JP2011097957A - 産物分泌に基づいて細胞を精製するための方法 - Google Patents

産物分泌に基づいて細胞を精製するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】1つ以上の細胞を精製する方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、1つ以上の細胞を、その細胞によって分泌された1つ以上の産物のレベルに基づいて精製する方法を提供する。その方法は(a)捕獲マトリックスの近位に固定化された複数の細胞と、産物に選択的に結合する因子とを接触させる工程;(b)その細胞の集団に照明する工程;(c)フレームから方向付けられる2つ以上の光の特性を検出する工程(第1の光の特性はその集団の実質的に全ての細胞を同定し、第2の光の特性はその捕獲マトリックスに局在化された産物を同定する);(d)(i)該検出された第1の光の特性に関してその集団の実質的に全ての細胞、および(ii)該検出された第2の光の特性に関して1つ以上の選択された細胞を位置決定する工程、並びに(e)非選択細胞に照射し、所望の産物分泌プロファイルを有している1つ以上の選択された細胞が精製される工程を包含する。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般に、細胞の精製に関し、より具体的には、細胞により分泌された1つ以上の産物のレベルに基づき細胞を精製するための方法に関する。
精製された細胞株を入手する能力は、増え続けている基礎研究及び応用の商業的適用において基本となるものである。例えば、薬物発見において、特定の薬物標的を発現する細胞の均一な集団の使用は、再現可能な結果を可能にし、従って、ハイスループットスクリーニングを可能にする。この理由のため、薬物標的を安定的に発現する細胞クローンは、数か月に及び得、そして数十万の候補薬物に及び得る薬物スクリーニング作業を開始するための先行条件となり得る。
薬物発見の努力は、細胞応答の測定にも依り、その多くは、産物を産生した細胞に会合したままでない様々な細胞産物を分泌するという形態をとり得る。例えば、免疫系細胞は、疾患過程に影響する多数のサイトカイン(インターフェロン、インターロイキン等)を分泌することができる。従って、それらの分泌応答プロファイルに基づいて細胞を容易に精製する能力は、重要である。特定の産物の分泌の欠如も、この情況において等しく重要であり得る。
生物薬剤の製造においては、毎年300億ドル超に値する製品が作製されており、その多くは、分泌型タンパク質を産生するクローニングされた細胞株の大量培養から作製されている。これらの製品としては、モノクローナル抗体(例えば、ハーセプチン(Herceptin)(登録商標)(抗EGFR)、リツキサン(Rituxan)(登録商標)(抗CD20)、ゾーレア(Xolair)(登録商標)(抗IgE))、サイトカイン(例えば、アラネスプ(Aranesp)(登録商標)(エリスロポエチン)、レビフ(Rebif)(登録商標)(インターフェロン))、及び多数のその他のタンパク質(例えば、第VIII因子、TPA、FSH、BMP)が挙げられる。これらの製品を製造するための細胞株の作製は、高度のタンパク質分泌、低いバイオマス産生、規定された無血清培地への適応、及びバイオリアクター条件への適応を含む多くの厳密な要件に供される。従って、細胞株を作製するための精製された細胞の単離は、細胞に基づく産物の調製の重要な局面であり得る。製造の情況においては、産物を産生する細胞株のための細胞クローニングの確認が、付加的な要件である。例えば、米国食品医薬品局(United States Food and Drug Administration)(FDA)の1つの要件は、製造のために開発された各細胞クローンの起源の立証である。
現在、細胞を精製するため、例えば、クローン細胞株を作製するための単細胞を入手するために、多様な方法が使用されている。1つの技術は、低密度にて細胞を播種すること、望ましい属性により細胞/コロニーを同定すること、及びクローニングリングの使用又はマイクロピペット転移により、それらを単離又は収集することを含む。このアプローチは、細胞/コロニーが単離される時点でクローン性の視覚的な立証を提供する。重大な欠点は、各細胞/コロニーを単離し、評価のため新たな培養物へと移すために必要とされる時間のかかる面倒な手順である。さらに、この技術は、初代細胞のような低いクローニング効率を示す細胞では実行することが困難から不可能である。
細胞を精製するための別の一般的に使用されている技術は、限界希釈法により(すなわち、多くのウェルがただ1個の細胞を受容する確率を最大限にして)マルチウェルプレートに細胞を播種することを含む。最適な環境(例えば、細胞凝集がない)の下では、最初、ウェルのおよそ37%が1個の細胞を受容すると予想され得る。しかしながら、全てのウェルが細胞増殖をもたらすとは限らず、複数の細胞を受容したウェルは、通常、培地条件付け効果(medium conditioning effect)により増殖上の利点を有する。従って、限界希釈法により作製された「クローン」の多くはクローン性ではなく、クローン集団を達成する可能性を改良するために、3〜5回の連続的なサブクローニング工程が必要とされる。限界希釈法の成功は、単細胞を受容したウェルの視覚的な同定により改良され得るが、この過程は時間がかかり面倒である。さらに、限界希釈法は、初代細胞のような低いクローニング効率を有している細胞では実行するのが困難である。最後に、細胞から分泌された産物が測定され得る前に、(培養上清のELISA等により)検出されるのに十分な分泌型産物を入手するため、細胞を増殖させなければならない。
細胞を精製するためのさらなる一般に使用されている技術には、フローサイトメトリーが含まれる。フローサイトメーターは、高速で流動している液流に細胞を懸濁させ、各細胞の蛍光及びレーザー散乱特徴を査定するためにレーザービーム/検出器系に通し、次いで、電荷を有する液滴に含めてノズルから細胞を射出すること(液滴は、次いで、収集のためのチューブへと偏向される)により、細胞を処理する。フローサイトメトリーは、非接着細胞型(例えば、血球)については良好に作動するが、厳しいフローサイトメトリー条件のため、その他の多くの細胞型(例えば、ニューロン、肝細胞)には充分に適しておらず、そのような細胞がクローニングのため各ウェル1個で分取される場合には、特にそうである。残念ながら、フローサイトメトリーは、動的な液流に細胞が懸濁させられるため、分泌された細胞産物を検出するためには使用され得ない。フローサイトメトリーによる分泌型産物の検出を可能にするビーズ−カプセル法が開発されているが、このアプローチでは、細胞の封入、各カプセルの内容物(すなわち、クローン性)の立証、次いで、カプセルからの目的の単細胞の回収という複雑さが加わる。
細胞の精製は、選択培地においてトランスフェクトされた細胞を増殖することによっても一般に達成されている。トランスフェクトされた哺乳動物細胞の選択においては、トランスフェクトが成功した細胞は、目的のタンパク質及び薬物耐性遺伝子産物の両方を発現するため、薬物耐性がしばしば選択基準として使用される。このアプローチの短所には、薬物及び耐性遺伝子産物の意図されない生理学的効果、並びにこのアプローチが現在のところバイオ医薬品の作製のためにFDAにより承認されていないという点が含まれる。
従って、産物分泌プロファイルに基づき細胞を精製するための効果的な方法が必要とされている。
本発明は、この必要性を満たし、さらに関連する利点を提供する。
(発明の要旨)
本発明は、1つ以上の細胞を精製するための方法を提供する。1つの実施形態において、その方法は、(a)捕獲マトリックスの近位に固定化された複数の細胞と、産物に選択的に結合する因子とを接触させる工程であって、その捕獲マトリックスは、1つ以上の細胞により分泌された産物を局在化し得、その因子は、光の特性として検出可能なシグナルを発生し得る、工程;(b)その細胞の集団に照明する工程であって、その集団はフレームに含まれる、工程;(c)そのフレームから方向付けられる2つ以上の光の特性を検出する工程であって、第1の光の特性は、その集団の実質的に全ての細胞を同定し、そして第2の光の特性は、その捕獲マトリックスに局在化される産物を同定する、工程;(d)(i)その検出された第1の光の特性に関してその集団の実質的に全ての細胞、および(ii)その検出された第2の光の特性に関して1つ以上の選択された細胞を位置決定する工程、ならびに(e)非選択細胞に照射する工程であって、各非選択細胞は、実質的に致死的な線量の放射線を受容し、それによって、所望の産物分泌プロファイルを有している1つ以上の選択された細胞が精製される、工程を包含する。
本発明は、1つ以上の細胞を精製するための別の方法を提供する。その方法は、(a)フレーム内の細胞の集団に照明する工程であって、その照明される細胞は、捕獲マトリックスの近位に固定化された複数の細胞に含まれ、その捕獲マトリックスは、細胞の1つ以上により分泌された産物を局在化し得る、工程;(b)そのフレームから方向付けられた2つ以上の光の特性を検出する工程であって、第1の光の特性は、その集団の実質的に全ての細胞を同定し、第2の光の特性は、その捕獲マトリックスに局在化された産物を同定する、工程;(c)(i)その検出された第1の光の特性に関してその集団の実質的に全ての細胞、および(ii)その検出された第2の光の特性に関して1つ以上の選択された細胞を位置決定する工程、ならびに(d)非選択細胞を照射する工程であって、各々の非選択細胞は、実質的に致死的な線量の放射線を受容し、それによって、所望の産物分泌プロファイルを有している1つ以上の細胞が精製される、工程を包含する。
本発明は、1つ以上の細胞を精製するためのさらなる方法を提供する。その方法は、(a)フレーム内の細胞の集団に照明する工程であって、その照明される細胞は、捕獲マトリックスの近位に固定化された複数の細胞に含まれ、その捕獲マトリックスは、細胞の1つ以上により分泌された産物を局在化し得る、工程;(b)そのフレームから方向付けられた少なくとも1つの光の特性を検出する工程であって、光の特性は、その捕獲マトリックスに局在化された産物を同定する、工程;(c)(i)その検出された光の特性に関して1つ以上の選択された細胞、および(ii)そのフレーム内の1つ以上のドメインであって、各ドメインは、少なくとも1つの選択された細胞により占められた領域に対応する、ドメインを位置決定する工程であって、その1つ以上のドメインは、その検出された光の特性に関して位置決定される工程、ならびに(d)そのフレーム内に含まれる非ドメイン領域に照射する工程であって、その非ドメイン領域内に存在する実質的に全ての細胞は、実質的に致死的な線量の放射線を受容し、それによって、所望の産物分泌プロファイルを有している1つ以上の細胞が精製される工程を包含する。
