JP2011088270A - 工具内流路を有する円筒状回転工具およびこの工具による加工方法 - Google Patents

工具内流路を有する円筒状回転工具およびこの工具による加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工具内流路の吐出口から噴出したクーラントが、半径方向外方に拡散することなく、湾曲した扇状に拡がりながら工具の外周面上を流れ、チップに供給されて工具外周面とチップを冷却する円筒状回転工具を提供する。
【解決手段】円筒状回転工具3は、工具内流路4が形成された大径部20と、大径部の前方に配置された小径部21と、小径部の前部に取付けられたチップ22とを備える。中心軸線CLの後方から見て、工具内流路の吐出口23の内周円と小径部の外周円とが交差している。吐出口の部位では、切欠き部25が小径部の外周面26に形成されている。切欠き部の傾斜部30は、吐出口の全周のうち中心軸線に最も近い位置P1から小径部の前方にいくに従って中心軸線から次第に離れるように斜めに形成されている。傾斜部は、吐出口から前方に噴出するクーラントLのうちその一部の流れL1を、小径部の半径方向外方に案内する。
【選択図】図2

Description

本発明は、工作機械に取付けられて工作物を加工するのに使用される、工具内流路を有する円筒状回転工具およびこの工具による加工方法に関する。
特許文献1(特開平7−051982号公報)には、回転工具にクーラントノズルを取付け、工具の加工点に対してクーラントノズルからクーラント(切削油剤)を吹き付けて、工具や工作物の冷却や潤滑を行うようにした技術が記載されている。
特開平7−051982号公報 特開2007−313574号公報
特許文献1などに記載の回転工具には、クーラントを吹き付けるためのクーラントノズルを取付ける場合がある。回転工具は、通常は高速(たとえば、2,000ないし10,000min-1)で回転しているので、大きな遠心力が作用している。
したがって、工具の外周面から離れた場所から、工具の外周面と加工点にクーラントを充分に供給するのは困難である。また、工具にクーラントノズルを別部品として取付ける必要がある。その結果、工具の構造が複雑化するとともに、工具交換や加工時に工具を移動する際に、別部品が干渉する恐れもある。
他の背景技術として、回転工具のうちたとえばエンドミルやドリルでは、内部にクーラントを流すための流路を形成する場合がある(特許文献2(特開2007−313574号公報))。
しかしながら、工具内流路から噴出したクーラントを、工具の外周面と刃先の加工点に充分に供給することが困難で、冷却効果が低かった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、工具内流路の吐出口から前方に噴出したクーラントが、半径方向外方に拡散することなく、湾曲した扇状に拡がりながら工具の外周面上を流れてチップに供給されることにより、工具の外周面とチップを効果的に冷却できる、工具内流路を有する円筒状回転工具およびこの工具による加工方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明にかかる工具内流路を有する円筒状回転工具は、クーラントを流すための少なくとも一つの工具内流路が内部に形成された大径部と、この大径部の前方に配置された小径部と、この小径部の前部に取付けられたチップとを備え、中心軸線を中心とする円筒状をなす回転工具であって、この中心軸線の後方から見て、前記工具内流路の吐出口の内周円と前記小径部の外周円とが交差しており、前記吐出口の部位では、切欠き部を前記小径部の外周面に形成し、前記切欠き部は、前記吐出口の前部に配置された傾斜部を有し、この傾斜部は、前記吐出口の全周のうち前記中心軸線に最も近い位置から前記小径部の前方にいくに従って前記中心軸線から次第に離れるように斜めに形成され、前記傾斜部は、前記吐出口から前方に噴出する前記クーラントのうちその一部の流れを前記小径部の半径方向外方に案内する。
より具体的には、前記工具内流路の前記吐出口から前方に噴出した前記クーラントを、前記工具の半径方向外方位置を流れる流量の多い主クーラントと、前記工具の半径方向内方位置を流れ、前記傾斜部に案内される流量の少ない補助クーラントとに区分し、前記主クーラントは、前記中心軸線とほぼ平行に前記チップの方向に流れ、前記補助クーラントは、前記傾斜部に案内されてその流れ方向が前記小径部の半径方向外方に変化して前記主クーラントに衝突することにより、前記補助クーラントは、主クーラントにより跳ね返され、前記小径部の半径方向外方に拡散することなく、湾曲した扇状に拡がりながら前記小径部の外周面上を流れて、前記チップに供給される。
好ましくは、前記大径部には、前記中心軸線を中心として周方向に均等に3つの前記工具内流路が形成されており、この工具内流路の各前記吐出口の部位では、前記切欠き部を前記小径部の前記外周面に形成し、各前記切欠き部は、前記傾斜部を構成し前記吐出口の前部に配置された傾斜面を有している。
好ましい実施態様として、たとえば、前記傾斜部を構成する前記傾斜面は、平面状または溝状に形成されている。また、前記円筒状回転工具を用いて、回転中の工作物を加工するのが好ましい。
好ましくは、スクイ面を有する前記チップは、このチップの前方端部に形成され且つ前記工具内流路と連通して前記チップの半径方向外方に開口する少なくとも1つのスクイ面用吐出口を有し、このスクイ面用吐出口で前記チップの半径方向外方に噴出したスクイ面用クーラントが、前記スクイ面における少なくとも加工点に供給される。
前記チップは、前記小径部にこのチップを締結するためにこのチップの前記前方端部の中央部に配置された締結部材を有し、この締結部材は、前記中心軸線を中心として周方向の均等位置に形成された複数の前記スクイ面用吐出口を有し、前記小径部と前記締結部材の各内部には、前記大径部の前記工具内流路から前記チップの前記スクイ面用吐出口に前記スクイ面用クーラントを流すための補助流路が形成されているのが好ましい。
本発明にかかる円筒状回転工具による加工方法は、上述の円筒状回転工具を回転させて、非回転の工作物(または、回転中の工作物)を加工する。
本発明における「円筒状回転工具」は、中心軸線まわりに回転する円筒状の工具のことである。円筒状回転工具を用いて加工される工作物は、回転、非回転のいずれであってもよい。
本発明にかかる工具内流路を有する円筒状回転工具およびこの工具による加工方法は、上述のように構成したので、工具内流路の吐出口から前方に噴出したクーラントが、半径方向外方に拡散することなく、湾曲した扇状に拡がりながら工具の外周面上を流れて、チップに供給される。これにより、工具の外周面とチップが効果的に冷却される。
本発明の第1実施例を示す図で、非回転の工作物を円筒状回転工具で切削加工している状態を示す概略説明図である。 図1Bないし図6は本発明の第2実施例を示す図で、図1Bは、回転中の工作物を円筒状回転工具で加工している状態を示す概略説明図である。 円筒状回転工具の斜視図である。 円筒状回転工具の透視図である。 図3のIV線拡大断面図である。 図4のV−V線断面図である。 第2実施例の変形例にかかる円筒状回転工具の斜視図で、図2相当図である。 図7ないし図9は本発明の第3実施例を示している。図7は、円筒状回転工具の斜視図で、図2相当図である。 円筒状回転工具の透視図で、図3相当図である。 工作物を円筒状回転工具で加工している状態を示す拡大図である。 第3実施例の変形例にかかる円筒状回転工具で工作物を加工している状態を示す拡大図である。 図10のXI-XI線矢視図である。
