JP2011106575A - 樹脂製歯車 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転軸との固定のための金属製ブッシュを用いて、樹脂製歯車の強度、騒音抑制効果を保ちながら、コストを抑えつつ軽量化することが可能な樹脂製歯車を提供する。
【解決手段】金属製ブッシュ1と、この金属製ブッシュ1の周囲に形成される樹脂製歯部3とを備えた樹脂製歯車である。そして、金属製ブッシュ1が、回転軸に当接する内周面2と、樹脂製歯部3を付設する外周面4とを有し、この内周面2と外周面4とで挟まれた領域に、中空部5を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】金属製ブッシュ1と、この金属製ブッシュ1の周囲に形成される樹脂製歯部3とを備えた樹脂製歯車である。そして、金属製ブッシュ1が、回転軸に当接する内周面2と、樹脂製歯部3を付設する外周面4とを有し、この内周面2と外周面4とで挟まれた領域に、中空部5を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、樹脂製歯車に関する。
四輪車・二輪車業界では、年々厳しくなる排ガス規制や燃費向上要求に対応するため、構成部品に対する軽量化、コンパクト化の要求が強くなっており、エンジン内部やエンジン周辺部品の樹脂化が進められている。
また近年では、高強度で高耐熱性の樹脂が開発され、エンジン内部及び周辺にて、樹脂製歯車が、金属製歯車と噛み合う相手歯車として、軽量化と、歯の噛み合い時の騒音抑制とを目的として使用されている。
また近年では、高強度で高耐熱性の樹脂が開発され、エンジン内部及び周辺にて、樹脂製歯車が、金属製歯車と噛み合う相手歯車として、軽量化と、歯の噛み合い時の騒音抑制とを目的として使用されている。
但し、樹脂製歯車は、エンジン内部やエンジン周辺で使用される場合、回転軸と圧入等の方法で固定して使用されるため、金属部分を有さず、樹脂単体で構成される樹脂製歯車であると、この回転軸等との固定に必要な強度が不足する恐れがある。
そのため、樹脂製歯車は、この強度を補う改善策として、回転軸に固定される部分に、焼結金属製ブッシュをインサートしている(特許文献1参照)。
そのため、樹脂製歯車は、この強度を補う改善策として、回転軸に固定される部分に、焼結金属製ブッシュをインサートしている(特許文献1参照)。
しかしながら、焼結金属製ブッシュを有した樹脂製歯車は、金属製歯車との比較では軽量であるものの、インサートする金属製ブッシュが中実のため、焼結金属製ブッシュのサイズが大きくなると、樹脂製歯車としての質量が大きくなる。
焼結金属製ブッシュを小さくし、樹脂部分を大きくすることで、この問題は解決できるものの、一般的に、高強度で高耐熱性の樹脂は、高コストであるため、焼結金属製ブッシュの割合を大きくし、樹脂の使用量を抑え、樹脂製歯車としての製造コストを抑えることが望まれる。
そのため、軽量化しようとすれば、コストがかさみ、コストを下げようとすると、軽量化ができないとの、両立できない問題が発生する。
焼結金属製ブッシュを小さくし、樹脂部分を大きくすることで、この問題は解決できるものの、一般的に、高強度で高耐熱性の樹脂は、高コストであるため、焼結金属製ブッシュの割合を大きくし、樹脂の使用量を抑え、樹脂製歯車としての製造コストを抑えることが望まれる。
そのため、軽量化しようとすれば、コストがかさみ、コストを下げようとすると、軽量化ができないとの、両立できない問題が発生する。
本発明は、回転軸との固定のための金属製ブッシュを用いて、樹脂製歯車の強度、騒音抑制効果を保ちながら、コストを抑えつつ軽量化することが可能な樹脂製歯車を、提供することを目的とする。
本発明は、以下のものに関する。
(1)金属製ブッシュと、この金属製ブッシュの周囲に形成される樹脂製歯部とを備え、前記金属製ブッシュが、回転軸に当接する内周面と、樹脂製歯部を付設する外周面とを有し、この内周面と外周面とで挟まれた領域に、中空部を設けた樹脂製歯車。
