが挙げられ、例えば、C.I.アシッド・イエロー17、23、42、44、79、142;C.I.アシッド・レッド1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289;C.I.アシッド・ブルー9、29、45、92、249;C.I.アシッド・ブラック1、2、7、24、26、94;C.I.フード・イエロー2、3、4;C.I.フード・レッド7、9、14;C.I.フード・ブラック1、2、などが挙げられる。
前記平均粒径が、10nm未満であると、インク中の分散安定性が損なわれ、印字の際に画像濃度が低くなってしまうことがあり、200nmを超えると、画像の定着性等に劣り、長期保存時における凝集、目詰まり等が生じ易くなることがある。
前記平均粒径は、例えば、インク中のブラウン運動を行っている粒子にレーザー光を照射し、粒子から戻ってくる光(後方散乱光)の振動数(光の周波数)の変化量から粒子径を求める動的光散乱法(ドップラー散乱光解析)などにより測定することができる。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、画像の濃度が薄く、コントラストのない画像となることがあり、15質量%を超えると、前記着色剤の分散安定性を確保することが難しく、ノズル等の目詰まりが生じ易く、信頼性が悪くなることがある。
前記分散剤の重量平均分子量が、3,000未満であると、分散安定性が十分でないことがあり、50,000を超えると、該分散剤自体の増粘で前記記録用インクの吐出安定性が悪くなることがある。
前記質量比における前記分散剤の量が、少なすぎると、分散効果が十分でないことがあり、多すぎると、記録用インクの粘度が高くなることがある。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、両性界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン、などが挙げられる。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩界面活性剤、リン酸エステル、などが挙げられる。
前記カチオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等アミン塩型界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型界面活性剤、などが挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル界面活性剤、アセチレングリコール界面活性剤などが挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(タイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)、などが挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するカチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、後者の場合、1種単独では前記記録用インク中に溶解し難い場合に有効であり、該記録用インクへの溶解性を向上させることができる点で有利である。該ポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤としては、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、BTシリーズ(日光ケミカルズ(株)製)、ソフタノールシリーズ(日本触媒(株)製)、ディスパノール(日本油脂(株)製)、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。後者の場合、1種単独では前記記録用インク中に溶解し難い場合に有効であり、該記録用インクへの溶解性を向上させることができる点で有利である。なお、合成時の副生成物として生成される無機塩は、イオン交換樹脂等を用いて精製除去することができる。該ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩界面活性剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、NIKKOL ECTシリーズ、NIKKOL AKYPOシリーズ(日光ケミカルズ(株)製)、ビューライトシリーズ(三洋化成工業(株)製)、などが挙げられる。
前記界面活性剤が前記記録用インク中に含有されていると、記録材(紙など)への浸透性を高め速乾性とすることができ、文字滲み、境界滲み等を抑制することができ、前記界面活性剤の含有量が、0.05質量%未満であると、記録紙への浸透性が十分でないことがあり、10質量%を超えると、記録用インクの増粘や、界面活性剤自体の低温での析出が生ずることがある。
前記浸透剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−へキサンジオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記浸透剤の前記記録用インクにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜5.0質量%が好ましく、2.0〜4.0質量%がより好ましい。
前記浸透剤が前記記録用インクに含有されていると、高速印字時でも滲みを低減することができ、また、吐出安定性及び吐出応答性を向上させることができ、前記含有量が、0.1質量%未満であると、速乾性が得られず画像に滲みが生ずることがあり、5.0質量%を超えると、前記着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりし易くなったり、また、記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜け等が発生することがある。
