JP2011112313A - 空調用レジスタ - Google Patents
空調用レジスタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011112313A JP2011112313A JP2009270990A JP2009270990A JP2011112313A JP 2011112313 A JP2011112313 A JP 2011112313A JP 2009270990 A JP2009270990 A JP 2009270990A JP 2009270990 A JP2009270990 A JP 2009270990A JP 2011112313 A JP2011112313 A JP 2011112313A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- retainer
- arm
- link member
- connecting rod
- fin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Air-Flow Control Members (AREA)
- Air-Conditioning For Vehicles (AREA)
Abstract
【課題】 リテーナよりも外側に連結ロッドが飛び出すことのない空調用レジスタを提供する。
【解決手段】縦方向に配列する複数の横フィン2と、横フィンに固定され支軸21の回動により揺動するアーム22と、アームの配列方向の一端部に位置する第1のアームに連結するとともに第1のアームと隣接する第2のアームとの間に配置されたリンク部材5と、第2〜4のアームに連結され該アームの揺動により移動する連結ロッド6とをもつ。連結ロッドがリテーナの側壁1cから遠方に移動するときに、リンク部材は、第2〜4のアームの揺動に伴って揺動可能とするように、リテーナに支持されている。連結ロッドには、リンク部材に形成された突部52が嵌合しており且つ連結ロッドがリテーナの一端側の側壁1cに向けて移動するときにリンク部材に対して連結ロッドを相対移動させる長穴63が形成されている。
【選択図】 図9
Description
本発明は、住宅建物の空調装置の室内吹出し口や車両用空調装置の車室内吹出し口などに取付けられて空調空気の吹出し方向を調整する空調用レジスタに関する。
例えば、住宅建物の空調装置の室内吹出し口には、複数のフィンが一定方向に向いて空調空気を室内に吹出させる空調用レジスタが取付けられている。空調用レジスタのフィンの向きが一定方向に固定されていると、空調空気の吹き出し方向が一定方向に偏ってしまう。そこで、フィンの向きの調節可能な空調用レジスタが望まれている。
フィンの向きの調節可能な空調用レジスタとしては、例えば、特許文献1に開示されているように、車両のインストルメントパネルに取付けられる空調用レジスタがある。このレジスタは、図16(a)に示すように、リテーナ90の吹出し口側には、フランジを設けた枠体90bが設けられている。枠体90bの流通空間には、複数枚のフィン91が所定の間隔で配列させている。フィン91は、フィン91の左右の端面から突出した支軸92を介して、リテーナ90に回動可能に支持されている。支軸92先端に形成されたアーム93は、連結ロッド94に所定の間隔で一連に連結している。図16(b)〜(d)に示すように、連結ロッド94が、配列方向の一端側又は他端側に移動して支軸92を中心にアーム93及びフィン91が揺動することにより、空調用レジスタの空調空気の吹出し方向が調整される。
図16(d)に示すように、連結ロッド93は、複数枚のフィン91のうち枠体90bの壁部95に近接するフィン91は、他のフィン91と同じ揺動角度で揺動すると、壁部95と干渉してしまい、すべてのフィン91の揺動が制限される。そこで、壁部95に近接するフィン91及びアーム93の揺動角度を抑えるべく、連結ロッド94に形成されてアーム93の突部93aを嵌合している嵌合孔94aを、円弧状の逃し穴としている。
この特許文献1の空調用レジスタは、フィン91に固定された支軸92がリテーナに回動可能に支持されているため、複数のフィンを互いに平行で任意な方向に調節することができる。ただし、壁部95に近接したアーム93の突部93aは、逃し穴である円弧状の嵌合孔94aに嵌合されているため動かない。アーム93の突部93aは、嵌合孔94aの端部に当接した位置で止まり、フィン91aは壁部95と干渉することが回避される。
