JP5201946B2 - 天井クレーン - Google Patents

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Description

本発明は、天井クレーン、特に地震が発生したときにクレーン本体の浮き上がりや水平方向の揺れを抑制し、クレーンガーダ等の損傷を防止した天井クレーンに関する。
図5及び図6に従来の天井クレーンを示す。図5(a)は概略平面図、同図(b)は概略断面図である。建物躯体12上部の両側に、対をなしてクレーンガーダ14が設置されている。そのクレーンガーダ14の上端に、後述する走行レールが設置されており、クレーン本体10が図5(a)の矢印Aで示す方向に移動可能に構成されている。通常、クレーン本体10を移動させるための動力は電動モータ等(図示されていない)である。
図6(a)は、図5(b)の矢印Bで示した部分の要部拡大断面図である。同図(b)はクレーンガーダの拡大断面図である。前述のように、建物躯体12上部にクレーンガーダ14が設置され、このクレーンガーダ14の上端に走行レール16が設置されている様子が示されている。クレーン本体10は、クレーンガーダ14側の両側が、車輪18を取り付けるために厚さが薄くなっており、そのために第1底部10aと第2底部10bを構成し、第1底部10aと第2底部10bとの間には段差が存在している。そして、第1底部10aに取り付けられた車輪18を利用して、前述の走行レール16上をクレーン本体10が移動可能に構成されている。
クレーンガーダ14は、図6(b)に示すように、H鋼等で構成されており、走行レール16が敷かれる上端部14bの両側には、側部14aが設けられており、後述するように、この側部14aがクレーン本体10の脱落・脱線防止に役立つこととなる。
クレーン本体10の第2底部10bには脱線防止ラグ20が設けられている。この脱線防止ラグ20には、クレーンガーダ14の側部14aに引っ掛かるような突起部20aが設けられており、これにより地震時の振動若しくは揺れに対して、クレーン本体10が脱落することや脱線することが防止される。
一般に地震時には建物の上部に行くほどその振動が増幅される。クレーン本体10は天井付近に設置されることが多いため、大地震の振動時にはクレーン本体10に取り付けられた脱線防止ラグ20がクレーンガーダ14に引っ掛かることによって拘束されることとなる。しかし、大地震には強い上下動等の振動が発生するため、クレーン本体10自体が浮き上がる現象が発生し、大地震時にはその浮き上がりを拘束するクレーンガーダ14にクレーン本体10から脱線防止ラグ20を介して局所的に大きな過重が加わり、クレーンガーダ14の耐力が不足し、被害を受ける等の構造物への悪影響が懸念される。より具体的に説明すれば、大地震の際に、クレーン本体10が浮き上がり、脱線防止ラグ20の突起部20aが、クレーンガーダ14の側部14aに衝突して、クレーン本体10の脱落や脱線は免れることができるものの、側部14aが変形又は亀裂等を発生せしめ、クレーンガーダ14が損害を被る可能性があるということである。
既存の一般的なクレーン設備では、地震により強い上下動の振動が発生した際には、クレーン本体10に取り付けられた脱落防止ラグ20により脱線・脱落を防止しているものの、上述のようなクレーンガーダ等の構造物への悪影響を防止するための対策を施している設備はない。
このような状況において、特許文献1には、建屋側にレール架台を介し固定支持させた前後方向に延びる左右の走行レール上に、左右方向に延びるクレーン本体が走行車輪を介して架け渡してある天井クレーンにおける上記レール架台上に、走行車輪を支持する車輪フレームの移動軌跡を囲むようにしたシュラウドケースを設け、該シュラウドケース内の車輪フレームを左右で挟む位置に、シュラウドケースのほぼ全長に達する長さとした抵抗板を水平に配設し、且つ上記車輪フレームの左右両外側部に、上記対峙する抵抗板の一側辺部に滑動自在に係合させるようにしたスライダをそれぞれ取り付け、更に、上記シュラウドケース内に、所要の粘度を有する粘性液体を充填した構成を有する天井クレーンの免震装置が開示されている。
従って、クレーン本体と一体に移動できるようにしたスライダを、抵抗板の一側辺部に滑動自在に係合させ、シュラウドケース内に充填した粘性液体の粘性抵抗を抵抗板に作用させることができるので、地震時にクレーン本体を浮き上がり難くすることができると共に、浮き上がり後着地するときの衝撃を緩和することができ、これによりクレーン本体の落下や損傷を防ぐことが可能である。