前記消泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン消泡剤、ポリエーテル消泡剤、脂肪酸エステル消泡剤などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点でシリコーン消泡剤が好ましい。
前記シリコーン消泡剤としては、例えば、オイル型シリコーン消泡剤、コンパウンド型シリコーン消泡剤、自己乳化型シリコーン消泡剤、エマルジョン型シリコーン消泡剤、変性シリコーン消泡剤、などが挙げられる。該変性シリコーン消泡剤としては、例えば、アミノ変性シリコーン消泡剤、カルビノール変性シリコーン消泡剤、メタクリル変性シリコーン消泡剤、ポリエーテル変性シリコーン消泡剤、アルキル変性シリコーン消泡剤、高級脂肪酸エステル変性シリコーン消泡剤、アルキレンオキサイド変性シリコーン消泡剤、などが挙げられる。これらの中でも、水系媒体である前記記録用インクへの使用を考慮すると、前記自己乳化型シリコーン消泡剤、前記エマルジョン型シリコーン消泡剤などが好ましい。
前記消泡剤としては、市販品を使用してもよく、該市販品としては、信越化学工業(株)製のシリコーン消泡剤(KS508、KS531、KM72、KM85等)、東レ・ダウ・コーニング(株)製のシリコーン消泡剤(Q2−3183A、SH5510等)、日本ユニカー(株)製のシリコーン消泡剤(SAG30等)、旭電化工業(株)製の消泡剤(アデカネートシリーズ等)、などが挙げられる。
前記消泡剤が前記記録用インク中に含有されていると、特に経時の保存安定性や吐出安定性に優れ、前記含有量が、0.001質量%未満であると、含有効果が十分でないことがあり、3質量%を超えると、目詰まりの原因となり易く、前記記録用インクの信頼性が悪くなることがある。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、などが挙げられる。
前記湿潤剤が前記記録用インクに含有されていると、該記録用インクの水分蒸発が抑制され、ノズルのインク吐出口での前記着色剤の析出、粘度上昇による吐出不良等を効果的に抑制することができ、吐出信頼性の高い記録用インクが得られ、前記含有量が、5質量%未満であると、使用による効果が乏しくなることがあり、40質量%を超えると、水性インクの粘度が高くなってしまい、吐出安定性に影響を与えてしまうことがある。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、などが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、などが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、などが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤 を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert
−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、等が挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、等が挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、等が挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、等が挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、等が挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、等が挙げられる。
前記表面張力としては、20℃で、25〜55mN/mが好ましい。前記表面張力が、25mN/m未満であると、紙上での滲みが顕著になり、安定した噴射が得られないことがあり、55mN/mを超えると、紙へのインク浸透が十分に起らず、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
前記pHとしては、例えば、7〜10が好ましい。
本発明の記録用インクの製造方法は、インク液調製工程と粗大粒子調整工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
前記インク液調製工程は、上述した着色剤、上述した界面活性剤、上述した浸透剤、上述した消泡剤、更に目的に応じて適宜選択した前記その他の成分を混合してインク液を調製する工程である。
前記混合の方法・条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の混合装置、攪拌装置等を用いて行うことができる。
前記遠心分離、前記限外濾過及び前記フィルタ濾過は、単独で行ってもよいし、組合せて行ってもよく、また、その回数としては、1回であってもよいし、複数回であってもよい。
前記限外濾過は、濾過によってコロイド粒子を分散媒から分離する濾過操作であり、例えば、コロジオン膜、ゼラチン膜、セロハン膜、ケイ酸膜等の限外濾過膜を用いて加圧下で好適に行うことができる。
前記フィルタ濾過は、例えば、平均孔径が1.2〜5.0μmのメンブレンフィルター、などを用いて好適に行うことができる。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記記録用インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
