JP2003071608A - 切削工具 - Google Patents

切削工具

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JP2003071608A
JP2003071608A JP2001258005A JP2001258005A JP2003071608A JP 2003071608 A JP2003071608 A JP 2003071608A JP 2001258005 A JP2001258005 A JP 2001258005A JP 2001258005 A JP2001258005 A JP 2001258005A JP 2003071608 A JP2003071608 A JP 2003071608A
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supply passage
nozzle
cutting
tool
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Yoichi Ishikawa
陽一 石川
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造を容易にしつつクーラントを切削部位に
効果的に供給する。 【解決手段】 工具本体2の先端部に先端から一側方に
かけて切り欠き状のポケット2aを形成し、このポケッ
ト2a内のチップ取付座2bに切刃3aをなすスローア
ウェイチップ3を着脱可能にして装着する。工具本体2
に、基端側から先端部近傍までその軸線O1に沿って内
部供給路4aを形成し、工具本体2のポケット2aから
内部供給路4aに連通させて内部供給路4aよりも小径
のノズル4bを形成し、これらによって工具本体2の基
端側から先端部外面まで通じるクーラント供給路4を形
成する。工具本体2において、クーラント供給路4の外
面側の開口部4c近傍をなすノズル4bを、その軸線O
2が開口部4cの中心と切刃3aとを通る直線Lと交差
する向きに設ける。ノズル4bにおいて開口部4cより
もノズル4bの軸線O2方向内方側の位置から切刃3a
に向けて副流路5を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具本体に設けら
れるクーラント供給路を通じて切刃が設けられる工具先
端にクーラントを供給して切刃の熱的損耗を抑制する切
削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】このような切削工具の例を図5の縦断面
図に示す。図5に示す切削工具41はボーリングバーで
あって、ここでは加工径が50mm以下のボーリングバ
ーの一般的な形状を示している。この切削工具41にお
いて、工具本体42の先端部には先端から一側方にかけ
て切り欠き状のポケット42aが形成されており、この
ポケット42a内に設けられるチップ取付座42bには
切刃43aをなすスローアウェイチップ43が着脱を可
能にして装着されている。ここで、工具本体42におい
てポケット42aが開口する一側方側を上部とする。ま
た、ポケット42aの内面の工具基端側の部分は、側面
視において、工具基端側に向かうにつれて上方に向かう
傾斜面とされている。工具本体42には、ドリルによる
穴明け加工によって、基端側から先端部近傍まで軸線O
に沿って内部供給路44aが形成され、さらに工具本体
42のポケット42aから内部供給路44aに連通させ
て内部供給路44aよりも小径のノズル44bが形成さ
れ、これらによって工具本体42の基端側から先端部外
面まで通じるクーラント供給路44が形成されている。
そして、工具基端側から内部供給路44a内にクーラン
トを供給し、ノズル44bから工具先端にクーラントを
吐出しながら切削加工を行うことで、クーラントによっ
て切削部位の冷却を行って切刃の熱的損耗を抑制し、高
速度加工を可能にするとともに工具寿命の延長を図って
いる。
【0003】切削工具がボーリングバー等の被削材の内
径を加工する切削工具である場合には、加工穴の内壁を
伝わったり加工穴内で周囲に飛散するなどしたクーラン
トによっても切削部位の冷却が行われるが、切削部位の
冷却をより効果的に行うためには、切削部位に直接クー
ラントが当たるようにすることが望ましい。そして、切
削工具としては、図6(a)に示すように、切削工具4
1においてクーラント供給路44の外面側の開口部近傍
をなすノズル44bを、側面視において工具本体の軸線
Oに略平行にして設けたものや、図6(b)に示すよう
