JP2011121088A - 耐割れ性に優れたNi−Cr−Fe合金系溶接金属 - Google Patents

耐割れ性に優れたNi−Cr−Fe合金系溶接金属 Download PDF

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Abstract

【課題】Crを17〜35質量%、Feを7〜11質量%、Niを約60質量%の範囲で含有する高Cr含有Ni基合金を対象とし、スラグの発生が抑制されてブローホールの発生も見られないことは勿論のこと、耐割れ性に優れた高Cr含有Ni基合金溶接金属を提供する。
【解決手段】本発明のNi−Cr−Fe合金系溶接金属は、C:0.010〜0.05%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.20〜1.0%、Cr:17〜35%、Ti:0.010〜0.80%および/またはNb:0.01〜1.00%、Fe:7〜11%、N:0.0600%以下、O:0.020%以下、Cu:0.300%以下、Al:1.00%以下、P:0.010%以下(0%を含まない)、S:0.010%以下(0%を含まない)、残部:Niおよび不可避的不純物であり、粒界周辺の析出物を観察したとき、平均粒子径は150nm以下であり、平均個数密度は5.0個/μm2以上を満足している。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐割れ性に優れたNi−Cr−Fe系合金溶接金属に関し、詳細には、Crを17〜35質量%、Feを7〜11質量%、Niを約60質量%の範囲で含有するNi基合金の溶接材料における耐割れ性向上技術に関するものである。
CrおよびFeを含むNi基合金(Ni−Cr−Fe系合金)の溶接材料は、耐食性や耐熱性に優れるため、主に原子炉、熱交換器、熱処理冶具、航空機部品などに用いられている。特に、Ni−30質量%Cr−10質量%Fe合金に代表される高Cr含有Ni基合金溶接材料は、溶接後の応力腐食割れ抑制作用を有するため、例えば原子炉容器、加圧器、蒸気発生器などに用いられている。
しかしながら、Ni基合金は母相がγ単相であるため、その溶接部には凝固割れ、延性低下割れ、液化割れ、再熱割れなどの高温割れが発生し易いという問題を抱えている。高温割れの問題は、Ni基合金の溶接金属全般で問題になる欠陥であり、例えば、非特許文献1には、溶接金属の含有元素によって割れの感受性が変化し、S,P,Siなどの元素が割れ感受性を引き上げる元素として記載されている。
また、特許文献1および特許文献2には、Cr量が約15%程度とCr量が少ないNi基合金を対象とした凝固割れ性改善技術が開示されているが、Cr量がもっと多い高Cr含有Ni基合金については考慮されていない。
高Cr含有Ni基合金を対象とした技術として、例えば、特許文献3には、Laなどの希土類元素を添加してミクロ割れ(延性低下割れ)を抑制する方法が開示されている。また、特許文献4には、AlおよびTiを添加することによって溶接金属中にNi3Al及びNi3Ti等を析出させ、凝固組織の改善を図ると共に溶接材料中にZr及びMoを添加することによって高温強度を高める方法が記載されている。
特開2007−203350号公報 特開2006−272432号公報 特開2005−288500号公報 特開平10−146692号公報
溶接学会誌、2000年、第69巻第5号、p.447〜464
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、Crを17〜35質量%、Feを7〜11質量%、Niを約60質量%の範囲で含有する高Cr含有Ni基合金を対象とし、スラグの発生が抑制されてブローホールの発生も見られないことは勿論のこと、耐割れ性に優れた高Cr含有Ni基合金溶接金属を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明耐に係る割れ性に優れたNi−Cr−Fe合金系溶接金属は、C:0.010〜0.05%(%は質量%の意味。以下、同じ)、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.20〜1.0%、Cr:17〜35%、Ti:0.010〜0.80%および/またはNb:0.01〜1.00%、Fe:7〜11%、N:0.0600%以下、O:0.020%以下、Cu:0.300%以下、Al:1.00%以下、P:0.010%以下(0%を含まない)、S:0.010%以下(0%を含まない)、残部:Niおよび不可避的不純物であり、粒界周辺の析出物を観察したとき、平均粒子径は150nm以下であり、平均個数密度は5.0個/μm2以上を満足するところに要旨を有するものである。