また、特許文献2には、建屋躯体上に配置されたランウェイガーダ上端の走行レール上を走行する天井クレーンにおいて、粘性流体を内包したダンパ及びスライダを有する上下方向減衰部材をクレーンガーダに固定するとともに、ランウェイガーダを支持する建屋躯体端に天井クレーンの走行方向にスライダ支持板を設け、スライダ支持板に対して滑動自在となるようにスライダを配置することを特徴とする天井クレーンが開示されている。
従って、粘性流体を内包したダンパ及びスライダを有する上下方向減衰部材をクレーンガーダに固定すると共に、ラウェイガーダを支持する建物躯体端に設けたスライダ支持板に対して滑動自在となるようにスライダを配置する構造であるから、天井クレーンの上下方向の地震応答を低減し、天井クレーンの床面への落下防止機能を向上することができる。
特開平8−231183号公報 特開2001−253684号公報
特許文献1に開示されている天井クレーンは、クレーン本体とクレーンガーダとの間に免震装置を施したものであり、特許文献2に開示されている天井クレーンは、粘性ダンパを用いてクレーン本体に作用する上下方向の地震力を低減させようとするものである。従って、特許文献1、2の天井クレーン共に、本質的にクレーン本体の浮き上がりの発生を防止できる構成にはなっていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、地震が発生したときにクレーン本体の浮き上がりを十分に防止し、クレーンガーダに損傷を与える心配のない天井クレーンを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の天井クレーンは、建物躯体上に配置された一対のクレーンガーダと、一対の当該クレーンガーダ上端に設置された一対の走行レールと、一対の当該走行レール上を走行するクレーン本体と、を有する天井クレーンにおいて、前記クレーン本体の底部に設けられ、当該クレーン本体の走行方向に並べて設けられた少なくとも一組のN極及びS極の永久磁石とから成る本体側磁石と、前記クレーンガーダの側部で前記永久磁石と対向するように前記クレーン本体の走行方向にN極とS極とを一定のピッチで交互に並べられた電磁石の磁極列から成るガーダ側磁石と、前記クレーン本体が設置されている場所での地震振動を検知する地震検知部と、前記クレーン本体の前記走行レール上での位置を検出するクレーン本体位置検出部と、前記ガーダ側磁石を構成する電磁石の磁極列に電流を供給する電流供給部と、を有し、前記地震検知部が地震を検知した時及び通常時前記クレーン本体を固定する時、前記クレーン本体位置検出部が前記クレーン本体の位置を検出し、前記本体側磁石の近傍に位置する前記磁極列の電磁石を特定し、前記電流供給部が特定された前記磁極列の電磁石に電流を供給するように、及び、前記クレーン本体を走行させる時、前記電流供給部が前記磁極列の電磁石に電流を供給して前記磁極列の極性を空間的及び時間的に変化するように、前記地震検知部と前記クレーン本体位置検出部と前記電流供給部とを制御する中央制御部と、を有することを特徴とする。
斯かる構成を採用することにより、中央制御部は、地震検知部から地震の初期振動を検知した旨の信号を受信すると、クレーン本体位置検出部から現在のクレーン本体の位置情報を得て、クレーン本体側の永久磁石に対向する、若しくは近傍にあるガーダ側の磁極列を構成する電磁石を特定し、電流供給部によりその特定した磁極列の電磁石電流を流し、クレーン本体側の永久磁石とガーダ側の電磁石を互いに引き合うように制御することができる。従って、地震の初期振動を検知した後直ちに、クレーン本体は磁力により走行レールに押し付けられた状態が確保され、クレーン本体の浮き上がりが防止されることとなる。
また、クレーン本体が走行レール上のどの位置にあっても、ガーダ側磁石は電磁石の磁極列であるので、ガーダ側の電磁石がちょうど少なくとも一組のN極及びS極の永久磁石に対向しているか、若しくはそれらの永久磁石の近傍にあるので、地震時等においてクレーン本体を移動させることなく、本体側磁石とガーダ側磁石とを互いに引き合わせ、クレーン本体の浮き上がりを防止することが可能である。なお、本体側磁石に少なくとも一組のN極及びS極の永久磁石を用いているので、本体側磁石とガーダ側磁石の引き合う磁力を大きくすることが可能である。
更に、前記ガーダ側磁石の磁極列の極性は、空間的及び時間的に変化できるように構成されているので、クレーン本体をリニアモータの原理で移動させることが可能であり、クレーン本体の精密な位置調整が行われることとなる。