(2)項(1)おいて、金属製ブッシュが、板金により形成される樹脂製歯車。
(3)項(1)又は(2)において、金属製ブッシュが、複数部材により形成される樹脂製歯車。
(4)項(3)において、複数部材が、外側部材と、内側部材とであり、この内側部材を外側部材に圧入させた樹脂製歯車。
(1)金属製ブッシュと、この金属製ブッシュの周囲に形成される樹脂製歯部とを備え、前記金属製ブッシュが、回転軸に当接する内周面と、樹脂製歯部を付設する外周面とを有し、この内周面と外周面とで挟まれた領域に、中空部を設けた樹脂製歯車。
(2)項(1)おいて、金属製ブッシュが、板金により形成される樹脂製歯車。
(3)項(1)又は(2)において、金属製ブッシュが、複数部材により形成される樹脂製歯車。
(4)項(3)において、複数部材が、外側部材と、内側部材とであり、この内側部材を外側部材に圧入させた樹脂製歯車。
本発明に係る樹脂製歯車は、インサートする金属製ブッシュに中空部を設けることにより、質量を軽減することができる。そして、この軽量化により樹脂製歯車のイナーシャ(inertia:慣性)を小さくでき、高速回転での使用、回転変動が大きい条件での使用には、強度的に有利となる。
また、板金により形成される金属製ブッシュを使用した場合は、中実の焼結金属製ブッシュと比較し、弾性が上がる。これにより、金属製ブッシュが、ダンパ(ばね)のような役割をなし、樹脂製歯車への負荷が吸収され、樹脂製歯車として強度的に有利になる。
尚、金属製ブッシュの、内周面と外周面との間の接続部分断面(中空部以外の部分)が、歯幅方向での断面形状にて、段差を有したり、屈曲形状を有したりする場合には、この段部又は屈曲部分にて、ばねのような作用が働き、負荷を吸収し易くなる。
金属製ブッシュは、回転軸等と締結される内側部分と、樹脂製歯部と締結される外側部分を別部材で構成することができる。このように、金属製ブッシュを複数部材で構成した場合、内側部材と、樹脂製歯部を含む外側部材とを別工程で製造し、それを圧入等の方法により一体化して、樹脂製歯車を作ることができる。このような場合、特に大径歯車ではサイズが大きいことによる精度管理の難しさが緩和され、結果として生産効率を向上させる。
また、板金により形成される金属製ブッシュを使用した場合は、中実の焼結金属製ブッシュと比較し、弾性が上がる。これにより、金属製ブッシュが、ダンパ(ばね)のような役割をなし、樹脂製歯車への負荷が吸収され、樹脂製歯車として強度的に有利になる。
尚、金属製ブッシュの、内周面と外周面との間の接続部分断面(中空部以外の部分)が、歯幅方向での断面形状にて、段差を有したり、屈曲形状を有したりする場合には、この段部又は屈曲部分にて、ばねのような作用が働き、負荷を吸収し易くなる。
金属製ブッシュは、回転軸等と締結される内側部分と、樹脂製歯部と締結される外側部分を別部材で構成することができる。このように、金属製ブッシュを複数部材で構成した場合、内側部材と、樹脂製歯部を含む外側部材とを別工程で製造し、それを圧入等の方法により一体化して、樹脂製歯車を作ることができる。このような場合、特に大径歯車ではサイズが大きいことによる精度管理の難しさが緩和され、結果として生産効率を向上させる。
<金属製ブッシュ>
本発明にて述べる金属製ブッシュ1は、図1に示すように、回転軸(図示省略)に当接する内周面2と、樹脂製歯部3を付設する外周面4とを有し、この内周面2と外周面4とで挟まれた領域に、中空部5を有していれば、他に制限されるものではない。なお、図1は、対称中心線aの片側のみを図示したものである。
金属製ブッシュの材質は、金属であれば特に制限されず炭素鋼、アルミニウム、ステンレス等の金属を用いることができ、中でも、炭素鋼を用いることが、強度が高く、生産性がよいため好ましい。
金属製ブッシュの成形方法は、特に制限されるものではないが、切削、鍛造、板金プレス等の手法を用いることができ、中でも板金プレスを用いることが、コストを抑えることができ、好ましい。