好ましい実施形態において、Ti:0.10%以上およびN:0.0050%以上であり、且つ、Tiの含有量(%)およびNの含有量(%)をそれぞれ、[Ti]および[N]としたとき、[Ti]×[N]≧0.0020を満足している。
好ましい実施形態において、本発明の溶接金属は、更に、Ta、Mo、およびVよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を含有し、且つ、Ta:1.00%以下、Mo:0.30%以下、V:0.30%以下である。
好ましい実施形態において、本発明の溶接金属は、更に、Mg、Zr、およびBよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を含有し、且つ、Mg:0.020%以下、Zr:0.090%以下、およびB:0.0080%以下である。
本発明によれば、化学成分だけでなく、割れを促進する粒界すべりの発生防止に有用な、粒界周辺に存在する析出物サイズ及び析出物の個数も適切に制御されているため、スラグの発生が抑制されてブローホールの発生も見られないことは勿論のこと、溶接時の割れが著しく低減されたNi−Cr−Fe合金系溶接金属が提供される。
図1は、表1のNo.2(本発明例)のTEM観察写真である。 図2は、表1のNo.30(比較例)のTEM観察写真である。 図3は、表1のNo.3(本発明例)のTEM観察写真である。
本発明者らは、Crを17〜35質量%、Feを7〜11質量%、Niを約60質量%の範囲で含有する高Cr含有Ni基合金(以下、単に「高Cr含有Ni基合金」と呼ぶ場合がある。)を対象とし、スラグの発生が抑制されてブローホールの発生も見られないという溶接金属に要求される前提条件は当然満たしたうえで、耐割れ性に優れた高Cr含有Ni基合金溶接金属を提供するため、特に粒界の形状に着目して検討を重ねてきた。その結果、溶接時の割れを防止するには、従来から考えられているSi、P、Sの偏析を防止するだけでは不十分であり、粒界にせん断力がかかって粒界すべりが起こり易くなると粒界破壊が容易に起こるため、上記のようにSi、P、Sの偏析を抑制しても溶接割れが促進されることが分かった。そこで更に検討を重ねた結果、粒界周辺に存在する析出物サイズ及び析出物の個数を適切に制御すると共に、化学成分について、特に当該析出物の制御に大きな影響を及ぼすTi、Nb、N、Oなどを適切に制御すれば、所期の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
本発明に到達した経緯について、もう少し詳しく説明する。本発明者らの基礎実験結果によれば、従来の代表的な溶接割れ防止指針に基づき、高Cr含有Ni基合金においてSi、P、Sなどの偏析元素を極限まで(おおむね、0.0010質量%程度)低減したとしても溶接時に割れが多発する現象が起こるという実情に鑑み、粒界形状に着目して検討を重ねてきた。その結果、高Cr含有Ni基合金は、粒界が直線状になることによって粒界すべりが起こり易くなることが分かった。つまり、粒界にせん断力がかかり、粒界破壊が容易に起こるため、上記のSi、P、Sなどの元素によって偏析を抑制しても、溶接割れが促進すると考えられる。
