JP2011111136A - 車両用シートベルトのバックル保持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】バックル格納装置をシートバック下端の凹所に埋設する構成では、構成が複雑化する。また、バックルをシートバックの凹所から取り出してタングの差し込みやすい位置に保持する必要があり、シートベルトの装着が片手で行えない。
【解決手段】バックル18eはシートバック下端に回動軸19によって回動可能に配置され、バックルの格納可能な凹所20がシートバック下端に形成されている。ねじりばね22が回動軸19に巻装され、その端末22a1、22a2がバックル、シートバックにそれぞれ係止されて、タング18dの差し込み可能な突出位置方向にバックルを付勢している。バックル18eは付勢されることにより回動されてストッパ24に当接され、ストッパに当接する位置がバックルの突出位置となる。ストッパ24に当接して所定位置(突出位置)に待機するバックル18eにタング18dが差し込まれる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用シートに装着されたシートベルト、特にシートベルトのバックルをタングの差し込み可能な位置に保持するバックル保持構造に関する。
シートベルトとして、左右の肩のいずれかと左右の腰との三ヶ所で着座者を保持する三点保持式のものが車両用シートに広範囲に設置されている。
三点保持式のシートベルト(三点式シートベルト)においては、牽引付勢力のもとでウェビングを巻き取って収納したリトラクタが、たとえば車体のピラーに内蔵され、リトラクタから延びたウェビングの先端が車体に固定されている。そして、ウェビングに取り付けられたタングを手で掴んでウェビングをリトラクタから引き出してシートクッション側部のバックルに差し込むことによって、上半部のウェビング(ショルダーウェビング)が着座者の肩口から袈裟状に着座者に掛け渡されるとともに、下半部のウェビング(ラップウェビング)が着座者の腰部に掛け渡されて着座者をシートに保持し固定している。
最近では、フロントシートだけでなく、リアシートにおいてもシートベルトの装着が義務付けられている。
フロントシートに設置されたシートベルトにおいては、通常、バックルの下端が自立可能な金属製のバックルブラケットとされ、バックルブラケットの端末をシートクッションに連結してシートクッションから立ち上がった自立構造(自立タイプ)となっている。自立タイプのバックルは、タングの差し込みやすい位置にシートクッションから立ち上がって待機するため、バックルへのタングの差し込みがワンタッチで行え、シートベルトの装着が片手で行える。
これに対して、リアシートのシートベルトでは、バックはシートクッションにその端末が連結されたウェビングの先端に取り付けられており、自立する構造となっていない(自立タイプでない)。そして、シートベルトの不使用時には、バックルはシートクッション、シートバックの隙間に押し込まれていたり、シートクッション上に置かれたままとなっている。そのため、タングを掴む手とは別の手でシートクッション、シートバックの隙間からバックルを引き出したり、シートクッション上のバックルを持ち上げて手で支える動作が必要となり、シートベルトの装着が片手で行えない。
また、バックルをシートクッション、シートバックの隙間に押し込まずにシートクッション上に置いたままシートバックを前倒しすれば、バックルがシートクッション、シートバックの間に挟持され、シートクッション、シートバックが局部的に圧縮変形する。そして、シートバックを着座位置(通常位置)に戻すと、シートクッション、シートバックにへこみ癖が残って、シートの外観品質が損なわれる。
さらに、シートバックを前倒してからシートクッション、シートバックを一体的に跳ね上げるダブルフォールドタイプのリアシートにおいては、シートクッション、シートバックを一体的に跳ね上げるとき、バックルが着座面から脱落するおそれがある。そして、バックルが着座面から脱落した状態のままシートクッション、シートバックを着座位置に戻すと、バックルがシートクッションの下に入り込んでしまうことがあり、この場合においてはバックルを引き出す手間が必要となる。
