JP2011118054A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び分散液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に感光層を有し、表面層が、特定の2つのアクリル(メタクリル)構造単位を含み、フッ素含有量が10質量%以上40質量%以下であり、重量平均分子量Mwが5万以上20万以下、Mwと数平均分子量Mnとの比〔Mw/Mn〕が1以上8以下であり、炭素数1以上6以下のパーフルオロアルキル基を有する、フッ素系グラフトポリマーと、フッ素含有樹脂粒子と、を含有する。
【選択図】なし
Description
電子写真方式による画像形成装置に用いられる電子写真感光体(以下、「感光体」と称することがある。)としては、無機光導電材料を用いた無機感光体に比べ、安価で製造性及び廃棄性の点で優れた利点を有する有機光導電材料を用いた有機感光体が主流を占める様になってきている。中でも、露光により電荷を発生する電荷発生層と電荷を輸送する電荷輸送層とを積層させた機能分離型の有機感光体は、電子写真特性の点で優れており、種々の提案が成され、実用化されている。
例えば、分散助剤としてフッ素系グラフトポリマーを添加することによって、フッ素系樹脂粒子の分散性を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光体の表面がPTFE樹脂、クシ型フッ素系グラフトポリマー、及びノニオン系パーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤を含有する電子写真感光体が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、導電性支持体上に直接または下引き層を介して感光層または感光層と保護層を有する電子写真感光体において、最表面層には少なくともフッ素樹脂粒子とフッ素系界面活性剤を含有し、且つフッ素樹脂粒子の含有量が最表面層の全体積に対して、20体積%以上70体積%以下、フッ素系界面活性剤の固形分含有率が最表面層の該フッ素系界面活性剤の固形分とバインダー樹脂混合物全量に対して5体積%以上7体積%であり、且つフッ素樹脂粒子の表面自由エネルギーが最表面層の該フッ素系界面活性剤とバインダー樹脂との混合物の表面自由エネルギーよりも大きい電子写真感光体が知られている(例えば、特許文献3参照)。
請求項1に係る発明は、導電性支持体上に少なくとも感光層を有し、表面層が、下記構造式Aで表される構造単位及び下記構造式Bで表される構造単位を含み、フッ素含有量が10質量%以上40質量%以下であり、重量平均分子量Mwが5万以上20万以下であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比〔Mw/Mn〕が1以上8以下であり、炭素数1以上6以下のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーと、フッ素含有樹脂粒子と、を含有する電子写真感光体である。
前記フッ素系グラフトポリマーは、重量平均分子量Mwが8万以上20万以下であり、かつ、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比〔Mw/Mn〕が1以上5以下である請求項1に記載の電子写真感光体である。
前記表面層中における前記フッ素系グラフトポリマーの含有量が、前記フッ素含有樹脂粒子に対して0.5質量%以上5.0質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体である。
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、画像形成装置に着脱自在なプロセスカートリッジである。
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記電子写真感光体に形成された静電潜像を静電潜像現像剤によりトナー画像として現像する現像手段と、前記電子写真感光体に形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、前記被転写体に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を有する画像形成装置である。
下記構造式Aで表される構造単位及び下記構造式Bで表される構造単位を含み、フッ素含有量が10質量%以上40質量%以下であり、重量平均分子量Mwが5万以上20万以下であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比〔Mw/Mn〕が1以上8以下であり、炭素数1以上6以下のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーと、フッ素含有樹脂粒子と、を含有する分散液である。
請求項2に係る発明によれば、表面層中における前記特定のフッ素系グラフトポリマーが、重量平均分子量Mw8万以上20万以下、かつ、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比〔Mw/Mn〕が1以上5以下の範囲外である場合と比較して、細線再現性に優れた電子写真感光体が提供される。