そこで、粒界周辺の析出物に的を絞って更に検討を重ねた。その結果、溶接材料中にCを添加して粒界上に所定の析出物を生成させると、粒界形状が波状化し、粒界すべりが起こり難くなり、せん断力が分散することによって溶接割れが抑制されることが判明した。詳細には、析出物のサイズおよび個数によって溶接割れ感受性が変化する。具体的には、析出物のサイズが大きく析出物同士が連結などしていると、析出物−マトリックス界面に占める当該析出物の剥離面積が大きくなり、一旦剥離が生じるとそこが起点となって上記の析出物−マトリックス界面にボイドが発生し、このボイドの連結により、溶接割れの発生が多発すると考えられる。同様の現象は、上記析出物−マトリックス界面に占める析出物の個数が多くなっても生じると考えられる。
このような基礎実験結果に基づき、本発明では、化学成分だけでなく、特に粒界周辺に存在する析出物のサイズ及び析出物の個数を適切に制御して微細且つ分散させることにより、高Cr含有Ni基合金溶接金属の耐割れ性を高めることにした次第である。
更に本発明者らの検討結果によれば、上記のように粒界上に存在する粒界析出物だけでなく、粒内の析出物も適切に制御すれば、高Cr含有Ni基合金溶接金属の耐割れ性が一層促進されることを突き止めた。具体的には、溶接金属中のTi量およびN量の好ましい比率を適切に制御することが有効であり、これにより、溶接金属の凝固段階でTiNが粒内に晶出するようになる。TiNの粒内晶出により凝固組織が微細化し、その結果、溶接金属の結晶粒径が微細化することによって溶接金属の耐割れ特性が著しく改善されると思料される。
本明細書において、「耐割れ性に優れる」とは、溶接時の高温割れに優れることを意味する。高温割れには、前述したように凝固割れ、延性低下割れ、液化割れ、再熱割れなどがあるが、本発明の溶接金属は、いずれの高温割れに対しても良好な特性を有するものである。
以下、本発明の溶接金属について詳しく説明する。上記のとおり、本発明の溶接金属は、C:0.010〜0.05%(%は質量%の意味。以下、同じ)、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.20〜1.0%、Cr:17〜35%、Ti:0.010〜0.80%および/またはNb:0.01〜1.00%、Fe:7〜11%、N:0.0600%以下、O:0.020%以下、Cu:0.300%以下、Al:1.00%以下、P:0.010%以下(0%を含まない)、S:0.010%以下(0%を含まない)、残部:Niおよび不可避的不純物であり、粒界周辺の析出物を観察したとき、平均粒子径は150nm以下であり、平均個数密度は5.0個/μm2以上を満足するところに特徴がある。
まず、本発明を最も特徴付ける粒界周辺の析出物(サイズおよび個数)について説明する。
上述したとおり、本発明では、粒界周辺に存在する析出物を微細化(所定サイズ以下)且つ分散させており(所定個数密度以上)、これにより粒界がより波状化するようになり、粒界すべりによる粒界破壊の防止を図る技術である。上記のように粒界周辺の析出物を微細化することにより、粒界強度の低下を抑制することができる。また、上記のように粒界周辺の析出物を制御することにより、粗大に析出するCr炭化物の生成が抑制されるようになり、応力腐食割れを防止することもできる。
ここで、「粒界周辺の析出物」とは、粒界上または粒界近傍に存在する析出物を意味する。ここで、粒界近傍とは、粒界を中心として1μmの範囲(粒界からの距離が0.5μm以内の範囲)を意味する。
詳細には、粒界が視野(1視野:1.6μm×1.8μm)のほぼ中心になるようにTEM観察(倍率6万倍)を行なったとき、粒界上または粒界近傍に存在する析出物を対象とする。ただし、本発明では、上記析出物の粒子径(円相当直径)が10nm以下のものは、対象範囲外とする。このような超微細析出物は、耐割れ性向上に殆ど寄与しないからである。
本発明では、上記のようにしてランダムに合計5視野のTEM組織写真を撮影し、粒界上または粒界近傍に存在する析出物を抽出する。次に、画像解析ソフト(Image−Pro Plus)を用いた粒子解析による画像処理を行って上記析出物の粒子径(円相当直径)および個数密度(1μm2当たりの個数)を測定し、5視野中の平均値を、それぞれ、析出物の平均粒子径および平均個数密度と定義する。
そして本発明では、このようにして測定された粒界周辺の析出物の平均粒子径は150nm以下であり、平均個数密度は5.0個/μm2以上を満足していることが必要である。
