JP2011080984A - 接着性評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層体の破壊を伴うことなく偏光板における各フィルム間の接着性を評価する接着性評価方法が求められている。
【解決手段】紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第1のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第2のフィルムとを硬化性樹脂組成物を介して貼合し、該硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる積層体におけるフィルムの接着性を評価する接着性評価方法であって、硬化性樹脂組成物を介在させて第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合して積層体を得る工程と、積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化して積層体を得る工程と、積層体中の硬化した硬化性樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射して硬化性樹脂組成物層から放射される蛍光の蛍光強度を測定する工程と、蛍光強度の測定結果に基づいて積層体中の第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性を評価する工程とを含む接着性評価方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルムの接着性を評価する方法に関する。
偏光板に代表される、複数のフィルムが積層された積層体におけるフィルムの接着性を評価する接着性評価方法として、特許文献1には、カッターナイフを用いて偏光板中の保護フィルムのみを切り、その切った箇所から保護フィルムが剥離できるか否かを評価するフィルムの接着性評価方法が開示されている。
特開2008−299175号公報
しかしながら、上記方法は、偏光板中の保護フィルムを切り取るものであって、このような保護フィルムを切り取る等の積層体の破壊を伴うことなく、偏光板における各フィルム間の接着性を評価する接着性評価方法が求められている。
このような状況の下、本発明者らは、鋭意検討し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
[1]紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第1のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第2のフィルムとを、硬化性樹脂組成物を介して貼合し、該硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる積層体におけるフィルムの接着性を評価する接着性評価方法であって、
硬化性樹脂組成物を介在させて第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合して、積層体を得る工程と、
積層体に光照射するか、または、積層体を加熱することによって、積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化して、積層体を得る工程と、
積層体中の硬化した硬化性樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射して、硬化性樹脂組成物層から放射される蛍光の蛍光強度を測定する工程と、
蛍光強度の測定結果に基づいて、積層体中の第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性を評価する工程とを含む接着性評価方法;
[2]紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第1のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第2のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第3のフィルムとを、硬化性樹脂組成物を介して、第2のフィルムが第1のフィルムと第3のフィルムとで挟まれるように貼合し、該硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる積層体におけるフィルムの接着性を評価する接着性評価方法であって、
硬化性樹脂組成物を介在させて第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合する工程と、
第2のフィルムの、第1のフィルムが貼合された側とは反対側に、硬化性樹脂組成物を介在させて第3のフィルムを貼合して、積層体を得る工程と、
積層体に光照射するか、または、積層体を加熱することによって、積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化して、積層体を得る工程と、
積層体中の硬化した硬化性樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射して、硬化性樹脂組成物層から放射される蛍光の蛍光強度を測定する工程と、
蛍光強度の測定結果に基づいて、積層体中の第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性、および、第2のフィルムと第3のフィルムとの接着性を評価する工程とを含む接着性評価方法;
[3]第2のフィルムが、偏光子である[1]記載の接着性評価方法;
[4]第2のフィルムが、偏光子である[2]記載の接着性評価方法;
[5]第1のフィルムが、第2のフィルムを保護する保護フィルムである[1]〜[4]のいずれか一項記載の接着性評価方法。
[6]第3のフィルムが、第2のフィルムを保護する保護フィルムである[2]、[4]または[5]記載の接着性評価方法;
[7]第1のフィルムが、セルロースアセテート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、結晶性ポリオレフィン樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むフィルムである[1]〜[6]のいずれか一項記載の接着性評価方法;
[8]第2のフィルムが、ポリビニルアルコール樹脂からなるフィルムである[1]〜[7]のいずれか一項記載の接着性評価方法;
[9]第2のフィルムが、二色性色素が吸着配向された樹脂からなるフィルムである[1]〜[8]のいずれか一項記載の接着性評価方法;
[10]第2のフィルムが、樹脂を一軸延伸して得られるフィルムである[1]〜[9]のいずれか一項記載の接着性評価方法;
[11]第3のフィルムが、セルロースアセテート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、結晶性ポリオレフィン樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むフィルムである[2]、[4]または[6]記載の接着性評価方法;
[12]硬化性樹脂組成物が、モノマーおよび/またはオリゴマーと、活性エネルギー線の照射によって蛍光を放射する重合開始剤とを含む組成物である[1]〜[11]のいずれか一項記載の接着性評価方法;
[13]紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第1のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第2のフィルムとを、硬化性樹脂組成物を介して貼合し、該硬化性樹脂組成物を硬化させる積層体の製造方法であって、
(A)硬化性樹脂組成物を介在させて第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合して、積層体を得る工程と、
(B)積層体に光照射するか、または、積層体を加熱することによって、積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化して、積層体を得る工程と、
(C)積層体中の硬化した硬化性樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射する工程と、
(D)前記工程(C)において照射される活性エネルギー線を受けて、硬化性樹脂組成物層から放射される蛍光の蛍光強度を測定する工程と、
(E)前記工程(D)において測定される蛍光強度に基づいて、積層体中の第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性を評価し、積層体の品質の良否を判断する工程、を含むことを特徴とする積層体の製造方法;
[14]紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第1のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第2のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第3のフィルムとを、硬化性樹脂組成物を介して、第2のフィルムが第1のフィルムと第3のフィルムとで挟まれるように貼合し、該硬化性樹脂組成物を硬化させる積層体の製造方法であって、
(A’−1)硬化性樹脂組成物を介在させて第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合する工程と、
(A’−2)第2のフィルムの、第1のフィルムが貼合された側とは反対側に、硬化性樹脂組成物を介在させて第3のフィルムを貼合して、積層体を得る工程と、
(B’)積層体に光照射するか、または、積層体を加熱することによって、積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化して、積層体を得る工程と、
(C’)積層体中の硬化した硬化性樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射する工程と、
(D’)前記工程(C’)において照射される活性エネルギー線を受けて、硬化性樹脂組成物層から放射される蛍光の蛍光強度を測定する工程と、