本発明にて述べる金属製ブッシュ1は、図1に示すように、回転軸(図示省略)に当接する内周面2と、樹脂製歯部3を付設する外周面4とを有し、この内周面2と外周面4とで挟まれた領域に、中空部5を有していれば、他に制限されるものではない。なお、図1は、対称中心線aの片側のみを図示したものである。
金属製ブッシュの材質は、金属であれば特に制限されず炭素鋼、アルミニウム、ステンレス等の金属を用いることができ、中でも、炭素鋼を用いることが、強度が高く、生産性がよいため好ましい。
金属製ブッシュの成形方法は、特に制限されるものではないが、切削、鍛造、板金プレス等の手法を用いることができ、中でも板金プレスを用いることが、コストを抑えることができ、好ましい。
金属製ブッシュは、一体成形したものでも、複数の部材を組み合わせて成形したものでもよく、複数の部材とする場合には、樹脂製歯部(樹脂製歯部そのものばかりでなく、樹脂製歯部を形成する樹脂部分全体の意味)を付設する外側部材と、回転軸に当接させる内側部材に分け、この内側部材を外側部材に圧入することで、金属製ブッシュとすることができる。
また、外側部材と内側部材とは、必ずしも同じ金属を使用する必要はなく、弾性率又は比重の異なる異種金属を用いることができる。
より具体的に述べると、外側部材又は、内側部材のどちらかに、アルミニウム、ジュラルミン、マンガン等の、炭素鋼と比較して弾性率の低い金属を用いた場合、金属製ブッシュ(複合材)の、ダンパ(ばね)のような役割(樹脂製歯車への負荷吸収)が、炭素鋼のみで構成した場合より高く、樹脂製歯車として強度的に更に有利になる。
また、外側部材又は、内側部材のどちらかに、アルミニウム、ジュラルミン、チタン合金等、炭素鋼と比較して比重の低い金属を用いた場合、炭素鋼のみで構成した場合よりも、高い質量低減効果が得られる。
また、外側部材と内側部材とは、必ずしも同じ金属を使用する必要はなく、弾性率又は比重の異なる異種金属を用いることができる。
より具体的に述べると、外側部材又は、内側部材のどちらかに、アルミニウム、ジュラルミン、マンガン等の、炭素鋼と比較して弾性率の低い金属を用いた場合、金属製ブッシュ(複合材)の、ダンパ(ばね)のような役割(樹脂製歯車への負荷吸収)が、炭素鋼のみで構成した場合より高く、樹脂製歯車として強度的に更に有利になる。
また、外側部材又は、内側部材のどちらかに、アルミニウム、ジュラルミン、チタン合金等、炭素鋼と比較して比重の低い金属を用いた場合、炭素鋼のみで構成した場合よりも、高い質量低減効果が得られる。
金属製ブッシュの外周面には、先に述べたように、樹脂製歯部を付設するが、この樹脂製歯部が脱落しないように、回り止め部を設けることが好ましい。
回り止め部は、外周面に対し、突出部を、周方向に所定の間隔を空けて複数形成することが好ましい。また、金属製ブッシュには、回転軸が一体に成形されていてもよい。
回り止め部は、外周面に対し、突出部を、周方向に所定の間隔を空けて複数形成することが好ましい。また、金属製ブッシュには、回転軸が一体に成形されていてもよい。
図2を用いて、より具体的に述べると、複数の突出部6Aの軸線方向に測った厚み寸法L2は、金属製ブッシュの軸線方向に測った厚み寸法L1よりも小さい。そして回り止め部を構成する突出部6Aは、頂部の厚さが厚く基部の厚さが薄いアンダーカット形状とすることで、樹脂製歯部の抜けをより一層防止しやすくなる。このアンダーカットの角度、即ち、金属製ブッシュの横断面に対する角度θは、5〜40°のものを用いることが好ましい。更に、回転方向への負荷に耐える周り止め部の作用を高めるためには、好ましくは、回り止め部となる突出部は、少なくともh1及びh2の異なる2種類の突出部6A及び6Bが交互に配列されたものが好ましい。このようなアンダーカット形状を持ち、角度θが5〜40°の2種類の突出部を用いると、繊維基材内に回り止め部として複数の突出部6Aが完全に埋まった状態になり、樹脂製歯部と金属製ブッシュとの接合強度を高めることができる。
