JPH10101884A - 樹脂組成物、樹脂組成物を含む塩素系樹脂組成物およびその成形物 - Google Patents
樹脂組成物、樹脂組成物を含む塩素系樹脂組成物およびその成形物Info
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- JPH10101884A JPH10101884A JP28180596A JP28180596A JPH10101884A JP H10101884 A JPH10101884 A JP H10101884A JP 28180596 A JP28180596 A JP 28180596A JP 28180596 A JP28180596 A JP 28180596A JP H10101884 A JPH10101884 A JP H10101884A
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Abstract
工特性を改善するための加工助剤およびこれを含んだ塩
素系樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 少なくとも一つのガラス転移温度が−4
0℃以下でありその重量平均分子量が5千〜25万未満
であるアクリル系樹脂からなる樹脂組成物。
Description
組成物を含む塩素系樹脂組成物及びその成形物に関す
る。詳しくは、樹脂の加工特性を改良する加工助剤、そ
れを配合した塩素系樹脂組成物及びそれから形成される
成形物に関する。
性、利用性、物理特性などの優れたバランスにより様々
な様態で広く使用されている。特開平4-503227
号公報には、塩化ビニリデン−メチルメタクリレ−トコ
ポリマ−100重量当たり少なくとも約0.5部のアク
リル系ポリマーを有した組成物から押出された熱可塑性
物体の開示がある。特開平5-255560には、少量
の可塑剤とアクリレート/スチレンポリマーとを含む塩
化ビニリデンポリマ−組成物の開示がある。
成形する際、塩素系樹脂は熱安定性が悪いため、溶融加
熱押出成形時に分解劣化し易い。熱分解物はスクリュー
へ付着し、経時的に堆積するため、スクリューとシリン
ダー壁面の隙間が狭くなり、剪断や押出時の樹脂圧変化
などにより剥がれ、製品である押出物に混入してしまう
等の問題があった。 本発明の目的は、塩素系樹脂、特
に塩化ビニリデン系樹脂の加工特性を改善するための加
工助剤およびこれを含んだ塩素系樹脂組成物を提供する
ことである。
題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のガラス転移温
度と平均分子量の重合体を加工助剤として塩素系樹脂に
特定量配合することにより、押出中のスクリューへの熱
分解物付着を減少できることを見出し本発明に至った。
すなわち本発明の第1は、少なくとも一つのガラス転移
温度が−40℃以下でありその重量平均分子量が5千〜
25万未満であるアクリル系樹脂からなる樹脂組成物を
提供する。本発明の第2は、少なくとも一つのガラス転
移温度が−40℃以下であって、アクリル酸エステルと
ポリオルガノシロキサン基を側鎖に有するメタクリル酸
エステルとを重合して得たアクリル系樹脂からなる樹脂
組成物を提供する。第3の発明は、前記第1および第2
の発明の樹脂組成物と塩素系樹脂とからなる塩素系樹脂
組成物を提供する。とりわけ、アクリル酸エステル70
〜100質量%と、メタクリル酸アルキルエステル(ア
ルキル基の炭素数1〜18)、ビニル芳香族化合物及び
ビニルシアン化合物からなる群より選ばれる少なくとも
1種のビニル単量体30〜0質量%と、ポリオルガノシ
ロキサン基を側鎖に有するメタクリル酸エステル30〜
0質量%とからなり、少なくとも一つのガラス転移温度
が−40℃以下である重合体(A)20〜90質量部
と、前記(A)の存在下に80質量%以上の少なくとも
メタクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数1
〜18)を含む単量体または単量体混合物(B)80〜
10質量部を重合して得た重量平均分子量が5千〜25
万未満であるアクリル系樹脂の多段重合体からなる樹脂
組成物0.5〜3.5質量部と塩素系樹脂とからなる塩
素系樹脂組成物を提供する。
組成物から形成された成形物を提供する。アクリル酸エ
ステル0を超え20質量%と、ポリオルガノシロキサン
基を側鎖に有するメタクリル酸エステル1〜30質量%
と、メタクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素
数1〜18)70〜95質量%の単量体混合物の重合体
0.5〜3.5質量部と塩素系樹脂とからなる塩素系樹
脂組成物が提供される。 第5の発明では、重量平均分
子量5千〜10万未満であるアクリル系樹脂の多段重合
体と、塩化ビニリデン共重合体とから形成された成形物
が提供される。さらに、成形物としてフィルム、シー
ト、ケーシング、パイプ、異型成形物及びシートなどが
提供される。
本発明の第1は、少なくとも1つのガラス転移温度(T
g)が−40℃以下であり、重量平均分子量が5千〜2
5万未満であるアクリル系樹脂組成物に関する。アクリ
ル系樹脂は、少なくとも一つのガラス転移温度が−40
℃以下であり、重量平均分子量が5千〜25万未満、好
ましくは5千〜10万未満である。重量平均分子量が小
さ過ぎると粉体性状が劣り、大きすぎると塩素系樹脂組
成の溶融粘度を増加させ、剪断発熱により樹脂温度が上
昇し熱分解を発生し易くする。使用される塩素系樹脂の
特性から押出加工性と他の性能とのバランスを考慮する
と5千〜25万未満、より好ましくは5千〜10万未満
の範囲が適当である。