請求項3に係る発明によれば、表面層中における前記特定のフッ素系グラフトポリマーの含有量が、前記フッ素含有樹脂粒子に対して0.5質量%以上5.0質量%以下の範囲外である場合と比較して、細線再現性に優れた電子写真感光体が提供される。
請求項4に係る発明によれば、電子写真感光体の表面層が前記特定のフッ素系グラフトポリマーを含有しない場合と比較して、細線再現性に優れたプロセスカートリッジが提供される。
請求項5に係る発明によれば、電子写真感光体の表面層が前記特定のフッ素系グラフトポリマーを含有しない場合と比較して、細線再現性に優れた画像形成装置が提供される。
請求項6に係る発明によれは、前記特定のフッ素系グラフトポリマーを含有しない場合と比較して、フッ素含有樹脂粒子の分散性に優れた分散液が提供される。
<電子写真感光体及び分散液>
本実施形態の電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層を有し、表面層が、特定のフッ素系グラフトポリマーと、フッ素含有樹脂粒子と、を含有する。
前記特定のフッ素系グラフトポリマーは、下記構造式Aで表される構造単位及び下記構造式Bで表される構造単位を含み、フッ素含有量が10質量%以上40質量%以下であり、重量平均分子量Mwが5万以上20万以下であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比〔Mw/Mn〕が1以上8以下であり、炭素数1以上6以下のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系グラフトポリマー(以下、単に「特定フッ素系グラフトポリマー」ともいう)である。
また、本実施形態の分散液は、特定フッ素系グラフトポリマーと、フッ素含有樹脂粒子と、を含有する。
また、本実施形態において、特定フッ素系グラフトポリマーの重量平均分子量Mwは、スチレン換算重量平均分子量を指し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定された値を指す。
また、特定フッ素系グラフトポリマーの数平均分子量Mnは、スチレン換算数平均分子量を指し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定された値を指す。
また、本実施形態において、炭素数1以上6以下のパーフルオロアルキル基は、前記特定フッ素系グラフトポリマー中に、単独で存在していてもよいし、炭素数1以上6以下のパーフルオロアルキル基とアルキレン基とが結合したフッ化アルキル基の形態で存在していてもよい。
しかし、上記従来の電子写真感光体では、フッ素樹脂粒子の分散性が低下することにより該フッ素樹脂粒子が凝集し、凝集したフッ素樹脂粒子により表面層中における光散乱が増大し、その結果、画像形成時における細線再現性が低下する場合がある。
特に、炭素数1以上6以下のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーを用いた場合に、前記分散性の低下及び前記細線再現性の低下がより顕著になる傾向がある。この原因は、以下のように推測される。
従って、炭素数1以上6以下のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーでは、従来用いられてきた炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーと比較して、ポリマー全量中におけるフッ素基量が少なくなる傾向があり、その結果、前記フッ素樹脂粒子の分散悪化及び前記細線再現性の低下が起こりやすくなるものと推測される。
具体的には、該フッ素系グラフトポリマーの重量平均分子量Mwが5万以上20万以下であり、かつ重量平均分子量と数平均分子量との比を1以上8以下にすることにより、フッ素含有量が10質量%以上40質量%以下となり、フッ素系樹脂粒子への吸着力が高まり、フッ素系樹脂粒子の分散性が向上することを見出した。
本実施形態の分散液は、必要に応じその他の成分を含んでいてもよい。
本実施形態の分散液は、例えば、溶媒中で、フッ素系樹脂を特定フッ素系グラフトポリマー(分散助剤)により分散させて調製される。
また、本実施形態の分散液は、特定フッ素系グラフトポリマー及びフッ素系樹脂のほかに、電荷輸送層の構成成分(電荷輸送材料や結着樹脂等)を含んでいてもよい。この場合、本実施形態の分散液は、電荷輸送層形成用の塗布液として用いられる。
特定フッ素系グラフトポリマー、フッ素系樹脂、溶媒、電荷輸送層の構成成分(電荷輸送材料や結着樹脂等)については、後述の電子写真感光体の説明中で詳述する。
上記構造式A及び構造式B中、l、mは各々独立に1以上の整数を表し、1以上100以下の整数が好ましく、10以上100以下の整数がより好ましい。
また、比率〔l/(l+m)〕は、0.2以上0.8以下が好ましく、0.4以上0.8以下の整数がより好ましい。
上記構造式A及び構造式B中、nは独立に1以上の整数を表し、1以上500以下の整数が好ましく、1以上200以下の整数がより好ましい。
また、p、q、r、及びsは各々独立に0又は1以上の整数を表し、1以上10以下が好ましく、1以上5以下がより好ましい。
また、tは0又は1以上5以下の整数を表す。
また、R1、R2、R3、及びR4は各々独立に水素原子又はアルキル基を表し、水素原子又は炭素数1以上6以下のアルキル基がより好ましい。
