JP2005009751A - レジスタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】通風路21内に相互に直交方向に且つ前後して前可動ルーバ3と後可動ルーバ4とが設けられ、前可動ルーバ3と後可動ルーバ4には各々複数のフィンが回動軸により回動可能に軸支され、通風路21内にダンパプレート6が開閉可能に設けられる。前可動ルーバ3の横フィン32に操作ノブ5が摺動可能に装着され、操作ノブ5の後部には、操作ノブ5の操作時に後可動ルーバ4の縦フィン42に係合可能なアーム53が連結部材52を介して枢支される。前可動ルーバ3の横フィン31の回動軸33にリンクアーム35と偏倚軸36を介してカム溝付き連結部材37が連結される。カム溝付き連結部材37のカム溝37bに回動機構の係合ピン62bが係合する。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の車内等の換気や空調の空気吹出口に使用されるレジスタに関し、特に通風路内に配設されたダンパプレートを、前可動ルーバのフィン上に設けた操作ノブの操作によって開閉するようにしたレジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空調用のレジスタとして、通風路を形成するベゼル内に、横可動ルーバと縦可動ルーバを前後して配設し、前方に位置する横可動ルーバには複数の横フィンを並行に並べて軸支すると共に、後方に位置する縦可動ルーバにも複数の縦フィンを並行に並べて軸支し、各横フィンおよび各縦フィンにはルーバの回動操作時に同じ方向を向くように、リンクアームが各フィンの偏倚軸に連結された構造のレジスタが、知られている。
【0003】
この種の従来のレジスタには、操作ノブが、横可動ルーバの中央部のフィン上に、その軸方向(横方向)に摺動可能に嵌合される構造のものがあり、このタイプのレジスタの操作ノブは、その横可動ルーバのフィンと共に上下に回動可能に設けられ、操作ノブの先端に係合部が形成され、その係合部が後方に位置する縦可動ルーバのフィンの縦軸(フィンの回動軸とは偏倚した軸)に係合した構造であった。そして、風の向きを左右に調整する場合には、操作ノブを横可動ルーバのフィン上で左又は右に摺動させて、後の縦可動ルーバの向きを左右に変え、風の向きを上下に調整する場合には、操作ノブを横可動ルーバのフィンと共に上又は下に回動させて風の向きを調整するように動作する。
【0004】
しかしながら、この種の前方に位置する横可動ルーバに操作ノブを摺動可能に嵌合したレジスタでは、操作ノブが邪魔をして、前方の横可動ルーバの各横フィンを、完全に全閉状態とすることができない。そこで、この種のレジスタにおいて、通風路にダンパプレートを回動可能に軸支し、ベゼルの正面の下部又は側部に配設したダンパノブにそのダンパプレートをリンク部材などで連係させ、ダンパノブの操作により、ダンパプレートを回動させて通風路を絞り或いは閉鎖するようにしている。
【0005】
また、下記特許文献1に開示されるレジスタのように、前可動ルーバを全閉可能としたルーバ全閉形のレジスタにおいて、摺動可能な操作ノブを前フィンに装着せずに、横可動ルーバに、そのフィンの一部を延設した形状の操作部を一部のフィンに設けると共に、奥の縦可動ルーバの操作用に、別の操作ダイヤルをベゼルの下部に取り付け、さらに、通風路内にダンパプレートを回動可能に軸支し、ベゼルの上部に設けたダンパノブによりダンパプレートを開閉する構造のレジスタも知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−297961公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の上記レジスタは、縦可動ルーバの操作用に、別の操作ダイヤルをベゼル前面の下部に取り付け、さらにダンパプレートを開閉操作するためダンパノブをベゼル前面の上部に設けているため、ベゼルに操作ダイヤルやダンパノブを配置するためのスペースが必要となって、レジスタの外形が大形化する共に、レジスタの良好な意匠性がベゼルの前面に設けた操作ダイヤルやダンパノブによって悪化する問題があった。