JP2011099765A - 車両用計器 - Google Patents

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Abstract

【課題】輝度を向上および照明ムラ抑制性能向上可能な車両用計器を提供すること。
【解決手段】LED光源62からの照明光を拡散させる光拡散部材50に、表示板4へ向かう直射照明光の一部を遮る遮光部51が設けられている車両用計器であって、遮光部51は、LED光源62からの照明光を外周方向に反射させる第1反射面50aを備え、第1反射面50aに対向して第1反射面50aで反射した反射光を表示板4に向って反射させる第2反射面50bが設けられ、第1反射面50aと第2反射面50bとに離間して遮光部51を取り巻くように配置され、照明光を、表示板4において遮光部51の影となる部分の方向に反射させる第3反射面50cが設けられていることを特徴とする車両用計器とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車やオートバイなどの各種車両に搭載される車両用計器に関し、特に、表示板を透過照明する構造に関するものである。
従来、各種車両に搭載される車両用計器においては、表示板の背後に配置した白熱電球や発光ダイオード(以下「LED」と称す)などの光源により表示板を透過照明する構成が一般的である。
そして、このような透過照明を行う車両用計器において、表示板の照明ムラを抑える技術として、光拡散部材を設けて、照明光を拡散させる技術が、例えば、特許文献1により知られている。
この特許文献1に記載された光拡散部材は、光源と表示板の間に配置された円盤状の遮光部と、この遮光部の外周にリング状に設けられたリング部とを備え、リング部の内周と外周とに、照明光を通過させる貫通穴を形成した構造となっていた。
このように構成された特許文献1に記載の技術では、表示板と光源との間に設けられた光拡散部材は、遮光部により表示板において光源の正面位置に直接照明光が当たらないように遮るとともに、貫通穴を通過する光の一部は、貫通穴内で少なくとも一回反射された間接光となって遮光部で遮られた部分を間接照明する。
このため、表示板では、照明光が遮光部により遮られる部分と、遮光部により遮られる部分の外周で直接光が当たる部分との境界部分での輝度の変化を緩和して、照明ムラを抑えることができた。
特開2006−010402号公報
しかしながら、上述の従来技術では、表示板における照明が、貫通穴を通過して直接表示板に到達する照明光に依存するため、輝度が不足する場合があり、かつ、この輝度不足から、遮蔽部やそれを支持する部材の影となる部分の光量が不足し、照明ムラの抑制が不十分となる場合があった。
本発明は、上述のような問題点に着目してなされたもので、輝度を向上可能であるとともに、照明ムラ抑制性能を向上可能な車両用計器を提供することを目的としている。
上述の目的を達成するために、本発明は、表示板と、この表示板を照明する光源と、この光源からの照明光を拡散させる光拡散部材と、この光拡散部材に設けられ、前記光源と前記表示板との間に介在されて前記表示板へ向かう直射照明光の一部を遮る遮光部と、を備えた車両用計器であって、前記遮光部は、前記光源に対向する部分に、前記光源からの直接照明光を前記遮光部の外周方向に反射させる第1反射面を備え、前記遮光部から離間した位置に、前記第1反射面に対向して前記第1反射面で反射した反射光を前記表示板に向って反射させる第2反射面が設けられ、前記第1反射面と第2反射面とに離間して前記遮光部を取り巻くように配置され、前記照明光を前記表示板において前記遮光部の影となる部分の方向に反射させる第3反射面が設けられていることを特徴とする車両用計器とした。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用計器において、前記第1反射面は、前記光源に頂点を向けた錐面状に形成され、前記第2反射面は、前記第1反射面に対向した周状に形成され、前記第3反射面が、前記遮光部を中心とする円環の一部を周方向に取り除いた湾曲形状に形成された湾曲リブの内周面に形成され、前記湾曲リブは、前記表示板においてあらかじめ設定された照明強化部位との間に前記遮光部を挟んで配置され、かつ、前記第3反射面を前記照明強化部位に向けて配置されていることを特徴とする車両用計器とした。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車両用計器において、前記第1反射面は、前記光源に頂点を向けた錐面状に形成され、前記第2反射面は、前記第1反射面に対向した周状に形成され、前記第3反射面は、前記遮光部を中心とする円環状に形成されたリング部材の内周面に形成されていることを特徴とする車両用計器とした。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用計器において、前記第2反射面は、断面形状が前記表示板に向かって凸となる湾曲面形状に形成されていることを特徴とする車両用計器とした。
