JP2011094035A - ポリ塩化ビニリデン樹脂組成物、その製造方法、及び該樹脂組成物から形成された成形品 - Google Patents

ポリ塩化ビニリデン樹脂組成物、その製造方法、及び該樹脂組成物から形成された成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】顔料の分散性と光学特性に優れたポリ塩化ビニリデン樹脂組成物とその製造方法、並びに該樹脂組成物からなる成形品を提供すること。
【解決手段】
ポリ塩化ビニリデン樹脂、顔料、及び水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を含有するポリ塩化ビニリデン樹脂組成物;ポリ塩化ビニリデン樹脂の粉体レジンに、顔料と水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩とを添加しブレンドするポリ塩化ビニリデン樹脂組成物の製造方法;並びに該ポリ塩化ビニリデン樹脂組成物を溶融成形してなる成形品。
【選択図】なし

Description

本発明は、顔料の分散性と光学特性に優れたポリ塩化ビニリデン樹脂組成物とその製造方法に関する。また、本発明は、該ポリ塩化ビニリデン樹脂組成物から形成されたフィルム、シート、繊維などの成形品に関する。
ポリ塩化ビニリデン樹脂(以下、「PVDC樹脂」と略記)は、バリア性(ガスバリア性及び水蒸気バリア性)、耐薬品性、耐水性などの諸特性に優れた樹脂材料である。PVDC樹脂繊維は、耐薬品性、耐水性、耐久性に優れた工業用繊維として、魚網、濾過材、テント、カーペットなどの用途に適用されている。PVDC樹脂は、ガスバリア性に優れるため、コーティング用樹脂としても使用されている。
PVDC樹脂フィルムは、容器への密着性、透明性、バリア性、耐熱性(電子レンジ加熱が可能)、保香性などに優れるため、家庭用ラップフィルムとして賞用されている。PVDC樹脂フィルムは、その優れたガスバリア性、耐水蒸気透過性、耐熱性、熱収縮性などの特性を活かして、単層フィルムまたは他の樹脂フィルムとの多層複合化フィルムとして、魚肉ソーセージ、畜肉加工品などの各種加工食品の包装材料として汎用されている。
一般にPVDC樹脂と呼ばれているものは、実際には、塩化ビニリデン単量体(以下、「VDC」と略記)と他の単量体(共単量体)との共重合体である。VDCの単独重合体は、軟化温度または融点と分解温度とが接近しており、加工性に劣る。しかも、VDCの単独重合体は、可塑剤との相溶性が小さく、可塑化による加工性の改善が困難である。VDCの単独重合体は、加熱溶融時の分解が激しいため、押出成形などの溶融成形加工を行うことができない。
このため、一般に使用されているPVDC樹脂は、VDCと他の単量体との共重合により内部可塑化して、加工性を付与した共重合体である。本発明においても、VDCと他の単量体との共重合体をPVDC樹脂と呼ぶ。他の単量体としては、塩化ビニル、アクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニルなどが代表的なものである。
押出成形によりフィルム、シート、繊維などの成形品に成形される押出グレードのPVDC樹脂は、一般に懸濁重合法により製造されている。押出グレードのPVDC樹脂の殆どは、VDCと塩化ビニル及び/またはアクリル酸アルキルエステルとの共重合体である。押出グレードのPVDC樹脂は、一般に、40〜600μmの範囲内の平均粒径を有する粉体レジンとして調製されている。PVDC樹脂の粉体レジンは、VDCと他の単量体との共重合体であっても、加工温度と分解温度がかなり接近している。このため、PVDC樹脂の粉体レジンは、熱安定性が悪く、加熱溶融すると、容易に分解して塩酸ガスを発生する。このように、PVDC樹脂の粉体レジンは、それ単独では、押出成形などの溶融加工が困難である。
加工性や成形品への要求特性を満足させるために、一般に、PVDC樹脂の粉体レジンに、熱安定剤、可塑剤、滑剤などの各種添加剤を添加しブレンドして、いわゆるコンパウンドを調製し、このコンパウンドを押出成形(粉体押出)する方法が採用されている。添加剤の種類によっては、添加剤の存在下にPVDC樹脂の重合を行う方法により、添加剤を粉体レジン中に含有させることもできる。例えば、PVDC樹脂の粉体レジンの重合時及び/または重合後に、可塑剤や熱安定剤を添加して、その加工性や熱安定性を改善している。滑剤、充填剤、着色剤などの多くの添加剤は、粉体レジンとブレンドしている。
一般の熱可塑性樹脂の殆どは、樹脂成分と添加剤成分とを溶融混練し、溶融物を押出機から溶融押出してペレット化している。次いで、該ペレットを押出成形や射出成形などにより溶融成形して、成形品を製造している。ペレット化によって、樹脂成分中に添加剤成分を均一に分散させることができるが、樹脂成分は、ペレット成形時と該ペレットの成形品への溶融成形時の2回にわたって、融点以上の高温での熱履歴を受けることになる。これに対して、PVDC樹脂の粉体レジンを含有するコンパウンドの押出成形法を採用すれば、ペレット化工程を省略できるため、融点以上の高温での熱履歴の回数を押出成形時の1回のみとすることができ、それによって、PVDC樹脂の熱分解や熱変色を抑制することができる。
PVDC樹脂フィルムを、魚肉ソーセージ、畜肉加工品などの各種加工食品の包装材料に適用する場合、通常、赤色顔料などの顔料によって着色している。PVDC樹脂をシートや繊維などの他の成形品に成形する場合にも、顔料によって着色することがある。しかし、PVDC樹脂の粉体レジンに顔料を添加しブレンドしてコンパウンドを調製し、該コンパウンドをフィルムに押出成形すると、フィルムの曇価が大きくなり、光沢も低下傾向を示す。その理由は、コンパウンド中での顔料の分散性が不充分であることに起因すると推定される。
一般の熱可塑性樹脂では、樹脂成分と顔料とを溶融混練してペレット化し、該ペレットを押出成形に供することにより、顔料が均一に分散したフィルムを容易に成形することができる。ペレット化の際には、各種の顔料分散剤を併用することもできる。しかし、PVDC樹脂は、溶融加工温度での熱安定性が悪いため、ペレット化することが極めて困難である。他方、PVDC樹脂の粉体レジンに顔料を添加しブレンドしてコンパウンドを調製する方法では、顔料の凝集が生じやすく、顔料を均一かつ微細に分散させることが難しい。
従来、PVDC樹脂への顔料の分散性を向上させるために、幾つかの提案がなされている。例えば、特開2003−26882号公報(特許文献1)には、グリシジル基含有(メタ)アクリル系樹脂とメタクリル酸メチル−メタクリル酸ブチル共重合体と赤色顔料とを含有する着色用樹脂組成物の粉体を、PVDC樹脂の粉体レジンとブレンドしてコンパウンドを調製する方法が開示されている。しかし、グリシジル基含有(メタ)アクリル系樹脂などの分散用樹脂は、PVDC樹脂との相溶性が充分ではないため、相分離して、フィルムなどの成形品に色むらや白化現象を生じさせる場合があり、バリア性や光学特性を低下させることもある。