リアシートのシートバック下端の凹所にユニット化したバックル格納装置を埋設し、バックルをバックル格納装置に格納するバックル格納構造が知られている。たとえば、実願昭62−183815号(実開平01−087950号)のマイクロフィルムには、シートバック下端の凹所にアウターケースを埋設し、バックルの格納されるインナーケースがアウターケースに回動可能に取り付けられたバックル格納装置が記載されている。
このバックル格納装置においては、シートベルトの非着用時には、インナーケースはバックルを格納しアウターケースに押し込まれてシートバック下端の凹所に位置する。そして、シートベルトの装着時には、インナーケースは回動されてアウターケースから引き出され、インナーケースからバックルを取り出し、取出したバックルにタングが差し込まれてシートベルトが装着されている。
バックル格納装置を介在してウェビング先端のバックルをシートバック下端の凹所に格納する公知の構成では、シートバックを前倒しても、バックルがシートクッション、シートバック間に挟持されないため、シートクッション、シートバックが局部的に圧縮変形することもなく、へこみ癖が残らない。また、ダブルフォールドタイプのリアシートでシートクッション、シートバックを一体的に跳ね上げてもバックルが着座面から脱落せず、シートクッション、シートバックを着座位置に戻してもバックルがシートクッションの下に入り込むこともない。
実願昭62−183815号(実開平01−087950号)のマイクロフィルム
バックル格納装置を利用してバックルをシートバック下端の凹所に格納すれば、シートクッションなどのへこみ癖やシートクッション、シートバック間からのバックルの脱落という課題は解消される。しかしながら、バックルをシートバックの凹所から取り出してタングの差し込みやすい位置でバックルを保持する必要があり、シートベルトの装着が片手で行えないという課題は残る。
また、バックル格納装置をシートバック下端の凹所に埋設する構成では、バックル格納装置自体の構成が複雑であるため、構成の複雑化が避けられない。
本発明は、装着が片手で行え、かつシートバックの前倒しを妨げることのない構成の簡単な車両用シートベルトのバックル保持構造の提供を目的としている。
上記目的を達成するために、本発明ではバックルをシートバックに回動可能に設け、シートバック下端の凹所にバックルを格納可能とする構成としている。
すなわち、請求項1に係る本発明によれば、シートバック下端にバックルを回動軸によって回動可能に配置し、バックルの格納可能な凹所をシートバック下端に形成し、凹所に格納したバックルを付勢部材によってタングの差し込み可能な突出位置方向に付勢し、その付勢力によりシートバック上のストッパによって規定されるバックルの突出位置にバックルを保持している。
請求項2に係る本発明によれば、バックルの下端を自立可能な金属性のバックルブラケットとし、このバックルブラケットをシートバック下端に回動可能に連結している。
請求項3に係る本発明によれば、回動軸に巻装されてその一端末がバックルに、他端末がシートバックにそれぞれ係止されたねじりばねを付勢部材としている。
請求項4に係る本発明によれば、バックル、シートバック部材の間に架設された圧縮ばねを付勢部材としている。
請求項5に係る本発明によれば、シートバックのシートパッドの一部を凹所に突出させてなる突起を付勢部材としている。
請求項6に係る本発明によれば、バックルは、シートバック下端の凹所内に回動可能に取り付けられたケースに収納され、バックルの下端をウェビングとしてそのウェビングの端末をシートバック下端に連結している。
請求項7に係る本発明によれば、バックルは、シートバック下端の凹所内に回動可能に取り付けられた樹脂製のケースに収納され、バックルの下端をウェビングとしてそのウェビングの端末をシートバック下端に連結し、ケースの背面に蛇腹部を一体成形して付勢部材とし、シートバック部材に蛇腹部の背面を固定している。
請求項1に係る本発明では、バックルは付勢されてストッパによって規定された所定の位置(タングの差し込み可能な突出位置)に待機するため、バックルへのタングの差し込みがワンタッチで行え、シートベルトの装着が片手で行える。
シートバックを前倒しすれば、バックルはシートクッション着座面に押され付勢部材の付勢力に抗して回動し、シートバック下端の凹所に逃げ込んで格納される。そのため、バックルをタングの差し込み可能な突出位置に保持する構成であっても、バックルに妨げられることなくシートバックが前倒しできる。
