JP2013143368A - 水系導電性ペースト - Google Patents
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Abstract
【目的】マイグレーションを起こしにくく、安価で導電性銀ペーストと同程度の導電性を有し、耐酸化性に優れた水系導電性ペーストを提供すること。
【解決手段】(A)金属微粒子、(B)水溶性高分子、(C)炭酸塩及び(D)窒素系複素環化合物を含有し、必要に応じて(E)有機カルボン酸塩及び(F)界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する水系導電性ペーストを用いる。
【選択図】なし
【解決手段】(A)金属微粒子、(B)水溶性高分子、(C)炭酸塩及び(D)窒素系複素環化合物を含有し、必要に応じて(E)有機カルボン酸塩及び(F)界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する水系導電性ペーストを用いる。
【選択図】なし
Description
本発明は、水系導電性ペーストに関する。
導電性ペーストは、電子機器類の電気回路形成に用いられている。導電性ペーストを用いたプリント基板等を製造する方法としては、古くは銀粉末を樹脂溶液に混合し、基材上に所望の配線パターン状に塗布、焼成して、所望の配線パターンの銀薄膜を有するプリント基板等を製造する方法が知られている。しかし、銀の金属膜は、イオンマイグレーションを起こしやすいうえ、近年、銀価格が高騰していることから安価な金属への代替が求められている。
そのため、銀ペーストの代わりに安価な金属ペーストを用いることが検討されているが、銀以外の安価な金属粒子は酸化しやすいため、金属粒子の表面に生じる酸化被膜の影響で、金属粒子を塗布、焼成して得られる金属膜の体積抵抗率が高くなってしまうという問題があった。
体積抵抗率の低い金属膜を形成できる金属ペーストとして、銅粒子と熱硬化性樹脂とカルボキシル基及びフェノール性水酸基を含むフラックス活性化合物とを含む導電性ペーストが提案されている(特許文献1参照)。
しかし、当該導電性ペーストにおいては銅粒子の表面酸化膜を除去するために使用している高活性のフラックス活性化合物が、ペーストの熱硬化後に銅ペーストから形成される金属膜中に残存してしまい、金属膜を利用する電子機器の信頼性に悪影響を与えることが懸念される。
また、体積抵抗率の低い金属膜を形成できる焼成型銅ペースト用銅粒子を還元性雰囲気下で熱処理して製造することも提案されている(特許文献2参照)。
しかし、還元性ガスを使用することに加えて高温での熱処理が必要であるために特別な施設が必要となり、高コスト化しやすいという問題点を有していた。
しかし、還元性ガスを使用することに加えて高温での熱処理が必要であるために特別な施設が必要となり、高コスト化しやすいという問題点を有していた。
本発明の目的は、マイグレーションを起こしにくく、安価で導電性銀ペーストと同程度の導電性を有し、耐酸化性に優れた水系導電性ペーストを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の配合とすることで、従来の導電性銀ペーストと同等の導電性を有し、経時的にも安定であることを見出した。
すなわち、本発明は、(A)金属微粒子、(B)水溶性高分子、(C)炭酸塩及び(D)窒素系複素環化合物を含有し、必要に応じて(E)有機カルボン酸塩及び(F)界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する水系導電性ペーストに関する。
本発明によれば、安価で導電性銀ペーストと同程度の導電性を有し、耐酸化性に優れた水系導電性ペーストを提供できることができる。本発明の水系導電性ペーストは、大気中でも経時的に安定で様々な印刷法に対し最適化できる。
また、特に(A)金属微粒子として、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム及びスズ並びにこれらを成分として含有する合金からなる群より選ばれる少なくとも1種及び/又は(a1)体積抵抗率が1.0×10−7〜1.0×10−8Ω・mである金属微粒子を少なくとも80質量%以上含有させ、(a2)当該金属より導電率の低い金属微粒子を0〜20質量%含有させ、(a2)金属微粒子を、(a1)金属微粒子よりもイオン化傾向が大きくすることで、金属微粒子の耐酸化性をさらに向上させることができる。
本発明の水系導電性ペーストは、(A)金属微粒子(以下、(A)成分という)、(B)水溶性高分子(以下、(B)成分という)、(C)炭酸塩(以下、(C)成分という)及び(D)窒素系複素環化合物(以下、(D)成分という)を含有し、必要に応じて(E)有機カルボン酸塩(以下、(E)成分という)及び(F)界面活性剤(以下、(F)成分という)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする
本発明で使用する(A)成分としては、導電性の金属であれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。具体的には、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム及びスズ並びにこれらを成分として含有する合金などが挙げられる。(A)成分の平均粒子径は、特に限定されないが、通常は、0.05μm〜50μm程度が好ましい。印刷精度を高めるためには0.1μm〜30μm程度とすることが好ましい。また、(A)成分として金属微粒子を単独使用する場合はニッケル、銅、アルミニウム、スズを用いることが特に好ましい。(A)成分として金属微粒子を2種以上混合して用いる場合は、(a1)体積抵抗率が1.0×10−7〜1.0×10−8Ω・mである金属微粒子(以下、(a1)成分ということがある)を少なくとも80質量%以上含有させ、(a2)当該金属より導電率の低い金属微粒子(以下、(a2)成分ということがある)を0.01〜20質量%含有させ、(a2)成分は、(a1)成分よりもイオン化傾向が大きいものを用いることが好ましい。(a1)成分は、(a2)成分より導電率が高く、且つイオン化傾向が小さいものを選択すれば好結果が得られる。例えば、各金属の導電率は銅(64.5)>アルミニウム(40.0)>マグネシウム(25.0)>亜鉛(18.1)>ニッケル(16.0)>スズ(7.9)、(かっこ内の数字は×106ジーメンス/m)であり、イオン化傾向はマグシウム(−2.37)>アルミニウム(−1.66)>亜鉛(−0.76)>ニッケル(−0.23)>スズ(−0.14)、>銅(+0.34)、(かっこ内の数字は標準単極電位、(V))であることから、たとえば、銅を主成分とした場合、0.1〜20質量%で 添加する金属としてはニッケル、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムとの組み合わせが好ましい。なお、金属微粒子の平均粒子径はレーザー回折散乱式粒度分布測定法にて測定できる。
(B)成分は、水に溶解又は安定に分散できるものであれば、非天然物のもの、天然物由来のもののいずれでも使用することができる。非天念物水溶性高分子の具体例としては、たとえば、酸性モノマー、(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール及びビニルアルコールのエステル化物からなる群より選ばれる少なくとも1種をモノマー成分とする重合物が挙げられる。
酸性モノマーとしては、分子中に酸性官能基を有するものであれば特に限定されず公知のものを使用することができる。酸性官能基としては、例えば、カルボキシル基、ホスホン酸基、スルホン酸基等を挙げることができる。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)ハイミック酸、アセチレンジカルボン酸、アリルマロン酸、p−ヒドロキシケイ皮酸、(メタ)アリルスルホン酸などが挙げられる。なお、ビニルアルコール単位を導入する際には、通常は酢酸ビニルを重合した後に加水分解すればよい。これらのモノマーは単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。(A)成分が水溶性となるのであれば、酸性モノマー、(メタ)アクリルアミド及びビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種以外にこれらと共重合し得るモノマーを用いてもよい。共重合し得るモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル等を挙げることができる。(メタ)アクリル酸エステル類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどが挙げられる。スチレン類としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
また、様々な印刷方式における印刷適性を最適化するため、グリコールエーテル系化合物、水溶性有機溶剤を添加しても良い。これら、グリコールエーテル化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールエチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルブチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルブチルエーテルジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールジペンチルエーテル、ジエチレングリコールメチルペンチルエーテル、ジエチレングリコールエチルペンチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルペンチルエーテル、ジエチレングリコールブチルペンチルエーテルならびにこれらに対応するトリ−もしくはテトラエチレングリコールエーテル類が挙げられる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1、3−プロパンジオール、1、2−プロパンジオール、1、4−プロパンジオール、1、2、6−ヘキサントリオール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、平均分子量が200以上1000以下の範囲内であるポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、平均分子量が300以上1000以下の範囲内であるポリプロピレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルするホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、グリセリン、アセトン等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
非天然物水溶性高分子は市販のものを使用してもよい。具体的には、例えば、デンカブチラール(電気化学工業(株)製)、エスレックSV、エスレックB・K、PVC−HA、PVC−TG(積水化学工業(株)製)、SNシックナー601、SNシックナー603、SNシックナー612、SNシックナー613、SNシックナー615、SNシックナー618、SNシックナー621N、SNシックナー630、SNシックナー634、SNシックナー636、SNシックナー4050、SNデルスパーサント5020、SNデルスパーサント5040(サンノプコ(株)製)、BYK−420、BYK−425(ビッグケミー(株)製)、ポリストロン117、ポリストロン370K、ポロストロン372、ポリストロン504、ポリストロン705、ポリストロン1810、ポリストロン1401、ポリストロン1280、ポリストロン1264、ポリストロン1228、アラフィックス100、アラフィックス251S、アラフィックス255、アラフィックス255LOX、ポリマジェット902、ポリマジェット903、ポリマセット305、ポリマセット500、ポリマセット512、ポリマセットHP−710、ポリマロン351T、ポリマロン356−25、ポリマロン385、ポリマロン482S、ポリマロン1308S、ポリマロンE−100、ポリマロンE−110、ポリマロン360、ポリマロン1383、ポリマロン1329、タマノリG−36、タマノリG−37、アラスター700、アラスター703S、マルキードNo.1〜No.8、マルキード32−30WS、マルキード3002(荒川化学工業(株)製)などが挙げられる。
天然物由来の水溶性高分子としては、微生物、植物、海藻から得られる多糖類、ポリアミノ酸などが挙げられる。多糖類としては、例えば、キサンタンガム、アルギン酸、セルロースガム、マンナン、ローカストビーンガム、グアーガム、アガロース、ヒアルロン酸、カードラン、ペクチン、ジェランガム、アラビアガム、タラガム、グルコマンナン、カラギーナンシクロデキストリン等が挙げられる。
ポリアミノ酸としては、グリシン、アラニン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、リジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸の重合体が挙げられ、各種アミノ酸のコポリマーであってもよい。ゼラチンのようなタンパク質でもよい。
天然物由来の水溶性高分子は市販のものを使用してもよい。具体的には、例えば、アクファジーマックス(一光化学(株)製)、ソアギーナ、ソアエース、ソアローカスト、タラガム、グアーガム、タマリンドシートガム、サイリウムシードガム、ソアキサン、ヒアルロン酸(MRCポリサッカライド株式会社製)、アミノピジェール(東洋紡績(株)製)、などが挙げられる。(B)成分の使用量は特に限定されないが、通常、(A)成分100質量部に対し、0.1〜20質量部程度とすることが好ましい。
(C)成分は、特に限定されず公知のものを使用することができるが、一般式(1):MxHy(CO3)n(式中、xは1又は2、yは0〜2の整数、nは1又は2をMはマグネシウムよりイオン化傾向が大きい金属原子又は揮発性有機塩基を示す)で表わされるものを用いることが好ましい。一般式(1)において、金属原子Mの具体例としてはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属などが挙げられる。また、揮発性有機塩基としては例えば、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。また、これらの金属又は有機塩基から選ばれたものは、1種単独で又は2種以上を適宜に選択して組み合わせて使用することもできる。(C)成分の使用量は特に限定されないが、通常、(A)成分100質量部に対し、0.1〜5質量部程度とすることが好ましい。