しかしながら、図16(d)に示すように、端部側のフィン91は、これに連結されているアーム93の突部93aが嵌合孔94aの端部に当接した位置で止まっているとき、連結ロッド93の下端部は下方に移動される。このため、連結ロッド93の下端部が枠体90bの壁部95よりも外側に突出してしまう。
このレジスタを住宅空調用として用いる場合には、リテーナの間際まで天井材などの基材が迫ってきているため、連結ロッド93がリテーナよりも外側に突出するスペースを設けにくい。例えば、天井にあける穴が大きくなったり複雑な切り取り枠線となったりするため、レジスタの取付け作業の負担が大きくなる。
また、嵌合孔94aの円弧長さを短くして、連結ロッド93のリテーナからの突出量を減らすことも考えられるが、その場合には、フィン91の傾斜角度の調整可能範囲が減り、好ましくない。
このような連結ロッドの突出による問題は、車両空調用レジスタについても起こり得る。例えば、レジスタのリテーナに近接した位置に機器を設置することができなくなり、空間スペースの有効利用の妨げとなる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、リテーナよりも外側に連結ロッドが飛び出すことのない空調用レジスタを提供することを課題とする。
(1)本発明の空調用レジスタは、吹出し口と空気流路を形成する筒状のリテーナと、
該リテーナ内に収容され横方向に延び互いに並設された複数のフィンと、
複数の該フィンの延び方向の端部にそれぞれ突出し前記リテーナに回動可能に枢支された複数の支軸と、を備えた空調用レジスタにおいて、
一端が複数の前記各支軸に固定され前記各支軸の回動により各フィンと一体に揺動する複数のアームと、
複数の該アームの配列方向の一端部に位置する一のアームに連結するとともに、該一のアームと、該一のアームに隣接するアームとの間に配置されたリンク部材と、
複数の前記アームのうち前記一のアーム以外の1又は2以上の他のアームに連結され該他のアームの揺動により移動する連結ロッドと、
該連結ロッドが、前記一のアームに隣接する前記リテーナの隣接壁部から遠方に移動するときに、前記リンク部材を前記他のアームの揺動に伴って揺動可能とするように前記リテーナに前記リンク部材を支持させる揺動手段と、
前記連結ロッドに形成されて、前記リンク部材に形成された突部が嵌合しており且つ前記連結ロッドが前記リテーナの前記隣接壁部に向けて移動するときに前記リンク部材に対して前記連結ロッドを相対移動させる長穴と、を有することを特徴とする。
該リテーナ内に収容され横方向に延び互いに並設された複数のフィンと、
複数の該フィンの延び方向の端部にそれぞれ突出し前記リテーナに回動可能に枢支された複数の支軸と、を備えた空調用レジスタにおいて、
一端が複数の前記各支軸に固定され前記各支軸の回動により各フィンと一体に揺動する複数のアームと、
複数の該アームの配列方向の一端部に位置する一のアームに連結するとともに、該一のアームと、該一のアームに隣接するアームとの間に配置されたリンク部材と、
複数の前記アームのうち前記一のアーム以外の1又は2以上の他のアームに連結され該他のアームの揺動により移動する連結ロッドと、
該連結ロッドが、前記一のアームに隣接する前記リテーナの隣接壁部から遠方に移動するときに、前記リンク部材を前記他のアームの揺動に伴って揺動可能とするように前記リテーナに前記リンク部材を支持させる揺動手段と、
前記連結ロッドに形成されて、前記リンク部材に形成された突部が嵌合しており且つ前記連結ロッドが前記リテーナの前記隣接壁部に向けて移動するときに前記リンク部材に対して前記連結ロッドを相対移動させる長穴と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、複数のフィンは、それぞれ支軸を介してアームを一体に固定している。このため、各フィンが揺動すると各アームも同様に揺動する。複数のアームのうち配列方向の一端側に位置する一のアームは、リンク部材に連結され、他のアームは、連結ロッドに連結されている。このため、他のアームのいずれか1つが揺動すると、連結ロッドによって互いに繋がれた他のアーム及びフィンが揺動する。
連結ロッドがリテーナの隣接壁部に向かって揺動するときに、連結ロッドに形成された長穴が、リンク部材に形成された突部に対して移動する。このため、リンク部材の移動が抑えられる。そして、リンク部材は、一端側の一のアームと、一のアームと隣接するアームとの間に位置している。そのため、リテーナよりも外側に連結ロッドが飛び出すことを防止することができる。
