JP2011111410A - 新規熱架橋性化合物及びそれを含む感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規熱架橋性化合物の提供。
【解決手段】本発明は、下記一般式(1):
Figure 2011111410

{式中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の1価の脂肪族炭化水素基である。}で表される熱架橋性化合物、及び該化合物を含む感光性樹脂組成物に関する。ポリイミド前駆体樹脂やポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂とともに、本発明に係る熱架橋性化合物を用いて、調製した感光性樹脂組成物は、室温保存時の粘度安定性が良く、また、これを熱硬化させた熱硬化膜の吸湿性が低い。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規熱架橋性化合物及びそれを含む感光性樹脂組成物に関する。本発明は、より詳しくは、電子部品や表示素子の絶縁材料として有用な、新規熱架橋性化合物を含む感光性樹脂組成物に関する。
半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜の用途には、優れた耐熱性、電気特性、及び機械特性を併せ持つポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂が好適であることは広く知られている。この用途に使用されるポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂は、一般にその前駆体を使用して、感光性樹脂組成物の形で供され、これをシリコン・ウェハ等の基板に塗布し、活性光線によるパターニング露光、現像、及び熱処理を順次施すことにより、微細なレリーフパターンを有する耐熱性樹脂皮膜を該基板上に容易に形成させることができる。
この耐熱性樹脂皮膜には、優れたガラス転移温度や優れた耐薬品性が求められる。耐熱性樹脂皮膜となる感光性樹脂組成物に熱架橋性化合物を添加することで、熱処理時に、該熱架橋性化合物が作用を発揮し、耐熱性樹脂皮膜の性能を向上することが知られている(例えば、以下の特許文献1参照)。
特開2007−016214号公報
しかしながら、従来技術の熱架橋性化合物を感光性樹脂組成物に使用した場合、室温保存時の粘度安定性が悪い、感光性樹脂組成物を熱硬化させて得られる熱硬化膜の吸湿性能が低下する等の問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ポリイミド前駆体樹脂やポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂とともに感光性樹脂組成物の成分として使用した場合に、得られる感光性樹脂組成物の室温保存時の粘度安定性が良く、また、感光性樹脂組成物を熱硬化させて得られる熱硬化膜の吸湿性能が低下しないという観点から好適な、新規熱架橋性化合物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討し実験を重ねた結果、下記に示す特定の構造を有す新規化合物が、感光性樹脂組成物にとって好適な熱架橋性化合物であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りのものである:
[1]下記一般式(1):
Figure 2011111410
{式中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の1価の脂肪族炭化水素基である。}で表される化合物。
[2]式中、Rはメチル基である、前記[1]に記載の化合物。
[3]以下の:
(A)下記一般式(2):
Figure 2011111410
{式中、Xは、それぞれ独立に、炭素原子を有する4価の有機基であり、X、Y及びYは、それぞれ独立に、2個以上の炭素原子を有する2価の有機基であり、lは、2〜1000の整数であり、mは、0〜500の整数であり、l/(l+m)>0.5であり、そしてX及びYを含むl個のジヒドロキシジアミド単位並びにX及びYを含むm個のジアミド単位の配列順序は問わない。}で表される構造を含むヒドロキシポリアミド100質量部、
(B)ジアゾキノン化合物1〜100質量部、及び
(C)前記[1]又は[2]に記載の化合物0.01〜30質量部、
を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
本発明に係る新規熱架橋性化合物は、感光性樹脂組成物に用いた場合、得られる感光性樹脂組成物の室温保存時の粘度安定性が良く、また、感光性樹脂組成物を熱硬化させて得られる熱硬化膜の吸湿性が低いという効果を奏する。
実施例1で合成した化合物CL−1の1H−NMRスペクトル図である。 実施例1で合成した化合物CL−1のFT−IRスペクトル図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の化合物は、下記一般式(1):