(E’)前記工程(D’)において測定される蛍光強度に基づいて、積層体中の第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性、および、第2のフィルムと第3のフィルムとの接着性を評価し、積層体の品質の良否を判断する工程、を含むことを特徴とする接着性評価方法;等を提供するものである。
本発明によれば、紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第1のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第2のフィルムとを、硬化性樹脂組成物を介して貼合し、該硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる積層体におけるフィルムの接着性を、当該積層体を破壊することなく、容易に、評価することができる。
積層体1を示す概略図である。 積層体5を示す概略図である。
本発明の第1の接着性評価方法は、
紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第1のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第2のフィルムとを、硬化性樹脂組成物を介して貼合し、該硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる積層体におけるフィルムの接着性を評価する接着性評価方法であって、
硬化性樹脂組成物を介在させて第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合して、積層体を得る工程と、
積層体を光照射するか、または、加熱することによって、積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化して、積層体を得る工程と、
積層体中の硬化した硬化性樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射して、硬化性樹脂組成物層から放射される蛍光の蛍光強度を測定する工程と、
蛍光強度の測定結果に基づいて、積層体中の第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性を評価する工程とを含む。
本発明の第2の接着性評価方法は、
紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第1のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第2のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第3のフィルムとを、硬化性樹脂組成物を介して、第2のフィルムが第1のフィルムと第3のフィルムとで挟まれるように貼合し、該硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる積層体におけるフィルムの接着性を評価する接着性評価方法であって、
硬化性樹脂組成物を介在させて第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合する工程と、
第2のフィルムの、第1のフィルムが貼合された側とは反対側に、硬化性樹脂組成物を介在させて第3のフィルムを貼合して、積層体を得る工程と、
積層体を光照射するか、または、加熱することによって、積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化して、積層体を得る工程と、
積層体中の硬化した硬化性樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射して、硬化性樹脂組成物層から放射される蛍光の蛍光強度を測定する工程と、
蛍光強度の測定結果に基づいて、積層体中の第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性、および、第2のフィルムと第3のフィルムとの接着性を評価する工程とを含む。
なお、本明細書内において、「積層体」とは、硬化性樹脂組成物が硬化していない積層体、および、硬化性樹脂組成物の一部または全部が硬化した積層体のいずれも含む総称的な意味で使用する。
<硬化性樹脂組成物>
硬化性樹脂組成物は、光照射または加熱によって硬化する樹脂組成物であり、モノマーおよび/またはオリゴマーと、光照射または加熱によって蛍光を放射する重合開始剤とを含む。
(モノマー)
モノマーとしては、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコンアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリル系モノマー、および、エポキシ系モノマーが挙げられる。モノマーは、単量体とも呼ばれ、硬化反応によって樹脂を合成する場合の原料となる状態である。
エポキシ系モノマーとしては、水素化エポキシ系モノマー、脂環式エポキシ系モノマーおよび脂肪族エポキシ系モノマーが挙げられる。エポキシ系モノマーとしては、芳香環を含まないエポキシ系モノマーが好ましい。
水素化エポキシ系モノマーは、芳香族エポキシ系モノマーを触媒の存在下、加圧下で選択的に水素化反応を行うことにより得られる。芳香族エポキシ系モノマーしては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテル等のビスフェノール系モノマー;フェノールノボラックエポキシ樹脂を構成するモノマー、クレゾールノボラックエポキシ樹脂を構成するモノマー、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ樹脂を構成するモノマー等のノボラック型のエポキシ樹脂を構成するモノマー;テトラヒドロキシフェニルメタンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル、エポキシ化ポリビニルフェノール等の多官能型のエポキシ系のモノマー;等が挙げられ、ビスフェノールAのグリシジルエーテルが好ましい。
脂環式エポキシ系モノマーとしては、式(I)
Figure 2011080984
(式中、mは2〜5の整数を表わし、環に含まれる水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよく、環を形成するメチレン基に含まれる水素原子の1つが取れて結合手となり、他の基と結合してもよい。)
で示される構造を含む化合物が挙げられる。
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基およびエチル基が挙げられる。
式(I)で示される構造としては、オキサビシクロヘキサン構造(m=3)、オキサビシクロヘプタン構造(m=4)が好ましい。
式(I)で示される構造を含む化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
式(II)
Figure 2011080984
(式中、RおよびRは、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表わす。)
で示されるエポキシシクロヘキシルメチル エポキシシクロヘキサンカルボキシレート:
式(III)
Figure 2011080984
(式中、RおよびRは、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表わし、nは2〜20の整数を表わす。)
で示されるアルカンジオールのビス(エポキシシクロヘキサンカルボキシレート):
式(IV)
Figure 2011080984
(式中、RおよびRは、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表わし、pは2〜20の整数を表わす。)
で示されるアルカンジカルボン酸のエポキシシクロヘキシルメチルエステル:
式(V)
Figure 2011080984
(式中、RおよびRは、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表わし、qは2〜10の整数を表わす。)
で示されるポリエチレングリコールのエポキシシクロヘキシルメチルエーテル:
式(VI)
Figure 2011080984
(式中、RおよびR10は、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表わし、rは2〜20の整数を表わす。)
で示されるアルカンジオールのエポキシシクロヘキシルメチルエーテル:
式(VII)
Figure 2011080984
(式中、R11およびR12は、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表わす。]
で示されるジエポキシトリスピロ化合物:
式(VIII)
Figure 2011080984
(式中、R13およびR14は、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表わす。)
で示されるジエポキシモノスピロ化合物:
式(IX)
Figure 2011080984
(式中、R15は、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表わす。)
で示されるビニルシクロヘキセンジエポキシド:
式(X)
Figure 2011080984
(式中、R16およびR17は、互いに独立に、水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表わす。)
で示されるエポキシシクロペンチルエーテル:
式(XI)
Figure 2011080984
(式中、R18は水素原子または炭素数1〜5の直鎖状アルキル基を表わす。)
で示されるジエポキシトリシクロデカン。
これらのなかでも、
7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸と(7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとから導かれるエステル(RおよびRが水素原子である式(II)で示される化合物)、
4−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸と(4−メチル−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとから導かれるエステル(Rがメチル基であって、4位に結合し、Rがメチル基であって、4位に結合している式(II)で示される化合物)、