特許文献1には、顔料とグリシジル基含有(メタ)アクリル系樹脂のそれぞれをPVDC樹脂の粉体レジンに添加しブレンドして、コンパウンドを調製する方法も示されている。しかし、この方法は、ブレンド条件の制御が難しく、顔料同士の凝集が生じることがある。PVDC樹脂フィルムに、顔料の凝集物が存在すると、色むらが生じたり、バリア性や光学特性が低下したりする。
特開2008−63418号公報(特許文献2)には、顔料と分散剤とを混練した組成物を粉砕し、次いで、その粉砕物とPVDC樹脂の粉体レジンとを混合して、PVDC樹脂着色用組成物を製造する方法が開示されている。分散剤は、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)を含有するものである。特許文献2には、好ましい分散剤として、ワックスタイプのEVA、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、及びエチレンビスステアリスアマイドの組み合わせが示されている。PVDC樹脂着色用組成物は、所定の顔料濃度となるように、PVDC樹脂の粉体レジンとドライブレンドして用いられる。しかし、この方法は、着色用組成物に含まれるワックスタイプのEVAとPVDC樹脂との相溶性が不充分なため、フィルムなどの成形品に相分離による色むらや白化現象を生じることがあり、バリア性や光学特性も低下するおそれがある。
PVDC樹脂の粉体レジンに、顔料と液状可塑剤との混合物をブレンドする方法があるが、この方法は、液状可塑剤中で顔料が凝集しやすいので、該混合物の篩分工程を配置して、凝集物を除去する必要がある。また、この方法は、該混合物とPVDC樹脂の粉体レジンとを高速攪拌して混合する工程が必要である上、該混合物中の液状可塑剤をPVDC樹脂の粉体レジンに吸収させるために、加熱/冷却工程を必要とするが、そのために時間を浪費することに加えて、PVDC樹脂の劣化や着色を促進しやすい。
このため、PVDC樹脂の粉体レジンに、顔料と少量の分散剤とをブレンドするだけで、顔料の分散性に優れ、光学特性に優れたフィルムなどの成形品を製造することができる技術が求められている。この場合、分散剤としては、PVDC樹脂と相分離し易い分散用樹脂以外の材料であることが望ましい。
従来、熱可塑性樹脂に対する顔料の分散性を高めるために、分散剤としてヒドロキシステアリン酸の金属塩を使用する方法が知られている。例えば、特公昭56−39809号公報(特許文献3)には、顔料にヒドロキシステアリン酸の金属塩を添加した熱可塑性樹脂用着色剤が開示されている。特許文献3には、熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが記載され、その各実施例でも、これらの樹脂が使用されている。特許文献3の各実施例では、分散剤として、ヒドロキシステアリン酸カルシウムやヒドロキシステアリン酸リチウムなどをそれぞれ単独で、あるいは主成分として使用されている。
しかし、本発明者らの研究結果によれば、PVDC樹脂の粉体レジンに、顔料とヒドロキシステアリン酸のカルシウム塩を添加したコンパウンドを用いてフィルムを作成しても、曇価(ヘーズ)が実質的に改善されず、光沢(グロス)については低下傾向にあることが判明した。分散剤としてヒドロキシステアリン酸のリチウム塩を用いた場合には、PVDC樹脂フィルムの曇価や光沢が改善されるものの、ヒドロキシステアリン酸リチウムがPVDC樹脂中に充分に溶け込まないため、該リチウム塩に起因する白斑が観察される。
特開2005−36183号公報(特許文献4)には、二酸化チタン顔料、熱可塑性樹脂、及び325℃のドライエアー雰囲気下での加熱減量が15%以下の飽和脂肪酸金属塩を含有する着色樹脂組成物が開示されている。この着色樹脂組成物は、そのまま希釈せずに成形に供されるペレットであるか、または二酸化チタン顔料を高濃度で含有するペレット状のマスターバッチである。特許文献4には、熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが特に好ましいと記載されている。
特許文献4には、飽和脂肪酸金属塩として、ステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、及び12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムが好ましいと記載され、各実施例でも、これらの飽和脂肪酸金属塩が用いられている。特許文献4には、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムなどのリチウム塩を用いると、ダイリップ汚染抑制効果が特に高くなり好ましいと記載されている。
しかし、前記した通り、PVDC樹脂の粉体レジンに、顔料とともに、分散剤として12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを添加したコンパウンドを用いてフィルムを作成すると、白斑が発生して、商品価値が低下する。分散剤として12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムを用いた場合には、PVDC樹脂フィルムの曇価(ヘーズ)を有意に改善させることができず、光沢(グロス)が低下傾向を示す。
したがって、ヒドロキシステアリン酸カルシウムやヒドロキシステアリン酸リチウムなどは、ポリオレフィンなどの一般の熱可塑性樹脂の顔料分散剤として効果を発揮することができるものの、PVDC樹脂に対しては、顔料分散性を充分に向上させることができないか、または相溶化せずにPVDC樹脂成形品に白斑を形成するという問題があった。
特開2003−26882号公報 特開2008−63418号公報 特公昭56−39809号公報 特開2005−36183号公報
本発明の課題は、顔料の分散性と光学特性に優れたポリ塩化ビニリデン樹脂組成物を提供することにある。
本発明の他の課題は、ポリ塩化ビニリデン樹脂の粉体レジンに、顔料を直接添加しブレンドしてコンパウンド(PVDC樹脂組成物)を作製しても、顔料が凝集したり、分散剤に起因する白斑等の欠陥が発生したりすることがなく、顔料の分散性に優れ、曇価(ヘーズ)が改善され、光沢(グロス)も向上可能な成形品を溶融成形することができるポリ塩化ビニリデン樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
本発明の更なる他の課題は、顔料を含有するポリ塩化ビニリデン樹脂組成物を溶融成形してなる、顔料の分散性と光学特性に優れた成形品を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ポリ塩化ビニリデン樹脂の粉体レジンに、顔料とともに、分散剤として水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を添加しブレンドしてコンパウンド(PVDC樹脂組成物)を作製したところ、顔料が凝集することなく、分散剤に起因する白斑等の欠陥が発生することもなく、光学特性に優れた成形品に成形し得るPVDC樹脂組成物の得られることを見出した。
