JP2011089061A - 防湿コート剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子回路基板の回路面に防湿被膜を形成させる用途などに適した防湿コート剤を提供することを課題としている。
【解決手段】ビニル芳香族ブロックとオレフィンブロックとを有するブロックコポリマーを溶媒に分散させた防湿コート剤であって、スチレン系オリゴマーがさらに分散させていることを特徴とする防湿コート剤を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、防湿コート剤に関し、より詳しくは、ビニル芳香族ブロックとオレフィンブロックとを有するブロックコポリマーを溶媒に分散させた防湿コート剤に関する。
従来、プリント配線板に電子部品を搭載させた電子回路基板が各種機器の制御機構に用いられており、このような制御機構は、エアーコンディショナーの室外機や自動二輪車の電子制御装置などといった風雨に曝されやすい環境で使用される機器類、あるいは、工場内などで水を利用した処理を行う機器類といった湿熱環境下においても用いられている。
このような場合の多くは、湿気による電気的なトラブルが発生しないようにOリングなどのシール材でシールされた筐体内に前記電子回路基板を収容させて保護することが行われている。
そして、シール材によって防湿環境を形成させた上で、さらに、プリント基板の回路銅箔や端子部などが湿気等によって酸化されたりすることを抑制すべく回路面にポリマー被膜を形成させて防湿性を付与することが行われている(例えば、下記特許文献1)。
このようなポリマー被膜を形成させるためのコート剤として、例えば、下記特許文献2には、ビニル芳香族ブロックとオレフィンブロックとを有するブロックコポリマーの中で水素添加されたポリマーを保護コロイドとともに水系溶媒に分散させて作製することが記載されている。
このようなビニル芳香族系のブロックコポリマーは、アクリル系の材料が用いられたコート剤やウレタン系の材料が用いられたコート剤に比べて、透湿防止性、柔軟性、耐熱性などに優れていることから先の電子回路基板に対する防湿被膜の形成(防湿性の付与)に特に有用なものであるといえる。
特開2003−229654号公報 特開2006−316211号公報
本発明者は、このようなコート剤を、電子回路基板などの防湿目的として利用すべく鋭意検討を行った結果、単に、ビニル芳香族ブロックとオレフィンブロックとを有するブロックコポリマーを含有するコート剤を防湿コート剤として用いるだけでは、回路銅箔や端子部に腐食が生じるなどの不具合を発生させる場合があることを見出した。
そして、従来の防湿コート剤におけるこのような不具合が、湿気とは別に、シール材を構成しているゴム材料から発生する硫黄系のガスによって生じていることを見出した。
これまで、このような硫黄系のガスによる問題は殆ど着目されていないため、その対策についても確立されてはいない。
例えば、シール材を用いないような場合や、あるいは、シリコーンゴムなど硫黄成分の含有量が低い材料で構成されているシール材を用いるような場合のごとく硫黄系のガスによる影響を考慮しないで済むような場合においてのみこのような防湿コート剤を使用することで上記のような問題の解決を図り得るものの、その場合には防湿コート剤の用途が大きく制約されることになり好ましい解決策にはならない。
なお、このような問題は、電子回路基板に限らず、防湿コート剤を用いて防湿被膜を形成させる場合において広く全般的にその解決が求められるものである。
そこで、本発明は、防湿コート剤におけるこのような問題の解決を図り、電子回路基板の回路面に防湿被膜を形成させる用途などに適した防湿コート剤を提供することを課題としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、防湿コート剤に、さらに、スチレン系オリゴマーを含有させることで硫黄系のガスに対するガスバリア性を防湿被膜に付与させうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、上記課題を解決するための防湿コート剤に係る本発明は、ビニル芳香族ブロックとオレフィンブロックとを有するブロックコポリマーを溶媒に分散させた防湿コート剤であって、スチレン系オリゴマーがさらに分散されていることを特徴としている。
本発明によれば、ビニル芳香族ブロックとオレフィンブロックとを有するブロックコポリマーによる防湿性、耐熱性、並びに柔軟性に優れた防湿被膜を形成し得るとともに、硫黄系のガスに対するガスバリア性に優れた防湿被膜を形成し得る防湿コート剤が提供され得る。
したがって、その用途が制約されるおそれが抑制されるとともに電子回路基板の回路面に防湿被膜を形成させる用途などに適した防湿コート剤を提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本実施形態に係る防湿コート剤は、ビニル芳香族ブロックとオレフィンブロックとを有するブロックコポリマー、及び、このブロックコポリマーを分散させるための溶媒とを含んでいる。
また、本実施形態に係る防湿コート剤は、その防湿被膜に硫黄系のガスに対するガスバリア性を発揮させるべく、スチレン系オリゴマーを前記溶媒に分散させた状態でさらに含有している。
前記ブロックコポリマーを構成するビニル芳香族ブロックについては、その構成単位として、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどのビニル芳香族化合物が挙げられる。
