JP4997488B2 - 複合ギヤおよび電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複合ギヤおよびこれを用いた電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置は、電動モータの動力を操舵機構に伝達する減速機を有している。この減速機は、ウォームホイールを構成する複合ギヤを有し、この複合ギヤは、合成樹脂部材からなる歯部を金属製の芯金にモールドされている。芯金の外周には、軸方向に平行に延びる複数の凸部が形成されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特開平11−29052号公報 特開2002−53051号公報 特開2003−194190号公報
ところで、一般的に、複合ギヤの高強度化が要請されている。そこで、合成樹脂部材に高強度な樹脂材料を採用することが考えられるが、高強度な樹脂材料は高価である。
そこで、本発明の目的は、高強度で安価な複合ギヤおよびこれを用いた電動パワーステアリング装置を提供することである。
本発明は、プレス成形された芯金(28)と、外周(29b)に歯部(29a)を形成する環状の歯部形成部(29)とを備えた複合ギヤ(27)において、上記芯金は、環状の側壁(28f)と、環状の側壁の径方向外端(28fa)から当該複合ギヤの軸方向(S)に対して傾斜状に延設された周壁(28g)とを含み、上記周壁の外周(28gc)および内周(28gd)の少なくとも一方にセレーション(28a,28c)が形成され、このセレーションのセレーション歯(28b,28d)の歯すじ方向(U1,U2)は、径方向に沿って見たときに、上記軸方向に対して傾斜しており、上記歯部形成部は、芯金の少なくとも周壁をモールドしてなる合成樹脂(30)により形成され、歯部の歯すじ方向(U3)は、径方向に沿って見たときに、上記軸方向に対して傾斜しており、上記軸方向に対する上記歯部の歯すじ方向の傾斜角度(DT3)が、上記軸方向に対する上記セレーションのセレーション歯の歯すじ方向の傾斜角度(DT1,DT2)と等しくされていることを特徴とする。本発明によれば、歯部が形成されるときに合成樹脂の線状高分子が切れることを抑制できるので、線状高分子が切れることに起因した合成樹脂の強度低下を抑制でき、ひいては、高強度で高価な樹脂材料を採用せずに済む。換言すれば、安価な樹脂材料を用いて製造コストを安価にでき、しかも高強度を達成できる。

また、本発明において、上記軸方向に対する上記周壁の傾斜角度(DW1,DW2)は、3〜10°の範囲内に設定されている場合がある。この場合、軸方向に対して傾斜したセレーション歯が形成された芯金を、プレス成形用の成形型から回転させずに容易に型抜きでき、ひいては容易に形成できる。ここで、傾斜角度が3°未満の場合には、芯金を型抜きし難い場合がある。また、傾斜角度が10°を超えて大きい場合には、線状高分子が歯部に沿い難くなるので、強度低下を抑制する効果を得難くなる。
また、本発明において、歯部とセレーション歯とが同数設けられ、各歯部の径方向内方(27b)に、対応するセレーション歯が配置されている場合がある。この場合、歯部形成部が部分的に薄肉になることを防止できるので、薄肉に起因した強度低下の発生を抑制できる。
また、本発明の電動パワーステアリング装置(1)は、上記本発明の複合ギヤ(27)を用いて、操舵補助用の電動モータ(18)の動力を伝達することを特徴とする。本発明によれば、上記複合ギヤを高強度にできるので、複合ギヤを小型化できる。また、複合ギヤを安価にできる。従って、小型で安価な電動パワーステアリング装置を実現できる。
なお、上記括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を示すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、電動パワーステアリング装置の複合ギヤに則して説明するが、本発明はこれに限らず、例えば、電動パワーステアリング装置以外の装置の複合ギヤであってもよい。