PVDC樹脂の粉体レジンに、顔料のみを添加しブレンドして得られたコンパウンドを用いてフィルムを成形すると、フィルムの曇価(ヘーズ)が大幅に低下する。これに対して、PVDC樹脂の粉体レジンに、顔料とともに、分散剤として12−ヒドロキシステアリン酸などの水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を少量添加すると、顔料が凝集することなく、曇価(ヘーズ)が著しく改善され、光沢(グロス)も向上傾向を示すフィルムを得ることができる。しかも、分散剤として12−ヒドロキシステアリン酸のリチウム塩を用いた場合のように、フィルムに白斑の生じることがない。
このように、水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩は、PVDC樹脂に対する顔料の分散剤として選択的に使用した場合、顔料の分散性と光学特性に優れたPVDC樹脂組成物とその成形品を与えることができるという予期し得ない顕著な効果を発揮することができる。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明によれば、ポリ塩化ビニリデン樹脂、顔料、及び水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を含有するポリ塩化ビニリデン樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、ポリ塩化ビニリデン樹脂の粉体レジンに、顔料と水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩とを添加しブレンドするポリ塩化ビニリデン樹脂組成物の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、ポリ塩化ビニリデン樹脂、顔料、及び水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を含有するポリ塩化ビニリデン樹脂組成物を押出成形してなる成形品が提供される。
本発明によれば、顔料の分散性と光学特性に優れたポリ塩化ビニリデン樹脂組成物が提供される。また、本発明によれば、ポリ塩化ビニリデン樹脂の粉体レジンに、顔料を直接添加しブレンドしてコンパウンドを作製しても、顔料が凝集したり、分散剤に起因する白斑等の欠陥が発生したりすることがなく、顔料の分散性に優れ、曇価(ヘーズ)が改善され、光沢(グロス)も向上可能で、白斑のない成形品を溶融成形することができるポリ塩化ビニリデン樹脂組成物の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、顔料を含有するポリ塩化ビニリデン樹脂組成物を溶融成形してなる、顔料の分散性と光学特性に優れた成形品(例えば、フィルム、シート、繊維など)が提供される。
1.ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC樹脂):
本発明で使用するポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC樹脂)は、塩化ビニリデン(VDC)60〜98重量%と共重合可能な他の単量体(共単量体)2〜40重量%との共重合体である。
共単量体としては、例えば、塩化ビニル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリルなどのアルキル基の炭素数1〜18のアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルなどのアルキル基の炭素数1〜18のメタクリル酸アルキルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル;スチレンなどの芳香族ビニル;酢酸ビニルなどの炭素数1〜18の脂肪族カルボン酸のビニルエステル;炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのビニル重合性不飽和カルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのビニル重合性不飽和カルボン酸のアルキルエステル(部分エステルを含む。アルキル基の炭素数は1〜18である。);ジエン系単量体、官能基含有単量体、多官能性単量体などを挙げることができる。
これらの共単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの共単量体の中でも、塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、及びアクリル酸ラウリルが好ましい。共単量体の共重合割合が小さすぎると、内部可塑化が不充分となって、加工性が低下する。共単量体の共重合割合が大きすぎると、バリア性(ガスバリア性及び水蒸気バリア性)が低下する。共単量体の共重合割合は、通常2〜40重量%、好ましくは3〜35重量%、より好ましくは10〜30重量%である。
PVDC樹脂の還元粘度〔ηsp/C〕(30℃で測定)は、フィルムに成形する場合の加工性、包装機械適性、耐寒性などの観点から、好ましくは0.035〜0.070、より好ましくは0.040〜0.065、特に好ましくは0.045〜0.063の範囲内である。PVDC樹脂の還元粘度が低すぎると、加工性が低下し、高すぎると、着色傾向を示すようになるので、いずれも好ましくない。還元粘度が異なる2種以上のPVDC樹脂を併用することができ、それによって、加工性を向上させることができる。2種以上のPVDC樹脂を併用する場合、混合樹脂の還元粘度は、上記範囲内にあることが好ましい。
PVDC樹脂は、所望により他の樹脂とブレンドすることができる。他の樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル、好ましくはアルキル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの(共)重合体〔例えば、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体〕、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体などを挙げることができる。これらの他の樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。その他の樹脂は、PVDC樹脂100重量部に対して、通常20重量部以下の割合で用いられる。その他の樹脂とPVDC樹脂との相溶性が悪く、色むらや相分離が発生するなどの問題が生じ易い場合には、その他の樹脂の含有割合を10重量部以下、好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは3重量部以下にすることが望ましい。その他の樹脂の含有割合の下限値は、ゼロ重量部である。
他の樹脂をブレンドする場合には、バリア性や耐熱性などの観点から、混合樹脂成分中の塩化ビニリデン成分の含有割合が50重量%以上となるように調整することが好ましい。PVDC樹脂には、PVDC樹脂組成物の成形加工時に発生する成形屑などのリサイクル可能な樹脂組成物を混合することができる。
