JP2011111262A - 磁力式の案内装置を備えるエレベータ - Google Patents

磁力式の案内装置を備えるエレベータ Download PDF

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Abstract

【課題】据付コストを抑えるとともに、据付工事が簡単な非接触式の案内装置を備えるエレベータを提供する。
【解決手段】エレベータ1は、ガイドレール2に対して非接触に磁力で乗籠4を支持する案内装置10を備える。案内装置10は、磁石ユニット11と補助機構14とベース15と台座12とを備える。磁石ユニット11は、永久磁石11M1,11M2および電磁石11E1,11E2を有している。補助機構14は、乗籠4に取り付けられて、副案内具を有している。副案内具141a,141b,141cは、ガイドレール2に接触した接触位置K1またはガイドレール2から離れた待避位置K2のどちらかに固定される。ベース15は、ガイドレール2を基準に補助機構14に取り付けられる。台座12は、ベース15に固定されて磁石ユニット11を保持する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガイドレールに対して非接触に磁力で乗籠を支持する案内装置を備えるエレベータに関する。
エレベータの乗籠は、昇降路内に鉛直に付設されたガイドレールに沿って走行する。このとき乗籠は、乗客が乗籠内で移動するなどによって負荷荷重に不均衡が生じると、走行方向以外の方向にも力を受ける。乗籠に対して走行方向以外の方向に作用するこの力は、ガイドレールと嵌合する案内装置によって支持される。
案内装置は、ガイドレールの刃に直接ローラやシューが接触する接触式の案内装置と、ガイドレールの刃に対して磁力で隙間を一定に保つ非接触式の案内装置とが提案されている。非接触式の案内装置は、ガイドレールの刃を三方から磁極で囲む磁石ユニットが形成する磁力の吸引力によって、刃と磁極との間を非接触に保つことが特許文献1に記載されている。
この特許文献1において、磁石ユニットの磁力は、永久磁石と電磁石とを併用して作り出されている。案内装置は、ガイドレールに面した乗籠の四角にそれぞれ配置されている。走行方向以外の方向へ乗籠に対して作用する力などによってガイドレールとの間の隙間の大きさが変動すると、各案内装置がガイドレールに対して非接触な状態を維持できるように、エレベータは、各案内装置の永久磁石の磁力を電磁石の磁力で調整することで平衡状態を維持する。
特開2005−350267号公報
ところで、非接触式の案内装置は、ガイドレールに対して磁力による吸引力を変化させて安定な状態を維持するように構成されている。したがって、永久磁石の磁力だけで非接触の状態に維持することができない。このため、建物の建設中など、十分な電力が供給されていない状況では、案内装置を作動させることができない。
接触式の案内装置は、案内装置を乗籠に取り付ける際に、ガイドレールに対する乗籠のアラインメントを施すことができる。しかし、非接触式の案内装置は、ガイドレールに対して乗籠のアラインメントが完了した状態でないと、ガイドレールと案内装置との間のクリアランスの設定が困難になる。つまり、非接触式の案内装置の設置開始よりも前に乗籠のアラインメントが実施されなければならない。
したがって、非接触式の案内装置が設置されるまでの間、何らかの形で乗籠をガイドレールに対して案内する仮の案内装置が必要となる。このような場合、ローラやシューを備える接触式の案内装置が一時的に採用される。しかし、乗籠のアラインメントおよび非接触式の案内装置が取り付けられるまでの間だけのために接触式の案内装置を用意していたのでは、据付コストが嵩むだけでなく、その後、非接触式の案内装置に付け替えるなど、据付工事も煩雑になる。
そこで、本発明は、据付コストを抑えるとともに、据付工事が簡単な非接触式の案内装置を備えるエレベータを提供する。