本発明の天井クレーンによれば、クレーン本体とクレーンガーダとは、磁力により互いに引き合うように構成されるので、地震時にクレーン本体の浮き上がりを防止し、クレーン本体の脱落や脱線、及び水平方向の揺れを防止することが可能である。従って、地震時におけるクレーンガーダの損傷を防ぐことが可能であり、天井クレーンを安全に保護することができることとなる。
本発明の実施の形態を、以下図面を参照しながら詳述する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の天井クレーンの第1の実施の形態に係る要部拡大断面図である。建物躯体12の上に配置された一対のクレーンガーダ14の上端部14bには、一対の走行レール16が設置されており、この走行レール16上をクレーン本体10が移動する。なお、図1では、クレーンガーダ14の一方の側について示しており、他方の側については、構成が同一であるので省略している。
クレーン本体10は、クレーンガーダ14側の両側が、車輪18を取り付けるために厚さが薄くなっており、そのために第1底部10aと第2底部10bを構成し、第1底部10aと第2底部10bとの間には段差が存在している。第1底部10aには、上記の走行レール16上を走行するための車輪18が、クレーン本体10の四隅に設けられている。そして、本体側の電磁石26がクレーン本体10の第2底部10bの四隅に設けられている。この本体側磁石である電磁石26に所定の間隔を置いて対向するガーダ側磁石である電磁石の磁極列24は、クレーンガーダ14の側部14aに、クレーン本体10の走行方向に沿って一定のピッチで設置されている。それらの様子を以下、図2で詳述する。
図2は、本体側磁石とガーダ側磁石の設置の様子を示す説明図である。本体側の電磁石26は、前述のようにクレーン本体10の第2底部10bの四隅に設けられている。ガーダ側磁石は、一定のピッチで並べられた電磁石により構成される磁極列24であり、本体側の電磁石26は、この磁極列24と一定の間隔を保って対向するように構成されている。ここでは、電磁石26と磁極列24を構成する各電磁石のクレーン本体10の移動方向の幅(横幅)は同一とし、磁極列24を構成する電磁石は1個分の間隔を開けてクレーン本体10の移動方向に複数個配置した。
本体側の電磁石26と、磁極列24を構成する電磁石の1つがちょうど対向している、或いは中心がずれて対向している場合には、それらの電磁石に電流を流すと互いに引き合い、クレーン本体10は走行レール16に押し付けられた状態が確保され、地震による大きな揺れを受けてもクレーン本体10は浮き上がらないこととなる。
ここで、クレーン本体10の位置により、本体側の電磁石26と、磁極列24を構成する電磁石の1個がちょうど1個分ずれている場合には、言い換えれば、電磁石26が磁極列24の電磁石のない所にちょうど位置している場合には、本体側の電磁石26に最も近い磁極列24の電磁石に電流を流す。すると、クレーン本体10は略電磁石1個分の横幅を、クレーン本体10の移動方向の前方又は後方に移動して走行レール16に押し付けられた状態が確保されることとなる。なお、クレーン本体10の第2底部10bには、四隅に電磁石26が設けられているが、各電磁石26と磁極列24を構成する電磁石との位置関係は同じになるように構成されている。即ち、本体側磁石の電磁石の1個がガーダ側磁石の磁極列の電磁石とちょうど対向するときには、残りの3個の電磁石もそのような位置関係になるようにしている。
なお、電磁石26と磁極列24との間隔、電磁石26と磁極列24を構成する各電磁石の大きさ、磁力の強さ等は、クレーン本体10の大きさ、重量、天井クレーンの使用状況等を考慮して適宜決定することができる。
図3は、本発明の天井クレーンの動作のための概略構成図である。この構成は一例であって、本発明の天井クレーンを動かすのに、この構成に限られることはない。例えば、動作モード判別部38や表示部42等は必要に応じて設けても良い。図3においては、天井クレーンを稼働するために、地震検知部32、クレーン本体位置検出部34、電磁石制御部36、動作モード判別部38、中央制御部40、表示部42を有する構成が示されている。