本発明で使用するPVDC樹脂は、懸濁重合、乳化重合、溶液重合などの任意の重合法により合成することができる。粉体レジンを含有するコンパウンドを形成するには、PVDC樹脂は、40〜600μm程度の平均粒径を有し、粉砕工程を必要としない懸濁重合により得られた粉体レジンであることが好ましい。懸濁重合によれば、純度が高く、粒度が揃った粉体レジンを得ることができる。懸濁重合法としては、塩化ビニリデン単量体と塩化ビニルなどの他の単量体とを、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどの有機過酸化物を重合開始剤として使用し、メチルセルロースなどを懸濁剤として含有する水系媒体中で、回分式で重合する方法が代表的なものである。
PVDC樹脂には、その重合時に、抗酸化剤、熱安定剤、可塑剤などを含有させることができる。重合時に熱安定剤や可塑剤などの添加剤を含有させたPVDC樹脂の粉体レジンは、これらの添加剤を重合前または重合中または重合後の少なくともいずれかの時点において重合反応系に加えて、生成PVDC樹脂中に含有させてから、粉体レジンとして回収したものである。
PVDC系樹脂の粉体レジンは、一般に、40〜600μm程度の平均粒径を有するものである。粉体レジンの平均粒径は、JIS Z−8801(標準ふるい)に準じて測定した累積50重量%の粒子径である。
2.熱安定剤:
本発明では、熱安定剤として、エポキシ化植物油、エポキシ化動物油、エポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ樹脂プレポリマーなどのエポキシ化合物を使用することができる。エポキシ化合物とグリシジル基含有(メタ)アクリル系樹脂とを併用することもできる。
本発明で使用するエポキシ化植物油及びエポキシ化動物油は、従来よりPVDC樹脂の熱安定剤として使用されているものであり、不飽和結合を有する天然の動植物油を、過酸化水素や過酢酸などでエポキシ化することにより、二重結合をオキシラン環に変性したものである。好ましいエポキシ化植物油としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油などがある。
エポキシ化脂肪酸エステルとしては、エポキシ化ステアリン酸オクチルなどの不飽和脂肪酸エステルのエポキシ化物がある。エポキシ樹脂プレポリマーとしては、ビスフェノールAグリシジルエーテルなどがある。これらのエポキシ化合物の中でも、食品包装分野には、エポキシ化植物油が好ましい。
エポキシ化合物は、PVDC樹脂100重量部に対して、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜4重量部、より好ましくは1〜3重量部の割合で用いられる。エポキシ化合物の配合割合が大きすぎると、PVDC樹脂組成物から形成された成形物の貯蔵中に、該エポキシ化合物が表面にブリードしやすくなる。また、エポキシ化合物の配合割合が大きすぎると、成形物のブロッキングが発生しやすくなったり、色調が低下したり、フィルムのバリア性が低下したりする。エポキシ化合物の配合割合が小さすぎると、PVDC樹脂の熱安定性が低下することに加えて、可塑化の程度が低下して、加工性が低下しやすくなる。
エポキシ化合物は、PVDC樹脂の粉体レジンとブレンドすることができる。また、エポキシ化合物は、PVDC樹脂の重合工程において単量体混合物に添加して重合するか、重合後のスラリーに添加するか、これらを組み合わせた方法により粉体レジン中に含有させることができる。これらの中でも、重合工程で粉体レジン中にエポキシ化合物を含有させ、ブレンド時には必要に応じてエポキシ化合物を追加することが好ましい。
エポキシ化合物と併用することができるグリシジル基含有(メタ)アクリル系樹脂としては、ビニル重合可能な不飽和有機酸のグリシジルエステルを共重合成分として含有する共重合体が好ましい。グリシジル基含有(メタ)アクリル系樹脂は、ビニル重合可能な不飽和有機酸のグリシジルエステルと、グリシジル基を含有しない(メタ)アクリル酸エステル及び/またはこれらと共重合可能なその他のビニル単量体との共重合体であることが好ましい。ビニル重合可能な不飽和有機酸のグリシジルエステルとしては、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
3.可塑剤:
可塑剤としては、ジオクチルフタレート、アセチルクエン酸トリブチル、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケート、アセチル化モノグリセライド、アセチル化ジグリセライド、アセチル化トリグリセライド、及びそれらの2〜3つを含むアセチル化グリセライド類、アジピン酸と1,3−ブタンジオール、アジピン酸と1,4−ブタンジオール、及びこれらの2種以上の混合物などのポリエステル系可塑剤が代表的なものとして挙げられる。
可塑剤は、PVDC樹脂100重量部に対して、通常0.05〜10重量部の範囲内で用いられる。可塑剤は、PVDC樹脂の粉体レジンとブレンドするか、重合工程において単量体混合物に添加して重合するか、重合後のスラリーに添加するか、あるいはこれらの組み合わせにより、粉体レジン中に含有させることができる。これらの中でも、重合工程で可塑剤を粉体レジン中に含有させ、ブレンド時に必要に応じて追加の可塑剤をブレンドすることが好ましい。
4.その他の添加剤:
本発明のPVDC系樹脂組成物には、抗酸化剤、滑剤、分散助剤、充填剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、その他の安定剤、pH調整剤などの各種添加剤を含有させることができる。
抗酸化剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル−フェノール(BHT)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]〔チバガイギー社製の商品名「Irganox 245」(登録商標)〕、2,4−ジメチル−6−S−アルキルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、及びこれらの混合物〔チバガイギー社製の商品名「Irganox 1141」(登録商標)〕などのフェノール系抗酸化剤;チオジプロピオン酸、ジステアリルチオジプロピオネートなどのチオエーテル系抗酸化剤;トリスノニルフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなどのホスファイト系抗酸化剤;などが挙げられる。抗酸化剤は、PVDC樹脂100重量部に対して、通常0.0001〜0.05重量部の割合で用いられる。
滑剤としては、PVDC樹脂の溶融加工に好適なものとして、酸化ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、モンタン酸エステルワックス、モンタン酸カルシウムなどのワックス類;グリセリンモノエステルなどの脂肪酸エステルが挙げられる。また、PVDC樹脂の溶融加工とフィルムの二次加工に好適な滑剤として、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸のモノアミドまたはビスアミドなどが挙げられる。これらの滑剤は、PVDC樹脂100重量部に対して、通常2重量部以下の適量が用いられる。PVDC樹脂に対する相溶性の悪い滑剤であって、成形品に色むらや相分離を発生し易いものは、その添加量を極力少なくするか、添加しないことが望ましい。