請求項1に記載の車両用計器では、光源からの照明光が遮光部で遮られ、表示板において光源の正面部分が、直射光により高い輝度で照明されるのを防止し、間接光により照明することで、照明ムラを抑制できる。
加えて、請求項1に記載の発明では、遮光部で遮られた照明光は、遮光部の第1反射面で外周方向に反射されて第2反射面に向かい、さらに第2反射面で反射されて表示板に向かって表示板を照明する。
したがって、従来は遮光部で遮蔽されて表示板の照明に用いられなかった照明光が、第1反射面および第2反射面による反射で表示板を照明し、その分、表示板の照明輝度が向上する。そして、この輝度の増加により、輝度不足による照明ムラも抑制可能となる。
しかも、光源からの照明光のうち、遮光部で遮蔽されることなく遮光部の外側を通って表示板に向かう照明光の一部は、第3反射面で反射され、表示板において、遮光部の影となる部分を照明する。これにより、表示板において、遮光部の影となる部分と、光源により直接照明される部分との輝度差による照明ムラを抑制できる。
以上のように、本発明では、遮光部で遮蔽されていた照明光を、表示板の照明に用いることで、照明輝度を向上させるとともに、照明ムラを抑制させることができ、しかも、遮光部よりも表示板の近くに配置した第3反射面により、遮光部の影となる部分を照明することによっても照明ムラを抑制できる。
請求項2に記載の発明では、第3反射部を、遮光部を中心とする円環の一部を周方向に取り除いた湾曲形状の湾曲リブの内周面に設けている。このため、第3反射部を有したリブを、遮光部の全周に亘って設けているものと比較して、光源からの直接照明光および第2反射面で反射した照明光がリブにより遮蔽されるのを抑制でき、その分、輝度の向上が可能となる。
また、第3反射面は、表示板における照明強化部位の方向を向いているため、第3反射面で反射した照明光は、遮光部の影となる部分を照明するのに加え、照明強化部位も照明する。このように、照明強化部位は、直接の照明光および第2反射面による照明光に加えて、第3反射面による反射で照明されるため、照明強化部位の輝度をさらに向上できる。
請求項3に記載の発明では、第3反射面が円環状のリング部材の全周に亘って形成されており、遮光部の外周を通る照明光を全周に亘って、遮光部の影となる部分に反射させることができ、この部分の輝度をいっそう高めることができる。
請求項4に記載の発明では、第2反射面が、表示板に向かって凸となる湾曲面形状に形成されているため、照明光が第2反射面で反射される場合に、遮光部の内外方向に沿う方向に拡散される。よって、第2反射面が、平面や表示板に向かって凹面である場合と比較して、照明光を拡散でき、照明ムラをいっそう抑制できる。
実施例1の車両用計器Aの要部を示す拡大断面図であって、図3のS1−S1線による断面を示している。 図3に示す光拡散部材50の拡大正面図である。 実施例1の車両用計器Aに設けられた光拡散部材50を示す正面図であって、ロアハウジング5においてスピードメータ20の部分に設けられたものを示している。 実施例1の車両用計器Aを正面から見た正面図である。 実施例1の車両用計器Aの要部の断面図であり、図4のS5−S5線による断面を示している。 実施例1の車両用計器Aの表示板4を示す正面図である。 表示板4の裏面直下の輝度の測定結果を示す輝度特性図であり、C0は従来技術、C1は実施例1、C2は実施例2の測定結果を示している。 表示板4の表面(前面)上の輝度の測定結果を示す輝度特性図であり、C0は従来技術、C1は実施例1、C2は実施例2の測定結果を示している。 実施例2の車両用計器に用いられた光拡散部材250を示す正面図である。 表示板4において光拡散部材の正面における輝度のシミュレーション結果を示す図であり、(a)は従来技術のシミュレーション結果を示し、(b)は実施例2のシミュレーション結果を示している。 