リンク部材の移動が抑えられるため、リンク部材に連結されている一端側の1のアーム及びフィンの揺動は抑えられる。したがって、一端側に近接するリテーナの隣接壁部にフィンが干渉することを防止することができる。
(2)前記長穴は、前記連結ロッドに対する前記リテーナの相対的な揺動軌跡と同じ円弧形状であることが好ましい。
長穴の円弧形状は、連結ロッドに対するリテーナの相対的な揺動軌跡に一致する。このため、連結ロッドがリテーナの隣接壁部に向かって揺動するときに、リンク部材が、リテーナの相対的な揺動軌跡を描く長穴に沿って、連結ロッドに対して相対移動する。それゆえ、リンク部材は、リテーナと同様に、移動しない。ゆえに、リンク部材がリテーナから突出することを確実に抑制することができる。
(3)前記揺動手段は、前記リテーナに一端が枢支され他端で前記リンク部材を枢支する揺動ロッドであることが好ましい。
この場合には、揺動ロッドが、一端を中心に揺動可能であるため、リンク部材は、連結ロッドとともに揺動することができる。このため、連結ロッドがリテーナの隣接壁部から遠方に移動するときに、リンク部材に連結されている一のアームを介して、一のフィンを、他のフィンとともに揺動させることができる。
(4)前記揺動手段は、前記リテーナに形成された円弧形状のガイド穴と、前記リンク部材に突設され前記ガイド穴に移動可能に嵌合された嵌合突部とからなることが好ましい。
この場合には、嵌合突部がガイド穴に沿って移動することで、リンク部材は、連結ロッドとともに揺動することができる。このため、連結ロッドがリテーナの隣接壁部から遠方に移動するときに、リンク部材に連結されている一のアームを介して一のフィンを、他のフィンとともに揺動させることができる。
本発明の空調用レジスタによれば、他のアームに連結された連結ロッドは、リテーナの隣接壁部に向けて移動するときに,リンク部材の長穴に沿って移動するため、リンク部材の移動が抑えられる。このため、連結ロッドが、リテーナよりも外側に飛び出すことを防止することができる。
本発明の実施形態に係る空調用レジスタについて、図面を用いて詳細に説明する。図1に示すように、空調用レジスタ10は、横方向に長く、縦方向に短い長方形状を呈している。空調用レジスタ10内の導入口19側から吹出し口18までの空気流路の向きを奥行方向という。空調用レジスタ10は、住宅の各部屋の天井壁などに形成された開口に取付けられて、住宅集中空調装置で調整された空調空気を各部屋に吹出す。
図2〜図4に示すように、空調用レジスタ10は、筒状のリテーナ1と、リテーナ1の中の吹出し口18側に配設された複数の横フィン2と、リテーナ1の中の導入口19側に配設された複数の縦フィン3と、リテーナ1の長手方向の両端部に設けられて横フィン2の揺動方向を調節する調節機構4とを有する。
図5に示すように、リテーナ1は、長方形状の内部空間をもつ筒状体であり、上流側に導入口19を、下流側に吹出し口18を開口させている。リテーナ1は、吹出し口18側に配置された第1枠11と、導入口19側に配置された第3枠13と、第1枠11と第3枠13との間に配置された第2枠12とを互いに嵌合することにより一体に形成されている。
図5、図6に示すように、複数の横フィン2は、リテーナ1の中に縦方向に配列している。各横フィン2は、横方向に長く延びている。そして各横フィン2は、横方向の中央で2つのフィン部21、21に区切られている。フィン部21,21の断面は、18mmの幅bを有する偏平細長形状をなしている。本例においては、フィン部21の厚みaは4mmである。フィン部21の長さlは、222mmである。
図5、図7に示すように、2つのフィン部21,21の間は中央支軸23で連結されている。中央支軸23は、リテーナ1の横方向中央に形成された縦方向に延びる補強枠14に回動可能に支持されている。補強枠14は、第1枠11に形成された補強部11bと第2枠12に形成された補強部12bとを合わせて一体にすることにより形成されている。補強部11bと補強部12bとの間に形成された軸受穴15には、中央支軸23が回動可能に貫挿されている。
各横フィン2の横方向の両端部には支軸21が突設されている。支軸21は、リテーナ1の第1枠11の側壁と第2枠12の側壁との間に形成された軸受穴16に回動可能に支持されている。
図5、図8に示すように、調節機構4は、リテーナ1の横方向の両端部の外側に配設されている。調節機構4は、横フィン2の支軸21に固定されたアーム22と、縦方向の一端側に配置されたリンク部材5と、縦方向の他端側に配置された連結ロッド6と、リンク部材5を揺動させる揺動ロッド7とからなる。
