JP2011102421A - 冶金炉発生排ガスの熱エネルギー回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】改質反応温度の低下に伴うカーボン生成ならびに反応効率の低下を招くことなく、排ガスの増熱と炭酸ガスの排出削減とを確実に達成する。
【解決手段】転炉などの冶金炉から発生する排ガスの回収ダクト内に還元剤を添加し、排ガス中に含まれる炭酸ガスと還元剤とによる改質反応を導いて該排ガスの改質を行うと共に炭酸ガス発生量の削減を行う際に、還元剤添加後の排ガス温度が800℃以下となる位置から急冷されるまでのガス滞留時間を10秒以下に制御する冶金炉発生排ガスの熱エネルギー回収方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、製鉄設備、特に、転炉や溶融還元炉、電気炉のような冶金炉から発生する炭酸ガス含有排ガスのもつ熱エネルギーを回収する方法に関し、特に、高温の排ガスがもつ顕熱を利用して、外部から供給される還元剤と排ガス中炭酸ガスとの効率的な改質化反応を導くことによって、回収する排ガスの熱エネルギーを増大させると共に炭酸ガス排出量を削減するのに有効な技術を提案する。
近年、地球環境を保護し地球温暖化を防止するために、炭酸ガスの排出削減が重要な課題となっている。特に、製鉄所においては、炭酸ガスの排出削減の成否が、企業の存亡にも関わる最重要の課題となっている。従来、そのための各種の提案がなされてきたが、本格的な炭酸ガス削減技術は、未だ完成していないのが実情である。
一般に、製鉄所では、転炉や溶融還元炉などから、多量の炭酸ガスを含む高温の排ガスを発生させている。これらの排ガスは、炭酸ガスの他に一酸化炭素や水素などを含むため、製鉄所内の各種設備を稼動させるエネルギー源としても利用されている。また、こうした高温の排ガスの顕熱を利用するという観点からは、ボイラーに供給して低圧の蒸気を発生させることで、廃熱回収を行うことも一般的である。しかしながら、製鉄所での低圧蒸気の利用価値は低く、むしろ高温の排出ガスを化学的に利用できるようにすることの方が望まれている。
ところで、メタンなどの各種炭化水素やメタノール、ジメチルエーテルなどの含酸素化合物等は、炭酸ガスや水蒸気と反応して一酸化炭素や水素に改質されることが知られている。この反応を利用した廃熱回収技術として、特許文献1には、転炉等の精錬設備から発生する、二酸化炭素および/または水蒸気を含む高温の排ガス中に、炭化水素を含む気体および/または液体を供給して改質反応を起こさせ、該排ガス中の一酸化炭素と水素を増加させることにより、該排ガスの潜熱を増大させる「増熱」を図る方法が開示されている。
ところで、この文献1では、転炉排ガス中に天然ガスを吹込んで、下記(1)式の改質反応を行わせる際に、この反応が完了していると考えられる位置の温度を375℃程度まで低下させて回収する方法を提案している。しかしながら、発明者らの研究によれば、改質反応の完了温度が約800℃よりも低くなると、カーボンの生成が顕著になり、排ガス回収設備内にそのカーボンやダストの堆積を招きやすくなるという問題があることがわかった。その上、改質反応の完了温度が低下すると、改質反応効率の低下を招き、二酸化炭素の転化率も低下する。
CH+CO→2CO+2H (1)
また、特許文献2には、転炉から排出するガスの温度が600℃以上となる位置に石炭を供給し、排ガスと石炭とを対向接触させることによって、下記(2)式の改質反応を行わせて一酸化炭素を生成させ、排ガスの増熱を図る方法が開示されている。
CO+C→2CO (2)
この文献2に開示の方法では、安価な石炭を用いて改質反応を行わせる点において優れているが、発明者らの研究によれば、改質反応の完了温度が800℃よりも低くなると、改質反応時の上記(2)式による平衡反応ではなく、下記(3)式のような不均化反応(ブドアール反応)が起ってカーボンが析出しやすくなり、反応効率の低下を招くということがわかった。その結果、排ガスの回収ダクト内には、カーボンのみならずダスト(SiOやAlなどの不燃成分)の堆積を招きやすくなる上、上記改質反応効率自体の低下ならびに二酸化炭素の転化率も低下することが判った。