本発明では、顔料の分散剤として水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を使用するが、所望により、分散助剤として、前記のエポキシ化合物;前記の可塑剤;パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、モンタン酸エステルワックス、モンタン酸カルシウムなどの滑剤;グリセリン脂肪酸エステル系、ソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシ・エチレン・ソルビタン脂肪酸エステル系などの界面活性剤;グリセリンやプロピレングリコール類;脂肪族炭化水素系または芳香族炭化水素系のオリゴマーやポリマー;などを併用してもよい。分散助剤は、PVDC樹脂100重量部に対して、通常2重量部以下、好ましくは1重量部以下、より好ましくは0.5重量部以下の割合で用いられる。これらの分散助剤が、PVDC樹脂に対する相溶性が不充分なものであって、フィルムなどの成形品に色むらや相分離を引き起こし易い場合には、その使用割合を極力抑制するか、まったく使用しないことが望ましい。
充填剤としては、二酸化珪素、炭酸カルシウムなどが挙げられる。二酸化珪素や炭酸カルシウムは、梨地化剤、フィルム滑り性付与(包装機械適性)剤などとしても作用する。また、二酸化珪素は、無機滑剤としても作用する。充填剤は、PVDC樹脂100重量部に対して、通常1重量部以下、好ましくは0.5重量部以下の適量が用いられる。充填剤の配合割合の下限値は、ゼロ重量部である。
紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられ、必要に応じて適量が用いられる。
界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤などが挙げられ、必要に応じて適量が用いられる。グリセリン脂肪酸モノエステル、ソルビタンモノベヘニレート、ソルビタン脂肪酸エステルなどは、包装用フィルムの肉剥離剤としても作用する。
その他の安定剤としては、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カルシウムヒドロキシホスフェートなどの無機塩基類;クエン酸、クエン酸アルカリ金属塩などの有機弱酸塩類;エチレンジアミン四酢酸塩類;なども、適宜、適量で用いることができる。
pH調整剤としては、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウムなどが挙げられ、PVDC樹脂100重量部に対して、0.5重量部以下の適量が用いられる。
5.顔料:
顔料としては、例えば、アゾ系顔料(例えば、不溶性モノアゾ系顔料、不溶性ジスアゾ系顔料、縮合アゾ系顔料)、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料などの有機顔料;酸化チタン、コバルトブルー、二酸化ケイ素、アルミニウム系顔料、マイカ、カーボンブラック等の無機顔料;炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等の体質顔料;などが用いられる。これらの中でも、魚肉ソーセージ、畜肉加工品などの加工食品の包装用フィルムの分野では、ピグメントレッドなどの赤色顔料が汎用されている。
有機顔料の平均粒径は、好ましくは0.01〜1μm、より好ましくは0.01〜0.1μmの範囲内である。有機顔料の平均粒径は、走査型電子顕微鏡観察によって測定することができる。顔料は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。顔料は、PVDC樹脂100重量部に対して、通常0.01〜1重量部、好ましくは0.1〜0.8重量部の範囲内で用いられる。ただし、酸化チタン顔料の場合、10重量部まで混ぜるときがある。
6.分散剤:
本発明では、顔料の分散剤として、水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を使用する。水酸基含有脂肪酸の炭素数は、好ましくは8〜45、より好ましくは10〜30、特に好ましくは12〜25の範囲内である。水酸基含有脂肪酸の炭素数が8以上であることにより、そのマグネシウム塩により顔料の分散性を高めることができる上、押出成形時に該マグネシウム塩またはその分解物が揮散するのを抑制することができる。水酸基含有脂肪酸の炭素数が45を超える化合物は、合成が困難であったり、PVDC樹脂の溶融加工時の温度条件下でPVDC樹脂との相溶性が低下したりする。水酸基含有脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸に、1〜3個の水酸基(好ましくは1個の水酸基)を導入した化学構造を有する化合物である。
飽和脂肪酸としては、ステアリン酸(炭素数=18)、ラウリン酸(炭素数=12)、ミリスチン酸(炭素数=14)、パルミチン酸(炭素数=16)、ベヘニン酸(炭素数=22)、モンタン酸(炭素数=28)、オクチル酸(炭素数=8)、2−エチルへキソイン酸(炭素数=8)などが挙げられる。水酸基含有飽和脂肪酸は、これらの脂肪酸に1〜3個の水酸基を導入した化学構造を有する化合物である。例えば、ヒドロキシステアリン酸は、オレイン酸の炭素−炭素二重結合に水を付加する方法により、ヒドロキシステアリン酸に変換することができる。ヒドロキシステアリン酸は、リシノール酸に水素添加する方法により合成することができる。
不飽和の水酸基含有脂肪酸としては、例えば、リシノール酸、10−ヒドロキシオクタデカン酸、リシノエライジン酸、9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸などが挙げられる。
これらの水酸基含有脂肪酸の中でも、ヒドロキシステアリン酸及びリシノール酸が好ましく、ヒドロキシステアリン酸がより好ましい。ヒドロキシステアリン酸としては、2−ヒドロキシステアリン酸、3−ヒドロキシステアリン酸、4−ヒドロキシステアリン酸、5−ヒドロキシステアリン酸、6−ヒドロキシステアリン酸、7−ヒドロキシステアリン酸、8−ヒドロキシステアリン酸、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、11−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、13−ヒドロキシステアリン酸、14−ヒドロキシステアリン酸、15−ヒドロキシステアリン酸、16−ヒドロキシステアリン酸、17−ヒドロキシステアリン酸、及び18−ヒドロキシステアリン酸が挙げられる。これらのヒドロキシステアリン酸の中でも、顔料の分散性に優れ、かつ、入手が容易である点で、12−ヒドロキシステアリン酸が特に好ましい。