これらの構成単位は、1種単独で前記ビニル芳香族ブロックを構成しても、または2種以上で構成してもよい。
上記例示以外のビニル芳香族化合物によってビニル芳香族ブロックを構成させても、上記例示のビニル芳香族化合物と上記例示以外のビニル芳香族化合物とでビニル芳香族ブロックを構成させてもよい。
前記オレフィンブロックは、その構成単位として、例えば、イソプレン、ブタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。
このビニル芳香族ブロックとオレフィンブロックとを有するブロックコポリマーの具体的な例としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)、スチレン−イソブチレン−スチレン(SIBS)等のA−B−A型ブロックコポリマー;スチレン−ブタジエン(SB)、スチレン−イソプレン(SI)、スチレン−エチレン−ブチレン(SEB)、スチレン−エチレン−プロピレン(SEP)、スチレン−イソブチレン(SIB)等のA−B型ブロックコポリマー;スチレン−エチレン−ブチレン−オレフィン結晶(SEBC)等のA−B−C型のスチレン−オレフィン結晶系ブロックコポリマー等が挙げられる。
また、これらの水素添加品なども本実施形態におけるブロックコポリマーとして用いられ得る。
なお、このブロックコポリマーについては、通常、上記構成単位が100を超える数量で重合されており、重量平均分子量の値が数万〜数十万程度となるものである。
前記スチレン系オリゴマーについては、その構成単位として、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレンを挙げることができ、これらの内のいずれか一つで構成されているもの、これらの内の複数で構成されているもの、上記例示の構成単位と共重合可能なビニル化合物をさらに構成成分として含むものなどが挙げられる。
このスチレン系オリゴマーは、通常、上記構成単位が100以下の数量で重合されているものであり、重量平均分子量の値が1万以下(数百〜数千)程度となるものである。
このスチレン系オリゴマーとしては、α−メチルスチレンの単独重合体、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体が好ましい。
前記溶媒としては、トルエンなどの有機溶媒を採用することも可能ではあるが、この防湿コート剤を製造する作業環境や、この防湿コート剤を利用して防湿被膜を形成させる際における作業環境などを考慮すると水を主成分とした水系溶媒を用いることが好ましい。
この水系溶媒としては、ブロックコポリマーの分散性などを考慮して、例えば、アルコールなどの水との相溶性に優れた溶媒を少量添加して構成させてもよい。
なお、このような水系溶媒を用いる際には、ブロックコポリマーやスチレン系オリゴマー、あるいは、これらの混合物によって形成される微小な粒子を被覆して保護コロイド化させる保護コロイド成分をさらに含有させて防湿コート剤を水性エマルジョンの形態とすることが好ましい。
この保護コロイド成分としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体;(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸系共重合体の水溶性塩;スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、マレイン化ポリブタジエン塩、ナフタレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩などが挙げられる。
これらの保護コロイド成分は1種、または2種以上を用いることもできる。
これらの中でも、保護コロイド成分として、(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸系共重合体の水溶性塩及び/又はポリビニルアルコールを用いるのが好ましく、(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸系共重合体の水溶性塩を用いることが特に好ましい。
上記の(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸系共重合体の水溶性塩を構成する単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸エステルとしてアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸エステルが挙げられ、不飽和カルボン酸としてアクリル酸、メタクリル酸、モノメチルイタコン酸などが挙げられる。
また、これらの単量体の他に、スチレンなどがさらに共重合されているものが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸系共重合体の水溶性塩の具体例としては、例えばアクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩、メタクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩、スチレン−アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩、およびスチレン−メタクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体の水溶性塩から選ばれる1種又は2種以上の混合体を挙げることができる。