また、Xは、無置換アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−S−、−O−、−NH−、又は単結合を表し、炭素数1以上6以下の無置換アルキレン鎖、−S−、又は−O−が好ましい。
また、Yは、無置換アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−(CzH2z−1(OH))−、又は単結合を表し、zは1以上の整数を表し、中でも、zが1以上6以下である−(CzH2z−1(OH))−が好ましい。
図1は本実施形態の電子写真感光体の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示した電子写真感光体101は電荷発生層105と電荷輸送層106とが別個に設けられた機能分離型の感光層103を備えるもので、導電性支持体102上に下引き層104、電荷発生層105、電荷輸送層106がこの順序で積層された構造を有している。ここで、電荷輸送層106は電子写真感光体101における表面層(支持体102から最も遠い側に配置される層)であり、詳細は後述するが、フッ素系樹脂粒子と特定フッ素系グラフトポリマーとを含有して構成されている。
なお、本明細書中において「導電性」とは、体積抵抗率が1013Ω・cm未満である性質を指す。
導電性支持体102としては、従来から使用されているものであれば、如何なるものを使用してもよい。例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、およびアルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等、あるいは導電性付与剤を塗布、または含浸させた紙、およびプラスチックフィルム等が挙げられる。導電性支持体102の形状はドラム状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。
下引き層104は、導電性支持体102表面における光反射の防止、導電性支持体102から感光層103への不要なキャリアの流入の防止などの目的で、必要に応じて設けられる。下引き層104の材料としては、アルミニウム、銅、ニッケル、銀などの金属粉体や、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの導電性金属酸化物や、カーボンファイバ、カーボンブラック、グラファイト粉末などの導電性物質等を結着樹脂に分散し、支持体上に塗布したものが挙げられる。また、金属酸化物粒子は2種以上混合して用いてもよい。さらに、金属酸化物粒子へカップリング剤による表面処理を行うことで、粉体抵抗を制御して用いてもよい。
下引き層104の形成の際には、上記成分を溶媒に加えた塗布液が使用される。かかる溶媒としては、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n―ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、などの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤は単独又は2種以上混合して用いられる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤として結着樹脂を溶解する溶剤であれば、いかなるものを使用してもよい。
また、表面粗さ調整のために下引き層104の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、例えば、バフ研磨、サンドブラスト処理、ウエットホーニング、研削処理等を用いる。
中間層を形成する塗布方法としては、例えば、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法を用いる。
かかる電荷発生材料としては、例えば、無金属フタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料が挙げられ、特に、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.4゜、16.6゜、25.5゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.7゜、9.3゜、16.9゜、17.5゜、22.4゜及び28.8゜に強い回折ピークを有する無金属フタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.5゜、9.9゜、12.5゜、16.3゜、18.6゜、25.1゜及び28.3゜に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、CuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも9.6゜、24.1゜及び27.2゜に強い回折ピークを有するチタニルフタロシアニン結晶が好ましい。
その他、電荷発生材料としては、例えば、キノン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、アントロン顔料、キナクリドン顔料等が使用される。また、これらの電荷発生材料は、単独または2種以上を混合して使用する。
このようにして得られる塗布液を下引き層104上に塗布する方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等が挙げられる。電荷発生層105の膜厚は、好ましくは0.01μm以上5μm以下、より好ましくは0.05μm以上2.0μm以下の範囲に設定される。