2CO→CO+C (3)
特開2000−212615号公報 特開平5−117668号公報
上述したように、従来技術は、転炉などの冶金炉から発生する、炭酸ガス含有排出ガスの顕熱を利用して、該排ガスの潜熱分を増大((1)式の吸熱分を反応生成物の燃焼熱の形で蓄積する)させている。このような増熱を図る従来技術では、反応温度の低下と共にカーボンの生成が顕著となり、炭酸ガス改質反応の効率の低下を招くだけでなく、カーボンの析出を招き、回収排ガスの増熱低下や炭酸ガスの排出削減効果の低下が起るという課題を抱えていた。
そこで、本発明の目的は、改質反応温度の低下に伴うカーボン生成ならびに反応効率の低下を招くことなく、排ガスの増熱と共に炭酸ガスの排出削減とを確実に達成することができる、冶金炉発生排ガスの熱エネルギー回収方法を提案することにある。
従来技術が抱えている上述した課題を克服し、排ガスの増熱と炭酸ガスの排出削減とを同時に達成するために、本発明は、冶金炉排ガスの回収ダクト内に還元剤を添加し、排ガス中に含まれる炭酸ガスと還元剤とによる改質反応を導いて該排ガスの改質を行う冶金炉発生排ガスの熱エネルギー回収方法において、還元剤添加後の排ガス温度が800℃以下となる位置から急冷されるまでのガス滞留時間を10秒以下にすることを特徴とする冶金炉発生排ガスの熱エネルギー回収方法を提案する。
本発明は、さらに次のような構成とすることで、より好ましい解決手段を提供することができる。
(1)前記上記ガス滞留時間を、0.01秒以上5秒以下とする。
(2)前記ガス滞留時間(t)は、排ガス流量F(m/h)、排ガスダクト空搭容積V(m)のとき、下記(4)式;
t(sec)=3600×V/F (4)
により求められたものを用いる。
(3)冶金炉が転炉である。
(4)還元剤の添加は、上吹きランス部、上部フード、もしくは上部フードから1次湿式集塵器の上流側までの位置で行う。
(1)本発明によれば、還元剤添加後の排ガス温度が800℃以下となる位置から、ガスが急冷される位置、好ましくは一次湿式集塵機の注水位置までのガス滞留時間を10秒以下に管理することによって、カーボン等の生成ならびに反応効率の低下を招くことなく、効率的な炭酸ガス改質反応を導くことができ、これによって排ガスの増熱と炭酸ガス排出削減とを確実に実現することができる。
(2)本発明によれば、還元剤として、天然ガスや液化石油ガスなどの化石資源系化合物、さらには、バイオエタノール、バイオディーゼル、あるいはパーム油などの植物性油脂類などの非化石資源系有機化合物を用いることができるので、高温排ガスの熱エネルギー回収を低コストで実現することができる。
本発明を説明するための、転炉排ガス回収設備の略線図である。 実施例で用いた模擬試験炉の略線図である。
本発明は、転炉や溶融還元炉、電気炉などの冶金炉から排出される高温の排ガスに還元剤を添加し、その排ガス中に含まれる炭酸ガス(二酸化炭素)と還元剤とによる上記(1)式に示す改質反応を導いて、該排ガスの熱エネルギーを回収するにあたり、還元剤添加後の排ガス温度が800℃以下となる位置、例えば、転炉の上吹きランス部から還元剤を添加する場合は第一輻射部下流側から第二輻射部上流側の位置が、また、第一輻射部上流側から還元剤を添加する場合は第二輻射部下流側の位置が、それぞれ排ガス温度が800℃以下になる位置に相当し、これらの位置から、排ガスが急冷されるまでのガス滞留時間を、10秒以下、好ましくは0.01秒以上10秒以下、より好ましくは0.01秒以上5秒以下という短い時間に管理することによって、上記(3)式に示すブドアール反応によるカーボンの生成ならびに、このことによる反応効率の低下を招くことなく炭酸ガス改質反応を起こさせることにより、排ガスの増熱と炭酸ガス排出削減を同時に達成する、冶金炉から発生する高温の排ガス熱エネルギーを回収する方法である。なお、排ガスが急冷される位置とは一次湿式集塵機の注水位置とすることが好ましい。