金属製ブッシュの形状については、特に限定するものではないが、内周面と外周面との間の接続部分断面(中空部以外の部分)が、歯幅方向での断面形状にて、段差を有したり、屈曲形状を有したりするものが、ダンパ(ばね)のような効果高く、樹脂製歯車の負荷吸収を大きくし、好ましい。
本発明にて述べる中空部は、内周面と外周面とで挟まれた領域内に設けられるものであり、より詳細に述べると、中空部の大きさは、金属製ブッシュ全体積の10〜90%の範囲であることが好ましい。これは、中空部の体積が10%未満では、質量低減効果が少なく、90%を超えると強度不足で歯車として成立しないためである。
中空部の形状については、図3(A)〜(G)に示すような断面形状とすることができる。中空部の設置は、全周あるは、部分的に設けることも可能で、制限されるものではないが、質量低減効果、生産効率からが全周に設置することが好ましい。なお、図3(A)〜(G)は、対称中心線aの片側のみを図示したものである。
また、中空部は、図3(A)〜(F)に示すように、外部に露出していても、図3(G)に示すように密封されていてもよいが、図3(A)〜(F)のように、外部に露出する形状の方が、生産効率がよく好ましい。
中空部の形状については、図3(A)〜(G)に示すような断面形状とすることができる。中空部の設置は、全周あるは、部分的に設けることも可能で、制限されるものではないが、質量低減効果、生産効率からが全周に設置することが好ましい。なお、図3(A)〜(G)は、対称中心線aの片側のみを図示したものである。
また、中空部は、図3(A)〜(F)に示すように、外部に露出していても、図3(G)に示すように密封されていてもよいが、図3(A)〜(F)のように、外部に露出する形状の方が、生産効率がよく好ましい。
金属製ブッシュの肉厚(図3(A)〜(G)のt)は、0.5〜40mmの範囲であることが好ましい。これは、肉厚みが0.5mm未満では、強度不足で歯車として成立せず、厚みが40mmを超えると、質量低減効果が少ないためである。
<樹脂製歯部>
本発明にて述べる樹脂製歯部は、前述した金属製ブッシュの外周面に設けられるものであり、歯と歯との間である歯底、歯の先端である歯先、歯底と歯先の間で相手歯車と噛み合い接触する歯面とを有している。
歯底は、隣接する歯の外形形状線を延長させた、V字形状のものであっても、底面を有するものであってもよい。
歯先は、その先端を歯幅方向の線とするものでも、頂面を有するものでもよい。
歯面は、平面であっても、曲面であっても良いが、相手歯車とのかみ合わせを考え、平面視にてインボリュート曲線となる曲面を用いることが、好ましい。
本発明にて述べる樹脂製歯部は、前述した金属製ブッシュの外周面に設けられるものであり、歯と歯との間である歯底、歯の先端である歯先、歯底と歯先の間で相手歯車と噛み合い接触する歯面とを有している。
歯底は、隣接する歯の外形形状線を延長させた、V字形状のものであっても、底面を有するものであってもよい。
歯先は、その先端を歯幅方向の線とするものでも、頂面を有するものでもよい。
歯面は、平面であっても、曲面であっても良いが、相手歯車とのかみ合わせを考え、平面視にてインボリュート曲線となる曲面を用いることが、好ましい。
樹脂製歯部は、様々な製造方法を用いて作製できるが、例えば、繊維基材に樹脂を含浸させたものを使用することがでる。
繊維基材としては、織布、不織布、抄造法により短繊維を集積したもの等を用いることができる。
また、繊維としては、アラミド繊維、カーボン繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ポリエステル繊維等を用いることができ、特に、歯車を自動車部品等に使用する場合は、耐熱性が重要となるので、融点又は熱分解温度が、250℃以上の繊維を用いることが好ましい。
尚、繊維は、1種類のみを用いても、複数種類のものを混合して用いてもよい。
繊維基材としては、織布、不織布、抄造法により短繊維を集積したもの等を用いることができる。