本発明にかかる工具内流路を有する円筒状回転工具は、クーラントを流すための少なくとも一つの工具内流路が内部に形成された大径部と、この大径部の前方に配置された小径部と、この小径部の前部に取付けられたチップとを備えている。この工具は、中心軸線を中心とする円筒状をなしている。この工具において、中心軸線の後方から見て、工具内流路の吐出口の内周円と前記小径部の外周円とが交差している。
吐出口の部位では、切欠き部が小径部の外周面に形成されている。切欠き部は、吐出口の前部に配置された傾斜部を有している。傾斜部は、吐出口の全周のうち中心軸線に最も近い位置から小径部の前方にいくに従って中心軸線から離れるように、斜めに形成されている。傾斜部は、吐出口から前方に噴出するクーラントのうちその一部(後述する補助クーラント)の流れを、小径部の半径方向外方に案内する。
これにより、工具内流路の吐出口から前方に噴出したクーラントが、半径方向外方に拡散することなく、湾曲した扇状に(すなわち、工具の前方にいくに従って次第に拡がる湾曲した帯状に)拡がりながら工具の外周面上を流れて、チップに供給される。その結果、工具の外周面とチップを効果的に冷却するという目的が実現される。
本発明にかかる円筒状回転工具は、マシニングセンタに使用される工具のほかに、複合加工機,旋盤,旋削盤などの工作機械に使用される工具である。
以下、本発明にかかる実施例を図1Aないし図11を参照して説明する。図1Aは第1実施例を示し、図1Bないし図6は第2実施例を示し、図7ないし図11は第3実施例を示す。
(第1実施例)
図1Aは、非回転の工作物を円筒状回転工具で切削加工している状態を示す概略説明図である。
図1Aにおいて、第1実施例にかかる工作機械1はマシニングセンタである。工作機械1の主軸頭は、主軸2を回転可能に支持している。円筒状回転工具(以下、工具と記載)3は工具内流路(以下、流路と記載)4を有している。第1実施例では、工具3が、円筒状回転工具の一種であるエンドミルの場合を示している。
工具3は、主軸2に着脱可能に取付けられた工具ホルダ5に装着されている。主軸2は、テーブル6上の工作物7に対して相対的に直交3軸方向(X軸,Y軸,Z軸)に移動制御される。そして、工具3を矢印Bのように回転させて、テーブル6に載置されている工作物7を切削加工する。
なお、工具3(および、後述する円筒状回転工具3a,3b,3c,3d)において、主軸2の方向と反対方向を、それぞれ後方,前方とする。
工具3は、大径部20と小径部21とチップ28とを備え、中心軸線CLを中心とする円筒状をなしている。大径部20の内部には、クーラントLを流すための少なくとも一つ(本実施例では、3つ)の流路4が、中心軸線CLと平行に形成されている。クーラントLは、液状の切削油剤のほかに、変形例として、セミドライ加工に使用されるミスト状の切削油剤や、冷却用の空気などである。
小径部21は、大径部20の前方に配置されている。チップ28は、小径部21の前部に取付けられている。中心軸線CLの後方から見て、流路4の吐出口23の内周円と、小径部21の外周円24とが交差している(図5)。
吐出口23の部位では、切欠き部25が小径部21の外周面に形成されている。切欠き部25は、吐出口23の前部に配置された傾斜部30を有している。傾斜部30は、吐出口23の全周のうち中心軸線CLに最も近い位置P1(図2)から小径部21の前方にいくに従って中心軸線CLから次第に離れるように、斜めに形成されている。傾斜部30は、吐出口23から前方に噴出するクーラントLのうちその一部の流れ(後述する補助クーラントL1の流れ)を、小径部21の半径方向外方に案内する。
したがって、流路4の吐出口23から前方に噴出したクーラント(クーラントLの一部である補助クーラントL1)が、半径方向外方に拡散することなく、湾曲した扇状に拡がりながら、工具3の外周面上を流れて、チップ28に供給される。
本発明で「湾曲した扇状」とは、工具3(または、後述する工具3a,3b,3c)の前方にいくに従って次第に拡がる湾曲した帯状のことである。
これにより、工具3の外周面とチップ28が、効果的に冷却される。小径部21の外周面に切欠き部25を形成すればよいので、特許文献1の技術で使用されていたクーラントノズルなどの別部品を工具に取付ける必要がない。その結果、工具の別部品が干渉を起こす恐れがない。充分な流量のクーラントLがチップ28に供給されるので、クーラントLによる冷却性と潤滑性が効果的に発揮される。
本発明では、流路4の吐出口23から前方に噴出するクーラントLを、傾斜部30により、主クーラントL2と補助クーラントL1に区分している。主クーラントL2と補助クーラントL1は、流路4では全体で1つの流れであるが、吐出口23から吐出した後は、傾斜部30の存在により、分離されて互いに異なる流れになる。
主クーラントL2は、工具3の半径方向外方位置(すなわち、中心軸線CLから遠い位置)を流れる流量の多い部分である。主クーラントL2は、中心軸線CLとほぼ平行にチップ28の方向に流れる。
補助クーラントL1は、工具3の半径方向内方位置(すなわち、中心軸線CLに近い位置)を流れ、傾斜部30に案内されて流れ方向を変化させる、流量の少ない部分である。
吐出口23から前方に噴出したクーラントLのうち補助クーラントL1は、傾斜部30により、この傾斜部30に沿って流れるように案内される。補助クーラントL1より外方を流れる主クーラントL2は、傾斜部30の位置より外方を流れるので、傾斜部30の影響は受けないで、前方にほぼ真っ直ぐに流れる。
補助クーラントL1は、傾斜部30に案内されてその流れ方向が小径部21の半径方向外方に変化して、主クーラントL2に衝突する。ところが、流量(すなわち、運動量と運動エネルギー)の少ない補助クーラントL1にとって、流量(すなわち、運動量と運動エネルギー)の多い主クーラントL2は、あたかも壁のようになって存在している。
その結果、補助クーラントL1は、主クーラントL2に衝突して跳ね返される。そして、補助クーラントL1は、それ以上小径部21の半径方向外方に拡散することなく、横方向に扇状に且つ湾曲して拡がりながら小径部21の外周面上を流れて、チップ28に供給される。これにより、補助クーラントL1は、湾曲した扇状の広い面積で小径部21の外周面とチップ28に接触して、小径部21とチップ28を冷却する。
他方、吐出口23から前方に噴出した主クーラントL2は、補助クーラントL1が衝突することにより若干流れ方向を変化させる。しかし、主クーラントL2の流量(運動量と運動エネルギー)は、補助クーラントL1の流量(運動量と運動エネルギー)より多い。
よって、主クーラントL2は、それほど流れ方向を変化させることなく、小径部21の外周面に沿って前方に流れる。
次に、工具3を用いて工作物7を加工する動作について説明する。