前記インク飛翔工程は、前記本発明の記録用インクに、刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明の記録用インクに、刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを記録用インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しない記録用インク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部105に装填された本発明のインクカートリッジ1から本発明の前記記録用インクが供給されて補充される。
このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト157が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
そして、サブタンク135内の記録用インクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ1から所要量の記録用インクがサブタンク135に補給される。
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録された記録物は、本発明の記録物である。本発明の記録物は、記録材上に本発明の前記記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
−ブラックインクの調製−
前記自己分散型顔料としてのブラック顔料(東洋インキ社製、「KM−9036」、平均粒径102nm)50質量%、グリセリン10質量%、1,3−ブタンジオール15質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2質量%、2−ピロリドン2質量%、界面活性剤(C13H27O(C2H4O)7H)1質量%、自己乳化型シリコーン消泡剤(信越化学工業社製、「KS508」)0.1質量%、及びイオン交換水(残量)を混合し、室温にて十分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過を行った。以上により、実施例1のブラックインクを調製した。
−イエローインクの調製−
前記顔料としてのC.I.ピグメントイエロー97 30質量%、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウム15質量%、エチレングリコール30質量%、及び純水 残量を混合した後、湿式サンドミルにて分散を行い、遠心分離処理(800rpmで15分間)により粗大粒子を取り除き、平均粒径が120nmのイエロー顔料分散液(1)を調製した。
次に、前記イエロー顔料分散液(1)20質量%、グリセリン5質量%、ジエチレングリコール15質量%、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2質量%、界面活性剤(C13H27O(C2H4O)5CH2COOH)のNa塩1質量%、シリコーン消泡剤(信越化学工業社製、「KS531」)0.1質量%、及びイオン交換水(残量)を混合した後、室温にて十分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過を行った。以上により、実施例2のイエローインクを調製した。
−マゼンタインクの調製−
前記顔料としてのC.I.ピグメントレッド122 30質量%、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウム15質量%、グリセリン30質量%、及び純水 残量を混合し、3本ロールミルを用いて分散を行い、遠心分離処理(800rpmで15分間)により粗大粒子を取り除き、顔料の平均粒径が150nmのマゼンタ顔料分散液(2)を調製した。
次に、前記マゼンタ顔料分散液(2)25質量%、グリセリン5質量%、ジエチレングリコール15質量%、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2質量%、界面活性剤(C13H27O(C2H4O)5CH2COOH)のNa塩1質量%、シリコーン消泡剤(信越化学工業社製、「KS531」)0.1質量%、及びイオン交換水(残量)を混合し、室温にて十分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過を行った。以上により、実施例3のマゼンタインクを調製した。
−シアンインクの調製−
まず、前記顔料としてのC.I.ピグメントブルー15:3 30質量%、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウム15質量%、エチレングリコール30質量%、及び純水 残量を混合し、湿式サンドミルを用いて分散を行い、遠心分離処理(800rpmで15分間)により粗大粒子を取り除き、平均粒径が100nmのシアン顔料分散液(3)を調製した。
次に、前記シアン顔料分散液(3)15質量%、グリセリン5質量%、ジエチレングリコール15質量%、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2質量%、界面活性剤(C13H27O(C2H4O)3CH2COOH)のNa塩1質量%、シリコーン消泡剤(信越化学工業社製、「KS531」)0.1質量%、及びイオン交換水(残量)を混合し、室温にて十分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行った。以上により、実施例4のシアンインクを調製した。