前記ガス滞留時間を10秒以下、好ましくは0.01〜10秒、より好ましくは0.1〜5秒の範囲に管理する理由は、主として上記(3)式に示すブドアール反応(不均化反応)によると考えられるカーボンの生成を抑制するためである。
前記ブドアール反応は、化学平衡論的には比較的低温域で進行することが知られているが、その反応の速度が比較的遅いことが特徴である。そこで、発明者らは、還元剤添加後の排ガス温度が800℃以下であっても、一次湿式集塵機などによってガスが急冷されるまでのガス滞留時間を10秒以下という短い時間に設定すれば、(3)式の反応によるカーボンの生成が抑制され、ひいては効率的な熱エネルギー回収反応の低下を抑えることが可能になることを見出した。
ここで、ガス滞留時間t(sec)は、還元剤添加後の排ガス温度が800℃以下となる位置における排ガス流量をF(m/h)とし、還元剤添加後の排ガス温度が800℃以下となる位置から排ガスが急冷される位置(好ましくは一次湿式集塵機の注水位置)までの間の排ガスダクト空搭容積をV(m)としたとき、下記(4)式で表すことができる。
t(sec)=3600×V/F (4)
ただし、前記ガス滞留時間(t)は、0.01秒よりも短くなると、カーボンの生成抑制効果だけは得られるものの、ガス流速が大きくなるため、圧力損失が大きくなると共に排ガスを吸引するファンの動力が大きくなるので好ましくない。また、ガス流速が大きくなると、排ガスダクト壁の損耗も速くなって好ましくない。一方、このガス滞留時間が10秒より長くなると、カーボンの生成が顕著となり、排ガスダクト壁へのカーボン(煤)の堆積などが認められるようになり、好ましくない。
還元剤添加後の排ガス温度が800℃以下となる位置から、排ガスが急冷されるまでのガス滞留時間は、0.1秒以上5秒以下の範囲内とすることが好ましい。なお、排ガス温度が800℃に低下する位置とは、図1に示す転炉において、上吹きランスの側管から還元剤を添加する場合は第一輻射部5下流側から第二輻射部6上流側の間、または第一輻射部5上流側から還元剤を添加する場合は第二輻射部6下流側の位置が好適である。
なお、該ガス滞留時間が10秒よりも長い場合は、上吹きランスから噴射する酸素流量を大きくすることや、溶鋼攪拌のために底吹きしているアルゴンや窒素ガスの流量を増やすことで、10秒以下とすることができる。この場合も前記(4)式によって滞留時間を求めることができる。
ところで、冶金炉発生排ガスに対し、天然ガスなどの還元剤を添加すれば、(1)式に示した改質反応が進行することが知られている。吸熱反応であるこの改質反応の進行に伴って、排ガス温度は低下する。なお、排ガスの温度は、排ガスダクト壁を保護するために行う水冷構造を利用した廃熱ボイラー、あるいはダクト内などに設置した接触ボイラーで蒸気を発生させて熱回収することによっても、排ガス温度は低下する。
本発明において、還元剤添加後の排ガス温度とは、改質反応による温度低下のみならず、前述したボイラーで蒸気として熱回収することによる温度低下も含んだ温度を意味する。さらに、還元剤添加後の排ガス温度が800℃となった位置において、添加した還元剤が未反応で残留していても、本発明の効果には何ら影響しない。それは、還元剤添加後の排ガス温度が800℃以下となる位置で未反応であった還元剤は、ガスが急冷される、例えば一次湿式集塵機の注水位置までの間にさらに反応するが、それでも未反応の還元剤は急冷後にメタンなどの還元剤として排ガス中に残留し、排ガスの燃焼熱を高くすることに寄与し、何ら本発明の効果を低下させることにはならないからである。
本発明において、排ガスに添加する還元剤としては、天然ガスや液化石油ガス、メタン、エタン、軽質ナフサ、ラフィネート、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルなどの化石資源系化合物、または、バイオエタノールやバイオディーゼル、あるいはパーム油などの植物性油脂類などの非化石資源系有機化合物を用いることができる。還元剤は、上記のものを単独で添加してもよいし、複数の化合物を混合して、あるいは、異なる添加位置からそれぞれ異なる化合物を添加してもよい。