図1は、本発明の一実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、操向輪2を操舵するために操舵部材としてのステアリングホイール3に加えられる操舵トルクを伝達するステアリングシャフト4と、ステアリングシャフト4からの操舵トルクにより操向輪2を操舵するための例えばラックアンドピニオン機構からなる操舵機構5と、ステアリングシャフト4および操舵機構5の間に設けられてこの間において回転を伝達するための軸継手としての中間軸ユニット6とを有している。
ステアリングシャフト4は、ステアリングコラム7により回転自在に支持されている。ステアリングシャフト4の軸方向に関するステアリングコラム7の上部および下部が、対応するブラケット8A,8Bを介して車体9にそれぞれ支持されている。ステアリングシャフト4の一方の端部にステアリングホイール3が連結されている。ステアリングシャフト4の他方の端部に中間軸ユニット6が連結されている。中間軸ユニット6は、中間軸としての動力伝達軸10と、自在継手11,12とを有している。
操舵機構5は、ピニオン軸13と、自動車の左右方向(直進方向と直交する方向)に延びる転舵軸としてのラックバー14と、ピニオン軸13およびラックバー14を支持するラックハウジング15とを有している。ラックハウジング15は、ブラケット8Cを介して車体9に支持されている。ピニオン軸13のピニオン歯13aと、ラックバー14のラック歯14aとが互いに噛み合っている。ラックバー14の各端部はそれぞれ、タイロッドおよびナックルアーム(図示せず)を介して対応する操向輪2に連結されている。
ステアリングホイール3が操舵されると、操舵トルクがステアリングシャフト4、中間軸ユニット6を介して操舵機構5に伝達され、これにより操向輪2が操舵される。
電動パワーステアリング装置1は、操舵トルクに応じて操舵補助力を得られるようになっている。すなわち、電動パワーステアリング装置1は、操舵トルクを検出するトルクセンサ16と、制御部としてのECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)17と、操舵補助用の電動モータ18と、歯車装置としての減速機19とを有している。本実施形態では、トルクセンサ16、電動モータ18および減速機19は、ステアリングコラム7に関連して設けられている。
ステアリングコラム7は、コラムチューブ20と、ハウジング21とを有している。コラムチューブ20がブラケット8Aにより支持され、ハウジング21がブラケット8Bにより支持されている。
ステアリングシャフト4は、軸方向下部として、入力軸22と、出力軸23と、トーションバー24とを有し、軸方向上部としての連結軸25を有している。入力軸22および出力軸23は、トーションバー24を介して同一の軸線上で互いに連結されている。入力軸22は、連結軸25を介してステアリングホイール3に連なっている。出力軸23は、中間軸ユニット6に連なっている。入力軸22に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー24が弾性ねじり変形し、これにより、入力軸22および出力軸23が相対回転する。
トルクセンサ16は、トーションバー24を介する入力軸22および出力軸23間の相対回転変位量に基づいてトルクを検出し、トルク検出結果をECU17に与える。
ECU17は、上述のトルク検出結果や図示しない車速センサから与えられる車速検出結果等に基づいて、電動モータ18を制御する。
減速機19は、電動モータ18により駆動される鋼製の駆動ギヤとしてのウォーム軸26と、これに噛み合う従動ギヤであり且つ複合ギヤとしてのウォームホイール27とを有している。ウォームホイール27は、金属製の芯金28と、この芯金28の外周に一体回転するように固定された合成樹脂製の歯部形成部29とを有している。ウォームホイール27の芯金28と出力軸23とが互いに固定されて、一体回転する。
ステアリングホイール3が操作されると、操舵トルクがトルクセンサ16により検出され、トルク検出結果および車速検出結果等に応じて電動モータ18が操舵補助力を発生させる。操舵補助力は、減速機19を介して操舵機構5に伝達される。これとともに、ステアリングホイール3の動きも、操舵機構5に伝わる。その結果、操向輪2が操舵されるとともに、操舵が補助される。