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、フィンに装着した風向調整用の操作ノブにより、通風路内のダンパプレートを簡単に開閉操作することができるレジスタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のレジスタは、通風路内に相互に直交方向に且つ前後して前可動ルーバと後可動ルーバとが設けられ、前可動ルーバと後可動ルーバには各々複数のフィンが回動軸により回動可能に軸支され、通風路内にダンパプレートが開閉可能に設けられたレジスタにおいて、前可動ルーバのフィンに操作ノブが摺動可能に装着され、操作ノブの後部には、操作ノブの操作時に後可動ルーバのフィンに係合可能なアームが連結部材を介して枢支され、前可動ルーバのフィンの回動軸にリンクアームと偏倚軸を介してカム溝付き連結部材が連結され、カム溝付き連結部材のカム溝に係合する係合ピンを有し、操作ノブの操作によるカム溝付き連結部材の動きに連動してダンパプレートを回動動作させる回動機構が設けられたことを特徴とする。
【0010】
ここで、上記回動機構は、ダンパプレートの回動軸に第一歯車が固定され、第二歯車が第一歯車に噛合して回転可能に軸支されると共に、第二歯車の一部に係合ピンが偏倚して突設され、係合ピンをカム溝付き連結部材のカム溝に係合させる構成とすることができる。
【0011】
また、上記操作ノブは、前可動ルーバのフィンを閉じたときフィンの前面側となる面上に摺動可能に装着され、操作ノブの後部には、操作ノブの摺動操作時に後可動ルーバのフィンに係合可能なアームが連結部材を介して回動可能に枢支され、操作ノブが装着されたフィンには切欠きが設けられ、切欠き内に連結部材が挿通され、操作ノブによる前可動ルーバのフィンの回動に応じてアームが傾動可能とし、前可動ルーバのフィンが通風路の前方開口部を全閉する位置まで回動するように構成することができる。
【0012】
さらに、上記カム溝付き連結部材のカム溝は、前可動ルーバのフィンが風向調整する回動範囲ではダンパプレートが回動せずに開状態を保持し、風向調整範囲を超えてフィンを全閉位置に回動させるように操作ノブを操作したとき、ダンパプレートを閉鎖位置に回動させるように形成するとよい。
【0013】
【作用】
このような構成のレジスタでは、前可動ルーバの各フィンが例えば横方向に配設されており、フィンを上下に回動して風向を例えば上下に調整する場合、フィン上の操作ノブを上に又は下に押してフィンを回動させ、風向を上下に調整することができる。
【0014】
また、後可動ルーバの各フィンが例えば縦方向に配設されており、フィンを左右に回動して風向を例えば左右に調整する場合、前可動ルーバのフィン上の操作ノブを左右に摺動させたとき、操作ノブの後部のアームが後可動ルーバのフィンに係合し、当該フィンを左又は右に回動させ、風向を左右に調整することができる。
【0015】
一方、操作ノブを操作して前可動ルーバのフィンを回動させ、通風路の前方開口部を閉じるように操作すると、フィンの回動軸の回動がリンクアームと偏倚軸を介してカム溝付き連結部材に伝達され、カム溝付き連結部材の動きに連動して回動機構がダンパプレートを回動動作させ、ダンパプレートを閉じるように回動させる。これにより、通風路が閉鎖され、操作ノブの操作によってダンパを閉鎖して送風を止めることができる。
【0016】