実施例2の車両用計器に用いられた光拡散部材250による第3の経路L3を通る照明光の状態を示す断面図である。 実施例1および実施例2との比較のための従来技術の光拡散部材による第3の経路L3を通る照明光の状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この実施の形態の車両用計器は、表示板(4)と、この表示板(4)を照明する光源(62)と、この光源(62)からの照明光を拡散させる光拡散部材(50)と、この光拡散部材(50)に設けられ、前記光源(62)と前記表示板(4)との間に介在されて前記表示板(4)へ向かう直射照明光の一部を遮る遮光部(51)と、を備えた車両用計器であって、前記遮光部(51)は、前記光源(62)に対向する部分に、前記光源(62)からの直接照明光を前記遮光部(51)の外周方向に反射させる第1反射面(50a)を備え、前記遮光部(51)から離間した位置に、前記第1反射面(50a)に対向して前記第1反射面(50a)で反射した反射光を前記表示板(4)に向って反射させる第2反射面(50b)が設けられ、前記第1反射面(50a)と第2反射面(50b)とに離間して前記遮光部(51)を取り巻くように配置され、前記照明光を、前記表示板(4)において前記遮光部(51)の影となる部分の方向に反射させる第3反射面前(50c)が設けられていることを特徴とする車両用計器である。
図1〜図8に基づいて、実施例1の車両用計器Aを説明する。
まず、実施例1の 車両用計器Aの構成を説明する。
車両用計器Aは、前面側から順に、カバー(図示省略)、アッパハウジング(図示省略)、加飾リング3、表示板4、ロアハウジング5、回路基板6、筐体(図示省略)を重ねた周知の構造である。
以下、その構造を詳細に説明すると、図5は、その一部である加飾リング3、表示板4、ロアハウジング5、回路基板6が重なっている状態を示す断面図(図4のS5−S5線で切断した状態を示す)であり、この図に示すように、ロアハウジング5の前面(矢印FRが車両用計器Aの前面方向を示している)に表示板4が当接され、ロアハウジング5の後面に回路基板6が当接されている。
また、図4は実施例1の車両用計器Aを示す正面図であり、車両用計器Aは、前面の表示部分に、円形の回転数メータ10およびスピードメータ20を左右に備えるとともに、両メータ10,20の間に、液晶表示部30を備えている。
両メータ10,20は、それぞれ指針11,21を備えるとともに、各指針11,21の回動領域の範囲に目盛12,22および文字13,23を備えており、これら目盛12,22および文字13,23は、後述するLED光源を点灯させることで、その透過光により発光して表示される。
これら目盛12,22および文字13,23は、指針11,21の先端部の回動軌跡部分に沿って、それぞれ所定の間隔で配置されている。文字13,23は、表示板4に設けられ、目盛12,22は、表示板4に設けられた主目盛12a,22aと加飾リング3に設けられた副目盛12b,22bとを備えている。
表示板4は、正面から見て図6に示す形状に形成され、左右に、それぞれ、主目盛12a,22aおよび文字13,23が設けられ、左右方向の中間には、液晶表示部30を構成するデバイスの表示面を露出させるための、表示用穴41が開口されている。さらに、本実施例1では、表示板4において、主目盛12a,22aおよび文字13,23を設けた部分の外周には、これら主目盛12a,22aおよび文字13,23と同様に、照明光を前面側に透過させる光透過部42,42が周状に形成されている。
この表示板4は、主目盛12a,22a、文字13,23、光透過部42,42の部分が透光性を有し、それ以外の部分は遮光性を有した構造となっている。この構造を簡単に説明すると、表示板4は、ポリカーボネートなどの透明材料からなる表示板本体4a(図5参照)を有している。そして、この表示板本体4aの表面において、主目盛12a,22a、文字13,23の意匠を施した部分および光透過部42,42を除いた部分に、灰色や黒などの遮光性を有した背景色による遮光層(図示省略)が設けられ、主目盛12a,22a、文字13,23、光透過部42,42の部分のみに透光性が与えられている。さらに、表示板4の表面全体には、つや消し印刷によるつや消し層(図示省略)で覆われ、遮光部分の反射が抑えられる一方、透光性を有した部分には、光を拡散させる機能が与えられている。