本発明により提供される1つ以上の細胞を精製するためのさらなる方法は、(a)捕獲マトリックスの近位に固定化された複数の細胞と、産物に選択的に結合する因子とを接触させる工程であって、その捕獲マトリックスは、1つ以上の細胞により分泌された産物を局在化し得、その因子は、光の特性として検出可能なシグナルを発生し得る、工程;(b)その細胞の集団に照明する工程であって、その集団はフレームに含まれる、工程;(c)そのフレームから方向付けられた少なくとも1つの光の特性を検出する工程であって、光の特性は、その捕獲マトリックスに局在化された産物を同定する、工程;(d)(i)その検出された光の特性に関して1つ以上の選択された細胞、および(ii)そのフレーム内の1つ以上のドメインであって、各ドメインは、少なくとも1つの選択された細胞により占められた領域に対応する、ドメインを位置決定する工程であって、その1つ以上のドメインは、その検出された光の特性に関して位置決定される工程、ならびに(e)そのフレーム内に含まれる非ドメイン領域に照射する工程であって、その非ドメイン領域内に存在する各細胞は、実質的に致死的な線量の放射線を受容し、それによって、所望の産物分泌プロファイルを有している1つ以上の細胞が精製される工程を包含する。
本発明の方法は、例えば、ポリペプチドを分泌する細胞を精製するために使用され得る。精製された細胞により分泌され得るポリペプチドの非限定的な例としては、抗体、抗体フラグメント、サイトカイン、増殖因子、酵素、ホルモン、神経伝達物質、シグナル伝達分子、及び治療用タンパク質が挙げられる。本発明の方法において利用される捕獲マトリックスとしては、例えば、プロテインG、プロテインA、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、及び産物についてのリガンドが挙げられる。
1つ以上の細胞を精製するための本発明の方法は、細胞のさらなる集団に照明する工程であって、そのさらなる集団は、さらなるフレームに含まれる工程、並びに検出、位置決定、及び照射の工程を繰り返すことをさらに包含し得る。この順序は、所望の場合、複数の細胞の中の非選択細胞の実質的に全てが実質的に致死的な線量の放射線を受容するまで、繰り返され得る。
本発明の方法を使用して精製される1つ以上の細胞は、例えば、集団の他の細胞と比べた所望の量の産物を産生する細胞である。そのような産物の所望の量は、集団の他の細胞に比べて高レベル又は低レベルの産物分泌であり得る。さらに、本発明の方法は、産物の分泌を欠く細胞を精製するために使用され得る。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
1つ以上の選択された細胞を精製するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)捕獲マトリックスの近位に固定化された複数の細胞と、産物に選択的に結合する因子とを接触させる工程であって、該捕獲マトリックスは、1つ以上の該細胞により分泌された該産物を局在化し得、該因子は、光の特性として検出可能なシグナルを発生し得る、工程;
(b)該細胞の集団に照明する工程であって、該集団はフレームに含まれる、工程;
(c)該フレームから方向付けられる2つ以上の光の特性を検出する工程であって、第1の光の特性は、該集団の実質的に全ての細胞を同定し、そして第2の光の特性は、該捕獲マトリックスに局在化される産物を同定する、工程;
(d)(i)該検出された第1の光の特性に関して該集団の実質的に全ての細胞、および(ii)該検出された第2の光の特性に関して1つ以上の選択された細胞を位置決定する工程、ならびに
(e)非選択細胞に放射線を照射する工程であって、各々の非選択細胞は、実質的に致死的な線量の放射線を受容し、それによって、所望の産物分泌プロファイルを有する1つ以上の選択された細胞が精製される工程を包含する、方法。
(項目2)
項目1に記載の方法であって、前記産物が、ポリペプチド、抗体、抗体フラグメント、サイトカイン、増殖因子、酵素、ホルモン、神経伝達物質、シグナル伝達分子、および治療用タンパク質より選択される、方法。
(項目3)
前記捕獲マトリックスが、プロテインG、プロテインA、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、及び前記産物についてのリガンドより選択される物質を含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記捕獲マトリックスがゲルを含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
(f)前記細胞のさらなる集団に照明する工程であって、該さらなる集団は、さらなるフレームに含まれる工程、および工程(c)から工程(e)を繰り返すことをさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記集団の他の細胞に比べて高レベルの産物を産生する細胞である、項目1又は5に記載の方法。
(項目7)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記集団の他の細胞に比べて低レベルの産物を産生する細胞である、項目1又は5に記載の方法。
(項目8)
前記1つ以上の選択された細胞が、検出不可能なレベルの産物を産生する細胞である、項目1又は5に記載の方法。
(項目9)
前記複数の細胞における前記非選択細胞の実質的に全てが、実質的に致死的な線量の放射線を受容するまで、工程(f)の後に工程(c)から工程(e)を繰り返すことをさらに包含する、項目5に記載の方法。
(項目10)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記複数の他の細胞に比べて高レベルの産物を産生する細胞である、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記複数の他の細胞に比べて低レベルの産物を産生する細胞である、項目9に記載の方法。
(項目12)
前記1つ以上の選択された細胞が、検出不可能なレベルの産物を産生する細胞である、項目9に記載の方法。
(項目13)
前記精製された1つ以上の選択された細胞を増殖させる工程をさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目14)
工程(b)〜(e)が自動化されている、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記フレームが、5mm超、10mm超、20mm超、40mm超、80mm超、及び160mm超の群より選択される面積を有している視野の一部である、項目1、5、又は9のいずれかに記載の方法。
(項目16)
前記産物と選択的に結合する因子が、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、基質、及びリガンドより選択される、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記1つ以上の選択された細胞の近傍の前記捕獲マトリックスに局在化された産物の量に対応するシグナル値に関して同定される、項目1に記載の方法。
(項目18)
前記実質的に致死的な線量の放射線が、1つ以上の放射線パルスで、各非選択細胞に送達される、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記実質的に致死的な線量の放射線が、0.1J/cm超、0.3J/cm超、1J/cm超、3J/cm超、10J/cm超、30J/cm超、及び100J/cm超の群より選択されるエネルギー密度を有している、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記実質的に致死的な線量の放射線が、10W/cm超、10W/cm超、10W/cm超、1010W/cm超、及び1011W/cm超の群より選択される照射量を有している、項目1に記載の方法。
(項目21)
前記放射線が、200〜400nm、400〜760nm、及び760〜3000nmの群より選択される波長を有している電磁放射線を含む、項目1に記載の方法。
(項目22)
照明の前に、前記複数の細胞が、該細胞の実質的に全てと選択的に結合する試薬と接触させられ、該試薬が、第1の光の特性として検出可能なシグナルを発生し得る、項目1に記載の方法。
(項目23)
1つ以上の選択された細胞を精製するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)フレーム内の細胞の集団に照明する工程であって、該照明される細胞は、捕獲マトリックスの近位に固定化された複数の細胞に含まれ、該捕獲マトリックスは、該細胞の1つ以上により分泌された産物を局在化し得る、工程;
(b)該フレームから方向付けられた2つ以上の光の特性を検出する工程であって、第1の光の特性は、該集団の実質的に全ての細胞を同定し、第2の光の特性は、該捕獲マトリックスに局在化された産物を同定する、工程;
(c)(i)該検出された第1の光の特性に関連して該集団の実質的に全ての細胞、および(ii)該検出された第2の光の特性に関連して1つ以上の選択された細胞を位置決定する工程、ならびに
(d)非選択細胞を照射する工程であって、各々の非選択細胞は、実質的に致死的な線量の放射線を受容し、それによって、所望の産物分泌プロファイルを有する1つ以上の選択された細胞が精製される工程を包含する、方法。
(項目24)
前記産物が、ポリペプチド、抗体、抗体フラグメント、サイトカイン、増殖因子、酵素、ホルモン、神経伝達物質、シグナル伝達分子、及び治療用タンパク質より選択される、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記捕獲マトリックスが、プロテインG、プロテインA、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、及び前記産物についてのリガンドより選択される物質を含む、項目23に記載の方法。
(項目26)
前記捕獲マトリックスがゲルを含む、項目23に記載の方法。
(項目27)
(e)前記細胞のさらなる集団に照明する工程であって、該さらなる集団はさらなるフレームに含まれる工程、および工程(b)から工程(d)を繰り返すことを包含する、項目23に記載の方法。