また、繊維としては、アラミド繊維、カーボン繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ポリエステル繊維等を用いることができ、特に、歯車を自動車部品等に使用する場合は、耐熱性が重要となるので、融点又は熱分解温度が、250℃以上の繊維を用いることが好ましい。
尚、繊維は、1種類のみを用いても、複数種類のものを混合して用いてもよい。
含浸樹脂としては、ポリアミノアミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができ、特にポリアミノアミド樹脂を用いることが、強度、耐熱性に優れるため好ましい。
また、樹脂製歯部として、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂等にアラミド繊維、カーボン繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ポリエステル繊維等を充填したものを使用してもよい。
樹脂製歯部の形成は、特に限定されるものではないが、型を用いて樹脂成形時に形成する方法、一旦任意の形状で樹脂成形を行い、その後切削加工により形成する方法等があるが、精度が高いことから、切削加工により形成することが好ましい。
また、切削加工による形成は、荒削りにより外観形状を成す一次切削加工の後に、精度を出す二次切削加工を行う方法により行うことが好ましい。
また、樹脂製歯部として、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂等にアラミド繊維、カーボン繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ポリエステル繊維等を充填したものを使用してもよい。
樹脂製歯部の形成は、特に限定されるものではないが、型を用いて樹脂成形時に形成する方法、一旦任意の形状で樹脂成形を行い、その後切削加工により形成する方法等があるが、精度が高いことから、切削加工により形成することが好ましい。
また、切削加工による形成は、荒削りにより外観形状を成す一次切削加工の後に、精度を出す二次切削加工を行う方法により行うことが好ましい。
本発明の実施例について、以下図面を参照しながら説明する。
<実施例1>
液状樹脂(ポリアミノアミド樹脂)として、次のものを準備した。2,2’−(1,3フェニレン)ビス−2−オキサゾリン(A成分)と、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(B成分)を、モル比:2/1(質量比:69/31)の配合割合で、加熱混合溶解して液状物とする。この液状物に、硬化促進剤としてn−オクチルブロマイドを配合する。硬化促進剤の配合量は、A、B成分の総量を100質量部として、1質量部である。
前記液状樹脂を含浸させる繊維基材として、図4に示すものを準備した。繊維基材は、先ず、メタ型アラミド繊維と、パラ型アラミド繊維との、混紡糸を丸編みして、丸編み筒状体7を構成する。次に、この丸編み筒状体7を、端部から裏返して筒の軸方向に巻き上げて、外径:120mm、内径:90mm、厚さ:10mmの、リング状繊維基材8とする。
<実施例1>
液状樹脂(ポリアミノアミド樹脂)として、次のものを準備した。2,2’−(1,3フェニレン)ビス−2−オキサゾリン(A成分)と、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(B成分)を、モル比:2/1(質量比:69/31)の配合割合で、加熱混合溶解して液状物とする。この液状物に、硬化促進剤としてn−オクチルブロマイドを配合する。硬化促進剤の配合量は、A、B成分の総量を100質量部として、1質量部である。
前記液状樹脂を含浸させる繊維基材として、図4に示すものを準備した。繊維基材は、先ず、メタ型アラミド繊維と、パラ型アラミド繊維との、混紡糸を丸編みして、丸編み筒状体7を構成する。次に、この丸編み筒状体7を、端部から裏返して筒の軸方向に巻き上げて、外径:120mm、内径:90mm、厚さ:10mmの、リング状繊維基材8とする。