一方、表示板本体4aの裏面には、主目盛12a,22a、文字13,23、光透過部42,42を含む発光表示を行う部分を除いて、白色印刷による反射層(図示省略)が設けられている。この反射層は、照明光を効率良く反射させ、表示板4の表面側を、その裏面側から均質に照明するためのものである。
光透過部42,42の前面側に加飾リング3,3が、重ねて設けられている。
加飾リング3は、図4に示すように、円環状に形成され、表示板4の前面から、車両用計器Aの前面方向に突出して表示板4に対して固定されており、その内周部に、周方向に沿って各文字13,23の外径方向に一致する位置のみ副目盛12b,22bが設けられている。
なお、加飾リング3は、表示板4と同様にポリカーボネートなどの透光性を有した樹脂により形成され、副目盛12b,22bを除いて塗装による遮光層が設けられることで副目盛12b,22bの部分だけが透光性が与えられ、かつ、全体がつや消し塗装によるつや消し層で覆われている。
次に、回路基板6について説明する。なお、回転数メータ10とスピードメータ20との構成は同様であるため、以下の、回路基板6や後述する光拡散部材の説明は、図5の断面図に示されているスピードメータ20の構成について説明し、回転数メータ10についての説明は省略する。
回路基板6は、図5の断面図に示すように、表示板4と略平行に配設されている。そして、回路基板6には、指針21に結合された指針軸を回動させるムーブメント61が設けられているとともに、表示板4のバックライトとなるLED光源62が複数個配置されている。なお、LED光源62は、その光軸を図において真上方向であって、表示板4に直交する方向に向けて設置されている。
ロアハウジング5において、LED光源62の前面方向に重なる位置に、光拡散部材50が設けられている。この光拡散部材50は、ロアハウジング5と一体に形成されており、本実施例1では、図3に示すように、スピードメータ20の目盛22および文字23の後方(前面方向とは反対方向のことである)に重なる位置で、目盛22および文字23の配列に沿って周方向に略等間隔で6個設けられている。なお、LED光源62は、図3では図示を省略しているが、6個の光拡散部材50のそれぞれの後方に重なって設けられている。
以下に、光拡散部材50について説明する。
光拡散部材50は、ロアハウジング5と一体に形成されており、これらは、LED光源62の光を反射可能な白色の樹脂により形成されている。
この光拡散部材50は、図1に示すように、遮光部51、第1反射面50a、第2反射面50b、第3反射面50cを備えている。
遮光部51は、LED光源62の表示板4への直射照明光を遮り、LED光源62の前面方向の正面で表示板4が強く光るのを抑制するもので、LED光源62の正面位置でLED光源62と表示板4との間に配置されている。この遮光部51は、略V字断面の円錐筒状に形成され、一点鎖線zで示す円錐の軸心をLED光源62の光軸と一致させて配置されているとともに、円錐頂点をLED光源62に向けた状態で、図3および図2に示すように、一対の結合用リブ52,52によりロアハウジング5に一体に結合されている。これら結合用リブ52,52は、相対的に周方向で略120度の角度を成す位置であり、両者の中央の略60度を成す角度の延長線上に指針軸24が配置される位置関係に配置されている。
なお、前述のように、一点鎖線zで示す遮光部51の軸心および光軸は、略一致する方向を向いており、この方向を、以下、軸方向と称する。
さらに、図1に示すように、遮光部51は、外周に、LED光源62の照明光を軸直交方向に沿って外周方向へ反射させる円錐状の第1反射面50aを備えている。
第2反射面50bは、ロアハウジング5において、LED光源62の照明光を表示板4に向けて通過させる透光穴53の外周に一体に形成された円環状の円環フランジ部54の表面に形成されている。この第2反射面50bは、軸直交方向で、第1反射面50aの外周方向に離れた位置であって、後述する円弧リブ55と軸方向に沿う方向で重なることなく円弧リブ55の外周方向位置に配置され、かつ、第1反射面50aからの反射光を、表示板4の方向へ反射させるよう第1反射面50aと表示板4とを向くように傾斜されている。さらに、本実施例1では、第2反射面50bは、反射光を軸方向に直交する方向に拡散すべく、軸直交方向で表示板4の方向へ凸となった曲面状に形成されている。
第3反射面50cは、第1反射面50aと第2反射面50bとに離間して設けられた円弧リブ55の内側面に形成されている。
円弧リブ55は、円弧状の薄板で形成されたもので、図1に示すように、軸方向に沿う方向で、遮光部51よりも表示板4に近い位置に配置され、かつ、図3に示すように、軸直交方向では、遮光部51と指針軸24との間であり、かつ、遮光部51と円環フランジ部54との間の位置に配置されている。そして、円弧リブ55は、遮光部51と同心円の円弧状を成し、一対の結合用リブ52,52の間に架け渡されている。
第3反射面50cは、円弧リブ55の内側面に設けられており、図1に示すように、LED光源62の照明光を、表示板4において、遮光部51の影となる部分sdに向けて反射させるとともに、照明強化部位としての目盛22の方向に反射させる。
なお、第3反射面50cは、LED光源62に近い側の端部で反射された反射光L3aが、遮光部51の影となる部分sdの第3反射面50cから遠い側に照射され、LED光源62から遠い側の端部で反射された反射光L3bが、遮光部51の影となる部分sdの第3反射面50cに近い側に照射されて、前記部分sdの全域を照明可能な幅寸法に設定されている。
次に、実施例1の作用について説明する。
車両用計器Aを点灯表示させた場合の作用を、スピードメータ20を点灯表示させた場合について説明する。
スピードメータ20では、LED光源62を点灯させると、目盛22、文字23が発光表示される。
このとき、光拡散部材50では、LED光源62からの照明光は、以下のような複数の経路L1〜L3で表示板4に到達する。
まず、第1の経路L1は、LED光源62から、直接、表示板4に到達する経路である。
すなわち、LED光源62からの照明光のうち、図1に示すように、遮光部51、円弧リブ55、結合用リブ52(図1では図示されていない)に当たらない照明光は、この第1の経路L1を通り、直接、表示板4に到達する。
この場合、表示板4において、照明光が直接当たらない部分、すなわち、遮光部51、結合用リブ52、円弧リブ55の影となる部分が生じる。本実施例1では、円弧リブ55は、周方向に、遮光部51を中心とする円弧の1/3程度の長さしか有していないため、円弧リブ55が全周に亘って設けられているものと比較すると、円弧リブ55の影となる部分の面積も、1/3程度の大きさとなり、その分、第1の経路L1による照射範囲が広がり、輝度が上昇する。また、結合用リブ52も、円弧リブ55が全周に亘って設けられているものの場合よりも、設置数が少なくて済み、本実施例1では、結合用リブ52の設置数は、2本のみであるため、この結合用リブ52の影となる部分の面積も小さくなり、その分、第1の経路L1による照射範囲が広がり、輝度が向上する。
次に、LED光源62からの照明光の第2の経路L2は、遮光部51の第1反射面50aで反射される経路である。
すなわち、LED光源62から遮光部51に向かった照明光は、第1反射面50aで外周方向に反射された後、第2反射面50bでさらに反射されて表示板4に向かう。これにより、第1反射面50aおよび第2反射面50bによる反射を行わないものと比較して、表示板4に到達する光量が増加し、その分、輝度が向上する。
次に、LED光源62からの照明光の第3の経路L3は、円弧リブ55の第3反射面50cで反射される経路である。
すなわち、LED光源62から遮光部51の外周を通過した照明光の一部は、円弧リブ55の第3反射面50cで反射され、円弧リブ55の円弧の中心方向に反射されて、表示板4に到達する。したがって、遮光部51の影となる部分sdは、この第3反射面50cで反射された照明光に照射され、この影の部分とその外周側との輝度差による照明ムラの発生が抑制される。
しかも、円弧リブ55は、遮光部51よりも表示板4に近い位置に配置されており、第3反射面50cで反射された第3の経路L3の照明光の目標を、遮光部51の影の部分に設定しているため、この影の部分の輝度差による照明ムラの発生を抑制できる。
さらに、第3反射面50cは、目盛22の方向を向いており、その反射光の一部は、図示を省略した反射層を介して表示板4の主目盛22aおよび光透過部42に向かう。これにより、主目盛22aおよび光透過部42に向かう光量を増加できる。このうち、光透過部42を通過した照明光は、加飾リング3に設けられている副目盛22bを照明する。この副目盛22bは、表示板4から前面方向に離れていることから、照明光が途中で減衰されることによる輝度低下が生じるが、このように、第3反射面50cで反射した照明光が加わることで、この減衰による輝度低下を抑制できる。
以上説明したように、実施例1の 車両用計器Aは、以下に列挙する効果を奏する。