まず初めに、工具3を工具ホルダ5に取付け、この工具ホルダ5を主軸2に装着する。主軸2を回転駆動し、工具ホルダ5とともに工具3を回転させる。テーブル6に載置された工作物7は非回転状態である。
クーラントLを供給する装置を予め運転状態にしておき、クーラントLを、主軸2と工具ホルダ5を介して工具3の流路4に供給する。この状態で、主軸2を工作物7に対して相対的に直交3軸方向(X軸,Y軸,Z軸)に移動させる。すると、工作物7は、回転する工具3により切削加工される。
この切削加工中に、クーラントLは、大径部20に形成された3つの流路4をそれぞれ流れて、各吐出口23から噴出する。吐出口23から前方に噴出したクーラントLは、切欠き部25の傾斜部30の存在により、主クーラントL2と補助クーラントL1に区分される。
工具3の半径方向外方位置を流れる流量の多い主クーラントL2は、傾斜部30の影響を受けないので、中心軸線CLとほぼ平行にチップ28の方向に流れる。
これに対して、工具3の半径方向内方位置を流れる流量の少ない補助クーラントL1は、傾斜部30に案内されて、その流れ方向が小径部21の半径方向外方に変化する。すなわち、傾斜部30が、あたかもジャンプ台のような機能を発揮して、補助クーラントL1を小径部21から外方に飛び出させる。
外方に飛び出た補助クーラントL1は、そのすぐ外方を流れる流量の多い主クーラントL2に衝突する。ところが、補助クーラントL1より主クーラントL2の方が流量が多いので、運動量と運動エネルギーも大きい。その結果、主クーラントL2は、補助クーラントL1の流れを遮断する壁としての機能を発揮して、補助クーラントL1を跳ね返す。
主クーラントL2に当たって跳ね返された補助クーラントL1は、それ以上小径部21の半径方向外方に拡散することなく、小径部21の外周面に沿って湾曲した扇状に拡がる。
こうして、補助クーラントL1は、湾曲した扇状に拡がりながら小径部21の外周面上を流れてチップ28に供給される。吐出口23から吐出した主クーラントL2も、小径部21の外周面上を流れてチップ28に供給される。
その結果、小径部21の外周面とチップ28が、補助クーラントL1と主クーラントL2により冷却される。工具3には3つの吐出口23が形成されており、各吐出口23からクーラントが噴出する。よって、3本の補助クーラントL1が、小径部21の外周面とチップ28に均一に且つ充分に行き渡る。したがって、小径部21の外周面の全体とチップ28の全体が、効果的に且つ均一に冷却される。
(第2実施例)
図1Bは、回転中の工作物7aを円筒状回転工具(以下、工具と記載)3aまたは3bで加工している状態を示す概略説明図である。図2,図3は、それぞれ工具3aの斜視図,透視図、図4は図3のIV線拡大断面図、図5は図4のV−V線断面図である。
図1Bに示すように、工作機械1aは、工具3a(または3b)を矢印Bに示すように回転させながら、矢印Cに示すように回転中の工作物7aを加工する。この工作機械1aは、旋盤を基本構造にした複合加工機である。工作機械1aは、工作物7aを回転可能に支持する主軸台8のほかに、工具3a,3bを支持して回転する主軸2を有している。
工作物7aは、主軸台8により回転駆動されるチャック9に把持されて回転する。工作物7aの先端11は、センタ10により回転自在に支持されている。主軸2は、主軸台8の中心軸線CL1と平行なZ軸方向と、このZ軸方向に直交するY軸方向に、それぞれ移動制御される。
加工時には、主軸2を駆動して工具3a,3bを回転させ、主軸台8を駆動して工作物7aを回転させる。そして、主軸2を直交2軸方向(Z軸方向,Y軸方向)に移動制御する。
こうすることにより、工作物7aは工具3a,3bにより加工される。工具3a,3bにはクーラントLが供給されるので、工具3a,3bはクーラントLにより冷却される。
図1Bないし図5に示すように、工具3aは、大径部20と小径部21とチップ22とを備え、中心軸線CLを中心とする円筒状をなしている。大径部20の内部には、クーラントLを流すための少なくとも一つ(本実施例では、3つ)の流路4が、中心軸線CLと平行に形成されている。
小径部21は、大径部20の前方に配置されている。チップ22は、小径部21の前部に取付けられている。中心軸線CLの後方から見て、流路4の吐出口23の内周円と、小径部21の外周円24とが交差している(図5)。
流路4は、中心軸線CLの後方から見たときの流路断面の全体が、吐出口23で前方に開放している。吐出口23において、その内周面の所定位置P1が、中心軸線CLに最も近いポイントになっている。
吐出口23の部位では、切欠き部25が小径部21の外周面26に形成されている。切欠き部25は、吐出口23の前部に配置された傾斜部30を有している。傾斜部30は、吐出口23の全周のうち中心軸線CLに最も近い位置P1から小径部21の前方にいくに従って中心軸線CLから次第に離れるように、斜めに形成されている。傾斜部30は、吐出口23から前方に噴出するクーラントLのうちその一部の流れ(補助クーラントL1の流れ)を、小径部21の半径方向外方に案内する。
したがって、流路4の吐出口23から前方に噴出したクーラント(クーラントLの一部である補助クーラントL1)が、半径方向外方に拡散することなく、湾曲した扇状に拡がりながら、工具(工具3aの小径部21)の外周面26上を流れて、チップ22に供給される。これにより、工具(工具3aの小径部21)の外周面26とチップ22が、効果的に冷却される。
小径部21の外周面26に切欠き部25を形成すればよいので、特許文献1の技術で使用されていたクーラントノズルなどの別部品を工具に取付ける必要がない。その結果、工具の別部品が干渉を起こす恐れがない。また、充分な流量のクーラントLがチップ22に供給されるので、クーラントLによる冷却性と潤滑性が効果的に発揮される。
大径部20は、シャンク31とフランジ32を有し、中心軸線CLを中心とする円筒状をなしている。シャンク31は、小径部21より大きい直径を有して、工具ホルダ5に装着される。
フランジ32は、シャンク31に一体的に(または別体で)固定され、工具3aを工具ホルダ5に対して位置決めする操作に使用される。フランジ32の操作部33には、工具3aを中心軸線CLまわり回転操作する際に使用するための平面部が形成されている。
小径部21は、大径部20に対して一体的に(または別体で)固定されるとともに中心軸線CLと同心の円筒状をなしている。小径部21は、これの前方に着脱可能に取付けられるチップ22を支持するための本体である。
フランジ32の前方側から小径部21の後部までの部位はほぼ円錐形で、その外周面は、円錐より若干くぼんだ曲面をなしている。
チップ22は、小径部21と同心に配置され、小径部21の前方の装着部にねじ34により締結固定される。チップ22は、円環状をなしており、その前方端面35の外周縁の刃先36で工作物7aを加工する。
本発明では、流路4の吐出口23から前方に噴出するクーラントLを、傾斜部30により、主クーラントL2と補助クーラントL1に区分している。主クーラントL2と補助クーラントL1は、流路4では全体で1つの流れであるが、吐出口23から吐出した後は、傾斜部30の存在により、分離されて互いに異なる流れになる。
主クーラントL2は、工具3aの半径方向外方位置(すなわち、中心軸線CLから遠い位置)を流れる流量の多い部分である。主クーラントL2は、中心軸線CLとほぼ平行にチップ22の方向に流れる。