(項目28)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記集団の他の細胞に比べて高レベルの産物を産生する細胞である、項目23又は27に記載の方法。
(項目29)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記集団の他の細胞に比べて低レベルの産物を産生する細胞である、項目23又は27に記載の方法。
(項目30)
前記1つ以上の選択された細胞が、検出不可能なレベルの産物を産生する細胞である、項目23又は27に記載の方法。
(項目31)
前記複数の細胞における前記非選択細胞の実質的に全てが、実質的に致死的な線量の放射線を受容するまで、工程(e)の後に工程(b)から工程(d)を繰り返すことをさらに包含する、項目27に記載の方法。
(項目32)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記複数の他の細胞に比べて高レベルの産物を産生する細胞である、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記複数の他の細胞に比べて低レベルの産物を産生する細胞である、項目31に記載の方法。
(項目34)
前記1つ以上の選択された細胞が、検出不可能なレベルの産物を産生する細胞である、項目31に記載の方法。
(項目35)
前記精製された1つ以上の選択された細胞を増殖させる工程をさらに包含する、項目23に記載の方法。
(項目36)
工程(a)から(d)が自動化されている、項目23に記載の方法。
(項目37)
前記フレームが視野の一部であり、該視野が、5mm超、10mm超、20mm超、40mm超、80mm超、及び160mm超の群より選択される面積を有している視野の一部である、項目23、27、又は31のいずれかに記載の方法。
(項目38)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記1つ以上の選択された細胞の近傍の前記捕獲マトリックスに局在化された産物の量に対応するシグナル値に関して同定される、項目23に記載の方法。
(項目39)
前記実質的に致死的な線量の放射線が、1つ以上の放射線パルスで、各非選択細胞に送達される、項目23に記載の方法。
(項目40)
前記実質的に致死的な線量の放射線が、0.1J/cm超、0.3J/cm超、1J/cm超、3J/cm超、10J/cm超、30J/cm超、及び100J/cm超の群より選択されるエネルギー密度を有している、項目23に記載の方法。
(項目41)
前記実質的に致死的な線量の放射線が、10W/cm超、10W/cm超、10W/cm超、1010W/cm超、及び1011W/cm超の群より選択される照射量を有している、項目23に記載の方法。
(項目42)
前記放射線が、200〜400nm、400〜760nm、及び760〜3000nmの群より選択される波長を有している電磁放射線を含む、項目23に記載の方法。
(項目43)
照明の前に、前記複数の細胞が、該細胞の実質的に全てと結合する試薬と接触させられ、該試薬が、第1の光の特性として検出可能なシグナルを発生し得る、項目23に記載の方法。
(項目44)
1つ以上の選択された細胞を精製するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)フレーム内の細胞の集団に照明する工程であって、該照明される細胞は、捕獲マトリックスの近位に固定化された複数の細胞に含まれ、該捕獲マトリックスは、該細胞の1つ以上により分泌された産物を局在化し得る、工程;
(b)該フレームから方向付けられた少なくとも1つの光の特性を検出する工程であって、光の特性は、該捕獲マトリックスに局在化された産物を同定する、工程;
(c)(i)該検出された光の特性に関して1つ以上の選択された細胞、および(ii)該フレーム内の1つ以上のドメインであって、各ドメインは、少なくとも1つの選択された細胞により占められた領域に対応する、ドメインを位置決定する工程であって、該1つ以上のドメインは、該検出された光の特性に関して位置決定される工程、ならびに
(d)該フレーム内に含まれる非ドメイン領域に照射する工程であって、該非ドメイン領域内に存在する実質的に全ての細胞は、実質的に致死的な線量の放射線を受容し、それによって、所望の産物プロファイルを有している1つ以上の選択された細胞が精製される工程を包含する、方法。
(項目45)
前記産物が、ポリペプチド、抗体、抗体フラグメント、サイトカイン、増殖因子、酵素、ホルモン、神経伝達物質、シグナル伝達分子、及び治療用タンパク質より選択される、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記捕獲マトリックスが、プロテインG、プロテインA、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、及び産物についてのリガンドより選択される物質を含む、項目44に記載の方法。
(項目47)
前記捕獲マトリックスがゲルを含む、項目44に記載の方法。
(項目48)
(e)前記細胞のさらなる集団に照明する工程であって、該さらなる集団はさらなるフレームに含まれる工程、および工程(b)から工程(d)を繰り返すことをさらに包含する、項目44に記載の方法。
(項目49)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記集団の他の細胞に比べて高レベルの産物を産生する細胞である、項目44又は48に記載の方法。
(項目50)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記集団の他の細胞に比べて低レベルの産物を産生する細胞である、項目44又は48に記載の方法。
(項目51)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記集団の他の細胞に比べて検出不可能なレベルの産物を産生する細胞である、項目44又は48に記載の方法。
(項目52)
前記複数の細胞における前記非選択細胞の実質的に全てが、実質的に致死的な線量の放射線を受容するまで、工程(e)の後に工程(b)から工程(d)を繰り返すことをさらに包含する、項目48に記載の方法。
(項目53)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記複数の他の細胞に比べて高レベルの産物を産生する細胞である、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記複数の他の細胞に比べて低レベルの産物を産生する細胞である、項目52に記載の方法。
(項目55)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記複数の他の細胞に比べて検出不可能なレベルの産物を産生する細胞である、項目52に記載の方法。
(項目56)
前記精製された1つ以上の選択された細胞を増殖させる工程をさらに包含する、項目44に記載の方法。
(項目57)
工程(a)から(d)が自動化されている、項目44に記載の方法。
(項目58)
前記フレームが視野の一部であり、該視野は、5mm超、10mm超、20mm超、40mm超、80mm超、及び160mm超の群より選択される面積を有している視野の一部である、項目44、48、又は52のいずれかに記載の方法。
(項目59)
前記1つ以上の選択された細胞が、該1つ以上の選択された細胞の近傍の前記捕獲マトリックスに局在化された産物の量に対応するシグナル値に関して同定される、項目44に記載の方法。
(項目60)
前記実質的に致死的な線量の放射線が、1つ以上の放射線パルスで、非ドメイン領域内に存在する各細胞に送達される、項目44に記載の方法。
(項目61)
前記実質的に致死的な線量の放射線が、0.1J/cm超、0.3J/cm超、1J/cm超、3J/cm超、10J/cm超、30J/cm超、及び100J/cm超の群より選択されるエネルギー密度を有している、項目44に記載の方法。
(項目62)
前記実質的に致死的な線量の放射線が、10W/cm超、10W/cm超、10W/cm超、1010W/cm超、及び1011W/cm超の群より選択される照射量を有している、項目44に記載の方法。
(項目63)
前記放射線が、200〜400nm、400〜760nm、及び760〜3000nmの群より選択される波長を有している電磁放射線を含む、項目44に記載の方法。
(項目64)
1つ以上の選択された細胞を精製するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)捕獲マトリックスの近位に固定化された複数の細胞と、産物に選択的に結合する因子とを接触させる工程であって、該捕獲マトリックスは、1つ以上の該細胞により分泌された該産物を局在化し得、該因子は、光の特性として検出可能なシグナルを発生し得る、工程;
(b)該細胞の集団に照明する工程であって、該集団はフレームに含まれる、工程;
(c)該フレームから方向付けられた少なくとも1つの光の特性を検出する工程であって、光の特性は、該捕獲マトリックスに局在化された産物を同定する、工程;
(d)(i)該検出された光の特性に関して1つ以上の選択された細胞、および(ii)該フレーム内の1つ以上のドメインであって、各ドメインは、少なくとも1つの選択された細胞により占められた領域に対応する、ドメインを位置決定する工程であって、該1つ以上のドメインは、該検出された光の特性に関して局在化される工程、ならびに
(e)該フレーム内に含まれる非ドメイン領域に照射する工程であって、該非ドメイン領域内に存在する各細胞は、実質的に致死的な線量の放射線を受容し、それによって、所望の産物分泌プロファイルを有している1つ以上の選択された細胞が精製される工程を包含する、方法。
(項目65)
前記産物が、ポリペプチド、抗体、抗体フラグメント、サイトカイン、増殖因子、酵素、ホルモン、神経伝達物質、シグナル伝達分子、及び治療用タンパク質より選択される、項目64に記載の方法。
(項目66)
前記捕獲マトリックスが、プロテインG、プロテインA、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、及び産物についてのリガンドより選択される物質を含む、項目64に記載の方法。
(項目67)
前記捕獲マトリックスがゲルを含む、項目64に記載の方法。
(項目68)
(f)前記細胞のさらなる集団に照明する工程であって、該さらなる集団はさらなるフレームに含まれる工程、および工程(c)から工程(e)を繰り返すことをさらに包含する、項目64に記載の方法。