(D)成分としては、窒素系複素環化合物であれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には、例えばベンゾトリアゾール、1−メチルベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシメチルベンゾトリアゾール、1−(2−エチルヘキシルアミノ)メチル)ベンゾトリアゾール、1−(2、3−ジヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾールなどのトリアゾール誘導体、ピラゾール、イミダゾールなどのピラゾール誘導体、イミダゾール、ベンゾイミダゾールなどのイミダゾール誘導体などが挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。特に、銅の酸化防止、入手のしやすさの点からベンゾトリアゾール誘導体が好ましく、特にベンゾトリアゾールが好ましい。(D)成分の使用量は特に限定されないが、通常、(A)成分100質量部に対し、0.1〜5質量部程度とすることが好ましい。
本発明では、必要に応じて(E)成分を用いることができる。(E)成分としては、有機カルボン酸であれば特に限定されず、公知のものを単独で又は数種を混合して使用することができる。具体的には例えば、一般式(2):(R1−COO)hM1(式中、R1は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルケニル基、炭素数1〜18のヒドロキシアルキル基、又は一般式(3):
(式中、R3は水酸基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、少なくとも1つの水酸基を有する炭素数1〜20のアルキル基又は少なくとも1つの水酸基を有する炭素数1〜20のアルケニル基、aは0〜5の整数を示し、aが2以上の場合にはAは同一であっても、それぞれ異なっていても良い。)で表される基を示し、M1は金属原子又は揮発性有機塩基、hは1又は2の整数を示す。)で表されるモノカルボン酸塩、又は一般式(4):M2 k(OOC−R2−COO)j(式中、R2は炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数1〜18のアルケニレン基、フェニレン基又は一般式(5):
(式中、R4は水酸基、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルケニル基、bは0〜4の整数を示し、bが2以上の場合には、R4は同一であってもそれぞれ異なっていても良い。)で表される基を示し、M2は金属原子又は揮発性有機塩基、jは1又は2の整数、kは1又は2の整数を示す。)で表されるジカルボン酸塩等が挙げられる。
これらの中では、一般式(2):(R1−COO)hM1(式中、R1は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルケニル基、炭素数1〜18のヒドロキシアルキル基又は一般式(3):
(式中、R3は水酸基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、少なくとも1つの水酸基を有する炭素数1〜20のアルキル基又は少なくとも1つの水酸基を有する炭素数1〜20のアルケニル基、aは0〜5の整数を示し、aが2以上の場合にはAは同一であっても、それぞれ異なっていても良い。)で表される基を示し、M1は金属原子又は揮発性有機塩基、hは1又は2の整数を示す。)で表されるものが、主成分となる金属微粒子あるいは混合使用する場合のその他の金属微粒子の酸化防止効果において好ましい。なお、水素よりイオン化傾向の大きい金属原子の具体例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、スズ、鉄、アルミニウム等が挙げられ、揮発性有機塩基としては、モノメチルアミン、モノエチルアミンなどのものアルキルアミン類、ジメチルアミン、ジエチルアミンなどのジアルキルアミン類、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のトリアルキルアミン類、アンモニア等が挙げられる。特に、本発明の水系導電性ペーストの主成分として選ばれる金属微粒子よりイオン化傾向の大きな金属塩とすることが望ましい。(E)成分を用いる場合の使用量は特に限定されないが、通常、(A)成分100質量部に対し、0.1〜5質量部程度とすることが好ましい。