a)LED光源62から表示板4に向かう照明光のうち、遮光部51の軸心付近の照明光は遮光部51により遮り、表示板4においてLED光源62の正面部分は、間接光により照明するようにした。このため、 車両用計器Aを前面側から見た場合に、LED光源62の正面付近が明るくなりすぎることが無く、照明ムラの発生を抑制できる。
b)光拡散部材50に、遮光部51で遮る照明光を外周方向に反射される第1反射面50aを遮光部51に形成するとともに、第1反射面50aで反射された照明光を、表示板4の方向へ向ける第2反射面50bを、ロアハウジング5の円環フランジ部54に形成した。このように、光拡散部材50では、遮光部51で遮光されていた照明光を、表示板4に向けて反射させて照明光として用いるようにしたため、両反射面50a,50bを設けないものと比較して、LED光源62により照明される部分の輝度を向上させることができる。
特に、本実施例1では、図3に示すように、第2反射面50bの前面に主目盛22aを重ならせて配置しているため、主目盛22aの輝度を向上させることができるとともに、その外径方向に配置された副目盛22bにも第2反射面50bによる拡散光を照射させて輝度を向上でき、目盛22の表示性能を向上できる。
c)光拡散部材50では、軸方向で遮光部51よりも表示板4に近い位置に円弧リブ55を設け、この円弧リブ55に設けた第3反射面50cでの反射光を、表示板4において遮光部51の影となる部分sdに照射させるようにした。
このため、表示板4において、遮光部51の影となる部分sdの輝度が上昇し、LED光源62の照明光が直接当たる部分と、この影となる部分sdとの境界部分での輝度変化による照明ムラを抑制できる。
d)光拡散部材50では、円弧リブ55および第3反射面50cを、遮光部51の外周の全周ではなく、遮光部51を中心として目盛22とは反対側のみに設けた。このため、円弧リブ55および第3反射面50cを遮光部51の全周に設けたものと比較して、第2反射面50bの反射光が円弧リブ55に遮られる面積を抑えることができ、これにより、表示板4への光量が増大して輝度が向上する。そして、この円弧リブ55の位置を、図3に示すように、遮光部51と指針軸24との間とし、主目盛22aと軸方向に沿う方向に重なる位置に円弧リブ55を設けない構成としたことで、この位置に円弧リブ55を設けたものと比較して、主目盛22aおよび副目盛22bの輝度を向上させることができる。
加えて、本実施例1では、目盛22として、表示板4に設けた主目盛22aに加え、加飾リング3に、表示板4から軸方向に離れた位置に副目盛22bを設けており、この副目盛22bでは、照射光の光路距離が長く輝度が低下しやすい構造となっている。そこで、本実施例1では、第3反射面50cによる反射光の方向を、目盛22の方向に向けているため、副目盛22bにおける光量を増加させ、光量低下を抑制できる。
以上のように、本実施例1では、上記b)のように、第1反射面50aおよび第2反射面50bによる輝度増加と、上記c)のように、円弧リブ55を全周の一部として照明光の遮蔽物を小さくすることによる輝度増加と、上記d)のように第3反射面50cを目盛の方向に向けたことによる輝度増加により、目盛22において、十分な輝度を得ることが可能である。
以上説明したように、本実施例1の車両用計器Aでは、輝度向上および輝度ムラの抑制を達成したが、その実測結果を、図7および図8に示す実測結果に基づいて説明する。
図7および図8は、輝度の実測結果を示すもので、図7は表示板4の裏面直下の輝度の測定結果を示し、図8は、表示板4の表面(前面)上の輝度の測定結果を示している。両図において、横軸に示す光源からの距離は、軸直交方向でのLED光源62からの距離を示しており、LED光源62および遮光部51の軸心位置を「0」とし、その位置から指針軸24に向かう方向を「+」、指針軸24から離れる方向を「−」として表している。また、両図に置いて、C0は、従来の光拡散部材を用いた場合の輝度測定結果を示しており、C1は実施例1における光拡散部材50を用いた場合の輝度測定結果を示している。
図7に示すように、実施例1の輝度測定結果C1は、従来技術の輝度測定結果C0と比較して、遮光部51と重なる位置付近である距離「0」の近傍の領域と、その外周の±15〜20付近の領域で大幅に輝度が向上しているのが分かる。
光源からの距離が「0」近傍の領域の輝度上昇は、第2反射面50bの凸面による拡散効果と、第3反射面50cによる反射光による作用が大きいと考えられる。
