JP3719418B2 - 指示計器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの照射光線で表示板を透過照明する指示計器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば建設機械などの特殊車輌や船舶、あるいは自動車、オートバイ等の計器装置として、速度計,回転計や燃料計などの運転状況を指示する計器が設けられている。
【0003】
この計器装置において、光源からの照射光線で表示板を透過照明する指示計器の一般的な構成としては、図7および図8に示すように、計器本体1の回転軸2の先端側に固着され、回転軸2を中心に回転する指針3と、この指針3の背面側に位置し透過照明される目盛や数字や記号などからなる指標部4が施された表示板5と、この表示板5の背面側に位置する硬質の回路基板6と、この回路基板6上に設けられ、それぞれ指針3と表示板5を照明する光源である発光ダイオード7,8と、それぞれの計器本体1を区画するとともに、指針3を照明するための発光ダイオード7と表示板5側を照明するための照明領域を区画する合成樹脂製の枠体9に設けられた円筒形の仕切壁9Aと、によってそれぞれ照明する区域に区画して構成している。なお、前記回路基板6の背後には前記回転軸2を回動する計器本体1が取付固定されている。
【0004】
指針3は指示部10と回転軸2に固定される指針基部11が透明な合成樹脂で一体に形成されており、指針基部11は遮光性の合成樹脂からなる指針キャップ12で覆われている。指示部10は発光ダイオード7の光を受けて発光するものである。
【0005】
表示板5は透明な合成樹脂からなる平板状の基板13からなり、その表面(図中上側の面)に、目盛や数字あるいは記号などの指標部4箇所に例えば白色の半透過性表示層4Aを形成し、その指標部4箇所を除いて表示板5の表面全体に遮光性の黒色の地色層14が施されている。
【0006】
指針発光用としての発光ダイオード7は円筒形の仕切壁9Aの内側に位置し、回転軸2の近傍に回転軸2を中心とした円上に複数設けられ、この発光ダイオード7の照射光線を円筒形の仕切壁9Aの内部側にて指針基部11側へと導くように設けている。また、表示板5の指標部4を透過照明する発光ダイオード8は円筒型の仕切壁9Aの外側を取り巻いて回転軸2を中心として円上に複数設けられ、この発光ダイオード8からの照射光線を表示板5の指標部4側へと導くための導光体15が配設され、この導光体15は前記枠体9と一体に形成されたライトケース16に支持されている。
【0007】
この場合、導光体15は光源となる発光ダイオード8の光線を指標部4に導くものであり、受光部17で受光し導光体15の内部に導光された光線を反射面18で指標部4に対応する表示板5の裏面側へと照射光線を導き、導光体15の裏面側にて反射させて表示板5の指標部4を透過照明するように構成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の指示計器にあっては、表示板5の表面側において指標部4である文字,数字,目盛あるいは記号などのみを背面側から光源により透過照明するものであるため、あるいは図示しないが指標部である文字,数字,目盛,記号などと表示板の背景部分である表示板の全面を表示板の背面側に設けた光源によって透過照明するものであったり、または表示板の前面側に光源を設けて直接的に照明したりあるいは間接光により表示板を照明するようにしたものや、これらの照明方式を組み合わせたものなど様々な照明手段が知られているが、いずれも平面的で単調な照明形態となってしまい、斬新性に欠ける結果となっている。
【0009】
この点を考慮するものとして、昼間と夜間とで見栄えが異なり、しかも奥行き感を感じさせることのできる透過照明式指示計器として、たとえば特開平9−96546号公報に示されているように、文字板は、透光性基板とその透光性基板の裏面側に形成された透過光調整層とを有し、前記透過光調整層は、文字板裏面側から表面側へと透過する光の透過量を前記透過性基板の平面に沿って徐々に変化させるように構成した透過照明式指示計器が提案されている。また透過光調整層の表面側には色印刷層が形成されている。
【0010】
従って、文字板の照明時において、透過光調整層に入射した光源の光は、透過光調整層によってその透光量が調整された上で前記透光性基板および前記色印刷層を順に透過して文字板表面側へ出射される。ここで、透過光調整層により文字板裏面側から表面側へと透過する光の透過量を前記透過性基板の平面に沿って徐々に変化させるように構成したことにより、従来の指示計器に比べて見栄えが良くなるという効果がある反面、文字板の背面側に設けてある光源の設置位置や個数などによっては、光源に近い側の箇所では部分的に明るくなり易く、文字板上の表面側にべた印刷されている前記色印刷層箇所の透過による照明効果の点で照明ムラが生じてしまうという問題がある。