リング状繊維基材8は、図5に示すように、間に図3(A)に示す断面形状の金属製ブッシュ1(材質:SPHC JIS G3131に規定される「Steel Plate Hot Commercial」)を挟み込んで上下に重ねられ、表面温度を200℃に保持された成形金型9内に配置される。
金属製ブッシュ1は、中央に回転軸を挿入する開口10があり、周囲外側にリング状繊維基材8が空転することを阻止する、回り止め部11が設けられている。
用いた金属製ブッシュは、図3(A)に示す断面形状で中空部を全周に設置した形状とする。中空部は、金属製ブッシュの全体積の45%としている。
金属製ブッシュの材質はSPHC(熱間圧延鋼材)で、ブッシュ内径は直径:20mm、外径:90mm、ブッシュ全体厚み:10mmとし、肉厚(図3(A)にて「t」にて示される):3mmで、回り止め部の形状は図2に示す形状とした。
金属製ブッシュ1は、中央に回転軸を挿入する開口10があり、周囲外側にリング状繊維基材8が空転することを阻止する、回り止め部11が設けられている。
用いた金属製ブッシュは、図3(A)に示す断面形状で中空部を全周に設置した形状とする。中空部は、金属製ブッシュの全体積の45%としている。
金属製ブッシュの材質はSPHC(熱間圧延鋼材)で、ブッシュ内径は直径:20mm、外径:90mm、ブッシュ全体厚み:10mmとし、肉厚(図3(A)にて「t」にて示される):3mmで、回り止め部の形状は図2に示す形状とした。
成形金型9は、リング状繊維基材8の厚さ方向(図5の図面上における上下方法)に開閉動作するもので、成形金型9を閉じる動作により、リング状繊維基材8を圧縮して、面方向に広がったリング状繊維基材8を、金属製ブッシュ1の周囲に圧接してその形状になじませる。そして、成形金型9内を減圧状態とし、閉じた成形金型9に上記液状樹脂を注入し、リング状繊維基材8に浸透させた液状樹脂を、加熱硬化して金属製ブッシュ1をインサートした繊維強化樹脂成形体を成形する。
尚、繊維強化樹脂成形体は、金属製ブッシュ1と、その外周に設けた樹脂成形部分との段差がなく、面一となるようにしている。
尚、繊維強化樹脂成形体は、金属製ブッシュ1と、その外周に設けた樹脂成形部分との段差がなく、面一となるようにしている。
金属製ブッシュをインサートした前記繊維強化樹脂成形体は、表1に示す寸法となるようホブカッタを使用し、樹脂製歯部を作製した。
<比較例1>
実施例1に示すものとは、用いる金属製ブッシュのみを変更した。
比較例1では、図6に示す、中空部を有さない金属製ブッシュを用いている。なお、図6は、対称中心線aの片側のみを図示したものである。
金属製ブッシュの材質は機械構造用炭素鋼(S45C)で、ブッシュ内径:20mm、外径:90mm、ブッシュ全体厚み:10mmとし、回り止め部の形状は図2に示す形状とした。
樹脂製歯部の成形方法、加工方法、歯部形状は、実施例1と同様である。
実施例1に示すものとは、用いる金属製ブッシュのみを変更した。
比較例1では、図6に示す、中空部を有さない金属製ブッシュを用いている。なお、図6は、対称中心線aの片側のみを図示したものである。
金属製ブッシュの材質は機械構造用炭素鋼(S45C)で、ブッシュ内径:20mm、外径:90mm、ブッシュ全体厚み:10mmとし、回り止め部の形状は図2に示す形状とした。
樹脂製歯部の成形方法、加工方法、歯部形状は、実施例1と同様である。
<実施例2>
実施例1に示すものとは、用いる金属製ブッシュのみを変更した。
実施例2では、図3(B)に示す、断面屈曲形状のもので、中空部を全周に設置し、中空部を金属製ブッシュの全体積の40%にした金属製ブッシュを用いている。
金属製ブッシュの材質はSPHC(熱間圧延鋼材)で、ブッシュ内径:20mm、外径:90mm、ブッシュ全体厚み:10mmとし、肉厚(図3(B)にて「t」にて示される):3mmで、回り止め部の形状は図2に示す形状とした。
樹脂製歯部の成形方法、加工方法、歯部形状は、実施例1と同様である。
実施例1に示すものとは、用いる金属製ブッシュのみを変更した。