る。重合方法については、特に制限はないが、多段重合
体が好ましく、特に、2段重合体が経済的で且つ効果が
発揮できるのでより好ましい。多段重合体の場合、アク
リル系樹脂はアクリル酸エステルを主成分とする重合体
(A)を核(コア相と呼ぶ)として含み、さらに、この
コアの外殻(以後、シェル相と呼ぶ)としてメタクリル
酸エステルの単量体または単量体混合物(B)を重合体
(A)の存在下に重合して得られるものが好ましい。こ
こで、重合体(A)は少なくとも一つのガラス転移温度
が−40℃以下、さらには−50℃以下であることが好
ましい。ガラス転移温度が−40℃以上の場合、塩素系
樹脂の押出時、アクリル系樹脂の溶融粘度が高く、溶融
分散が不十分となりやすく、分散不良による押出挙動の
変動、押出物の外観不良等の問題を引き起こし易い。
クリル酸エステルを主成分とし、随時メタクリル酸アル
キルエステル、ポリオルガノシロキサン基を側鎖に有す
るメタクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物およびビ
ニルシアン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一
種のビニル単量体とからなり、少なくとも一つのガラス
転移温度が−40℃以下である重合体(A)と、前記重
合体(A)の存在下にメタクリル酸エステルの単量体ま
たは単量体混合物(B)を重合して生成したものが挙げ
られる。アクリル酸エステルは、例えばアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ス
テアリルなどの群より選ぶことができ、エステルは炭素
数が1〜18の範囲の混合物が好ましい。重合体(A)
は、アクリル酸エステルを70質量%以上含む単量体ま
たは単量体混合物から重合されたものがより好ましい。
テル(アルキル基の炭素数1〜18)の単量体あるいは
単量体混合物(B)を重合体(A)の存在下に重合して
得られる。メタクリル酸エステルはシェル相の80質量
%以上が好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。
メタクリル酸エステルがシェル相の80質量%未満であ
ると、塩化ビニリデン樹脂との相溶性が不足し、分散不
良を引き起こし好ましくない。好ましいメタクリル酸エ
ステルはアルキル基の炭素数が1〜18のものであり、
特にメタクリル酸メチルが好ましい。 メタクリル酸ア
ルキルエステルと共重合し得る単量体混合物は、アクリ
ル酸エステル、ポリオルガノシロキサン基を側鎖に有す
るメタクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物、ビニル
シアン化合物、塩化ビニリデンおよび塩化ビニルからな
る群から選ばれる。
によって確認できる。シェル相は、アクリル系樹脂全体
の80〜10質量%が好ましい。シェル相が少なすぎる
と、フィルムの破裂防止の目的を達成するのに不十分で
あり、多すぎると溶融時に分散不良となり、フィッシュ
アイ発生の原因となる。また、アクリル系樹脂として
は、溶媒THF(テトラヒドロフラン)に溶解させた
時、未溶解物を生じない実質的に線状であるものを使用
することが好ましい。
なくとも一つのガラス転移温度が−40℃以下であり、
アクリル酸エステルとポリオルガノシロキサン基を側鎖
に有するメタクリル酸エステルとを含む単量体混合物を
重合して得たアクリル系樹脂からなる樹脂組成物に関す
る。ポリオルガノシロキサン基を側鎖に有するメタクリ
ル酸エステルとしては、γ−メタクリロキシプロピルジ
メチルシロキシポリジメチルシロキサン(以下、ポリジ
メチルシロキサンのマクロマー)が好ましい例として挙
げられる。ポリジメチルシロキサンのマクロマーの重量
平均分子量は500以上であることが好ましい。このよ
うなアクリル系樹脂を用いることにより、本発明の樹脂
組成物が塩素系樹脂に対して優れた分散性と滑性を付与
する。
アクリル系樹脂がアクリル酸エステルとポリオルガノシ
ロキサン基を側鎖に有するメタクリル酸エステルおよび
メタクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数1
〜18)からなるものである。 アクリル酸エステルは
好ましくは0を超え20質量%、ポリオルガノシロキサ
ン基を側鎖に有するメタクリル酸エステル好ましくは1
〜30質量%およびメタクリル酸アルキルエステル好ま
しくは70〜95質量%が用いられる。ポリオルガノシ
ロキサン基を側鎖に有するメタクリル酸エステルが30
質量%を超え多すぎるとアクリル系樹脂を塩素系樹脂に
添加すると滑性が強くなり過ぎる。5〜20質量%がよ
り好ましく、加工時における樹脂の未溶融などの発生を
抑え熱分解の防止と均質な成形物の両方を満足させ易
い。
少なくとも一つのガラス転移温度が−40℃以下であっ
て、メタクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素
数1〜18)とポリオルガノシロキサン基を側鎖に有す
るメタクリル酸エステルとを含む単量体混合物からなる
重量平均分子量が5千〜25万未満の重合体を用いるこ
ともできる。メタクリル酸アルキルエステルが70質量
%以上、ポリオルガノシロキサン基を側鎖に有するメタ
クリル酸エステルが1〜30質量%、好ましくは5〜2
0質量%である。
用い塩素系樹脂フィルムを製造し、そのフィルムで包装
した魚肉、生肉等をレトルト殺菌処理を行う際、アクリ
ル系樹脂の分子量は特に制限はしない。 しかし、破裂
等の2次加工特性改良に特に好適な樹脂組成物を得るこ
とが目的の場合は、溶融分散性を助ける目的でアクリル
系樹脂の分子量は重量平均分子量がGPCを用いて測定