本発明の一実施形態のエレベータは、ガイドレールに対して非接触に磁力で乗籠を支持する案内装置を備えることを前提とする。そして案内装置は、磁石ユニットと、補助機構と、ベースと、台座とを備える。磁石ユニットは、永久磁石および電磁石を有し、ガイドレールの刃に対して三方から空隙を空けて磁極を対峙させる。補助機構は、乗籠に取り付けられて、副案内具を有している。副案内具は、接触位置または待避位置のどちらかに固定される。接触位置において、副案内具は、ガイドレールの刃に対して三方から当接することでガイドレールに対して乗籠を位置決めする。待避位置において、副案内具は、ガイドレールの刃と磁石ユニットの磁極との間に設けられる空隙よりも小さい許容傾倒寸法の隙間をこのガイドレールとの間に有する。ベースは、ガイドレールを基準に補助機構に取り付けられる。台座は、ベースに固定されて磁石ユニットを保持する。
ここで、本明細書中において「許容傾倒寸法」とは、乗籠がガイドレールに対して心出しされた設定位置にある状態における磁極の位置に対して、乗籠に許容される最大の傾きが生じている状態における磁極の位置までの変位量のことである。
また、副案内具は、磁石ユニットが機能していない場合に接触位置に固定され、磁石ユニットが機能している場合に待避位置に固定される。本明細書中において「磁石ユニットが機能している場合」とは、磁石ユニットが発生する磁力によって乗籠をガイドレールに対して非接触に保持することができている状態を意味する。また、「磁石ユニットが機能していない場合」とは、磁石ユニットが発生する磁力によって乗籠をガイドレールに対して非接触に保持できない状態を意味する。したがって、「磁石ユニットが機能していない場合」には、磁石ユニットが乗籠に取り付けられていない状態も含む。
上述のエレベータにおいて、副案内具は、ガイドレールの刃に三方からそれぞれ転接する3つの補助ローラであって、三方に沿ってガイドレールの刃から離れる方向へ固定位置を調節できる長孔に固定される。
また、台座は、第1の嵌合部をベースとの接合部に有する。この第1の嵌合部は、磁極を基準に形成され、ガイドレールの刃の厚み方向に対して直角に延びる。ベースは、ガイドレールの刃を基準に形成された第2の嵌合部を有する。この第2の嵌合部は、ガイドレールの刃に向かって台座を移動可能に第1の嵌合部と嵌合する。
また、ベースは、切欠部を有している。この切欠部は、ガイドレールの刃の先端面および両側の側面を囲むように隙間を有してこのガイドレールの刃と嵌り込む。そして、ベースは、隙間に挿入される専用治具によって補助機構に対する取付位置を決定される。
なお、専用治具は、磁石ユニットが機能していない場合、ガイドシュートしても機能する。また、磁石ユニットが機能している場合、専用治具は取り外される。この場合、専用治具に代えて拘束部材を装着してもよい。この拘束部材は、ガイドレールの刃と磁石ユニットの磁極との間に設けられる空隙よりも小さい隙間に、ガイドレールの刃と切欠部との間の隙間を制限する。
本発明のエレベータによれば、補助機構を有しているので、磁石ユニットがまだ取り付けられていない設置工事中の状態でも乗籠をガイドレールに沿って走行させることができる。つまり、このエレベータを設置する据付工事において、磁石ユニットが機能するまでの間、このエレベータを使用できるように接触式の案内装置を仮設しなくてもよい。また、このエレベータは、副案内具を接触位置または待避位置に固定することができる。
したがって、磁石ユニットが機能するようになれば、副案内具を待避位置に移動させることで、乗籠をガイドレールに対して非接触に保持することができる。そのため、据付工事において、段取替えが無く、他の工事との連携による工程調整などの影響を受けにくい。つまり、このエレベータは、据付コストを抑えることができるともに、据付工事が簡単である。
本発明の一実施形態のエレベータを示す斜視図。 図1に示したエレベータの乗籠の右上に取り付けられた案内装置の斜視図。 図2に示した案内装置の磁石ユニットおよび台座の斜視図。 図3の磁石ユニットおよび台座を座板側から見た斜視図。 図3の磁石ユニットの断面図。 図1の案内装置の補助機構を籠枠に取り付けた状態の斜視図。 図6中のF7−F7線に沿って示す補助機構の断面図。 図6中のF7−F7線に沿って示す補助機構の断面図。 図7中のF9−F9線に沿って示す補助機構の断面図。 図6の補助機構にベースを取り付けた状態の斜視図。 図10のベースとこれに取り付けられる専用治具の分解斜視図。 図10に示したベースに磁石ユニットおよび台座を据え付けた状態の斜視図。