また、上記のように、前可動ルーバのフィンを閉じたときフィンの前面側となる面上に操作ノブが摺動可能に装着され、操作ノブの後部には、操作ノブの摺動操作時に後可動ルーバのフィンに係合可能なアームが連結部材を介して回動可能に枢支され、操作ノブが装着されたフィンには切欠きが設けられ、切欠き内に連結部材が挿通され、操作ノブによる前可動ルーバのフィンの回動に応じてアームが傾動可能とし、前可動ルーバのフィンが通風路の前方開口部を全閉する位置まで回動するようにして、フィン全閉形のレジスタとした場合、操作ノブの操作によってフィンを閉鎖位置まで回動させた時、当該フィンと隣接する別のフィンに操作ノブを干渉させずに、良好に前可動ルーバのフィンを全閉させることができる。
【0017】
このように、前可動ルーバのフィンに装着した1個の操作ノブの操作により、レジスタの風向を上下または左右に自在に調整することができ、またダンパプレートを開閉操作することができる。したがって、従来のようにベゼル前面の下部や上部などにダンパ用や後可動ルーバ用の操作ダイヤルを設ける必要はなく、良好なベゼルのデザインが悪化する不具合は解消される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はレジスタの分解斜視図を示している。レジスタの前面を形成するベゼル1の正面には空気吹出口11が形成され、その空気吹出口11の内側にリテーナ2が接続される。
【0019】
リテーナ2は、矩形のダクト状に形成され、内部に通風路21が形成されている。リテーナ2の前縁部の一方には軸受部材34を装着する部分と、前可動ルーバ3の横フィン31の軸を保持するための横フィン軸保持部22が切り込み状に形成されている。また、その前縁部の上下には、後可動ルーバ4の縦フィン41の軸を保持するための縦フィン軸保持部24,25が孔状にまたは切り込み状に形成されている。
【0020】
そしてこれらの軸受部材34と横フィン軸保持部22に、前可動ルーバ3の各横フィン31の回動軸33が回動可能に嵌め込まれ、上下の縦フィン軸保持部24,25に、後可動ルーバ4の各縦フィン41の回動軸43が回動可能に嵌め込まれる。前可動ルーバ3の横フィン31,32と後可動ルーバ4の縦フィン41,42は、各々の回動軸33,43を軸受部材34と軸保持部22,24,25に挿入してリテーナ2の通風路21内の所定位置に縦横に配設された状態で、リテーナ2の前部にベゼル1を嵌着することにより、各軸保持部22,24,25を閉鎖して所定位置に装着される。
【0021】
このレジスタ内の前部に位置する前可動ルーバ3は、複数の横フィン31、32を一定の間隔で横方向に配置し、それらの左側の回動軸33を軸受部材34に回動可能に支持させ、右側の回動軸33には、偏倚軸36を有したリンクアーム35を連結して構成される。複数の横フィン31の中央位置に、ノブ装着用横フィン32が配置されている。このノブ装着用横フィン32は、図3、図4に示すように、中央の前部上面に凸部32aが突設され、その後方につまり後部側の縁部に切欠き32bが設けられる。
【0022】
この凸部32aは、後述の操作ノブ5のノブ本体51と連結部材52を、ノブ装着用フィン32上に、横方向に摺動可能に組み付けるために設けられ、凸部32aの前部は断面が鉤形に形成され、そこに組み付けたノブ本体51を係止する構造となっている。後述のように、前可動ルーバ3と後可動ルーバ4の向きを調整するための操作ノブ5が、前可動ルーバ3の略中央位置の横フィン32に、摺動可能に取り付けられる。
【0023】
さらに、図1のように、各横フィン31、32の両側には回動軸33が突設され、その左側の回動軸33は軸受部材34の軸受孔に回動可能に嵌合され、各横フィン31、32の右側の各回動軸33には、偏倚した偏倚軸36をもったリンクアーム35が連結される。前可動ルーバ3の各横フィン31,32の一方の回動軸33は、リテーナ2の前縁部の横フィン軸保持部22に嵌め込まれ、各回動軸33のリンクアーム35と偏倚軸36は、リテーナ2の外側に配置される。
【0024】
そして、リテーナ2の外側に位置した各リンクアーム35の偏倚軸36には、図2に示すように、略扇形のカム溝付き連結部材37が連結される。カム溝付き連結部材37には、各偏倚軸36に対応した位置に連結孔37aが穿設され、それらの連結孔37aに各偏倚軸36が挿通され、各横フィン31,32が同じ方向に連動して回動するように連結している。