【0011】
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、指標部の透過照明に加え、表示板の全面の見栄えを良好としえる斬新な透過光タイプの指示計器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、計器本体に設けられた回転軸の先端側に固着された指針と、この指針の回動指示する位置に対応して配設され、透光性の基板に遮光層部分と透過層部分とからなる印刷を施して指標部が設けられた表示板と、この表示板の背後側に設けられた光源と、を備えてなる指示計器において、前記表示板には、透過印刷層を設けてなるとともに、前記回転軸の軸心から外周方向に向けて前記表示板を透過する光量が漸次明るさが変化するように前記表示板を透過照明可能とするグラデーションによるドット印刷層からなる透過光量調整層を前記透過印刷層の前面側に設けてなる領域と、この領域内に遮光性の縁取り部とこの縁取り部内に設けられる前記透過印刷層の透過照明色と異なる色の透過層とを有し透過照明可能な前記指標部を設けてなる領域と、を施してなることを特徴とする指示計器である。
【0013】
これにより、表示板に施された指標部箇所は印刷による透過照明によって明るく照らし出すことができるとともに、その指標部箇所以外に設けた透過印刷層箇所はグラデーションによるドット印刷層からなる透過光量調整層によって表示板を透過する光量が漸次明るさが変化するように設けられているため、表示板全体が立体的に見え、見栄えの良好な表示板の照明効果をもたらすことができ、斬新な照明装置を提供することができる。また透過する領域としてグラデーションによる透過光量調整層の濃淡度の度合いによって、透過印刷層から射出される光量が設定され、グラデーションによる図柄を介して透過されるため、表示板の背後に配設された光源からの照射光線の光線が部分的に明るくなったとしてもシルエットとして抜け出るために照明によるムラを軽減することが可能となる。また、指標部に設けられた透過層の透過照明色(例えば、白色)と前記透過印刷層による透過照明色(例えば、青色)とを異なる色にて形成してなることによって、表示板上の指標部箇所が透過照明によって、明るく照らし出されるとともに、グラデーションによるドット印刷層からなる透過光量調整部と重なり合っている透過印刷層からの透過照明とがそれぞれ色別されて浮かび上がって見えるため、鮮やかで見栄えの良好な表示板の照明効果をもたらすことができる。
【0014】
【0015】
また、グラデーションによるドット印刷層からなる透過光量調整層によって表示板を透過する光量が漸次明るさが変化するように設けられている領域において、指標部が設けられるため、奥行き感のある照明領域にて指標部が透過照明され、指標部が浮き上がって見えるという効果が期待できるものであり、見栄えが良い表示板の照明効果を期待することができる。また、表示板上の指標部箇所が透過照明によって明るく照らし出されるとともに、グラデーションによるドット印刷層からなる透過光量調整層と重なり合っている透過印刷層からの透過照明とがそれぞれ色別されて浮かび上がって見えるため、鮮やかで見栄えが良好な表示板の照明効果をもたらすことができる。
【0016】
また請求項2の発明によれば、請求項1に記載の指示計器において、前記透過光量調整層は、遮光性の調光層にて形成してなること。
【0017】
これにより、グラデーションによるドット印刷層からなる透過光量調整層が不透過となって、よりシルエットとして浮き上がるためデザイン性にも優れた照明効果が得られるとともに、立体感のある照明効果も期待することができる。
【0018】
また請求項3の発明によれば、請求項1に記載の指示計器において、前記透過光量調整層と前記表示板の地色となる遮光層とを同一色にて形成してなること。
【0019】
これにより、表示板全体の色合いが同系色にて形成されるために、地色の色合いと指標部およびグラデーションによるドット印刷層からなる透過光量調整層と重なり合った箇所の透過印刷層が目立って表示され、照明時において、透過する領域としてグラデーションによる透過光量調整層の濃淡度の度合いがさらに明確となり、立体感のある見栄えの良好な表示板の照明効果が期待できる。
【0020】
【0021】
【0022】