した場合の値で5千〜25万未満であることが好まし
く、更には5千〜10万未満であることが好ましい。重
量平均分子量が小さすぎると得られる重合体が塊り易
く、ブレンドの不均一化等の問題が発生するため好まし
くない。重量平均分子量が大きすぎると塩素系樹脂組成
物の押出時の溶融粘度が上昇し易く、分散不良を引き起
こしやすくなる。重量平均分子量が5千〜10万未満の
場合、剪断発熱による樹脂の上昇を押さえ樹脂の熱分解
の発生をより少なくできる。分子量の制御は重合温度、
ラジカル開始剤量等で調製可能だが、必要で有ればn-ド
デシルメルカプタンのようなアルキルメルカプタン、四
塩化炭素の様なハロゲン化物などの連鎖移動剤を併用し
てもかまわない。
100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%、
メタクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数1
〜18)、ポリオルガノシロキサン基を側鎖に有するメ
タクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物、ビニルシア
ン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のビニ
ル単量体は、好ましくは30〜0質量%、さらに好まし
くは10〜0質量%とを含み少なくとも一つのガラス転
移温度が−40℃以下である重合体(A)20〜90質
量部と、(A)の存在下にメタクリル酸アルキルエステ
ル(アルキル基の炭素数1〜18)を含む単量体または
単量体混合物(B)80〜10質量部を重合して得られ
る。
る重合体(A)は、分子量について特に制限はしない
が、押出機内における溶融分散性を助ける目的として、
単独に重合したときの重合体の重量平均分子量がGPC
を用いて測定した場合ポリスチレン換算の値が5千〜1
0万になることが好ましい。分子量が小さ過ぎると、重
合体(A)が液状化してしまい、ブレンドの不均一化、
ブリード等の問題が発生するため好ましくない。分子量
が大き過ぎると加工時の滑性効果が小さい多量に添加し
なければならず、分散不良を引き起こし易くなる。分子
量の制御は重合温度、ラジカル開始剤量等で調製可能だ
が、必要で有ればn−ドデシルメルカプタンのようなア
ルキルメルカプタン、四塩化炭素の様なハロゲン化物な
どの連鎖移動剤を併用してもかまわない。
明の樹脂組成物と塩素系樹脂とからなる塩素系樹脂組成
物に関する。アクリル系樹脂は、塩化ビニリデン系樹脂
100質量部に対して好ましくは0.05〜10質量
部、さらに好ましくは0.5〜3.5質量部添加するこ
とが好ましい。添加量が少なくなると意図する機能を果
たすのに十分でなく、添加量がそれより高ければブリ−
ド等による外観不良を発生するので好ましくない。第3
の発明の態様として、特に、アクリル酸エステル70〜
100質量%と、メタクリル酸アルキルエステル(アル
キル基の炭素数1〜18)、ビニル芳香族化合物及びビ
ニルシアン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1
種のビニル単量体30〜0質量%と、ポリオルガノシロ
キサン基を側鎖に有するメタクリル酸エステル30〜0
質量%とからなり、少なくとも一つのガラス転移温度が
−40℃以下である重合体(A)20〜90質量部と、
前記(A)の存在下に80質量%以上がメタクリル酸ア
ルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜18)を含む
単量体または単量体混合物(B)80〜10質量部とを
重合して得た重量平均分子量が5千〜25万であるアク
リル系樹脂の多段重合体からなる樹脂組成物0.5〜
3.5質量部と塩素系樹脂とからなる塩素系樹脂組成物
が提供される。尚、上記の組成において、重合体(A)
を構成するアクリル酸系エステルを少なくとも90質量
%含むものは、ガラス転移温度の調節がし易く、さらに
好ましい。
ニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩素化塩化ビニル樹
脂、塩素化ポリオレフィン樹脂などを指す。 塩化ビニ
ル樹脂とは、塩化ビニル樹脂もしくは塩化ビニルと30
重量%以下の臭化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニ
ル、エチレン、アクリル酸、メタクリル酸などの共重合
可能な単量体との共重合体或いは塩素化した塩化ビニル
樹脂及びそれらの混合物である。塩化ビニル系樹脂の重
合度としては500〜3000である。通常、硬質の容
器、シ−ト、フイルムでは600〜800、パイプ、異
型成形では800〜1300、軟質のシ−ト、フイルム
では700〜2500が用いられる。塩化ビニル樹脂に
は、MBS樹脂(呉羽化学工業製 クレハBTA、HI
A、パラロイドKMシリ−ズなど)、塩素化ポリエチレ
ンなど混合される。その衝撃強度を付与するための添加
量は2〜20質量部程度である。塩化ビニル樹脂にはア
クリル系樹脂0.05〜5重量部、より好ましくは0.
05〜1.50質量部の添加が好ましく、押出成形性が
改良される。
ち、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、そのアルキルエ
ステル共重合体(特に、炭素数1〜4個を持つアルキル
エステル)及びMBS樹脂から選ばれた少なくとも1種
を混合してもよい。これらの塩素系樹脂の中では、特に
塩化ビニリデン樹脂が好ましい。
ンと塩化ビニリデンに共重合可能な少なくとも1種のモ
ノエチレン系不飽和単量体との共重合体を含む。共重合