一方、光源からの距離が±15〜20の付近の領域の輝度上昇は、第1反射面50aおよび第2反射面50bによる反射光が加わったことによる作用が大きいと考えられる。
さらに、本実施例1では、遮光部51を中心として軸直交方向で、円弧リブ55を設けている側(図7において+の領域)と、円弧リブ55を設けていない側(図7において−の領域)とでは、後者の方が、円弧リブ55による遮蔽が無い分だけ輝度が高くなっているのが分かる。
このような照射光の照射の結果、図8に示す表示板4の表面上の輝度は、従来技術の輝度測定結果C0では、輝度が、横軸方向で上下に変位しているのに対し、実施例1の輝度測定結果C1は、全体に輝度が上昇しているとともに、横軸方向での輝度の上下変位が小さくなり、照明ムラが抑制されているのが分かる。
(他の実施例)
次に、本発明の実施の形態の他の実施例について説明する。
なお、これら他の実施例を説明するのにあたり、実施例1と共通する構成には、実施例1で示した符号を付けることで、説明を省略する。また、作用についても、実施例1と共通する作用については説明を省略する。
実施例2は、光拡散部材が実施例1で示したものと異なるため、以下に、実施例2に用いた光拡散部材250について図9に基づいて説明する。
この光拡散部材250において、前述の光拡散部材50との相違点は、第3反射面250cの形状である。
すなわち、第3反射面250cは、遮光部51を全周で囲む周状に形成された円周リブ255の内周面に形成されている。また、円周リブ255をロアハウジング5に結合させる結合用リブ52は、周方向に等間隔で3個設けられている。
円周リブ255の配置は、実施例1で用いた光拡散部材50と同様に、軸方向に沿う方向では遮光部51よりも表示板4に近い位置であって、軸直交方向では、遮光部51と円環フランジ部54との間に配置されている。
次に、光拡散部材250の作用について説明する。
この光拡散部材250も、基本的には、光拡散部材50と同様に、これまで遮光部51で遮蔽されていた照明光が、第1反射面50aおよび第2反射面50bで反射されて、表示板4を照明する。これにより、表示板4において、LED光源62で照明される部位の輝度が向上する。
また、実施例2では、図11に示すように、実施例1と同様の第3の経路L3を通る第3反射面250cの反射光が、遮光部51により影となる部分sdを照明する。この場合、光拡散部材250では、第3反射面250cが遮光部51の全周を囲んで設けられているため、遮光部51により影となる部分sdを、より明るく照明することができる。
なお、図12は、実施例2との比較のための従来技術の1態様、すなわち、第3反射面050cを備えた円周リブ055を、遮光部051と同じ高さに配置した場合の照明状態を示している。この図12に示す従来技術では、第3反射面050cで反射する第3の経路L3を通る照明光が表示板4に達するまでの距離が長くなるのが分かる。この場合、照明光の距離が短い場合よりも、輝度が低くなる。
実施例2と従来技術との輝度の違いは、輝度の実測結果を示す図7、図8にも現れている。
図7、図8において、C2が実施例2の輝度測定結果を示しており、図7では、実施例2の輝度測定結果C2は、横軸で「0」近傍の遮光部51の軸心近傍では、実施例1の輝度測定結果C1よりも輝度が高くなっているのが分かる。
また、図8に示すように、実施例2の輝度測定結果C2は、従来技術の輝度測定結果C0と比較して、全体の輝度が向上するとともに、輝度変化、すなわち輝度ムラが抑制されているのがわかる。
図10は、従来の光拡散部材と光拡散部材250との照明状態のシミュレーション結果を示す図であり、(a)は従来の光拡散部材のシミュレーション結果を示し、(b)は光拡散部材250のシミュレーション結果を示している。
同図(a)に示すように、従来の光拡散部材では、遮光部51および結合用リブ52の影となる部分の輝度が低く、輝度差による照明ムラが生じていた。それに対し、(b)では、遮光部51による輝度低下が無くなり、結合用リブ52の根本部分のみがわずかに輝度低下が生じているだけで、照明ムラを大幅に削減できた。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態および実施例1,2を詳述してきたが、具体的な構成は、これら実施の形態および実施例1,2に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、実施例1,2では、光源として、LED光源62を使用した例について説明してきたが、光源として白色電球などの他の光源を使用してもよい。