また請求項4の発明によれば、請求項1に記載の指示計器において、前記表示板の前面に艶消し保護層を施してなること。
【0023】
これにより、表示板の表面側に施されている印刷層を保護することが可能となり、表面部分に傷などが付きにくくなり、また表面がきめ細かい凹凸による艶消し保護層によって覆うことにより、外光による反射にて見づらくなってしまうという問題も解消することができる。
【0024】
また請求項5の発明によれば、請求項4に記載の指示計器において、前記表示板の表面側に印刷されている前記指標部の透過層の一部を排除するとともに、その透過層を排除した箇所に相応する前記艶消し保護層を取り除いてなること。
【0025】
これにより、指標部の一部のみを艶消し保護層を取り除くことにより、艶消し保護層を介して視認する指標部の領域と、艶消し保護層が排除された指標部の領域とのコントラストが明確となる表示板を形成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の照明装置を車輌用の指示計器に適用した実施形態として説明する。なお前述した従来例と同一あるいは相当箇所には同一符号を用いて説明する。
【0027】
本発明の指示計器として、第1の実施形態を図1から図3に示すように、計器本体1の回転軸2の先端側に固着され、回転軸2を中心に回転する指針3と、この指針3の背面側に位置し透過照明される目盛や数字や記号などからなる指標部4が施された表示板5と、この表示板5の背面側に位置するガラスエポキシ樹脂からなる硬質の回路基板6と、この回路基板6上に設けられ、それぞれ指針3と表示板5を照明する光源である発光ダイオード7,8と、それぞれの計器本体1を区画するとともに、指針3を照明するための発光ダイオード7と表示板8側を照明するための照明領域を区画する合成樹脂製の枠体9に設けられた円筒形の仕切壁9Aと、によってそれぞれ照明する区域に区画して構成している。なお、前記回路基板6の背後には前記回転軸2を回動する計器本体1が取付固定されている。
【0028】
また指針発光用としての発光ダイオード7は円筒形の仕切壁9Aの内側に位置し、回転軸2の近傍に回転軸2を中心として円形状に取り巻いて複数設けられ、この発光ダイオード7の照射光線を指針3側へと導くための導光体19が前記円筒形の仕切壁9Aの内側に配設されている。
【0029】
また、表示板5の指標部4を透過照明する発光ダイオード8は円筒形の仕切壁9Aの外側を円形状に取り巻いて複数設けられ、この発光ダイオード8からの照射光線を表示板5の指標部4側へと導くための導光体15が配設され、この導光体15と前記指針照明用の導光体19とは連結部20を介して一体に形成されるとともに、導光体15,19は前記枠体9と一体に形成されたライトケース16に支持されている。
【0030】
また表示板照明用の導光体15と指針照明用の導光体19とは表示板5と回路基板6との間に位置し、ポリカーボネートやアクリルなどの透光性の合成樹脂からなり、本実施例では色の付いていない無色透明の材料を使用している。
【0031】
この場合、図1に示すように、中央に位置した速度計からなる指示計器にあっては、導光体15は発光ダイオード8からの光を受ける受光部17と、受光部17で受光した光線を表示板5に施した指標部4側へと導くように反射面18を備えている。受光部17は発光ダイオード8に対応した部分にのみ発光ダイオード8方向に突出形成されている。反射面18は回転軸2を取り巻く逆円錐面形でその断面形状は受光部17で受光した光線を指標部4の方向へ反射する複数の傾斜平面で形成されている。本実施形態における反射面18は、表示板5に対する傾斜角の異なる3つの反射面を備えている。なお、反射面18の個数は任意であり、適宜設定可能である。また、場合によっては、断面形状が曲面であってもよい。また導光体15には、導光体15の反射面18によって反射された光線がライトケース16へと射出するように設けられた照射部21が形成されており、本実施形態ではその断面形状が垂直面に形成されている。
【0032】
またライトケース16の内面側の周辺部には反射部22が形成され、この反射部22は、表示板5側に向けて湾曲しており、その反射部22の内面部分によって導光体15の照射部21からの射出された光線を指標部4側に反射拡散するように構成している。反射部22をその断面形状を曲面とすることにより、反射した光が指標部4方向に効率よく反射拡散することができるようにしている。
【0033】
また図2および図3に示すように、表示板5は、透明な合成樹脂からなる平板状の基板13によって形成され、その表面に、目盛や数字あるいは記号などの指標部4箇所に例えば白色の半透過性表示層4Aを形成し、その指標部4箇所を除いて表示板5の表面に遮光性の黒色の地色層14が施されている。