(F)成分としては、金属微粒子の分散性ならびにペースト化した後の導電性を損なわないものであれば特に限定されず使用することができる。具体的には、例えば、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えばアルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、アルケニルコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのリン酸エステル及びその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのリン酸エステル及びその塩、等が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、などが挙げられる。非イオン界面活性剤としては例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシアルキルアルキレンアミン、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。分散剤の使用量は特に限定されないが、通常、(A)成分100質量部に対し、0.01〜50質量部程度である。
本発明の水系導電性ペーストの粘度は1〜1000mPa・sの粘度範囲にあることが望ましく、5〜900mPa・sの範囲がより好ましい。当該粘度範囲とすることにより、基材上に水系導電性ペーストを塗布する方法、又は、水系導電性ペーストを用いて基材上に描画する方法として幅広い方法を適用することができる。
上記、基材上に描画する方法としては、例えば、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー方式、バーコード法、スピンコート法、インクジェット法、ディスペンサー法、刷毛による塗布、流延法、フレキソ法、グラビア法、又はシリンジ法等ののなかから適宜選択して採用することができるようになる。粘度の調整は、固形分の濃度の調整、各成分の配合比の調整の添加等によって行うことができる。
また、上記描画する基材を構成する材料としては、例えば、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン酸、ビニル樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、セラミックス、ガラス又は金属等を挙げることができる。
本発明の水系導電性ペーストは、(A)〜(D)成分、必要に応じて(E)成分、(F)成分、有機溶剤などを添加し、常法により混練することにより得られる。有機溶剤を用いる場合、その使用量は、特に限定されないが、通常、固形分濃度が1〜10質量%程度になるようにすることが好ましい。混練方法としては特に限定されず、公知の方法を採用することができる。具体的には、たとえば、ニーダー、ボールミル、ビーズミル、3本ロール、遊星ミル、真空攪拌装置などが挙げられる。混練時の条件などは特に制限されないが、通常は5〜25℃で混練することが好ましい。
本発明の水系導電性ペーストによれば、100℃〜200℃と比較的低温加熱処理でも高い導電性を発現する導電性被膜を形成することができる。また、導電性被膜は基材に対する密着性に優れるが、さらに密着性を高めるには、前記基材の表面処理を行うと好結果が得られる。表面処理方法としては、コロナ処理、プラズマ処理、UV処理、電子線処理などのドライ処理を行う方法、基材上に予めプライマー層や導電性ペースト受容層を設ける方法が挙げられる。
以下、実施例をあげて本発明の水系導電性ペーストならびに製造方法についてさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
蒸留水15g、蟻酸マグネシウム0.05g、ベンゾトリアゾール0.05g、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン45g、ノイゲンET−135(第一工業製薬(株)製、商品名)5g加え溶解し、ポリビニルアルコール部分ケン化物PVA210((株)クラレ製、商品名)を加えながら、粘度を800mPa・Sに調整した。
この溶液を20gと平均粒子径3μmの銅粉85g、平均粒子径2μmの亜鉛粉2gを遊星ミルで混合し、水系導電性ペーストを得た。
蒸留水15g、蟻酸マグネシウム0.05g、ベンゾトリアゾール0.05g、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン45g、ノイゲンET−135(第一工業製薬(株)製、商品名)5g加え溶解し、ポリビニルアルコール部分ケン化物PVA210((株)クラレ製、商品名)を加えながら、粘度を800mPa・Sに調整した。
この溶液を20gと平均粒子径3μmの銅粉85g、平均粒子径2μmの亜鉛粉2gを遊星ミルで混合し、水系導電性ペーストを得た。
実施例2
実施例1で蟻酸マグネシウムの代わりに、蟻酸亜鉛を、ポリビニルアルコール部ケン化物PVA210の代わりにPVA117((株)クラレ製、商品名)使用すること以外は同様な操作を行い、水系導電性ペーストを得た。
実施例1で蟻酸マグネシウムの代わりに、蟻酸亜鉛を、ポリビニルアルコール部ケン化物PVA210の代わりにPVA117((株)クラレ製、商品名)使用すること以外は同様な操作を行い、水系導電性ペーストを得た。
実施例3