本発明の一実施形態のエレベータ1は、図1から図11を参照して説明する。このエレベータ1は、ガイドレール2と乗籠4と巻上機と釣合錘と案内装置10と制御装置とを備える。ガイドレール2は、強磁性体である鉄製であって、図1に示すように昇降路6に鉛直方向に敷設され、乗籠4の乗口41側から見て両側部に一対に配置されている。乗籠4は、巻上機に巻き掛けられたメインロープ3によって、昇降路6内に吊下げられている。釣合錘は、乗籠4と反対側のメインロープ3の端に取り付けられ、ガイドレール2と平行に敷設された専用のレールに沿って移動する。
案内装置10は、図1に示すように、ガイドレール2に対応して、乗籠4の籠枠42の上梁421および下梁422のそれぞれ両端部の合計4箇所に装備されている。この案内装置10は、ガイドレール2の刃21との間に生じる磁力によって、ガイドレール2に対し非接触に乗籠4を支持する。
制御装置は、巻上機を駆動し、ガイドレール2に沿って乗籠4を移動させる。このとき、制御装置は、乗籠4に加わる移動方向以外の力、すなわち水平方向に作用する力および乗籠4を傾ける方向に作用する力によって乗籠4が偏らないように、4つの案内装置10が発生する磁力を統合的に制御する。これによって、制御装置は、乗籠4の姿勢を安定させ、ガイドレール2に対して乗籠4が非接触であるように乗籠4を保持する。
この明細書における説明の都合上、図1に示した乗籠4の床43の中央部を基準に、乗籠4の乗口41側から乗籠4を覗くように見て右方向を「+X」、左方向を「−X」、奥側を「+Y」、基準よりも乗口41側を「−Y」、上方向を「+Z」、下方向を「−Z」と定義する。
それぞれの案内装置10は、同じ構成を有している。そこで、図1において乗口41側から見て右上(+X,+Z)の位置の案内装置10を一例に、以下に説明する。なお、乗籠4の下側に取り付けられる案内装置10は、籠枠42の下梁422に装着されたセフティ5のさらに下に取り付けられる。
案内装置10は、図2に示すよう、磁石ユニット11と、補助機構14と、ベース15と、台座12と、センサ部13とを備えている。磁石ユニット11は、台座12に保持されている。台座12は、ベース15および補助機構14を介して籠枠42の角部に取り付けられている。
この台座12は、非磁性体の材料、例えばアルミニウム合金やステンレス鋼で作られており、図2に示すように座板121および背板122を備えている。座板121は、ガイドレール2に対峙する側に、隙間を空けてガイドレールの刃を囲むように凹部123が形成されている。背板122は、ガイドレール2の刃21の先端面21aと平行な面に沿って、座板121に対してほぼ垂直に取り付けられている。
背板122は、ガイドレール2に対して反対側の面で図4に示すように座板121との間にわたされたリブ124によって支えられている。図3および図4に示すように、背板122は、座板121からガイドレール2に沿って離れた位置に磁石ユニット11を支持している。磁石ユニット11は、背板122を貫通するボルトによって、背板122に固定される。つまり、台座12は、いわゆる「イケール」が片持ちでワークを保持するように、磁石ユニット11を保持している。磁石ユニット11は、図3および図4に示すように磁石ユニット11と背板122との間にわたされたリブ125によっても支持されている。
また、図2から図4に示すように磁石ユニット11は、ガイドレール2の刃21が隙間を有して挿入されるスリット11Aを備える。ガイドレール2が延びる方向、つまりZ方向、にこのスリット11Aの両側に、センサ部13が配置されている。センサ部13は、図3および図4に示すギャップセンサ131x,131yで構成されている。ギャップセンサ131xは、ガイドレール2の刃21の先端面21aに対向して配置されている。ギャップセンサ131yは、ガイドレール2の刃21の側面、この場合は、+Y側の側面に対向して配置されている。このセンサ部13は、ギャップセンサ131x,131yとガイドレール2との間で形成する磁場の変化から、ギャップセンサとガイドレール2との隙間の大きさを検出する。これを基に、磁石ユニット11とガイドレール2との空隙の大きさの変化を検知することができる。したがって、ギャップセンサ131yは、ガイドレール2の刃21の−Y側の側面21bに対向させて配置してもよいし、+Y側および−Y側の両方に配置してもよい。