図5,図9に示すように、アーム22は、支軸21の先端に固定されていて、横フィン2の幅方向に延びている。アーム22は、リテーナ1の側壁外側で、横フィン2と同様に縦方向に配列しており、その先端には、突起22eが横方向外側に突出している。本実施例では、4つの横フィン2及びアーム22が配列しているが、2つ以上であればその数は問わない。横フィン2及びアーム22は、配列方向の順を特に特定したい場合には、縦方向の一端側から他端側に向けて順に、第1の横フィン2a及びアーム22a、第2の横フィン2b及びアーム22b、第3の横フィン2c及びアーム22c、第4の横フィン2d及びアーム22dと称する。
リンク部材5は、段形状をなし、アーム連結穴51と、横方向外側に突出する突部52と、ロッド連結穴53と、摺接壁54とを有する。リンク部材5は、縦方向の一端側に位置する第1のアーム22aと、この第1のアーム22aに隣接する第2のアーム22bとの間に配置されている。リンク部材5のアーム連結穴51には、第1のアーム22aの突起22eが嵌合されている。第1のアーム22aは本発明のフィンの配列方向の一端側に位置する一のアームに相当し、第2、第3、第4のアーム22b、22c、22dは、本発明の他のアームに相当する。
連結ロッド6は、縦方向に長いロッドであり、その長手方向の一端側と中央部に形成された円形のロッド連結穴61、61と、長手方向の他端側に形成された円弧形状のロッド連結穴62と、一端側のロッド連結穴61よりも導入口側に形成された円弧状の長穴63とを有する。
円形のロッド連結穴61,61には、第2のアーム22bの突起22eと、第3のアーム22cの突起22eが嵌合されている。他端側のロッド連結穴62の形状は、円弧形状であり、第4のアーム22dの基端に固定されている支軸21を中心とし、30°の中心角度をもつ。他端側のロッド連結穴62は、円弧形状をもち、第4のアーム22、即ち縦方向の他端側に位置するアーム22の突起22eが摺動可能に嵌合されている。
長穴63は円弧形状をもち、複数のアーム22の配列方向の両端部以外のアーム(たとえば、第2のアーム22b)に連結されている支軸21の相対的な揺動軌跡と同じ形状である。即ち、長穴63の円弧形状は、連結ロッド6に対して支軸21が相対的に移動する円弧状の軌跡と同じ形状である。この円弧の中心角度は90°である。
長穴63の周囲は、円弧枠64により囲まれている。円弧枠64の導入口側端部64aは、リンク部材5の摺接壁54に摺接している。摺接壁54は、左右外側に段状に突出して、アーム22の支軸21を中心とする突起22eの揺動軌跡と同じ円弧形状をもつ。円弧枠64はこの摺接壁54に沿って移動可能である。
揺動ロッド7の一端側には支軸71が設けられ、他端側には嵌合突部72が設けられている。揺動ロッド7は、アーム22と同じ長さである。嵌合突部72の移動軌跡は、支軸71を中心として揺動し、図9に示したアーム22のN位置から図10に示したアーム22のU位置に移動するときの移動軌跡と同じ円弧形状の揺動軌跡をもつ。図9に示すように、支軸71は、リテーナ1の側壁の外側で吹出し口18側に配置されて、横方向内側に突出している。支軸71は、リテーナ1の側壁に形成された丸穴1a(図5)に嵌合されて、リテーナ1に回動可能に支持されている。嵌合突部72は、リテーナ1の側壁の外側で導入口19側に配置されて、横方向外側に突出している。嵌合突部72は、リンク部材5のロッド連結穴53に回動可能に嵌合されている。
図5、図6に示すように、複数の縦フィン3は、リテーナ1の内部で横フィン2よりも導入口19側に横方向に配列されている。縦フィン3の縦方向の両端部からは、縦方向外側に支軸31が突出している。支軸31は、リテーナ1の第2枠12の側壁と第3枠13の側壁との間に形成された軸受穴17に回動可能に支持されている。図4に示すように、複数の縦フィン3は、それぞれ任意な角度で揺動可能である。
本例の空調用レジスタの各構成部品は、樹脂製である。
空調用レジスタ10を天井に取り付けるにあたっては、図3、図4に示すように、天井壁8に開口81を形成し、この開口81の周縁にリテーナ1の吹出し口18側に形成されたフランジ部11aを係止させる。開口81の天井裏側に、住宅用集中空調装置に連結されるダクトを接続させたチャンバー82を固定する。これにより、チャンバー82の底部に空調用レジスタ10が配置されて、空調用レジスタ10のリテーナ1の導入口側周縁に形成された奥壁13aが、チャンバー82の両側壁の底部と対面する。この底部に奥壁13aをネジ83で締結固定する。