高分子量の飽和ポリエステル樹脂ポリエスターWR901(日本合成化学工業(株)製、商品名)33g、γ−ブチロラクトン67g、酢酸亜鉛0.1g、ベンゾトリアゾール0.05g、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン30g、を混合溶解した。この粘稠な溶液23gと平均粒子径3μmの銅粉85g、平均粒子径2μmの亜鉛粉2gを遊星ミルで混練し、水系導電性ペーストを得た。
高分子量の飽和ポリエステル樹脂ポリエスターWR901(日本合成化学工業(株)製、商品名)33g、γ−ブチロラクトン67g、酢酸亜鉛0.1g、ベンゾトリアゾール0.05g、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン30g、を混合溶解した。この粘稠な溶液23gと平均粒子径3μmの銅粉85g、平均粒子径2μmの亜鉛粉2gを遊星ミルで混練し、水系導電性ペーストを得た。
実施例4
実施例3で酢酸亜鉛の代わりにフタル酸亜鉛0.1gを使用すること以外は同様の操作を行い、水系導電性ペーストを得た。
実施例3で酢酸亜鉛の代わりにフタル酸亜鉛0.1gを使用すること以外は同様の操作を行い、水系導電性ペーストを得た。
実施例5
実施例3で酢酸亜鉛の代わりに、フタル酸マグネシウム0.1gを使用すること以外は同様な操作を行い、水系導電性ペーストを得た。
実施例3で酢酸亜鉛の代わりに、フタル酸マグネシウム0.1gを使用すること以外は同様な操作を行い、水系導電性ペーストを得た。
実施例6
平均粒子径3μmの銅粉をクエン酸10g、蟻酸15gを溶解した蒸留水1000mlで洗浄し使用すること以外は実施例1と同様な操作を行い、水系導電性ペーストを得た。
平均粒子径3μmの銅粉をクエン酸10g、蟻酸15gを溶解した蒸留水1000mlで洗浄し使用すること以外は実施例1と同様な操作を行い、水系導電性ペーストを得た。
実施例7
実施例6のクエン酸、蟻酸の混合水溶液の代わりに、パインアルファ−850(荒川化学工業(株)製)を使用すること以外は実施例6と同様の操作を行い、水系導電性ペーストを得た。
実施例6のクエン酸、蟻酸の混合水溶液の代わりに、パインアルファ−850(荒川化学工業(株)製)を使用すること以外は実施例6と同様の操作を行い、水系導電性ペーストを得た。
以上の実施例1〜5の操作で得た水系導電性ペーストは、いずれも経時的に安定で従来の銀ペーストと同レベルの導電性を有し、基材に対し良好な密着性を示した。
Claims (8)
- (A)金属微粒子、(B)水溶性高分子、(C)炭酸塩及び(D)窒素系複素環化合物を含有し、必要に応じて(E)有機カルボン酸塩及び(F)界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する水系導電性ペースト。
- (A)金属微粒子が、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム及びスズ並びにこれらを成分として含有する合金からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、且つ平均粒子径が0.05μm〜50μmである請求項1に記載の水系導電性ペースト。
- (A)金属微粒子が、(a1)体積抵抗率値が1.0×10−7〜1.0×10−8Ω・mである金属微粒子を少なくとも80質量%以上含有し、(a2)当該金属より導電率の低い金属微粒子を0.01〜20質量%含有し、(a2)金属微粒子は、(a1)金属微粒子よりもイオン化傾向が大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の水系導電性ペースト。
- 前記(B)水溶性高分子が酸性モノマー、(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール及びビニルアルコールのエステル化物からなる群より選ばれる少なくとも1種をモノマー成分とする重合物、グリコール類、多糖類並びにポリアミノ酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の水系導電性ペースト。
- 前記(C)炭酸塩が一般式(1):MxHy(CO3)n(式中、xは1又は2、yは0〜2の整数、nは1又は2をMはマグネシウムよりイオン化傾向が大きい金属原子又は揮発性有機塩基を示す)で表される請求項1〜4のいずれかに記載の水系導電性ペースト。
- 前記(D)窒素系複素環化合物がベンゾトリアゾール誘導体である請求項1〜5のいずれかに記載の水系導電性ペースト。
- 前記(E)有機カルボン酸塩が一般式(2):(R1−COO)hM1(式中、R1は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルケニル基、炭素数1〜18のヒドロキシアルキル基、又は一般式(3):
- 前記(F)界面活性剤が陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤である請求項1〜7の水系導電性ペースト。
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