に、切削工具41において、ノズル44bを直接内部供
給路44aに連通させる代わりに、工具本体42の上面
から内部供給路44aまで通じる第一の流路44cを形
成し、ポケット42aの内面から、ノズル44bを側面
視で工具基端側に向かうにつれて上方に向かうように傾
斜させて第一の流路44cに連通させ、第一の流路44
cの上面側の開口部を蓋44dによって閉塞すること
で、内部供給路44aからノズル44bまで通じるクー
ラント供給路を形成したものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの構成
の切削工具においても、ノズル44bを形成する際には
ドリルをポケット42aの内面に対して傾斜させた状態
で穴明け加工を行うこととなるので、ドリルの食い付き
位置が不安定となり、ノズル44bの加工精度が低下し
てしまう。切削工具を製造する際に、工具本体となる棒
状の材料に、先にノズル44bとなる穴を形成してから
ポケット42aを形成するようにすれば、上記の不都合
は回避することができるが、この場合には、ポケット4
2aを形成する際にノズル44bとなる穴との位置の割
り出しが困難となり、工具本体42の加工精度を確保す
ることが困難となる。また、ノズル44bをドリルによ
る穴明け加工ではなく放電加工によって形成することで
上記の不都合を回避することができるが、放電加工には
手間がかかるために加工コストが増加してしまう。この
ため、従来は、図5に示す切削工具41のように、ノズ
ル44bをポケット42aの内面に対してより直角に近
い角度で形成しているが、ノズル44bが切刃側を向い
ていないので、切削部位に直接クーラントを当てること
はできなかった。
【0005】また、切削工具としては、図7に示すよう
に、ノズル44bを設ける代わりに、工具本体42の外
部に、内部供給路44aと接続される第二の流路44e
が設けられたノズル部材45を取付けたものがあるが、
この切削工具においては、工具本体42に別部材である
ノズル部材45を取り付ける関係上、ノズル部材45が
被削材や切り粉に干渉してしまう可能性があり、また工
具本体42の先端が大型化するので、特にボーリングバ
ーなどの工具本体42の先端において被削材との間に大
きな空間を確保することができない切削工具においては
問題となる。さらに、ノズル部材45を別部材としてい
るので、切削工具の製造コストが高くなってしまう。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、製造を容易にしつつクーラントを切削部位に効果的
に供給することができる切削工具を提供することを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にかかる切削工具においては、先端に切刃が
設けられる工具本体に、基端側から先端部の外面まで通
じるクーラント供給路が設けられ、このクーラント供給
路の少なくとも外面側の開口部近傍は、その軸線が開口
部の中心と切刃とを通る直線と交差する向きに設けられ
てなる切削工具であって、工具本体には、クーラント供
給路において前記開口部よりもクーラント供給路の前記
開口部近傍における軸線方向内方側の位置から切刃に向
けて副流路が設けられていることを特徴としている。
【0008】このように構成される切削工具において
は、被削材の加工を行う際には、工具本体において基端
側から先端部の外面まで通じるクーラント供給路を通じ
て工具本体の先端にクーラントが供給される。工具本体
において、クーラント供給路の少なくとも外面側の開口
部近傍は、その軸線が開口部の中心と切刃とを通る直線
と交差する向きに設けられており、その向きは、ドリル
による加工が容易な向きにすることができる。そして、
クーラント供給路において外面側の開口部よりもクーラ
ント供給路の前記開口部近傍における軸線方向内方側の
位置から切刃に向けて副流路が形成されているので、ク
ーラント供給路内に供給されたクーラントは、外面側の
開口部に達するよりも前に副流路に達する。これによ
り、クーラント供給路内ではまず副流路側でクーラント
の圧力が解放されることとなって、クーラントには副流
路側に向く速度ベクトル、すなわち切刃側に向く速度ベ
クトルが生じる。これにより、クーラントには副流路に
沿った流れが生じることとなって、クーラント供給路か
らはクーラントの少なくとも一部が切刃に向けて偏向し
て吐出されることとなる。
【0009】また、本発明にかかる切削工具において
は、先端に切刃が設けられる工具本体に、基端側から先