【0025】
また、このカム溝付き連結部材37には、その端部付近にカム溝37bが形成され、このカム溝37bには後述のダンパプレート6の回動機構の係合ピン62bが係合する。また、このカム溝37bは、前可動ルーバ3の横フィン31,32が風向調整する回動範囲で、ダンパプレート6を回動させずに開状態とし、風向調整範囲を超えて横フィン31,32を全閉位置に回動させるように操作ノブ5を操作したとき、ダンパプレート6を閉鎖位置に回動させるように形成されている。すなわち、カム溝37bは、図2に示すように、その上部には、横フィン31,32が風向調整を行うときにリンクアーム35の偏倚軸36が回動する軌跡にほぼ沿った形状に形成され、その下部には横フィン31,32が真下を向く位置の閉鎖位置まで回動したときに係合ピン62bを上側に押し上げて第二歯車62を回動させる形状に形成されている。
【0026】
図2に示すように、リテーナ2の側部に異形形状の第二歯車62が軸62aによって回動可能に軸支され、さらに第二歯車62にはその軸62aとは偏倚した位置に係合ピン62bが突設され、この係合ピン62bが上記のカム溝37bに係合している。第二歯車62と噛合する第一歯車61が同様にリテーナ2の側部に軸支される。この異形形状の第一歯車61の軸は、リテーナ2の側壁を貫通して通風路21内に進入し、通風路21内に回動して開閉可能に設けられたダンパプレート6を軸支している。つまり、通風路21内に回動して開閉可能に軸支されたダンパプレート6の軸に、第一歯車61が通風路21の外側で固定され、第一歯車61と第二歯車62は所定の角度範囲で噛合するようにリテーナ2の側部に軸支されている。
【0027】
一方、後可動ルーバ4の各縦フィン41、42の上下部には回動軸43が突設され、その下部の各回動軸43はリテーナ2の縦フィン軸保持部25に嵌合して保持され、その上部の各回動軸43には、偏倚した偏倚軸45をもったリンクアーム44が連結される。各縦フィン41,42の上部の各回動軸43は、リテーナ2の前縁部の縦フィン軸保持部24に嵌め込まれ、各回動軸43のリンクアーム44と偏倚軸45は、リテーナ2の外側に配置される。そして、リテーナ2の外側に位置した各リンクアーム44の偏倚軸45には、棒状の連結部材46が連結され、各縦フィン41,42が同じ方向に連動して回動するようにしている。
【0028】
操作ノブ5は、図3、図4に示すように、ノブ本体51と連結部材52とアーム53とから構成され、前可動ルーバ3のノブ装着用横フィン32上に摺動可能に装着される。ノブ本体51はその内側に凹部51aを有しており、この凹部51a内に横フィン32の凸部32aと連結部材52が嵌め込まれるが、横フィン32の凸部32aを横方向に摺動可能としながら、ノブ本体51と連結部材52の結合を保持するように、ノブ本体51の内側の両側壁面と連結部材52の両側面に係合部が設けられている。したがって、連結部材52はノブ本体51の凹部51a内に横フィン32の凸部32aを挟んで嵌め込まれたとき、この両側の係合部が係合して、その組み付け状態が保持され、ノブ本体51と連結部材52は、ノブ装着用横フィン32上で所定の範囲内で摺動可能に保持されることになる。
【0029】
また、連結部材52の下部には、枢支部52aが設けられ、この枢支部52aにアーム53の末端が上下方向に回動可能に枢支される。アーム53は、先端側に二股状のアーム部を突設すると共に、その末端側に連結部材52の枢支部52aに嵌合する被枢支部53aが設けられる。そして、このアーム53の被枢支部53aが連結部材52の枢支部52aに上下方向に回動可能に嵌合連結している。また、この連結部材52に連結したアーム53の中間部は、ノブ装着用横フィン32の切欠き32b内に位置し、ノブ装着用横フィン32の平面を見た場合、連結部材52が横フィン32の上面から切欠き32bを通過してフィンの下面側に延びるように装着されることになる。したがって、前可動ルーバ3を閉鎖した状態を示す図7最下図のように、横フィン32を完全に閉鎖状態としたとき、操作ノブ5のノブ本体51、連結部材52及びアーム53が上下に隣接する他の横フィン31と干渉しない構造としている。