特定フッ素系グラフトポリマーは、例えば、分子鎖の片方の末端に重合性の官能基を有するマクロモノマーと、炭素数1以上6以下のパーフルオロアルキル基を有する重合性フッ素系モノマーを共重合して得られる。
前記マクロモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン系化合物などの重合体や共重合体などを用いる。
前記「炭素数1以上6以下のパーフルオロアルキル基を有する重合性フッ素系モノマー」としては、例えば、パーフルオロアルキルエチルメタクリレート、パーフルオロアルキルメタクリレート等を用いる。
本実施形態の特定フッ素系グラフトポリマーは、フッ素樹脂粒子への吸着能力が低い低分子量成分の含有量が少ない方が好ましい。低分子量成分の含有量が少ない特定フッ素系グラフトポリマーとして、具体的には、重量平均分子量Mwが8万以上20万以下であり、かつ重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1以上5以下である特定フッ素系グラフトポリマーが好ましい。
以下、精製後の特定フッ素系グラフトポリマーを、「精製特定フッ素系グラフトポリマー」や「精製フッ素系グラフトポリマー」ともいう。
なお、精製前の特定フッ素系グラフトポリマーは分子量分布が広く(即ち、低分子量成分の含有量が多く)なっており、例えば、重量平均分子量Mwが5万以上20万以下であり、かつ重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが6以上8以下となっている。
再沈殿精製法としては、粗特定フッ素系グラフトポリマーを良溶媒に溶解した後、貧溶媒中に滴下し、沈殿させて精製する方法と、粗特定フッ素系グラフトポリマーを良溶媒に溶解した溶液に貧溶媒を滴下し、沈殿させて精製する方法と、がある。
本実施形態においては、どちらの方法を選択してもよいし、また組み合わせてもよい。
また、精製は1回のみ行っても複数回行ってもよい。
再沈殿精製法に用いられる貧溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、水などが挙げられる。
前記特定フッ素系グラフトポリマーの含有量が0.5質量%以上であると、フッ素系樹脂粒子の分散性がより向上する。
前記特定フッ素系グラフトポリマーの含有量が5.0質量%以下であると、ミセルの形成がより抑制され、長期連続使用時の電気特性悪化が抑制される。
当該含有量が2質量%以上であると、フッ素系樹脂粒子分散による電荷輸送層106の改質効果がより効果的に奏される。
また、当該含有量が40質量%以下であれば、光透過性の低下及び膜強度の低下がより抑制される。
前記フッ素系樹脂粒子の粒子径や分子量は、所望の感光体特性が得られる範囲であれば自由に選択する事ができ、特に限定されないが、好ましくは一次粒径は0.05μm以上1μm以下であり、更に好ましくは0.1μm以上0.5μm以下である。
一次粒径が0.05μm以上であると、分散時の凝集がより抑制される。一方、1μm以下であると、画質欠陥がより抑制される。
即ち、本実施形態では、予め、フッ素系樹脂粒子と特定フッ素系グラフトポリマーとを含むフッ素系樹脂粒子懸濁液(好ましくは分散液)を調製しておき、調製された懸濁液と、電荷輸送材料及び結着樹脂を含む液と、を混合して電荷輸送層形成用塗布液を調製してもよい。
前記吸着処理は、まず特定フッ素系グラフトポリマーを有機溶剤中に溶解させた後、フッ素系樹脂粒子を添加し、攪拌あるいは分散処理することで行われる。
本吸着処理で用いられる有機溶剤は電荷輸送層に用いられる材料を溶解する溶剤であればいかなるものを使用してもよい。
たとえば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール等の脂肪族アルコール系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、2−ブタノン等のケトン系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、などの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いる。
また、本工程は所望の特性が得られるのであれば如何なる温度であってもよいが、好ましくは30℃以下、さらに好ましくは25℃以下で行われる。
混合させた液を分散処理することにより、電荷輸送層形成用塗布液中にフッ素系樹脂粒子を均一に分散させる。
該分散方法としては、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、横型サンドミル等のメディア分散機や、攪拌、超音波分散機、ロールミル、高圧ホモジナイザー等のメディアレス分散機が利用される。さらに、高圧ホモジナイザーとして、高圧状態で分散液を液−液衝突や液−壁衝突させて分散する衝突方式や、高圧状態で微細な流路を貫通させて分散する貫通方式などが挙げられる。
レベリング剤の添加量が0.1ppmであれば、電荷輸送層は表面の平滑性がより向上し、1000ppm以下であれば、繰り返し使用時における残留電位上昇がより抑制される。