7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸と1,2−エタンジオールとから導かれるエステル(RおよびRが水素原子であり、nが1である式(III)で示される化合物)、
(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとアジピン酸とから導かれるエステル(RおよびRが水素原子であり、pが2である式(IV)で示される化合物)、
(4−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとアジピン酸とから導かれるエステル(Rがメチル基であって、4位に結合し、Rがメチル基であって、4位に結合し、pが2である式(IV)で示される化合物)、および、
(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールと1,2−エタンジオールとから導かれるエーテル(RおよびR10が水素原子であり、rが1である式(V)で示される化合物)が好ましい。
脂肪族エポキシ系モノマーとしては、脂肪族多価アルコールおよびそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルが挙げられる。具体的には、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルが挙げられる。
(オリゴマー)
オリゴマーは、低重合体とも呼ばれ、重合度が2〜20程度の比較的重合度の低い状態の樹脂である。オリゴマーとしては、前記のモノマーのオリゴマーが挙げられ、芳香環を含まないエポキシ系オリゴマーであることが好ましい。芳香環を含まないエポキシ系オリゴマーとは、その構造中に芳香環を含まず、エポキシ基を有するモノマーに由来するオリゴマーである。
モノマーおよびオリゴマーのエポキシ当量は、通常30〜3,000g/当量、好ましくは50〜1,500g/当量である。
モノマーおよびオリゴマーは、それぞれ単独で使用してもよいし、また複数を混合して使用してもよい。
(重合開始剤)
活性エネルギー線の照射によって蛍光を放射する重合開始剤としては、(1)光照射または加熱によってラジカルを発生するラジカル重合開始剤、および、(2)光照射または加熱によってカチオンを発生するカチオン重合開始剤に大別される。ラジカル重合開始剤は、例えば、硬化性樹脂組成物がアクリル系モノマーおよび/またはオリゴマーを含む場合などにおいて使用され、カチオン重合開始剤は、例えば、硬化性樹脂組成物がエポキシ系モノマー、ビニルエーテル系モノマーおよび/またはオリゴマーを含む場合などにおいて使用される。光照射によって重合反応を開始させるものを光重合開始剤といい、加熱によって重合反応を開始させるものを熱重合開始剤という。光重合開始剤を使用すると、常温で硬化性樹脂組成物を硬化させることが可能であり、第1のフィルムおよび第2のフィルムの耐熱性あるいは膨張による歪みを考慮する必要が減少し、且つ、良好にフィルムを接着することができる。
活性エネルギー線としては、可視光線、紫外線、X線および電子線が挙げられる。
(1)ラジカル重合開始剤
ラジカル重合開始剤は、ラジカルの発生過程に応じて、水素引抜型および分子内開裂型に大別される。水素引抜型ラジカル重合開始剤としては、ベンゾフェノンおよびオルソベンゾイル安息香酸メチルが挙げられる。分子内開裂型ラジカル重合開始剤としては、ベンゾインエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノアルキルフェノン、オキソベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチル 4−(ジエチルアミノ)ベンゾエート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−オン、ベンジルジメチルケタールおよび1,2α−ヒドロキシアルキルフェノンが挙げられる。
(2)カチオン重合開始剤
カチオン重合開始剤としては、ジフェニルヨードニウム塩が挙げられる。なお、本明細書内において、「光重合開始剤」とは、光重合反応を開始させる能力が残存しているものに限らず、当初の光重合開始剤が光重合反応に寄与することによって変化したり光重合反応の対象となるモノマーやオリゴマーが周囲に存在しなかったりすることにより、もはや光重合反応の開始に寄与しない物質となったものをも含む意味で使用する。重合開始反応に寄与した後のカチオン重合開始剤は、通常、2つまたはそれ以上の数の分子に分裂し、分裂後の分子のうちの少なくとも一部のものが蛍光放射に寄与すると考えられる。
光照射によってカチオン種やルイス酸を生じる光重合開始剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩、および、鉄−アレン錯体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。光重合開始剤は光で触媒的に作用するため、モノマーおよび/またはオリゴマーと混合しても保存安定性や作業性に優れる。
芳香族ジアゾニウム塩としては、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェートおよびベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロボレートが挙げられる。
芳香族ヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネートおよびジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェートが挙げられる。
芳香族スルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネートおよび4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
鉄−アレン錯体としては、キシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロアンチモネート、クメン−シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロホスフェートおよびキシレン−シクロペンタジエニル鉄(II)−トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイドが挙げられる。
光重合開始剤は、市販品を容易に入手することが可能であり、市販品としては、それぞれ商品名で、“カヤラッドPCI−220”、“カヤラッドPCI−620”(以上、日本化薬(株)製)、“UVI−6990”(ユニオンカーバイド社製)、“アデカオプトマーSP−150”、“アデカオプトマーSP−170”(以上、旭電化工業(株)製)、“CI−5102”、“CIT−1370”、“CIT−1682”、“CIP−1866S”、“CIP−2048S”、“CIP−2064S”(以上、日本曹達(株)製)、“DPI−101”、“DPI−102”、“DPI−103”、“DPI−105”、“MPI−103”、“MPI−105”、“BBI−101”、“BBI−102”、“BBI−103”、“BBI−105”、“TPS−101”、“TPS−102”、“TPS−103”、“TPS−105”、“MDS−103”、“MDS−105”、“DTS−102”、“DTS−103”(以上、みどり化学(株)製)、“PI−2074”(ローディア社製)が挙げられ、日本曹達(株)製の“CI−5102”が好ましい。
光重合開始剤を用いる場合、光増感剤を併用することができる。光増感剤を併用することで、モノマーおよび/またはオリゴマーの反応性が向上し、得られる硬化物の機械強度や接着強度を向上させることができる。
光増感剤としては、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾおよびジアゾ化合物、ハロゲン化合物、および、光還元性色素が挙げられる。
具体的には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン等のアクリドン誘導体;その他、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、および、ハロゲン化合物が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。光増感剤の含有量は、硬化性樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましい。
熱重合開始剤とは、加熱によりカチオン種またはルイス酸を発生する化合物であり、具体的には、ベンジルスルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステルおよびアミンイミドが挙げられる。熱重合開始剤も、市販品を容易に入手することが可能であり、市販品としては、それぞれ商品名で、“アデカオプトンCP77”および“アデカオプトンCP66”(以上、旭電化工業(株)製)、“CI−2639”および“CI−2624”(以上、日本曹達(株)製)、“サンエイドSI−60L”、“サンエイドSI−80L”および“サンエイドSI−100L”(以上、三新化学工業(株)製)が挙げられる。
重合開始剤は、それぞれ単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
重合開始剤の含有量は、硬化性樹脂組成物100重量部に対して、通常0.5〜20重量部であり、好ましくは1〜15重量部である。