端部の外面まで通じるクーラント供給路が設けられ、こ
のクーラント供給路の少なくとも外面側の開口部近傍
は、その軸線が開口部の中心と切刃とを通る直線と交差
する向きに設けられてなる切削工具であって、クーラン
ト供給路には、前記開口部よりもクーラント供給路の開
口部近傍における軸線方向内方側の位置から開口部にか
けて切刃側に拡径された拡径部が設けられていることを
特徴としている。
【0010】このように構成される切削工具において
は、工具本体において基端側から先端部の外面まで通じ
るクーラント供給路が設けられており、クーラント供給
路を通じて工具本体の先端にクーラントが供給される。
工具本体において、クーラント供給路の少なくとも外面
側の開口部近傍は、その軸線が開口部の中心と切刃とを
通る直線と交差する向きに設けられており、その向き
は、ドリルによる加工が容易な向きにすることができ
る。そして、クーラント供給路において外面側の開口部
よりもクーラント供給路の軸線方向内方側の位置から開
口部にかけて切刃側に拡径された拡径部が設けられてい
るので、クーラント供給路内に供給されたクーラント
は、外面側の開口部に達するよりも前に拡径部に達す
る。これにより、クーラント供給路内ではまず拡径部側
でクーラントの圧力が解放されることとなってクーラン
トに切刃側に向く速度ベクトルが生じるので、クーラン
ト供給路からはクーラントの少なくとも一部が切刃に向
けて偏向して吐出されることとなる。
【0011】ここで、拡径部を、クーラント供給路の外
面側の開口部に向かうにつれて切刃側に向けて漸次拡径
するテーパー形状に形成することで、クーラントが拡径
部によって外面側の開口端まで切刃側に向けて案内さ
れ、よりスムースかつ確実にクーラントを切刃に向けて
偏向させて吐出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】〔第一の実施の形態〕以下、本発
明の第一の実施の形態にかかる切削工具について、図1
及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態にかか
る切削工具の形状を示す図であって、(a)は平面図、
(b)は一部断面を示す側面図、図2は本実施形態にか
かる切削工具のクーラントの吐出状態を示す図である。
【0013】本実施の形態では、本発明をボーリングバ
ーに適用した例について説明する。本実施形態に示す切
削工具1は、略丸棒状の工具本体2を有するものであっ
て、工具本体2の先端部には先端から一側方にかけて切
り欠き状のポケット2aが形成され、このポケット2a
内に設けられるチップ取付座2bには切刃3aをなすス
ローアウェイチップ3が着脱を可能にして装着されてい
る。ここで、工具本体2においてポケット2aが開口す
る一側方側を上部とする。また、ポケット2aの内面の
工具基端側の部分は、側面視において、工具基端側に向
かうにつれて上方に向かう傾斜面とされている。工具本
体2には、ドリルによる穴明け加工によって、基端側か
ら先端部近傍まで軸線O1に沿って内部供給路4aが形
成され、さらに工具本体2のポケット2aから内部供給
路4aに連通させて内部供給路4aよりも小径のノズル
4bが形成され、これらによって工具本体2の基端側か
ら先端部外面まで通じるクーラント供給路4が形成され
ている。ここで、クーラントとしては、切削油の他、冷
却空気やオイルミストなどの圧縮性冷却媒体を使用する
ことができる。
【0014】クーラント供給路4を設けることによる工
具本体2の断面二次モーメントの低下を最小限に抑える
ために、内部供給路4aは工具本体2の軸線O1に沿っ
て形成される。工具本体2において、クーラント供給路
4は内径が大きいほど形成が容易となり、工具先端部へ
のクーラントの供給も安定するが、工具本体2の剛性が
低下する。一方で、クーラント供給路4の内径が小さい
ほど工具本体2の剛性は高くなるが、工具本体2にクー
ラント供給路4を形成することが困難となる上、クーラ
ントの供給圧(ノズル4bからのクーラントの吐出圧)
が低下する。
【0015】この切削工具1においては、クーラント供
給路4の外面側の開口部4c近傍をなすノズル4bは、
その軸線O2が開口部4cの中心と切刃3aとを通る直
線Lと交差する向きに設けられている。本実施の形態で
は、ノズル4bは、平面視においてはクーラントを切刃
3aに向けて吐出することができるように軸線O2を切
刃3aに向けて形成されており、また、側面視において
は、ノズル4bを形成する際にドリルの食い付き位置が