(項目69)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記集団の他の細胞に比べて高レベルの産物を産生する細胞である、項目64又は68に記載の方法。
(項目70)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記集団の他の細胞に比べて低レベルの産物を産生する細胞である、項目64又は68に記載の方法。
(項目71)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記集団の他の細胞に比べて検出不可能なレベルの産物を産生する細胞である、項目64又は68に記載の方法。
(項目72)
前記複数の細胞における前記非選択細胞の実質的に全てが、実質的に致死的な線量の放射線を受容するまで、工程(f)の後に工程(c)から工程(e)を繰り返すことをさらに包含する、項目68に記載の方法。
(項目73)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記複数の他の細胞に比べて高レベルの産物を産生する細胞である、項目72に記載の方法。
(項目74)
前記1つ以上の選択された産物分泌細胞が、前記複数の他の細胞に比べて低レベルの産物を産生する細胞である、項目72に記載の方法。
(項目75)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記複数の他の細胞に比べて検出不可能なレベルの産物を産生する細胞である、項目72に記載の方法。
(項目76)
前記精製された1つ以上の選択された細胞を増殖させる工程をさらに包含する、項目64に記載の方法。
(項目77)
工程(b)〜(e)が自動化されている、項目64に記載の方法。
(項目78)
前記フレームが視野の一部であり、該視野は、5mm超、10mm超、20mm超、40mm超、80mm超、及び160mm超の群より選択される面積を有している、項目64、68、又は72のいずれかに記載の方法。
(項目79)
前記産物と選択的に結合する因子が、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、基質、及びリガンドより選択される、項目64に記載の方法。
(項目80)
前記1つ以上の選択された細胞が、前記1つ以上の選択された細胞の近傍の前記捕獲マトリックスに局在化された産物の量に対応するシグナル値に関して同定される、項目64に記載の方法。
(項目81)
前記実質的に致死的な線量の放射線が、1つ以上の放射線パルスで、非ドメイン領域内に存在する各細胞に送達される、項目64に記載の方法。
(項目82)
前記実質的に致死的な線量の放射線が、0.1J/cm超、0.3J/cm超、1J/cm超、3J/cm超、10J/cm超、30J/cm超、及び100J/cm超の群より選択されるエネルギー密度を有している、項目64に記載の方法。
(項目83)
前記実質的に致死的な線量の放射線が、10W/cm超、10W/cm超、10W/cm超、1010W/cm超、及び1011W/cm超の群より選択される照射量を有している、項目64に記載の方法。
(項目84)
前記放射線が、200〜400nm、400〜760nm、及び760〜3000nmの群より選択される波長を有している電磁放射線を含む、項目64に記載の方法。
図1は、固定化されたハイブリドーマ細胞(緑色)の近位の分泌された抗体(赤色)のインサイチュでの局在化及び検出を示す(A)。(1)高、(2)中、(3)低、及び(4)検出不可能の範囲の個々のハイブリドーマ細胞からの抗体分泌のレベルに基づく細胞の選択も示される。 図2は、分泌された抗体のインサイチュでの局在化及び検出、並びに選択された細胞により占められる領域に対応するドメインの位置決定を示す。 図3は、選択されて、精製された細胞の増殖を示す。 図4は、親ハイブリドーマ細胞株(親)、並びに産物分泌に基づき精製された細胞から入手された3つのクローン集団(クローン1、クローン2、及びクローン3)からの抗体分泌速度(pg/日)を示す。
(発明の詳細な説明)
本発明は、分泌された産物のインサイチュでの捕獲及び検出、並びに実質的に致死的な線量の放射線による処理を介した不要な細胞の排除に基づく、所望の産物分泌プロファイルを有している細胞を精製するための方法に関するものである。本発明の方法は、例えば、高レベル、中レベル、もしくは低レベルに産物を分泌する1つ以上の細胞を精製するため、又は検出可能な産物の分泌を欠く1つ以上の細胞を精製するために、使用され得る。
1つの実施形態において、1つ以上の細胞を精製するための方法は、いくつかのメンバーが1つ以上の特定の産物を分泌すると予想される集団の細胞の中から細胞を選択すること、及び実質的に致死的な線量の放射線による排除のため残りの細胞を個々にターゲティングする工程を包含する。この方法を実施するためには、固定化された細胞の集団の各分泌細胞の近傍に分泌された産物を局在化するため、捕獲マトリックスが使用される。そのため、捕獲マトリックスの近位の各細胞は、周囲の捕獲された産物の存在により特徴付けられ得る。細胞の近傍の分泌された産物の存在を決定するためには、産物に選択的に結合する因子が捕獲マトリックスと接触させられ、その因子により発生されたシグナルが検出される。発生されたシグナルは、分泌された産物に対応する光の特性である。光の別の特性は、集団の実質的に全ての細胞を同定するために使用される。
細胞が固定化されており、細胞により分泌された産物が捕獲マトリックスにより分泌細胞の近傍に保持されるため、分泌された産物に対応する光の特性は、一般的に、分泌細胞を囲む円又はハローとして認められる。次いで、産物分泌細胞が、所望の産物分泌の量に依って選択される;代替として、検出可能な量の産物分泌を欠く細胞が選択され得る。一旦、所望の細胞が選択されると、集団の非選択細胞に、実質的に致死的な線量の放射線が照射される。不要な細胞を排除することにより、1つ以上の所望の細胞が精製される。この手順は、画像内に捕獲された試料の一部であるフレームに含まれている細胞の集団に対して実施される。この手順は、例えば、全てのフレームが処理され、全ての不要な細胞が実質的に致死的な線量の放射線により処理されるまで、さらなるフレームに含まれているさらなる細胞の集団について繰り返され得る。残存している1つ以上の細胞は、所望の産物分泌プロファイルを有している、選択された細胞を表す。さらに、所望の場合、そのような残存している選択された細胞を増殖させることができる。
別の実施形態において、1つ以上の細胞を精製するための方法は、不要な細胞の位置を特に知ることなく、所望の細胞を精製する工程を包含する。この方法においては、選択された細胞が、捕獲された産物に対応する検出された光の特性に関して位置決定され、少なくとも1つの選択された細胞により占められた領域に対応する1つ以上のドメインが決定される。非ドメイン領域に存在している不要な細胞が、実質的に致死的な線量の放射線により処理され、それにより、排除される。
本発明の方法を使用すれば、細胞が、産物の分泌のレベル又は速度に基づき精製され得る。例えば、集団の他の細胞と比べて高いレベル又は速度の産物の分泌を有している1つ以上の細胞を入手することが望まれる場合には、選択された高分泌細胞以外の細胞が排除され得る。代替として、本発明の方法は、例えば、集団の他の細胞と比べて中程度のレベル又は速度の産物の分泌を有している1つ以上の細胞を入手するため;集団の他の細胞と比べて低いレベル又は速度の産物の分泌を有している1つ以上の細胞を入手するため、そして集団の他の細胞と比べて最少又は検出不可能なレベルもしくは速度の産物の分泌を有している1つ以上の細胞を入手するため、使用され得る。さらに、細胞は、細胞により分泌された複数の産物の分泌のレベル又は速度に基づき精製され得、さらに、細胞により分泌された2つ以上の産物の分泌のレベル又は速度の比率に基づき精製され得る。
本発明の方法を使用して処理される特定の試料から精製される細胞の数は、この方法の適用に依存する。例えば、細胞のクローン集団が望まれる場合、本発明の方法は、1個の選択された細胞以外の全てを排除するために使用され得る。次いで、クローン集団を入手するため、選択された細胞が増殖させられ得る。代替として、この方法は、2個以上の細胞を精製するために使用され得る。
本発明の方法は、例えば、初代細胞のような低いクローニング効率を有している1つ以上の細胞を精製するために使用され得る。一例として、所望の細胞を選択し得、次いで、10個、20個、50個、又はそれ以上のその他の細胞以外の全てを排除することができる。一時的に保存された細胞は、所望の細胞のための培地条件付けを提供するヘルパー細胞として機能するため、所望の細胞の近く又は遠くに置かれ得る。所望の細胞が増殖し、それ自体で持続され得るクローン集団を作出した場合、ヘルパー細胞及びそれらの子孫は、後でウェルから排除され得る。
本明細書において使用されるように、「産物」という用語は、細胞から離れて存在することができ、従って、捕獲マトリックスに局在化され得るような、細胞により産生され、原形質膜から放出された物質を意味する。本発明の方法において使用される細胞により分泌される産物には、例えば、非ポリペプチド化合物又はポリペプチドが含まれ得る。非ポリペプチド化合物の非制限的な例には、ホルモン、シグナル伝達分子、又は神経伝達物質のようなイオン及び有機分子が含まれる。ポリペプチドの非制限的な例には、抗体又はその断片;サイトカイン、増殖因子、ホルモン、又は神経伝達物質のようなシグナル伝達分子として機能するポリペプチド、及び酵素が含まれる。従って、本発明の方法は、治療用タンパク質のような多様な有用ポリペプチドのうちの1つ以上を分泌する細胞を精製するために使用され得る。本明細書において使用されるように、「抗体」という用語には、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の両方が含まれ、さらに、そのような抗体の抗原結合断片(例えば、Fab断片、F(ab’)2断片、Fd断片、及びFv断片等)も含まれる。さらに、「抗体」という用語には、例えば、単鎖抗体、キメラ抗体、二機能性抗体、CDRグラフト抗体、及びヒト化抗体を含む、天然には存在しない抗体、並びにそれらの抗原結合断片も包含されるものとする。
本発明の方法において使用される細胞により分泌される産物は、光の特性を与えることができるか、又は光の特性を与える因子によって結合されることができる。光の特性を与える産物は、天然に存在する発光性もしくは蛍光性の分子のような天然に存在するものであってもよいし、又は組換えにより発現された発光性もしくは蛍光性のタンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、GFPバリアント、発光性もしくは蛍光性の部分を含有している融合タンパク質)のような遺伝学的に操作されたものであってもよい。