補助クーラントL1は、工具3aの半径方向内方位置(すなわち、中心軸線CLに近い位置)を流れ、傾斜部30に案内されて流れ方向を変化させる、流量の少ない部分である。
吐出口23から前方に噴出したクーラントLのうち補助クーラントL1は、傾斜部30により、この傾斜部30に沿って流れるように案内される。補助クーラントL1より外方を流れる主クーラントL2は、傾斜部30の位置より外方を流れるので、傾斜部30の影響は受けないで、前方にほぼ真っ直ぐに流れる。
補助クーラントL1は、傾斜部30に案内されてその流れ方向が小径部21の半径方向外方に変化して、主クーラントL2に衝突する。ところが、流量(すなわち、運動量と運動エネルギー)の少ない補助クーラントL1にとって、流量(すなわち、運動量と運動エネルギー)の多い主クーラントL2は、あたかも壁のようになって存在している。
その結果、補助クーラントL1は、主クーラントL2に衝突して跳ね返される。そして、補助クーラントL1は、それ以上小径部21の半径方向外方に拡散することなく、横方向に扇状に且つ湾曲して拡がりながら小径部21の外周面26上を流れて、チップ22に供給される。これにより、補助クーラントL1は、湾曲した扇状の広い面積で小径部21の外周面26とチップ22の外周面に接触して、小径部21とチップ22を冷却する。
他方、吐出口23から前方に噴出した主クーラントL2は、補助クーラントL1が衝突することにより若干流れ方向を変化させる。しかし、主クーラントL2の流量(運動量と運動エネルギー)は、補助クーラントL1の流量(運動量と運動エネルギー)より多い。
よって、主クーラントL2は、それほど流れ方向を変化させることなく、小径部21の外周面26とチップ22の外周面に沿って前方に流れる。
本発明についての実験で、工具3aの傾斜部30の形状,サイズ,傾斜角度θなどを調整して、補助クーラントL1と主クーラントL2の流量をほぼ同じにした。ところが、この場合には、補助クーラントL1が主クーラントL2に衝突したのち、補助クーラントL1と主クーラントL2が混合して途中から乱流になってしまった。その結果、補助クーラントL1は湾曲した扇状に拡がらなかった。
これに対して、工具3aの傾斜部30の形状,サイズ,傾斜角度θなどを調整して、補助クーラントL1の流量より主クーラントL2の流量を大きくした。こうすれば、補助クーラントL1が主クーラントL2に衝突したのち跳ね返されて、補助クーラントL1に渦流が発生した。そして、補助クーラントL1が、湾曲した扇状に拡がりながら小径部21の外周面26上をより遠くまで流れて、チップ22に確実に到達することが確認された。
本実施例にかかる工具3aは、その大径部20には、中心軸線CLを中心として120度ずつ離れて均等に3つの流路4が形成されている。流路4の各吐出口23の部位では、切欠き部25が小径部21の外周面26に形成されている。各切欠き部25は、傾斜部30を構成し吐出口23の前部に配置された傾斜面(本実施例では、平面状の傾斜面37)を有している。
工具3aに3つの流路4を均等に形成したので、小径部21の外周の3箇所の吐出口23からクーラントLがそれぞれ前方に向けて均等に噴出する。
そして、各クーラントLのうち補助クーラントL1は、傾斜部30に案内されてその流れ方向が小径部21の半径方向外方に変化して、主クーラントL2に衝突する。すると、補助クーラントL1は、主クーラントL2に跳ね返されて、湾曲した扇状に拡がりながら小径部21の外周面26上を流れて、チップ22に到達する。
その結果、補助クーラントL1が、外周面26とチップ22に充分に行き渡る。これにより、小径部21の外周面26の全体の大部分とチップ22のほぼ全周が、補助クーラントL1により効果的に冷却される。
クーラントLがチップ22の外周面全体に供給されるので、加工点で発生する切りくずを効果的に排除することができる。特に、3つの吐出口23からそれぞれ噴出する3本の主クーラントL2は、その流量が多く且つほぼまっすぐ高速で束状になって前方に流れているので、切りくずの除去効果を有効に発揮する。
切欠き部25において、中心軸線CLに最も近い位置P1のところまで、中心軸線CLに対して直角方向に切り込んだ後、上述の位置P1が露出するように、平面状の傾斜面37を形成している。
傾斜面37は、中心軸線CLと平行な面S1より所定角度θ(たとえば、θ=3度ないし10度)傾斜している。これにより、切欠き部25のところで吐出口23の全体が露出する。
切欠き部25は、上方から見てほぼ三角形、横方向から見てほぼL形状をなしている。切欠き部25は極めてシンプルな形状なので、工具3aが硬い材質であっても切欠き部25を容易に形成することができる。
傾斜面37は、前方の頂点P2を有する二等辺三角形をなしており、三角形の底辺の中央部(位置P1)に吐出口23が開口している。したがって、吐出口23から前方に噴出するクーラントLのうち補助クーラントL1は、傾斜面37に案内されてその流れ方向を小径部21の半径方向外方に変化させ、外方を流れる主クーラントL2と衝突する。
すると、主クーラントL2が、補助クーラントL1の流れに対する壁となって、補助クーラントL1を、これ以上小径部21の半径方向外方に流さないように跳ね返して、補助クーラントL1の流れ方向を変化させる。
その結果、補助クーラントL1は、傾斜面37の頂点P2やこの頂点P2に連なる三角形の両辺の縁から、小径部21の円筒状の外周面26に沿って湾曲した扇状に3次元に拡がりながら、前方に流れる。
こうして、補助クーラントL1が、小径部21の外周面26上を湾曲した扇状に拡がるようにその流れ方向を変化させることにより、主クーラントL2の一部も、補助クーラントL1と一緒に、湾曲した扇状に拡がる場合もある。この場合には、小径部21の外周面26上を流れるクーラントの流量が増えるので、小径部21の外周面26とチップ22はさらに効果的に冷却される。
図1B,図2では、3つの吐出口23のうち、1つの吐出口23から噴出する補助クーラントL1と主クーラントL2の流れを例示している。なお、他の2つの吐出口23から噴出する補助クーラントL1と主クーラントL2の流れについても、例示する1つの吐出口23についての流れと同じである。
工具3aにおいて、中心軸線CLの後方から見て、吐出口23の内周円(すなわち、吐出口23の断面の中心軸線CL方向側の一部)は、小径部21の外周円24と交差している(図5)。こうするために、流路4を中心軸線CLに近づけて配置している。すなわち、吐出口23における中心軸線CLに最も近い位置P1が、小径部21の外周円24の位置より中心軸線CLに近くなるように、流路4を配置している。その結果、中心軸線CLの後方から見て、吐出口23の一部が、小径部21の外周円24と重なり合う。
吐出口23の部位に切欠き部25を形成したので、傾斜部30を、吐出口23の前部に配置して形成することができる。傾斜部30は、前方にいくに従って中心軸線CLから次第に離れるように、斜めに形成されている。
したがって、吐出口23から前方に噴出したクーラントLは、傾斜部30によりその流れ方向が変化する補助クーラントL1と、補助クーラントL1より外方を流れて傾斜部30に影響されない主クーラントL2とに分離される。
