JPH11168958A - コンバインの脱穀穀稈供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンバインの短稈刈取時の脱穀室内への少量
穀稈の供給を乱れなく行わせる。 【解決手段】 扱胴１を軸装する脱穀室２の穀稈移送口
３及びこの穀稈供給口４前側の供給漏斗５部に沿って張
設するフィードチエン６始端部の穂先側部に、穀稈の穂
部側を受けて送込むサブチエン７を設けると共に、株元
側には該フィードチエン６よりも上位に少量の穀稈の株
元部を弾発して支持案内する弾性案内体８を設けてなる
コンバインの脱穀穀稈供給装置の構成。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、コンバインの脱
穀穀稈供給装置に関し、刈取装置で刈取搬送する穀稈を
脱穀装置の脱穀室へ供給するものである。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】刈取装置で刈取搬送さ
れる穀稈を脱穀装置の脱穀室へ供給する場合、稈長によ
って供給状態が異なる。特に短稈刈の場合は、刈終りの
ように穀稈の搬送量が少くなると、脱穀室の供給漏斗部
でフィードチエンで株元部のみが搬送されて、穂先部の
搬送が遅れ、穀稈が供給口に達するまでに乱れ易く、脱
穀室で切れ穂等の発生が多くなる。

【０００３】

【課題を解決するための手段】この発明は、扱胴１を軸
装する脱穀室２の穀稈移送口３及びこの穀稈供給口４前
側の供給漏斗５部に沿って張設するフィードチエン６始
端部の穂先側部に、穀稈の穂部側を受けて送込むサブチ
エン７を設けると共に、株元側には該フィードチエン６
よりも上位に少量の穀稈の株元部を弾発して支持案内す
る弾性案内体８を設けてなるコンバインの脱穀穀稈供給
装置の構成とする。

【０００４】

【発明の効果】刈取装置部から搬送れる穀稈は、フィー
ドチエン６及びサブチエン７に受け継がられて、穂部を
供給漏斗５から穀稈供給口４へ供給され、穀稈移送口３
を搬送される間に脱穀室２内では扱胴１の回転による脱
穀作用を受ける。このような刈取搬送穀稈がフィードチ
エン６の始端部に受継されるときは、フィードチエン６
の株元側に設けられる弾性案内体８が、穀稈の株元側を
支持して案内するため、稈身は株元部側がフィードチエ
ン６上方へ押上げられるようになり、穂先側がサブチエ
ン７に押付けるように働く。

【０００５】このため、通常の穀稈量の多いときは、弾
性案内体８が下動して株元側も穂部側も共にフィードチ
エン６及びサブチエン７に係合されて、穀稈供給口４側
への送込作用が円滑に行われる。又、刈終時のように穀
稈量の少い場合では、弾性案内体８によって軽い株元部
がフィードチエン６部上に浮上されるようになり、フィ
ードチエン６による係合搬送作用が弱くなり、短稈刈時
であっても穂部側がサブチエン７側へ押付けられるよう
になって搬送作用を受け易く、穀稈供給口４部への搬送
供給が的確に行われ、稈身の乱れも少くすることができ
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】コンバインは、クローラ走行装置
９を有する車体１０上に、穀稈引起装置１１、刈刃装置
１２、穀稈掻込装置１３、及び、穀稈搬送装置１４等を
有した刈取装置１５を懸架し、該穀稈搬送装置１４から
搬送供給される穀稈を受継搬送するフィードチエン６と
挾扼杆１６、扱胴１を軸装し下側に脱穀網１７を有する
脱穀室２、及び、搖動選別棚や選別風路等を有する選別
室１８等からなる脱穀装置１９を搭載する。

【０００７】更に、これら刈取装置１５や脱穀装置１９
等と反対側の車体１０上には、操縦台２０、エンジンル
ーム上の操縦席２１、前記脱穀装置１９で脱穀選別され
た穀粒を取出収容するグレンタンク２２、及び、このグ
レンタンク２２内の穀粒を機外へ取出す縦オーガ２３や
旋回できる横オーガ２４等を搭載する。前記穀稈搬送装
置１４は、株元部を挾持搬送する搬送チエン及び挾持杆
からなる株元搬送装置２５と、穂部をラグで係合して搬
送する穂部搬送装置２６とから構成される。この株元搬
送装置２５にはモータＭ１によって移動される扱深調節
搬送装置２７と、この扱深調節搬送装置２７から搬送さ
れる穀稈を挾持してフィードチエン６の始端部に受け継
がせる短稈用受継搬送装置２８と等を有する。この受継
搬送装置２８は、短稈刈取の検出により、畦際刈取のス
イッチ操作でモータＭ２の駆動で穂先側寄りに引き寄せ
て位置を移動調節できるように構成している。