−シアンインクの調製−
前記顔料としての自己分散型のC.I.ピグメントブルー15:3 20質量部、及びスルホラン70質量部を仕込み、オイルバス中で120℃にした後、スルファミン酸10質量部を添加して5時間スルホン化を行った後、冷却し、遠心分離処理(800rpmで15分間)により粗大粒子を取り除き、粒径が110nmのシアン顔料分散液(4)を調製した。
次に、前記シアン顔料分散液(4)50質量%、グリセリン5質量%、ジエチレングリコール15質量%、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2質量%、界面活性剤(C13H27O(C2H4O)5CH2COOH)のNa塩1質量%、シリコーン消泡剤(信越化学工業社製、「KS531」)0.1質量%、及びイオン交換水(残量)を混合し、室温にて十分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過を行った。以上により、実施例5のシアンインクを調製した。
−ポリマー溶液(A)の合成−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1リットルのフラスコ内を十分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合して混合液を調製し、65℃に昇温した。該混合液に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下終了後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃にて1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、1時間熟成させた。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加した。以上により、濃度が50質量%のポリマー溶液(A)800gを合成した。
前記ポリマー溶液(A)28g、前記顔料としてのC.I.ピグメントイエロー97 26g、1mol/lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータを用いてメチルエチルケトン及び水を留去した後、遠心分離処理(800rpmで15分間)により、イエローポリマー微粒子水分散体を調製した。
得られたイエローポリマー微粒子水分散体におけるイエローポリマー微粒子の平均粒径は80nmであり、固形分量は20質量%であった。
次に、前記イエローポリマー微粒子水分散体40質量%、グリセリン5質量%、ジエチレングリコール15質量%、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2質量%、界面活性剤(C13H27O(C2H4O)5CH2COOH)のNa塩1質量%、シリコーン消泡剤(信越化学工業社製、「KS531」)0.1質量%、及びイオン交換水(残量)を混合した後、室温にて十分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過を行った。以上により、実施例6のイエローインクを調製した。
−顔料含有ポリマー微粒子の水分散体の調製−
実施例6において、前記顔料としてのC.I.ピグメントイエロー97をC.I.ピグメントレッド122に代えた以外は、実施例6と同様にして、マゼンタポリマー微粒子水分散体を調製した。
得られたマゼンタポリマー微粒子水分散体におけるマゼンタポリマー微粒子の平均粒径は150nmであり、固形分量は20質量%であった。
前記マゼンタポリマー微粒子水分散体50質量%、グリセリン5質量%、ジエチレングリコール15質量%、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2質量%、界面活性剤(C13H27O(C2H4O)5CH2COOH)のNa塩1質量%、シリコーン消泡剤(信越化学工業社製、「KS531」)0.1質量%、及びイオン交換水(残量)を混合し、室温にて十分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターにて濾過を行った。以上により、実施例7のマゼンタインクを調製した。
−顔料含有ポリマー微粒子の水分散体の調製−
実施例6において、前記顔料としてのC.I.ピグメントイエロー97をC.I.ピグメントブルー15:3に代えた以外は、実施例6と同様にして、シアンポリマー微粒子の水分散体を調製した。
得られたシアンポリマー微粒子水分散体におけるシアンポリマー微粒子の平均粒径は115nmであり、固形分量は20質量%であった。
前記シアンポリマー微粒子水分散体40質量%、グリセリン5質量%、ジエチレングリコール15質量%、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール2質量%、界面活性剤(C13H27O(C2H4O)3CH2COOH)のNa塩1質量%、シリコーン消泡剤(信越化学工業社製、「KS531」)0.1質量%、及びイオン交換水(残量)を混合し、室温にて十分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過を行った。以上により、実施例8のシアンインクを調製した。
−ブラックインクの調製−
前記着色剤としてのCAB−O−JET 200(スルホン基付加型顔料、平均粒径130nm、Cabot社製)50質量%、グリセリン10質量%、ジエチレングリコール30質量%、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2質量%、界面活性剤(C13H27O(C2H4O)3CH2COOH)のNa塩1質量%、シリコーン消泡剤(日本ユニカー社製、「SAG30」(エマルジョン型))0.03質量%、及びイオン交換水(残量)を混合し、室温にて十分に攪拌した後、平均孔径1.2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過を行った。以上により、比較例1のブラックインクを調製した。