地震検知部32は、天井クレーンが設置されている建物が地震により振動若しくは揺れを生じた場合に、直ちにその振動を検知するものである。特に、地震の初期の振動を鋭く検知するように構成されている。クレーン本体位置検出部34は、クレーン本体10がクレーンガーダ14に対して、若しくは建物躯体に対して、現在どの位置にいるのかを検出する。例えば、パルスモータ、レーザ測長器、ポテンショメータ等を用いて、クレーン本体10のクレーンガーダ14の一方の端からの距離が正確に測定される。そして、後述するように中央制御部40は本体側の電磁石26に対向する、若しくは近傍にある磁極列24の電磁石を特定する。
電流供給部36は、本体側の電磁石26と上記の特定された磁極列の電磁石に流す電流の強さ、またその極性を定める働きを持つ。通常、電流を流す場合には、互いに引き合うように極性を定めるが、本体側の電磁石26がS極であれば磁極列の電磁石がN極となるようにする。なお、流す電流は、個々の電磁石で変えることも可能であり、全ての電磁石を同極に、又は特定の場所の電磁石のみ同極にすることが可能なように構成されている。
動作モード判別部38は、本体側磁石とガーダ側磁石が、現在どのような目的のために使用されているのかを判別する。通常、3つの動作が設定されている。即ち、緊急モード、クレーン本体停止モード、リニアモータ動作モード、の3通りである。例えば、地震等による振動を地震検知部32が検知した場合には、緊急モードに設定される。これらのモードについては後述されている。
中央制御部40は、地震検知部32が地震を検知した時に、クレーン本体位置検出部34がクレーン本体10の位置を検知し、本体側の電磁石26の近傍に位置する磁極列24の電磁石を特定し、電流供給部36が本体側の電磁石26及び特定された磁極列24の電磁石に電流を供給するように、地震検知部32とクレーン本体位置検出部34と電流供給部36とを制御する。また、上記の3つのモードを管理しており、具体的には、地震検知部32からの建物の初期振動を検知した旨の信号を受信すること、クレーン本体位置検出部34からのクレーン本体10の位置検出信号を受信すること、表示部42へクレーン本体10の位置を表示する表示信号を送信すること、電磁供給部36を制御し本体側の電磁石26及び電磁石の磁極列24に電流を流すよう指令すること、磁極列24の磁極を変える指令を出すこと等を行う。
表示部42には、クレーン本体10の位置情報、本体側の電磁石26及び電磁石の磁極列24に流している電流の強さ、磁極列24の極性の様子、動作モード等が表示されている。後述するリニアモータ動作モードで、クレーン本体10を前進、後退、停止させるためのボタン、クレーン本体10の移動速度等も表示されている。
以下、地震による建物の振動を地震検知部32が検知した場合について説明する。目的とすることは、地震時にクレーン本体10を迅速に走行レール16に押し付けた状態にし、地震によるクレーン本体10の浮き上がりを防止することである。これを緊急モードと称する。中央制御部40は、地震検知部32から建物の揺れを検知した旨の信号を受信すると、クレーン本体10の現在位置に関する情報をクレーン本体位置検出部34から得る。次に、クレーン本体10の底部に設けられた電磁石26に対向する磁極列24を構成する電磁石を特定する。ここで、クレーン本体10の位置検出は、レーザ測長器(図示していない)により、クレーンガーダ14の一方の端からの距離を正確に計り、クレーン本体10の底部に取り付けられている電磁石26に対向するガーダ側磁石の磁極列24の電磁石を割り出した。対向する磁極列24の電磁石を割り出した後、電流供給部36からその電磁石と本体側磁石である電磁石26とに電流を流し、本体側の電磁石と磁極列24の電磁石を互いに引き合うようにし、クレーン本体10を走行レール16に押し付けた状態にする。この緊急モードで流される電流は、後述する通常のクレーン本体停止モードよりも大きく設定されており、クレーン本体10は強力な磁力により、走行レール16に確実に押し付けられた状態を確保することとなる。
地震の初期の揺れに対して、以上のようにクレーン本体10が走行レール16に押し付けられた状態が確保されるので、クレーン本体10の浮き上がりはもとより、水平方向の揺れも、確実に抑制される。従って、初期の揺れの後に大きな上下の揺れが生じても、クレーン本体10は走行レール16から浮き上がることが確実に防止され、その結果としてクレーンガーダ14等へ損傷を与えることは皆無となる。
地震発生後、特に問題がないことを確認した後、天井クレーンを再開させる場合は、緊急モードを解除すべく、通常のクレーン本体固定モードに戻せば良い。この作業は、全て表示部42上で行うことが可能である。