本発明では、水酸基含有脂肪酸の金属塩の中から、水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を選択して使用する。金属塩として、カルシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩などを使用すると、PVDC樹脂への顔料の分散性を充分に高めることができず、光沢が低下傾向を示す。リチウム塩を用いると、顔料の分散性に優れ、光学特性も向上したフィルムなどのPVDC樹脂成形品を得ることができるものの、PVDC樹脂の溶融加工(例えば、押出成形)条件下でのPVDC樹脂との相溶性が悪く、白い斑点などの白斑が生じる。
これに対して、水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を顔料の分散剤として使用すると、小割合の添加であっても、顔料の分散性を向上させることができ、曇価(ヘーズ)が顕著に改善され、光沢(グロス)も向上したPVDC樹脂成形品を得ることができる。水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩としては、ヒドロキシステアリン酸のマグネシウム塩、及びリシノール酸のマグネシウム塩が好ましく、ヒドロキシステアリン酸のマグネシウム塩がより好ましく、12−ヒドロキシステアリン酸のマグネシウム塩が特に好ましい。
水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩の使用割合は、顔料の割合にもよるが、有機顔料を用いた場合には、PVDC樹脂100重量部に対して、通常0.01〜1.00重量部、好ましくは0.03〜0.90重量部、より好ましくは0.04〜0.80重量部の範囲内である。水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩の使用割合が過小であると、顔料分散効果が不充分となり、曇価の改善の程度も低くなり、また、光沢が低下傾向を示すことがある。水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩の割合が大きすぎると、顔料の分散効果が飽和するとともに、バリア性などのPVDC樹脂が本来有する諸特性が低下傾向を示す。
本発明では、顔料の分散剤として、水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を単独で使用することが好ましいが、該水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩60重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上と、他の分散剤または分散助剤40重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下との混合物であってもよい。混合物の使用割合は、水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を単独で使用する場合の使用割合と同じである。他の分散剤としては、水酸基含有脂肪酸のカルシウム塩、亜鉛塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが好ましい。しかし、他の分散剤または分散助剤を併用することにより、色むらや白斑などが生じる場合には、その使用割合をできるだけ小さくするか、さらには、水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を単独で使用することが望ましい。
7.PVDC樹脂組成物とその製造方法:
本発明のPVDC樹脂組成物は、PVDC樹脂、顔料、及び水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を含有するPVDC樹脂組成物である。本発明のPVDC樹脂組成物を製造するには、PVDC樹脂の粉体レジン、顔料、及び水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩をブレンドする方法を採用することが好ましい。
混合機に、PVDC樹脂の粉体レジンを投入し、次いで、顔料と水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩とを添加することが好ましい。顔料の添加に先立って、水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を添加してもよい。これらの混合物は、5〜45℃の常温でブレンドするか、85℃までの温度(例えば、約80℃)に昇温しながらブレンドすることができる。これらの混合物は、常温でブレンドすることが好ましい。
PVDC樹脂の粉体レジンに、滑剤、可塑剤、エポキシ化合物(熱安定剤)などの各種添加剤を添加する場合には、先ず、滑剤などの固体の添加剤を添加した後、可塑剤やエポキシ化合物などの液状添加剤を添加し、混合して液状添加剤を粉体レジンに吸収させ、その後、顔料と水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩とを添加することが好ましい。この場合も、顔料の添加に先立って、水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を添加してもよい。
PVDC樹脂の粉体レジンに可塑剤などの液状添加剤を添加する場合、これらの液状成分によって顔料の凝集が生じる虞がある場合には、予め顔料と水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩とを混合して、顔料の表面に水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を付着させておくことができる。液状添加剤による顔料の凝集を防ぐ他の方法としては、PVDC樹脂の粉体レジンの製造時に可塑剤などの液状添加剤を含有する粉体レジンを製造しておき、顔料の添加時には、液状成分を添加しないか、その添加量を少なくする方法がある。
このようにして、粉体状の樹脂組成物(コンパウンド)を製造する。ブレンドによって、エポキシ化植物油や可塑剤などの液体の添加剤は、PVDC樹脂の粉体レジンに吸収される。粉体の添加剤は、PVDC樹脂の粉体レジンの回りに付着する。顔料も粉体レジンの回りに付着する。PVDC樹脂組成物(コンパウンド)は、粗大粒子を僅かではあるが含んでいることがあるので、その場合には、篩別機を用いて、粗大粒子を除去することが好ましい。本発明の製造方法によれば、顔料粒子の凝集物の発生を抑制し、加工性や諸物性に優れたPVDC樹脂組成物を得ることができる。