図2は、図1のウォームホイール27の側面図であり、図2の上部が部分的に断面表示されている。図3は、図2のS3−S3断面の断面図である。
図1と図2を参照して、ウォーム軸26は、進み角が例えば20度の歯部を有している。この歯部に噛み合うように、ウォームホイール27の歯部29aは、当該ウォームホイール27の軸方向S(以下、単に軸方向Sともいう。)に対して傾斜している。ここで、進み角は、ウォーム軸26の歯部の歯すじ方向と、当該ウォーム軸26の軸方向に垂直な平面とのなす角度である。
芯金28は、相対的に小径の筒状のボス部28eと、環状の側壁28fと、相対的に大径の筒状の周壁28gとを含んでいる。ボス部28eと、側壁28fと、周壁28gとは、単一材料により一体に、鋼等の金属部材により形成されており、例えばプレス成形されてなり、互いに同心に配置されている。
ボス部28eの内周は出力軸23に嵌合されて固定されている。側壁28fは、軸方向Sに関するボス部28eの一方の端部から、ウォームホイール27の径方向R(以下、単に径方向Rともいう。)の外方に延設されており、円板形状をなしている。
周壁28gは、外周28gcと、内周28gdとを有している。外周28gcおよび内周28gdは、ともに、側壁28fの径方向外端28faから当該ウォームホイール27の軸方向Sに対して傾斜状に延設されており、側壁28fの径方向外端28faから遠ざかるにしたがって、徐々に拡径されている。軸方向Sに対する周壁28gの外周28gcの傾斜角度DW1は、3〜10°の範囲内に設定されている。軸方向Sに対する周壁28gの内周28gdの傾斜角度DW2は、3〜10°の範囲内に設定されている。傾斜角度DW1と傾斜角度DW2とは、本実施形態では、互いに等しくされているが、互いに異なる場合も考えられる。
周壁28gの外周28gcは、円錐状をなしており、第1のセレーション28aと、ウォームホイール27の周方向T(以下、単に周方向Tともいう。)に連続した鍔部28geとを有している。第1のセレーション28aは、外周28gcに形成された複数のセレーション歯28bを有している。各セレーション歯28bは、円錐面の歯底面から径方向外方に突出し、高さ寸法(径方向寸法に相当する)および幅寸法(周方向寸法に相当する。)のそれぞれが、軸方向位置にかかわらず一定値とされている。
周壁28gの内周28gdは、円錐状をなしており、第2のセレーション28cを有している。第2のセレーション28cは、内周28gdに形成された複数のセレーション歯28dを有している。各セレーション歯28dは、円錐面の歯底面から径方向内方に突出し、高さ寸法(径方向寸法に相当する)および幅寸法(周方向寸法に相当する。)のそれぞれが、軸方向位置にかかわらず一定値とされている。
セレーション歯28bとセレーション歯28dとは、互いに同数で形成されている。各セレーション歯28b,28dは、平面視で、すなわち、当該セレーション歯28b,28dの高さ方向(径方向Rに相当する。)に沿って見たときに、軸方向Sに対してそれぞれ傾斜しており、互いに平行に配置されている。軸方向Sに対する第1のセレーション28aのセレーション歯28bの歯すじ方向U1の第1の傾斜角度DT1と、軸方向Sに対する第2のセレーション28cのセレーション歯28dの歯すじ方向U2の第2の傾斜角度DT2とは、互いに等しくされている。
鍔部28geは、周壁28gの外周28gcにおいて、拡径側端部としての軸方向Sに関する端部に配置されており、周方向Tに関して全周にわたり連続している。鍔部28geは、第1のセレーション28aの各セレーション歯28bの軸方向端部同士を互いに連結しており、各セレーション歯28bの歯底から径方向外方に向けて突出しており、各セレーション歯28bの歯先まで達している。