次に、本例の空調レジスタの作動について説明する。図6に示すように、横フィン2が、空調用レジスタの奥行方向に平行に向いている場合をニュートラル位置(N位置)、奥行方向に対して縦方向の一端側に30°傾斜した場合を上30°位置(U位置)、奥行方向に対して縦方向の他端側に30°傾斜した場合を下30°位置(D位置)、奥行方向に対して縦方向の他端側に90°傾斜した場合をシャット位置(S位置)と称する。横フィン2がいずれの位置にあるときにも、アーム22は、横フィン2と同じ方向に向くため、アーム22が、上記の各位置にあるともいうことにする。
図9は、横フィン2がN位置にあるときの調節機構4の状態を示す。図9に示すように、調節機構4のアーム22は、N位置にある。揺動ロッド7は奥行方向に向き、リンク部材5の突部52は、連結ロッド6の長穴63の一端部に位置している。円弧枠64の導入口側端部64aは、摺接壁54の他端部に位置している。連結ロッド6の円弧形状のロッド連結穴62の縦方向の他端側には、第4のアーム22dの突起22eが位置している。
横フィン2をN位置からU位置に移行させるときには、図10に示すように、第1〜第4の横フィン2のいずれかの導入口側端部を他端側に倒して、奥行方向に対して縦方向の一端側に30°傾斜させる。すると、リンク部材5は、揺動ロッド7の支軸71を中心に揺動する。リンク部材5の突部52が連結ロッド6の長穴63の一端部に当接しながら、リンク部材5は、連結ロッド6と一体となって、縦方向の他端側に移動する。連結ロッド6のロッド連結穴62の一端部に位置するまで、すべてのアーム22及び横フィン2が支軸21を中心に揺動する。
横フィン2をN位置からD位置に移行させるときには、図11に示すように、第2〜第4の横フィン2b、2c、2dのいずれかの導入口側端部を一端側に倒して、奥行方向に対して縦方向の他端側に30°傾斜させる。すると、連結ロッド6が、一端側に移動して、連結ロッド6で互いに連結されている第2〜第4のアーム22b、22c、22d及び横フィン2b、2c、2dも、他端側に30°傾斜する。
このとき、リンク部材5の突部52が連結ロッド6の長穴63の一端部から他端部に向けて移行する。長穴63の円弧形状は、連結ロッド6に対するリテーナ1の相対的な揺動軌跡と同じ形状であり、連結ロッド6を主体としたときのリテーナ1の相対移動する軌跡に一致する。具体的には、例えば、連結ロッド6に支持されているアーム22の突起22e(連結ロッドの基準点)に対する、リテーナ1に支持されているアーム22の支軸21(リテーナの相対揺動点)の揺動軌跡と同じ形状をしている。このため、連結ロッド6がリテーナ1の一端側の側壁1c(隣接壁部)に向かって揺動するときに、リンク部材5が、リテーナ1の相対的な揺動軌跡を描く長穴63に沿って、連結ロッド6に対して相対移動する。それゆえ、リンク部材5は、リテーナ1と同様に、移動しない。リンク部材5に連結されている第1のアーム22a及び横フィン2aも揺動せず、N位置に維持される。
また、リンク部材5には、摺接壁54が形成されている。摺接壁54は、リテーナ1に対する連結ロッド6の相対揺動軌跡と同じ形状の円弧形状をもつ。例えば、摺接壁54は、アーム22の支軸21(リテーナ1上の支点)を中心とする突起22e(連結ロッド6上の揺動点)の揺動軌跡と同じ円弧形状をもつ。この摺接壁54の形状は、リテーナ1からみたときに連結ロッド6が移動する軌跡に一致する。連結ロッド6の円弧枠64は、この摺接壁54に沿って一端側から他端側に向けて移動する。このため、連結ロッド6が、リンク部材5の突部52と摺接壁64とで支持されながら、リンク部材5に対して移動する。ゆえに、連結ロッド6の移動が安定化される。
横フィン2をD位置からS位置に移動させるには、図12に示すように、第2〜第4の横フィン2のいずれかの導入口側端部を更に一端側に倒して、奥行方向に対して縦方向の他端側に90°傾斜させる。すると、連結ロッド6が、一端側に更に移動して、連結ロッド6で互いに連結されている第2〜第4のアーム22b、22c、22d及び横フィン2b、2c、2dも、他端側に90°傾斜してS位置に配置されて、吹出し口18は第2〜第4の横フィン2b、2c、2dで閉止される。このとき、連結ロッド6の長穴63がリンク部材5の突部52に対して移動して、突部52を長穴63の他端部に相対的に移行させるため、リンク部材5は移動しない。リンク部材5に連結されている第1のアーム22a及び横フィン2aも移動せず、N位置に維持される。