本明細書において使用されるように、「産物分泌プロファイル」という用語は、細胞により分泌された1つ以上の産物のレベル又は量を意味する。細胞により分泌された産物の量は、一般的に、フレーム内の集団の他の細胞と比べて、又は母集団の他の細胞と比べて、査定される。細胞により分泌された産物の量は、方法の特定の適用にとって望まれる感度に依って、定性的又は定量的に決定され得る。産物分泌プロファイルとは、1つの産物の分泌の量をさすこともできるし、1つより多くの産物、例えば、2つ以上の産物、3つ以上の産物、及び4つ以上の産物のような複数の産物の分泌の量をさすこともできる。複数の産物についての産物分泌プロファイルの例示的な表現は、2つ以上の異なる産物の量を表す比率である。下記のように、細胞により分泌された産物の量には、検出不可能な産物のレベルが含まれ得る。
本発明の方法において使用される「細胞」は、原核生物細胞及び真核細胞を含む任意の生物学的な細胞であり得、天然に存在するものであってもよいし、又は遺伝学的に操作された細胞であってもよい。例示的な細胞型には、ヒト、非ヒト霊長類、ラット及びマウスに由来する細胞のような動物細胞;植物細胞;酵母細胞;昆虫細胞、及び細菌細胞が含まれる。天然に存在する細胞は、生物から入手され得、所望により、本発明の方法において使用する前に組織培養に順応させられ得る。遺伝学的に操作された細胞は、例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York(1992)及びAnsubelら、Current Protocols in Molecular Biology.John Wiley and Sons,Baltimore,MD(1998)のような標準的な分子生物学技術マニュアルに記載された、常法の実験法を使用して調製され得る。組換えによりタンパク質を発現させるために一般的に使用される細胞の例には、COS、CHO、HeLa、NIH3T3、HEK293−T、及びPC12のような細胞株;昆虫細胞(例えば、ショウジョウバエ(Drosophila));酵母細胞(例えば、S.セレビシエ(cerevisiae)、S.ポンベ(pombe)、及びピキア・パストリス(Pichia pastoris))、並びに原核細胞(例えば、大腸菌(E.coli))が含まれる。
1つ以上の細胞を精製するための本発明の方法は、捕獲マトリックスの近位に固定化された細胞の使用を含む。本明細書において使用されるように、「捕獲マトリックス」という用語は、分泌細胞の近傍に分泌された産物を隔離し得るか又は産物に結合し得る物質を意味する。捕獲マトリックスは、スライド、プレート、ウェル、チューブ、容器、アレイ、粒子、及び細胞を含有し得る表面又は三次元空間を提供するその他の配置の物体を含み得る、多様な表面にコーティングされ得るか、付着させられ得るか、又はそうでなければ存在し得る。
捕獲マトリックスは、産物に選択的に結合するか又は産物を非選択的に隔離することにより、細胞により分泌された産物を局在化し得る。産物は、例えば、「マトリックス」に連結されているか又は会合している、産物を「捕獲する」特異的結合パートナーと相互作用することにより、選択的に結合され得る。産物は、例えば、マトリックスに連結されているか又は会合している非特異的結合パートナーとの相互作用、及びマトリックスによる分泌細胞の近傍への物理学的封じ込めにより、非選択的に隔離され得る。
本発明において有用な捕獲マトリックスには、例えば、ゲル、樹脂、充填ビーズ、膜等を含む多様な静止物質が含まれ得る。捕獲マトリックスには多様な材料が含まれ得、そのような材料の非制限的な例は、光学ガラス、シリカ、アガロース、寒天、ゼラチン、メチルセルロース、並びにポリアクリルアミド、ポリスチレン、及びナイロンのようなポリマーである。静止物質は、所望により、細胞の近傍において分泌された産物の隔離を可能にする孔サイズを有するよう選択され得る。また、静止物質は、1つ以上の産物結合パートナー及び/又は細胞結合パートナーの連結を可能にする反応性表面を有するよう選択され得る。静止物質は、さらに、マトリックスへの結合パートナーの包埋又は浸透を可能にするよう選択され得る。
静止物質は、場合により、産物と相互作用するが無関係な分子とは実質的に相互作用しない任意の分子であり得る、分泌された産物に対する特異的結合パートナー、又は産物と相互作用する任意の分子であり得る、分泌された産物に対する非特異的結合パートナーと連結され得る。産物及び対応する特異的結合パートナーの非制限的な例は、抗体と抗原であり;産物及び対応する非特異的結合パートナーの非制限的な例は、抗体とプロテインA又はプロテインGである。従って、捕獲マトリックスに含有され得る、分泌された産物に対する例示的な結合パートナーには、抗体又は抗体断片、アプタマーのような産物と結合する核酸分子、リガンド、その産物に対する受容体又は基質、プロテインA、プロテインG、プロテインA及びGの混合物等が含まれる。静止物質は、さらに、細胞と結合する分子に連結されてもよい。細胞と結合する分子は、選択的に結合するものであってもよいし、又は非選択的に結合するものであってもよい。細胞との結合に有用な分子の非制限的な例には、抗体、及びポリリジン、フィブロネクチン、コラーゲン等のような細胞表面受容体に対する基質が含まれる。
本明細書において使用されるように、「の近位に固定化された」という語句は、捕獲マトリックスに対する細胞の位置に関して使用された場合、固定化された細胞により分泌される検出可能な量の産物が細胞の近傍に残存するよう、細胞が、捕獲マトリックス上に位置しているか、捕獲マトリックス内に位置しているか、又は捕獲マトリックスと密接に会合していることを意味する。細胞は、例えば、非特異的な捕獲マトリックスへの付着、及び特異的な捕獲マトリックスの1つ以上の成分との結合により、捕獲マトリックスの近位に固定化され得る。所望により、細胞は、捕獲マトリックスの成分と結合するか、又はそのような分子により標識され得る分子を発現するよう遺伝学的に操作され得る。例えば、ビオチン化された細胞は、捕獲マトリックス内又は捕獲マトリックス上に含有されているアビジン分子と高い親和性で結合するであろう。
本発明の方法は、分泌された産物と選択的に結合する因子を利用することができる。本明細書において使用されるように、「選択的」という用語は、分泌された産物と結合する因子に関して使用された場合、因子が、その他の分子と実質的に交差反応することなく、産物と結合することを意味する。分泌された産物と選択的に結合する因子の親和性は、一般的には約10−5Mより大きく、より好ましくは約10−6Mより大きいであろう。高親和性の相互作用が好まくあり得、一般的には約10−8M〜10−9Mより大きい。分泌された産物と選択的に結合し得る因子の例には、抗体もしくはその断片、低分子有機化合物、ペプチド、核酸分子、もしくはタンパク質−核酸分子、又は無関係な分子との実質的な交差反応性なしに分泌された産物と結合することが決定されたそれらの誘導体が含まれる。分泌された産物と選択的に結合する因子の非制限的な具体例には、産物に対して選択的なポリクローナル抗体、産物に対して選択的なモノクローナル抗体、産物に対して選択的なタンパク質−核酸分子、産物に対して選択的なアプタマーのようなオリゴヌクレオチド;産物に対する基質、及び産物のリガンドが含まれる。
本発明の方法において、産物と選択的に結合する因子は、光の特性として検出可能なシグナルを発生することができる。そのようなシグナルは、例えば、その因子に内在しているか、その因子に共有結合もしくは非共有結合しているか、又はその因子内もしくはその因子上に含有されている部分の、特定の波長の光、蛍光寿命、蛍光偏光、蛍光吸収、蛍光放射、又はFRETであり得る。例示的な蛍光部分及び発色部分には、アレクサフルオアダイ(AlexaFluor Dyes)、ボディピー(BODIPY)フルオロフォア、フルオレセイン、オレゴングリーン(Oregon Green)、エオシン及びエリスロシン、ローダミングリーン(Rhodamine Green)、テトラメチルローダミン、リサミンローダミン(Lissamine Rhodamine)B及びローダミンレッド−X色素(Rhodamine Red−X Dyes)、カスケードブルー(Cascade Blue)色素、クマリン誘導体、並びにダンシルクロリドを含むナフタレン類が含まれる。
1つの実施形態において、光の特性は、集団の実質的に全ての細胞を同定するために使用される。細胞の同定に関して本明細書において使用されるように、「実質的に全ての細胞」という用語は、利用された光学系の限度内で検出される集団のあらゆる細胞を意味する。従って、フレーム又は視野の端のような特定の位置にある細胞、又は特徴的でなく平らもしくは小さい細胞のような、使用される細胞型に特徴的でない形を有している細胞は、検出不可能であるかもしれないことが理解される。
集団の実質的に全ての細胞に関連した光の特性は、明視野型又は暗視野型の光学顕微鏡検透過(light microscopy transmission)のような、細胞自体により、細胞の成分により、又は細胞に結合する試薬により与えられ得る。光の特性を与える細胞の成分は、天然に存在する発光分子もしくは蛍光分子のような、天然に存在するものであってもよいし、又は組換えにより発現された発光タンパク質もしくは蛍光タンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)もしくはGFPバリアント)のような、遺伝学的に操作されたものであってもよい。細胞に結合し、光の特性を発生する多様な試薬が、当技術分野において周知であり、例えば、標識された抗体;有機分子;小胞;単層及び多層のアセンブリー;量子ドット、及び光の特性を発生する色素が組み込まれたその他の微視的粒子を含む。光の特性を発生する例示的な試薬には、セルトラッカー(CELL TRACKER)ブルー、セルトラッカーイエロー−グリーン、セルトラッカーオレンジ、セルトラッカーグリーン、カルセイン(Calcein)AM(Molecular Probes,Eugene,Oregon)、PKHフルオレセントリンカー色素(fluorescent linker dye)(Sigma)、及びQドットナノクリスタル(Qdot nanocrystal)(Quantum Dot Corporation)が含まれる。集団の実質的に全ての細胞に関連した光の特性は、例えば、細胞表面もしくはその一部、細胞質もしくはその一部、又は核のような細胞小器官に対応することができる。所望により、試薬は、例えば、生細胞と死細胞とを区別することにより、集団の細胞の生存率を査定するために使用され得る。非生存細胞を同定するのに有用な試薬は、当業者に周知であり、例えば、シトックスブルー(SYTOX Blue)(Molecular Probes,Eugene,Oregon)を含む。