【０００８】２９は刈取フレームで、前記刈取装置１５
各部を装着する。この後端部は刈取昇軸３０で車体１０
前部の懸架ブラケット３１に支持して、昇降シリンダ３
２の伸縮で昇降させる。３３は刈取入力プーリで、エン
ジン側から伝動されて、該刈取フレーム２９等の内部の
伝動機構を経て刈取装置１５各部を伝動する。前記脱穀
室２の前側には、穀稈供給口４にのぞませる供給漏斗５
が設けられる。前記短稈用受継搬送装置２８は後端部を
この供給漏斗５の前部上にのぞませて回転する構成とし
ている。脱穀室２の穀稈移送口３の下側に沿うフィード
チエン６は、該供給漏斗５の横側に沿うように張設し、
上側の挾扼杆１６は該穀稈移送口３の若干前位から後方
の排稈部に亘って設けられ、脱穀穀稈の株元部を挾持し
て搬送する。

【０００９】前記フィードチエン６の前端部で供給漏斗
５側寄りの位置には適宜の間隔をおいてサブチエン７が
設けられる。このサブチエン７の上面は供給漏斗５より
も高位において回転するが、フィードチエン６の回転上
面よりも若干低位に設定している。３４，３５は供給漏
斗５と一体の受板で、サブチエン７の左右両側部を覆っ
て搬送穀稈を案内する。

【００１０】弾性案内体８は、板ばね材から構成され、
フィードチエン６前端部の株元側に沿って設けられ、前
端部をフィードチエン６の回転軌跡の内側において、チ
エンカバー３６にボルト３７締め等で固定し、後端部を
自由端としてフィードチエン６の搬送面よりも上方へ弾
性によって張出させている。この弾性案内体８が上方に
張出した位置では、少量穀稈の場合の株元部を支持され
た稈身は、フィードチエン６から浮上して係合搬送域か
ら外れるように関係位置が設定されている。

【００１１】前記フィードチエン６の前部を掛け渡すチ
エンフレーム３８には、横側にボスブラケット４５を設
け、このボスブラケット４５の前側に、サブチエン７を
張設するスプロケット４２やローラ４３等を配置したサ
ブチエンフレーム４４のロッドアーム３９を嵌合支持す
る。サブチエンフレーム４４にはばね４６を介して後方
へローラ４３が張圧され、このローラ４３を軸受する軸
受体４７は穀稈巻付防止ガイドを兼ねると共に、この後
端が前記ボスブラケット４５に当接されている。又、サ
ブチエンフレーム４４は取付ブラケット４１に一体であ
り、この取付ブラケット４１がボルト４８でチエンフレ
ーム３８の前端部に着脱可能にして締付けている。

【００１２】フィードチエン６前端部の左右一対のスプ
ロケット４０は、前記チエンフレーム３８の前端部に軸
受座４９とボルト５０で取付けられる。前記サブチエン
フレーム４４の前側に回転自在に軸受けしたスプロケッ
ト４２と該スプロケット４０との間には、スプライン嵌
合や角軸嵌合等で連結される伝動軸５１と、この外周に
嵌合されて両スプロケット４２，４０間の位置決めをす
るカラー５２とが設けられ、フィードチエン６側からサ
ブチエン７側への伝動を行うことができるような組付け
構成とする。

【００１３】このような構成では、取付ブラケット４１
に対してスプロケット４２とローラ４３とによりサブチ
エン７を掛け渡して、サブチエンアッセンブリとして、
このロッドアーム３９をボスブラケット４５に嵌合支持
させると共に、スプロケット４２と４０との間に伝動軸
５１やカラー５２等を介在させて、該取付ブラケット４
１のチエンフレーム３８に対する重合部をボルト４８で
締付固定して、サブチエン７の取付を行うことができ
る。又、このとき、フィードチエン６の回転によってス
プロケット４０、伝動軸５１、及びスプロケット４２が
回転され、サブチエン７が駆動されて、上側に載せた穀
稈を供給口４側へ搬送できる。

