JP2011080579A - クラッチ機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動側回転体を構成するプーリ30と従動側回転体を構成するアーマチュア40とを連結させる際には、第1、第2永久磁石51a、51bがプーリ30とアーマチュア40とを連結させる吸引磁力を発生させる吸引用磁気回路MCaの磁気抵抗を減少させる位置に可動部材52を変位させる。一方、プーリ30とアーマチュア40とを切り離す際には、吸引用磁気回路MCaの磁気抵抗を増加させるとともに、吸引磁力に寄与しない非吸引用磁気回路MCbの磁気抵抗を減少させる位置に可動部材52を変位させる。これにより、プーリ30とアーマチュア40との連結状態および切り離した状態を誤動作なく維持できる。
【選択図】図4
Description
吸引用磁気回路(MCa)は、駆動側回転体(30)および従動側回転体(40)の双方の少なくとも一部を含んで構成され、
駆動側回転体(30)と従動側回転体(40)とを連結させる際には、可動部材変位手段(53、54)が、駆動側回転体(30)と従動側回転体(40)が切り離されているときよりも、吸引用磁気回路(MCa)の磁気抵抗を減少させる位置に、可動部材(52)を変位させ、
駆動側回転体(30)と従動側回転体(40)とを切り離す際には、可動部材変位手段(53、54)が、駆動側回転体(30)と従動側回転体(40)が連結されているときよりも、吸引用磁気回路(MCa)の磁気抵抗を増加させるとともに、吸引用磁気回路(MCa)とは異なる非吸引用磁気回路(MCb)の磁気抵抗を減少させる位置に、可動部材(52)を変位させるクラッチ機構を特徴とする。
図1〜4により、本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本実施形態のクラッチ機構20が適用された車両用空調装置の冷凍サイクル装置1の全体構成図である。冷凍サイクル装置1は、冷媒を吸入して圧縮する圧縮機2、圧縮機2吐出冷媒を放熱させる放熱器3、放熱器3流出冷媒を減圧膨張させる膨張弁4、および、膨張弁4にて減圧された冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる蒸発器5を環状に接続したものである。
第1実施形態では、可動部材変位手段として、第1、第2電磁石53、54の2つの電磁石を採用した例を説明したが、本実施形態では、第1実施形態に対して、第1電磁石53を廃止して、第1電磁石53と同等の形状の非磁性材(例えば、アルミニウム)で形成されたリング部材58を採用して、第1構造体55aを構成している。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
第1実施形態では、永久磁石として、第1、第2永久磁石51a、51bの2つの永久磁石を採用した例を説明したが、本実施形態では、第1実施形態に対して、第1永久磁石51aを廃止して、第1永久磁石51aと同等の形状の非磁性材(例えば、アルミニウム)で形成されたリング部材59を用いて、第1構造体55aを構成している。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
第1実施形態では、それぞれ第1、第2永久磁石51a、51bおよび第1、第2電磁石53、54によって構成された第1、第2構造体55a、55bを採用した例を説明したが、本実施形態では、第1実施形態に対して、第1構造体55a全体を廃止している。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
上述の各実施形態では、円筒状部材で構成された可動部材52を採用した例を説明したが、本実施形態では、図13に示すように、可動部材52の断面形状を変更している。なお、図13は、本実施形態における図2のC部の断面図に対応する図面である。また、図13では、図示の明確化のため、可動部材52以外の断面ハッチングを省略している。
上述の各実施形態では、可動部材52の変位に伴う、可動部材52および第1、第2永久磁石51a、51bの摩耗を低減するために、可動部材52の表面に表面処理を施した例を説明したが、本実施形態では、さらに可動部材52に対して別部材として設けられた摩耗抑制部材を追加した例を説明する。
上述の各実施形態では、ピン57の拡径部57aおよびピン用穴部52aの係止穴52bによって可動範囲規制手段を構成した例を説明したが、本実施形態では、図19(a)に示すように、可動部材52に肉厚部52dを設けることによって、可動範囲規制手段を構成している。
上述の実施形態では、第1、第2構造体55a、55bを、それぞれ、第1コイル部53a、第1永久磁石51aおよび第2コイル部53bを接着剤で一体的に固定し、第2コイル部54a、第2永久磁石51bおよび第2コイル部54bを接着剤で一体的に固定した例を説明したが、本実施形態では、図20、図21に示すように、第1、第2ボビン61、62を用いて、第1、第2構造体55a、55bを構成した例を説明する。
上述の実施形態では、ステータプレート56の固定されたピン57、および、可動部材52に設けられたピン用穴部52aによって、可動部材52がステータプレート56に対して回転軸周りに回転してしまうことを防止しているが、本実施形態では、図24、25に示すように、第2永久磁石51bに形成された凸部51c、および、可動部材52に設けられた凸部用穴部52fによって可動部材52が回転してしまうことを防止している。
