JP2011092034A - 穀粒排出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排出切換部材90は、穀粒排出口15を開放して穀粒排出口15からの穀粒の排出を許容する下向きの排出許容姿勢と、排出許容姿勢よりも上向きで穀粒排出口15を閉鎖して穀粒排出口15からの穀粒の排出を阻止する排出阻止姿勢とに揺動切換自在であり、排出切換部材90の側部に対向する穀粒排出口15の内面に可撓性を有するシール部材60を配設し、排出阻止姿勢においてシール部材60と排出切換部材90の側縁部とが当接して、穀粒排出口15からの穀粒の排出を阻止するように構成してある。
【選択図】図5
Description
請求項1に係る発明の特徴構成は、穀粒排出口に向けて穀粒タンクから穀粒を搬送する搬送装置を設けるととともに、前記穀粒排出口に穀粒漏れを防止する排出切換部材を設けた穀粒排出装置であって、
前記排出切換部材は、前記穀粒排出口を開放して前記穀粒排出口からの穀粒の排出を許容する下向きの排出許容姿勢と、前記排出許容姿勢よりも上向きで前記穀粒排出口を閉鎖して前記穀粒排出口からの穀粒の排出を阻止する排出阻止姿勢とに揺動切換自在であり、
前記排出切換部材の側部に対向する前記穀粒排出口の内面に可撓性を有するシール部材を配設し、前記排出阻止姿勢において前記シール部材と前記排出切換部材の側縁部とが当接して、前記穀粒排出口からの穀粒の排出を阻止するように構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
請求項1に係る発明の特徴構成によると、排出切換部材は揺動自在であって、穀粒排出口を開放して穀粒排出口からの穀粒の排出を許容する下向きの排出許容姿勢と、排出姿勢よりも上向きで穀粒排出口を閉鎖して穀粒排出口からの穀粒の排出を阻止する排出阻止姿勢とに切り換えられる。排出切換部材が下向きの排出許容姿勢から上向きの排出阻止姿勢になると、排出切換部材の側部に対向する穀粒排出口の内面に配設された可撓性を有するシール部材と排出切換部材の側縁部とが当接する。すなわち、穀粒排出口の内面と排出切換部材の側部と間に形成される隙間がシール部材により密閉され、穀粒排出口からの穀粒漏れが防止される。
請求項1に係る発明の特徴構成によると、排出切換部材の排出阻止姿勢において、穀粒排出口の内面に配設されたシール部材と排出切換部材の側縁部とが当接し、穀粒排出口の内面と排出切換部材の側部との間の隙間がシール部材で密閉されて、穀粒の漏れを確実に防止でき、穀粒を無駄にすることが少なくなった。また、シール部材を穀粒排出口の内面に配設することで、シール部材の耐久性が向上した。
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記シール部材が、前記穀粒排出口の中央側に向く斜め下向きに延出するようにしてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
請求項2に係る発明の特徴構成によると、可撓性のシール部材が、穀粒排出口の中央側に向く斜め下向きに延出するようにしてあるので、排出切換部材が下向きの排出許容姿勢から上向きの排出阻止姿勢になったときに排出切換部材の縁部とシール部材が当接し、排出切換部材がさらに上向きへ揺動しても、シール部材が上方に押し曲げられて排出切換部材の側縁部との当接状態が維持される。
また、排出切換部材の排出阻止姿勢において、排出切換部材の側縁部と当接するシール部材が上方に向けて押し曲げられた状態になるよう穀粒排出口に配設すると、排出切換部材が外力等を受けて上下に振動した場合でも、シール部材と排出切換部材との当接状態が維持されて、穀粒の漏れを防止できる。
請求項2に係る発明の特徴構成によると、シール部材の穀粒排出口への配設が容易となるともに、排出切換部材とシール部材とが十分に密着してシール性が高まり、穀粒の漏れが少なくなった。