磁石ユニット11は、図5に示すように、コア110と第1のコイル111と第2のコイル112とによって構成されている。コア110は、第1の永久磁石11M1、第2の永久磁石11M2と、中央継鉄11FC、第1の側部継鉄11F1、第2の側部継鉄11F2とを有しており、ガイドレール2の刃21を三方から囲むE字形に構成されている。中央継鉄11FCは、第1の永久磁石11M1と第2の永久磁石11M2の同じ磁極どうし、例えばN極どうしまたはS極どうしを連結する。第1の側部継鉄11F1は、中央継鉄11FCが接続されている磁極と反対の第1の永久磁石11M1の磁極に連結される。第2の側部継鉄11F2は、中央継鉄11FCが接続されている磁極と反対の第2の永久磁石11M2の磁極に連結される。
中央継鉄11FCは、ガイドレール2の刃21の先端面21aに向かって延びる中央磁極11Cを有している。第1の側部継鉄11F1は、ガイドレール2の刃21の−Y側の側面21bに向かって延びる第1の磁極11S1を有している。第2の側部継鉄11F2は、ガイドレール2の刃21の+Y側の側面21cに向かって延びる第2の磁極11S2を有している。第1の磁極11S1と第2の磁極11S2とは、ガイドレール2の刃21をその厚み方向に挟む両側に、互いに対向させて、中央磁極11Cと直交する向きに配置される。そして、第1の磁極11S1と第2の磁極11S2とは、同じ極性になり、中央磁極11Cに対して逆極性になる。
図5に示すように、第1のコイル111は、中央磁極11Cと第1の永久磁石11M1との間の中央継鉄11FC、および、第1の永久磁石11M1と第1の磁極11S1との間の第1の側部継鉄11F1にそれぞれ装着されている。第1のコイル111は、中央継鉄11FCおよび第1の側部継鉄11F1とともに第1の電磁石11E1を構成する。第1の電磁石11E1は、第1の永久磁石11M1を通る第1の磁気回路の主磁束を変化させる磁場を発生させる。第2のコイル112は、中央磁極11Cと第2の永久磁石11M2との間の中央継鉄11FC、および、第2の永久磁石11M2と第2の磁極11S2との間の第2の側部継鉄11F2にそれぞれ装着されている。第2のコイル112は、中央継鉄11FCおよび第2の側部継鉄11F2にそれぞれ装着されてる。第2のコイル112は、中央継鉄11FCおよび第2の側部継鉄11F2とともに第2の電磁石11E2を構成する。第2の電磁石11E2は、第2の永久磁石11M2を通る第2の磁気回路の主磁束を変化させる磁場を発生する。
図4に示すように、台座12は、ガイドレール2の刃21の厚み方向に対して直角にガイドレール2に向かって延びる溝形の第1の嵌合部126をベース15に接合される座板121の底部に備える。この第1の嵌合部126は、中央磁極11C、第1の磁極11S1、第2の磁極11S2を基準に設けられる。この第1の嵌合部126は、台座12が保持している磁石ユニット11のスリット11Aがガイドレール2の刃21と嵌合するように、台座12をガイドレール2に向けて誘導するために設けられている。したがって、座板121の中央部に設けられていなくてもよい。第1の嵌合部126は、磁石ユニット11のスリット11Aの深さ方向と平行に、X方向に沿って延びていればよいし、複数設けられていてもよい。
図6に示すように、補助機構14は、籠枠42の角部に取り付けられており、図7および図8に示すように3つの副案内具141a,141b,141cと、これらを保持するブラケット142とを有している。第1副案内具141aは、ガイドレール2の刃21の先端面21aに転接するローラである。第2副案内具141bは、ガイドレール2の刃21の−Y側の側面21bに転接するローラである。第3副案内具141cは、ガイドレール2の刃21の+Y側の側面21cに転接するローラである。
これらの副案内具141a,141b,141cは、ガイドレール2の刃21に対して当接する状態で固定された図7に示す接触位置K1と、ガイドレール2の刃21に対して隙間を空けて固定された図8に示す待避位置K2との間を移動できるようにブラケット142に設けられた長孔143に取り付けられている。それぞれの長孔143は、図9に示すようにガイドレール2の刃21から斜め下へ離れる方向へ延びている。