安定するように、ポケット2aの内面に対してドリルを
より直角に近い角度にして穴明け加工することによって
形成されており、これによってノズル4bは、従来の切
削工具41と同様にポケット2aの内面に対してより直
角に近い角度に形成されている。
【0016】工具本体2には、クーラント供給路4のノ
ズル4bにおいて開口部4cよりもノズル4bの軸線O
2方向内方側に距離D離間した位置から切刃3aに向け
て副流路5が設けられている。本実施の形態では、ノズ
ル4bの開口部4cから副流路5の始点までの距離D
は、0.5mmから8mmの範囲内とされている。この
副流路5は、工具本体2に対して例えばポケット2a側
からエンドミルによる切削加工を施すことで形成される
ものである。
【0017】このように構成される切削工具1において
は、被削材の加工を行う際には、工具本体2において基
端側から先端部の外面まで通じるクーラント供給路4を
通じて工具本体2の先端にクーラントが供給される。こ
のときのクーラントの供給圧は例えば4気圧以上50気
圧以下とされる。ここで、図2において、クーラントの
流れを白抜きの矢印で示す。工具本体2には、クーラン
ト供給路4のノズル4bにおいて開口部4cよりもノズ
ル4bの軸線O2方向内方側の位置から切刃3aに向け
て副流路5が形成されているので、工具基端側から内部
供給路4aを通じてノズル4b内に供給されたクーラン
トは、開口部4cに達するよりも前に副流路5に達す
る。これにより、ノズル4b内ではまず副流路5側でク
ーラントの圧力が解放されることとなって、クーラント
には副流路5側に向く速度ベクトル、すなわち切刃3a
側に向く速度ベクトルが生じる。これにより、クーラン
トには副流路5に沿った流れが生じることとなって、ノ
ズル4bからはクーラントの少なくとも一部が切刃3a
に向けて偏向して吐出されることとなる。
【0018】ここで、ノズル4bの開口部4cから副流
路5の始点までの距離Dが0.5mmよりも小さいと、
副流路5を設けた効果が小さくなって十分な量のクーラ
ントを切刃3aに向けて吐出することができなくなる。
また、ノズル4bの開口部4cから副流路5の始点まで
の距離Dが8mmよりも大きいと、副流路5を形成する
ためにはエンドミルをノズル4bの奥まで挿入しなくて
はならないので副流路5を形成することが困難となって
しまう。このため、ノズル4bの開口部4cから副流路
5の始点までの距離Dは、0.5mmから8mmの範囲
内とすることが好ましい。また、クーラントの供給圧は
4気圧よりも低い場合には、クーラントが副流路5に達
した際に解放される圧力が小さすぎて、切刃3a側に向
く速度ベクトルが不足し、クーラントの偏向量が小さく
なって切削部位に直接当たるクーラントの量が少なくな
ってしまう。一方で、クーラントの供給圧が50気圧よ
りも大きい場合には、ノズル4bの軸線O2に沿ったク
ーラントの速度ベクトルが大きく、切刃3a側に向く速
度ベクトルが相対的に小さくなるので、クーラントの偏
向量が小さくなって切削部位に直接当たるクーラントの
量が少なくなってしまう。このため、この切削工具1に
おいては、クーラントの供給圧は4気圧以上50気圧以
下とすることが望ましい。
【0019】ここで、ポケット2aの内面の工具基端側
の部分が側面視において工具基端側に向かうにつれて上
方に向かう傾斜面とされているので、切削工具1におい
てノズル4bに副流路5が設けられていない場合には、
図2に二点鎖線で示すように、ノズル4bの開口部4c
は、下端よりも上端の方がノズル4bの軸線O2方向内
方側に位置する形状となる。この場合には、ノズル4b
内に供給されたクーラントは、ノズル4bの開口部4c
において下端側よりも先に上端側に達することとなり、
まず上端側で圧力が解放されることとなるので、クーラ
ントには上方に向く速度ベクトルが生じて、図2に二点
鎖線の矢印で示すように、クーラントが上方に向けて偏
向して吐出されることとなり、切削部位にクーラントが
直接当たらなくなってしまう。従来の切削工具において
も、ポケットの内面のうち、クーラント供給路のノズル
が開口される工具基端側の部分が側面視において工具基
端側に向かう傾斜面とされているので、たとえノズルを
側面視において切刃に向くように形成しても、同様にノ
ズルの開口部は、下端よりも上端の方がノズル4bの軸
線O2方向内方側に位置する形状となるので、クーラン
トが上方側に向けて偏向して吐出されることとなり、切
削部位に直接クーラントが当たりにくくなる。また、同
様の原理から、副流路5が開口部4cの上端側に対して
ノズル4bの軸線O2方向と同位置から形成されている