請求項3に係る発明の特徴構成は、前記シール部材の上部を断面がくの字状に屈曲して前記穀粒排出口の内面に固定された固定部材に沿わせて固定し、前記シール部材の下部を前記穀粒排出口の中央側に向く斜め下向きに延出するようにしてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
請求項3に係る発明の特徴構成によると、シール部材の上部を断面が「く」の字状に屈曲して穀粒排出口の内面に固定された固定部材に沿わせて固定するので、シール部材の下部を穀粒排出口の中央側に向く斜め下向きに容易に延出させることができる。また、シール部材の上部が固定部材で支持されるので、シール部材の上部の姿勢も維持される。
請求項3に係る発明の特徴構成によると、シール部材の上部を断面が「く」の字状に屈曲して穀粒排出口の内面に固定された固定部材に沿わせて固定するので、シール部材の穀粒排出口へ容易に配設でき、シール部材の姿勢も極力保持されて、排出阻止姿勢において排出切換部材の側縁部がシール部材に安定して接触する。
請求項4に係る発明の特徴構成は、断面がくの字状に屈曲した押え部材を前記シール部材の上部に固定して、前記固定部材と前記押え部材とにより前記シール部材の上部が挟持されてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
シール部材の裏面側が「く」の字状の固定部材で支持されることで、シール部材も、くの字状を呈している。このとき、シール部材の屈曲部から下方の部分の表面側が露出した状態で配設されていると、穀粒の排出時に多量の穀粒をシール部材の表面側に受ける。シール部材の下部(固定部材の下端部よりも下側の部分)は多量の穀粒の自重を受けて穀粒排出口の内面に沿うように真下向きに姿勢を変更して、穀粒の負荷を逃し易い。しかし、シール部材の固定部材に沿って支持されている部分は真下向きになることはできず、穀粒の自重を受けて破損するおそれがある。
請求項4に係る発明の特徴構成によると、断面が「く」の字状に屈曲した押え部材を前記シール部材の上部に固定して、前記固定部材と前記押え部材とにより前記シール部材の上部が挟持されることで、シール部材の損傷等が極力押えられ、結果的にシール部材の耐久性が向上した。
請求項5に係る発明の特徴構成は、前記排出切換部材の端部及び前記排出切換部材の端部に対向する前記穀粒排出口の内面に面部を設け、前記排出阻止姿勢において前記穀粒排出口の面部と前記排出切換部材の面部とが面接触し、且つ、前記シール部材と前記排出切換部材の側縁部とが当接して、前記穀粒排出口からの穀粒の排出を阻止するように構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
請求項5に係る発明の特徴構成によると、排出切換部材が下向きの排出許容姿勢から上向きの排出阻止姿勢になると、穀粒排出口の内面の面部に排出切換部材の面部とが面接触して穀粒排出口を閉鎖する。したがって、排出切換部材の端部が弾性的に撓んでも、面接触の範囲内で部分的に接触しない部分が生じる程度の状態となる。さらに、前記排出切換部材の側縁部は前記シール部材と当接して、穀粒排出口の内面と排出切換部材の側部と間の隙間も密閉されて穀粒排出口の内面と排出切換部材と間に隙間が発生し難くなり、穀粒排出口からの穀粒漏れが防止される。
請求項5に係る発明の特徴構成によると、穀粒排出口の内面及び排出切換部材の端部に設けられた面部と、穀粒排出口の内面に配設されたシール部材により、排出阻止姿勢において穀粒排出口の閉鎖状態が維持されるので、穀粒の漏れが確実に防止されて、穀粒を無駄にすることが少なくなった。
請求項6に係る発明の特徴構成は、前記穀粒排出口の内面に凹部を形成し、前記凹部の内面の上側部分を前記穀粒排出口の面部として、前記排出阻止姿勢において前記排出切換部材の面部が前記穀粒排出口の面部に下側から面接触するように構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