Figure 2011111410
{式中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の有機基である。}で表される化合物である。
一般式(1)中、Rは、好ましくは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、イソプロピル基、及びt−ブチル基から成る群から選ばれる基であり、複数存在するRは、それぞれ独立に選ばれることができる。
これらの中で、Rがメチル基であることが、合成の容易性、感光性樹脂組成物に添加した際の保存安定性が高い点、耐熱性が向上するという点等から、より好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、例えば、下記の合成手順:
Figure 2011111410
に従って製造することができる。
出発原料としては、α、α’−ジブロモ−o−キシレンが挙げられる。
この化合物をトルエン等の溶媒に溶解し、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウム−t−ブトキシド等を室温で加え、1時間時間以上反応させる。更に、この溶液にトルエンと食塩水を加え、分液精製操作を行い、トルエン層を真空乾燥し、溶媒を留去することで、化合物Aを得ることができる。シリカゲルカラムクロマトを使用して化合物Aを更に精製してもよい。得られた化合物Aに酢酸、硫酸、ヨウ素、過ヨウ素酸を加えて、70℃で4時間以上反応させて化合物Aが消失するのを確認した後、冷水を加え、トルエンを加え、分液精製操作を行ってトルエン層を真空乾燥し、溶媒を留去することで、化合物Bを得ることができる。シリカゲルカラムクロマトを使用して、化合物Bを更に精製してもよい。
得られた化合物Bの一部をトルエン等の溶媒に溶かし、トリエチルアミンを触媒量加え、ピナコールボランを加えた後、NiCl2を加え、90℃で3時間以上加熱した後、冷水を加え、トルエンを加え、分液精製操作を行ってトルエン層を真空乾燥し、溶媒を留去することで、化合物Cを得ることができる。シリカゲルカラムクロマトを使用して、化合物Cを更に精製してもよい。
残部の化合物Bと得られた化合物Cを、1:1でトルエン、エタノール等の溶媒を加え、10%Na2COを加えた後、Pd(PPhを触媒量加え、75℃で5時間反応させた後、トルエンを加え、分液精製操作を行ってトルエン層を真空乾燥し、溶媒を留去することで、化合物Dを得ることができ。シリカゲルカラムクロマトを使用して、化合物D、すなわち、一般式(1)で表される化合物を更に精製してもよい。
以下、本発明の化合物を含む感光性樹脂組成物について説明する。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、以下に説明する(A)ヒドロキシポリアミド、(B)ジアゾキノン化合物、及び(C)上記一般式(1)で表される化合物を所定の割合で含む。
(A)ヒドロキシポリアミド
感光性樹脂組成物のベースポリマーであるヒドロキシポリアミドは、下記一般式(2):
Figure 2011111410
{式中、Xは、それぞれ独立に、炭素原子を有する4価の有機基であり、X、Y及びYは、それぞれ独立に、2個以上の炭素原子を有する2価の有機基であり、lは、2〜1000の整数であり、mは、0〜500の整数であり、l/(l+m)>0.5であり、そしてX及びYを含むl個のジヒドロキシジアミド単位並びにX及びYを含むm個のジアミド単位の配列順序は問わない。}で表される構造を含む。
一般式(2)中、Xは、2個以上30個以下の炭素原子を有する4価の有機基であることが好ましく、そしてX、Y、及びYは、それぞれ独立に、2個以上30個以下の炭素原子を有する2価の有機基であることが好ましい。
一般式(2)で表されるヒドロキシポリアミドが有するジヒドロキシジアミド単位は、Y(COOH)の構造を有するジカルボン酸と、X(NH(OH)の構造を有するビスアミノフェノールとが重縮合した構造を有する。ここで、該ビスアミノフェノールの2組のアミノ基とヒドロキシ基は、それぞれ互いに、オルト位にあるものであり、該ヒドロキシポリアミドを約280〜400℃で加熱することによって該ジヒドロキシジアミド単位が閉環して、耐熱性樹脂であるベンゾオキサゾール単位に変化する。lは、2〜1000の範囲であり、2〜200が好ましく、3〜50の範囲がより好ましく、3〜20の範囲であることがさらに好ましい。
一般式(2)で表されるヒドロキシポリアミドは、必要に応じて、前記一般式(2)に示すジアミド単位m個をさらに縮合させたものであってもよい。該ジアミド単位は、X(NHの構造を有するジアミンと、Y(COOH)の構造を有するジカルボンが重縮合した構造を有する。mは、0〜500の範囲であり、0〜10の範囲が好ましい。ヒドロキシポリアミド中におけるヒドロキシポリアミド単位の割合が高いほど、現像液として使用するアルカリ性水溶液への溶解性が高く、現像に要する時間をより短くできるので、l/(l+m)の値は0.5以上であり、0.7以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましい。