次に、本実施形態に係る画像形成装置及びプロセスカートリッジについて説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の第一の例を示す全体構成図である。
この画像形成装置1000は、電子写真方式を採用したモノクロの片面出力プリンタである。
この画像形成装置1000は、図の矢印B方向に回転する電子写真感光体である像保持体61と、電源65aから電力の供給を受けて、像保持体61に接触しながら回転することで像保持体表面を帯電する帯電手段である帯電部材65とを備えている。ここで、像保持体61が、本実施形態に係る電子写真感光体の一例に相当する。
この画像形成装置1000には、黒トナーが蓄えられた不図示のトナーカートリッジが備えられており、このトナーカートリッジにより現像器64にトナーの補給が行われる。また、トナー画像が転写されるために用いられる用紙は、給紙手段1の中に蓄えられており、ユーザから画像形成が指示されると給紙手段1から搬送されて、転写ロール50においてトナー画像の転写が行われた後、図の左方向に向かって搬送されていく。図2においては、この時の用紙搬送路が、左向きの矢印で示す経路として示されており、用紙はこの用紙搬送路を通って定着器10において、用紙上に転写された転写像の定着が行われた後、左方向に排出される。
現像器64としては、一成分系、二成分系等の正規又は反転現像剤を用いた従来より公知の現像装置等を用いてもよい。現像器64に使用されるトナーの形状については、特に制限はなく、不定形、球状あるいは他の特定形状のものであってもよい。
この実施形態の画像形成装置1000’はカラープリンタである。
この画像形成装置1000’には、図の矢印Bk,Bc,Bm,By方向にそれぞれ回転する、電子写真感光体である像保持体61K,61C、61M,61Yが備えられている。ここで、像保持体61K,61C、61M,61Yが、本実施形態に係る電子写真感光体の一例に相当する。
4つの像保持体61K,61C、61M,61Yは、帯電部材65K,65C,65M,65Yによりそれぞれ帯電され、さらに露光部7K,7C,7M,7Yから照射されるレーザ光を受けて各像保持体上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像器64K,64C,64M,64Yによってそれぞれの色のトナーを含む静電潜像現像剤で現像されてトナー画像が形成される。このようにして形成された各色のトナー画像は、各色に対応した1次転写ロール50K,50C,50M,50Yにおいて、中間転写ベルト5上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に順次転写(1次転写)されて重ね合わされていき、多色の1次転写像が形成される。
以上が、この画像形成装置1000’における画像形成の動作についての説明である。
酸化亜鉛(平均粒子径:70nm、テイカ社製、比表面積値:15m2/g)100質量部をメタノール500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤として、KBM603(信越化学社製)1.25質量部を添加し、2時間攪拌した。その後、メタノールを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤表面処理酸化亜鉛粒子を得た。
前記表面処理を施した酸化亜鉛粒子60質量部と、アリザリン0.6質量部と、硬化剤としてブロック化イソシアネート(スミジュール3173、住友バイエルンウレタン社製)13.5質量部と、ブチラール樹脂(エスレックBM−1、積水化学社製)15質量部とを、メチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部とを混合し、直径1mmのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間の分散を行い、分散液を得た。得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部と、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、GE東芝シリコーン社製)4.0質量部とを添加し、下引層用塗布液を得た。この塗布液を、浸漬塗布法にて直径30mmのアルミニウム基材上に塗布し、180℃、40分の乾燥硬化を行い、厚さ25μmの下引層を得た。
次に、下記式(1)で表されるパーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマー(重量平均分子量Mw5.5万、Mw/Mn=6.1、l=100、m=50、n=10、フッ素原子含有量25質量%)0.03質量部を、トルエン2.33質量部に溶解させた液に、4フッ化エチレン樹脂粒子1.00質量部(平均粒径:0.2μm)を入れ、20℃の液温に保ちながら48時間攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液(A液)を得た。
次に、電荷輸送物質としてN,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン5.32質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)7.05質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.13質量部を混合してテトラヒドロフラン24質量部及びトルエン11質量部を混合溶解し、B液を得た。