なお、地震等が発生していない通常の場合には、クレーン本体10はモータ等(図示していない)により走行レール16上を移動する。クレーン本体10を移動させるときには、本体側磁石及びガーダ側磁石を構成する電磁石には電流は流さず、従って、本体側磁石とガーダ側磁石とは引き合っていない状態である。クレーン本体10を所望の場所に移動させたら、本体側磁石及びガーダ側磁石を構成する電磁石に電流を流して本体側磁石とガーダ側磁石とを互いに引き合う状態としてクレーン本体10を走行レール16に押し付けた状態を確保する。これをクレーン本体固定モードと称する。
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の天井クレーンの第2の実施の形態に係り、本体側磁石とガーダ側磁石の設置の様子を示す説明図である。本体側磁石は、一組のN極及びS極の永久磁石22で構成されている。そして、この永久磁石22は、クレーン本体10の第2底部10bの四隅に設けられている。ここで、N極及びS極の永久磁石22はクレーン本体10の走行方向に並べて配置されている。
ガーダ側磁石は、複数の電磁石を隙間なく本体クレーン10の走行方向に並べた電磁石の磁極列20であり、前述の永久磁石22は、この磁極列20と一定の間隔を保って対向するように構成されている。磁極列20を構成する各電磁石のクレーン本体10の走行方向の横幅と、S極及びN極の永久磁石のクレーン本体10の走行方向の横幅は同一に構成している。なお、永久磁石22と磁極列20との間隔、この永久磁石22の大きさ、永久磁石22及び電磁石の磁力の強さ等は、クレーン本体10の大きさ、重量、クレーン本体10の使用状況等を考慮して適宜決定することができる。
この様な構成において、地震による建物の振動を地震検知部32が検知した場合、クレーン本体10を迅速に走行レール16に押し付けた状態にし、地震によるクレーン本体10の浮き上がりを防止することが可能である。具体的に説明すると、中央制御部40は、地震検知部32から建物の揺れを検知した旨の信号を受信すると、クレーン本体10の現在位置に関する情報をクレーン本体位置検出部34から得る。次に、クレーン本体10の底部に設けられた一組のN極及びS極の永久磁石22に対向する磁極列20を構成する電磁石を特定する。ここで、クレーン本体10の位置検出は、第1の実施の形態と同様に、レーザ測長器(図示していない)により、クレーンガーダ14の一方の端からの距離を正確に計り、クレーン本体10の底部に取り付けられている一組のN極及びS極の永久磁石22に対向するガーダ側磁石の磁極列20の電磁石を割り出した。対向する磁極列20の電磁石を割り出した後、その電磁石に電流を流し、本体側磁石の一組のN極及びS極の永久磁石22とガーダ側磁石が互いに引き合うようにし、クレーン本体10を走行レール16に押し付けた状態にする。
地震の初期の揺れに対して、以上のようにクレーン本体10が本体側磁石とガーダ側磁石との磁力により走行レール16に押し付けられた状態が確保されるので、クレーン本体10の浮き上がりはもとより、水平方向の揺れも、確実に抑制される。従って、初期の揺れの後に大きな上下の揺れが生じても、クレーン本体10は走行レール16から浮き上がることが確実に防止され、その結果としてクレーンガーダ14等へ損傷を与えることは皆無となる。第2の実施の形態の場合には、本体側磁石が一組のN極及びS極の永久磁石22で構成されるので、装置全対をコンパクトに構成することが可能であり、また本体側磁石とガーダ側磁石との間の磁力を大きくすることが可能である。
なお、第2の実施の形態では、リニアモータの原理を利用してクレーン本体10を本体側磁石とガーダ側磁石を利用して移動させることが可能である。これをリニアモータ動作モードと称する。クレーン本体10の第2底部10bの四隅に固定されている永久磁石22は、それぞれN極とS極とからなる一組の磁石である。この一組の磁石は、前述のようにクレーン本体10の移動方向に並べて設置されている。クレーン本体固定モードにおいては、この永久磁石22に相対する電磁石は、N極の永久磁石に対してはS極の電磁石、S極の永久磁石に対してはN極の電磁石となるように、電磁石制御部36で制御されている。
クレーン本体10を動かす場合、一組の永久磁石22に対向している電磁石の極性を永久磁石22と同極にし、同時に移動方向側の隣接する電磁石の極性をこれまでの極性と変える。すると、クレーン本体10は極性の変えられた電磁石に引き付けられるので僅かに、即ち電磁石1個分だけ移動することとなる。従って、クレーン本体10の移動に伴い、電磁石の磁極列20の極性を時間的及び空間的に次々に変えることで、クレーン本体10を移動させることが可能となる。なを、クレーン本体10の移動速度は、電磁石に流す電流の強さ、及び電磁石の極性を時間的に変える速度に依存することとなるが、クレーン本体10の大きさや重量等を考慮して適宜決定することが可能である。