また、シートバックを前倒ししてもバックルはシートクッション、シートバックの間に挟持されず、へこみ癖をシートクッション、シートバックに残すこともない。さらに、バックルが回動軸によってシートバック下端に取り付けられているため、シートクッション、シートバックを一体的に跳ね上げてもシートクッション、シートバックの着座面からのバックルの脱落はない。
バックル自体を回動可能とし、バックルを付勢してストッパに押し当てればよいから、構成が極めて簡単化できる。
請求項2に係る本発明によれば、下端を金属性のバックルブラケットとしており、バックルを自立タイプに構成できる。
請求項3に係る本発明では、回動軸に巻装したねじりばねの端末をバックル、シートバックにそれぞれ係止すればよく、構成が簡単化され、付勢部材(ねじりばね)の取り付けが容易に行える。
請求項4に係る本発明では、たとえば、圧縮ばねによるバックルの直接的な押圧が可能となり、簡単な構成にも拘らず付勢部材(圧縮ばね)によるバックルの付勢が適切に行える。
請求項5に係る本発明によれば、凹所内のシートパッドの一部に突起を形成するだけで足り、独立した部材としての付勢部材は不要となる。
請求項6に係る本発明によれば、バックルを収納するケースを凹所内に設けてこのケースを回動可能としており、下端をウェビングとした非自立タイプのバックルにも応用できる。
請求項7に係る本発明によれば、下端をウェビングとした非自立タイプのバックルにも応用できるとともに、バックルを収納するケースに付勢部材を一体成形しているため、独立した部品としての付勢部材が不要となる。
前方からの車両用シートの概略斜視図を示す。 (A)(B)は着座位置、前倒し位置での本発明の実施例に係る車両用シートベルトのバックル保持構造の正面図を示す。 本発明の別実施例(実施例2)に係る車両用シートベルトのバックル保持構造の正面図を示す。 本発明の他の実施例(実施例3)に係る車両用シートベルトのバックル保持構造の正面図を示す。 (A)(B)は着座位置、前倒し位置での本発明のさらに別の実施例(実施例4)に係る車両用シートベルトのバックル保持構造の正面図、(C)はケースの拡大正面図をそれぞれ示す。 実施例4の変形例を示す。
バックルはシートバック下端に回動軸によって回動可能に配置され、バックルの格納可能な凹所がシートバック下端に形成されている。バックルの回動軸に巻装されたねじりばねの端末がバックル、シートバックにそれぞれ係止されて、タングの差し込み可能な突出位置方向にバックルを付勢している。バックルは付勢されることにより回動されて、ストッパに当接され、ストッパに当接する位置がバックルの突出位置となり、この位置に待機するバックルにタングが差し込まれる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。図1は前方からの車両用シートの概略斜視図を示す。
シートベルトの装着される車両用シート10においては、図1に示すように、たとえば、2つのシート12(12L、12R)がリアシートとして並置されている。左右のシート(リアシート)12L、12Rはシートクッション14と、シートクッションに対して前倒し可能に連結されたシートバック16とを備え、シートベルト18がシートに装着されている。また、ヘッドレスト17がシートバック16の上面に設けられている。
なお、矢印のように、車両用シート10の前後方向をFr、Rr、左右方向をL、Rでそれぞれ示す。
シートベルト18は三点保持式のシートベルトとされ、リトラクタ18aが車体のピラー18bに設けられて、牽引付勢力のもとでウェビング18cを巻き取って収納し、ウェビングの先端は車体に固定されている。タング18dがウェビングの中間部に摺動自在に取り付けられ、このタングを手で掴んでウェビングをリトラクタから引き出しながらバックル18eに差し込むことによって、一点鎖線で示すように、ウェビング18cが、たとえば、左の肩口から袈裟状に掛け渡されて、着座者の左の肩と左右の腰とがシートベルト18で固定される。
バックル18eはリアシート12(12L、12R)のシートバックの中央寄りにそれぞれ設けられ、バックルを格納する凹所がシートバックの中央寄りでその下端にそれぞれ形成されている。
以下、右のシート12Rについてバックルの保持構造について述べる。図2(A)(B)は着座位置、前倒し位置での本発明の実施例に係る車両用シートベルトのバックル保持構造の正面図を示す。なお、図2(A)(B)においては、シートバックは断面として図示されている。