このようにして得られた電子写真感光体をドラムカートリッジに装着した富士ゼロックス社製フルカラープリンターDocu Centre Color f450改造機を用い、28℃/85%環境下にて、プリントテスト(細線再現性の評価)および残留電位の評価を行った。
また、前記電荷輸送層形成用塗布液については、分散性の評価を行った。
評価及び測定の詳細は以下のとおりである。
得られた結果を表1に示す。
28℃85%環境下にて、A3用紙(富士ゼロックス製、C2紙)1万枚に、1ドットライン画像(用紙送り方向に対して平行(縦)、垂直(横)、45度(斜め)ライン画像)を形成した。
1万枚の画像形成中、細線画像におけるラインかすれを目視で確認し、下記評価基準に従って評価した。
−評価基準−
A … 1万枚目においてもラインかすれは発生せず、細線再現性に極めて優れていた。
B … 画像形成7500枚以上1万枚未満で、斜めラインのみにおいてかすれが発生したが、細線再現性が実用上の許容範囲内であった。
C … 画像形成7500枚以上1万枚未満で、縦ライン、横ライン及び斜めラインにおいてかすれが発生したが、細線再現性が実用上の許容範囲内であった。
D … 画像形成5000枚以上7500未満で、斜めラインのみにおいてかすれが発生したが、細線再現性が実用上の許容範囲内であった。
E … 画像形成5000枚以上7500未満で、縦ライン、横ライン及び斜めラインにおいてかすれが発生したが、細線再現性が実用上の許容範囲内であった。
F … 画像形成5000枚未満でラインかすれが発生し、細線再現性が実用上の許容範囲を超えていた。
上記1万枚の画像形成において電子写真感光体表面の残留電位を測定し、1枚目画像形成後の残留電位と、1万枚目画像形成後の残留電位と、の差(=1万枚画像形成後の残留電位−1枚目画像形成後の残留電位)を求め、残留電位の上昇分とした。
残留電位測定は、富士ゼロックス社製フルカラープリンターDocu Centre Color f450改造機に電位センサーを取り付け、測定を行った。
上記方法にて調整した電荷輸送用塗布液の分散性は、塗布液をテトラヒドロフランにて10倍に希釈し、堀場製作所製LA920レーザー回折散乱式粒度分布測定装置にて粒度分布を測定した。詳細には、粒度分布測定結果における0.3μm以下粒子割合値に基づき、下記評価基準に従って分散性を評価した。
−評価基準−
A … 0.3μm以下粒子割合が90個数%以上であり、分散性に極めて優れていた。
B … 0.3μm以下粒子割合が75個数%以上90個数%未満であり、分散性に優れていた。
C … 0.3μm以下粒子割合が60個数%以上75個数%未満であり、分散性が実用上の許容範囲内であった。
D … 0.3μm以下粒子割合が60個数%未満であり、分散性が実用上の許容範囲内を超えていた。
実施例1において、A液及びB液を以下のようにして調製されたA液及びB液に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
下記式(2)で表されるパーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマー(重量平均分子量Mw19.5万、Mw/Mn=7.9、l=50、m=100、n=10、フッ素原子含有量12質量%)0.02質量部を、テトラヒドロフラン1.63質量部とトルエン0.70質量部に溶解させた液に4フッ化エチレン樹脂粒子1.00質量部(平均粒径:0.2μm)を入れ、20℃の液温に保ちながら48時間攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液(A液)を得た。
電荷輸送物質としてN,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン5.32質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)7.05質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.13質量部を混合してテトラヒドロフラン26.25質量部及びトルエン9.92質量部を混合溶解し、B液を得た。
実施例1において、A液及びB液を以下のようにして調製されたA液及びB液に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
下記式(3)で表されるパーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマー(重量平均分子量Mw9万、Mw/Mn=6.8、l=90、m=45、n=10、フッ素原子含有量28質量%)0.03質量部を、トルエン2.33質量部に溶解させた液に4フッ化エチレン樹脂粒子1.00質量部(平均粒径:0.2μm)を入れ、20℃の液温に保ちながら48時間攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液(A液)を得た。
電荷輸送物質としてN,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン5.32質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)7.05質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.13質量部を混合してテトラヒドロフラン26.25質量部及びトルエン9.92質量部を混合溶解し、B液を得た。