さらに、上記還元剤に水あるいは水蒸気を添加して、水蒸気改質反応が同時に起るようにしてもよい。例えば、メタンを還元剤に選択した場合、以下の各反応が主に進行する。
CH+CO→2CO+2H (1)
CH+HO→CO+3H (5)
CO+H→CO+HO (6)
C+HO→CO+H (7)
(5)式と(7)式は、炭酸ガスとの直接反応ではないが、これらは何れも吸熱反応であり、排ガスの実質的な増熱に寄与し、結果的に本発明の目的に貢献する反応である。さらに、冶金炉からはカーボンを含むダストが多量に発生することが多く、この場合、そのダスト中のカーボンの一部を(7)式によってCOとHに変化させることもでき、好ましいと言える。
なお、水蒸気改質反応を起こさせる場合、HOは、排ガス温度を低下させることのない水蒸気(スチーム)の形で添加する方が好ましい。また、HOの添加量は、還元剤に対して35質量%程度までが適当である。35質量%よりも多くなると、冶金炉内に水が落下して溶湯の温度の低下を招き、エネルギー消費量が増大する可能性があり、好ましくない。
本発明は、冶金炉が図1に示すような転炉1であるとき、特に好ましい結果が期待できる。それは、一般に、転炉1には転炉OG設備8と称される排ガス回収設備が設置されており、本発明を実施するために排ガス回収設備を新たに設置する必要がないからである。しかも、転炉から発生する排ガス(通常、これを「オフガス」と言う)は炉口部付近の温度が1600℃程度と高温であり、改質反応を起こさせるのに好適な温度だからである。転炉排ガス中への還元剤の添加は、転炉の上吹きランス部、上吹きランスの側管を利用した上部フード4の位置、または上部フード4から一次湿式集塵機7の上流側までの間の位置で行うことが好ましい。また、これらの位置において、排ガス回収設備内のガス流れ方向あるいは該設備の周方向に、複数の位置で行うことが好ましい。これに対し、スカート2や下部フード3は、炉口部に近く、転炉とスカート間との間隙から侵入する空気によって、添加した還元剤が燃焼する可能性があり、好ましくない。また、図示を省略したサブランスからの還元剤添加も可能ではあるが、サブランスは側温やサンプリングのために用いられるものであり、サブランスが転炉内に挿入されるタイミングでしか還元剤を添加できないので、好ましくない。
この実施例は、内径12mm、長さ5mのアルミナチューブ20からなる模擬試験炉を用いて実験した例である。この試験炉は、図2に示すように、アルミナチューブ20の上流側フランジF1には、模擬ガス導入管25を取り付けると共に、還元剤を吹込む還元剤導入管21と入側熱電対保護管22とを取り付けてなるものである。還元剤の添加は、上流側フランジF1から1.5m下流の位置で行い、また、入口ガス温度は、上流側フランジF1から1m下流の位置で測定する。一方、下流側フランジF0には、出側熱電対挿入管23、水冷式ガス冷却設備24が取付けられ、そして、ガス冷却設備の下流側には、積算式ガス流量計とガス分析装置が取付けられている。上記アルミナチューブ20は、その全体が電気炉Eで覆われているが、上流側1mの位置にあるヒーターのみに通電できるようにして、この部分を転炉模擬ガスの予熱ゾーンとなるようにし、それより下流側のヒーターについては通電せず断熱反応ゾーンとなるように構成してある。なお、下流側フランジF0に取付けた出側熱電対挿入管23の温度計測位置は、断熱反応ゾーンの出口位置とした。
さて、この実験に際して、下流側フランジF0からガス冷却設備24までの配管径と長さを適宜調節して、断熱反応ゾーンの出口位置に取付けた出側熱電対挿入管23とガス冷却設備24との問の空搭容積を変化させ、このようにしてガス滞留時間を制御することにした。空搭容積を変化させたのは、実験装置が小型のため、模擬ガス流量を変化させるよりも、配管径と配管長さを変える方が容易なためである。