なお、乗籠4の下部に取り付けられる案内装置10の補助機構14の長孔143も同様に斜め下へ向かってガイドレール2の刃21から離れる方向へ延びている。また、図7および図8において、副案内具141a,141b,141cと長孔143との関係がわかりやすいように、副案内具141a,141b,141cの中心軸を長孔143に固定するためのワッシャおよびナットは、省略している。
接触位置K1に副案内具141a,141b,141cが固定されている場合、乗籠4は、ガイドレール2に対して位置決めされる。また、待避位置K2に副案内具141a,141b,141cが固定されている場合、ガイドレール2の刃21と副案内具141a,141b,141cとの間の隙間は、磁石ユニット11の中央磁極11C、第1の磁極11S1、第2の磁極11S2との間に設けられる隙間よりも小さい許容傾倒寸法に設定されている。
なお、許容傾倒寸法とは、乗籠4がガイドレール2に対して心出しされた設定位置にある状態のときの各磁極の位置に対して、乗籠4に許容される最大の傾きが生じている状態のときの各磁極の変位量のことである。つまり、乗籠4に許容される傾きを超える力が加わっても、各副案内具141a,141b,141cが先にガイドレール2に接触し、磁極がガイドレール2に当接しない。
ベース15は、図10に示すように、ガイドレール2を基準に補助機構14に取り付けられる。ベース15は、図11に示すように第2の嵌合部151と、切欠部152と、ボルト孔153と、ネジ孔154とを備えている。また、ベース15は、図2に示すように台座12の座板121とほぼ同じ外形を有している。
第2の嵌合部151は、補助機構14と接合される側と反対側に第1の嵌合部126に対応させて設けられている。第2の嵌合部151は、ガイドレール2の刃21の厚み方向に対して直角にガイドレール2に向かって延びるX方向に沿って、ベース15の中央部に配置されている。第2の嵌合部151は、第1の嵌合部126の溝形状に合致する凸条形状に形成されている。
切欠部152は、ガイドレール2の刃21を囲むように形成されている。ボルト孔153は、このベース15を補助機構14に固定するために用意されている。このボルト孔153は、ボルトの頭が台座12と干渉しないように、平ざぐりが形成されている。ボルト孔153にボルトを挿入した状態を図11に示す。また、図11に示すようにベース15は、台座12が据付位置P1にあるときの台座12の座板121に設けられたボルト孔127に対応する位置に、ネジ孔154を備えている。ベース15の第2の嵌合部151に台座12の第1の嵌合部126を嵌合させることで、磁石ユニット11ごと台座12を、ガイドレール2の刃21の厚み方向つまりY方向にぶれることなく、ガイドレール2の刃21に向かって移動させることができる。
また、図4に示すようにこの案内装置10は、台座12の座板121に係止部材19を備えている。係止部材19は、ガイドレール2に対して反対側の座板121の外周側部(法線が−Xに向いた面)に取り付けられている。係止部材19は、台座12がガイドレール2に対して位置決めされた図2に示す据付位置P1にあるときに、ガイドレール2と反対側の図10に示すベース15の側面15aに当接する。
つまり、この係止部材19は、いわゆる「当り止め」であって、台座12が据付位置P1を越えてガイドレール2に向かって移動することを規制する。したがって、係止部材19は、図4に示した位置に取り付けられることに限定されない。例えば、台座12が移動する方向に沿うベース15の側面15bに突起を設け、この突起に係止する爪のように台座12に係止部材19を設けてもよい。また、ガイドレール2に近い側のベース15の端部に係止部材19として当止めとなるように段差やピンを配置してもよい。
以上のように構成された案内装置10は、以下の手順によって乗籠4の籠枠42に設置される。まず、乗籠4をガイドレールに対して設置する際、図6に示すように、籠枠42の角部に補助機構14をボルトで固定する。このとき、籠枠42に対する位置決めは、籠枠42をガイドレール2に対して心出しするのと並行して行われる。乗籠4の心出し作業において、まだ磁石ユニット11は取り付けられていない。そこで、図7に示すように、補助機構14の副案内具141a,141b,141cを接触位置K1に固定し、この補助機構14を仮の案内装置として使用する。