硬化性樹脂組成物は、さらにオキセタン化合物やポリオール化合物等、重合を促進する化合物を含有していてもよい。オキセタン化合物は、分子内に4員環エーテルを有する化合物であり、具体的には、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル〕ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンおよびフェノールノボラックオキセタンが挙げられる。かかるオキセタン化合物としては、通常市販されているものが用いられ、市販品としては、いずれも商品名で、“アロンオキセタンOXT−101”、“アロンオキセタンOXT−121”、“アロンオキセタンOXT−211”、“アロンオキセタンOXT−221”および“アロンオキセタンOXT−212”(以上、東亞合成(株)製)が挙げられる。オキセタン化合物の含有割合は、硬化性樹脂組成物中、通常5〜95重量%、好ましくは30〜70重量%である。ポリオール化合物としては、フェノール性水酸基以外の酸性基を有しないポリオール化合物が好ましく、具体的には、水酸基以外の官能基を有しないポリオール化合物、ポリエステルポリオール化合物、ポリカプロラクトンポリオール化合物、フェノール性水酸基を有するポリオール化合物およびポリカーボネートポリオールが挙げられる。ポリオール化合物の分子量は、好ましくは62〜1,000である。ポリオール化合物の含有率は、硬化性樹脂組成物中、通常0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%である。
硬化性樹脂組成物は、さらに、その他の添加剤、例えば、イオントラップ剤および酸化防止剤等を含んでいてもよい。イオントラップ剤としては、粉末状ビスマス系イオントラップ剤、アンチモン系イオントラップ剤、マグネシウム系イオントラップ剤、アルミニウム系イオントラップ剤、カルシウム系イオントラップ剤、チタン系イオントラップ剤およびこれらの混合物等の無機化合物が挙げられる。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。
<第1のフィルム>
第1のフィルムは、紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない。紫外線の照射によって蛍光を放射する材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。
第1のフィルムは、第2のフィルムを保護する保護フィルムであることが好ましい。
第1のフィルムとしては、トリアセチルセルロースフィルムやジアセチルセルロースフィルム等のセルロースアセテート樹脂フィルム、非晶性シクロオレフィンポリマーフィルム等の非晶性ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム等のアクリル樹脂フィルムおよび脂環式ポリイミド樹脂フィルムが挙げられ、セルロースアセテート樹脂フィルムおよび非晶性ポリオレフィン樹脂フィルムが好ましい。
非晶性ポリオレフィン系樹脂は、通常、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等の環状オレフィンに由来する構造単位を有する樹脂であり、環状オレフィンと鎖状オレフィンとの共重合体であってもよい。具体的には、熱可塑性飽和ノルボルネン樹脂が挙げられる。市販されている非晶性ポリオレフィン系樹脂としては、ジェイエスアール(株)の“アートン”、日本ゼオン(株)の“ZEONEX”および“ZEONOR”、三井化学(株)の“APO”および“アペル”が挙げられる。非晶性ポリオレフィン樹脂を、溶剤キャスト法、溶融押出法等の公知の方法により成膜して、第1のフィルムが得られる。
第1のフィルムは、透湿度の低いフィルム、具体的には、トリアセチルセルロースよりも透湿度の低い透明樹脂からなるフィルムが好ましい。トリアセチルセルロースの透湿度は、400g/m/24hr程度である。
第1のフィルムの膜厚は、通常5〜200μm程度であり、好ましくは10〜120μm、より好ましくは10〜85μmである。
<第2のフィルム>
第2のフィルムは、紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない。
第2のフィルムは、偏光子であることが好ましく、ポリビニルアルコール樹脂からなるフィルムであることが好ましく、二色性色素が吸着配向された樹脂からなるフィルムであることが好ましく、樹脂を一軸延伸して得られるフィルムであることが好ましい。
ポリビニルアルコール樹脂は、ポリ酢酸ビニル樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニル、酢酸ビニルと酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられる。
酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体としては、不飽和カルボン酸、オレフィン、ビニルエーテルおよび不飽和スルホン酸が挙げられる。ポリビニルアルコール樹脂のケン化度は、通常、85〜100モル%、好ましくは98〜100モル%の範囲である。ポリビニルアルコール樹脂は、さらに変性されていてもよく、具体的には、アルデヒドで変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタールが挙げられる。ポリビニルアルコール樹脂の重量平均分子量は、通常1,000〜10,000、好ましくは1,500〜10,000である。
二色性色素が吸着配向されたポリビニルアルコール樹脂フィルムを一軸延伸して得られるフィルムは、ポリビニルアルコール樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール樹脂フィルムを二色性色素で染色する工程、染色されたポリビニルアルコール樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造することができる。
一軸延伸は、染色の前に行ってもよいし、染色と同時に行ってもよいし、染色の後に行ってもよい。一軸延伸を染色後に行う場合には、ホウ酸処理の前に行ってもよいし、ホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行ってもよい。一軸延伸方法としては、周速の異なるロール間で一軸に延伸する方法、熱ロールを用いて一軸に延伸する方法等が挙げられる。また、大気中で延伸を行う乾式延伸方法、溶剤により膨潤した状態で延伸を行う湿式延伸方法等が挙げられる。延伸倍率は、通常4〜8倍程度である。
染色方法としては、ポリビニルアルコール樹脂フィルムを、二色性色素を含有する水溶液に浸漬する方法が挙げられる。二色性色素としては、ヨウ素および二色性染料が挙げられる。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール樹脂フィルムを浸漬して染色することが好ましい。水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100重量部あたり、通常0.01〜0.5重量部程度であり、ヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり、通常0.5〜10重量部程度である。水溶液の温度は、通常20〜40℃程度であり、また水溶液への浸漬時間は、通常30〜300秒程度である。
二色性色素として二色性染料を用いる場合は、二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール樹脂フィルムを浸漬して染色することが好ましい。水溶液における二色性染料の含有量は、水100重量部あたり、通常1×10−3〜1×10−2重量部程度である。水溶液は、さらに硫酸ナトリウム等の無機塩を含有していてもよい。水溶液の温度は、通常20〜80℃程度であり、また水溶液への浸漬時間は、通常30〜300秒程度である。
ホウ酸処理は、染色されたポリビニルアルコール樹脂フィルムをホウ酸水溶液に浸漬することにより行われることが好ましい。ホウ酸水溶液におけるホウ酸の含有量は、水100重量部あたり、通常2〜15重量部程度、好ましくは5〜12重量部程度である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、ホウ酸水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸水溶液におけるヨウ化カリウムの含有量は、水100重量部あたり、通常2〜20重量部程度、好ましくは5〜15重量部である。ホウ酸水溶液への浸漬時間は、通常100〜1,200秒程度、好ましくは150〜600秒程度、より好ましくは200〜400秒程度である。ホウ酸水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃である。
ホウ酸処理後の水洗処理は、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール樹脂フィルムを水に浸漬することにより行われることが好ましい。水洗後に乾燥処理が施されて、フィルムが得られる。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃程度であり、浸漬時間は、通常2〜120秒程度である。その後に行われる乾燥処理は、通常熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行われる。乾燥温度は、通常40〜100℃である。乾燥処理における処理時間は、通常120〜600秒程度である。
<第3のフィルム>
第3のフィルムは、紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない。
第3のフィルムとしては、第1のフィルムにおいて例示された非晶性ポリオレフィン樹脂フィルム等の透湿度の低い樹脂フィルムに加えて、セルロースアセテート樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルムおよび結晶性ポリオレフィン樹脂フィルムを用いることができる。第3のフィルムも、第2のフィルムを保護する保護フィルムであることが好ましい。
第1のフィルムおよび第3のフィルムは、互いに同じ種類であってもよく、異なっていてもよい。
<積層体>
図1に、紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第1のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第2のフィルムとを、硬化性樹脂組成物を介して貼合し、該硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる積層体の一例の概略図を示した。図1に示す積層体1は、硬化性樹脂組成物3を介在させて第1のフィルム4と第2のフィルム2とが貼合された積層体である。