第1実施形態の図2で説明したように、上述の各実施形態では、プーリ30の中空円柱状空間とステータ50との間に、隙間δ1、δ2が形成されるため、この隙間δ1、δ2へ異物が侵入してしまうことが懸念される。このような異物の侵入は、可動部材52の変位を妨げて、クラッチ機構の作動不良を招く点で問題となる。
本実施形態では、第1実施形態に対して、図27、28に示すように、プーリ30およびステータ50の構成を変更した例を説明する。なお、図27は、本実施形態のクラッチ機構20の軸方向断面図であり、図28は、図27のB−B断面図である。
第11実施形態では、ピン57の拡径部57aおよび鍔部52gの係止穴52bによって可動範囲規制手段を構成した例を説明したが、本実施形態では、図30に示すように、ステータプレート56にストッパ56aを設けることによって、可動範囲規制手段を構成している。
第11実施形態では、永久磁石51bの径方向の厚みを第1実施形態の第2永久磁石51bよりも径方向の厚みよりも大きくしている。従って、永久磁石51bの容積が、プーリ30とアーマチュア40とを連結するために必要な吸引磁力を発生させるために必要な容積以上になっていることがある。
第11実施形態では、可動部材変位手段として、2つの第3、第4コイル部54a、54bを有する電磁石54を採用した例を説明したが、本実施形態では、第11実施形態に対して、第3コイル部54aを廃止して空隙としたものである。その他の構成は、第11実施形態と同様である。
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
上述の各実施形態では、同一の巻き線を2つに分割することによって、例えば、第1電磁石53を第1コイル部53aおよび第2コイル部53bに分割しているが、第1コイル部53a、第2コイル部53bをそれぞれ別の電磁石として構成してもよい。もちろん、第2電磁石54についても同様である。
30 プーリ
31 外側円筒部
31a 羽根
32 内側円筒部
33 端面部
33a、33b スリット穴
40 アーマチュア
51a、51b 第1、第2永久磁石
52 可動部材
52b 係止穴
52c テーパ部
53、54 第1、第2電磁石
57a 拡径部
60a〜60f 第1〜第6摩耗抑制部材
61、62 第1、第2ボビン
63 ヨーク部材
MCa 吸引用磁気回路
MCb 非吸引用磁気回路
Claims (21)
- 駆動源(10)からの回転駆動力によって回転する駆動側回転体(30)と、
前記駆動側回転体(30)に連結されることによって前記回転駆動力が伝達される従動側回転体(40)と、
前記駆動側回転体(30)と前記従動側回転体(40)とを連結させる吸引磁力を発生させる永久磁石(51a、51b)と、
磁性材で形成されているとともに、変位することによって前記永久磁石(51a、51b)が前記吸引磁力を発生させる吸引用磁気回路(MCa)の磁気抵抗を増減させる可動部材(52)と、
前記可動部材(52)を変位させる可動部材変位手段(53、54)とを備え、
前記吸引用磁気回路(MCa)は、前記駆動側回転体(30)および前記従動側回転体(40)の双方の少なくとも一部を含んで構成され、
前記駆動側回転体(30)と前記従動側回転体(40)とを連結させる際には、前記可動部材変位手段(53、54)が、前記駆動側回転体(30)と前記従動側回転体(40)が切り離されているときよりも、前記吸引用磁気回路(MCa)の磁気抵抗を減少させる位置に、前記可動部材(52)を変位させ、
前記駆動側回転体(30)と前記従動側回転体(40)とを切り離す際には、前記可動部材変位手段(53、54)が、前記駆動側回転体(30)と前記従動側回転体(40)が連結されているときよりも、前記吸引用磁気回路(MCa)の磁気抵抗を増加させるとともに、前記吸引用磁気回路(MCa)とは異なる非吸引用磁気回路(MCb)の磁気抵抗を減少させる位置に、前記可動部材(52)を変位させることを特徴とするクラッチ機構。 - 前記可動部材変位手段は、電力を供給されることによって電磁力を発生させる電磁石(53、54)で構成されており、
前記駆動側回転体(30)と前記従動側回転体(40)とを連結させる際には、前記電磁石(53、54)は、前記吸引磁力を増加させるように電磁力を発生させ、
前記駆動側回転体(30)と前記従動側回転体(40)とを切り離す際には、前記電磁石(53、54)は、前記吸引磁力を減少させるように電磁力を発生させることを特徴とする請求項1に記載のクラッチ機構。 - 前記駆動側回転体(30)は、磁性材で形成されて回転軸方向に伸びる円筒状の内側円筒部(32)を有し、
前記吸引用磁気回路(MCa)は、前記内側円筒部(32)の少なくとも一部を含んで構成され、
前記永久磁石(51b)および前記可動部材変位手段(54)は、前記内側円筒部(32)の外周側に配置され、
さらに、前記可動部材(52)は、前記永久磁石(51b)および前記可動部材変位手段(54)よりも外周側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のクラッチ機構。 - 前記駆動側回転体(30)は、前記回転軸方向に伸びる円筒状の外側円筒部(31)を有し、
前記外側円筒部(31)は、非磁性材で形成されているとともに、前記可動部材(52)の外周側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のクラッチ機構。 - 前記駆動側回転体(30)は、前記内側円筒部(32)および前記外側円筒部(31)の前記回転軸方向一端側同士を連結する端面部(33)を有し、