場合には、副流路5の効果がなくなってしまう。
【0020】本発明にかかる切削工具によれば、工具本
体2には、クーラント供給路4においてノズル4bの開
口部4cよりもノズル4bの軸線O2方向内方側の位置
から切刃3aに向く副流路5が設けられているので、工
具基端側から内部供給路4を通じてノズル4b内に供給
されたクーラントは、ノズル4b内でまず副流路5側で
クーラントの圧力が解放されて切刃3a側に向く速度ベ
クトルが生じることとなり、ノズル4bからクーラント
の少なくとも一部を切刃3aに向けて偏向して吐出させ
て、クーラントを切削部位に直接当てることができる。
これにより、クーラントによる切削部位の冷却がより効
果的に行われることとなるので、切刃3aの熱的損耗を
一層抑制して、さらなる高速度加工を可能にするととも
に工具寿命をさらに延ばすことができる。この切削工具
1では、ノズル4bから吐出されるクーラントのうち2
0%から40%を切削部位に供給することができ、これ
によって副流路5を形成していない場合に比べて切刃3
aの熱的損耗が抑制され、工具寿命が10%から20%
延びた。また、副流路5はノズル4bに追加工を施すこ
とによって容易に形成することができるので、切削工具
1の製造が容易となり、従来の切削工具に対する製造コ
ストの増加を最低限に抑えることができる。さらに、ク
ーラント供給路4のノズル4bは、その軸線O2が開口
部4cの中心と切刃3aとを通る直線Lと交差する向き
に設けられており、その向きは、ドリルによる加工が容
易な向きにすることができ、切削工具1の製造が容易に
なるとともに、ノズル4bの加工精度を維持することが
できる。
【0021】〔第二の実施の形態〕以下、本発明の第二
の実施の形態にかかる切削工具について図3を用いて説
明する。図3は本実施形態にかかる切削工具の一部断面
を示す側面図である。本実施の形態では、第一の実施の
形態に示す切削工具1と同様または同一の部分について
は同一の符号を用いて示す。本実施の形態に示す切削工
具6は、第一の実施の形態に示す切削工具1において、
ノズル4bに副流路5を設ける代わりに、ノズル4bに
開口部4cよりもノズル4bの軸線O2方向内方側の位
置から開口部4cにかけて切刃3a側に拡径された拡径
部7が設けられている。この拡径部7は、工具本体2に
対して例えばポケット2a側からドリルまたはエンドミ
ルによる切削加工を施すことによって形成されるもので
ある。
【0022】このように構成される切削工具6によれ
ば、工具本体2には、クーラント供給路4のノズル4b
において開口部4cよりもノズル4bの軸線O2方向内
方側の位置から切刃3a側に拡径された拡径部7が設け
られており、工具基端側から内部供給路4aを通じてノ
ズル4b内に供給されたクーラントは、開口部4cに達
するよりも前に拡径部7に達することとなる。このた
め、ノズル4b内ではまず拡径部7側でクーラントの圧
力が解放されることとなって、クーラントには切刃3a
側に向く速度ベクトルが生じる。これにより、ノズル4
bからはクーラントの少なくとも一部が切刃3aに向け
て偏向して吐出されることとなり、第一の実施の形態に
示す切削工具1と同様に、クーラントを切削部位に直接
当てることができ、クーラントによる切削部位の冷却が
より効果的に行われるので、切刃3aの熱的損耗を一層
抑制して、さらなる高速度加工を可能にするとともに工
具寿命をさらに延ばすことができる。また、拡径部7は
ノズル4bに追加工を施すことによって容易に形成する
ことができるので、切削工具6の製造が容易となり、従
来の切削工具に対する製造コストの増加を最低限に抑え
ることができる。さらに、クーラント供給路4のノズル
4bの向きを、ドリルによる加工が容易な向きにするこ
とができ、切削工具6の製造が容易になるとともに、ノ
ズル4bの加工精度を維持することができる。
【0023】ここで、第二の実施の形態において、拡径
部7の形状は任意であって、例えば図4の側面図に示す
切削工具11のように、拡径部12は、前記クーラント
供給路の前記開口部に向かうにつれて前記切刃側に向け
て漸次拡径するテーパー形状をなす拡径部12を設けた
構成としてもよい。この場合には、クーラントが拡径部
12によって外面側の開口端4cまで切刃3a側に向け
て案内されるので、よりスムースかつ確実にクーラント
を切刃3aに向けて偏向させて吐出することができる。
【0024】なお、上記各実施の形態では、本発明をボ
ーリングバーに適用した例を示したが、これに限られる
ことなく、工具本体に設けられるクーラント供給路を通