歯部形成部29は、環状をなしており、外周29bを有している。外周29bに、ウォームホイール27を構成する複数の歯部29aが形成されている。歯部形成部29は、芯金28の第1のセレーション28aおよび第2のセレーション28cを覆っており、芯金28の周壁28gの全体と、側壁28fの径方向外方部分とを、合成樹脂30によりモールドしてなる。合成樹脂30は、例えば、母材としてのポリアミド樹脂(PA)、ポリアセタール樹脂(POM)の少なくとも一つを含み、母材以外の他の材料、例えば強化繊維等を排除された無垢材である。なお、合成樹脂30としては、上述の母材と、強化繊維としてのガラス繊維とを含んでもよい。
各歯部29aの歯すじ方向U3は、平面視で、すなわち、当該歯部29aの高さ方向(径方向Rに相当する。)に沿って見たときに、上記軸方向Sに対して傾斜している。軸方向Sに対する各歯部29aの歯すじ方向U3の傾斜角度DT3が、上記軸方向Sに対する上記第1および第2のセレーション28a,28cのセレーション歯28b,28dの歯すじ方向U1,U2の第1および第2の傾斜角度DT1,DT2と等しくされている。
図2と図3を参照して、歯部29aと、第1のセレーション28aのセレーション歯28bと、第2のセレーション28cのセレーション歯28dとは、互いに同数の複数で設けられ、それぞれ周方向Tに均等に配置されている。各歯部29aの径方向内方に、対応するセレーション歯28b,28dが配置されている。すなわち、軸方向Sに沿って見たときに、ウォームホイール27の部分であって歯部29aの径方向Rの内方にある扇形の部分27b(4つの二点鎖線27bで囲んで図示した。)の内側に、対応するセレーション歯28b,28dの全体が配置されている。平面視で、各セレーション歯28b,28dの全体が、対応する歯部29aの一部に重なるように配置されている。
より詳しくは、ウォームホイール27の周方向Tに関する、第1のセレーション28aのセレーション歯28bの配置位置P1と、第2のセレーション28cのセレーション歯28dの配置位置P2と、歯部29aの配置位置P3とが、互いに等しくされている。ここで、上記各配置位置P1,P2,P3は、例えば、軸方向Sに垂直な予め定める共通の断面における、周方向Tに関するセレーション歯28b,28dおよび歯部29aの歯先での中心位置である。
軸方向Sから見たときに、歯部29aの断面形状は、各セレーション歯28b,28dの断面形状よりも、相対的に大きくされており、本実施形態では、歯丈に相当する径方向寸法で、歯部29aと各セレーション歯28b,28dとの大きさの比の値は、例えば2〜3の範囲内の値にされている。歯部29aの歯底と、第1のセレーション28aのセレーション歯28bの歯先とは、径方向Rに離隔している。
ウォームホイール27の製造方法は、以下の複数の工程、すなわち、芯金28を形成する芯金形成工程と、芯金28に合成樹脂30を一体化して形成する合成樹脂形成工程と、合成樹脂30に歯部29aを形成する歯部形成工程とを含んでいる。
先ず、芯金形成工程において、芯金28が、冷間塑性加工としてのプレス成形されてなる。次に、合成樹脂形成工程において、芯金28がインサートとして成形型に装着された状態で、芯金28に合成樹脂30がインサート成形されてなる。これにより、製造用中間体としての環状部材(図示せず)を得る。この環状部材の外周に歯部29aは形成されていない。次に、歯部形成工程において、環状部材の外周に、歯切り工具を用いて、歯部29aを切削加工により形成する。これにより、複合ギヤとしてのウォームホイール27を得る。
本発明の実施形態では、プレス成形された芯金28と、外周29bに歯部29aを形成する環状の歯部形成部29とを備えた複合ギヤとしてのウォームホイール27において、芯金28は、環状の側壁28fと、環状の側壁28fの径方向外端28faから当該複合ギヤの軸方向Sに対して傾斜状に延設された周壁28gとを含んでいる。周壁28gの外周28gcおよび内周28gdに第1および第2のセレーション28a,28cが形成されている。この第1および第2のセレーション28a,28cのセレーション歯28b,28dの歯すじ方向U1,U2は、軸方向Sに対して傾斜している。歯部形成部29は、芯金28の少なくとも周壁28gをモールドしてなる合成樹脂30により形成されている。歯部29aの歯すじ方向U3は、軸方向Sに対して傾斜しており、軸方向Sに対する歯部29aの歯すじ方向U3の傾斜角度DT3が、軸方向Sに対する第1および第2のセレーション28a,28cのセレーション歯28b,28dの歯すじ方向U1,U2の傾斜角度DT1,DT2と等しくされている。