なお、横フィン2がS位置に配置されたときに、横フィン2とリテーナ1との間の隙間から空調空気が吹き出すことを抑えるため、リテーナ1の横フィン2よりも奥側に、空調空気の流路に向けて突出して流路の周縁を絞る絞り部1dが形成されている。
本例においては、図11、図12に示すように、連結ロッド6がリテーナ1の一端側の側壁1cに向かって揺動するときに、長穴63が突部52に対して移動することで、突部52を長穴63の一端側から他端側に向けて相対移動させる。このため、リンク部材5の移動が抑えられる。そして、リンク部材5は、一端側の第1のアーム22aと第2のアーム22bとの間に位置している。そのため、リテーナ1よりも外側に連結ロッド6が飛び出すことがない。従って、リテーナ1の外周壁間際まで迫る天井壁8の開口81の壁部に、調節機構4が干渉することを防止できる。
また、リンク部材5の移動が抑えられるため、リンク部材5に連結されている一端側の第1のアーム22a及び横フィン2aの揺動は抑えられる。したがって、一端側に近接するリテーナ1の側壁1cに横フィン2が干渉することを防止することができる。
また、横フィン2は、横方向の中央で、リテーナ1の補強枠14に回動可能に支持されている。このため、補強枠14がない場合に比べて、横フィン2の剛性が高い。
(実施例2)
本例は、図13に示すように、リテーナ1の横方向の中央に、補強枠がない点で、実施例1と相違する。横フィン2のフィン部21は、横方向の一端側から他端側まで一体に連続している。その他は、実施例1と同様である。
本例は、図13に示すように、リテーナ1の横方向の中央に、補強枠がない点で、実施例1と相違する。横フィン2のフィン部21は、横方向の一端側から他端側まで一体に連続している。その他は、実施例1と同様である。
(実施例3)
本例は、横フィン2のフィン部21の厚みを、実施例1の横フィン2のフィン部21の厚みの約2倍とした点を除いて、実施例2と同様である。本例のフィン部21の厚みは7mmである。
本例は、横フィン2のフィン部21の厚みを、実施例1の横フィン2のフィン部21の厚みの約2倍とした点を除いて、実施例2と同様である。本例のフィン部21の厚みは7mmである。
<実験例>
実施例1〜3の空調用レジスタの横フィンの剛性を検討した。実施例1〜3の横フィンの成形材料は、PBTG40(ポリブチレンテレフタレート樹脂)である。横フィンのフィン部の厚み、幅、横方向の長さ、断面二次モーメント、及びたわみ量を表1に示した。たわみ量は、フィン部の横方向の中央に20Nの加重を厚み方向に加えた場合を想定して算出した。たわみ量の算出式(a)、断面二次モーメントの算出式(b)、たわみ量の算出式に断面二次モーメントの算出式を代入したときの式(c)を、数1に示した。たわみ量の算出式で用いる曲げ弾性率は、PBTG40の曲げ弾性率であり、13300MPaを用いた。
実施例1〜3の空調用レジスタの横フィンの剛性を検討した。実施例1〜3の横フィンの成形材料は、PBTG40(ポリブチレンテレフタレート樹脂)である。横フィンのフィン部の厚み、幅、横方向の長さ、断面二次モーメント、及びたわみ量を表1に示した。たわみ量は、フィン部の横方向の中央に20Nの加重を厚み方向に加えた場合を想定して算出した。たわみ量の算出式(a)、断面二次モーメントの算出式(b)、たわみ量の算出式に断面二次モーメントの算出式を代入したときの式(c)を、数1に示した。たわみ量の算出式で用いる曲げ弾性率は、PBTG40の曲げ弾性率であり、13300MPaを用いた。
表1より知られるように、実施例1のフィン部のたわみ量は、実施例2、3の場合よりも小さかった。このことから、横フィン2の中央を補強枠14で補強することにより、横フィン2の剛性が向上することがわかる。
上記実施例においては、縦方向の一端側に位置する第1のアーム22のみにリンク部材5を連結しているが、図14に示すように、縦方向の他端側に位置する第4のアーム22にリンク部材50を連結してもよい。他端側に配置されたリンク部材50及び揺動ロッド70は、一端側に配置されたリンク部材5と対称構造をもつ。連結ロッド6は、一端側及び他端側に長穴63,635をもつ。フィン2がU位置側に揺動して連結ロッド6が他端側に移動するときに、連結ロッド6の他端側に形成された長穴635が他端側のリンク部材55の突起52に対して移動することで、リンク部材55が移動を免れ、N位置に止まる。この場合には、縦方向の一端側及び他端側に位置する一対のリンク部材5、50、及び一対のリンク部材5、50の間に配置されている連結ロッド6は、リテーナ1の縦方向の外側にはみ出すことはない。