じて工具先端からクーラントを吐出する構成を有する他
の切削工具に適用することができる。また、上記実施の
形態では、本発明の切削工具をスローアウェイ式の切削
工具としたが、これに限られることなく、工具本体に直
接切刃が形成される切削工具としてもよい。また、本発
明は、ポケットが形成されていない切削工具にも適用す
ることができる。
【0025】
【発明の効果】本発明にかかる切削工具によれば、工具
本体には、クーラント供給路において外面側の開口部よ
りもクーラント供給路の軸線方向内方側の位置から切刃
に向く副流路または切刃側に拡径された拡径部が設けら
れており、クーラント供給路内に供給されたクーラント
は、開口部に達するよりも前に副流路または拡径部に達
することとなる。このため、クーラント供給路内ではま
ず副流路または拡径部側でクーラントの圧力が解放され
ることとなって、クーラントには切刃側に向く速度ベク
トルが生じる。これにより、クーラント供給路からはク
ーラントの少なくとも一部が切刃に向けて偏向して吐出
されることとなり、クーラントを切削部位に直接当てる
ことができ、クーラントによる切削部位の冷却がより効
果的に行われることとなって、切刃の熱的損耗を一層抑
制して、さらなる高速度加工を可能にするとともに工具
寿命をさらに延ばすことができる。また、副流路または
拡径部はクーラント供給路に追加工を施すことによって
容易に形成することができるので、切削工具の製造が容
易となり、従来の切削工具に対する製造コストの増加を
最低限に抑えることができる。さらに、クーラント供給
路において外面側の開口部近傍は、その軸線が開口部の
中心と切刃とを通る直線と交差する向きに設けられてお
り、その向きは、ドリルによる加工が容易な向きにする
ことができるので、切削工具の製造が容易になるととも
に、クーラント供給路において開口部近傍の加工精度を
維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態にかかる切削工具
の形状を示す図であって、(a)は平面図、(b)は一
部断面を示す側面図である。
【図2】 本発明の第一の実施の形態にかかる切削工具
におけるクーラントの吐出状態を示す図である。
【図3】 本発明の第二の実施の形態にかかる切削工具
の形状を示す側面図である。
【図4】 本発明の第二の実施の形態にかかる切削工具
の形状の他の例を示す側面図である。
【図5】 従来の切削工具の形状の例を示す縦断面図で
ある。
【図6】 従来の切削工具の形状の例を示す縦断面図で
ある。
【図7】 従来の切削工具の形状の例を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1,6,11 切削工具 2 工具本体 3a 切刃 4 クーラント供給路 4b ノズル 4c 開口部 5 副流路 7、12 拡径部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に切刃が設けられる工具本体に、基
    端側から先端部の外面まで通じるクーラント供給路が設
    けられ、該クーラント供給路の少なくとも前記外面側の
    開口部近傍は、その軸線が前記開口部の中心と前記切刃
    とを通る直線と交差する向きに設けられてなる切削工具
    であって、 前記工具本体には、前記クーラント供給路において前記
    開口部よりも前記クーラント供給路の前記開口部近傍に
    おける軸線方向内方側の位置から前記切刃に向けて副流
    路が設けられていることを特徴とする切削工具。
  2. 【請求項2】 先端に切刃が設けられる工具本体に、基
    端側から先端部の外面まで通じるクーラント供給路が設
    けられ、該クーラント供給路の少なくとも前記外面側の
    開口部近傍は、その軸線が前記開口部の中心と前記切刃
    とを通る直線と交差する向きに設けられてなる切削工具
    であって、 前記クーラント供給路には、前記開口部よりも前記クー
    ラント供給路の前記開口部近傍における軸線方向内方側
    の位置から前記開口部にかけて前記切刃側に拡径された
    拡径部が設けられていることを特徴とする切削工具。
  3. 【請求項3】 前記拡径部は、前記クーラント供給路の
    前記開口部に向かうにつれて前記切刃側に向けて漸次拡
    径するテーパー形状をなしていることを特徴とする請求
    項2記載の切削工具。
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