本実施形態によれば、合成樹脂30の線状高分子が、芯金28をモールドするときの溶融状態の合成樹脂30の流れに沿い易く、この流れがセレーション歯28b,28dに沿い易いので、ひいては、歯部29aの歯すじ方向U3に平行になり易くなる。その結果、例えば、切削により歯部29aが形成されるときに線状高分子が切れることが抑制される。従って、線状高分子が切れることに起因した合成樹脂30の強度低下を抑制できる。従って、歯部29aを高強度にすることが可能となる。ひいては、高強度で高価な樹脂材料を採用せずに済む。換言すれば、安価な樹脂材料を用いて製造コストを安価にでき、しかも高強度を達成できる。ここで、線状高分子は、合成樹脂30の母材の樹脂でもよいし、合成樹脂30に含まれる強化繊維でもよい。
なお、上述の歯すじ方向U1,U2,U3としては、セレーション歯28b,28dおよび歯部29aの歯面上の任意の点における、当該歯面と任意の円筒面(当該任意の点を通りウォームホイール27と同心の円筒面)との交線が延びる方向であってもよいし、セレーション歯28b,28dおよび歯部29aの任意の点における当該歯が延びる方向であってもよい。図2には歯すじ方向U1,U2,U3を後者で図示している。
また、セレーション歯28bの歯すじ方向U1と、歯部29aの歯すじ方向U3とが等しいとは、例えば、互いに隣接するセレーション歯28bと歯部29aにおいて、セレーション歯28bの任意の少なくとも1点での歯すじ方向U1と、歯部29aの任意の少なくとも1点での歯すじ方向U3とが、互いに等しいことである。例えば、本実施形態では、軸方向Sに関する歯部29aの中心位置において、セレーション歯28b,28dおよび歯部29aの各歯すじ方向U1,U2,U3が互いに等しくなっている。
また、本実施形態では、軸方向Sに対する周壁28gの傾斜角度DW1,DW2はともに、3〜10°の範囲内に設定されている。この場合、軸方向Sに対して傾斜したセレーション歯28b,28dが形成された芯金28を、プレス成形用の成形型(図示せず)から回転させずに容易に型抜きでき、ひいては容易に形成できる。ここで、周壁28gの傾斜角度DW1,DW2が3°未満の場合には、芯金28を型抜きし難い場合がある。また、周壁28gの傾斜角度DW1,DW2が10°を超えて大きい場合には、線状高分子が歯部29aに沿い難くなるので、強度低下を抑制する効果を得難くなる。従って、周壁28gの傾斜角度DW1,DW2は、3〜10°の範囲内に設定される場合には、芯金28を製造し易くて、合成樹脂30の高強度化にも寄与できて、好ましい。
また、歯部29aとセレーション歯28b,28dとが同数設けられ、各歯部29aの径方向内方としてのウォームホイール27の部分27bに、対応するセレーション歯28b,28dが配置されている場合がある。これにより、歯部形成部29が部分的に薄肉になることを防止できるので、薄肉に起因した強度低下の発生を抑制できる。なお、各歯部29aの径方向内方にある部分27bの内側に、対応するセレーション歯28b,28dが配置される場合としては、例えば、図3において一点鎖線で図示した2つのセレーション歯28b,28dのような配置を含む。
本実施形態の電動パワーステアリング装置1は、上述の複合ギヤとしてのウォームホイール27を用いて、操舵補助用の電動モータ18の動力を伝達するようにしている。上述のように、複合ギヤを高強度にできるので、複合ギヤを小型化できる。また、複合ギヤを安価にできる。従って、小型で安価な電動パワーステアリング装置1を実現できる。
また、本実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