これらの(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸系共重合体の水溶性塩における、水溶化処理前の共重合体としての重量平均分子量は、3000〜50000であるのが好ましく、より好ましくは3000〜25000である。
また、酸価は50〜300mg−KOH/gであるのが好ましく、より好ましくは70〜250mg−KOH/gである。これらの共重合体は、カルボン酸のアルカリ金属塩またはアミン塩、又はアンモニウム塩で水溶化され得る。
保護コロイド成分として用いられるポリビニルアルコールは、重合度300〜2600でケン化度が70〜92モル%の範囲のものが挙げられる(重量平均分子量としては1500〜130000の範囲となる)。好ましくは重合度300〜1500、ケン化度78〜92モル%である。
また、これらのポリビニルアルコールがカルボキシル基やスルホン酸基、或いはアセトアセチル基及びカチオン基で変性されたものも保護コロイド成分として用いうる。
本実施形態の防湿コート剤には、前記スチレン系オリゴマーが、前記ブロックコポリマーの含有量を100質量部とした場合に、50質量部以上200質量部以下となる割合で含有されることが好ましい。
前記スチレン系オリゴマーと前記ブロックコポリマーとの割合が上記のような関係となることが好ましいのは、ブロックコポリマー100質量部に対するスチレン系オリゴマーの割合が50質量部未満となると硫黄系ガスのバリア性が十分に発揮されずに腐食が起こりやすくなるおそれを有し、一方で、200質量部を超えるとガスのバリア性は確保できるものの被膜の硬度が必要以上に高くなって、例えば、低温領域で被膜が硬くなってしまい被膜割れを生じたり、ハンダクラックなどが生じたりするおそれを有するためである。
また、本実施形態の防湿コート剤を水性エマルジョンとする場合には、通常、前記ブロックコポリマーの含有量100質量部に対して、水:150〜1000質量部、前記保護コロイド成分:3〜30質量部とされる。
なお、上記水の含有量は、前記ブロックコポリマー100質量部に対して、200〜800質量部とされることが好ましく、250〜600質量部とされることがさらに好ましい。
このような範囲が好ましいのは、水の含有量をこのような範囲に規定することで、固形分濃度がある程度規定され、基板に塗布した時のハジキが抑制され得るとともに乾燥後の防湿被膜を適正な厚みに調整しやすいためである。
さらに、上記保護コロイド成分の含有量は、前記ブロックコポリマー100質量部に対して5〜20質量部とされることがさらに好ましい。
このような範囲が好ましいのは、保護コロイドの量を5質量部以上とすることでエマルジョン粒子に優れた安定性が発揮される一方で、必要以上に保護コロイドの量を添加すると防湿被膜の絶縁抵抗値を低下させるおそれを有するためである。
すなわち、安定したエマルジョン粒子が得られ、且つ、絶縁性に優れた防湿被膜を形成し得る点において上記範囲が好ましいものである。
なお、本実施形態の防湿コート剤には、用途に応じて本発明の効果を著しく損なわない範囲で各種の添加剤をさらに含有させてもよく、該添加剤としては、例えば、防湿被膜の接着力を向上させるためのタッキファイヤなどの粘着性付与剤や防湿被膜の柔軟性を制御するための油性成分、さらには、前記水性エマルジョンを安定させるための界面活性剤などが挙げられる。
この粘着性付与剤としては、一般に利用されているテルペン系の成分を利用することができる。
また、その他の前記添加剤としては、例えば、難燃剤、耐候剤、防錆剤、充填剤、改質剤、顔料などが挙げられる。
このような構成材料によって防湿コート剤を作製するには、一般的な分散装置を用いればよく、例えば、防湿コート剤を水性エマルジョンとする場合には、ホモジナイザー等の攪拌装置を利用することができる。
そして、この防湿コート剤を使用する場合には、防湿被膜を形成させる対象物を防湿コート剤に浸漬させてディップコートする方法や、この対象物に防湿コート剤を刷毛塗りする方法、あるいは、スプレーコートする方法などによって所望のウェット厚みで塗工膜を形成させた後に、加熱・乾燥させて防湿被膜を形成させることができる。
このとき、スチレン系オリゴマーが存在することで、低温(例えば、50℃〜90℃の温度)で均質な防湿被膜を形成させることができ、タッキファイヤなどの粘着性付与剤の使用を抑制しつつも被着体に対して接着力の高い防湿被膜を形成させることができる。
さらに、スチレン系オリゴマーが、ブロックコポリマーどうしを架橋すべく作用し、得られる防湿被膜の被膜強度を向上させる効果も発揮され得る。
このようにして形成される防湿被膜は、硫黄系のガスに対するガスバリア性に優れたものとなる。
この機構については、明確に解析がなされてはいないが、本実施形態の防湿コート剤で形成される防湿被膜は、ビニル芳香族ブロックとオレフィンブロックとを有するブロックコポリマーのガス透過性が元々低い事に加え、スチレン系オリゴマーによってビニル芳香族ブロックがさらに補強される事で、硫化水素や二酸化硫黄、硫化カルボニルなどの硫化系ガスの透過が抑えられるという効果が発揮され、硫黄系のガスに対するガスバリア性に優れたものとなると考えられる。
従来、チップ抵抗や積層セラミックコンデンサといった表面実装用のチップ部品においては、その電極部に銀メッキが施されたりしており、硫黄系のガスによって硫化銀を形成させるおそれを有する。
この硫黄系のガスは、ブッシングやシール部品などのゴム材料から発生される可能性が高いものである。