図2に、紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第1のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第2のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第3のフィルムとを、硬化性樹脂組成物を介して、第2のフィルムが第1のフィルムと第3のフィルムとで挟まれるように貼合し、該硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる積層体の一例の概略図を示した。図2に示す積層体5は、硬化性樹脂組成物9を介在させて第1のフィルム10と第2のフィルム8とが貼合され、硬化性樹脂組成物7を介在させて、第2のフィルムの、第1のフィルム10が貼合された側とは反対側に、第3のフィルム6が貼合された積層体である。
本発明の積層体の製造方法を、以下に説明する。
積層体1のように、第1のフィルムと第2のフィルムとを、硬化性樹脂組成物を介して貼合した積層体は、
(A)硬化性樹脂組成物を介在させて第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合して、積層体を得る工程と、
(B)積層体に光照射するか、または、積層体を加熱することによって、積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化して、積層体を得る工程と、
(C)積層体中の硬化した硬化性樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射する工程と、
(D)前記工程(C)において照射される活性エネルギー線を受けて、硬化性樹脂組成物層から放射される蛍光の蛍光強度を測定する工程と、
(E)前記工程(D)において測定される蛍光強度に基づいて、積層体中の第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性を評価し、積層体の品質の良否を判断する工程、を含む製造方法により製造することができる。
<工程(A)>
工程(A)は、例えば、第2のフィルム上に硬化性樹脂組成物を塗布し、得られた硬化性樹脂組成物の塗布膜上に第1のフィルムを貼り付けることにより、実施される。
硬化性樹脂組成物の塗布方法は限定されず、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーター等の種々の塗布装置を用いて塗布することができる。溶剤を用いて硬化性樹脂組成物の粘度調整を行ってもよい。
溶剤は、硬化性樹脂組成物を溶解するものであれば制限されない。トルエン等の炭化水素系有機溶剤、酢酸エチル等のエステル系有機溶剤が好ましい。硬化性樹脂組成物を塗布して得られる塗布膜の厚さは、通常0.1〜50μm、好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは0.1〜10μmである。
第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合するに先立って、第1のフィルムの、第2のフィルムを貼合する面に、ケン化処理、コロナ処理、プライマ処理、アンカーコーティング処理等の処理を施してもよい。また、第1のフィルムの、第2のフィルムを貼合する面とは反対側の面に、ハードコート層、反射防止層、防眩層等の各種処理層を設けてもよい。
<工程(B)>
工程(B)は、工程(A)で得られた積層体に光を照射するか、または、加熱することによって、積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化して、積層体を得る工程である。硬化性樹脂組成物が硬化すると、第1のフィルムおよび第2のフィルムが互いに固着する。
光照射によって積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化させる場合、用いる光源は限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する光源が好ましい。具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯およびメタルハライドランプが挙げられる。光照射強度は、硬化性樹脂組成物の種類、特に重合開始剤の種類によって異なるが、重合開始剤の活性化に有効な波長領域における光照射強度が0.1〜100mW/cmである重合開始剤が好ましい。光照射時間は、硬化性樹脂組成物の種類、特に重合開始剤の種類によって異なるが、光照射強度と光照射時間の積として表される積算光量が10〜5,000mJ/cmとなるように設定されることが好ましい。
熱によって積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化させる場合、一般的に知られた方法で加熱することができ、条件等も限定されないが、通常、熱重合開始剤がカチオン種やルイス酸を発生する温度以上で加熱が行われ、通常50〜200℃で実施される。
<工程(C)>
工程(C)は、前記工程(B)で得られた積層体中の硬化した硬化性樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射する工程である。
硬化した硬化性樹脂組成物層は、活性エネルギー線の照射により蛍光を放射する。活性エネルギー線としては、前記したとおり、可視光線、紫外線、X線および電子線が挙げられる。
<工程(D)>
工程(D)は、前記工程(C)において照射される活性エネルギー線を受けて、硬化性樹脂組成物層から放射される蛍光の蛍光強度を測定する工程である。
蛍光強度は、通常の測定装置により測定される。
<工程(E)>
工程(E)は、前記工程(D)において測定される蛍光強度に基づいて、積層体中の第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性を評価し、積層体の品質の良否を判断する工程である。放射される蛍光の強度(蛍光強度)は、重合開始剤の化学的状態に応じて変化するものと考えられる。そのため、蛍光強度を測定することにより、どの程度の量の重合開始剤が消費されたか、すなわち、積層体における第1のフィルムと第2のフィルムとが、どの程度接着したかという接着性の状態を評価することができる。そして、予め、第1のフィルムと第2のフィルムとが十分に貼合された積層体について、重合開始剤が実質的に消費された時点、すなわち、積層体における第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性が十分である時点の蛍光強度を測定し、基準値とすることにより、当該基準値と測定された蛍光強度とを比較することにより、積層体中の第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性を評価し、積層体の品質の良否を判断することができる。なお、硬化性樹脂組成物には、収率や温度変動等を考慮して、理論的必要量に対して所定の余裕率を乗じた量の重合開始剤が含まれていることが多いため、重合開始剤が「実質的に消費される」とは、硬化反応を十分に生じるだけの活性種(ラジカルや酸等)が重合開始剤から生じた状態を意味する。
本工程は、基準選定ステップおよび評価ステップを含む。なお、以下のステップでは、工程(B)を、工程(A)で得られた積層体に光を照射することにより実施した場合について述べる。工程(B)を、工程(A)で得られた積層体を加熱することにより実施した場合には、積算光量に代えて、加熱温度と加熱時間とから得られるパラメータを用いればよい。
(基準選定ステップ)
「基準選定ステップ」とは、接着性の良否を判断する基準を選定するステップであり、例えば、以下のような手順で基準を選定する。
(I)第2のフィルム上に、硬化性樹脂組成物を一定の膜厚になるよう塗布し、その塗布膜上に第1のフィルムを貼合して、モデル試料を作製する。
(II)上記工程(I)で作製されたモデル試料に、任意の積算光量で光照射し、硬化性樹脂組成物の硬化状態の異なるモデル試料、例えば、未硬化状態から完全に硬化した状態までのいずれかの硬化段階にあるモデル試料、を作製する。次いで、積算光量を変えて、同様な方法により硬化段階の異なるモデル試料を作製する。このようにして、異なる硬化段階にある複数のモデル試料を作製する。
(III)上記工程(II)で作製された複数のモデル試料について、蛍光スペクトルアナライザーを用いて、照射される活性エネルギー線を受けて放射される蛍光の強度を蛍光スペクトルとして測定することにより、硬化時の積算光量と蛍光強度との関係を取得する。
(IV)作製された複数のモデル試料について、公知の接着性評価方法により、その接着性を評価し、硬化時の積算光量と接着性との関係を取得し、十分な接着性を示す硬化時の積算光量を選択する。公知の接着性評価方法としては、カッターナイフ試験、ピール試験等の剥離試験等が挙げられる。
(V)上記工程(III)で取得した硬化時の積算光量と蛍光強度との関係から、上記工程(IV)で選択した十分な接着性を示す硬化時の積算光量に対する蛍光強度を選択し、基準(閾値)とする。
(評価ステップ)
「評価ステップ」とは、前記基準選定ステップにおいて選定された基準(閾値)と、前記工程(D)において測定される蛍光強度とを比較することにより、第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性を評価する評価ステップである。
具体的には、工程(D)で測定される蛍光強度が、基準選定ステップで選定された基準(閾値)よりも高ければ、当該積層体は、接着性が良好であると評価することができる。また、工程(D)で測定される蛍光強度が、基準選定ステップで選定された基準(閾値)よりも低ければ、当該積層体の接着性は良好ではないと評価することができる。このようにして、積層体を、剥離試験等によって破壊することなく、接着性評価を行うことができる。
なお、製造ライン等では、略同一の照射条件において、同一種類の硬化性樹脂組成物が用いられる。そのため、硬化性樹脂組成物別に蛍光強度の閾値を予め取得しておき、当該蛍光強度の閾値を基準として、前記工程(D)において測定される蛍光強度と当該基準となる蛍光強度の閾値との比較により、積層体中の硬化性樹脂組成物の硬化状態の推定を行ない、接着性の評価を行うことが実用的かつ有効的である。
また、基準となる閾値との比較によるため、基準となる閾値に対する相対的な硬化性樹脂組成物の硬化状態、すなわち、第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性、を容易に評価することもできる。また、基準となる閾値からの乖離の有無を監視することで、硬化性樹脂組成物等の異常を早期に発見することができる。これにより、不良品の大量発生等を抑制でき、生産歩留り向上を実現できる。