−イエローインクの調製−
実施例2において、遠心分離処理を行わなかった以外は、実施例2と同様にして、比較例2のイエローインクを調製した。なお、比較例2のイエロー顔料分散液における顔料の平均粒径は180nmであった。
−マゼンタインクの調製−
実施例3において、遠心分離処理を行わなかった以外は、実施例3と同様にして、比較例3のマゼンタインクを調製した。なお、比較例3のマゼンタ顔料分散液における顔料の平均粒径は220nmであった。
−シアンインクの調製−
実施例4において、遠心分離処理を行わなかった以外は、実施例4と同様にして、比較例4のシアンインクを調製した。なお、比較例4のシアン顔料分散液における顔料の平均粒径は165nmであった。
−シアンインクの調製−
実施例5において、遠心分離処理を行わなかった以外は、実施例5と同様にして、比較例5のシアンインクを調製した。なお、比較例5のシアン顔料分散液における顔料の平均粒径は185nmであった。
AccuSizer 780(Particle Sizing Systems社製)により、各記録用インク5μl中に存在する粒径0.5μm以上の粗大粒子数の測定を行った。また、測定データから粒径0.5μm以上1μm未満、粒径1μm以上5μm未満、及び粒径5μm以上の粒子数を算出し、総粗大粒子数に占める割合を算出した。
実施例及び比較例で作製した記録用インクを用い、間欠吐出安定性評価を行った。
評価機としてインクジェット(IJ)プリンターIPSiO Jet 300(株式会社リコー製)を使用し、一定時間吐出を行わない状態でキャリッジをスキャン(空スキャン)させた後、IJ用コート紙上に全ノズル各20滴印字した。その後、回復動作(パージ50滴)を行う評価を10回繰り返した。空スキャン時間は5秒、15秒、30秒、及び60秒の4段階で行った。評価は20滴の印字中の特に第1滴目のドット噴射方向について拡大写真を撮り、目視により以下の基準にて評価した。
〔第1滴目のドット噴射方向評価の判断基準〕
○・・・噴射方向乱れが無く、ノズルがほぼ1列に並んでいる状態
△・・・若干噴射方向が乱れているが、第2発目の列に及んでいない状態
×・・・第1発目のドットが第2発目のドットのラインを超えている状態
××・・・噴射が見られない状態
−シアンインクの調製−
実施例5において、メンブレンフィルターの平均孔径を1.2μmから5.0μmに変えた以外は、実施例5と同様にして、実施例9のシアンインクを調製した。
−シアンインクの調製−
比較例5において、メンブレンフィルターの平均孔径を1.2μmから5.0μmに変えた以外は、比較例5と同様にして、比較例6のシアンインクを調製した。
−インクセットの調製−
実施例1〜4の各記録用インクから構成される実施例10のインクセットを調製した。
−インクセットの調製−
実施例10において、実施例1〜4の各記録用インクから、界面活性剤及び浸透剤(2−エチル−1,3−へキサンジオール又は2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール)を除いた以外は、実施例10と同様にして、比較例7のインクセットを調製した。
−インクセットの調製−
実施例10において、実施例1〜4の各記録用インクから、浸透剤(2−エチル−1,3−へキサンジオール又は2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール)を除いた以外は、実施例10と同様にして、比較例8のインクセットを調製した。
−インクセットの調製−
実施例1、6、7及び8の各記録用インクから構成される実施例11のインクセットを調製した。
−インクセットの調製−
実施例11において、実施例1、6、7、8の各記録用インクの界面活性剤を、フッ素含有界面活性剤(FT−110(ネオス社製))に代えた以外は、実施例11と同様にして、実施例12のインクセットを調製した。
前記インクジェット(IJ)プリンターIPSiO Jet 300(株式会社リコー製)を用い、評価用紙として普通紙を使用した。文字画像を印字し、その文字滲み、色境界滲みについて下記基準で評価を行った。
〔評価基準〕
◎・・・滲みが観られない状態
○・・・滲みがほとんど観られない状態
△・・・滲みが若干観られる状態
×・・・滲みが明確に観られる状態
これに対し、実施例10〜12のインクセット、特に実施例10及び11のインクセットは、文字滲み及び色境界滲みが生じることなく、高品位な画質を有することが判った。
前記インクジェット(IJ)プリンターIPSiO Jet 300(株式会社リコー製)を用い、ベタ画像を連続で印字し、吐出不良が発生するまでの時間(秒)を測定した。
−インクセットの調製−
実施例10において、実施例1〜4の各記録用インクから、消泡剤を除いた以外は、実施例10と同様にして、比較例9のインクセットを調製した。
実施例10のインクセット及び比較例9のインクセットについて、以下の評価を行った。結果を表5に示した。
各記録用インクを脱気してカートリッジに充填し、インクジェット(IJ)プリンターIPSiO Jet 300(株式会社リコー製)に装填後、初期充填動作を行い、その後ノズルチェックパターンを印字させ、初期充填性能をノズル抜けが無くなるまでに行った初期充填動作回数で以下の基準にて評価した。
〔評価基準〕
◎・・・1回で充填できた
×・・・2回以上