また、リンク部材5をリテーナ1に対して揺動可能とする揺動手段としては、実施例1では、リテーナ1に一端が枢支され他端でリンク部材5を枢支する揺動ロッド7であったが、図15に示すように、リテーナ1に形成されたガイド穴1bと、リンク部材5に突設されガイド穴1bに移動可能に嵌合された嵌合突部55とからなる場合でもよい。ガイド穴1bは、実施例1の揺動ロッド7の嵌合突部72の移動軌跡上に形成された円弧形状をもつ。この場合でも、ガイド穴1bに沿って嵌合突部55が移動することで、リンク部材5がリテーナ1に対して揺動する。
本例においては、横フィン2は、手動で各フィンの傾斜方向を調節するものであるが、電動式とすることもできる。電動式にする場合には、たとえば、連結ロッド6に駆動手段を連結して、連結ロッド6を駆動手段で移動させることにより、横フィン2の傾斜方向を調節することができる。また、連続的又は間欠的に横フィンの傾斜角度を調節することもできる。
本例においては、空調用レジスタ10は、住宅集中空調装置の各部屋の吹き出し口に取り付けたが、各部屋に装着される空調装置の吹き出し口に取り付けても良い。また、車両の車室内のインストルメントパネルに取り付けても良い。
1:リテーナ、1a:丸穴、1b:ガイド穴、1c:側壁(隣接壁部)、2:横フィン、3:縦フィン、4:調節機構、5:リンク部材、6:連結ロッド、7:揺動ロッド、8:天井壁、10:空調用レジスタ、15,16、17:軸受穴、18:吹出し口、19:導入口、21:支軸、22:アーム、22e:突起、51:アーム連結穴、52:突部、53:ロッド連結穴、54:摺接壁、61,62:ロッド連結穴、63:長穴、64:円弧枠、71:支軸、72:嵌合突部。
Claims (4)
- 吹出し口と空気流路を形成する筒状のリテーナと、
該リテーナ内に収容され横方向に延び互いに並設された複数のフィンと、
複数の該フィンの延び方向の端部にそれぞれ突出し前記リテーナに回動可能に枢支された複数の支軸と、を備えた空調用レジスタにおいて、
一端が複数の前記各支軸に固定され前記各支軸の回動により各フィンと一体に揺動する複数のアームと、
複数の該アームの配列方向の一端部に位置する一のアームに連結するとともに、該一のアームと、該一のアームに隣接するアームとの間に配置されたリンク部材と、
複数の前記アームのうち前記一のアーム以外の1又は2以上の他のアームに連結され該他のアームの揺動により移動する連結ロッドと、
該連結ロッドが、前記一のアームに隣接する前記リテーナの隣接壁部から遠方に移動するときに、前記リンク部材を前記他のアームの揺動に伴って揺動可能とするように前記リテーナに前記リンク部材を支持させる揺動手段と、
前記連結ロッドに形成されて、前記リンク部材に形成された突部が嵌合しており且つ前記連結ロッドが前記リテーナの前記隣接壁部に向けて移動するときに前記リンク部材に対して前記連結ロッドを相対移動させる長穴と、を有することを特徴とする空調用レジスタ。 - 前記長穴は、前記連結ロッドに対する前記リテーナの相対的な揺動軌跡と同じ円弧形状である請求項1に記載の空調用レジスタ。
- 前記揺動手段は、前記リテーナに一端が枢支され他端で前記リンク部材を枢支する揺動ロッドである請求項1又は請求項2に記載の空調用レジスタ。
- 前記揺動手段は、前記リテーナに形成された円弧形状のガイド穴と、前記リンク部材に突設され前記ガイド穴に移動可能に嵌合された嵌合突部とからなる請求項1又は請求項2に記載の空調用レジスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009270990A JP2011112313A (ja) | 2009-11-30 | 2009-11-30 | 空調用レジスタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009270990A JP2011112313A (ja) | 2009-11-30 | 2009-11-30 | 空調用レジスタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011112313A true JP2011112313A (ja) | 2011-06-09 |
Family