【0034】
また前記表示板5には、その表示板5に設けられている透過照明可能な前記指標部4の領域とは別に、例えば青色の透過印刷層23を設けるとともに、その透過印刷層23の領域にて所定の点、この実施形態にあっては、計器本体1の回転軸2の軸心を基準として外周方向に向けて、表示板5を透過する光量が漸次明るさが変化するように前記表示板5を透過照明可能とするグラデーションによる黒色のドット印刷層からなる透過光量調整層24が前記透過印刷層23の前面側に施されて構成されている。
【0035】
表示板5上の透過印刷層23は、指標部4と同様に、発光ダイオード8から照射された光線が導光体15を介して導光体15の照射部21へと射出され、この射出された光線がライトケース16の内面側の反射部22を反射して照射されることにより透過照明されるように構成されている。
【0036】
なお、この実施形態では、白色の半透過性表示層4Aからなる数字や記号の目盛部分(指標部4の一部)と、グラデーションによる黒色のドット印刷層からなる透過光量調整層24とを設けて構成している。この場合、白色の半透過性表示層4Aからなる数字や記号と、黒色の印刷層からなる透過光量調整層24との輪郭部分にはその境目を明確にするために地色層14にて縁取り部14Aが施されている。
【0037】
次に本実施形態における照明方法について説明する。指針発光用としての発光ダイオード7から照射される光線は、導光体19の内部へと導かれ、その導光体19の上端部から射出されて指針3に設けられた指針基部11へと入光し、指示部10が発光する。
【0038】
また発光ダイオード8から照射される光線は、導光体15の受光部17から上方に向かい導光体15内に入り、反射面18で反射されて横方向へと導光され、照射部21によって光線が射出され、射出された光線は、ライトケース16の反射部22によって反射拡散されて、指標部4の半透過性表示層4Aが白色で透過照明される。またこれと同時に、この実施形態におけるグラデーションによる黒色の印刷層からなる透過光量調整層24を施してある領域においては、その領域に設けた透過印刷層23箇所はグラデーションによる印刷層からなる透過光量調整層24によって表示板5を透過する光量が漸次明るさが変化するように設けられているため、表示板5全体が立体的に見え、見栄えの良好な表示板5の照明効果をもたらすことができ、これにより斬新な照明装置を提供することができる。
【0039】
また透過する領域としてグラデーションによる透過光量調整層24の濃淡度の度合いによって、透過印刷層23から射出される光量が設定され、グラデーションによる図柄を介して透過されるため、表示板5の背後から照射される光源8からの照射光線が表示板5上の透過印刷層23箇所を部分的に明るく照らし出したとしてもグラデーションによる黒色の印刷層からなる透過光量調整層24によってシルエットとして抜け出るために、照明によるムラを軽減することが可能となる。
【0040】
図4は、本発明の第2の実施形態を示す表示板5の概要を示す要部の断面図であり、この場合、表示板5は、透明な合成樹脂からなる平板状の基板13によって形成され、その裏面に、目盛や数字あるいは記号などの指標部4箇所およびグラデーションによる印刷を施す領域を除いて遮光性の黒色の地色層14が印刷手段によって施されている。この際、地色層14の印刷時において、指標部4の縁取り部14Aも同時に印刷形成されている。また前記グラデーションによる印刷を施す領域には、表示板5を透過する光量が漸次明るさが変化するように前記表示板5を透過照明可能とするグラデーションによる黒色のドット印刷層からなる透過光量調整層24が施されている。
【0041】
また前記表示板5の裏面側には、前記グラデーションによる黒色の印刷層からなる透過光量調整層24の上を覆って例えば青色の透過印刷層23が施されている。また前記表示板5の指標部4箇所においては、表示板5の裏側の全域に例えば白色の半透過性表示層4Aが印刷形成されて構成されている。
【0042】
上記構成からなる表示板5にあっては、前述した第1の実施形態とほぼ同様にして、光源である発光ダイオード8からの照射光線によって指標部4の半透過性表示層4Aが白色で透過照明されると同時に、グラデーションによる黒色の印刷層からなる透過光量調整層24が施されている領域に設けられた透過印刷層23箇所は、グラデーションによる印刷層からなる透過光量調整層24によって表示板5を透過する光量が漸次明るさが変化するように設けられているため、表示板5全体が照射光線によって立体的に見え、見栄えの良好な表示板5の照明効果をもたらすことができ、これにより斬新な照明装置を提供することができる。