各記録用インクを充填したインクジェット(IJ)プリンターIPSiO Jet 300(株式会社リコー製)を用い、各色毎にベタ画像を打たせ、ノズル抜けが生じたら、回復動作を行い、1色につき、全部でA4用紙20枚を印字した。印字前後のカートリッジの質量を測定し、使用した記録用インクの量を算出し、また、印字中に行った回復動作の回数をチェックした。
−記録用インクの調製−
実施例1において、自己乳化型シリコーン消泡剤としてのKS508(信越化学工業社製)を、エマルジョン型のシリコーン消泡剤としてのKM72F(信越化学工業社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例13の記録用インクを調製した。
−記録用インクの調製−
実施例1において、自己乳化型シリコーン消泡剤としてのKS508(信越化学工業社製)を非シリコーン消泡剤(ポリエーテル系消泡剤、旭電化社製「LG294」)に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例10の記録用インクを調製した。
各記録用インクを50℃の環境下で10日間保存し、保存前後での記録用インクの起泡力をJIS K3362に基づいて、25℃の環境下で行い、以下の基準にて評価した。
〔評価基準〕
◎・・・保存前後で起泡力に差が生じない状態
○・・・保存後の起泡力の低下が、保存前の30%未満である状態
△・・・保存後の起泡力の低下が、保存前の30%以上50%未満である状態
×・・・保存後の起泡力の低下が、保存前の50%以上である状態
2 インク袋
3 インクカートリッジの筐体
11 第1筐体
12 第2筐体
13 第3筐体
25 インク供給口
43 給紙コロ
82 ネジ部材
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
144 分離パッド
151 搬送ベルト
152 再度カウンタローラ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
Claims (14)
- 着色剤、界面活性剤、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール及び2−エチル−1,3−へキサンジオールの少なくともいずれかである浸透剤並びに消泡剤を含むインク液を遠心分離した後、更に平均孔径が1.2μm〜5.0μmのメンブレンフィルターで濾過してなり、粒径が0.5μm以上の粗大粒子を3.0×107(個/5μl)以下含み、かつ粒径が1μm以上5μm未満の粒子の前記粗大粒子における量が0.005個数%〜1個数%であることを特徴とする記録用インク。
- 着色剤が、少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す顔料である請求項1に記載の記録用インク。
- 着色剤が、分散剤の存在下で水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す請求項1から2のいずれかに記載の記録用インク。
- 着色剤が、水不溶性色材及び水難溶性色材の少なくともいずれかを含むポリマー微粒子である請求項1から3のいずれかに記載の記録用インク。
- 界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩界面活性剤から選択される少なくとも1種である請求項1から4のいずれに記載の記録用インク。
- ポリオキシエチレンアルキルエーテル界面活性剤が、一般式、CnHn+1O(CmH2mO)lH (ただし、該一般式中、n、m及びlは、整数を表す。)、で表される化合物から選択され、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩界面活性剤が、一般式、CnHn+1O(CmH2mO)lCH2COOH (ただし、該一般式中、n、m及びlは、整数を表す。)、で表される化合物から選択される請求項5に記載の記録用インク。
- 消泡剤がシリコーン消泡剤から選択される請求項1から6のいずれかに記載の記録用インク。
- シリコーン消泡剤が、自己乳化型及びエマルジョン型のいずれかである請求項7に記載の記録用インク。
- 粗大粒子の50℃で30日間放置後における増加率が、50個数%以下である請求項1から8のいずれかに記載の記録用インク。
- 着色剤、界面活性剤、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール及び2−エチル−1,3−へキサンジオールの少なくともいずれかである浸透剤並びに消泡剤を混合してインク液を調製するインク液調製工程と、
該インク液を遠心分離した後、更に平均孔径が1.2μm〜5.0μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、粒径が0.5μm以上の粗大粒子を3.0×107(個/5μl)以下とし、かつ粒径が1μm以上5μm未満の粒子の前記粗大粒子における量を0.005個数%〜1個数%とする粗大粒子調整工程とを含むことを特徴とする記録用インクの製造方法。 - 請求項1から9のいずれかに記載の記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項1から9のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1から9のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
- 記録材上に請求項1から9のいずれかに記載の記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
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