【0030】
リテーナ2の通風路21内に配設されるダンパプレート6は、図1、図5,6に示すように、プレートの周囲にゴム状弾性体を装着し通風路21の内壁に密着可能に形成され、軸61aを介して通風路21内に、開放から閉鎖まで略90°の範囲で回動可能に軸支される。軸61aは第一歯車61の中央に突設され、その軸61aをリテーナ2の側壁に設けた孔に外側から挿入し、ダンパプレート6の側部に軸61aの先端を嵌着し、この軸61aによってダンパプレート6は回動可能に枢支される。
【0031】
上述のように、リテーナ2の側部に異形形状の第二歯車62が軸62aによって回動可能に軸支され、第二歯車62は上記第一歯車61と噛合する。第二歯車62にはその軸62aとは偏倚した位置に係合ピン62bが突設され、この係合ピン62bがカム溝付き連結部材37のカム溝37bに係合している。
【0032】
この第一歯車61、第二歯車62、カム溝付き連結部材37によりダンパプレート6の回動機構が構成され、操作ノブ5により前可動ルーバ3の横フィン31,32を閉鎖するように下に押し下げ回動したとき、カム溝付き連結部材37、第二歯車62、第一歯車61を介してダンパプレート6が通風路21を閉鎖するように回動するように構成される。
【0033】
上記構成のレジスタは、自動車の車内のインストルメントパネルやダッシュボードの部分に、そのリテーナ2の末端を図示しない通風ダクトに接続するようにして装着される。通風ダクトから送られる空気は、リテーナ2内の通風路21から空気吹出口11を通して吹き出される。
【0034】
空気の吹出向きを上または下に調整する場合、操作ノブ5を上または下に回動させて調整する。操作ノブ5を持って上または下に回動させると、操作ノブ5の嵌挿された横フィン31、32が回動軸33を軸に回動し、その回動がリンクアーム35と偏倚軸36とカム溝付き連結部材37を介して全ての横フィン31、32に伝達され、全ての横フィン31、32がその回動軸33を支点に回動し、これにより、横フィン31、32の上下方向の向きが回動軸33を軸にして変化し、空気の吹出方向が上下に調整される。
【0035】
さらに、操作ノブ5を下に押して完全に下向きにすることにより、前可動ルーバ3の全ての横フィン31,32を完全に閉鎖して全閉状態とすることができる。すなわち、図7,9のように、横フィン31,32が水平状態にあって、前可動ルーバ3が開口した状態から操作ノブ5を押し下げていくと、横フィン31,32は下方に向きを変えていく。このとき、図7に示すように、操作ノブ5のアーム53は縦フィン42の一部に当って水平方向になるまで枢支部52aを介して上方に回動し、一方、連結部材52とノブ本体51は横フィン32と共に前可動ルーバ3の正面側に現れるように回動し、前可動ルーバ3の各横フィン31,32が通風路の開口部を完全に閉鎖して全閉状態となる。
【0036】
つまり、従来の一般的な操作ノブを横フィンに摺動可能に取り付けた構造のレジスタでは、操作ノブを押し下げて、前可動ルーバの各横フィンを最も下側に回動させた状態では、操作ノブが上下に隣接する横フィンに干渉して、各横フィンを完全に閉鎖状態とすることができない。しかし、本レジスタでは、操作ノブ5のノブ本体51と連結部材52がアーム53に対して折れ曲がるように回動し、また、連結部材52は横フィン32に設けた切欠き32b内に挿入され、且つ、ノブ本体51は横フィン32の上面にのみに装着され横フィン32の下面側に位置する部分がないため、操作ノブ5が上下に隣接する横フィン31に干渉することなく、各横フィン31,32を完全に閉鎖状態として、全閉状態とすることができる。
【0037】