上記析出物の平均粒子径が150nmを超えると、後記する実施例に示すように耐割れ性が低下する。上記析出物の好ましい平均粒子径は100nm以下であり、より好ましくは80nm以下である。なお、上記析出物の平均粒子径の下限は、析出物の生成による粒界波状効果の大きさなどを考慮するとおおむね10nmであることが好ましい。
好ましい平均個数密度は15.0個/μm2以上である。なお、上記析出物の平均個数密度の上限は、耐割れ性の観点からは特に限定されないが、析出物間の距離が個数密度増加により短くなると、衝撃を受けた場合にボイド連結による靭性の低下などが懸念されるため、おおむね、200.0個/μm2であることが好ましい。
上記のように本発明では、粒界周辺の析出物の平均粒子径および平均個数密度を制御したところに最大の特徴があり、上記要件を満足する限り、当該析出物の種類は特に限定されない。但し、本発明に係る溶接金属の化学成分(詳細は後述する。)に照らせば、上記要件を満足する析出物は、主にTi系やNb系の炭化物である。具体的には、TiC、NbC、TiNbCなどが挙げられる。本発明によれば、耐割れ性向上に悪影響を及ぼす粗大なCr炭化物の生成は抑制される。
次に、本発明に係る溶接金属の化学成分について説明する。本発明では、これらのうち、上記析出物の生成に有用な元素であるTiおよび/またはNb、N、O、Cを特に厳しく制御したところに特徴がある。
C:0.010〜0.05%
Cは、耐割れ性向上に寄与する析出物(主に炭化物)の生成に有用な元素である。詳細にはCは、Ti、Nb、Crなどの炭化物形成元素と反応し、炭化物として溶接金属中に生成されるが、この炭化物がないと粒界すべりが起こり易くなり、割れが発生する。このような作用を有効に発揮させるため、C量を0.010%以上とする。ただし、C量が過剰になると、炭化物の粗大化を招き、特に粗大なCr炭化物が生成して高温割れが発生し、また粒界におけるCr量の欠乏により応力腐食割れも発生するため、その上限を0.05%とする。
Si:0.05〜0.5%
Siは脱酸元素であり、靱性向上に寄与する。このような作用を有効に発揮させるため、Si量を0.05%とする。ただし、Si量が過剰になると、Siが偏析して割れが発生するほか、スラグの発生が増加するため、その上限を0.5%とする。
Mn:0.20〜1.0%
Mnは、Siと同様に脱酸元素として作用し、靭性向上に寄与する。このような作用を有効に発揮させるため、Mn量を0.20%とする。ただし、Mn量が過剰になると、スラグの発生が増加するため、その上限を1.0%とする。
Cr:17〜35%
Crは耐食性改善元素であり、応力腐食割れ防止にも寄与する元素である。このような作用を有効に発揮させるため、Cr量を17%とする。ただし、Cr量が過剰になると、粒界に粗大なCr炭化物が発生し、割れが促進されるため、その上限を35%とする。
Ti:0.010〜0.80%および/またはNb:0.01〜1.00%
TiおよびNbは、粒界上でTiC(おおむね、0.010%以上のTi量で析出)やNbCなどの微細な析出物を生成し、粒界を波状化して粒界すべりを抑制し、耐割れ性向上に寄与する元素である。また、凝固段階でNと結合してTiNやNbNなどの窒化物を生成し、溶接金属の凝固組織を微細化するため溶接金属の結晶粒が微細化され、結果的に耐割れ特性が向上する。このような作用を有効に発揮させるため、Ti量を0.010%以上、Nb量を0.01%以上とする。なお、これらの元素は単独で添加しても良いし、併用しても良い。TiとNbを併用するとき、厳密には、一方の量によって他方の量を決定することが好ましい。例えばTi量が約0.1%以上の場合は、Nb量は少なくとも0.01%以上に制御することが好ましい。
但し、過剰に添加すると以下の不具合が生じる。まず、Tiについて、Tiは脱酸元素でもあるが、Tiを過剰に添加すると溶接金属中の酸素(O)と反応してTi酸化物を生成し、スラグの発生量が増え、スラグ巻込み欠陥やビード概観が劣るようになるため、その上限を0.80%とする。また、Nbについて、Nb量が過剰になるとNb炭化物が粗大化し、割れの原因となるため、その上限を1.00%とする。