積層体5のように、硬化性樹脂組成物を介在させて第1のフィルムと第2のフィルムとが貼合され、硬化性樹脂組成物を介在させて、第2のフィルムの、第1のフィルムが貼合された側とは反対側に、第3のフィルムが貼合された積層体は、
(A’−1)硬化性樹脂組成物を介在させて第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合する工程と、
(A’−2)第2のフィルムの、第1のフィルムが貼合された側とは反対側に、硬化性樹脂組成物を介在させて第3のフィルムと第2のフィルムとを貼合して、積層体を得る工程と、
(B’)積層体に光照射するか、または、積層体を加熱することによって、積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化して、積層体を得る工程と、
(C’)積層体中の硬化した硬化性樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射する工程と、
(D’)前記工程(C’)において照射される活性エネルギー線を受けて、硬化性樹脂組成物層から放射される蛍光の蛍光強度を測定する工程と、
(E’)前記工程(D’)において測定される蛍光強度に基づいて、積層体中の第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性、および、第2のフィルムと第3のフィルムとの接着性を評価し、積層体の品質の良否を判断する工程、を含む製造方法により製造することができる。
工程(A’−1)および工程(A’−2)は、前記工程(A)と同様にして実施される。工程(A’−2)は、第2のフィルムの、第1のフィルムが貼合された側とは反対側に、第3のフィルムを貼合する工程である。なお、工程(A’−2)は、工程(A’−1)の後に行ってもよいし、工程(A’−1)と同時に行ってもよい。
工程(B’)は、前記工程(B)と同様にして実施される。工程(C’)は、前記工程(C)と同様にして実施される。工程(D’)は、前記工程(D)と同様にして実施される。工程(E’)は、前記工程(E)と同様にして実施される。
(評価装置)
本発明の評価方法を実現する一つの実施形態である評価装置について以下説明する。
評価装置は、蛍光測定用ヘッド部と、評価部とからなる。蛍光測定用ヘッド部は、評価部から受けた照射指令に応じて、蛍光を測定するための測定用活性エネルギー線を積層体に向けて照射する一方、硬化性樹脂組成物から放射される蛍光を受光して、測定される蛍光強度を評価部へ出力する。
評価部は光照射または加熱装置からの照射状態信号に基づいて、蛍光測定用ヘッド部へ照射指令を与える。
光照射または加熱装置は、光照射または加熱部と、制御部とからなる。光照射または加熱部は、制御部からの照射指令に応じて、硬化性樹脂組成物を硬化させるための光または熱を発生させる。制御部は、ユーザ等の外部からの指令に応じて、光照射または加熱装置へ照射指令を与えるとともに、その照射指令に同期して照射状態信号を評価部へ出力する。
評価部は、CPU(Central Processing Unit)と、表示部と、操作部と、記憶部と、照射警告部とからなる。
CPUは、操作部からの操作の指示および光照射または加熱装置からの照射状態信号に応じて、蛍光測定用ヘッド部に対して、蛍光測定用紫外線の照射指示を出力する。CPUは、蛍光測定用ヘッド部に対する蛍光測定用活性エネルギー線の照射指示に対応して、蛍光測定用ヘッド部から放射される蛍光測定用活性エネルギー線に対する防護を促すために、照射警告部を点灯または点滅する。そして、CPUは、蛍光測定用ヘッド部により測定された蛍光強度を受けて、対象となる積層体の接着性を評価し、その評価結果等を表示部へ出力する。それと同時に、CPUは、蛍光測定用ヘッド部により測定された蛍光強度を示す信号(アナログ,デジタル)を外部装置(図示しない)等へ出力する。さらに、CPUは、記憶部から予め格納された各種データを読出し、また計測されたデータ等を記憶部へ格納する。
表示部は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode-Ray tube)等のディスプレイを含み、CPUから受けた蛍光強度変化のグラフ等を表示する。
操作部は、各種スイッチ等からなり、ユーザからの操作を受け付けて、その操作に応じた操作の指示をCPUへ出力する。
照射警告部は、例えば、LEDやランプ等からなり、評価装置に近接する位置にいるユーザ等に対して、蛍光測定用活性エネルギー線が照射中であることを表示する。
記憶部は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read only Memory)等からなり、測定データや硬化性樹脂組成物の種類と対応付けられた各種データ等を格納する。
蛍光測定用ヘッド部は、投光駆動回路と、投光素子と、ハーフミラーと、光フィルタと、受光素子と、HPF(High Pass Filter)と、増幅回路と、S/H(Sample and Hold)と、アナログデジタル変換部(ADC)とからなる。
投光駆動回路は、CPUから受けた蛍光測定用活性エネルギー線の照射指示に従い、所定の周期でパルス状の電圧を投光素子へ印加する。投光素子は、例えば、紫外線LEDからなり、投光駆動回路により印加されたパルス電圧に応じて、蛍光測定用活性エネルギー線を発生して放射する。この発明の実施の形態においては、投光素子は、主発光ピークを365nmにもつ蛍光測定用活性エネルギー線を照射する。
ハーフミラーは、投光素子と同一の光軸上に配置され、投光素子から放射される蛍光測定用活性エネルギー線を透過する一方、測定対象である積層体中の硬化性樹脂組成物から放射される蛍光の伝播経路を変化させて、光フィルタへ導く。例えば、ハーフミラーの反射面は、金属蒸着により形成される。
光フィルタは、投光素子から照射される蛍光測定用活性エネルギー線等の外乱光を取除くために配置されたものであり、紫外領域の光を減衰させる一方で可視領域の光を透過するように構成される。この発明の実施の形態においては、光フィルタは、波長が410nm以上の光を透過する誘電体多層膜のフィルタである。
受光素子は、一例としてフォトダイオードからなり、光フィルタを透過して入射する蛍光の強度に応じた電流を発生し、HPFへ出力する。
HPFは、受光素子から受けた蛍光強度信号のうち、直流成分および低周波成分を除去し、硬化用紫外線により生じた成分を抽出するように所定の周波数以上の信号だけを通過させる。
増幅回路は、HPFを通過した信号を所定の増幅率(電流電圧変換率)で増幅して、S/H回路へ出力する。
S/H回路は、投光素子の発光タイミングと同期して受光強度信号をサンプリングし、サンプリングした信号値を次回のサンプリング時まで保持することにより、パルス状の投光が行われる所定の周期毎に各周期における信号の最大振幅値を測定し、測定した最大振幅値を各周期内において維持する。
アナログデジタル変換部は、S/H回路から出力される電圧信号(アナログ信号)をデジタル値に変換して、CPUへ出力する。
次いで、蛍光測定用ヘッド部の光学系の概略を説明する。
蛍光測定用ヘッド部は、集束レンズをさらに備える。そして、投光素子、ハーフミラー、集束レンズおよび対象とする硬化性樹脂組成物が同一直線上に配置され、投光素子から照射された蛍光測定用活性エネルギー線が、集束レンズを介して硬化性樹脂組成物において特定の直径範囲に集束するように構成される。そして、硬化性樹脂組成物から放射された蛍光は、蛍光測定用活性エネルギー線と同一の経路を逆方向に伝播してハーフミラーで反射されて伝播経路を変化させる。さらに、蛍光は、光フィルタを介して受光素子へ入射する。なお、投光素子の照射面から集束レンズまでの距離と、集束レンズから硬化性樹脂組成物までの距離とは、略同一となるように構成される。
(積層体の接着性評価)
例えば、下記のような処理に従って、基準値の選定、および、積層体の接着性評価が行なわれる。なお、以下の処理は、積層体1のように、第1のフィルムと第2のフィルムとを、硬化性樹脂組成物を介して貼合した積層体について接着性を評価するケースについてのものであるが、積層体5のように、硬化性樹脂組成物を介在させて第1のフィルムと第2のフィルムとが貼合され、硬化性樹脂組成物を介在させて、第2のフィルムの、第1のフィルムが貼合された側とは反対側に、第3のフィルムが貼合された積層体についても、これと同様の処理に従って、基準値の選定、および、積層体の接着性評価が行われる。
(基準値の選定)
まず、CPUは、光照射または加熱装置からの照射状態信号に基づいて、光照射または加熱が開始されたか否かを判断する。光照射または加熱が開始されていない場合には、CPUは、スタート時点(以下、ステップS1という)へ戻る。
光照射または加熱が開始されている場合には、CPUは、蛍光測定用ヘッド部へ照射指令を与える(以下、ステップS2という)。すると、蛍光測定用ヘッド部は、蛍光測定用活性エネルギー線を、対象とする硬化性樹脂組成物へ照射する。そして、CPUは、蛍光測定用活性エネルギー線を受けて、当該硬化性樹脂組成物に含まれる重合開始剤により放射される蛍光の蛍光強度を蛍光測定用ヘッド部から取得する。
続いて、CPUは、取得した蛍光強度を記憶部へ格納するとともに、所定数以上の蛍光強度データが記憶部に蓄積されているか否かを判断する。所定数以上の蛍光強度データが蓄積されていない場合には、CPUは、ステップS2へ戻る。
所定数以上の蛍光強度データが蓄積されている場合には、CPUは、記憶部から所定数の蛍光強度データを読出し、平均化処理(移動平均)を実行して、当該時点の蛍光強度を算出する。
さらに、CPUは、算出された蛍光強度およびユーザ等から入力される剥離試験等の評価結果の特定情報を取得し、取得した特定情報に基づいて、基準値の選定を実行する(以下、ステップS3という)。
例えば、蛍光強度がPを超過している場合には、剥離試験等の評価結果が良好で、蛍光強度がPを超過していない場合には、剥離試験等の評価結果が良好ではなければ、CPUは、基準値としてPを選定する。
(積層体の接着性評価)
CPUは、光照射または加熱装置からの照射状態信号に基づいて、光照射または加熱が開始されたか否かを判断する。光照射または加熱が開始されていない場合には、CPUは、スタート時点(以下、ステップS11という)へ戻る。