図6は、第2実施例の変形例にかかる工具3bの斜視図で、図2相当図である。
図6に示す工具3bは、中心軸線CLを中心とする円筒状をなしている。工具3bは、クーラントLを流すための少なくとも一つ(ここでは、3つ)の流路4が内部に形成された大径部20と、大径部20の前方に配置された小径部21と、小径部21の前部に取付けられたチップ22とを備えている。中心軸線CLの後方から見て、流路4の吐出口23の内周円と小径部21の外周円24とが、交差している(図5)。
吐出口23の部位では、切欠き部25aが小径部21の外周面26に形成されている。切欠き部25aは、吐出口23の前部に配置された溝状の傾斜部30aを有している。
傾斜部30aは、吐出口23の全周のうち中心軸線CLに最も近い位置P1から小径部21の前方にいくに従って中心軸線CLから次第に離れるように斜めに形成されている。傾斜部30aは、吐出口23から前方に噴出するクーラントLのうち一部の流れ(補助クーラントL1の流れ)を、小径部21の半径方向外方に案内する。
流路4の吐出口23から前方に噴出したクーラントLを、傾斜部30aにより、主クーラントL2と補助クーラントL1に区分している。主クーラントL2は、工具3bの半径方向外方位置を流れる流量の多い部分である。補助クーラントL1は、工具3bの半径方向内方位置を流れ、傾斜部30aに案内される流量の少ない部分である。
主クーラントL2は、中心軸線CLとほぼ平行にチップ22の方向に流れる。補助クーラントL1は、傾斜部30aに案内されてその流れ方向が小径部21の半径方向外方に変化して、主クーラントL2に衝突する。
すると、補助クーラントL1は、壁の機能を発揮している主クーラントL2により跳ね返される。跳ね返された補助クーラントL1は、小径部21の半径方向外方に拡散することなく、湾曲した扇状に拡がりながら小径部21の外周面26上を流れて、チップ22に供給される。したがって、前記実施例と同じ作用効果を奏する。
大径部20には、中心軸線CLを中心として周方向に均等に3つの流路4が形成されている。流路4の各吐出口23の部位では、切欠き部25aが、小径部21の外周面26に形成されている。切欠き部25aは、傾斜部30aを構成し吐出口23の前部に配置された傾斜面37aを有している。傾斜面37aは、断面U形の溝状に形成されている。
吐出口23から噴出した補助クーラントL1は、溝状の傾斜面37aに包まれるようにして案内される。したがって、補助クーラントL1は、周辺に拡散することなく、そのほぼ全量がその流れ方向を変化させながら主クーラントL2に衝突する。
主クーラントL2に跳ね返された補助クーラントL1は、半径方向外方に拡散することなく、湾曲した扇状に拡がりながら、小径部21の外周面26上を流れて、チップ22に供給される。これにより、小径部21の外周面26とチップ22が、効果的に冷却される。
なお、図6(および図7)では、3つの吐出口23のうち1つの吐出口23から噴出する補助クーラントL1と主クーラントL2の流れを示している。他の2つの吐出口23から噴出する補助クーラントL1と主クーラントL2の流れについても、図6(および図7)に示す1つの吐出口23についての流れと同じである。
他の変形例として、上述の工具3a,3bにおいて、吐出口23の部位に、カバー(図示せず)などを付属することにより傾斜部を配置する場合であってもよい。
さらに他の変形例として、工具3a,3bにおいて、3つの流路4のほかに、工具3a,3bの中心部にさらに工具内流路を中心軸線CL方向に形成して、このセンタースルーの工具内流路にもクーラントLを供給してもよい。このようにすれば、工具3a,3bの外周面と内部との両方がクーラントLにより冷却される。その結果、さらに効果的に工具の外周面とチップを冷却することができる。
次に、工具3aまたは工具3bを用いて工作物7を加工する動作について、図1Bないし図6を参照して説明する。
まず初めに、工具3a,3bを工具ホルダ5に取付け、この工具ホルダ5を主軸2に装着する。主軸2を回転駆動し、工具ホルダ5とともに工具3a,3bを回転させる。主軸台8に駆動されて、チャック9とセンタ10に支持されている工作物7aは回転している。
クーラントLを供給する装置を予め運転状態にしておき、クーラントLを、主軸2と工具ホルダ5を介して工具3a,3bの流路4に供給する。この状態で、主軸2を、工作物7aに対して直交2軸方向(Z軸方向とY軸方向)に移動させる。すると、回転する工作物7aは、回転する工具3a,3bにより加工される。
この加工中に、クーラントLは、大径部20に形成された3つの流路4をそれぞれ流れて、各吐出口23から噴出する。吐出口23から前方に噴出したクーラントLは、切欠き部25,25aの傾斜部30,30aの存在により、主クーラントL2と補助クーラントL1に区分される。
工具3a,3bの半径方向外方位置を流れる流量の多い主クーラントL2は、傾斜部30,30aの影響を受けないので、中心軸線CLとほぼ平行にチップ22の方向に流れる。
これに対して、工具3a,3bの半径方向内方位置を流れる流量の少ない補助クーラントL1は、傾斜部30,30aに案内されて、その流れ方向が小径部21の半径方向外方に変化する。すなわち、傾斜部30,30aが、あたかもジャンプ台のような機能を発揮して、補助クーラントL1を小径部21から外方に飛び出させる。
外方に飛び出た補助クーラントL1は、そのすぐ外方を流れる流量の多い主クーラントL2に衝突する。ところが、補助クーラントL1より主クーラントL2の方が流量が多いので、運動量と運動エネルギーも大きい。その結果、主クーラントL2は、補助クーラントL1の流れを遮断する壁としての機能を発揮して、補助クーラントL1を跳ね返す。
主クーラントL2に当たって跳ね返された補助クーラントL1は、それ以上小径部21の半径方向外方に拡散することなく、小径部21の外周面26に沿って湾曲した扇状に拡がる。
こうして、補助クーラントL1は、湾曲した扇状に拡がりながら小径部21の外周面26上を流れてチップ22に供給される。吐出口23から吐出した主クーラントL2も、小径部21の外周面26上を流れてチップ22に供給される。
その結果、小径部21の外周面26とチップ22が、補助クーラントL1と主クーラントL2により冷却される。
工具3a,3bには,それぞれ3つの吐出口23が形成されており、各吐出口23からクーラントが噴出するので、3本の補助クーラントL1が、小径部21の外周面26とチップ22に均一に且つ充分に行き渡る。したがって、小径部21の外周面26の全体とチップ22の外周面の全体が、効果的に且つ均一に冷却される。
このように、工作機械1aは、工具3a,3bを回転させながら、回転中の工作物7aを加工するので、加工速度が速くなり、従来の旋盤と比べて生産性が大幅に向上する。また、工具3a,3bが回転するので、回転しない工具と比べてチップ22の刃先36が常に冷却されることになる。その結果、工具3a,3bの寿命が大幅に延びる。
工作機械1aは、工具3a,3bが回転するので、ニッケル合金や耐熱合金のように、旋削加工が困難な工作物7aであっても加工でき、また、加工時の振動を抑制して高精度な加工が可能である。主軸2と主軸台8を同期させる制御を行うことにより、楕円加工など複雑な加工も可能になり、加工の種類が増える。