体中のモノエチレン系不飽和単量体の量は40〜2重量
%、押出加工性とガスバリヤ性とのバランスから好まし
くは35〜4重量%である。モノエチレン系不飽和単量
体としては塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、アルキルアクリレ−ト、アルキルメタアクリレ−
ト、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリル
ニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、ビニ
ルアルキルエ−テル、ビニルアルキルケトン、アクロレ
イン、アリルエステルおよびエ−テル、ブタジエン、ク
ロロプレンを含む。三元、四元以上の共重合体であって
もよい。好ましくは塩化ビニル、アルキル基の炭素数1
〜12個を有するアルキルアクリレ−トおよびアルキルメ
タアクリレ−トとしてはメチルアクリレ−ト、エチルア
クリレ−ト、メチルメタクリレ−トが好ましい。
038〜0.075L/g(以後省略する)が好まし
い。より好ましくは0.045〜0.065レトルト食
品などの包装体には0.055〜0.065が更に好ま
しい。還元粘度が小さ過ぎると、延伸加工性、耐寒性、
包装機械適性が不十分となり、また大き過ぎると、押出
装置内の樹脂発熱、熱分解を生じ易く、押出機モ−タ−
負荷の変動幅が大きく、押出加工性が不安定となる。還
元粘度の異なる塩化ビニリデン共重合体の混合物、即
ち、還元粘度0.048以上の塩化ビニリデン共重合体
と還元粘度0.046未満の塩化ビニリデン共重合体の
混合物が用いられることがある。還元粘度0.025〜
0.046未満の塩化ビニリデン共重合体の混合は、押
出加工性、耐寒性の点から考慮され、そのバランスから
その混合割合は3〜25重量%が好ましい。本発明のア
クリル系樹脂との組み合せで一層顕著な効果を有し、特
に、レトロルト用として有効である。
ル系樹脂の他に、公知の加工助剤、可塑剤、安定剤、滑
剤、抗ブロッキング剤、抗酸化剤、界面活性剤、光安定
剤、顔料、フィラ−などの添加剤を配合することができ
る。添加剤の総量は塩化ビニリデン系樹脂100質量部
に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
ニル、(メタ)アクリル酸、そのアルキルエステル共重
合体(特に、炭素数1〜4個を持つアルキルエステル)
及びMBS樹脂、加工助剤から選ばれた少なくとも1種
を混合してもよい。エチレン共重合体のエチレン含量
は、65〜85重量%、より好ましくは75〜80重量
%を含む。成形物、特にフイルムの透明性を維持するた
めにエチレン含量85重量%以下であることが好まし
い。一方、粉体のブロッキングを防ぎ、押出加工時の粉
体のスクリュへの喰い込み斑を防止し、押出機モ−タ−
負荷の変動、押出量の変動を小さくし、ガスバリヤ性
(塩化ビニリデン共重合体の場合)も低下させないため
にエチレン含量65重量%以上であることが好ましい。
その混合量は、通常、0.3〜5重量部が好ましい。更
に、粉体の流動性を改善したり、塩素系樹脂との相溶性
を上げる目的で、エチレン含量65〜85重量%以外の
エチレン共重合体を少量添加することができる。エチレ
ン共重合体の溶融粘度は溶融加工性、ガスバリヤ性の点
からメルトインデックス(MI)3以上が好ましい。ま
た、塩素系樹脂の溶融粘度より小さいことが溶融加工性
からより好ましい。
ト、アセチルトリブチルサイトレ−ト、ジブチルセバケ
−ト、ジオクチルセバケ−ト、ジイソブチルアジペ−
ト、アセチル化モノグリセリド、アジピン酸系ポリエス
テル(平均重量分子量1000〜4000)等の可塑
剤、大豆油、アマニ油等のエポキシ化油及びエポキシ基
含有樹脂、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、カ
ルシウムヒドロキシホスフェ−ト、ピロ燐酸ナトリウ
ム、ピロ燐酸二水素二ナトリウム、第一燐酸ナトリウム
などの無機塩基類、エチレンジアミン四酢酸塩類などの
安定剤、酸化ポリエチレン等の酸化ポリオレフィン、パ
ラフィンワックス、ポリエチレンワックス、モンタン酸
エステルワックス等の各種ワックス、グリセリンモノエ
ステル等の脂肪酸エステル、脂肪酸のモノ及びビスアミ
ド誘導体等の滑剤、トリエチレングリコ−ルビス−3−
(3−タ−シャリブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオネ−ト(例えば、チバガイギ−製 I
RGANOX 245)、オクタデシル3、5−ジタ−シャリブチ
ル−4−ヒドロキシヒドロシンナメ−ト、α,β,γ,
δの各種トコフェノ−ル及びその混合物、ブチルヒドロ
キシトルエン等の坑酸化剤、アルキル基の炭素数が12
〜18のチオジプロピオン酸アルキルエステル(例え
ば、ジラウリルチオジプロピオネ−トやジステアリルチ
オジプロピオネ−ト)等の坑酸化剤が挙げられる。ソル
ビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル系などの界面活性剤等である。
として、エチレンジアミン四酢酸またはその塩、非アル
ケン弱酸の少なくとも1種の塩(特に、リン酸塩または
その誘導体)、必要に応じてトリエチレングリコ−ルビ
ス−3−(3−タ−シャリブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチル−フェニル)プロピオネ−ト、ビタミンE、チ
オジプロピオン酸アルキルエステルの群から選ばれた助
剤との存在下に塩化ビニリデンを重合される。その添加
量の好ましい範囲は、エチレンジアミン四酢酸またはそ
の塩0.0005〜0.25重量部と非アルケン弱酸の