そして、所望の場所にクレーン本体10を移動させた後は、本体側磁石である永久磁石22と対向するガーダ側磁石である磁極列20の電磁石を互いに引き合う状態となるように、電磁石に電流を流しておくことで、クレーン本体10を停止させて置くことができる。なお、この状態は、上述のクレーン本体固定モードと同じである。また、この状態ではクレーン本体10は、磁力により確実に走行レール16に押し付けられた状態になっているので、クレーン作業を安全に行うことが可能である。
なお、表示部42には、クレーン本体10の位置、動作モード、電磁石の磁極列20の極性等が表示され、リニアモータ動作の時には、画面上でクレーン本体10を移動させることが可能である。クレーン本体10は、移動の最小単位、即ち電磁石の1個毎、移動が制御されるので、クレーン本体10の精密な位置調整が可能である。
以上で説明したように、本発明の天井クレーンは、クレーン本体10とクレーンガーダ14とは、磁力により互いに引き合うので、地震時にクレーン本体10の浮き上がりを防止することができ、クレーン本体10の脱落や脱線を防止することに加えて、クレーンガーダ14の損傷を防ぐことが可能である。更に、クレーン本体10とクレーンガーダ14とは、磁力により互いに引き合うので、クレーン本体10の水平方向の揺れをも抑制することも可能である。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本体側磁石はクレーン本体10の第2底部に、ガーダ側磁石はクレーンガーダ14の側部14aに取り付けたが、本体側磁石はクレーン本体10の第1底部に、ガーダ側磁石はクレーンガーダ14の上端部14bに取り付けても良い。
本発明の天井クレーンの第1の実施の形態に係る要部拡大断面図である。 図1の本体側磁石とガーダ側磁石の設置の様子を示す説明図である。 本発明の天井クレーンの動作のための概略構成図である。 本発明の天井クレーンの第2の実施の形態に係る要部拡大斜視図である。 従来の天井クレーンを示したものであって、同図(a)は概略平面図、同図(b)は概略平面図である。 図4(b)の矢印Bで示した部分の拡大断面図であって、同図(a)は拡大断面図、同部(b)はクレーンガーダの拡大断面図である。
10 クレーン本体
12 建物躯体
14 クレーンガーダ
16 走行レール
18 車輪
20、24 磁極列
22 一組のS極及びN極の永久磁石
26 本体側の電磁石
32 地震検知部
34 クレーン本体位置検出部
36 電流供給部
38 動作モード判別部
40 中央制御部
42 表示部

Claims (1)

  1. 建物躯体上に配置された一対のクレーンガーダと、一対の当該クレーンガーダ上端に設置された一対の走行レールと、一対の当該走行レール上を走行するクレーン本体と、を有する天井クレーンにおいて、
    前記クレーン本体の底部に設けられ、当該クレーン本体の走行方向に並べて設けられた少なくとも一組のN極及びS極の永久磁石とから成る本体側磁石と、
    前記クレーンガーダの側部で前記永久磁石と対向するように前記クレーン本体の走行方向にN極とS極とを一定のピッチで交互に並べられた電磁石の磁極列から成るガーダ側磁石と、
    前記クレーン本体が設置されている場所での地震振動を検知する地震検知部と、
    前記クレーン本体の前記走行レール上での位置を検出するクレーン本体位置検出部と、
    前記ガーダ側磁石を構成する電磁石の磁極列に電流を供給する電流供給部と、を有し、
    前記地震検知部が地震を検知した時及び通常時前記クレーン本体を固定する時、前記クレーン本体位置検出部が前記クレーン本体の位置を検出し、前記本体側磁石の近傍に位置する前記磁極列の電磁石を特定し、前記電流供給部が特定された前記磁極列の電磁石に電流を供給するように、及び、
    前記クレーン本体を走行させる時、前記電流供給部が前記磁極列の電磁石に電流を供給して前記磁極列の極性を空間的及び時間的に変化するように、
    前記地震検知部と前記クレーン本体位置検出部と前記電流供給部とを制御する中央制御部と、
    を有することを特徴とする天井クレーン。
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