また、実施例1,2では、光拡散部材50,250を、ロアハウジング5と一体に形成した例を示した。この場合、部品点数を削減できるとともに、製造工数も削減できるが、光拡散部材は、ロアハウジングと別体の部材を用いてもよい。
また、実施例1,2では、第1反射面として円錐面状の第1反射面50aを示したが、これに限定されるものではなく、第1反射面は、光源の照明光を外周方向に反射させるものであれば、多角錘形状などの円錐面以外の形状であってもよい。また、実施例1では、第1反射面50aは、頂点を有した円錐状に形成したものを示したが、このような円錐形状や多角錘形状の頂点をカットした形状であってもよい。
また、実施例2では、第2反射面として、表示板4に向かって凸となる湾曲面形状の第2反射面50bを示したが、このような形状に限定されるものではない。例えば、第2反射面の内周側を集中的に反射させたい場合には、凹面形状に形成してもよいし、また、第2反射面の軸方向正面を集中的に照明したい場合は、平面状に形成してもよい。
また、実施例1,2では、第3反射面として、遮光部51の軸心を中心とする円弧状の第3反射面50c,250cを示したが、この第3反射面の形状は、円弧形状に限定されるものではなく、例えば、実施例1で示したものよりも円弧のカーブをより緩やかにした形状のものや、このような円弧形状ではなく直線状に形成してもよい。
また、実施例1,2では、表示板4の表面に加飾リング3を設けたものを示したが、この加飾リング3を設けない構成としてもよい。あるいは、加飾リングを設けるとともに、この加飾リングのみに目盛を設けてもよい。具体的には、実施例1に示した加飾リング3を、主目盛22aが配置されている位置に設け、この加飾リング3に主目盛22aを設けた構造としてもよい。
4 表示板
4a 表示板本体
6 回路基板
50 光拡散部材
50a 第1反射面
50b 第2反射面
50c 第3反射面
51 遮光部
55 円弧リブ
62 LED光源
250 光拡散部材
250c第3反射面
255 円周リブ
A 車両用計器
sd 影となる部分

Claims (4)

  1. 表示板と、
    この表示板を照明する光源と、
    この光源からの照明光を拡散させる光拡散部材と、
    この光拡散部材に設けられ、前記光源と前記表示板との間に介在されて前記表示板へ向かう直射照明光の一部を遮る遮光部と、
    を備えた車両用計器であって、
    前記遮光部は、前記光源に対向する部分に、前記光源からの直接照明光を前記遮光部の外周方向に反射させる第1反射面を備え、
    前記遮光部から離間した位置に、前記第1反射面に対向して前記第1反射面で反射した反射光を前記表示板に向って反射させる第2反射面が設けられ、
    前記第1反射面と第2反射面とに離間して前記遮光部を取り巻くように配置され、前記照明光を前記表示板において前記遮光部の影となる部分の方向に反射させる第3反射面が設けられていることを特徴とする車両用計器。
  2. 請求項1に記載の車両用計器において、
    前記第1反射面は、前記光源に頂点を向けた錐面状に形成され、
    前記第2反射面は、前記第1反射面に対向した周状に形成され、
    前記第3反射面が、前記遮光部を中心とする円環の一部を周方向に取り除いた湾曲形状に形成された湾曲リブの内周面に形成され、
    前記湾曲リブは、前記表示板においてあらかじめ設定された照明強化部位との間に前記遮光部を挟んで配置され、かつ、前記第3反射面を前記照明強化部位に向けて配置されていることを特徴とする車両用計器。
  3. 請求項1に記載の車両用計器において、
    前記第1反射面は、前記光源に頂点を向けた錐面状に形成され、
    前記第2反射面は、前記第1反射面に対向した周状に形成され、
    前記第3反射面は、前記遮光部を中心とする円環状に形成されたリング部材の内周面に形成されていることを特徴とする車両用計器。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用計器において、
    前記第2反射面は、断面形状が前記表示板に向かって凸となる湾曲面形状に形成されていることを特徴とする車両用計器。
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