Ti量およびNb量の好ましい範囲は、Ti:0.100〜0.600%、Nb:0.05〜0.60%である。
N:0.0600%以下
N量は過剰になると溶接金属中にブローホールの発生、靭性低下が起こるため、その上限を0.0600%とする。0.0600%以下のN量では割れ性やその他の特性にほとんど影響しないため、N量の下限は特に限定しないが、Nは、凝固段階でTiと結合してTiNを生成し、溶接金属の凝固組織を微細化するため溶接金属の結晶粒が微細化し、溶接金属の耐割れ特性向上に寄与する元素である。このような作用を有効に発揮させるため、好ましくはN量を0.005%以上とする。
O:0.020%以下
Oは、酸化物として存在し、強度向上などに寄与するが、添加量が多いと粗大な酸化物が生成してスラグ巻き込みやスラグ発生などが起こる。このような観点から、O量の上限を0.020%とする。
Cu:0.300%以下
Cuは強度、耐食性、冷間加工性の向上に有効な元素であるが、0.300%を超えて添加すると、強度過剰により割れが発生する。このため、Cu量の上限を0.300%と規定する。
Al:1.00%以下
Alは、酸化物として存在し、スラグ発生量の増加を促すことから、その上限を1.00%とする。
Fe:7〜11%
Feは、強度向上に有用な元素であり、その下限を7%とする。但し、過剰に添加すると、靱性の低下を招くため、その上限を11%とする。
P:0.010%以下(0%を含まない)
Pは粒界偏析し易い元素であり、割れを促進するため、その上限を0.010%とする。
S:0.010%以下(0%を含まない)
Sは粒界偏析し易い元素であり、割れを促進するため、その上限を0.010%とする。
本発明の溶接金属は、基本的に上記元素を含有し、残部はNiおよび不可避的不純物である。Ni量は、おおむね、55〜65%の範囲であることが好ましい。このように本発明の溶接金属は、オーステナイト形成元素であるNi量を多く含有しているため、平衡状態では、凝固段階で生成する初晶がδフェライト相でなくオーステナイト相である場合でも、δフェライト相と格子整合性に優れたTiNが凝固段階に存在することで、準安定相であるδフェライト相の生成が誘発され、凝固組織が微細化するため、溶接金属の結晶粒が微細化し、溶接金属の耐割れ特性が改善すると考えられる。
更に本発明では、以下の元素を添加しても良い。
Ta、Mo、およびVよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を含有し、且つ、Ta:1.00%以下、Mo:0.30%以下、V:0.30%以下
Ta、MoおよびVは、溶接金属の高強度化に寄与する元素であり、これらの元素を単独または併用して用いることができる。各元素を含有する場合の好ましい含有量は以下のとおりである。
Ta:1.00%以下
Taは溶接金属中に固溶し、強度を増加させる。また、炭化物としても安定な元素であり、TiやNbと同様に粒界に微細な炭化物が生成し、高温割れが抑制される。ただし、Taを過剰に添加すると、強度過剰により割れが発生するため、その上限を1.00%とすることが好ましい。
Mo:0.30%以下
Moは溶接金属の高強度化に用いられる元素であるが、0.30%を超えて含有すると強度過剰により割れが発生する。このため、Moの好ましい上限は0.30%以下とする。
V:0.30%以下
Vは溶接金属の高強度化に用いられる元素であるが、0.30%を超えて含有すると強度過剰により割れが発生する。このため、Vの好ましい上限は0.30%以下とする。
Mg、Zr、およびBよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を含有し、且つ、Mg:0.020%以下、Zr:0.090%以下、およびB:0.0080%以下
Mg、Zr、およびBは、高温延性向上により加工性の改善に寄与する元素であり、これらの元素を単独または併用して用いることができる。各元素を含有する場合の好ましい含有量は以下のとおりである。
Mg:0.020%以下