なお、前述したように還元剤等は、予熱ゾーン(1m)の下流0.5mの位置に吹込むため、実際の断熱反応ゾーンの長さは3.5mである。
転炉模擬ガスとして、CO:20容積%、N:80容積%の混合ガスを、また、還元剤としてヘキサンをそれぞれ準備した。模擬ガス流量は1l/minに、ヘキサン流量は気体換算で26ml/minになるよう定量ポンプを調節した。
出口ガスの流量とガス分析結果とから炭酸ガス転化率と物質収支とを計算した。カーボンの生成は各実験後の配管内の目視観察により行ったが、小規模実験のため定量化するのが困難であった。そこで、C原子の物質収支実測値(%)と100(%)との差分をカーボン生成量として採用した。
表1に示す実験番号1から6は、出口温度が800℃となるように予熱ゾーンの温度を制御した実験例である。したがって、還元剤添加後の排ガス温度が800℃以下となる位置から、ガスが急冷される位置までのガス滞留時間(以下、tとする)は、(4)式から算出することができる。なお、これらの実験における断熱ゾーンでのガス滞留時間(以下、「t」とする)は4秒であった。
一方、実験番号7、8は、それぞれ、出口温度が700℃、600℃となるように予熱ゾーンの温度を制御した実験である。実験番号7、8では、ガス温度が800℃になった位置が断熱ゾーンのなかのどこであるかが不明である。そこで、tを過小評価しないために、断熱反応ゾーンの出口位置からガス急冷位置までの空搭容積から求まる滞留時間に、上記のt(=4秒)を加えた値を実験番号7、8におけるtに等しいものとした。
下記表1の結果、表より明らかなように、還元剤添加後の排ガス温度が800℃以下となる位置から、ガスが急冷される位置までのガス滞留時間(t)が10秒以下であれば、カーボンの生成は非常に少なく、効率的な顕熱回収、および炭酸ガス排出削減ができることが明らかである。
Figure 2011102421
本発明は、転炉排ガスの改質回収だけでなく、多量の炭酸ガスを含む高温のガスが排出される溶融還元炉や電気炉、その他、非鉄精錬で用いられる各種の炉などの冶金炉の排ガス熱エネルギーの回収技術として有用である。
1 転炉
2 スカート
3 下部フード
4 上部フード
5 第一輻射部
6 第二輻射部
7 一次湿式集塵機
8 転炉OG設備
20 アルミナチューブ
21 還元剤導入管
22 入側熱電対保護管
23 出側熱電対挿入管
24 ガス冷却設備
25 模擬ガス導入管
F0 下流側フランジ
F1 上流側フランジ
E 電気炉

Claims (5)

  1. 冶金炉排ガスの回収ダクト内に還元剤を添加し、排ガス中に含まれる炭酸ガスと還元剤とによる改質反応を導いて該排ガスの改質を行う冶金炉発生排ガスの熱エネルギー回収方法において、還元剤添加後の排ガス温度が800℃以下となる位置から急冷されるまでのガス滞留時間を10秒以下にすることを特徴にする冶金炉発生排ガスの熱エネルギー回収方法。
  2. 前記ガス滞留時間を、0.01秒以上5秒以下とすることを特徴とする請求項1に記載の冶金炉発生排ガスの熱エネルギー回収方法。
  3. 前記ガス滞留時間(t)は、排ガス流量F(m/h)、排ガスダクト空搭容積V(m)のとき、下記式;
    t(sec)=3600×V/F
    により求められるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の冶金炉発生排ガスの熱エネルギー回収方法。
  4. 冶金炉が転炉であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の冶金炉発生排ガスの熱エネルギー回収方法。
  5. 還元剤の添加は、上吹きランス部、上部フード、もしくは上部フードから1次湿式集塵器の上流側までの位置で行うことを特徴とする請求項4に記載の冶金炉発生排ガスの熱エネルギー回収方法。
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