少なくとも1種の塩0.001〜15重量部と、必要に
応じてトリエチレングリコ−ルビス−3−(3−タ−シ
ャリブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)
プロピオネ−ト0.0005〜0.55重量部、ビタミ
ンE0.0005〜0.2重量部、チオジプロピオン酸
アルキルエステル0.0005〜0.2重量部の群から
選ばれた助剤との存在下に塩化ビニリデンを重合され
る。色調改善に特に有効である。
も、粉体状で混合してもよい。添加剤はエチレン共重合
体、MBS樹脂、アクリル系加工助剤に吸着或いは吸収
され、塩化ビニリデン系樹脂との混合の相乗効果ととも
に良好な押出加工性とガスバリヤ性のバランスが得られ
る。可塑剤や安定剤以外の添加剤は必要に応じて適宜使
用される。顔料として、酸化チタン系顔料0.10〜1
0重量部を含むことができる。酸化チタン系顔料は、塩
化ビニリデン系樹脂では食品内容物の紫外線による変色
防止の効果がある、一方、ダイ流出口の付着分解を増加
させる。しかし、真空ホッパ−など使用すると付着分解
は効果的に低減され、0.10〜10重量部までの多量
に添加することが可能となった。
系樹脂の熱分解と押出加工温度が接近しており、それ自
体の熱安定性の改良が難しく、樹脂の発熱を抑制する方
法がよく採用される。例えば、重合度を小さくしたり、
添加剤を多く添加することが考えられる。前者は、塩化
ビニリデン共重合体の強度が弱くなり、包装中にフイル
ム皺伸ばしのためにフイルム張力を掛ける際などに破断
し易くなって包装機械適性が悪くなり、耐寒性も低下す
る。後者はガスバリヤ性が低下する。また、押出加工性
は包装機械適性と密接に関係する。押出モ−タ−負荷の
変動が大きいと押出量の斑になり、それがフイルム厚み
の斑となってシ−ルする際のフイルムに与えられる単位
厚み当たりのエネルギ−が変わり、フイルムが薄過ぎる
は場合にはフイルムが溶融してピンホ−ル破袋となり、
フイルムが厚過ぎるとシ−ルが付かなくなるトラブルが
発生する。分解物流出は分解物によるシ−ル電極のスパ
−クしてフイルムが微小破袋しピンホ−ルとなる。ダイ
流出口の付着分解は微小なフイルム厚みの幅方向の斑と
なり、フイルムの微小な皺発生の原因となってシ−ル不
良などの低下要因となる。塩化ビニリデン系樹脂の混合
系で同種の共重合成分である場合、押出機内部で均一溶
融し易く、成形フイルムの品質上好ましくない樹脂の熱
分解、未溶融などにより生成するフィッシュアイの発生
を低減させる。本発明のアクリル系樹脂の加工助剤の組
み合せにより、一層改善することができた。
加工の改良に、表面処理された押出装置を用いると有効
に寄与できる。金属の表面処理方法とは、ステンレス鋼
などの鉄を主成分とする金属材料を清浄化処理した後、
酸化性雰囲気中で熱処理して酸化被膜を形成させ、その
後に酸化被膜を溶解除去することを特徴とする。その製
造プロセスの一例は、金属材料を、機械研磨(工作機
械研磨、バフ研磨)、電解研磨(電気化学反応に基づ
き外部電流によって金属表面を平滑及び光沢化させる方
法:金属、1988年10月号、98-104)、前洗浄(高圧洗
浄、超音波洗浄)、超純水洗浄(高温超純水洗浄、高
純度窒素ガス乾燥)、熱処理(酸化処理あるいは酸化
被膜を形成:Boshoku Gijutsu、36、368-375、1987年及
びBoshoku Gijutsu、419-430、1987年)、酸処理(酸
エッチング処理あるいは酸化被膜を除去)、後洗浄
(酸液洗浄、高圧超純水洗浄)、超純水洗浄(高温超
純水洗浄)、乾燥(高純度窒素ガス乾燥)であり、特
に、熱処理(酸化被膜を形成)及び酸処理(酸化被
膜を除去)の製造プロセスを含む。
ダ−、ヘンシェルミキサ−等の公知の混合装置が挙げら
れる。押出機の機上ホッパ−装置内でスクリュ・フィ−
ダ−などを使用して混合することもできる。エチレン共
重合体、即ち、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、その
アルキルエステル共重合体(特に、炭素数1〜4個を持
つアルキルエステル)及びMBS樹脂を温度60℃以下
で混合することが好ましい。
体のまま或いはペレットの形状で使用される。塩化ビニ
リデン系樹脂組成物は、真空ホッパ−を経由して押出機
へ供給する押出加工方法が有効で、押出加工性、色調が
改善される。
樹脂が含まれてもよい。塩化ビニリデン系樹脂を含む成
形物の粉砕物を混合してリサイクルすることができる。
新たにエチレン共重合体、即ち、酢酸ビニル、(メタ)
アクリル酸、そのアルキルエステル共重合体(特に、炭
素数1〜4個を持つアルキルエステル)及びMBS樹脂
重合体を混合してもよく、特殊には、これらを含む多層
フイルム、ケ−シングのリサイクル物を混合してもよ
い。押出加工性を改善することができる。多層の場合に
は、リサイクル含む樹脂を独立層として配置してもよ
い。
樹脂組成物からなる成形物を提供する。本発明の塩素系
樹脂組成物は溶融成形し、必要に応じて延伸加工され
て、フイルム、ケ−シング、シ−トなどの成形物にされ
る。成形方法としては、例えば、サ−キュラ−ダイによ
るインフレ−ション成形、Tダイ成形、ブロ−成形など
の押出成形法等が適用できる。また、ラミネ−ト用原反
としても使用される。通常、延伸配向して得られるフイ
ルム、ケ−シングは熱収縮性を有し、レトルト可能なも
のになる。そのフイルム、ケ−シング熱収縮率は、通
常、縦横とも約30〜約60%(120℃測定)であ
る。また、レトルト条件は約80〜約120℃(加圧
0.01〜3.0MPa)、時間は5分〜6時間であ
る。フイルム、ケ−シング厚さはシングルフイルムとし
て、好ましくは約10〜約30μm程度であり、ダブル