Mgは、Zrと同様に脱酸元素としても作用し、0.020%を超えて添加するとスラグの発生が顕著となる。このため、その好ましい上限を0.020%以下とする。
Zr:0.090%以下
Zrは、上記作用のほか脱酸元素としても作用し、0.090%を超えて添加するとスラグの発生が顕著となる。このため、その好ましい上限を0.090%とする。
B:0.0080%以下
Bを、0.0080%を超えて添加すると高温割れを発生させるため、その好ましい上限を0.0080%以下とする。
更に本発明では、一層優れた耐割れ性の確保を目的として、Ti量およびN量、更にはこれらの比率を適切に制御することが推奨される。具体的には、Ti:0.10%以上およびN:0.0050%以上であり、且つ、Tiの含有量(%)およびNの含有量(%)をそれぞれ、[Ti]および[N]としたとき、[Ti]×[N]≧0.0020を満足していることが好ましい。これにより、TiNが粒内に晶出して凝固組織が微細化し、その結果、溶接金属の結晶粒径が微細化し、溶接金属の耐割れ性も著しく改善するようになる。溶接金属の凝固段階で生成する上記のTiNは、溶接金属の凝固ままのδフェライト相との格子整合性が良好であり、凝固組織が微細化するためである。すなわち、前述したように、本発明の溶接金属は、オーステナイト形成元素であるNi量を多く含有しているが、δフェライト相と格子整合性に優れた上記TiNが、溶接金属の凝固段階に存在することによって準安定相であるδフェライト相の生成が誘発され、凝固組織が微細化するため、溶接金属の結晶粒が微細化し、溶接金属の耐割れ特性が改善すると考えられる。
具体的には、TiNの安定域を考察すると、Ti量が0.5%のとき、N量は約0.005%前後([Ti]×[N]≒0.0025)であることが好ましく;Ti量が0.2%のとき、N量は約0.015%前後([Ti]×[N]≒0.003)であることが好ましく;Ti量が0.1%のとき、N量は約0.03%前後([Ti]×[N]≒0.003)であることが好ましい。
以上、本発明の溶接金属について説明した。
このような本発明に係る溶接金属を得るためには、使用する溶接材料(ワイヤ)、溶接条件、母材を適切に制御することが好ましい。特にTi量やN量を制御し、耐割れ性向上の促進に有用な粒内の微細なTiNを晶出させるためには、溶接ワイヤ中のN量を制御しても良いし、あるいは、後記するようにシールドガス中に窒素ガスを適量添加する方法を採用しても良い。
まず、本発明に用いられるワイヤについて説明する。
本発明に用いられるワイヤの組成は、上記溶接金属の組成と実質的に同じであることが好ましい。具体的には、好ましいワイヤの組成は、以下のとおりである。より好ましいワイヤの組成も、溶接金属の好ましい範囲に概ね合致する。
(好ましいワイヤの基本成分)
C:0.010〜0.05%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.20〜1.0%、Cr:17〜35%、Ti:0.010〜0.80%および/またはNb:0.01〜1.00%、Fe:7〜11%、N:0.0600%以下、O:0.020%以下、Cu:0.300%以下、Al:1.00%以下、P:0.010%以下(0%を含まない)、S:0.010%以下(0%を含まない)、残部:Niおよび不可避的不純物。
(好ましいワイヤの選択成分)
更に、Ta、Mo、およびVよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を含有し、且つ、Ta:1.00%以下、Mo:0.30%以下、V:0.30%以下であるか;または、
更に、Mg、Zr、およびBよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を含有し、且つ、Mg:0.020%以下、Zr:0.090%以下、およびB:0.0080%以下である。
本発明に用いられる鋼材(母材)は特に限定されないが、例えば、HT690級またはHT780級の鋼材などを用いることが好ましい。特に本発明の溶接金属は、原子炉圧力容器への適用を主に意図していることから、原子炉などに一般に用いられる鋼材を使用することができる。具体的には、例えば、JIS G−3120で規格化されている圧力容器用調質型マンガンモリブデン鋼およびマンガンモリブデン鋼や、JIS G−4902で規格化されているNi基合金、SUS304L、SUS316Lなどのステンレス鋼などが代表的に挙げられる。