工作機械1aで工具3a,3bを使用すれば、横向きに力が加えられる従来の旋削工具と比較して、工具3a,3bにはシャンク方向に力が加わる。その結果、従来の旋削工具よりはるかに剛性が高くなり、より強い切削が可能になる。
このように、工具3a,3bを工作機械1aに使用すれば、一点旋削である従来の旋削工具の根本的な限界を打ち破ることができる。
なお、工作機械1aでは、主軸2で工具を非回転状態で支持すれば、回転する工作物7aを旋削加工できる。
(第3実施例)
図7ないし図11は本発明の第3実施例を示す図である。図7は、円筒状回転工具3cの斜視図で、図2相当図である。図8は、工具3cの透視図で図3相当図である。図9は、工作物7,7aを工具3cで加工している状態を示す拡大図である。
工具3cにおいて、上述の工具3,3a,3bと同一または相当部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
工具3cは、中心軸線CLを中心とする円筒状をなす回転工具である。工具3cを回転させて、非回転の工作物7を加工することができ(図1A)、また、回転中の工作物7aを加工することもできる(図1B)。
工具3cは、クーラントLを流すための少なくとも一つの流路(工具内流路)4,4cが内部に形成された大径部20と、大径部20の前方に配置された小径部21と、小径部21の前部に取付けられたチップ29とを備えている。
チップ29は、インサートであり、前方端部39に位置するスクイ面40と、外周に位置する逃げ面41とを有している。大径部20には、周方向の均等位置に配置された3つの流路4と、中心軸線CLと同心に中心部に形成された1つの流路4cとが形成されている。
工具3cにおいて、中心軸線CLの後方から見て、周方向の均等位置に配置された3つの流路4の吐出口23の内周円と小径部21の外周円24とが交差している(図5)。吐出口23の部位では、切欠き部25(または、図6に示す切欠き部25a)が、小径部21の外周面に形成されている。
切欠き部25は、吐出口23の前部に配置された傾斜部30(または、図6に示す傾斜部30a)を有している。
傾斜部30は、吐出口23の全周のうち中心軸線CLに最も近い位置P1から小径部21の前方にいくに従って中心軸線CLから次第に離れるように、斜めに形成されている。傾斜部30は、吐出口23から前方に噴出するクーラントLのうちその一部の流れ(補助クーラントL1の流れ)を、小径部21の半径方向外方に案内する。
流路4の吐出口23から前方に噴出するクーラントLは、傾斜部30により、主クーラントL2と補助クーラントL1に区分されている。
主クーラントL2は、工具3cの半径方向外方位置(すなわち、中心軸線CLから遠い位置)を流れる流量の多い部分である。主クーラントL2は、中心軸線CLとほぼ平行にチップ29の方向に流れる。補助クーラントL1は、工具3cの半径方向内方位置(すなわち、中心軸線CLに近い位置)を流れ、傾斜部30に案内されて流れ方向を変化させる、流量の少ない部分である。
吐出口23から前方に噴出したクーラントLのうち補助クーラントL1は、傾斜部30の傾斜面37(または、図6に示す傾斜面37a)に沿って流れるように、傾斜部30により案内される。
補助クーラントL1より外方を流れる主クーラントL2は、傾斜部30の位置より外方を流れるので、傾斜部30の影響は受けないで、前方にほぼ真っ直ぐに流れる。
補助クーラントL1は、傾斜部30に案内されてその流れ方向が小径部21の半径方向外方に変化して、主クーラントL2に衝突する。その結果、補助クーラントL1は、主クーラントL2により跳ね返される。そして、補助クーラントL1は、それ以上小径部21の半径方向外方に拡散することなく、横方向に扇状に且つ湾曲して拡がりながら小径部21の外周面上を流れて、チップ29に供給される。
これにより、補助クーラントL1は、湾曲した扇状の広い面積で小径部21の外周面とチップ29に接触して、小径部21とチップ29を冷却する。
工具3cの大径部20には、中心軸線CLを中心として120度ずつ離れて均等に3つの流路4が形成されている。流路4の各吐出口23の部位では、切欠き部25(または、切欠き部25a)が小径部21の外周面26に形成されている。
各切欠き部25は、傾斜部30を構成し吐出口23の前部に配置された傾斜面37を有している。傾斜部30の傾斜面37は平面状に形成されている。なお、図6に示す切欠き部25aは、傾斜部30aを構成する傾斜面37aが溝状に形成されている。
こうして工具3cでは、流路4の吐出口23から前方に噴出した補助クーラントL1が、半径方向外方に拡散することなく、湾曲した扇状に拡がりながら工具3cの外周面上を流れて、チップ29に供給される。
また、吐出口23から前方に噴出した主クーラントL2は、傾斜部30の影響は受けないで、前方にほぼ真っ直ぐに流れてチップ29に供給される。これにより、工具3cの外周面26とチップ29の逃げ面41が効果的に冷却される。
スクイ面40を有するチップ29は、少なくとも1つ(本実施例では、2つ)のスクイ面用吐出口42を有している。スクイ面用吐出口42は、チップ29の前方端部39に形成され、大径部20の中心部の流路4cと連通し、チップ29の半径方向外方に開口している。
スクイ面用吐出口42でチップ29の半径方向外方に噴出したスクイ面用クーラントL3は、スクイ面40における少なくとも加工点43に供給される。この加工点43では、加工時に切りくず44が発生する。
チップ29は締結部材45を有している。締結部材45は、小径部21にチップ29を締結するために、チップ29の前方端部39の中央部に配置されている。締結部材45は、中心軸線CLを中心として周方向の均等位置に形成されチップ29の半径方向外方に開口した複数(本実施例では、2つ)のスクイ面用吐出口42を有している。
締結部材45は、チップ29の前方端部39に圧接する頭部47と、ねじ部48とを有している。ねじ部48は、頭部47から一体的に突出形成され、小径部21の雌ねじ部49にねじ込まれて、チップ29を小径部21に着脱可能に締結する。
小径部21と締結部材45の各内部には、補助流路46が形成されている。補助流路46は、大径部20の中心部の流路4cから、チップ29のスクイ面用吐出口42にスクイ面用クーラントL3を流すための流路である。
補助流路46は、小径部21に形成された第1の流路50と、締結部材45に形成された少なくとも1つ(本実施例では、2つ)の第2の流路51とを有している。
第1の流路50は、大径部20の中心部の流路4cと連通し、小径部21の中心軸線CLと同心に中心部に形成されている。第2の流路51は、締結部材45にL字状に形成されている。第2の流路51は、上流側が小径部の第1の流路50と連通し、下流側がスクイ面用吐出口42に連通している。2つの第2の流路51は、締結部材45の中心軸線CLを中心として180度離れて均等に配置されている。
図10は、第3実施例の変形例にかかる円筒状回転工具3dで工作物7,7aを加工している状態を示す拡大図、図11は図10のXI-XI線矢視図である。
図10,図11に示す工具3dは、中心軸線CLを中心とする円筒状をなす回転工具である。工具3dは、小径部21dの内部流路とチップ29d以外の構成については第3実施例の工具3cと同じである。