フイルムとしても使用される。また、本発明のフィル
ム、ケーシング、パイプ、異型成形品、容器およびシー
トは同種の塩素系樹脂またはこれと押出可能な他の多層
成形物にしてもよい。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
作所製)を用いて測定した。THF(テトラヒドロフラ
ン)を展開溶媒とし、ポリマ−のTHF溶液を40℃で
恒温のGPC用カラム内を通して示差屈折計で溶出時間
を測定した。GPCカラム校正用標準試料であるポリス
チレンを用い重量平均分子量を求めた。
(DSC20:メトラー社製)を用いて測定した。試料
約10mgを窒素雰囲気下、−150℃から150℃ま
で10℃毎分で昇温し、熱量の二次転移開始温度をTg
とした。
内に水58000質量部(以下、部と略称する)、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ600部、ピロリン酸四
ナトリウム塩80部、硫酸第一鉄七水塩0.5部および
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム1.5部を仕込
み、50℃に昇温した。50℃に到達後、オートクレー
ブ内を十分に窒素ガスで置換し、投入物1.BA(ブチ
ルアクリレート)20000部およびnOM(n−オク
チルメルカプタン)200部、投入物2.2%tBHP
(ターシャリ・ブチルハイドロパーオキサイド)水溶液
3000部、投入物3.2%Rongalite水溶液
3000部を3ヶ所の投入口から一定量ずつ100分か
けて投入した。
を続けた。重合転化率は99%であった。反応混合物の
一部を抜き出し、塩析でポリマーを析出させ十分な水洗
の後、真空乾燥機で40℃で15時間乾燥させた。乾燥
したポリマーのGPCにより求めた重量平均分子量は
4.2万であった(ポリスチレン換算)。また、DSC
により求めたガラス転移温度は−56℃であった。
で重合した重合体(A)を用いて、以下のように2段目
の重合を行った。オートクレーブ内を十分に窒素ガスで
置換し、50℃一定のオートクレーブ内に投入物4.M
MA(メチルメタクリレート)19000部、BA10
00部およびnOM200部、投入物5.2%tBHP
水溶液3000部、投入物6.2%Rongalite
水溶液3000部を3ヶ所の投入口から一定量ずつ10
0分かけて投入した。投入物4、5、6投入終了後、3
0分反応を続けた。重合転化率は99%であった。反応
終了後冷却し、2段重合ラテックスを塩化カルシウム水
溶液に投じることでポリマーを単離、水洗乾燥して、2
段重合体1.を得た。乾燥した2段重合体1.のGPCに
より求めた重量平均分子量は4.8万、Tgは−54
℃,95℃であった。
て、nOMを100部に、2%tBHP水溶液および2
%Rongalite水溶液の投入量をそれぞれ200
0部にした以外は合成例1と同様の操作を行い、2段重
合体2.を得た。2段重合体2.の重量平均分子量は
8.4万、Tgは−54℃,95℃であった。
ベンゼンスルホン酸ソーダ600部、ピロリン酸四ナト
リウム塩80部、硫酸第一鉄七水塩0.5部およびエチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウム1.5部を合成例1と
同様に50℃に昇温した。50℃に到達後、オートクレ
ーブ内を十分に窒素ガス置換し、投入物1.BA180
00部、SiMA(γ−メタクリロキシプロピルジメチ
ルシロキシポリジメチルシロキサン)(チッソ社製、サ
イラプレーンFM0711)2000部およびnOM2
00部、投入物2.2%tBHP水溶液2000部、投
入物3.2%Rongalite水溶液2000部を3
ヶ所の投入口から、一定量ずつ100分かけて投入し
た。投入物1.、2.、3投入終了後、30分反応を続
けた。重合転化率は99%であった。反応混合物の一部
を抜き出し、塩析でポリマーを析出させ十分な水洗の
後、真空乾燥機で40℃で15時間乾燥させた。乾燥し
たポリマーのGPCにより求めた重量平均分子量は5.
6万、Tgは−112℃、−56℃であった。 (2)2段重合体3.の合成:合成例1と同様に2段目
の重合を行った。2段重合体3.の重量平均分子量は
6.4万、Tgは−112℃、−56℃、95℃であっ
た。
ベンゼンスルホン酸ソーダ600部、ピロリン酸四ナト
リウム塩80部、硫酸第一鉄七水塩0.5部、エチレン
ジアミン四酢酸二ナトリウム1.5部、エチレンジアミ
ン四酢酸二ナトリウム1.5部を合成例1と同様に50
℃に昇温した。50℃に到達後、オートクレーブ内を十
分に窒素ガス置換し、投入物1.BA20000部、n
OM20部、投入物2.2%tBHP水溶液2000
部、および投入物3.2%Rongalite水溶液、
2000部を3ヶ所の投入口から、一定量ずつ100分
かけて投入した。投入物1、2、3投入終了後、30分
反応を続けた。重合転化率は99%であった。反応混合
物の一部を抜き出し、塩析でポリマーを析出させ十分な
水洗の後、真空乾燥機で40℃で15時間乾燥させた。
乾燥した重合体(A)の重量平均分子量は37万、Tg
は−56℃であった。 (2)2段重合体4.の合成:合成例1と同様に2段目
の重合を行った。2段重合体4.の重量平均分子量は2
6万、Tgは−55℃、95℃であった。
ベンゼンスルホン酸ソーダ600部、ピロリン酸四ナト
リウム塩80部、硫酸第一鉄七水塩0.5部、エチレン
ジアミン四酢酸二ナトリウム1.5部およびエチレンジ
アミン四酢酸二ナトリウム1.5部を合成例1と同様に
50℃に昇温した。50℃に到達後、オートクレーブ内
を十分に窒素ガス置換し、投入物1.BA12000
部、ST8000部およびnOM200部、投入物2.