本発明では、ティグ(TIG)溶接により溶接を行なうことが好ましい。具体的には、以下の条件で溶接することが好ましい。
シールドガス:Ar
電流:150〜300A
電圧:10〜14V
溶接速度:5〜15cm/min
パス間温度:150℃以下
ここで、シールドガス中に窒素ガスを添加することによって所望のTiNを粒内に晶出させる場合には、窒素ガスの添加量は、全流量の0.1〜0.6%の範囲で添加することが好ましく、これにより、溶接金属中のN量を0.0100〜0.0700質量%の範囲で制御できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
本実施例では、表1に記載の母材と、表2に記載のソリッドワイヤ(φ1.2mm)を用い、以下に記載の条件で自動TIG溶接を行った。
シールドガス:Ar
電流−電圧:200A−11V
溶接速度:6cm/min
運棒:ウィービング
溶加量:9g/min
パス間温度:100〜150℃
このようにして得られた溶接金属の組成を表3に示す。溶接金属の組成は、溶接金属の中央部分について調べた。なお、表4に「粒内TiN」の欄を設け、Ti量、Ni量、および[Ti]および[N]の積が本発明の好ましい要件(Ti量:0.10%以上、N量:0.0050%以上、[Ti]×[N]≧0.002)を満足するものに「○」を、これらのうちいずれか一方が本発明の好ましい要件を満足しないものに「×」を付した。
また、前述した方法に基づき、粒界周辺の析出物の平均粒子径および平均個数密度を測定した。これらの結果を表4に記載する。また、上記析出物の組成は、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による分析およびナノディフラクション解析によって同定した。
更に、下記方法により、耐割れ性、スラグ性、およびブローホールの有無を調べた。
(耐割れ性)
JIS Z−3122の記載に基づいて曲げ試験用ジグを作製し、JIS Z−3011の項目6203に基づいて5層肉盛(10パス/層)の溝埋込みで側曲げ割れ試験を行い、割れ数を測定した。本実施例では、以下の基準で耐割れ性を評価し、◎または○を合格(耐割れ性に優れる)とした。
◎ :割れ数0
○ :ほとんど割れないが、ごく稀に微小な割れが発生する。
△ :数十個の割れが起こる。
× :割れ数100個以上。
(スラグ性)
溶接直後の試料をデジタルカメラで撮影し、ビードに被覆しているスラグの面積を、画像解析ソフト(Image−Pro Plus)を用いて算出し、ビード上のスラグ被覆率を求めた。被覆率が10%以下のときを○、10%超のときを×と判定した。
(ブローホールの有無)
耐割れ性の評価に用いた溝埋め込み試験片の溶接金属断面を光学顕微鏡で観察し、ブローホールの有無を確認した。
これらの結果を表4に併記する。
これらの表より以下のように考察することができる。
まず、No.2〜28は、溶接金属の組成、粒界周辺の析出物の平均粒子径及び平均個数密度が本発明の要件を満足する本発明例であり、耐割れ性に優れている(評価○)。また、スラグ性も良好であり、ブローホールの発生も見られなかった。これらのうちNo.2〜8,10,12〜16,18,22〜24,26,28はTi量、N量、及び[Ti]×[N]の積が本発明の好ましい要件を更に満足する例(粒内TiN:○)であり、耐割れ性に一層優れている(評価◎)。
これに対し、No.1、29〜48は、使用するワイヤの組成が本発明の好ましい要件を満足しないため、本発明に規定する要件のいずれかの要件を満足せず、耐割れ性低下、スラグ性低下、ブローホールの発生のいずれかが認められた。
No.1は、Cr、Fe以外の元素を極力添加されていないBASE材であり、前記添加元素の要件を満足していないため、耐割れ性が低下した。
No.29は、Nb量が多いためNbCの粒界析出物が粗大化し、平均個数密度も少なくなり、耐割れ性が低下した。また、スラグ性も低下した。