実施例1において、A液及びB液を以下のようにして調製されたA液及びB液に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例3で用いたパーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマー(重量平均分子量Mw9万、Mw/Mn=6.8、l=90、m=45、n=10、フッ素原子含有量28質量%)3質量部をメチルエチルケトン7質量部に溶解し、得られた溶液をメタノール20質量部に滴下し、再沈殿させた。最沈殿物をろ過したのち、メタノールで洗浄したのち80℃にて減圧乾燥を行い、精製パーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマー(重量平均分子量Mw10.5万、Mw/Mn=2.4、l=90、m=45、n=10、フッ素原子含有量28質量%)を得た。
得られた精製パーフルオロアルキル基含有メタクリル子ポリマー0.02質量部を、テトラヒドロフラン1.63質量部とトルエン0.70質量部に溶解させた液に4フッ化エチレン樹脂粒子1質量部(平均粒径:0.2μm)を入れ、20℃の液温に保ちながら48時間攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液(A液)を得た。
電荷輸送物質としてN,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン5.32質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)7.05質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.13質量部を混合してテトラヒドロフラン26.25質量部及びトルエン9.92質量部を混合溶解し、B液を得た。
実施例1において、A液及びB液を以下のようにして調製されたA液及びB液に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例1で用いたパーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマー(重量平均分子量Mw5.5万、Mw/Mn=6.1、l=100、m=50、n=10、フッ素原子含有量25質量%)3質量部をメチルエチルケトン7質量部に溶解し、得られた溶液にメタノール10質量部を滴下し、再沈殿させた。最沈殿物をデカンテーションによりメタノール洗浄したのち、80℃にて減圧乾燥を行った。得られた乾燥沈殿物を3質量部をメチルエチルケトン7質量部に溶解し、得られた溶液をメタノール20質量部に滴下し、再沈殿させた。再沈殿物をろ過したのち、メタノールで洗浄したのち80℃にて減圧乾燥を行い、精製パーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマー(重量平均分子量Mw6.5万、Mw/Mn=1.4、l=100、m=50、n=10、フッ素原子含有量25質量%)を得た。得られた精製パーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマー0.02質量部を、テトラヒドロフラン1.63質量部とトルエン0.70質量部に溶解させた液に4フッ化エチレン樹脂粒子1質量部(平均粒径:0.2μm)を入れ、20℃の液温に保ちながら48時間攪拌混合し、4フッ化エチレン樹脂粒子懸濁液(A液)を得た。
電荷輸送物質としてN,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニルベンジジン5.32質量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:40,000)7.05質量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.13質量部を混合してテトラヒドロフラン26.25質量部及びトルエン9.92質量部を混合溶解し、B液を得た。
実施例1において、パーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマーの量を0.007質量部に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、パーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマーの量を0.07質量部に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、パーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマーを、下記構造式で表されるパーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマー(重量平均分子量Mw4.5万、Mw/Mn=10.2、l=50、m=50、n=50、フッ素原子含有量9質量%)0.03質量部に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、パーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマーを、前記式(1)で表されるパーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマー(重量平均分子量Mw4.9万、Mw/Mn=8.2、l=100、m=50、n=10、フッ素原子含有量25質量%)0.03質量部に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例1において、パーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマーを、前記式(1)で表されるパーフルオロアルキル基含有メタクリルコポリマー(重量平均分子量Mw23万、Mw/Mn=9.5、l=100、m=50、n=10、フッ素原子含有量25質量%)0.03質量部に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
また、実施例1乃至実施例7(特に、実施例4及び実施例5)では、A液の分散性が良好であった。
2 排紙受け
3 搬送ロール
5 中間転写ベルト
7a 除電ランプ
7 露光部
8 レジロール対
9 2次転写ロール対
10,10’ 定着器
13 送出ロール対
50 転写ロール
61 像保持体
62 クリーニング装置
64 現像器
65 帯電部材
65a 電源
100 プロセスカートリッジ
100a 支持部材
101 電子写真感光体
102 導電性支持体
103 感光層
104 下引き層
105 電荷発生層
106 電荷輸送層
1000、1000’ 画像形成装置
Claims (6)
- 導電性支持体上に少なくとも感光層を有し、表面層が、下記構造式Aで表される構造単位及び下記構造式Bで表される構造単位を含み、フッ素含有量が10質量%以上40質量%以下であり、重量平均分子量Mwが5万以上20万以下であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比〔Mw/Mn〕が1以上8以下であり、炭素数1以上6以下のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーと、フッ素含有樹脂粒子と、を含有する電子写真感光体。
〔上記構造式A及び構造式B中、l、m、及びnは各々独立に1以上の整数を表す。p、q、r、及びsは各々独立に0又は1以上の整数を表し、tは0又は1以上5以下の整数を表す。R1、R2、R3、及びR4は各々独立に水素原子又はアルキル基を表し、Xは無置換アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−S−、−O−、−NH−、又は単結合を表し、Yは無置換アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−(CzH2z−1(OH))−、又は単結合を表す。zは1以上の整数を表す。〕 - 前記フッ素系グラフトポリマーは、重量平均分子量Mwが8万以上20万以下であり、かつ、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比〔Mw/Mn〕が1以上5以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層中における前記フッ素系グラフトポリマーの含有量が、前記フッ素含有樹脂粒子に対して0.5質量%以上5.0質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、画像形成装置に着脱自在なプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記電子写真感光体に形成された静電潜像を静電潜像現像剤によりトナー画像として現像する現像手段と、
前記電子写真感光体に形成されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、
前記被転写体に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を有する画像形成装置。 - 下記構造式Aで表される構造単位及び下記構造式Bで表される構造単位を含み、フッ素含有量が10質量%以上40質量%以下であり、重量平均分子量Mwが5万以上20万以下であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比〔Mw/Mn〕が1以上8以下であり、炭素数1以上6以下のパーフルオロアルキル基を有するフッ素系グラフトポリマーと、フッ素含有樹脂粒子と、を含有する分散液。
〔上記構造式A及び構造式B中、l、m、及びnは各々独立に1以上の整数を表す。p、q、r、及びsは各々独立に0又は1以上の整数を表し、tは0又は1以上5以下の整数を表す。R1、R2、R3、及びR4は各々独立に水素原子又はアルキル基を表し、Xは無置換アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−S−、−O−、−NH−、又は単結合を表し、Yは無置換アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、−(CzH2z−1(OH))−、又は単結合を表す。zは1以上の整数を表す。〕
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