図2(A)に示すように発泡ウレタンなどからなるシートパッド(シートバック部材)16aがトリムカバー16bで被覆され、シートパッドを切り欠いて凹所20がシートバック16の下端に形成され、凹所においてもトリムカバーでシートパッドが被覆されている。
バックル18eは回動軸19の回りで回動可能にシートバック16の下端に配置されている。たとえば、バックル18eは、その下端を自立可能な金属製のバックルブラケット18e’としてバックルブラケットをシートバックフレームなどに連結してシートバックから立ち上がった自立構造(自立タイプ)とされ、回動軸19はバックルブラケットをシートバックに連結する連結ピンとしても機能している。
凹所20に格納されたバックル18eは、付勢部材22によって凹所から突出してタング18dの差し込み可能な方向、すなわち、図2(A)において、矢印で示すように回動軸19の回りで反時計方向(前方向)に付勢され、シートバック上のストッパ24に当接されてその突出位置が規定されている。
たとえば、付勢部材22はねじりばねとされ、ねじりばねはバックルの回動軸19に巻装され、一端末22a1がバックルブラケット18e’の背面に、他端末22a2がシートバック上の係止ピン22bにそれぞれ係止されている。
また、実施例では、ストッパ24は、シートバック16に設けられてバックルブラケット18e’の前面の当接されるストッパピンとなっているが、シートバックに形成した突起などをストッパとしてもよい。
このようにシートバック下端の凹所20に格納した回動可能なバックル18eが付勢部材(ねじりばね)22によってタング18dの差し込み可能な突出位置方向に付勢され、その付勢力のもとでシートバック上のストッパ24に当接してバックルの突出位置が規定されている。そのため、バックル18eはストッパ24に当接して所定位置に待機し、この所定位置がタング18dの差し込み可能な突出位置であるため、バックルをタングの差し込みやすい位置に移す必要はなく、また、バックルが自立して手での保持も必要としないことから、バックルへのタングの差し込みがワンタッチで行え、シートベルト18の装着が片手で行える。
シートバック16は、たとえば、シートクッション側部のサイドブラケット(図示しない)に設けられた回動軸15の回りでシートクッション14に対して前倒し可能に構成されている。
図2(B)に示すように、シートバック16が前倒しされてシートクッション14上に至ると、バックル18eはシートクッションに押し付けられ、付勢部材22の付勢力に抗して回動軸19の回りで時計方向に回動し、凹所方向に押し返されて凹所20に逃げ込んで格納される。そのため、タング18dの差し込み可能な突出位置にバックル18eが保持されていても、このバックルがシートバック16の前倒しの妨げとなることはない。
また、シートバック16が前倒しされても、バックル18eはシートクッション14、シートバック間に挟持されず、シートバックを着座位置(通常位置)に戻してもシートクッション14にへこみ癖が残らない。そして、へこみ癖が生じないから、シートの外観品質を損なうおそれもない。
バックル18eは、回動軸19によってシートバック下端に取り付けられているため、シート12(12R)をダブルフォールドタイプのリアシートとしてシートクッション14、シートバック16を一体的に跳ね上げても、バックルがシートクッション、シートバックの着座面から脱落することはない。シートクッション14、シートバック16の着座面からのバックル18eの脱落がないから、シートクッション、シートバックを着座位置に戻しても、バックルがシートクッションの下に入り込むことはない。そして、シートバック16を着座位置に戻せば、バックル18eは付勢部材22に付勢されてストッパ24に当接した突出位置(タング18dの差し込み可能な突出位置)に待機し、保持される。
バックル18e自体を回動可能とし、バックルを付勢してストッパ24に押し当てればよいから、構成が極めて簡単化される。構成が簡単であるため、安価に得られ、リアシートなどの車両の各種のシートに広範囲に装着できる。また、構成が簡単であるため、小型化でき、その外形も小さくなるため、シートバック下端の凹所20の開口、スペースも僅かで足り、シートにおけるその装着も目立たず、外観品質を損なうおそれもない。
付勢部材22がねじりばねであれば、回動軸19に巻装してその端末をバックル18e、シートバック16にそれぞれ係止すればよく、構成が簡単でその取り付けが容易に行える。