前記端面部(33)には、その表裏を貫通するスリット穴(33a、33b)が形成されており、
前記可動部材(52)は、前記スリット穴(33a、33b)の外周側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のクラッチ機構。 - 前記駆動側回転体(30)は、磁性材で形成されて回転軸方向に伸びる円筒状の外側円筒部(31)、および、磁性材で形成されて前記回転軸方向に伸びる円筒状の内側円筒部(32)を有し、
前記吸引用磁気回路(MCa)は、前記外側円筒部(31)および前記内側円筒部(32)のうち、少なくとも一方の一部を含んで構成され、
前記永久磁石(51a、51b)、前記可動部材(52)および前記可動部材変位手段(53、54)は、前記外側円筒部(31)の内周側、かつ、前記内側円筒部(32)の外周側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のクラッチ機構。 - 前記従動側回転体(40)は、前記内側円筒部(32)の前記回転軸方向一端側に配置されており、
前記永久磁石(51a、51b)の磁極は、前記回転軸に垂直な方向に向いており、
前記可動部材(52)の変位方向は、前記回転軸方向に一致しており、
前記駆動側回転体(30)と前記従動側回転体(40)とを連結させる際には、前記可動部材変位手段(53、54)は、前記回転軸方向一端側に前記可動部材(52)を変位させ、
前記駆動側回転体(30)と前記従動側回転体(40)とを切り離す際には、前記可動部材変位手段(53、54)は、前記回転軸方向他端側に前記可動部材(52)を変位させることを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1つに記載のクラッチ機構。 - 前記可動部材(52)は、前記回転軸方向に伸びる円筒状に形成されていることを特徴とする請求項3ないし7のいずれか1つに記載のクラッチ機構。
- 前記電磁石(53、54)は、前記回転軸の周りに円環状に配置されていることを特徴とする請求項3ないし8のいずれか1つに記載のクラッチ機構。
- 前記永久磁石(51a、51b)は、前記回転軸の周りに円環状に配置されていることを特徴とする請求項3ないし9のいずれか1つに記載のクラッチ機構。
- 前記可動部材(52)には、前記回転軸方向に垂直な厚み寸法を、前記可動部材(52)の両端側に向かって徐々に縮小させるテーパ部(52c)が設けられていることを特徴とする請求項3ないし10のいずれか1つに記載のクラッチ機構。
- 前記可動部材(52)の表面には、前記可動部材(52)が変位する際の摺動抵抗を低減する表面処理が施されていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載のクラッチ機構。
- 前記可動部材(52)の変位に伴う前記可動部材(52)の摩耗を抑制する摩耗抑制部材(60a〜60f)を備えることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載のクラッチ機構。
- 前記可動部材(52)の可動範囲を規制する可動範囲規制手段(52b、57a)を備えることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1つに記載のクラッチ機構。
- さらに、可動範囲規制手段は、前記可動部材(52)が変位した際に前記可動部材(52)に当接する当接部(57a)を有し、
前記可動部材(52)と前記当接部(57a)との間には、前記可動部材(52)と前記当接部(57a)が当接する際の衝撃を緩和する緩衝部材が配置されていることを特徴とする請求項14に記載のクラッチ機構。 - 前記可動部材変位手段は、電力を供給されることによって電磁力を発生させる複数の電磁石(53、54)で構成されていることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1つに記載のクラッチ機構。
- 前記電磁石(53、54)は、非磁性材にて形成された円筒状のボビン(61、62)に巻き線が巻き付けられることによって形成されたものであることを特徴とする請求項2および16に記載のクラッチ機構。
- 磁性材で形成されるとともに、前記永久磁石(51b、52b)に接触するように配置されたヨーク部材(63)を備えることを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1つに記載のクラッチ機構。
- 前記ヨーク部材(63)は、前記永久磁石(51b、52b)に固定されていることを特徴とする請求項18に記載のクラッチ機構。
- 前記永久磁石(51a、51b)は、複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1つに記載のクラッチ機構。
- 前記外側円筒部(31)の内周側には、前記外側円筒部(31)の内部側から外部側へ流れる気流を生じさせる羽根(31a)が設けられていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1つに記載のクラッチ機構。
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