請求項6に係る発明の特徴構成によると、排出切換部材が排出阻止姿勢に切り換わると、排出切換部材が上向きに揺動し、排出切換部材の面部が穀粒排出口の凹部の上側部分(面部)に下側から面接触する。その際、排出切換部材の端部が振動や穀粒の重みにより下方に弾性的に撓むと、排出切換部材の面部が穀粒排出口の凹部の上側部分(面部)から離間することがある。しかし、排出切換部材の下方への撓みが小さい場合には、平面視において排出切換部材の面部が穀粒排出口の内面の面部とは重なっており、隙間が発生しない状態が維持されて、穀粒漏れが阻止される。
請求項6に係る発明の特徴構成によると、穀粒排出口の内面に凹部を形成し、前記凹部の内面の上側部分を穀粒排出口の面部として、排出阻止姿勢において排出切換部材の面部が穀粒排出口の面部に下側から面接触するように構成してあるので、穀粒漏れが確実に阻止されると共に、排出切換部材による穀粒の排出動作の操作性が向上する。
さらに、排出切換部材が下方への揺動の際に、穀粒排出口の内面と擦れ合うことがないので(こじれが発生し難いので)、排出切換部材の排出阻止姿勢と排出許容姿勢の切換操作を円滑に行なうことができる。
請求項7に係る発明の特徴構成は、請求項6に係る発明において、前記排出切換部材の面部の端部に、前記穀粒排出口の面部とは反対側の下方に向く突出部を備えてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
請求項7に係る発明の特徴構成によると、穀粒排出口の内面に凹部が形成されている場合に、排出切換部材の面部の端部に、穀粒排出口の面部とは反対側の下方に向く突出部を備えてあると、排出切換部材が排出阻止姿勢に切り換わった際に、穀粒排出口の凹部の内面の下側部分と排出切換部材の突出部が対向する。そうなると、面部同士が面接触する部分とは別の、排出切換部材と穀粒排出口の内面との間の隙間の狭い部分(排出切換部材の突出部の部分)が広い範囲に亘って存在する状態となり、排出阻止姿勢におけるシール性がさらに向上する。したがって、排出切換部材の端部が下向きに少し撓んだとしても、排出阻止姿勢の排出切換部材によるシール性が維持され、穀粒の漏れをより確実に阻止できる。
図1は、本発明の実施例に係る穀粒排出オーガが装着されたコンバインの側面図である。図2は、本発明の実施例に係る穀粒排出オーガが装着されたコンバインの平面図である。これらの図に示すように、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1,1によって自走するように構成され、かつ運転座席2Aを有した運転部2、および運転座席2Aの下方に設けたエンジンEを有した原動部が装備された自走機体を備え、この自走機体の機体フレーム3の前部に連結された刈取り部4を備え、前記機体フレーム3の後部側に自走機体横方向に並べて設けた脱穀装置5と穀粒タンク6を備え、この穀粒タンク6の後側に自走機体上下向きに設けた縦穀粒排出オーガ7を有した穀粒排出装置8を備えている。
すなわち、刈取り部4は、刈取り部フレーム4aが昇降シリンダ9によって機体フレーム3に対して上下揺動操作されることにより、刈取り部4の前端部に位置する分草具4bが圃場の近くに下降した下降作業状態と、分草具4bが圃場から高く上昇した上昇作業状態とに昇降する。この刈取り部4を下降作業状態にして自走機体を走行させると、刈取り部4は、エンジンEからの駆動力によって駆動されて植立穀稈を引起しながら刈り取る。脱穀装置5は、エンジンEからの駆動力によって駆動されて刈取り部4からの刈り取り穀稈を脱穀処理する。穀粒タンク6は、脱穀装置5からの脱穀粒を回収して貯留する。
穀粒排出装置8は、前記縦穀粒排出オーガ7(以下、縦オーガ7と略称する。)を備える他、この縦オーガ7の搬送終端側に上中継ケース10を介して搬送始端側が接続された横向きの穀粒排出オーガ11(以下、横オーガ11と略称する。)を備えている。また、コンバインには、横オーガ11を収納するオーガ受け75が脱穀装置5の上部に設けられている。
排出切換部材90及びシール部材60について説明する。