図3は着座位置での本発明の別実施例(実施例2)に係る車両用シートベルトのバックル保持構造の正面図を示す。この実施例2において、上記実施例(実施例1)と共通する部材については同じ参照符号を付してその説明を省略し、実施例1と異なる構成を主として説明する。
上記実施例1では付勢部材がねじりばねであるのに対して、実施例2では付勢部材が圧縮ばねである点で相違し、他の構成は実施例1、2で共通している。
図3に示すように、実施例2では、たとえば、シートバックに内蔵されたシートパッド16aとバックル18eと間に架設された圧縮ばねを付勢部材222としている。付勢部材としての圧縮ばね222は、たとえば、シートパッド16aを覆うトリムカバー16b、バックル18eにばね受け座(図示しない)をそれぞれ設け、そのばね受け座にその端末を固定させてシートパッド、バックル18e間に架設される。そして、バックル18eは圧縮ばね(付勢部材)222に付勢されてストッパ24に当接されてその突出位置が規定されて、所定位置(タング18dの差し込み可能な突出位置)に待機する。
付勢部材222が圧縮ばねであれば、たとえば、ばね受け座などを介在することによってシートパッド、バックル間に圧縮ばねを架設でき、構成が簡単化されて付勢部材(圧縮ばね)の取り付けが容易に行える。そして、圧縮ばね222によるバックル18eの直接的な押圧が可能となるため、簡単な構成にも拘らず付勢部材(圧縮ばね)によるバックルの付勢が適切に行える。
なお、竹の子ばねもここでいう圧縮ばねに含まれる。
また、ここでは圧縮ばね222をシートパッド16aとバックル18eと間に架設したものとして具体化している。しかしながら、圧縮ばねは、バックルを突出位置方向に付勢可能にバックルとの間に架設されれば足りるため、たとえば、シートパッドを介すことなく、シートバックフレームに設けたブラケット(図示しない)などのシートバック部材にその一端末を固定する構成としてもよい。
図4は着座位置での本発明の他の実施例(実施例3)に係る車両用シートベルトのバックル保持構造の正面図を示す。この実施例3においても、実施例1と共通する部材については同じ参照符号を付してその説明を省略し、実施例1と異なる構成を主として説明する。
上記実施例1では付勢部材がねじりばねであるのに対して、実施例3では付勢部材がシートパッドの突起である点で相違し、他の構成は実施例1、3で共通している。
図4に示すように、実施例3では、シートパッド16aの一部を凹所20に突出させた突起16cを付勢部材322としている。いうまでもなく、シートパッド16aはウレタンフォームなどの弾性体などから成形されて弾性力を有しているから、突起16c(付勢部材322)はバックル18eを矢印方向(反時計方向)に付勢してストッパ24に当接させることができる。そのため、バックル18eは、その突出位置が規定されて所定位置(タング18dの差し込み可能な突出位置)に待機し、シートバック16を前倒しすれば、シートパッドの突起16cを圧縮、変形させながらその付勢力に抗して凹所20に逃げて格納される。
シートパッド16aの一部を凹所20に突出させた突起16cを付勢部材322とする構成では、シートパッドの一部に突起を設けるだけで足り、独立した部材としての付勢部材は不要となる。
もちろんこれらの実施例2、3においても実施例1と同様の効果が得られる。すなわち、バックル18eがストッパ24に当接して所定位置に待機するため、バックルへのタング18dの差し込みがワンタッチで行え、シートベルト18の装着が片手で行える。また、シートバック16の前倒しによってバックル18eが凹所20に逃げて格納されるため、突出位置に保持されたバックルがシートバックの前倒しの妨げとなることはなく、さらに、シートバックを前倒ししてもヘこみ癖が残らず、シートクッション14、シートバックを一体的に跳ね上げてもバックルはシートクッション、シートバックの着座面から脱落しない。
上記実施例1〜3においては、バックル18eの下端を金属製のバックルブラケット18e’としてバックルは自立する構造、すなわち、自立タイプに形成されている。しかしながらその下端をウェビングとした非自立タイプのバックル18eにも本発明を応用できる。