工具3dは、流路4,4cが内部に形成された大径部20(図7,図8)と、大径部20の前方に配置された小径部21dと、小径部21dの前部に取付けられたチップ29dとを備えている。
チップ29dは、インサートであり、前方端部39dに位置するスクイ面40dと、外周に位置する逃げ面41dとを有している。工具3dでは、チップ29d自体にスクイ面用吐出口42dが形成されている。チップ29dは締結部材(たとえば、簡素なボルト)45dで小径部21dに対して締結されている。
工具3dにおいて、中心軸線CLの後方から見て、周方向の均等位置に配置された3つの流路4の吐出口23の内周円と小径部21dの外周円24とが交差している(図5)。吐出口23の部位では、切欠き部25(または、図6に示す切欠き部25a)が、小径部21dの外周面に形成されている。
切欠き部25は、吐出口23の前部に配置された傾斜部30(または、図6に示す傾斜部30a)を有している。傾斜部30は、吐出口23の全周のうち中心軸線CLに最も近い位置P1から小径部21dの前方にいくに従って中心軸線CLから次第に離れるように、斜めに形成されている。傾斜部30は、吐出口23から前方に噴出するクーラントLのうちその一部の流れ(補助クーラントL1の流れ)を、小径部21dの半径方向外方に案内する。
流路4の吐出口23から前方に噴出するクーラントLは、傾斜部30により、主クーラントL2と補助クーラントL1に区分されている。主クーラントL2と補助クーラントL1の動作と作用は、第3実施例と同じである。その結果、工具3dの外周面とチップ29dの逃げ面41dが効果的に冷却される。
スクイ面40dを有するチップ29dは、少なくとも1つ(本実施例では、4つ)のスクイ面用吐出口42dを有している。吐出口42dは、チップ29dの前方端部39dに形成され、大径部20の中心部の流路4cと連通し、チップ29dの半径方向外方に開口している。
吐出口42dでチップ29dの半径方向外方に噴出したスクイ面用クーラントL3は、スクイ面40dにおける少なくとも加工点43に供給される。この加工点43では、加工時に切りくず44が発生する。
チップ29dは締結部材45dを有している。締結部材45dは、小径部21dにチップ29dを締結するために、チップ29dの前方端部39dの中央部に配置されている。
チップ29dは、中心軸線CLを中心として周方向の均等位置に形成されチップ29dの半径方向外方に開口した複数(本実施例では、4つ)の吐出口42dと、吐出口42dに連通して放射状に形成された複数(本実施例では、4つ)の溝52とを有している。チップ29dの溝52は、吐出口42dから噴出したスクイ面用クーラントL3をスクイ面40dに導くための溝である。
締結部材45dは、チップ29dに圧接する頭部47dと、これと一体的なねじ部48dとを有し、チップ29dを小径部21dに着脱可能に締結する。
小径部21dとチップ29dの各内部には、補助流路46dが形成されている。補助流路46dは、大径部20の中心部の流路4cから、チップ29dの吐出口42dにスクイ面用クーラントL3を流すための流路である。補助流路46dは、小径部21dに形成された第1の流路50dと、チップ29dに形成された第2の流路51dとを有している。
第1の流路50dは、大径部20の中心部の流路4cと連通し、小径部21dの中心軸線CLと同心に中心部に形成されている。第2の流路51dは、チップ29dに形成され、上流側が小径部の第1の流路50dと連通し、下流側が吐出口42dに連通している。
次に、工具3c,3dを用いて工作物7,7aを加工する動作について説明する。
主軸2を回転駆動して、工具ホルダ5とともに工具3c,3dを回転させる。クーラントLを、主軸2と工具ホルダ5を介して工具3c,3dの流路4,4cに供給する。
工作物7,7aは、回転する工具3c,3dにより加工される。この加工中に、クーラントLは、大径部20に形成された3つの流路4をそれぞれ流れて、各吐出口23から前方に向けて噴出する。その結果、主クーラントL2と補助クーラントL1により、小径部21,21dの外周面26とチップ29,29dの逃げ面41,41dが冷却される。
工具3cでは、加工中にクーラントLは、大径部20の中心部の流路4cと、小径部21の第1の流路50を前方に流れる。そして、クーラントLは、締結部材45の2つの第2の流路51に分岐した後、ほぼ直角に曲がって、2つのスクイ面用吐出口42でチップ29の半径方向外方に噴出する。
2つの吐出口42からそれぞれ噴出したスクイ面用クーラントL3は、スクイ面40における加工点43に供給され、加工点43で発生した切りくず44とスクイ面40との境界部位に当たる。
工具3cは回転しているので、その遠心力により、スクイ面用クーラントL3は、前記境界部位に勢いよく当たる。工具3cが1回転する間に、スクイ面用クーラントL3は加工点43に2回供給されることになる。その結果、切りくず44がチップ29と接するスクイ面40の潤滑と冷却が行われる。
他方、工具3dでは、加工中にクーラントLは、大径部20の中心部の流路4cと、小径部21dの第1の流路50dを前方に流れる。そして、クーラントLは、チップ29dの第2の流路51dを前方に流れて締結部材45dの頭部47dに衝突してほぼ直角に曲がった後、4つの吐出口42dから溝52を通ってチップ29dの半径方向外方に噴出する。
こうして4つの吐出口42dからそれぞれ噴出したスクイ面用クーラントL3は、溝52を流れてスクイ面40dにおける加工点43に供給され、加工点43で発生した切りくず44とスクイ面40dとの境界部位に当たる。
工具3dは回転しているので、その遠心力によりクーラントL3は前記境界部位に勢いよく当たる。工具3dが1回転する間に、クーラントL3は加工点43に4回供給されることになる。その結果、切りくず44がチップ29dと接するスクイ面40dの潤滑と冷却が行われる。
こうして工具3c,3dでは、チップ29,29dの外周の逃げ面41,41dと、スクイ面40,40dの加工点43の両方が、クーラントL1,L2,L3により同時に冷却される。また、切りくず44の溶着物がスクイ面40,40dに次第に付着するといった不具合を防止することができる。
したがって、工具3c,3dを使用すれば、チップ29,29dの外周と、スクイ面40,40dの両方が、同時に冷却されるので、高効率の加工とチップ29,29dの寿命向上を実現することができる。また、加工条件を向上させて、加工の困難な工作物(難作材)や耐熱合金などの生産性を向上させることができる。工具3c,3dにおいても、前記各実施例と同じ作用効果を奏する。
(第1実施例ないし第3実施例)
図1Aに示す工作機械1(マシニングセンタ)や図1Bに示す工作機械1a(複合加工機)では、工具3,3aないし3dが回転する。したがって、チップ22の刃先36の一点(または、チップ28,29,29dの刃先の一点)に着目した場合、これら刃先の一点が、工作物7,7aを加工点で切削すると熱により温度上昇して高温(たとえば、500ないし800度)になる。