さらに、操作ノブ5を下に押して上記のように完全に下向きにしたとき、ダンパプレート6が立ち上がるように回動し通風路21を閉鎖する。すなわち、図7,9のように、操作ノブ5を下に押して横フィン31,32を全閉状態とする位置まで回動させたとき、その回動軸33と共にリンクアーム35、偏倚軸36が回動し、それに応じてカム溝付き連結部材37が図9の最下図のように右側上方に移動する。
【0038】
このカム溝付き連結部材37の移動に伴い、そのカム溝37bに係合している第二歯車62の係合ピン62bがカム溝37bの作用により上方に押し上げられ、これにより、第二歯車62が図9のように下側に回動する。そして、第二歯車62に噛合する第一歯車61が図9の時計方向に回動し、ダンパプレート6が同方向に回動して通風路21を閉じる。
【0039】
このように、前可動ルーバ3の横フィン32に装着した操作ノブ5を操作して、ダンパプレート6を閉じることができる。さらに、そのダンパプレート6を閉じる操作と動作は、前可動ルーバ3の横フィン31、32を閉じる操作・動作と同時に行なわれるため、操作ノブ5を操作するだけで、前可動ルーバ3とダンパプレート6の両方を閉鎖して、通風路21を寄り確実に全閉状態とすることができる。
【0040】
一方、前可動ルーバ3の各横フィン31,32を全閉状態から開く場合、図8のように、操作ノブ5を上方に持ち上げるように回動させると、操作ノブ5のノブ本体51と連結部材52が横フィン32と共に徐々に水平位置まで回動する。このとき、アーム53は連結部材52に対し枢支部52aを介して回動しながら水平位置まで徐々に回動し、前可動ルーバ3の各横フィン31,32は正面に開口した状態となる。またこのとき、横フィン31,32の回動に伴い、カム溝付き連結部材37、第二歯車62、第一歯車61を介してダンパプレート6が図8のように反時計方向に回動して水平状態となり、通風路21が開放される。
【0041】
一方、空気の吹出向きを左右に調整する場合、操作ノブ5を左または右に移動させて調整する。操作ノブ5を持って左または右に動かすと、図5のように、操作ノブ5が横フィン32上を摺動して水平方向(横方向)に移動し、操作ノブ5の先端のアーム53が後方の後可動ルーバ4の縦フィン42の係合部42bに係合する。これに伴い、縦フィン42が回動軸43を軸に回動し、その回動が偏倚軸45とリンクアーム44と連結部材46を介して、他の縦フィン41に伝達され、後可動ルーバ4の全ての縦フィン41、42が、その回動軸43を軸に回動し、その向きが所定の角度範囲で回動調整される。
【0042】
この操作ノブ5の左右方向への移動による後可動ルーバ4の縦フィン41,42の角度調整作動は、図7、図8に示すように、操作ノブ5の上下方向の全ての回動位置において実施可能であり、操作ノブ5の上下角度が何れの角度にある場合においても、操作ノブ5を左右に移動させて、縦フィン41,42の角度を調整することができる。
【0043】
このように、前可動ルーバ3の横フィン32に装着した操作ノブ5を操作することにより、空気の吹出し方向を上下左右に調整することができると共に、同じ操作ノブ5を操作して、ダンパプレート6を開閉することができ、さらに、前可動ルーバ3の横フィン31、32を全閉状態とすることができる。したがって、従来のようにダンパプレートや後可動ルーバを操作するための操作ダイヤルをベゼルの前面に突き出すように設ける必要がなく、レジスタの小型化が可能となると共に、レジスタの良好な意匠性を保持することができる。
【0044】