本発明では、PVDC樹脂に顔料を含有させる場合、予め顔料を高濃度で含有するPVDC樹脂着色用組成物、即ち、着色剤マスターバッチを用いることができる。具体的には、PVDC樹脂の粉体レジンに、顔料を通常5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは15〜35重量%の割合で含有させる。この際、分散安定剤として水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩も添加する。水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩の割合は、通常0.05〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは1〜3重量%程度である。
高濃度で顔料を含有するPVDC樹脂着色用組成物(マスターバッチ)は、PVDC樹脂の粉体レジンとブレンドすることによって希釈されるが、その際、所定の顔料濃度となるようにブレンド比を設定する。
8.PVDC樹脂組成物の成形と成形品:
本発明のPVDC樹脂組成物(コンパウンド)は、溶融押出して延伸または未延伸フィルム、シート、繊維などの成形品に成形することができる。フィルムの成形方法としては、例えば、サーキュラーダイによるインフレーション押出成形法が好適に適用される。延伸(好ましくは二軸延伸)により得られる配向フィルムは、熱収縮性を有し、また、レトルト可能な耐熱性フィルムとして好適に用いられる。延伸倍率は、縦方向(MD)に2〜5倍、横方向(TD)に2〜5倍が好ましい。
フィルムの厚みは、シングルフィルムとして通常5〜50μm、好ましくは10〜30μmである。用途によりダブルフィルムとしても使用される。延伸フィルムの熱収縮率は、縦方向及び横方向ともに、約30%から約60%までの範囲内(120℃グリセリン浴中に3分間浸漬して測定)であることが好ましい。食品包装用フィルムとしての主な使用方法は、インフレーション後、2枚に重ねたダブルフィルムとして、フィルム両端の耳の部分をスリットし、包装機械で円筒状にしながらシールし、次いで、内容物を充填し、両端をグリップして包装体を得る使用方法である。包装用フィルムは、魚肉ソーセージ、畜肉加工品などの加工食品の包装材料として好適である。
本発明のPVDC樹脂組成物から成形されたフィルムは、任意の100gの範囲(約1.5m2)を無作為に10箇所選んで、拡大鏡を用いて顔料分散状態を観察した時、0.4mm以上の凝集塊の個数が10個以下、好ましくは5個以下である。このことは、本発明のPVDC樹脂組成物が、凝集物の発生が抑制されており、熱安定性にも優れていることを意味している。
本発明のPVDC樹脂組成物から成形されたフィルムは、水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を添加しなかった顔料含有PVDC樹脂組成物から形成されたフィルムに比べて、曇価(ヘーズ)が著しく低下している上、多くの場合、光沢(グロス)が大幅に向上している。即ち、本発明のフィルムは、光学特性が改善されている。本発明のフィルムの光沢は、水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩の添加割合が少なくなると低下傾向にあるが、他の金属塩を用いた場合に比べて、その低下傾向が抑制されている。さらに、本発明のフィルムは、リチウム塩を用いた場合に見られる白斑が観察されないものである。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。本発明で用いる評価方法は、次のとおりである。
(1)PVDC樹脂の還元粘度:
PVDC樹脂1gを50mlのテトラヒドロフランに加え、40℃で溶解し、溶液を濾過した。濾過後、溶液にメタノールを加えて、ポリマーを析出させた。析出したポリマーを取得し、洗浄し、乾燥させた。乾燥ポリマー80mgを精秤し、30℃のシクロヘキサノン20mlを加えて、70℃で60分間加熱溶解させた。溶液を室温に冷却後、濾紙を用いて濾過し、試料溶液とした。この試料溶液5mlをウベローデ粘度計に入れ、30℃の恒温槽に5分間放置後、通常の操作法に従って流下秒数を測定し、次式により還元粘度(リットル/g)を求めた。
還元粘度=(1/4)×{(T/T)−1}
:30℃のシクロヘキサノン(溶媒)の流下秒数
:30℃の試料溶液の流下秒数
(2)PVDC樹脂の粉体レジンの平均粒径:
粉体レジンの平均粒径は、JIS Z−8801(標準ふるい)に準じて測定し、測定データから累積50重量%の粒子径を求めた。
具体的には、スクリーンの目開きが、それぞれ355μm、250μm、180μm、150μm、106μm、75μm、63μm、及び45μmの8種のふるいを、目開きの小さいものから大きいものへと順に、受け皿の上に積み重ねた。最上部のふるいに、粉体レジン試料50.0gと静電防止のためのカーボンブラック0.5gとの混合物を入れた。
ロータップ式ふるい振とう器(平工製作所製)を用いて、積み重ねたふるいを240回/分、及び打数137回/分で10分間振動した後、それぞれのふるいを離した。各ふるいに残留した試料の重さを測り、それぞれの重量百分率を求めた。次に、これらの重量百分率の測定値に基づいて粒度分布曲線を作成し、累積50重量%での粒子径を平均粒子径とした。
(3)L色空間:
日本電色工業(株)製のΣ80 Color Measuring Systemを用いて、試料の色差(L、a、b)を測定した。L値は、明度を意味し、数値が大きくなるほど、明るさが増す(白くなる)方向を示し、数値が小さくなるほど、暗さが増す(黒くなる)方向を示す。
及びb値は、色相と彩度を表わす色度を意味する。a値は、プラス値が大きくなるほど、赤味が強くなる方向を示し、マイナス値が大きくなるほど、緑味が強くなる方向を示す。b値は、プラス値が大きくなるほど、黄色味が強くなる方向を示し、マイナス値が大きくなるほど、青味が強くなる方向を示す。
(4)曇価(ヘーズ):
JIS K−7136の「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」の規定に従って、フィルムの曇価(ヘーズ)を求めた。具体的には、濁度計〔日本電色工業(株)製の商品名「NDH−300A型」〕を用いて、50mm角の大きさに裁断したフィルムサンプル(厚み=約20μm)について、ヘーズ値を測定した(n=5の平均値)。
(5)光沢(グロス):
フィルムの光沢は、光沢計(日本電色社工業(株)製の商品名「VG−2500型」)を用いて、10cm角の大きさに裁断したフィルムサンプルについて、投受光角60度で光沢を測定した(n=5の平均値)。
(6)顔料の分散性:
フィルム中の顔料の分散状態を拡大鏡で観察し、任意の100g範囲(約1.5m)を無作為に10ケ所観察し、0.4mm以上の凝集塊の個数を調査して評価尺度とし、凝集塊の個数が10個以下の場合を分散性に優れていると評価した。
(7)白斑の有無:
目視により、フィルムに白斑(分散剤の未溶解の白斑点)の有無を評価した。
[実施例1]
ポリ塩化ビニリデンの粉体レジンとして、塩化ビニリデン(VDC)及び塩化ビニル(VC)(VDC/VCの重量比=81/19)を、VDCとVCとの合計量100重量部に対して、エポキシ化大豆油〔熱安定剤;ADEKA社製の商品名「アデカイザーO−130P」(登録商標)〕2重量部とジブチルセバケート(可塑剤;大八化学工業社製の商品名「DBS」)3.5重量部の存在下に、懸濁重合して得られた粉体レジン(平均粒径160μm、還元粘度0.056リットル/g)を用いた。