2%tBHP水溶液2000部および投入物3.2%R
ongalite水溶液2000部を3ヶ所の投入口か
ら、一定量ずつ100分かけて投入した。投入物1、
2、3投入終了後、30分反応を続けた。重合転化率は
99%であった。反応混合物の一部を抜き出し、塩析で
ポリマーを析出させ十分な水洗の後、真空乾燥機で40
℃で15時間乾燥させた。乾燥した重合体(A)の重量
平均分子量は6.2万、Tgは−15℃であった。 (2)2段重合体5.の合成:合成例1と同様に2段目
の重合を行った。2段重合体5.の重量平均分子量は
8.2万、Tgは−15℃、95℃であった。
ベンゼンスルホン酸ソーダ400部、ピロリン酸四ナト
リウム塩80部、硫酸第一鉄七水塩0.5部およびエチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウム1.5部を合成例1と
同様に50℃に昇温した。50℃に到達後、オートクレ
ーブ内を十分に窒素ガスで置換し、投入物1.水500
00部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ200部、
MMA36000部、SiMA4000部およびnOM
400部、投入物2.2%tBHP水溶液4000部お
よび投入物3.2%Rongalite水溶液4000
を3ヶ所の投入口から一定量ずつ200分かけて投入し
た。投入物1、2、3投入終了後、30分反応を続け
た。重合転化率は98%であった。反応終了後冷却し、
重合ラテックスを塩化カルシウム溶液に投じてポリマー
を単離し、水洗、乾燥して重合体6.を得た。乾燥した
重合体6.の重量平均分子量は7.5万であった。ま
た、Tgは−115℃、105℃であった。
0000部、SiMAを10000部とした以外は、合
成例6と同様の操作を行い重合体7.を得た。重合体
7.の重量平均分子量は8.1万、Tgは−116℃、
105℃であった。
加工性に対する知見を得る目的で、塩化ビニリデン−塩
化ビニル共重合体(塩化ビニリデン88質量%含有、還
元粘度0.058)100質量部に、可塑剤としてセバ
チン酸ジブチルセバテート4質量部、安定剤としてエポ
キシ化アマニ油1質量部をそれぞれ添加したものを現処
方(A)とし、更に上記合成例1で得られた2段重合体
1.を1質量部添加したものを処方(B)とし、比較例
としてRH社製のK−175および三菱レーヨン(株)
社製のL−1000を1質量部づつ添加したものをそれ
ぞれ処方(C)、(D)とし、ブラベンダ−社のプラス
トミルによる溶融混練挙動を観察し、表1に示した。
合体1.を含む処方(B)は他の処方に比べ、かなり滑性が
大きい。ゲル化が速いと押出機内で溶融状態での熱履歴
が長いため、ゲル化は遅延された方が熱分解抑制には良
い。
する効果を見るために、実施例1で用いた塩化ビニリデ
ン-塩化ビニル共重合体100質量部に、可塑剤として
セバチン酸ジブチルセバテート4質量部、安定剤として
エポキシ化アマニ油1質量部をそれぞれ添加したものを
現処方(A)とし、更に上記合成例1,2,3で得られた
2段重合体1.、2.、3.を1質量部添加したものを
それぞれ処方(B)、(C)および(D)とし、上記合
成例4、5で得た2段重合体4.、5.を1質量部添加
したものをそれぞれ処方(E)、(F)とした。これら
処方(A)〜(F)を、先端に丸棒ダイ(3φ)を取り
付けたスクリュー式押出機(25φ、L/D=22)に
て、175℃で混練押出し、10時間後、スクリューを
抜き出し、熱分解物のスクリューへの付着状況を観察し
た。押出中のダイ出口における樹脂温度や、熱分解物の
スクリューへの付着状況の観察結果について押出結果を
表2にまとめた。
性に対する知見を得る目的でロールミルによる混練挙動
の観察を行った。実施例1で用いた塩化ビニリデン−塩
化ビニル共重合体100質量部に、可塑剤としてセバチ
ン酸ジブチルセバテート4質量部、安定剤としてエポキ
シ化アマニ油1質量部をそれぞれ添加したものを現処方
(A)とし、更に合成例6、7で得られた重合体6.、
7.を1.5質量部添加したものをそれぞれ処方
(G)、(H)とした。ロール混練は、8×20インチ
ロール、150℃、ロール面間隔0.5mm、20回転
毎分で行った。結果を表3に示した。
6.7.を含む処方(G)、(H)は無添加の処方
(A)に比べ滑性が大きいことがわかる。ゲル化が速い
と押出機内で溶融状態での熱履歴が長くなるため、ゲル
化は遅延された方が熱分解性抑制にはよい。
加工助剤として塩素系樹脂に特定量配合することによ
り、加工特性が改善された(押出中の熱分解物のスクリ
ューへの付着量が減少する)塩素系樹脂組成物とし得る
ことが明らかである。
Claims (29)
- 【請求項1】 少なくとも一つのガラス転移温度が−4
0℃以下でありその重量平均分子量が5千〜25万未満
であるアクリル系樹脂からなる樹脂組成物。 - 【請求項2】 アクリル系樹脂の重量平均分子量が5千
〜10万未満である請求項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項3】 アクリル系樹脂が多段重合体である請求
項1または2記載の樹脂組成物。 - 【請求項4】 アクリル系樹脂が実質的に線状である請
求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。 - 【請求項5】 アクリル系樹脂がアクリル酸エステルを
主成分とする重合体(A)を含んでなる請求項1〜4の
いずれかに記載の樹脂組成物。 - 【請求項6】 アクリル系樹脂がメタクリル酸アルキル
エステル(アルキル基の炭素数1〜18)とポリオルガ
ノシロキサン基を側鎖に有するメタクリル酸エステルを
含む単量体混合物を重合して生成したものである請求項
1〜4のいずれかに記載のアクリル系樹脂からなる樹脂
組成物。 - 【請求項7】 アクリル系樹脂が、アクリル酸エステル
を主成分とし、随時、メタクリル酸アルキルエステル、
ポリオルガノシロキサン基を側鎖に有するメタクリル酸
エステル、ビニル芳香族化合物およびビニルシアン化合
物からなる群より選ばれる少なくとも一種のビニル単量
体とからなり、少なくとも一つのガラス転移温度が−4
0℃以下である重合体(A)と、前記重合体(A)の存
在下にメタクリル酸エステルの単量体または単量体混合
物(B)を重合して生成したものであることを特徴とす
る請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。 - 【請求項8】 少なくとも一つのガラス転移温度が−4
0℃以下であって、アクリル酸エステルとポリオルガノ
シロキサン基を側鎖に有するメタクリル酸エステルとを
重合して得たアクリル系樹脂からなる樹脂組成物。 - 【請求項9】 アクリル系樹脂が、アクリル酸エステル
とポリオルガノシロキサン基を側鎖に有するメタクリル
酸エステルとメタクリル酸アルキルエステル(アルキル
基の炭素数1〜18)とを含む単量体混合物を重合して
生成したものである請求項8記載の樹脂組成物。 - 【請求項10】 アクリル系樹脂を構成するポリオルガ
ノシロキサン基を側鎖に有するメタクリル酸エステルが
片末端にγ−メタクリロキシプロピル基を有するポリジ
メチルシロキサンのマクロマ−である請求項6〜9のい
ずれかに記載の樹脂組成物。 - 【請求項11】 アクリル系樹脂がアクリル酸エステル
0を超え20質量%と、ポリオルガノシロキサン基を側
鎖に有するメタクリル酸エステル1〜30質量%と、メ
タクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜
18)70〜95質量%(3者の合計は100質量%)
を含んでなる請求項8〜10のいずれかに記載の樹脂組
成物。 - 【請求項12】 アクリル系樹脂の重量平均分子量が5
千〜25万未満である請求項8〜11のいずれかに記載
の樹脂組成物。 - 【請求項13】 アクリル系樹脂がアクリル酸エステル
70〜100質量%と、メタクリル酸アルキルエステル
(アルキル基の炭素数1〜18)、ビニル芳香族化合物
およびビニルシアン化合物からなる群より選ばれる少な
くとも1種のビニル単量体30〜0質量%とポリオルガ
ノシロキサン基を側鎖に有するメタクリル酸エステル3
0〜0質量%とからなり、少なくとも一つのガラス転移
温度が−40℃以下である重合体(A)20〜90質量
部と、前記(A)の存在下に80質量%以上が少なくと
もメタクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数
1〜18)を含む単量体または単量体混合物(B)80
〜10質量部を重合して得た請求項5記載の樹脂組成
物。 - 【請求項14】 アクリル系樹脂を構成する重合体
(A)の重量平均分子量が5千〜10万未満である請求
項13記載の樹脂組成物。 - 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかに記載の樹
脂組成物と塩素系樹脂とからなる塩素系樹脂組成物。 - 【請求項16】 樹脂組成物0.05〜10質量部と塩
素系樹脂100質量部とからなる請求項15記載の塩素
系樹脂組成物。 - 【請求項17】 アクリル酸エステル70〜100質量
%と、メタクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭
素数1〜18)、ビニル芳香族化合物及びビニルシアン
化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のビニル
単量体30〜0質量%と、ポリオルガノシロキサン基を
側鎖に有するメタクリル酸エステル30〜0質量%を含
み、少なくとも一つのガラス転移温度が−40℃以下で
ある重合体(A)20〜90質量部と、前記(A)の存
在下に80質量%以上のメタクリル酸アルキルエステル
(アルキル基の炭素数1〜18)を含む単量体または単
量体混合物(B)80〜10質量部とを重合して得た重
量平均分子量が5千〜25万であるアクリル系樹脂の多
段重合体からなる樹脂組成物0.5〜3.5質量部と塩
素系樹脂100質量部とからなる塩素系樹脂組成物。 - 【請求項18】 重合体(A)が重量平均分子量5千〜
10万未満の多段重合体である請求項17記載の塩素系
樹脂組成物。 - 【請求項19】 アクリル系樹脂がアクリル酸エステル
0を超え20質量%と、ポリオルガノシロキサン基を側
鎖に有するメタクリル酸エステル1〜30質量%と、メ
タクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜
18)70〜95質量%の単量体混合物の重合体0.5
〜3.5質量部と塩素系樹脂とからなる塩素系樹脂組成
物。 - 【請求項20】 塩素系樹脂が塩化ビニリデン共重合体
を主体とする請求項15〜19のいずれかに記載の塩素
系樹脂組成物。 - 【請求項21】 請求項15〜20のいずれかに記載の
塩素系樹脂組成物から形成された成形物。 - 【請求項22】 重量平均分子量5千〜10万未満であ
るアクリル系樹脂の多段重合体と塩化ビニリデン共重合
体とから形成された成形物。 - 【請求項23】 フイルム、ケ−シング、シ−トである
請求項21または22記載の成形物。 - 【請求項24】 請求項23記載の成形物が熱収縮性を
有するフイルム、シートまたはケ−シング。 - 【請求項25】 レトルト可能なフイルムまたはケ−シ
ングである請求項21〜24のいずれかに記載の成形
物。 - 【請求項26】 請求項23〜25のいずれかに記載の
フィルムを少なくとも1層有する成形物。 - 【請求項27】 塩素系樹脂が塩化ビニル樹脂を主体と
する請求項15〜19のいずれかに記載の塩素系樹脂組
成物。 - 【請求項28】 請求項27記載の塩素系樹脂組成物か
らなる成形物が容器、シ−トまたはフイルム。 - 【請求項29】 請求項27記載の塩素系樹脂組成物か
らなる成形物がパイプまたは異型成形物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28180596A JPH10101884A (ja) | 1996-10-03 | 1996-10-03 | 樹脂組成物、樹脂組成物を含む塩素系樹脂組成物およびその成形物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28180596A JPH10101884A (ja) | 1996-10-03 | 1996-10-03 | 樹脂組成物、樹脂組成物を含む塩素系樹脂組成物およびその成形物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10101884A true JPH10101884A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17644238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28180596A Pending JPH10101884A (ja) | 1996-10-03 | 1996-10-03 | 樹脂組成物、樹脂組成物を含む塩素系樹脂組成物およびその成形物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10101884A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009024112A (ja) * | 2007-07-20 | 2009-02-05 | Kaneka Corp | メタクリル系樹脂組成物 |
JP2009035636A (ja) * | 2007-08-01 | 2009-02-19 | Kaneka Corp | メタクリル系樹脂組成物 |
JP2018177890A (ja) * | 2017-04-06 | 2018-11-15 | 旭化成株式会社 | 塩化ビニリデン系共重合体樹脂組成物 |
-
1996
- 1996-10-03 JP JP28180596A patent/JPH10101884A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009024112A (ja) * | 2007-07-20 | 2009-02-05 | Kaneka Corp | メタクリル系樹脂組成物 |
JP2009035636A (ja) * | 2007-08-01 | 2009-02-19 | Kaneka Corp | メタクリル系樹脂組成物 |
JP2018177890A (ja) * | 2017-04-06 | 2018-11-15 | 旭化成株式会社 | 塩化ビニリデン系共重合体樹脂組成物 |
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
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