実施例2では、図3(B)に示す、断面屈曲形状のもので、中空部を全周に設置し、中空部を金属製ブッシュの全体積の40%にした金属製ブッシュを用いている。
金属製ブッシュの材質はSPHC(熱間圧延鋼材)で、ブッシュ内径:20mm、外径:90mm、ブッシュ全体厚み:10mmとし、肉厚(図3(B)にて「t」にて示される):3mmで、回り止め部の形状は図2に示す形状とした。
樹脂製歯部の成形方法、加工方法、歯部形状は、実施例1と同様である。
<実施例3>
実施例1に示すものとは、用いる金属製ブッシュのみを変更した。
実施例3では、図3(F)に示ように、2種類の部材で、金属製ブッシュを構成した。
内側部材12の材質は、アルミニウムで、内径:20mm、外径:80mm、全体厚み:10mm、肉厚(図3(F)にて「t」にて示される):3mmとした。中空部は、全周に設置し、内側部材全体積の40%とした。
外側部材13の材質は機械構造用炭素鋼(S45C)で、内径:80mm、外径:90mm、全体厚み:10mmで、回り止め部の形状は図2に示す形状とした。
実施例1に示すものとは、用いる金属製ブッシュのみを変更した。
実施例3では、図3(F)に示ように、2種類の部材で、金属製ブッシュを構成した。
内側部材12の材質は、アルミニウムで、内径:20mm、外径:80mm、全体厚み:10mm、肉厚(図3(F)にて「t」にて示される):3mmとした。中空部は、全周に設置し、内側部材全体積の40%とした。
外側部材13の材質は機械構造用炭素鋼(S45C)で、内径:80mm、外径:90mm、全体厚み:10mmで、回り止め部の形状は図2に示す形状とした。
<質量測定結果>
実施例1、2、3及び比較例1の樹脂製歯車での質量測定結果を表2に示す。
尚、各質量は、比較例1の質量を100とした場合の、相対値として記載している。
実施例1、2、3及び比較例1の樹脂製歯車での質量測定結果を表2に示す。
尚、各質量は、比較例1の質量を100とした場合の、相対値として記載している。
<歯車耐久評価>
実施例1、2、3及び比較例1の樹脂製歯車での歯車耐久評価結果を、図7に示す。
歯車耐久評価は、表3に示した3種類の入力トルクで実施し、各入力トルクにおいて樹脂製歯車が破壊するまでの総回転数を測定し、耐久性を確認した。
尚、図7に示す各結果は、実施例1を白抜き菱形で示し、実施例2を白抜き正方形で示し、実施例3を黒塗り三角で示し、比較例1を白抜き三角で示している。
実施例1、2、3及び比較例1の樹脂製歯車での歯車耐久評価結果を、図7に示す。
歯車耐久評価は、表3に示した3種類の入力トルクで実施し、各入力トルクにおいて樹脂製歯車が破壊するまでの総回転数を測定し、耐久性を確認した。
尚、図7に示す各結果は、実施例1を白抜き菱形で示し、実施例2を白抜き正方形で示し、実施例3を黒塗り三角で示し、比較例1を白抜き三角で示している。
図7に示すとおり、実施例1、2、3は、比較例1と比較し、歯車耐久性が高い。これは、
金属製ブッシュが、ダンパ(ばね)のような役割をなしたためと考えられる。
金属製ブッシュが、ダンパ(ばね)のような役割をなしたためと考えられる。
1…金属製ブッシュ、2…内周面、3…樹脂製歯部、4…外周面、5…中空部、6…突出部、7…丸編み筒状体、8…リング状繊維基材、9…成形金型、10…開口、11…回り止め部、12…内側部材、13…外側部材
Claims (4)
- 金属製ブッシュと、この金属製ブッシュの周囲に形成される樹脂製歯部とを備え、前記金属製ブッシュが、回転軸に当接する内周面と、樹脂製歯部を付設する外周面とを有し、この内周面と外周面とで挟まれた領域に、中空部を設けた樹脂製歯車。
- 請求項1おいて、金属製ブッシュが、板金により形成される樹脂製歯車。
- 請求項1又は2において、金属製ブッシュが、複数部材により形成される樹脂製歯車。
- 請求項3において、複数部材が、外側部材と、内側部材とであり、この内側部材を外側部材に圧入させた樹脂製歯車。
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