ID=44234782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009270990A Pending JP2011112313A (ja) | 2009-11-30 | 2009-11-30 | 空調用レジスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011112313A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103162370A (zh) * | 2011-12-12 | 2013-06-19 | Trw车辆电气与零件有限公司 | 通风装置 |
JP2016095099A (ja) * | 2014-11-14 | 2016-05-26 | 象印マホービン株式会社 | 送風装置 |
CN112303879A (zh) * | 2019-07-26 | 2021-02-02 | 浙江吉利汽车研究院有限公司 | 一种风向调节装置及具有其的空气调节设备 |
-
2009
- 2009-11-30 JP JP2009270990A patent/JP2011112313A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103162370A (zh) * | 2011-12-12 | 2013-06-19 | Trw车辆电气与零件有限公司 | 通风装置 |
EP2604456A1 (de) * | 2011-12-12 | 2013-06-19 | TRW Automotive Electronics & Components GmbH | Luftausströmer |
KR20130066555A (ko) * | 2011-12-12 | 2013-06-20 | 테에르베 오토모티브 일렉트로닉스 운트 콤포넌츠 게엠베하 | 에어벤트 |
CN103162370B (zh) * | 2011-12-12 | 2017-06-30 | 伊利诺斯工具制品有限公司 | 通风装置 |
US10093153B2 (en) | 2011-12-12 | 2018-10-09 | Illinois Tool Works Inc. | Air vent |
KR102045082B1 (ko) * | 2011-12-12 | 2019-11-14 | 일리노이즈 툴 워크스 인코포레이티드 | 에어벤트 |
JP2016095099A (ja) * | 2014-11-14 | 2016-05-26 | 象印マホービン株式会社 | 送風装置 |
CN112303879A (zh) * | 2019-07-26 | 2021-02-02 | 浙江吉利汽车研究院有限公司 | 一种风向调节装置及具有其的空气调节设备 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5210119B2 (ja) | レジスタ | |
JP2006306365A (ja) | 空調用レジスタ | |
JP7013149B2 (ja) | レジスタ | |
JP6077375B2 (ja) | レジスタの操作ノブ | |
JP2011148455A (ja) | レジスタ | |
JP2007269114A (ja) | 空調用レジスタ | |
JP2005053409A (ja) | 空調用レジスタ | |
JP2016016786A (ja) | 空調用薄型レジスタ | |
JP2019098878A (ja) | レジスタ | |
JP2011112313A (ja) | 空調用レジスタ | |
JP3215056U (ja) | レジスタ | |
JP6682236B2 (ja) | 空気吹出装置及び当該空気吹出装置の集合体 | |
JP2009166518A (ja) | レジスタ | |
JP5426361B2 (ja) | レジスタ | |
JP2019202740A (ja) | 風向調整装置 | |
JP4118198B2 (ja) | レジスタ | |
JP5733203B2 (ja) | 空調用レジスタ | |
JP2018070124A (ja) | レジスタ | |
JP2005009751A (ja) | レジスタ | |
JP2011183977A (ja) | レジスタ | |
JP2000318439A (ja) | 空気吹出調整用レジスタ | |
JP6835259B2 (ja) | 吹出パネルおよび空調室内機 | |
JP2008030566A (ja) | 空気吹出調整用レジスタ | |
JP2006010154A (ja) | 吹出口装置 | |
JP4387820B2 (ja) | 車両試験システム |