図5(A)(B)は着座位置、前倒し位置での本発明のさらに別の実施例(実施例4)に係る車両用シートベルトのバックル保持構造の正面図を示す。また、図5(C)はケースの拡大正面図を示し、背面側の状態を示すためにその下半部を一点鎖線で示している。この実施例4においても、上記実施例1と共通する部材については同じ参照符号を付してその説明を省略し、実施例1と異なる構成を主として説明する。
この実施例4では、バックルの下端をウェビングとした非自立タイプにバックルが形成され、バックルを収納するケースが回動可能にシートバックに取り付けられている点で、上記実施例1と相違し、他の構成は実施例1、4で共通している。
すなわち、図5(A)に示すように、ケース26が回動軸19−1によって凹所20内でシートバック16に回動可能に取り付けられ、ケースにバックル18eが収納されている。バックル18eの下端はウェビング18e’’とされ、ウェビングはケースの底孔から延出してその端末は連結ピン19−2によってシートバック16に連結されている。
付勢部材22は、たとえば、ねじりばねとされ、図5(C)に示すように、ねじりばねは回動軸19−1に巻装され、一端末22a1がシートバック上の係止ピン22b1に、他端末22a2がケース上の係止ピン22b2にそれぞれ係止されて、矢印方向(反時計方向;図5(A)参照)にケース26を付勢してストッパ24に当接させている。
ねじりばねの代わりに、ケース26、シートパッド16a間に架設した圧縮ばねを付勢部材としてもよい。
このようにバックル18eを収納してシートバック下端の凹所20内に位置するケース26が付勢部材(ねじりばね)22によってタング18dの差し込み可能な突出位置方向に付勢されてストッパ24に当接し、ケース、つまりはバックルの突出位置が規定されてバックルは所定位置(タング18dの差し込み可能な突出位置)に待機する。そのため、この実施例においても、上記実施例1〜3と同様に、バックル18eへのタング18dの差し込みがワンタッチで行え、シートベルト18の装着が片手で行える。
そして、図5(B)に示すように、シートバック16を前倒しすると、バックル18eを収納するケース26はシートクッションに押し付けられ、付勢部材22の付勢力に抗して回動軸19−1の回りで時計方向に回動し、凹所方向に押し返されて凹所20に逃げ込んで格納される。そのため、シートバック16が前倒しされても、バックル18eを収納するケース26がシートバックの前倒しの妨げとなることはなく、また、ケースはシートクッション14、シートバック間に挟持されず、シートバックを着座位置(通常位置)に戻してもへこみ癖が残らず、シートの外観品質を損なうおそれもない。
このようにバックル18eを収納するケース26を凹所20内で回動可能にシートバック16に設けた構成とすれば、下端をウェビング18e’’とした非自立タイプのバックルにも本発明が応用可能となり、本発明は自立タイプ、非自立タイプのいずれのバックルについても応用できる。
ケース26は、通常、樹脂から成形されるが、バックル18eを収納してシートバック16に回動可能に取り付けられるものであれば足り、樹脂製に限定されない。
図6は実施例4の変形例を示し、ここでは、ケースはたとえば軟質の樹脂製とされ、付勢部材を一体的に備えて成形されている。
すなわち、ケース126は蛇腹部126aをその背面に有して樹脂から一体成形され、回動軸19−1によってシートバックに回動可能に設けられている。そして、ケース126は、蛇腹部の背面をシートパッド16aなどのシートバック部材に固定させて、シートバック下端の凹所20内に設けられている。
ケース126は、背面の蛇腹部126aの弾性によって凹所20から突出方向に付勢されてストッパ24に当接されるため、蛇腹部は付勢部材として機能している。
この変形例においても、ケース126、つまりはバックル18eの突出位置がストッパ24によって規定されてバックルは所定位置(タング18dの差し込み可能な突出位置)に待機するため、バックル18eへのタング18dの差し込みがワンタッチで行え、シートベルト18の装着が片手で行える。
そして、バックル18eを収納するケース126に蛇腹部126aが一体成形され、この蛇腹部が付勢部材として機能し、蛇腹部付のケースが付勢部材を兼ねるため、独立した部品としての付勢部材が不要となる。
上記のように本発明によれば、バックルは付勢されてストッパに押圧されて所定の位置(タングの差し込み可能な突出位置)に待機するため、バックルへのタングの差し込みがワンタッチで行え、シートベルトの装着が片手で行える。