光照射または加熱が開始されている場合には、CPUは、蛍光測定用ヘッド部へ照射指令を与える(以下、ステップS12という)。すると、蛍光測定用ヘッド部は、蛍光測定用活性エネルギー線を対象とする硬化性樹脂組成物へ照射する。そして、CPUは、測定用活性エネルギー線を受けて、当該硬化性樹脂組成物に含まれる光重合開始剤により放射される蛍光の蛍光強度を蛍光測定用ヘッド部から取得する。
続いて、CPUは、取得した蛍光強度を記憶部へ格納するとともに、所定数以上の蛍光強度データが記憶部に蓄積されているか否かを判断する。所定数以上の蛍光強度データが蓄積されていない場合には、CPUは、ステップS12へ戻る。
所定数以上の蛍光強度データが蓄積されている場合には、CPUは、記憶部から所定数の蛍光強度データを読出し、平均化処理(移動平均)を実行して、当該時点の蛍光強度を算出する。
さらに、CPUは、算出された蛍光強度に基づいて、積層体の接着性の評価処理を実行する(以下、ステップ13という)。具体的には、CPUは、下記のような処理フローを含むサブルーチンを呼び出して実行する。
CPUは、ユーザ等から入力される硬化性樹脂組成物、第1のフィルムおよび第2のフィルムの種類、ならびに硬化性樹脂組成物の塗布膜の膜厚等の特定情報を取得し(以下、ステップ14という)、ステップ14で取得した特定情報に基づいて、記憶部から基準となる特定の蛍光強度の基準値Pを読み出す(以下、ステップ15という)。CPUは、算出された蛍光強度が、ステップ15で読み出された基準値Pを超過したか否かを判断する(以下、ステップ16という)。なお、基準値は、あらかじめユーザが指定することもできる。そして、測定された蛍光強度が基準値Pを超過している場合には、CPUは、積層体の接着性が良好であるとみなし、元の処理(ステップS11)に戻る。
一方、測定された蛍光強度が基準値Pを超過していない場合には、CPUは、積層体の接着性が不良であるとみなし、元の処理(ステップS11)に戻る。
続いて、CPUは、接着性の評価結果等を表示部等へ出力し、測定終了条件を満たすかどうか判断する。測定終了条件としては光照射または加熱が開始されてから所定の時間が経過したこと、例えば最大硬化度に到達したと判定されるような特定の結果が得られたこと等の条件が適宜採用される。測定終了条件が満たされていない場合には、CPUは、ステップ12へ戻る。一方、測定終了条件が満たされた場合には、CPUは、スタート時点(ステップ11)へ戻る。
積層体は、光照射条件または加熱条件により、第1のフィルムおよび第2のフィルムの接着性が変化し、以下の問題が発生する場合がある。例えば、光照射または加熱が不十分であると、得られる積層体において、フィルムの剥れ、変色および/または色抜け等の不良が発生する可能性がある。また、例えば、光照射または加熱が過度であると、得られる積層体において、フィルムにシワやカール等の不良が発生する可能性がある。このような不良を迅速に発見し、かつフィルムの接着性を制御するためには、積層体を破壊することなくそのままの状態で、かつ製造ライン中で、積層体の接着性を評価する必要がある。
そこで、蛍光測定用ヘッド部と評価部とを備えた評価装置を製造ライン中に導入する。
具体的には、以下の通りである。まず、送り出される第1のフィルムに、所定の位置から硬化性樹脂組成物が塗布される。その塗布と同時もしくは製造ラインのより下流側において、第2のフィルムが第1のフィルムと接合される。このようにして得られる積層体は、製造ラインのさらに下流側にある光照射または加熱部、制御部とからなる光照射または加熱装置から硬化性樹脂組成物を硬化させるための光または熱を与えられる。
この光照射または加熱装置の下流側に、評価装置が配置される。評価装置は、搬送方向に直交する方向に配列され、搬送される積層体の接着性を評価する。評価装置は、第1のフィルムおよび第2のフィルムの接着性をリアルタイム(インライン)で評価する。さらに、この接着性に何らかの不具合があれば、この不具合の原因に応じた対処、例えば、光照射装置を構成する紫外線ランプの交換などが行われる。
本発明の実施形態に従う積層体の接着性評価を実現する一実施形態の概略を下記する。
本発明の実施形態に従う積層体の接着性評価方法では、評価装置と、硬化用紫外線照射装置とが用いられ、試料台上に配置された積層体の接着性が評価される。
評価装置は、蛍光測定用ヘッド部と、評価部とからなる。蛍光測定用ヘッド部は、評価部から受けた蛍光測定用活性エネルギー線の照射指示に応じて、蛍光を測定するための蛍光測定用活性エネルギー線を積層体に向けて照射する一方、積層体中の硬化性樹脂組成物から放射される蛍光を受光して、測定される蛍光強度を評価部へ出力する。
評価部は、光照射装置からの照射状態信号に基づいて、蛍光測定用ヘッド部へ蛍光測定用活性エネルギー線の照射指示を与える。そして、評価部は、蛍光測定用ヘッド部において測定された蛍光強度に基づいて、積層体の接着性を評価する。
光照射装置は、光照射ヘッド部と、照射制御部とからなる。光照射ヘッド部は、照射制御部からの硬化用紫外線の照射指示に応じて、積層体に対して、硬化用紫外線を照射する。照射制御部は、ユーザ等の外部からの指示に応じて、紫外線照射ヘッド部へ硬化用紫外線の照射指示を与えるとともに、その照射指示に同期して硬化用紫外線の照射状態信号を評価部へ出力する。
水素化エポキシ樹脂(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、商品名;エピコートYX8000、ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量;205g/当量)10.0gと、光カチオン重合開始剤(芳香族スルホニウム塩、商品名;SP−500、(株)ADEKA製)4.0gとを、褐色スクリュー管(No.5)中で混合して、硬化性樹脂組成物X1を調製した。
水素化エポキシ樹脂(商品名;エピコートYX8000、ジャパンエポキシレジン(株)製、)7.0gと、オキセタン樹脂(3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(オキセタンアルコール)、商品名;アロンオキセタンOXT101、東亜合成(株)製)3.0gと、光カチオン重合開始剤(商品名;SP−500、(株)ADEKA製)4.0gとを、褐色スクリュー管(No.5)中で混合して、硬化性樹脂組成物X2を調製した。
水素化エポキシ樹脂(商品名;エピコートYX8000、ジャパンエポキシレジン(株)製)10.0gと、光カチオン重合開始剤(芳香族スルホニウム塩系の化合物、商品名;SP−152、(株)ADEKA製)4.0gとを、褐色スクリュー管(No.5)中で混合して、硬化性樹脂組成物X3を調製した。
第1のフィルムとして、セルロースエステルフィルム(商品名;8UX−TAC、以下、A1という)を用い、
第2のフィルムとして、ポリビニルアルコール−染料系偏光子(以下、B1という)を用い、
第3のフィルムとして、非晶性ポリオレフィン樹脂フィルム(商品名;ZEONOR、日本ゼオン(株)製、以下、C1という)またはセルロースエステルフィルム(商品名;New−nTAC、コニカ(株)製、以下、C2という)を用いた。これらA1、B1、C1およびC2は、いずれも、紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含まない。
<積層体の作成>
表1に示す、第1、第2および第3のフィルム、並びに硬化性樹脂組成物を用い、以下のようにして、積層体S1〜S5を作製した。第1のフィルム上に硬化性樹脂組成物を塗布した後、第2のフィルムを貼合した。さらに、第2のフィルムの、第1のフィルムが貼合された面とは反対側の面上に硬化性樹脂組成物を塗布した後、第3のフィルムを貼合した。
なお、硬化性樹脂組成物層の膜厚は、接触式膜厚計((株)ニコン社製)を用いて、以下に示す方法に従い算出した。
作製した積層体の膜厚を測定し、得られた膜厚から、予め測定しておいた第1のフィルム、第2のフィルムおよび第3のフィルムのそれぞれの膜厚を差し引き、得られた値を2で割る。なお、得られた膜厚は、測定箇所によって、±20%程度のばらつきを示したので、測定箇所を変えて3点測定した時の値の平均値を硬化性樹脂組成物層の膜厚とした。膜厚を表1に示す。
Figure 2011080984
<蛍光強度測定>
紫外線照射装置(商品名;CV−1100−G、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製、Dバルブ使用、出力80%、高さ4cm、速度11m/分)に、積層体を、第3のフィルムを上側(照射口側)にした状態で、所定回通した。積層体を紫外線照射装置に4回通したときの積算光量は約600mJ/cm(UVB)であった。それぞれの積層体について、紫外線照射装置の出力、速度および通過回数を代えて、蛍光強度の測定を行った。
硬化性樹脂組成物から放射される蛍光強度(単位;V)を、蛍光強度測定装置(商品名;OL201−1、(株)センテック社製)を用いて、蛍光強度測定法で測定した。蛍光強度測定は、光源にLED365D−S(励起波長365nm)、検出器にOL201(検出波長420〜700nm)を使用し、レンズと被測定物との距離を約35mm、投光量を10%、感度を60%、感度を9.00に設定して行った。また、ステンレス板のみを置いて測定した時に装置表示値がゼロとなるようにオフセットを設定した。この時、標準蛍光発光物質である“ND−40”を測定した際の装置表示値は約5.00Vとなった。なお、測定は全て第3のフィルムを上側(照射口側)にした状態で実施した。測定値は測定箇所により±20%程度のばらつきを示したので、測定箇所を変えて3点測定した時の値の平均値を蛍光強度とした。
<接着性試験1>
第1のフィルムの第2のフィルムへの接着性を、カッターナイフ試験法で評価した。結果を表2に示す。
<接着性試験2>
第3のフィルムの第2のフィルムへの接着性を、カッターナイフ試験法で評価した。結果を表2に示す。
カッターナイフ試験法は、まず積層体の、第1のフィルム表面に、カッターナイフで、表面から第2のフィルムにまで達する溝を1cm程度付け、次にカッターナイフの刃の角度を表面とほぼ平行にして(刃を寝かせた状態で)、溝の中央部にカッターナイフを入れ、刃先を第1のフィルムと第2のフィルムとの間に通し、そのままカッターナイフを前方(奥側)に押し進めることにより行った。