(NH(OH)の構造を有するビスアミノフェノールとしては、例えば、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシベンゼンなどが挙げられる。これらのビスアミノフェノールは単独で又は混合して使用してもよい。
(NHの構造を有するジアミンとしては、芳香族ジアミン、及びシリコンジアミンなどが好ましいものとして挙げられる。
(COOH)又はY(COOH)の構造を有するジカルボン酸としては、Y、Yが直鎖、分岐鎖、環状構造を有する脂肪族基又は芳香族基であるものが挙げられる。
(COOH)の構造を有するジカルボン酸と、X(NH(OH)の構造を有するビスアミノフェノールとを重縮合させてジヒドロキシジアミド単位を生成するための方法としては、ジカルボン酸から塩化チオニルを使用して、ジ酸クロリドを生成した後にビスアミノフェノールを作用させる方法、ジカルボン酸とビスアミノフェノールをジシクロヘキシルカルボジイミドにより重縮合させる方法等が挙げられる。ジシクロヘキシルカルボジイミドを使用する方法においては同時にヒドロキシベンズトリアゾールを作用させることもできる。前述の(A)ヒドロキシポリアミドにおいて、その末端基を有機基で封止して使用することも好ましい。
(A)ヒドロキシポリアミドのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」ともいう。)によるポリスチレン換算重量平均分子量は、3,000〜50,000であることが好ましく、6,000〜30,000であることがより好ましい。重量平均分子量は、硬化レリーフパターンの物性の観点から、3,000以上が好ましく、一方、解像性の観点から、50,000以下が好ましい。GPCの展開溶媒としては、テトラヒドロフラン(以下、「THF」ともいう。)、N−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」ともいう。)が推奨される。また、重量平均分子量は標準単分散ポリスチレンを用いて作成した検量線から求める。標準単分散ポリスチレンとしては、昭和電工社製 有機溶媒系標準試料 STANDARD SM−105から選ぶことが推奨される。
(B)ジアゾキノン化合物
感光性樹脂組成物で用いるジアゾキノン化合物は、1,2−ベンゾキノンジアジド構造又は1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許明細書2,772,972号、同第2,797,213号、同第3,669,658号等により公知の物質である。好ましいものの例としては、例えば、下記の:
Figure 2011111410
{式中、Qは、水素原子又は以下の:
Figure 2011111410
で表されるナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基であり、全てのQが同時に水素原子であることはない。}で表されるものが挙げられる。
これらの中で特に好ましいものとして、下記の:
Figure 2011111410
で表されるものを挙げることができる。
(B)ジアゾキノン化合物の配合量は、(A)ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、1〜100質量部であり、10〜30質量部が好ましい。(B)ジアゾキノン化合物の配合量が1質量部以上で樹脂のパターニング性が良好であり、一方、100質量部以下では硬化後の膜の引張り伸び率が良好かつ、露光部の現像残さ(スカム)が少ない。
(C)上記一般式(1)で表される化合物
(C)上記一般式(1)で表される化合物の配合量は、(A)ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、0.01〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。(C)上記一般式(1)で表される化合物の配合量が0.01質量部以上であるとキュア後の残膜率((キュア後のレリーフパターンの膜厚)/(現像後のレリーフパターンの膜厚)×100)が高く、30質量部以下だと感度が良好である。
以下、実施例により本発明の実施形態の例を詳細に説明する。
<熱架橋性化合物の合成>
(実施例1)
攪拌棒、乾燥管、温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、α、α’−ジブロモ−o−キシレン50g(189ミリモル)、トルエン200mlを加え、20℃〜25℃で攪拌した。これに、28%NaOMe109g(565ミリモル)を添加し、室温で1時間攪拌し、冷水450mlで反応液を希釈した。これにトルエン100mlを加え、分液漏斗に移した後分液抽出操作を行い、更に、再度水洗後、飽和食塩水200mlを加えて、分液抽出操作を行い、トルエン層に硫酸マグネシウムを20g加えることで、水分を取り除き、濾過後、エバポレーターを用いて、濃縮操作を行った。このようにして、下記化合物A1を29.4g得た。
Figure 2011111410