本発明の方法は、実質的に致死的な線量の放射線により不要な細胞を処理することを含む。本明細書において使用されるように、「実質的に致死的な」という用語は、放射線量に関して使用された場合、細胞が受容した放射線の量が、細胞死が起こる程度の傷害を細胞に与えるのに十分であることを意味する。細胞死の過程は、処理の後、即座に起こるかもしれないし、又は処理から数分後、数時間後、もしくは数日後に起り得る;死が起こるまでの有用な期間の長さは、特定の適用の必要性に依る。特に弾力のある細胞は、特定の細胞型の死を引き起こすのに有効な線量の放射線を受容した後に生存可能であり続け得ることが理解される。実質的に致死的な線量の放射線は、処理された細胞の98%、処理された細胞の99%、及び処理された細胞の100%を含む、処理された細胞の少なくとも97%の死を引き起こし得る。
1つ以上の細胞を精製するための本発明の方法の利点は、化学的な選択を使用する必要も、精製の間に選択された細胞を剥離し異なる容器に移す必要もなしに、1つ以上の細胞が産物分泌プロファイルに基づき選択され精製され得るという点である。選択された細胞を精製するのに有用な方法の一般的な概要は、以下の通りである。細胞が、マルチウェルプレートのような試料容器の上又は中に存在する捕獲マトリックスに播種され、タンパク質産物を分泌させられる。タンパク質産物が分泌された場合、それは、捕獲マトリックスに結合するか、又は捕獲マトリックスによって局在化される。次いで、分泌された産物が、その産物に関連した光の特性又は産物に結合した因子に関連した光の特性に基づき検出される。そのため、産物検出の過程は、バックグラウンドを超えた許容されるシグナルを入手するため、分泌された産物を、産物に選択的に結合する因子と接触させ、必要であれば、試料から過剰の試薬を除去することを含み得る。次いで、所望の産物分泌プロファイルを有する細胞が、光の特性に対応するシグナルに基づき選択される。所望の細胞が選択された後は、残りの細胞が排除される。不要な細胞の排除は、個々に又はひとまとめに実質的に致死的な照射を細胞に与えることにより実施され得る。選択された細胞は、精製された後、数日間増殖させられる。必要であれば、放射線処理後に生存している非選択細胞が、実質的に致死的な照射を繰り返すことにより除去され得る。次いで、選択された細胞の増殖に起因するコロニーが、培養皿に移され、産物分泌が確認される。このようにして、望ましい産物分泌プロファイルを有する細胞のクローン集団が入手され得る。
本発明の方法は、望ましくない産物の検出可能な分泌を欠く1つ以上の細胞を精製するために使用され得る。そのような細胞を精製するのに有用な方法の一般的な概要は、以下の通りである。細胞が、マルチウェルプレートのような試料容器の上又は中に存在する捕獲マトリックスに播種され、産物を分泌させられる。集団の全ての細胞が、全ての細胞に関連した第1の光の特性に基づき同定され、分泌された産物が、その産物又はその産物に結合した因子に関連した第2の光の特性に基づき検出される。次いで、産物の検出可能な分泌を欠く細胞が、検出不可能な分泌された産物に対応するシグナルを有している細胞を同定することにより選択される。所望の非分泌細胞が選択された後は、残りの細胞が排除される。不要な細胞の排除は、個々に又はひとまとめに実質的に致死的な照射を細胞に与えることにより実施され得る。選択された非分泌細胞は、精製された後、数日間増殖させられ得る。必要であれば、放射線処理後に生存している非選択細胞が、実質的に致死的な照射を繰り返すことにより除され得る。次いで、選択された細胞の増殖に起因するコロニーが、培養皿に移され、産物分泌の欠如が確認される。このようにして、産物の検出可能な分泌を欠く細胞のクローン集団が入手され得る。
一つの実施形態において、1つ以上の細胞を精製するための方法は、(a)細胞のうちの1つ以上により分泌された産物を局在化し得る捕獲マトリックスの近位に固定化された細胞の母集団を、光の特性として検出可能なシグナルを発生することができる、産物と選択的に結合する因子と接触させる工程;(b)フレームに含有されている細胞の集団に照明する工程;(c)フレームから指示された2つ以上の光の特性を検出する工程(ここで、第1の光の特性は集団の実質的に全ての細胞を同定し、かつ第2の光の特性は捕獲マトリックスに局在化された産物を同定する);(d)(i)集団の実質的に全ての細胞を、検出された第1の光の特性に関して位置決定し、かつ(ii)1つ以上の選択された細胞を、検出された第2の光の特性に関して位置決定する工程、及び(e)各非選択細胞が実質的に致死的な線量の放射線を受容するよう、非選択細胞に照射し、それにより所望の産物分泌プロファイルを有している1つ以上の選択された細胞が精製される工程、を包含する。その方法は、さらに、(f)さらなるフレームに含有されているさらなる細胞の集団に照明する工程、及び工程(c)〜(e)を繰り返す工程を含んでいてもよい。
もう一つの実施形態において、その方法は、(a)フレーム内の細胞の集団に照明する工程(ここで、照明される細胞は、細胞のうちの1つ以上により分泌された産物を局在化し得る捕獲マトリックスの近位に固定化された複数の細胞に含有されている);(b)フレームから指示された2つ以上の光の特性を検出する工程(ここで、第1の光の特性は集団の実質的に全ての細胞を同定し、かつ第2の光の特性は捕獲マトリックスに局在化された産物を同定する);(c)(i)集団の実質的に全ての細胞を、検出された第1の光の特性に関して位置決定し、かつ(ii)1つ以上の選択された細胞を、検出された第2の光の特性に関して位置決定すること、及び(d)各非選択細胞が実質的に致死的な線量の放射線を受容するよう、非選択細胞に照射し、それにより所望の産物分泌プロファイルを有している1つ以上の選択された細胞が精製される工程、を包含する。
本発明は、1つ以上の細胞を精製するためのさらなる方法を提供する。その方法は、(a)フレーム内の細胞の集団に照明する工程(ここで、照明される細胞は、細胞のうちの1つ以上により分泌された産物を局在化し得る捕獲マトリックスの近位に固定化された複数の細胞に含有されている);(b)フレームから指示された少なくとも1つの光の特性を検出する工程(ここで、光の特性は捕獲マトリックスに局在化された産物を同定する);(c)(i)1つ以上の選択された細胞を、検出された光の特性に関して位置決定し、かつ(ii)フレーム内の1つ以上のドメイン(各ドメインは、少なくとも1つの選択された細胞により占められた領域に対応する)を、検出された光の特性に関して位置決定する工程、及び(d)非ドメイン領域内に存在する実質的に全ての細胞が実質的に致死的な線量の放射線を受容するよう、フレーム内に含有されている非ドメイン領域に照射し、それにより所望の産物分泌プロファイルを有している1つ以上の選択された細胞が精製される工程、を包含する。その方法は、さらに、(e)さらなるフレームに含有されているさらなる細胞の集団に照明する工程、及び工程(b)〜(d)を繰り返す工程を含んでいてもよい。
本発明により提供される1つ以上の細胞を精製するためのさらなる方法は、(a)細胞のうちの1つ以上により分泌された産物を局在化し得る捕獲マトリックスの近位に固定化された細胞の母集団を、光の特性として検出可能なシグナルを発生することができる、産物と選択的に結合する因子と接触させる工程;(b)フレームに含有されている細胞の集団に照明する工程;(c)フレームから指示された少なくとも1つの光の特性を検出する工程(ここで、光の特性は捕獲マトリックスに局在化された産物を同定する);(d)(i)1つ以上の選択された細胞を、検出された光の特性に関して位置決定し、かつ(ii)フレーム内の1つ以上のドメイン(各ドメインは、少なくとも1つの選択された細胞により占められた領域に対応する)を、検出された光の特性に関して位置決定する工程、及び(e)非ドメイン領域内に存在する各細胞が実質的に致死的な線量の放射線を受容するよう、フレーム内に含有されている非ドメイン領域に照射し、それにより所望の産物分泌プロファイルを有している1つ以上の選択された細胞が精製される工程、を包含する。その方法は、さらに、(f)さらなるフレームに含有されているさらなる細胞の集団に照明する工程、及び工程(c)〜(e)を繰り返す工程を含んでいてもよい。
1つ以上の選択された細胞を精製するための本発明の方法は、さらなるフレームに含有されているさらなる細胞の集団に照明すること、並びに検出、位置決定、及び照射の工程を繰り返すことをさらに含んでいてもよい。この順序は、複数の細胞の中の非選択細胞の実質的に全てが実質的に致死的な線量の放射線を受容するまで、所望により、繰り返され得る。このようにして、単一の選択された細胞が精製され得る。別法として、細胞の群が精製されてもよい。精製された1つ以上の選択された細胞は、1個の選択された細胞の場合にはクローン細胞集団を得るため、又は複数の選択された細胞の場合には混合細胞集団を入手するため、増殖させられ得る。
1つ以上の選択された細胞を精製するための本発明の方法において、1つ以上の細胞は、所望の産物の分泌;望まれない産物の分泌の欠如;産物の分泌のレベルもしくは速度;又は複数の産物の分泌に基づき選択され得る。従って、一実施形態において、本発明の方法を実施して選択された1つ以上の細胞は、捕獲マトリックスに局在化された産物の量に対応するシグナル値に関して同定され得る。シグナル値は、捕獲された分泌された産物の領域と一致する領域について決定され得る。そのため、シグナル値を発する領域は、分泌された産物に対応する光の特性に基づき決定され得る。シグナル値を発する領域から発散される光の特性の強度は、下記のものを含む多様な周知の方法を使用して査定され得る。面積及び強度の積分値の測定を使用して、分泌された産物のレベルの定性的又は定量的な測定が、各細胞についてなされ得る。所望のレベルの産物を分泌する細胞を選択するため、細胞により分泌された産物の量に対応するシグナル値が、フレーム内の集団の細胞又は処理される複数の細胞についてのシグナル値と比較され得る。
捕獲された産物のレベルに対応するシグナル値は、例えば、(a)捕獲された産物の領域の内側の境界を決定するため細胞に対応する光の特性を検出することにより、細胞の境界を同定する工程、(b)例えば、細胞の境界より2〜4ピクセル内側の輪郭を決定することにより、細胞の境界を精密化する工程、そして(c)捕獲された産物に対応する光の特性に基づき、又は固定されたピクセル数だけ細胞の境界から外側へ移動することにより、捕獲された産物の領域の外側の境界を決定する工程により、査定され得る。侵食(erode)アルゴリズム及びディジタルの拡張(dilation)の後、捕獲された細胞産物の領域が特徴決定され得る。