乗籠4の心出しおよび調整作業が完了すると、籠枠42に対する補助機構14の位置決めも完了する。そこで次に、ベース15を図10に示すように補助機構14へボルトで取り付ける。ベース15の位置決めは、ガイドレール2に対して専用治具7を用いて行われる。専用治具7は、フッ素系の合成樹脂など摺動性に優れた合成樹脂やホワイトメタルなど軟質の合金で作られており、図11に示すように、予めベース15の切欠部152に取り付けられる。ベース15は、この専用治具7によって、補助機構14に対する取付位置が決定される。
この専用治具7は、磁石ユニット11が取り付けられておらず、磁石ユニット11が機能していない間、接触式の案内装置であるガイドシューのように仮の案内装置としても機能する。そこで、ベース15が取り付けられた後からこの専用治具7を補助機構14に代えて仮の案内装置として使用しても良い。そのようにすることで、磁石ユニット11が設置される前に、補助機構14の各副案内具141a,141b,141cを待避位置K2へ移動させることができる。また、専用治具7は、ベース15の取り付けが完了したら、取り外してもよいし、図11に示す拘束部材8に取り替えてもよい。この拘束部材8は、ガイドレール2の刃21とベース15の切欠部152との間の隙間を、ガイドレール2の刃21と磁石ユニット11の中央磁極11C,第1の磁極11S1,第2の磁極11S2との間に設けられる隙間よりも小さい隙間に、制限する。
ベース15が固定されると、台座12の座板121をベース15に合わせる。そして、ガイドレール2に遠い側の第2の嵌合部151の端に、台座12の座板121に設けられた第1の嵌合部126を嵌合させる。このとき磁石ユニット11は、ガイドレール2から十分に離れているので、磁力はまだガイドレール2に作用しない。台座12は、第1の嵌合部126および第2の嵌合部151に沿って+X方向へガイドレール2に向かって滑らされる。
ガイドレール2に磁石ユニット11が近づくと、第1の永久磁石11M1および第2の永久磁石11M2の磁力によって、第1の磁極11S1および第2の磁極11S2がそれぞれガイドレール2に引き寄せられる力を受ける。このとき、第1の嵌合部126と第2の嵌合部151とが嵌合しているので、磁力に多少の偏りが生じていても、台座12が傾かない。また、乗籠4もガイドレール2に対して偏らないように補助機構14によって拘束されている。
磁石ユニット11の中央磁極11C,第1の磁極11S1,第2の磁極11S2がガイドレール2の刃21に対して三方から対峙する据付位置P1に、台座12が達すると、係止部材19がベース15の側面15aに当接する。したがって、台座12および磁石ユニット11は、ガイドレール2に向かってそれ以上移動しない。最後に、台座12の座板121をベース15のネジ孔154にボルトで固定する。これによって、案内装置10の据付作業が完了する。
この後、このエレベータ1が設置される建屋の工事が進み、案内装置10の磁石ユニット11が機能する状態でこのエレベータ1を使用できるようになった段階で、補助機構14の副案内具141a,141b,141cを待避位置K2に移動させて固定する。なお、専用治具7を仮の案内装置として利用していた場合には、専用治具7を取り外すか、拘束部材8に交換する。
なお、副案内具141a,141b,141cを接触位置K1または待避位置K2のどちらかに固定するための操作を簡単にするために、操作レバーを設けてもよい。ガイドレール2の刃21を厚み方向へ挟む2つの副案内具141b,141cおよびガイドレール2の刃21の先端面21aに対峙した副案内具141aをカムやリンクで連結し、この操作レバーを操作することによって、副案内具141a,141b,141cを接触位置K1と待避位置K2のどちらかに移動するように構成する。