例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴムといった高価なゴム材料を利用すれば、その配合剤として硫黄を含むことが少ないため、硫黄系のガスが発生するおそれは低いもののクロロプレンゴム、ニトリルゴム、EPDMといった安価なゴム材料においては、加硫剤や安定剤などの成分として硫黄分を多く含むことから、例えば、このようなゴム材料によって形成されたゴム製シール材でシールされた筐体内などにプリント配線板上にチップ部品をマウントした電子回路基板を収容させたりすると時間の経過とともに電極部分に腐食を生じて不具合を発生させるおそれを有する。
このような場合に、本実施形態における防湿コート剤は、特に顕著な効果を発揮させることとなる。
すなわち、チップ部品などが搭載された電子回路基板の回路面に防湿被膜を形成させることで、安価なシール材の利用が可能になるとともに電子回路基板の故障回避を図り得る。
なお、本発明の防湿コート剤は、このような電子回路基板用途において、その効果が顕著に発揮されるものではあるが、湿気とともに硫黄系のガスからも保護することが望ましいような対象物に対して防湿被膜を形成させる場合であれば、電子回路基板用途と同様に効果が発揮されるものである。
また、そのような各種の用途に用いられる場合には、上記例示に限らず、本発明の効果を著しく損なわない範囲において各種改良を加えることも可能である。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(使用材料)
評価に利用した材料の略称と、その詳細とを下記に示す。
1)SEBS:クレイトンポリマー製の商品名「KRATON G1652」
( スチレン含有量29%、MFR:10g/10min(200℃、5kg))
2)SEPS:クラレ製の商品名「セプトン2007」
(スチレン含有量30%、MFR:4g/10min(200℃、10kg))
3)オリゴマー1:
イーストマンケミカル社製、αメチルスチレンとスチレンの共重合オリゴマー、
商品名「クリスタレックス#1120」(軟化点:120℃)
4)オリゴマー2:
イーストマンケミカル社製のスチレン系オリゴマー、商品名「ピコラスチックA75」
(軟化点:75℃)
5)テルペン系成分1:ヤスハラケミカル製の商品名「クリアロンP105」
(軟化点:105℃)
6)テルペン系成分2:ヤスハラケミカル製の商品名「YSレジンA800」
(軟化点:80℃)
7)保護コロイド成分:
アクリル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル共重合体のアンモニウム塩
(防湿コート剤の作製)
上記材料を、下記表1の通りの配合割合で混合し、有機溶剤分散タイプのものと、水性エマルジョンタイプのものとの大きく2種類の防湿コート剤を作製した。
Figure 2011089061
(評価)
試料No.1〜7の防湿コート剤を、銀メッキ(メッキ厚み5μm)を施した櫛型試験基板に対して乾燥後の防湿被膜の厚みが、概ね、20μmとなるように塗布、乾燥した。
得られた試料を槽内雰囲気:35℃、相対湿度:80%、硫化水素ガス濃度:10ppmに調整した試験槽内に入れて、櫛型の電極間にDC15Vの電圧を印加して絶縁抵抗値を測定しながらマイグレーション試験を実施した。
試験開始より240時間経過した時点で、絶縁抵抗値の変化、および銀メッキ表面の変色を確認する方法で耐硫化ガス性を評価し、評価結果が、マイグレーションの発生が見られず、絶縁抵抗値が1×1010(Ω)以上を確保し、かつ銀メッキ面の変色(黒変)の見られないものを「○」と判定し、マイグレーションの発生、絶縁抵抗値の低下あるいは銀変色のどれかひとつでも発生したものを「×」と判定した。
防湿被膜形成時の乾燥温度と、この耐硫化ガス性の評価結果とを、下記表2に示す。
Figure 2011089061
なお、No.1〜No.7ともに初期(試験スタート前)の絶縁抵抗値は1012(Ω)のオーダーを有していた。
マイグレーションの発生は、すべての試験片においてみられなかった。
銀変色は、No.5〜No.7で見られ、特に、No.7においては絶縁抵抗値の低下が大きく、108(Ω)のオーダーに低下していた。
以上のことからも、本発明によれば、硫黄系のガスに対するガスバリア性に優れた防湿コート剤を得ることができ、電子回路基板の回路面に防湿被膜を形成させる用途などに適した防湿コート剤が提供され得ることがわかる。

Claims (5)

  1. ビニル芳香族ブロックとオレフィンブロックとを有するブロックコポリマーを溶媒に分散させた防湿コート剤であって、
    スチレン系オリゴマーがさらに分散させていることを特徴とする防湿コート剤。
  2. 前記スチレン系オリゴマーが、前記ブロックコポリマーの含有量を100質量部とした場合に、50質量部以上200質量部以下となる割合で含有されている請求項1記載の防湿コート剤。
  3. 保護コロイド成分をさらに含んだ水性エマルジョンである請求項1又は2記載の防湿コート剤。
  4. 電子回路基板の回路面に防湿被膜を形成させるべく用いられる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の防湿コート剤。
  5. 前記電子回路基板が、ゴム製シール材によってシールされた空間内に設置されるものである請求項4記載の防湿コート剤。
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