該PVDC樹脂の粉体レジン100重量部に対して、ピグメントレッド〔クラリアント社製の商品名「Graphtol−RED−HF2B」(登録商標)〕0.5重量部、及び12−ヒドロキシステアリン酸のマグネシウム塩0.10重量部を加え、羽ブレンダーにより、常温(23℃)で15分間攪拌し、PVDC樹脂組成物(粉体混合物)を調製した。このPVDC樹脂組成物を#10メッシュの篩で篩別し、粗大粒子を除去した。
真空ホッパー付きの直径90mmの押出機(真空圧=約−680mmHg水銀柱に調整)を用いてPVDC樹脂組成物を環状に溶融押出した後、7℃の冷却槽で急冷し、次いで、20℃の温水浴槽を通過させ、さらに、2組の回転表面速度の異なるピンチローラー間で空気を圧入して膨張させて、長さ方向(MD)に約2.5倍及び横方向(TD)に約4.2倍延伸配向させて、延伸フィルム(厚み=約20μm)を作製した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
12−ヒドロキシステアリン酸のマグネシウム塩を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてPVDC樹脂組成物を調製し、次いで、フィルムを作製した。結果を表1に示す。
[比較例2]
12−ヒドロキシステアリン酸のマグネシウム塩に代えて、12−ヒドロキシステアリン酸のカルシウム塩を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてPVDC樹脂組成物を調製し、次いで、フィルムを作製した。結果を表1に示す。
[比較例3]
12−ヒドロキシステアリン酸のマグネシウム塩に代えて、12−ヒドロキシステアリン酸のリチウム塩を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてPVDC樹脂組成物を調製し、次いで、フィルムを作製した。結果を表1に示す。
Figure 2011094035
表1の結果から明らかなように、顔料の分散剤を添加しなかった場合(比較例1)には、曇価(ヘーズ)が43.0%と大きくなり、フィルムは曇った状態にある。
これに対して、12−ヒドロキシステアリン酸のマグネシウム塩を0.10重量部(0.10phr)と少量添加した場合(実施例1)には、曇価(ヘーズ)が25.0%にまで低下している。しかも、実施例1のフィルムは、縦方向(MD)及び横方向(TD)の両方向での光沢(グロス)が大幅に向上している。加えて、実施例1のフィルムは、顔料の凝集塊の個数が10個以下で分散性に優れる上、白斑が観察されなかった。実施例1のフィルムの色相は、赤み(a値)と黄み(b値)が増えており、このことからも、赤色顔料の分散性に優れることがわかる。
12−ヒドロキシステアリン酸のマグネシウム塩に代えてカルシウム塩を用いた場合(比較例2)には、曇価(ヘーズ)の改善効果が小さい上、光沢(グロス)が低下している。12−ヒドロキシステアリン酸のマグネシウム塩に代えてリチウム塩を用いた場合(比較例3)には、顔料の分散性に優れ、曇価(ヘーズ)と光沢(グロス)の両方が向上するものの、PVDC樹脂組成物の押出成形条件下でのPVDC樹脂とリチウム塩との相溶性が悪いことに起因して、フィルムに多数の白斑が観察された。
[実施例2]
12−ヒドロキシステアリン酸のマグネシウム塩の添加量を0.10重量部から0.05重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてPVDC樹脂組成物を調製し、次いで、フィルムを作製した。結果を表2に示す。
[比較例4]
12−ヒドロキシステアリン酸のカルシウム塩の添加量を0.10重量部から0.05重量部に変更したこと以外は、比較例2と同様にしてPVDC樹脂組成物を調製し、次いで、フィルムを作製した。結果を表2に示す。
[実施例3]
12−ヒドロキシステアリン酸のマグネシウム塩の添加量を0.10重量部から0.50重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてPVDC樹脂組成物を調製し、次いで、フィルムを作製した。結果を表2に示す。
Figure 2011094035
表2の結果から明らかなように、本発明の分散剤として12−ヒドロキシステアリン酸のマグネシウム塩を含有するPVDC樹脂組成物(実施例2)は、該マグネシウム塩の添加量を0.05重量部(0.05phr)と少なくしても、有意に曇価(ヘーズ)を改善させることができる。これに対して、12−ヒドロキシステアリン酸のカルシウム塩の添加量を0.05重量部と少なくすると、曇価(ヘーズ)が実質的に改善されない。
本発明の分散剤として12−ヒドロキシステアリン酸のマグネシウム塩を含有するPVDC樹脂組成物(実施例3)は、該マグネシウム塩の添加量を0.50重量部(0.50phr)にすると、フィルムの曇価(ヘーズ)が21.0%にまで低下しており、光学特性の改良効果がさらに優れている。実施例3のフィルムの色相は、赤み(a値)と黄み(b値)が増えており、このことからも、赤色顔料の分散性に優れることがわかる。さらに、実施例3のフィルムは、顔料の凝集塊の個数が10個以下で分散性に優れる上、白斑が観察されなかった。実施例3のフィルムは、光沢(グロス)にも優れている。
本発明のPVDC樹脂組成物は、フィルム、シート、繊維などの成形品に成形して利用することができる。特に、本発明のPVDC樹脂組成物を用いて得られたフィルムは、色調や風合いに優れ、高級感があるため、魚肉ソーセージ、畜肉加工品などの加工食品の包装材料として好適に利用することができる。

Claims (5)

  1. ポリ塩化ビニリデン樹脂、顔料、及び水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を含有するポリ塩化ビニリデン樹脂組成物。
  2. 該水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩が、炭素数8〜45の水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩である請求項1記載のポリ塩化ビニリデン樹脂組成物。
  3. 該水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩が、ヒドロキシステアリン酸及びリシノール酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩である請求項1記載のポリ塩化ビニリデン樹脂組成物。
  4. ポリ塩化ビニリデン樹脂の粉体レジンに、顔料と水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩とを添加しブレンドするポリ塩化ビニリデン樹脂組成物の製造方法。
  5. ポリ塩化ビニリデン樹脂、顔料、及び水酸基含有脂肪酸のマグネシウム塩を含有するポリ塩化ビニリデン樹脂組成物を溶融成形してなる成形品。
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