【0043】
図5は、本発明の第3の実施形態を示す表示板5の概要を示す要部の断面図であり、前述の第2の実施形態とほぼ同様に構成されるものであり、この場合、表示板5は、透明な合成樹脂からなる平板状の基板13によって形成され、その表面側に、目盛や数字あるいは記号などの指標部4箇所およびグラデーションによる印刷を施す領域を除いて遮光性の黒色の地色層14が印刷手段によって施されている。この際、地色層14の印刷時において、指標部4の縁取り部14Aも同時に表示板5の表面側に印刷形成されている。また前記グラデーションによる印刷を施す領域には、表示板5を透過する光量が漸次明るさが変化するように前記表示板5を透過照明可能とするグラデーションによる黒色の印刷層からなる透過光量調整層24が施されている。
【0044】
また表示板5の表面側に印刷されたグラデーションによる黒色の印刷層からなる透過光量調整層24位置に対応した表示板5の裏面側部分に例えば青色の透過印刷層23が印刷形成されている。また前記指標部4箇所においては、表示板5の表側に印刷した縁取り部14Aによって指標部4箇所の輪郭が設定され、その指標部4位置に対応した表示板5の裏面部分に対応した箇所に例えば白色の半透過性表示層4Aが印刷形成されている。この場合、白色の半透明表示層4Aは表示板5の裏面側の全域に渡って印刷形成している。
【0045】
従って、前述した実施形態と同様にして、透過する領域としてグラデーションによる透過光量調整層24の濃淡度の度合いによって、透過印刷層23から射出される光量が設定され、グラデーションによるドットの図柄を介して透過される。また表示板5の背後から照射される光源8からの照射光線が表示板5の裏面側において透過印刷層23箇所が明るく照らし出され、次いで表示板5の表面側に施されたグラデーションによる黒色の印刷層からなる透過光量調整層24によってシルエットとして抜け出るために、表示板5からなる透明な基板13の板厚によってさらに奥行き感を出しつつ透過照明されるとともに、黒色の印刷層からなる透過光量調整層24によってグラデーションによるドットの図柄を介して透過されるために照明によるムラを軽減することができる。
【0046】
図6は、本発明の第4の実施形態を示す表示板5の概要を示す要部の断面図であり、前述した第1の実施形態とほぼ同様に構成されている。ここでは、第1の実施形態の構成に加えて表示板5の表面全体に艶消し保護層25を施して構成している。
【0047】
従って、艶消し保護層25によって、表示板5の表面側に施されている印刷層である半透過性表示層4A,地色層14,透過印刷層23,透過光量調整層24などを保護することが可能となり、表面部分に傷などが付きにくくなり、また表面がきめ細かい凹凸による艶消し保護層25によって覆うことにより、外光による反射にて見づらくなってしまうという問題も解消することができる。
【0048】
なお、場合によっては、図示はしないが指標部4の一部を構成する目盛部分に相応する箇所の半透過性表示層4Aを排除するとともに、その半透過性表示層4Aを排除した箇所に相応する艶消し保護層25を取り除いて構成することもある。この場合、半透過性表示層4Aと艶消し保護層25とを取り除くことにより、艶消し保護層25を介して視認する指標部4の領域と、艶消し保護層25が排除された指標部4の領域とのコントラストが明確となり、特に印刷を施さない小さな面積比率の目盛部分が反射によって判読しやすくなるため、目盛位置を容易に確認することが可能となる。
【0049】
また艶消し保護層25を第4の実施形態に適用して説明したが、前述した各実施態様に用いても同様の効果を得ることができるものであり、また眩しさを軽減することを主体として表示板5の表面側に施す場合もある。
【0050】
なお本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能であり、たとえば前記実施形態では、光源として発光ダイオードを用いていたが、ランプによる光源であってもよいものであり、また照明時において、例えば表示板5に設けた指標部4やグラデーションによる図柄を介して透過される透過印刷層23箇所の照明色を変更する場合、光源である発光ダイオード8の発光色を変更したりあるいは着色フィルタを介して透過照明するように構成することにより、照明色を適宜設定することも可能である。
【0051】