例えば、歯部29aが成形型により形成される場合も考えられる。この場合、芯金28に合成樹脂30がインサート成形されることにより固定されるとともに、歯部形成部29の歯部29aが、成形型の対応する部分であって歯部29aを形成する部分により形成される。この場合、歯部29aを樹脂成形するときに合成樹脂30の線状高分子が切れることが抑制されるので、線状高分子が切れることに起因した合成樹脂30の強度低下を抑制することができる。また、歯部29aとセレーション歯28bとが平行なので、この間を溶融状態の合成樹脂30が流れ易く、その結果、成形不良が生じ難くでき、成形不良に起因した強度低下を抑制できる。
また、歯部形成部29は、芯金28の周壁28gの外周28gcの一部のみを覆う場合も考えられる。要は、歯部形成部29は、芯金28の少なくとも周壁28gの少なくとも外周28gcの少なくとも一部をモールドしていればよい。
また、第1のセレーション28aおよび第2のセレーション28cの少なくとも一方の一部が欠落する場合や、第1のセレーション28aおよび第2のセレーション28cのいずれか一方が廃止される場合や、傾斜角度DW1,DW2の少なくとも一方が、3〜10°の範囲外に設定される場合や、傾斜角度DT1,DT3が互いに等しく、且つ傾斜角度DT2,DT3が互いに異なる場合も考えられる。また、歯部29aとセレーション歯28b,28dとが同数設けられる場合に、それぞれが周方向に関して任意の位置に配置される場合も考えられる。また、歯部29aとセレーション歯28b,28dとが、それぞれ任意の数で設けられる場合も考えられる。
また、複合ギヤとしては、ウォームホイール27に代えて、ウォーム、斜歯歯車でもよい。また、複合ギヤは、操舵機構5に配置されていてもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明の一実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成の模式図である。 図1の複合ギヤの側面図であり、部分的に断面表示されている。 図2のS3−S3断面の断面図である。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置、18…電動モータ、27…ウォームホイール(複合ギヤ)、28…芯金、28a…第1のセレーション(周壁の外周のセレーション)、28c…第2のセレーション(周壁の内周のセレーション)、28b,28d…セレーション歯、28f…側壁、28fa…(側壁の)径方向外端、28g…周壁、28gc…(周壁の)外周、28gd…(周壁の)内周、29…歯部形成部、29a…歯部、29b…(歯部形成部の)外周、30…合成樹脂、DW1,DW2…周壁の傾斜角度、DT1,DT2,DT3…(歯すじ方向の)傾斜角度、R…径方向、S…軸方向、T…周方向、U1,U2,U3…歯すじ方向

Claims (4)

  1. プレス成形された芯金と、外周に歯部を形成する環状の歯部形成部とを備えた複合ギヤにおいて、
    上記芯金は、環状の側壁と、環状の側壁の径方向外端から当該複合ギヤの軸方向に対して傾斜状に延設された周壁とを含み、
    上記周壁の外周および内周の少なくとも一方にセレーションが形成され、このセレーションのセレーション歯の歯すじ方向は、径方向に沿って見たときに、上記軸方向に対して傾斜しており、
    上記歯部形成部は、芯金の少なくとも周壁をモールドしてなる合成樹脂により形成され、歯部の歯すじ方向は、径方向に沿って見たときに、上記軸方向に対して傾斜しており、
    上記軸方向に対する上記歯部の歯すじ方向の傾斜角度が、上記軸方向に対する上記セレーションのセレーション歯の歯すじ方向の傾斜角度と等しくされていることを特徴とする複合ギヤ。
  2. 請求項1において、上記軸方向に対する上記周壁の傾斜角度は、3〜10°の範囲内に設定されていることを特徴とする複合ギヤ。
  3. 請求項1において、歯部とセレーション歯とが同数設けられ、各歯部の径方向内方に、対応するセレーション歯が配置されていることを特徴とする複合ギヤ。
  4. 請求項1から3の何れか1項の複合ギヤを用いて、操舵補助用の電動モータの動力を伝達することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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