シートバックを前倒しても、バックルはシートバック下端の凹所に逃げ込んで格納されるため、タングの差し込み可能な突出位置に待機するバックルがシートバックの前倒しの妨げとなることはない。また、バックルがシートクッションシートバックの間に挟持されることもないから、へこみ癖を残すこともない。さらに、バックルが回動軸によってシートバック下端に取り付けられているため、ダブルフォールドタイプのリアシートでシートクッション、シートバックを一体的に跳ね上げても、シートクッション、シートバックの着座面からバックルは脱落しない。
そして、バックル自体を回動可能とし、バックルを付勢してストッパに押し当てればよいから、構成が極めて簡単化される。
上述した実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を何等限定するものでなく、本発明の技術範囲内で変形、改造などの施されたものも全て本発明に包含されることはいうまでもない。
たとえば、実施例では、付勢部材としてねじりばね、圧縮ばねを例示したが、付勢部材として利用可能なばねはこれに限定されず、たとえば、板ばねなどの他のばねを付勢部材としてもよい。
また、バックル(または、ケース)、シートパッド間に付勢部材、たとえば、圧縮ばね、蛇腹部などを設けるとき、シートパッドの弾性変形を抑えるように、隔壁をシートパッドに取り付けてもよい。隔壁は、たとえば、樹脂から成形される。
シートベルトは三点保持式のシートベルトとなっているが、ストラップが着座者の腰部にのみ掛け渡される二点式のシートベルトとしてもよい。
本発明は、車両、特に自動車のリアシートに適するとはいえ、フロントシートにも応用でき、さらに、車両は自動車に限定されず、着座者をシートに保持し固定する必要のあるあらゆる交通機関の車両、たとえば、高速走行の電車(新幹線)、飛行機のシートベルトにも応用できる。また、ジェットコースターは勿論、安全確保にシートベルトの着用が必須の各種の動く遊具などのシートベルトにも広範囲に応用できる。
10 車両用シート
12(12L、12R) 左右のシート(リアシート)
14 シートクッション
16 シートバック
16a シートパッド(シートバック部材)
18 シートベルト
18a、18c リトラクタ、ウェビング
18d、18e タング、バックル
18e’、18e’’バックルブラケット、ウェビング
19、19−1 回動軸
20 シートバック下端の凹所
22、222、322 付勢部材
24 ストッパ
26、126 ケース
126a 蛇腹部

Claims (7)

  1. シートバック下端にバックルを回動軸によって回動可能に配置し、
    バックルの格納可能な凹所をシートバック下端に形成し、
    凹所に格納したバックルを付勢部材によってタングの差し込み可能な突出位置方向に付勢し、
    付勢部材の付勢力によりシートバック上のストッパによって規定されるバックルの突出位置にバックルを保持した車両用シートのバックル保持構造。
  2. バックルの下端を自立可能な金属製のバックルブラケットとし、このバックルブラケットをシートバック下端に回動可能に連結した請求項1記載の車両用シートのバックル保持構造。
  3. 回動軸に巻装されてその一端末がバックルに、他端末がシートバックにそれぞれ係止されたねじりばねを付勢部材とした請求項1または2記載の車両用シートのバックル保持構造。
  4. バックル、シートバック部材の間に架設された圧縮ばねを付勢部材とした請求項1または2記載の車両用シートのバックル保持構造。
  5. シートバックのシートパッドの一部を凹所に突出させてなる突起を付勢部材とする請求項1記載の車両用シートのバックル保持構造。
  6. バックルは、シートバック下端の凹所内に回動可能に取り付けられたケースに収納され、
    バックルの下端をウェビングとしてそのウェビングの端末をシートバック下端に連結した請求項1〜5のいずれか記載の車両用シートのバックル保持構造。
  7. バックルは、シートバック下端の凹所内に回動可能に取り付けられた樹脂製のケースに収納され、
    バックルの下端をウェビングとしてそのウェビングの端末をシートバック下端に連結し、
    ケースの背面に蛇腹部を一体成形して付勢部材とし、シートバック部材に蛇腹部の背面を固定した請求項1記載の車両用シートのバックル保持構造。
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