この刃先の一点は、加工点から離れて一周回転したのち再び加工点に戻るが、その間の熱の発生はないので自然に冷却される。しかも、工具3,3aないし3dはクーラントLにより、小径部21,21dの外周面26の全体とチップ22,28,29,29dの全体が効果的に且つ均一に冷却される。その結果、チップ22,28,29,29dの刃先の一点は、再び加工点に戻ったときには充分に冷却されているので、加工点で工作物7,7aを良好に加工することができる。
このように、本発明は、工具3,3aないし3dの刃先の一点が高温になるのを防止できるので、工具3,3aないし3dの摩耗を低減し工具寿命を延ばすことができる。これとは逆に、従来レベルの工具寿命で工具3,3aないし3dを使用した場合には、加工条件を上げて生産性をさらに向上させることもできる。
図1Aないし図11に示す各実施例および各変形例において、工具3,3aないし3dでは、その外周面とチップ22,28,29,29dを効果的に冷却できる。よって、工具3,3aないし3dに供給するクーラントLの供給量を少なくすることができる。その結果、クーラントLの供給設備を小型化でき、クーラントLによる環境への負担を軽減することができる。
流路4を有する工具3,3aないし3dには、流路4の吐出口23の場所に切欠き部25,25aのみが形成される。したがって、何らかの別部品を回転工具に別途追加する場合と比べて、工具3,3aないし3dに対する加工作業は極めて簡単で、出来上がった構成もシンプルである。また、工具3,3aないし3dは、本来その外観形状が簡素な円筒状なので、これに切欠き部25,25aを加工する作業は容易である。
工具3,3aないし3dは回転しながら工作物を加工するので、小径部21,21dやチップ22,28,29,29dが全体的に温度上昇する。しかし、本発明では、工具3,3aないし3dの回転速度の大小にかかわらず、クーラントLを、小径部21,21dとチップ22,28,29,29dの全体に行き渡るように供給する。よって、小径部21,21dとチップ22,28,29,29dの全体が、効果的に且つ均一に冷却される。
以上、本発明の実施例(変形例を含む。以下同じ)を説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形,付加などが可能である。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
本発明にかかる工具内流路を有する円筒状回転工具は、マシニングセンタに使用される回転工具のほかに、複合加工機,旋盤,旋削盤などの工作機械に使用される回転工具にも適用可能である。
3,3aないし3d 円筒状回転工具
4,4c 工具内流路
7,7a 工作物
20 大径部
21,21d 小径部
22,28,29,29d チップ
23 吐出口
24 外周円
25,25a 切欠き部
26 小径部の外周面
30,30a 傾斜部
37,37a 傾斜面
39,39d 前方端部
40,40d スクイ面
42,42d スクイ面用吐出口
43 加工点
45,45d 締結部材
46,46d 補助流路
CL 中心軸線
L クーラント
L1 補助クーラント(クーラントのうちその一部)
L2 主クーラント
L3 スクイ面用クーラント
P1 中心軸線に最も近い位置

Claims (8)

  1. クーラントを流すための少なくとも一つの工具内流路が内部に形成された大径部と、この大径部の前方に配置された小径部と、この小径部の前部に取付けられたチップとを備え、中心軸線を中心とする円筒状をなす回転工具であって、
    この中心軸線の後方から見て、前記工具内流路の吐出口の内周円と前記小径部の外周円とが交差しており、
    前記吐出口の部位では、切欠き部を前記小径部の外周面に形成し、
    前記切欠き部は、前記吐出口の前部に配置された傾斜部を有し、
    この傾斜部は、前記吐出口の全周のうち前記中心軸線に最も近い位置から前記小径部の前方にいくに従って前記中心軸線から次第に離れるように斜めに形成され、
    前記傾斜部は、前記吐出口から前方に噴出する前記クーラントのうちその一部の流れを前記小径部の半径方向外方に案内することを特徴とする工具内流路を有する円筒状回転工具。
  2. 前記工具内流路の前記吐出口から前方に噴出した前記クーラントを、前記工具の半径方向外方位置を流れる流量の多い主クーラントと、前記工具の半径方向内方位置を流れ、前記傾斜部に案内される流量の少ない補助クーラントとに区分し、
    前記主クーラントは、前記中心軸線とほぼ平行に前記チップの方向に流れ、
    前記補助クーラントは、前記傾斜部に案内されてその流れ方向が前記小径部の半径方向外方に変化して前記主クーラントに衝突することにより、
    前記補助クーラントは、前記主クーラントにより跳ね返され、前記小径部の半径方向外方に拡散することなく、湾曲した扇状に拡がりながら前記小径部の外周面上を流れて、前記チップに供給されることを特徴とする請求項1に記載の工具内流路を有する円筒状回転工具。
  3. 前記大径部には、前記中心軸線を中心として周方向に均等に3つの前記工具内流路が形成されており、
    この工具内流路の各前記吐出口の部位では、前記切欠き部を前記小径部の前記外周面に形成し、
    各前記切欠き部は、前記傾斜部を構成し前記吐出口の前部に配置された傾斜面を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の工具内流路を有する円筒状回転工具。
  4. 前記傾斜部を構成する前記傾斜面は、平面状または溝状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の工具内流路を有する円筒状回転工具。
  5. 前記円筒状回転工具を用いて、回転中の工作物を加工することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの項に記載の工具内流路を有する円筒状回転工具。
  6. スクイ面を有する前記チップは、このチップの前方端部に形成され且つ前記工具内流路と連通して前記チップの半径方向外方に開口する少なくとも1つのスクイ面用吐出口を有し、
    このスクイ面用吐出口で前記チップの半径方向外方に噴出したスクイ面用クーラントが、前記スクイ面における少なくとも加工点に供給されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの項に記載の工具内流路を有する円筒状回転工具。
  7. 前記チップは、前記小径部にこのチップを締結するためにこのチップの前記前方端部の中央部に配置された締結部材を有し、
    この締結部材は、前記中心軸線を中心として周方向の均等位置に形成された複数の前記スクイ面用吐出口を有し、
    前記小径部と前記締結部材の各内部には、前記大径部の前記工具内流路から前記チップ の前記スクイ面用吐出口に前記スクイ面用クーラントを流すための補助流路が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の工具内流路を有する円筒状回転工具。
  8. 請求項1ないし7のいずれかの項に記載の前記円筒状回転工具を回転させて工作物を加工することを特徴とする円筒状回転工具による加工方法。
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