なお、上記2つの実施形態では、前可動ルーバ3に横フィン31、32を下方に回動させることにより、全閉状態としたが、上記とは逆に横フィンを上方に回動させて全閉状態とし、同時にダンパプレートを閉じるようにすることもできる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレジスタによれば、前可動ルーバのフィンに装着した1個の操作ノブの操作により、レジスタの風向を上下または左右に自在に調整することができ、またダンパプレートを開閉操作することができる。したがって、風向の調整や送風の停止を一つの操作ノブにより簡単に行うことができ、従来のようにベゼル前面の下部や上部などにダンパ用や後可動ルーバ用の操作ダイヤルを設ける必要はなく、部品数が少なくなり、レジスタを小型化することができる。また、レジスタの正面を形成するベゼルのデザインが操作ダイヤルにより悪化することはなく、レジスタの正面意匠の自由度を高め、そのデザイン性を向上させることができる。
【0046】
また、前可動ルーバのフィンに装着した操作ノブの操作により、フィンが通風路の前方開口部を全閉する位置まで回動するルーバ全閉形のレジスタとした場合、操作ノブの閉鎖方向への操作によりダンパプレートと前可動ルーバの両方を閉鎖することができ、簡単な操作ノブのみの操作で通風路を確実に全閉状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すレジスタの分解斜視図である。
【図2】同レジスタの左側面図である。
【図3】操作ノブの分解斜視図である。
【図4】同操作ノブの分解断面図である。
【図5】同レジスタの横断面図である。
【図6】同レジスタの縦断面図である。
【図7】前可動ルーバとダンパプレートを閉鎖側に操作した際の縦断面図である。
【図8】前可動ルーバとダンパプレートを開放側に操作した際の縦断面図である。
【図9】前可動ルーバとダンパプレートを閉鎖側に操作した際の左側面図である。
【符号の説明】
3−前可動ルーバ
4−後可動ルーバ
5−操作ノブ
6−ダンパプレート
21−通風路
31、32−横フィン
33−回動軸
34−軸受部材
35−リンクアーム
36−偏倚軸
37−カム溝付き連結部材
41−縦フィン
51−ノブ本体
52−連結部材
53−アーム
61−第一歯車
62−第二歯車
Claims (4)
- 通風路内に相互に直交方向に且つ前後して前可動ルーバと後可動ルーバとが設けられ、前可動ルーバと後可動ルーバには各々複数のフィンが回動軸により回動可能に軸支され、該通風路内にダンパプレートが開閉可能に設けられたレジスタにおいて、
該前可動ルーバのフィンに操作ノブが摺動可能に装着され、該操作ノブの後部には、該操作ノブの操作時に該後可動ルーバのフィンに係合可能なアームが連結部材を介して枢支され、該前可動ルーバのフィンの回動軸にはリンクアームと偏倚軸を介してカム溝付き連結部材が連結され、該カム溝付き連結部材のカム溝に係合する係合ピンを有し、該操作ノブの操作による該カム溝付き連結部材の動きに連動して該ダンパプレートを回動動作させる回動機構が設けられたことを特徴とするレジスタ。 - 前記回動機構は、ダンパプレートの回動軸に第一歯車が固定され、第二歯車が該第一歯車に噛合して回転可能に軸支されると共に、該第二歯車の一部に係合ピンが偏倚して突設され、該係合ピンが前記カム溝付き連結部材のカム溝に係合することを特徴とする請求項1記載のレジスタ。
- 前記操作ノブは、前可動ルーバのフィンを閉じたとき該フィンの前面側となる面上に摺動可能に装着され、操作ノブの後部には、操作ノブの摺動操作時に後可動ルーバのフィンに係合可能なアームが連結部材を介して回動可能に枢支され、操作ノブが装着されたフィンには切欠きが設けられ、切欠き内に該連結部材が挿通され、操作ノブによる前可動ルーバのフィンの回動に応じてアームが傾動可能とし、該前可動ルーバのフィンが通風路の前方開口部を全閉する位置まで回動することを特徴とする請求項1記載のレジスタ。
- 前記カム溝付き連結部材のカム溝は、前記前可動ルーバのフィンが風向調整する回動範囲では前記ダンパプレートが回動せずに開状態を保持し、風向調整範囲を超えて該フィンを全閉位置に回動させるように操作ノブを操作したとき、該ダンパプレートを閉鎖位置に回動させるように形成されたことを特徴とする請求項2記載のレジスタ。
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