所望により、特定の細胞により分泌される可能性のある2つ以上の異なる捕獲された産物のレベルに対応する2つ以上のシグナル値が査定されてもよい。方法のこの適用は、高レベル、中間レベル、又は低レベルの産物分泌、及び検出可能な産物分泌の欠如のような、2つ以上の産物の所望の分泌特徴を有している1つ以上の細胞を精製するために使用され得る。例えば、1つ以上の細胞は、2つ以上の産物の高レベルの分泌;1つの産物の高レベルの分泌及びもう一つのものの低レベルの分泌;1つの産物の高レベルの分泌、かつ別のものの検出可能な分泌なし、並びにその他の分泌レベルの順列を有しているよう選択され得る。所望の分泌特徴は、細胞の特定の使用に依るであろう。例えば、本発明の方法は、酵素のサブユニットである2つのポリペプチドを高レベルに分泌するか、又は類似したレベルの分泌を有している1つ以上の細胞、又は高レベルのサイトカインを分泌し、かつサイトカインを分解するプロテアーゼの検出可能な分泌を有していない1つ以上の細胞を入手するために使用され得る。
1つ以上の選択された細胞を精製するための本発明の方法は、細胞の集団を照明する工程を含み得る。細胞は、レーザー及びアーク灯を含む光エネルギーを提供することができる任意の起源により「照明」され得る。フィルタを有する、又はフィルタのないアーク灯(例えば、水銀、キセノンなど)、発光ダイオード(LED)、レーザー等を含む(これらに制限はされない)、多くのデバイスが、標本を照明するためにこのようにして使用され得ることは一般に既知である。照明起源として使用されるレーザーは、例えば、高い強度、比較的効率的なエネルギーの使用、コンパクトなサイズ、及び最小限の発熱を有しているよう選択され得る。光エネルギーは、可視光、紫外光、及び赤外光のような任意の波長のものであり得る。次いで、光は、ミラー、レンズ、及びビーム−スプリッタのような任意の従来の手段によって細胞の集団へと差し向けられ得る。
照明により、細胞は「フレーム」内に観察され得る。本明細書において使用されるように、「フレーム」という用語は、本発明の方法において照明される細胞に関して使用された場合、複数の細胞のうちの、カメラにより取り込まれた1つのフレーム画像内に取り込まれた部分を意味する。フレームは、本発明の方法を実施するのに有用な装置のレンズを通して可視である領域である視野に含有され得る。特に有用なフレームは、1mm超の面積、例えば2mm超の面積、4mm超の面積、8mm超の面積、16mm超の面積、及び32mm超の面積、を有しているかもしれない。特に有用な視野は、5mm超の面積、例えば10mm超の面積、20mm超の面積、40mm超の面積、80mm超の面積、及び160mm超の面積、を有しているかもしれない。
フレームが照明されると、次いで、1つ以上の光の特性がフレームから検出され得る。検出可能な光の特性の非制限的な例には、可視、紫外、及び赤外の波長を有している光;透過率の強度、反射率の強度、及び蛍光の強度;直線偏光及び回転偏光、並びに位相差照明が含まれる。これらの特性は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,642,018号に記載されたものを含む当業者に既知の従来の光学デバイスによって検出され得る。
本発明の方法は、複数の光の特性を連続的に又は同時に検出する工程を含み得る。一実施形態において、2つの別個の検出された光の特性は、分泌された産物及び細胞に対応する。従って、光の検出された特性を発生する部分は、同時の検出が可能であるよう選択され得る。当業者は、例えば、所望の放射特性、吸収特性、及び疎水特性/親水特性、部分の光安定性(photostability)及び量子収量に基づく、検出可能な光の特性を発生する適切な部分を選択する方法を承知している。複数の検出可能な部分が使用される場合、選択された部分は、類似した又はオーバラップする励起スペクトルを有し得るが、部分がスペクトル的に別個であるよう、異なる放射スペクトルを有し得る。2個以上の部分間の区別が視覚的な検査により達成される場合、これら2個以上の部分は、一般的に、視覚的な識別を増強するために知覚可能な異なる色の放射波長を有している。2個以上の部分間の区別が機器により達成される場合、それぞれの放射極大が独立に検出されることを可能にする多様なフィルター及び回析格子が市販されている。放射極大の比較的小さな差を保有する2個以上の部分が選択された場合、機器による識別は、2個以上の部分の放射スペクトルが類似した振幅積分値及び類似した放射ピーク幅を有していること、並びに機器システムの光学的処理能力がそれぞれの2つの色素の放射ピーク幅にわたって均等であることを保証することにより、増強され得る。検出可能な部分の有用な組み合わせの例には、(細胞を染色するために使用される)セルトラッカーグリーンと(分泌された産物を検出するために使用される)アレクサフルオア532又はフィコエリトリン、及び(細胞を染色するために使用される)セルトラッカーオレンジと(分泌された産物を検出するために使用される)オレゴングリーン又はアレクサフルオア488が含まれる。
1つ以上の選択された細胞を精製するための本発明の方法は、実質的に致死的な線量の放射線を非選択細胞に照射することを含む。処理レーザーからのエネルギービームは、標的細胞の即死又は最終的な死を達成するのに有用な波長及びエネルギーのものである。組織の性質(例えば、光吸収)、並びに波長及び出力密度(後者はエネルギー及び曝露時間(すなわち、パルス持続時間)の関数である)を含むレーザービームのパラメーターに依って、多様なレーザー−組織相互作用が起こることが既知である。光機械的(Photomechanical)メカニズムは、短いレーザーパルス(<1ns)で高い出力密度(>1010W/cm)により誘導される(Niemz,M.H.,Laser−tissue interactions:Fundamentals and applications Berlin:Springer−Verlag(1996))。光機械的効果は、熱傷害なしに高エネルギー光子による分子結合の破壊及び電離プラズマの形成により媒介され、角膜手術及び歯科手術のような医学的適用において使用されている。対照的に、光熱的(photothermal)効果は、組織が、発熱をもたらす高度の光吸収を示す場合に誘導される。生物学的組織による光吸収は、水による吸収のため、赤外(IR)スペクトルにおいて最も大きい。UVスペクトル及び可視スペクトルにおける吸収は、中赤外(mid−IR)レーザー(例えば、2940nmにおけるEr:YAG)を使用しなければ光熱的効果が達成されるのが困難であるような、IRより5〜7桁低い振幅である。そのようなIRレーザーは、レーザーにより誘導された間質温熱療法を含む医学的適用において使用されているが、顕微鏡レンズによる透過が不十分であること、及び小さなビーム直径へと集束し得ないことから、顕微鏡的な適用に十分には適していない。その代りに、光熱的効果は、レーザー波長における吸収を増加させるため発色団を追加することにより達成され得る。いずれにせよ、光熱的効果は、組織において達成された温度及び曝露の持続時間により決定される(Niemz,M.H.,Laser−tissue interactions:Fundamentals and applications Berlin:Springer−Verlag(1996))。60℃で、タンパク質の変性及び凝集による壊死の誘導が先ず観察され、80℃へのさらなる加熱が、細胞膜の透過性化をもたらす。最後に、生物学的分子(すなわち、タンパク質、核酸、ポルフィリン)が強く吸収するUVスペクトルにおいて主として観察される光化学的効果は、様々な型の組織傷害をもたらし、標的細胞のアポトーシスを誘導するために使用され得る。
光熱的メカニズムは、非毒性の光を吸収する色素(アルラレッド(Allura Red))の添加によって実行され得る。10nsパルスの523nm Nd:YLFレーザー(Spectra−Physics)が、およそ5〜20μm直径のスポットに集束させられ、次いで、各非選択細胞へと発射される。4mg/mlのアルラレッドを使用した場合、LD50は9×10W/cmであり、2×10W/cm以上の出力密度で、実質的に全ての標的細胞が死滅した。光化学的な細胞排除は、およそ5〜20μm直径のスポットに集束した355nmの0.5nsパルスのレーザー(JDS Uniphase)により実行され得る。LD50は、2.6×10W/cmであり、主に4〜24時間にわたるアポトーシスの誘導を介して、≧1010W/cmで、実質的に全ての標的細胞が死滅した。光機械的な細胞排除のため、532nmレーザー(JDS Uniphase)の短いパルス(0.5ns)を、直径およそ5〜20μmに集束させた。LD50は2.2×1010W/cmであり、出力密度≧8×1010W/cmにおいて、実質的に全ての標的細胞が排除され、即座の細胞溶解をもたらした。
1つ以上の選択された細胞を精製するための本発明の方法において特に有用であるのは、0.1J/cm超、0.3J/cm超、1J/cm超、3J/cm超、10J/cm超、30J/cm超、及び100J/cm超の群より選択されるエネルギー密度を有している線量の放射線を送達し得るレーザーである。10W/cm超、10W/cm超、10W/cm超、1010W/cm超、及び1011W/cm超の群より選択される照射量を有している線量の放射線を送達し得るレーザーも、有用であり;本明細書において使用されるように、照射量という用語は、面積当たりの力を意味し、しばしば1平方センチメートル当たりのワット数の単位で表される。さらに有用であるのは、200〜400nm、400〜760nm、及び760〜3000nmの群より選択される波長を有している放射線を送達するレーザーである。
実質的に致死的な線量の放射線は、単一の短い放射線のパルス、複数の短い放射線のパルス、及び長い持続時間を有している単一の放射線のパルスを含む(これらに限定はされない)多様なモードで細胞に送達され得る。短い放射線のパルスは、1秒未満、1ミリ秒未満、1マイクロ秒未満、1ナノ秒未満、1ピコ秒未満、及び1フェムト秒未満の持続時間を有しているかもしれない。ここで、1秒超の持続時間を有しているパルスは、長い持続時間を有していると見なされる。
当業者は、本発明の方法において、上記以外のメカニズムが細胞を排除するために使用され得ることを認識するであろう。例えば、細胞の死は、光線力学的(photodynamic)療法(PDT)において一般的に使用されているような、細胞における毒素の放出又は活性化をもたらす照射によって誘導され得る。特に、エネルギービームを介した光化学反応及び化合物の解放は、非選択細胞を排除するための毒素の放出を制御するために使用され得る。