この時、力を入れなくても刃が進む場合は、接着性が不良であり、×とした。力を少し入れると刃が5mm程度入る場合は、接着性が良好であり、△とした。力をかなり入れても刃がうまく入らずフィルム自体がすぐに切れてしまう場合は、接着性が非常に良好であり、○とした。本試験は、紫外線照射を行ってから約1時間後、約3時間後、約1日(24時間)後に実施した。積層体の、第3のフィルムの表面についても、前記と同様に行い、同様に評価した。
<接着性試験3>
第1のフィルムの第2のフィルムへの接着性をピール試験法で評価し、剥離強度(単位;N)を測定した。結果を表2に示す。
ピール試験は、オートグラフAGS−100D(商品名、(株)島津製作所社製)を用いて行った。接着した2枚のフィルム(第1のフィルムと第2のフィルム)を部分的に剥離させ、剥離させた箇所における被接着体を片端に、接着体をもう片端に固定し、両者の間隔を広げて引き剥がしていく際にかかる力を測定することで剥離強度を算出する。第1のフィルムと第2のフィルムとの剥離強度を算出するため、第1のフィルムと第2のフィルムを部分的に剥離させたサンプルを作製し、2.5cm×15cm程度の大きさに切断した。この時剥離部と非剥離部が長軸方向に来るようにした。このサンプルの剥離させた箇所における第1のフィルムをピール試験装置上側に、第1のフィルム剥離後のサンプルをピール試験装置下側に固定した。
剥離速度1cm/分、ロードセル25Nとして約5cm(約5分)剥離させた時にかかった力の平均値を剥離強度とした。
Figure 2011080984
なお、表中、−は未測定を意味する。
この結果から、積層体S1は、蛍光強度が1.95V以上であれば、接着性が良好であることがわかる。積層体S2は、蛍光強度が2.14V以上であれば、接着性が非常に良好であることがわかる。積層体S3は、蛍光強度が2.38V以上であれば、接着性が良好であることがわかる。積層体S4は、蛍光強度が2.28V以上であれば、接着性が良好であるいうことがわかる。積層体S5は、蛍光強度が4.81V以上であれば、接着性が良好であることがわかる。従って、各積層体について、蛍光強度の基準(閾値)を上記結果に基づいて、適宜設定することにより、それぞれの積層体の接着性を評価することができる。
本発明の接着性評価方法によれば、積層体を剥離することなく、その接着性を評価することができる。
1,5 積層体
2,8 第2のフィルム
3,7,9 硬化性樹脂組成物
4,10 第1のフィルム
6 第3のフィルム

Claims (14)

  1. 紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第1のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第2のフィルムとを、硬化性樹脂組成物を介して貼合し、該硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる積層体におけるフィルムの接着性を評価する接着性評価方法であって、
    硬化性樹脂組成物を介在させて第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合して、積層体を得る工程と、
    積層体に光照射するか、または、積層体を加熱することによって、積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化して、積層体を得る工程と、
    積層体中の硬化した硬化性樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射して、硬化性樹脂組成物層から放射される蛍光の蛍光強度を測定する工程と、
    蛍光強度の測定結果に基づいて、積層体中の第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性を評価する工程とを含む接着性評価方法。
  2. 紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第1のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第2のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第3のフィルムとを、硬化性樹脂組成物を介して、第2のフィルムが第1のフィルムと第3のフィルムとで挟まれるように貼合し、該硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる積層体におけるフィルムの接着性を評価する接着性評価方法であって、
    硬化性樹脂組成物を介在させて第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合する工程と、
    第2のフィルムの、第1のフィルムが貼合された側とは反対側に、硬化性樹脂組成物を介在させて第3のフィルムを貼合して、積層体を得る工程と、
    積層体に光照射するか、または、積層体を加熱することによって、積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化して、積層体を得る工程と、
    積層体中の硬化した硬化性樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射して、硬化性樹脂組成物層から放射される蛍光の蛍光強度を測定する工程と、
    蛍光強度の測定結果に基づいて、積層体中の第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性、および、第2のフィルムと第3のフィルムとの接着性を評価する工程とを含む接着性評価方法。
  3. 第2のフィルムが、偏光子である請求項1記載の接着性評価方法。
  4. 第2のフィルムが、偏光子である請求項2記載の接着性評価方法。
  5. 第1のフィルムが、第2のフィルムを保護する保護フィルムである請求項1〜4のいずれか一項記載の接着性評価方法。
  6. 第3のフィルムが、第2のフィルムを保護する保護フィルムである請求項2、4または5記載の接着性評価方法。
  7. 第1のフィルムが、セルロースアセテート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、結晶性ポリオレフィン樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むフィルムである請求項1〜6のいずれか一項記載の接着性評価方法。
  8. 第2のフィルムが、ポリビニルアルコール樹脂からなるフィルムである請求項1〜7のいずれか一項記載の接着性評価方法。
  9. 第2のフィルムが、二色性色素が吸着配向された樹脂からなるフィルムである請求項1〜8のいずれか一項記載の接着性評価方法。
  10. 第2のフィルムが、樹脂を一軸延伸して得られるフィルムである請求項1〜9のいずれか一項記載の接着性評価方法。
  11. 第3のフィルムが、セルロースアセテート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、結晶性ポリオレフィン樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むフィルムである請求項2、4または6記載の接着性評価方法。
  12. 硬化性樹脂組成物が、モノマーおよび/またはオリゴマーと、活性エネルギー線の照射によって蛍光を放射する重合開始剤とを含む組成物である請求項1〜11のいずれか一項記載の接着性評価方法。
  13. 紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第1のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第2のフィルムとを、硬化性樹脂組成物を介して貼合し、該硬化性樹脂組成物を硬化させる積層体の製造方法であって、
    (A)硬化性樹脂組成物を介在させて第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合して、積層体を得る工程と、
    (B)積層体に光照射するか、または、積層体を加熱することによって、積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化して、積層体を得る工程と、
    (C)積層体中の硬化した硬化性樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射する工程と、
    (D)前記工程(C)において照射される活性エネルギー線を受けて、硬化性樹脂組成物層から放射される蛍光の蛍光強度を測定する工程と、
    (E)前記工程(D)において測定される蛍光強度に基づいて、積層体中の第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性を評価し、積層体の品質の良否を判断する工程、を含むことを特徴とする積層体の製造方法。
  14. 紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第1のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第2のフィルムと紫外線の照射によって蛍光を放射する材料を含有しない第3のフィルムとを、硬化性樹脂組成物を介して、第2のフィルムが第1のフィルムと第3のフィルムとで挟まれるように貼合し、該硬化性樹脂組成物を硬化させる積層体の製造方法であって、
    (A’−1)硬化性樹脂組成物を介在させて第1のフィルムと第2のフィルムとを貼合する工程と、
    (A’−2)第2のフィルムの、第1のフィルムが貼合された側とは反対側に、硬化性樹脂組成物を介在させて第3のフィルムを貼合して、積層体を得る工程と、
    (B’)積層体に光照射するか、または、積層体を加熱することによって、積層体中の硬化性樹脂組成物を硬化して、積層体を得る工程と、
    (C’)積層体中の硬化した硬化性樹脂組成物層に活性エネルギー線を照射する工程と、
    (D’)前記工程(C’)において照射される活性エネルギー線を受けて、硬化性樹脂組成物層から放射される蛍光の蛍光強度を測定する工程と、
    (E’)前記工程(D’)において測定される蛍光強度に基づいて、積層体中の第1のフィルムと第2のフィルムとの接着性、および、第2のフィルムと第3のフィルムとの接着性を評価し、積層体の品質の良否を判断する工程、を含むことを特徴とする積層体の製造方法。
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