図4及び図5に示すように、先端側搬送筒21は、排出筒15の内部に設けた排出切換部材90を備えている。排出切換部材90は、横向きの支軸91の軸芯まわりに揺動開閉自在に支持されている。排出筒15の内部に電動モータ92(以下、開閉モータ92と呼称する。)が設けられ、着脱自在な排出筒15における搬送上手側の縦壁部15aに、開閉モータ92が減速機94を介して支持されている。減速機94の出力軸94aに円弧状のカム面93aを備えた略半円状のカム板93が取付けられている。排出切換部材90は、カム板93の回転操作によって排出許容姿勢と排出阻止姿勢とに切り換えられる。
次に横オーガ11の排出筒15から穀粒をトラックの荷台に排出する状態について説明する。運転部2内の運転席2Aの近くに、図示しない穀粒排出スイッチが備えられている。穀粒排出スイッチは、穀粒タンク6から穀粒を排出するためのスイッチであり、排出位置及び停止位置に切換操作される。
前項[4]の状態において、トラックの荷台が満杯になった場合に、穀粒排出スイッチを停止位置に操作すると、電動モータにより排出クラッチ12aが切り状態に操作されて、底排出スクリュ12、縦オーガ7の搬送スクリュ7a及び横オーガ11の搬送スクリュ11aが停止する。この結果、横オーガ11の排出筒15からトラックの荷台への穀粒の排出は停止されるが、排出切換部材90は排出許容姿勢が維持される。
(1)上記実施形態では、板状のシール部材60を用いたが、シール部材60はブロック状であってもよい。シール部材60がブロック状である場合には、シール部材60は必ずしも排出筒15の中央側に向く斜め下向きに延出されている必要はなく、単に排出筒15の中央側に向けて突出していてもよい。
8 穀粒排出装置
11 横オーガ
12,7a,11a 搬送スクリュ(搬送装置)
15 排出筒(穀粒排出口)
50 凹部
51 面部
60 シール部材
61 固定部材
62 押え部材
90 排出切換部材
90a 面部
90c 側縁部
90d 突出部
Claims (7)
- 穀粒排出口に向けて穀粒タンクから穀粒を搬送する搬送装置を設けるととともに、前記穀粒排出口に穀粒漏れを防止する排出切換部材を設けた穀粒排出装置であって、
前記排出切換部材は、前記穀粒排出口を開放して前記穀粒排出口からの穀粒の排出を許容する下向きの排出許容姿勢と、前記排出許容姿勢よりも上向きで前記穀粒排出口を閉鎖して前記穀粒排出口からの穀粒の排出を阻止する排出阻止姿勢とに揺動切換自在であり、
前記排出切換部材の側部に対向する前記穀粒排出口の内面に可撓性を有するシール部材を配設し、前記排出阻止姿勢において前記シール部材と前記排出切換部材の側縁部とが当接して、前記穀粒排出口からの穀粒の排出を阻止するように構成してある穀粒排出装置。 - 前記シール部材が、前記穀粒排出口の中央側に向く斜め下向きに延出するようにしてある請求項1に記載の穀粒排出装置。
- 前記シール部材の上部を断面がくの字状に屈曲して前記穀粒排出口の内面に固定された固定部材に沿わせて固定し、前記シール部材の下部を前記穀粒排出口の中央側に向く斜め下向きに延出するようにしてある請求項2に記載の穀粒排出装置。
- 断面がくの字状に屈曲した押え部材を前記シール部材の上部に固定して、前記固定部材と前記押え部材とにより前記シール部材の上部が挟持されてある請求項3に記載の穀粒排出装置。
- 前記排出切換部材の端部及び前記排出切換部材の端部に対向する前記穀粒排出口の内面に面部を設け、前記排出阻止姿勢において前記穀粒排出口の面部と前記排出切換部材の面部とが面接触し、且つ、前記シール部材と前記排出切換部材の側縁部とが当接して、前記穀粒排出口からの穀粒の排出を阻止するように構成してある請求項1〜4のいずれか一項に記載の穀粒排出装置。
- 前記排出切換部材の端部に対向する前記穀粒排出口の内面に凹部を形成し、前記凹部の内面の上側部分を前記穀粒排出口の面部として、
前記排出阻止姿勢において前記排出切換部材の面部が前記穀粒排出口の面部に下側から面接触するように構成してある請求項5に記載の穀粒排出装置。 - 前記排出切換部材の面部の端部に、前記穀粒排出口の面部とは反対側の下方に向く突出部を備えてある請求項6に記載の穀粒排出装置。
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