No.30および31はTi量が少ないため、粒界周辺の析出物の平均粒子径及び平均個数密度が本発明の要件を満たしておらず、耐割れ性が低下した。
No.32はC量が少ないため、炭化物の平均個数密度が確保されず耐割れ性が低下した。
No.33はC量が多いため、Cr炭化物が粗大化し、平均個数密度が少なくなり、耐割れ性が低下した。
No.34はN量が多いため、TiNが多く発生して炭化物となるTi量が不足し、粗大なCr炭化物が多く生成して平均個数密度が少なくなり、耐割れ性が低下した。また、スラグが多く発生し、ブローホールも発生した。
No.35はSi量が多いため、粒界強度が低下し、耐割れ性が低下した。
No.36はCr量が多いため、Cr炭化物が粗大化し、平均個数密度が少なくなり、耐割れ性が低下した。
No.37〜40は、粒界周辺の析出物の平均粒子径及び平均個数密度は本発明の要件を満足しており、耐割れ性に優れるが、Mn(No.37)、Ti(No.38)、Al(No.40)の脱酸元素の含有量、およびO(No.39)の含有量がそれぞれ多いため、スラグが大量に発生した。
No.41および42は、不純物元素であるSおよびPが多量に添加されているため、耐割れ性が低下した。
No.43〜46はそれぞれ、溶接金属の強度上昇を招くTa,Cu,Mo,Vの各元素が多量に添加されているため、強度過剰により耐割れ性が低下した。
No.47および48は、脱酸元素であるZrおよびMgの過剰添加により、多量のスラグが発生した。更にNo.47はB量の過剰添加により耐割れ性が低下した。
参考のため、図1および図2に、No.2(本発明例)およびNo.30(比較例)のTEM観察写真を示す。これらの図より、図1に示す本発明例では、粒界周辺に微細な析出物が多数存在しているのに対し、図2に示す比較例では、粒界周辺に粗大な析出物が存在していることが分かる。
また、図3に、No.3(本発明例)のTEM観察写真を示す。この図より、図3に示す本発明例では、粒内にTiNが生成していることが分かる。

Claims (4)

  1. C:0.010〜0.05%(%は質量%の意味。以下、同じ)、
    Si:0.05〜0.5%、
    Mn:0.20〜1.0%、
    Cr:17〜35%、
    Ti:0.010〜0.80%および/またはNb:0.01〜1.00%、
    Fe:7〜11%、
    N:0.0600%以下、
    O:0.020%以下、
    Cu:0.300%以下、
    Al:1.00%以下、
    P:0.010%以下(0%を含まない)、
    S:0.010%以下(0%を含まない)、
    残部:Niおよび不可避的不純物
    であり、
    粒界周辺の析出物を観察したとき、平均粒子径は150nm以下であり、平均個数密度は5.0個/μm2以上を満足する
    ことを特徴とする耐割れ性に優れたNi−Cr−Fe合金系溶接金属。
  2. Ti:0.10%以上およびN:0.0050%以上であり、且つ、
    Tiの含有量(%)およびNの含有量(%)をそれぞれ、[Ti]および[N]としたとき、[Ti]×[N]≧0.0020を満足するものである請求項1に記載のNi−Cr−Fe合金系溶接金属。
  3. 更に、Ta、Mo、およびVよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を含有し、且つ、Ta:1.00%以下、Mo:0.30%以下、V:0.30%以下である請求項1または2に記載のNi−Cr−Fe合金系溶接金属。
  4. 更に、Mg、Zr、およびBよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を含有し、且つ、Mg:0.020%以下、Zr:0.090%以下、およびB:0.0080%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のNi−Cr−Fe合金系溶接金属。
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