1つ以上の選択された細胞を精製するための本発明の方法の2つ以上の工程が、例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,642,018号に記載されたようにして自動化され得る。
1つ以上の選択された細胞を精製するための本発明の方法は、1回以上の再処理工程を含み得る。例えば、非選択細胞の照射の後に、望まれない細胞が残存している場合、細胞の集団が再処理され得る。
本発明の様々な実施形態の活性に実質的に影響しない改変も、本明細書に提供された本発明の定義に含まれることが理解される。従って、以下の実施例は、本発明を例示するものであって、制限するものではない。
(実施例I)
(2つの光の特性の検出に基づく個々の細胞産物分泌の検出)
この実施例は、実質的に全ての細胞の同定を含む、捕獲マトリックスの近位に固定化された個々のハイブリドーマ細胞により分泌された抗体の捕獲及び検出、それに続くゼロ(すなわち、検出レベル未満)から高レベルまでの範囲の所望の産物分泌プロファイルを有する細胞の選択を記載する。
384穴プレート(Greiner)のUV架橋を、ハイ(EPI UV)設定で20分間、Alpha Imager MultiImage Light Cabinet(Alpha Innotech,San Leandro,CA)を使用して、UV光曝露により誘導した。次いで、プレートを、細片を除去するためにHBSS(Invitrogen Corporation,Carlsbad,CA)で濯いだ。工程間には、タンパク質のためのBSA画分V(Invitrogen Corporation,Carlsbad,CA)、染色緩衝液のための熱不活化ウマ血清(Sigma−Aldrich Co.,St.Louis,MO)、ハイブリドーマ細胞処理のための熱不活性化FBS(ATCC,Manassas,VA)を利用して、ルーチンにブロッキングを使用した。プロテインGを、0.1%BSA(Invitrogen Corporation,Carlsbad,CA)を含むPBSに入れて各ウェルに添加した(1.0〜10μg)。ウェルを乾燥させ、次いで、RPMI(Invitrogen Corporation,Carlsbad,CA)で洗浄した。PE結合ヤギ抗マウスIgG(Molecular Probes,Eugene,Oregon)を添加し、反復的な洗浄及び未標識の抗マウスコントロール(Molecular Probes,Eugene,Oregon)との競合を実施した後、蛍光を測定することにより、プロテインGを含有している捕獲マトリックスがIgG抗体を局在化する能力を実証した。抗v−erbB IgGを産生するハイブリドーマ細胞(172−12A4;ATCC,Manassas,VA)を、10%FBSを含むRPMIに入れて1ウェル当たり200細胞で添加した。IgGの産生及び分泌を可能にするため、37℃で48時間、プレートをインキュベートした。捕獲マトリックスは、インキュベーション及びその後の工程の間、細胞を固定化し、その分泌された産物の近位に各細胞を維持した。産生された抗体を検出するため、ヒトEGF受容体の残基138〜149に対応する11アミノ酸ペプチド(IMVKCWMIDAD)を含む因子をビオチン化し(Invitrogen Corporation,Carlsbad,CA)、産生されたIgGとの選択的な結合を可能にする37℃における一夜のインキュベーションのため1ウェル当たり3ナノモルでウェルに添加した。この因子は、さらに、1ウェル当たり1μgで添加されたストレプトアビジン−アレクサフルオア−532(Molecular Probes,Eugene,Oregon)を含んでいた。細胞の実質的に全てと結合するSyto13(Molecular
Probes,Eugene,Oregon)を含む試薬とも、細胞を接触させた。室温における少なくとも1時間のインキュベーションの後、バックグラウンドが非有意となるまで(約8〜10回)、2.5%ウマ血清を含むHBSSでウェルを洗浄した。次いで、Styo13及びアレクサフルオア−532の励起のため、それぞれ485nm及び532nmの光を細胞の集団に照明した。蛍光は、Syto13及びアレクサフルオア−532のためのそれぞれ530nm及び645nmのフィルターの後ろのCCDカメラで検出された。
得られた2色の蛍光の偽色表示は、図1に示される。実質的に全ての細胞が、緑色のSyto13蛍光に関して位置決定され、分泌された産物が、赤色のアレクサフルオア−532蛍光に関して同定された。偽色画像は、赤色と緑色とのオーバーラップを黄色として呈示することに注意されたい。所望の分泌プロファイルを有する細胞の手動の選択は、そのような画像を使用して容易に実施された。別法として、細胞膜からおよそ10μm外側まで延びる環状の領域における赤色強度積分値に基づき、各細胞についての定量的なシグナル値を決定するため、自動化された画像加工が使用された。代表的な4個の細胞が、パネルAにおいて、円で囲まれ、番号付けされており、1〜4と表記されたパネルにおいて拡大して示されている。パネル1〜4は、赤色強度積分値が計算された環状の領域を示している。シグナル値は、細胞1(高分泌細胞)が2907、細胞2(中分泌細胞)が1440、細胞3(低分泌細胞)が141、細胞4(バックグラウンドを超えて検出不可能;本質的にゼロの分泌)が1.1であった。この手動又は自動の全ての細胞及び選択された細胞の位置決定は、非選択細胞を位置決定し、照射し、1つ以上の選択された細胞の精製をもたらすために使用される。
(実施例II)
(1つの光の特性の検出に基づく個々の細胞産物分泌の検出)
この実施例は、捕獲マトリックスの近位に固定化された個々のハイブリドーマ細胞により分泌された抗体の捕獲及び検出、それに続く、低〜高レベルの産物分泌を有する細胞の選択、及び選択された細胞により占められたドメイン領域の位置決定を記載する。
実施例Iに記載されたようにして、384穴プレートで捕獲マトリックスを調製した。抗v−erbB IgGを産生するハイブリドーマ細胞(172−12A4;ATCC,Manassas,VA)を、10%FBSを含むRPMIに入れて1ウェル当たり200細胞で添加した。IgGの産生及び分泌を可能にするため、37℃で48時間、プレートをインキュベートした。実施例Iに記載されたような因子を、産生されたIgGに選択的に結合させるため、ウェルに添加した。洗浄後、アレクサフルオア−532の励起のため、532nmの光を細胞の集団に照明した。蛍光は、645nmのフィルターの後ろのCCDカメラで検出された。
得られた蛍光画像の表示は、図2に示される。選択された細胞を、検出された蛍光に関して同定し、次いで、1つ以上の選択された細胞により占められた領域に対応するドメインを位置決定した。次いで、非ドメイン領域内の各非選択細胞が致死線量を受容するよう、グリッドパターンのレーザーショットを使用して非ドメイン領域に照射した。20μmレーザービーム直径で、中心点間の間隔が20μmのグリッドは、非ドメイン領域内の位置に関わらず、各非選択細胞の致死的な照射をもたらす。ドメイン領域内の選択された細胞は照射されず、従って保存され、選択された細胞の精製をもたらす。
(実施例III)
(産物分泌に基づく細胞の精製)
この実施例は、3つのクローンハイブリドーマ細胞株の作製を記載する。
ハイブリドーマ細胞を選択するための捕獲マトリックス、細胞、産物結合因子、及び方法は、使用された細胞結合因子がセルトラッカー(商標)オレンジ(Molecular
Probes,Eugene,Oregon)であったことを除き、実施例Iに記載された通りであった。照明の前に、光熱的なレーザーにより媒介される細胞精製に備えて、4mg/ml FD&C Red 40(Warner−Jenkinson Company,St.Louis,MO)を含有しているメディア(Media)199(Invitrogen Corporation,Carlsbad,CA)を添加した。全ての細胞をセルトラッカーオレンジ蛍光により位置決定し、図1に示されるように、各細胞の周りの領域におけるアレクサフルオア532蛍光により、選択された細胞を位置決定した。最も高いIgG産生のレベルを有する単一の細胞を各ウェル内で選択し、米国特許第6,534,308号に記載された装置を使用して、10nsパルスの523nm半導体レーザー(Spectra−Physics)から送達された10J/cmを、各非選択細胞に照射した。
次いで、培地を添加し、精製された選択された細胞を各ウェル内で増殖させるため、プレートをインキュベートした。48時間後、ウェルを顕微鏡で調査した。選択された細胞の周囲には産物結合因子からのシグナルが依然として可視であり、サイズが大きくなっており、それにより、それが生存可能であり、ウェル内に残存している唯一の細胞であることが立証された。複数の細胞がウェル内に残存していた場合には、照射工程を繰り返した。単一のクローン集団が、各ウェルに認められるようになったとき(図3)、それらを、さらなる増殖のため標準的な96穴プレートに移した。各クローンを約2,500細胞にまで増殖させた後、それらを2mlの培地に入れて24穴プレートに移した。
48時間毎に、1mlの培地をチューブに移し、急速凍結した。新鮮な培地を各ウェルに添加した。この過程を5サイクル繰り返した(すなわち、10日)。過程の終了時に、一定分量を解凍し、合わせ、1mlをプロテイン−Aカラム(Hi−Trap;Amersham,Piscataway,NJ)を使用して精製した。次いで、精製されたタンパク質を、PD−10脱塩カラムに通した。最終産物をELISAにより特徴決定した。選択されたクローンにより産生された抗体の量は、図4に示される。選択された各クローン株における、親細胞株と比較して有意に改良された抗体分泌のレベルに注意されたい。
本願の全体にわたり、様々な刊行物が括弧で参照された。これらの刊行物の開示は、より完全に本発明が属する分野の状態を記載するために、本明細所によりその全体が参考として本願に援用される。
本発明は開示された実施形態に関して記載されたが、当業者は、上に詳述された具体的な例及び研究が、本発明を例示するものに過ぎないことを容易に認識するであろう。本発明の本旨から逸脱することなく、様々な修飾がなされ得ることが理解されるべきである。従って、本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ制限される。

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  1. 明細書に記載の発明。
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