以上のように、このエレベータ1は、磁力式の案内装置10に補助機構14を備えており、この補助機構14の副案内具141a,141b,141cが接触位置K1と待避位置K2とのどちらかに固定できるように構成されている。したがって、エレベータ1の設置工事において、磁石ユニットが機能していない場合であっても、副案内具141a,141b,141cをそれぞれ接触位置K1に固定することで、乗籠4を安定走行させることができる。さらに、この補助機構14は、磁石ユニット11が機能している場合に、待避位置K2に副案内具141a,141b,141cを移動させて固定するだけで、ガイドレール2の刃21との隙間を許容傾倒寸法に設定できる。つまり、据付工事の間だけ使用される仮の案内装置としての機能だけではなく、エレベータ1が運用されるようになってからも、磁石ユニット11の磁極11C,11S1,11S2を保護する機能を有している。したがって、補助機構14を取り外す必要が無いので、エレベータ1の据付工事における作業が簡素化され、工数も低減される。
また、副案内具141a,141b,141cをローラを採用した場合には、据付工事においてまだ磁石ユニット11が機能していない間に実施される乗籠4の心出しのための試験走行の際、ガイドシューを採用した場合に比べて、乗籠の姿勢が安定し、走行抵抗も軽減される。したがって、試験走行の際の走行速度を速く設定できるので、据付・調整のときの走行速度の設定範囲を広く設けることができる。試験走行において様々な速度設定で試験運転できるため、エレベータの信頼性が向上する。
1…エレベータ、2…ガイドレール、21…(ガイドレールの)刃、21a…先端面、21b…(−Y側の)側面、21c…(+Y側の)側面、4…乗籠、7…専用治具、10…案内装置、11…磁石ユニット、11M1…(第1の)永久磁石、11M2…(第2の)永久磁石、11E1…(第1の)電磁石、11E2…(第2の)電磁石、11C…中央磁極(磁極)、11S1…第1の磁極、11S2…第2の磁極、12…台座、126…第2の嵌合部、14…補助機構、141a,141b,141c…副案内具(補助ローラ)、143…長孔、15…ベース、151第2の嵌合部、152…切欠部、K1…接触位置、K2…待避位置。

Claims (5)

  1. ガイドレールに対して非接触に磁力で乗籠を支持する案内装置を備えるエレベータにおいて、前記案内装置は、
    永久磁石および電磁石を有し前記ガイドレールの刃に対して三方から空隙を空けて磁極を対峙させる磁石ユニットと、
    前記乗籠に取り付けられて、前記ガイドレールの刃に対して三方から当接することで前記ガイドレールに対して前記乗籠を位置決めする接触位置、または、前記空隙よりも小さい許容傾倒寸法の隙間を前記ガイドレールの刃との間に有する待避位置のどちらかに固定される副案内具を有した補助機構と、
    前記ガイドレールを基準に前記補助機構に取り付けられるベースと、
    前記磁石ユニットを保持し前記ベースに固定される台座と
    を備えることを特徴とするエレベータ。
  2. 前記副案内具は、前記磁石ユニットが機能していない場合に前記接触位置に固定され、前記磁石ユニットが機能している場合に前記待避位置に固定される
    ことを特徴とする請求項1に記載されたエレベータ。
  3. 前記副案内具は、前記ガイドレールの刃に三方からそれぞれ転接する3つの補助ローラであって、前記三方に沿って前記ガイドレールの刃から離れる方向へ固定位置を調節できる長孔に固定される
    ことを特徴とする請求項2に記載されたエレベータ。
  4. 前記台座は、前記磁極を基準に形成されて前記ガイドレールの刃の厚み方向に対して直角に延びる第1の嵌合部を前記ベースとの接合部に有し、
    前記ベースは、前記ガイドレールの刃を基準に形成されて前記ガイドレールの刃に向かって前記台座を移動可能に前記第1の嵌合部と嵌合する第2の嵌合部を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載されたエレベータ。
  5. 前記ベースは、前記ガイドレールの刃の先端面および両側の側面を囲むように隙間を有して嵌り込む切欠部を有し、前記隙間に挿入される専用治具によって前記補助機構に対する取付位置が決定される
    ことを特徴とする請求項4に記載のエレベータ。
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