また表示板5の表面側あるいは裏面側に施す各印刷層については、仕様に合わせて適宜設定すればよいものであり、奥行き感を出すために、色合いを変更したり、表示板5の板厚を変更したり、あるいはグラデーションによる図柄(実施形態ではドット印刷により形成)を変更することにより照明ムラなども軽減することが可能となるものである。この場合、グラデーションによる図柄として格子状の模様や亀甲模様などにて濃淡度の度合いが変化するように設定することによりデザイン性に優れ、加えて照明ムラのない透過照明を行うことが可能となる。
【0052】
また、本実施形態においては、指針3を照明する必要のない指示計器であれば、発光ダイオード7を設ける必要はなく、表示板5専用の発光ダイオード8のみ設ける構成としてもよいし、計器本体1は回路基板6の背面側に固定して設けていたが、回路基板6の前面側に計器本体1を配設するタイプであっても同様に表示板5の照明装置を適用することが可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明による指示計器においては、表示板に施された指標部箇所は透過照明によって明るく照らし出すことができるとともに、その指標部箇所以外に設けた透過印刷層箇所はグラデーションによる印刷層からなる透過光量調整層によって表示板を透過する光量が漸次明るさが変化するように設けられているため、表示板全体が立体的に見え、見栄えの良好な表示板の照明効果をもたらすことができ、斬新な照明装置を提供することができる。また透過する領域としてグラデーションによる透過光量調整層の濃淡度の度合いによって、透過印刷層から射出される光量が設定され、グラデーションによる図柄を介して透過されるため、表示板の背後に配設された光源からの照射光線の光線が部分的に明るくなったとしてもシルエットとして抜け出るために照明によるムラを軽減することが可能となり、初期の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態である車両用の指示計器を示す正面図である。
【図2】 図2は図1の主要部である指示計器における表示板を含む照明装置の要部を示す概略断面図である。
【図3】 図3は第1の実施形態である表示板の主要部を示す概略正面図とその拡大断面図である。
【図4】 図4は本発明の第2の実施形態である表示板の主要部を示す概略正面図とその拡大断面図である。
【図5】 図5は本発明の第3の実施形態である表示板の主要部を示す概略正面図とその拡大断面図である。
【図6】 図6は本発明の第4の実施形態である表示板の主要部を示す概略正面図とその拡大断面図である。
【図7】 図7は従来の指示計器を示す正面図である。
【図8】 図8は図7の指示計器における表示板を含む照明装置の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 計器本体
2 回転軸
3 指針
4 指標部
4A 半透過性表示層(透過層)
5 表示板
6 回路基板
7 発光ダイオード(光源)
8 発光ダイオード(光源)
9 枠体
13 基板
14 地色層(遮光層)
14A 縁取り部
15 導光体
16 ライトケース
17 受光部
18 反射面
19 導光体
21 照射部
22 反射部
23 透過印刷層
24 透過光量調整層
25 艶消し保護層
Claims (5)
- 計器本体に設けられた回転軸の先端側に固着された指針と、この指針の回動指示する位置に対応して配設され、透光性の基板に遮光層部分と透過層部分とからなる印刷を施して指標部が設けられた表示板と、この表示板の背後側に設けられた光源と、を備えてなる指示計器において、
前記表示板には、透過印刷層を設けてなるとともに、前記回転軸の軸心から外周方向に向けて前記表示板を透過する光量が漸次明るさが変化するように前記表示板を透過照明可能とするグラデーションによるドット印刷層からなる透過光量調整層を前記透過印刷層の前面側に設けてなる領域と、この領域内に遮光性の縁取り部とこの縁取り部内に設けられる前記透過印刷層の透過照明色と異なる色の透過層とを有し透過照明可能な前記指標部を設けてなる領域と、を施してなることを特徴とする指示計器。 - 前記透過光量調整層は、遮光性の調光層にて形成してなることを特徴とする請求項1に記載の指示計器。
- 前記透過光量調整層と前記表示板の地色となる遮光層とを同一色にて形成してなることを特徴とする請求項1に記載の指示計器。
- 前記表示板の前面に艶消し保護層を施してなることを特徴とする請求項1に記載の指示計器。
- 前記表示板の表面側に印刷されている前記指標部の透過層の一部を排除するとともに、その透過層を排除した箇所に相応する前記艶消し保護層を取り除いてなることを特徴とする請求項4に記載の指示計器。
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