【００１４】なお、前記受板３５は、フィードチエン６
とサブチエン７との間の間隔部において、サブチエンフ
レーム４４部に取付けられる。又、このサブチエン７
は、後端部の回転軌跡が側面視で挾扼杆１６の前端縁と
交差しないように設定されて、短稈時におけるフィード
チエン６と挾扼杆１６との間の穀稈の引継挾持の時に、
サブチエン７による強制送込を解除されて、稈身が乱れ
るのを防止する。

【００１５】前記弾性案内体８は、側面視で挾扼杆１６
と交差しないように、後端縁を挾扼杆１６との間に適宜
の間隔部を有する位置に設定している。短稈量が少い場
合でも、穀稈の株元部をこの弾性案内体８の終端部でフ
ィードチエン６上面に受継させて、穂部側のサブチエン
７による支持搬送と共に、稈身を平行状態にして穀稈供
給口４側へ供給して、稈身の乱れを少くすることができ
る。

【００１６】前記刈取装置１５側の穀稈搬送装置１４と
サブチエン７やフィードチエン６等との関係について
は、該穀稈搬送装置１４の穀稈案内体５４に取付けられ
る株元挾持杆５３が、該フィードチエン６の前部上面に
挾扼杆１６の働かない位置に沿って弾発される。図７に
おいて、上例と異なる点は、前記株元挾持杆５３に代え
て、フィードチエン６とサブチエン７との間の受板３５
上面に沿う引継案内杆５５を設け、これら受板３５と引
継案内杆５５との間で穀稈を挾持案内させて移送供給さ
せることにより、前記フィードチエン６上の株元挾持杆
５３やサブチエン７上の穂部挾持杆等の構成を省略する
構成とする。

【００１７】なお、前記サブチエン７は、刈取停止時、
及び刈取装置１５の穀稈が脱穀装置１９の穀稈供給口４
側へ搬送されて、一定時間経過後にサブチエン７が停止
するように構成するもよい。畦際穀稈の枕扱時にこのサ
ブチエン７が停止していると手が触れても安全である。
穀稈の枕扱手供給が行い易い。又、コンバイン非刈取作
業時の振動や掻音を低下できる。この場合、サブチエン
７の駆動をフィードチエン６は独立のモータＭ３によっ
て駆動する構成とし、前記穀稈搬送装置１４に設ける穀
稈センサにより、搬送穀稈が無くなったことを検出して
後ち、一定時間経過してこのモータＭ３を停止するよう
に構成するとよい。

【００１８】又、フィードチエン６を刈取装置１５の非
刈取高さへの上昇によって自動的に、この刈取装置１５
の伝動停止と同時に停止する形態では、前記サブチエン
７の伝動をフィードチエン６よりも一定時間遅れて、フ
ィードチエン６により挾持搬送されている穀稈の穂部を
供給口４へ供給して脱穀したのち停止するように構成す
るもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】脱穀装置フィードチエン部の平面図、側面図、
及び正面図。

【図２】穀稈搬送装置とフィードチエンとの関係を示す
平面図。

【図３】サブチエン部の取付構成を示す平面図と、側面
図。

【図４】刈取装置部の側面図。

【図５】脱穀装置部の側面図。

【図６】コンバインの側面図。

【図７】一部別実施例を示すフィードチエン部の正面図
と、その側面図。

【符号の説明】

１ 扱胴 ２ 脱穀室 ３ 穀稈移送口 ４ 穀稈供給口 ５ 供給漏斗 ６ フィードチエン ７ サブチエン ８ 弾性案内体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 治 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 水島 淳 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 飯泉 清 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 扱胴１を軸装する脱穀室２の穀稈移送口
   ３及びこの穀稈供給口４前側の供給漏斗５部に沿って張
   設するフィードチエン６始端部の穂先側部に、穀稈の穂
   部側を受けて送込むサブチエン７を設けると共に、株元
   側には該フィードチエン６よりも上位に少量の穀稈の株
   元部を弾発して支持案内する弾性案内体８を設けてなる
   コンバインの脱穀穀稈供給装置。