次に、攪拌棒、乾燥管、温度計を備えた500mLセパラブルフラスコに、化合物A1:29.4g(176.9ミリモル)、酢酸160ml、硫酸13g、ヨウ素14g、過ヨウ素酸13gを加え、70℃で4時間攪拌した。その後、冷水300mlを加え、トルエン100mlを加え、分液漏斗に移した後、分液抽出操作を行った。更に水300mlを加えて、分液抽出操作を行い、この操作を3回行った後、トルエン層を、エバポレーターを用いて、濃縮して、化合物B1を28g得た。
Figure 2011111410
次に、攪拌棒、乾燥管、温度計を備えた500mLセパラブルフラスコに、化合物B1:14g(47.6ミリモル)、トルエン135ml、トリエチルアミン9.6g(95.2ミリモル)を加え、ピナコールボラン12.2g(95.2ミリモル)、NiCl2(dppp)5g(9.42ミリモル)を加えた後、90℃まで加熱し、3時間攪拌した。その後、冷水300mlを加え、トルエン100mlを加え、分液漏斗に移した後分液抽出操作を行った。更に、再度水洗後、飽和食塩水200mlを加えて、分液抽出操作を行い、トルエン層に硫酸マグネシウム20gを加えることで、水分を取り除き、濾過後、エバポレーターを用いて、濃縮操作を行った。このようにして、下記化合物C1を12.7g得た。
Figure 2011111410
次に、攪拌棒、乾燥管、温度計を備えた500mLセパラブルフラスコに、化合物B1:9.3g(31.8ミリモル)、化合物C1:10g(31.1ミリモル)、トルエン100ml、エタノール50ml、10%Na2CO350mlを加えた後、Pd(PPh3)4:1g(10.9ミリモル)を添加し、75℃まで加温し、5時間反応を行った。有機層を分液漏斗で分液した後、トルエン100mlを加え、水200mlを加えた後、分液抽出操作を行い、有機層に硫酸マグネシウム20gを加えて水分を除いた後、濾過後、エバポレーターを用いて、濃縮し、8.7gの下記化合物D1を得た。これを、ヘキサンとエタノールを4:1で混合した展開溶媒を使用したシリカゲル500gでカラムクロマトグラム精製を行い、メインクロマトグラム物を回収し、真空乾燥50℃で40時間行うことで、目的精製化合物を5.3g得た。以下これを熱架橋性化合物CL−1という。
Figure 2011111410
熱架橋性化合物CL−1を重水素化クロロホルムに3%の濃度で溶解し、日立製作所製 R−90H NMR(測定条件:溶媒:重水素化クロロホルム、共鳴周波数:90MHz)を使用し、積算回数24回で測定したプロトンNMRの結果を、図1に示す。
また、熱架橋性化合物CL−1をパーキンエルマー社製 FT−IR Paragon1000(サンプル:KBr板に直接散布 積算回数:4回)を使用してFT−IRスペクトルを測定した。その結果を図2に示す。
<樹脂の合成>
(参考例1)
容量2リットルのセパラブルフラスラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン197.8g(0.54mol)、ピリジン71.2g(0.9mol)、DMAc692gを、室温(25℃)で混合攪拌し、ジアミンを溶解させた。これに、別途DMDG(ジエチレングリコールジメチルエーテル)88g中に5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物29.6g(0.18mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は40分、反応液温は最大で28℃であった。
滴下終了後、湯浴により50℃に加温し18時間撹拌した後、反応液のIRスペクトルの測定を行い1385cm-1及び1772cm-1のイミド基の特性吸収が現れたことを確認した。
次に、これを水浴内で8℃に冷却し、これに、別途DMDG398g中に4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド132.8g(0.45mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は80分、反応液温は最大で12℃であった。
滴下終了から3時間後、上記反応液を12Lの水に高速攪拌下で滴下して重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥させて、ポリベンゾオキサゾール前駆体(P−1)を得た。
このようにして合成されたポリベンゾオキサゾール前駆体(P−1)のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による重量平均分子量は、ポリスチレン換算(東ソー株式会社製、TSK標準ポリスチレン)で8900であった。GPCの分析条件を以下に記す。
カラム:昭和電工社製 商標名 Shodex KF807/806M/806M/802.5
容離液:テトラヒドロフラン40℃
流速 :1.0ml/分
検出器:昭和電工製 商標名 Shodex RI RI−101
<ポジ型感光性樹脂組成物の調製及びその評価>
(実施例2及び3、比較例1〜3)
上記参考例1で得られた、アルカリ可溶性樹脂としてのポリベンゾオキサゾール前駆体(P−1)100質量部を、220質量部の溶媒(ガンマブチロラクトン)に溶解し、これに、下記化合物:
Figure 2011111410
で表されるフェノール性水酸基の77%をナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル化した感光性化合物PAC−1(東洋合成社品)18質量部を、加えた。
次いで、実施例1で得られた熱架橋性化合物CL−1を、以下の表1に示す割合で、前記したポリベンゾオキサゾール前駆体(P−1)及び感光性化合物PAC−1に、添加して感光性樹脂組成物を調製した(実施例2及び3)。その後、1μmのフィルターで濾過してポジ型感光性樹脂組成物を調製し、その室温4週間放置後の粘度変化率、熱硬化膜の吸湿後重量変化率、及びガラス転移温度(Tg)を測定した。
また、本発明の熱架橋性化合物CL−1に代えて、以下の:
Figure 2011111410
で表される従来技術の熱架橋性化合物(三和ケミカル社製 商品名 MX270)を、以下の表1に示す割合で、前記したポリベンゾオキサゾール前駆体(P−1)及び感光性化合物PAC−1に添加して、感光性樹脂組成物を調製した(比較例1及び2)。更に、比較例3として、熱架橋性化合物を添加していない感光性樹脂組成物を調製した。
Figure 2011111410
このようにして得られた感光性樹脂組成物(実施例2及び3、並びに比較例1〜3)を、それぞれ、6インチシリコンウェハー上に、スピンコーター(東京エレクトロン社製 クリーントラックMark7)により塗布し、130℃で180秒間乾燥し、12μmの膜厚の塗膜を得た。
次いで、得られたシリコンウェハーを、昇温式オーブン(光洋サーモシステム社製 VF200B)を用いて窒素雰囲気下、290℃で1時間加熱し、熱硬化膜が付いたシリコンウェハーを得た。これらシリコンウェハーの熱硬化膜の膜厚を測定した後に、3%フッ酸水溶液に15分浸漬し、熱硬化膜を剥離し、純水で洗浄し、乾燥することで、熱硬化膜を得た。
硬化膜のガラス転移温度(Tg)の測定をそれぞれ行った。結果を、以下の表2に示す。
熱架橋性化合物CL−1を加えた実施例2及び3の感光性樹脂組成物から得られた硬化膜は、熱架橋性化合物を添加しなかった比較例3のものと比較して、ガラス転移温度(Tg)が向上した。
硬化膜のガラス転移温度は、以下の方法・装置で測定した。
測定装置:TMA装置(島津製作所製 TMA−50)
窒素流量:50ml/min
昇温速度:10℃/min
また、得られた各熱硬化膜を、窒素雰囲気下150℃に加熱したホットプレート上で5分間加熱脱水し、窒素ガス雰囲気下で室温まで冷却し、素早く精密天秤で重量を測定しこれを乾燥時重量と規定し、同じサンプルを湿度60%温度23℃の環境で、8時間放置した後の重量を吸湿重量と規定し、重量変化を乾燥時重量で割り、100倍したものを「吸湿後の重量変化率」と定義し、各サンプルについて、吸湿後の重量変化率を求めた。結果を、以下の表2に示す。
熱架橋性化合物CL−1を加えた実施例2及び3の感光性樹脂組成物から得られた硬化膜は、従来技術の熱硬化性化合物MX270を使用した比較例1及び2のものと比較して、吸湿後の重量変化率が小さく、好ましいものであった。
また、得られた各感光性樹脂組成物の室温で4週間放置した後の粘度変化率「室温放置4週間粘度変化率」を測定した。結果を、以下の表2に示す。
熱架橋性化合物CL−1を加えた実施例2及び3の感光性樹脂組成物は、従来技術の熱硬化性化合物MX270を使用した比較例1及び2のものと比較して室温で4週間放置した後の粘度変化率が小さく、好ましいものであった。
Figure 2011111410
本発明の新規な熱架橋性化合物を用いた感光性樹脂組成物は、半導体用の保護膜、層間絶縁膜、液晶配向膜等の分野で、好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 2011111410
    {式中、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の1価の脂肪族炭化水素基である。}で表される化合物。
  2. 式中、Rはメチル基である、請求項1に記載の化合物。
  3. 以下の:
    (A)下記一般式(2):
    Figure 2011111410
    {式中、Xは、それぞれ独立に、炭素原子を有する4価の有機基であり、X、Y及びYは、それぞれ独立に、2個以上の炭素原子を有する2価の有機基であり、lは、2〜1000の整数であり、mは、0〜500の整数であり、l/(l+m)>0.5であり、そしてX及びYを含むl個のジヒドロキシジアミド単位並びにX及びYを含むm個のジアミド単位の配列順序は問わない。}で表される構造を含むヒドロキシポリアミド100質量部、
    (B)ジアゾキノン化合物1〜100質量部、及び
    (C)請求項1又は2に記載の化合物0.01〜30質量部、
    を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
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