JP2011080529A - 密封装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体圧の無負荷時及び負荷開始直後でも高いシール性を維持できると共に、流体圧が常時負荷する作動時には、シール性を維持しながらも摺動抵抗を低減することのできる密封装置の提供。
【解決手段】本発明に係る密封装置は、軸孔を有するハウジングと、該軸孔に挿入されると共に該ハウジングと相対摺動移動を行う軸との間の環状隙間40を流体から密封するべく、前記軸又は前記ハウジングのうちの一方の部材に形成された環状溝31に装着される密封装置1であって、相手摺動部品20と摺動する摺動面を有すると共に流体圧の負荷時に前記環状隙間40を密封するシールリング部11と、流体圧の無負荷時に、前記シールリング部11と前記環状溝31との間を密封する密封部12とを有してなり、前記密封部12は、流体圧の負荷時には、該流体圧によって、前記シールリング部11と前記環状溝31との間の密封状態を解除する方向に変形可能に設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る密封装置は、軸孔を有するハウジングと、該軸孔に挿入されると共に該ハウジングと相対摺動移動を行う軸との間の環状隙間40を流体から密封するべく、前記軸又は前記ハウジングのうちの一方の部材に形成された環状溝31に装着される密封装置1であって、相手摺動部品20と摺動する摺動面を有すると共に流体圧の負荷時に前記環状隙間40を密封するシールリング部11と、流体圧の無負荷時に、前記シールリング部11と前記環状溝31との間を密封する密封部12とを有してなり、前記密封部12は、流体圧の負荷時には、該流体圧によって、前記シールリング部11と前記環状溝31との間の密封状態を解除する方向に変形可能に設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、相対往復動又は相対回転動を行う相対摺動部材間からの流体の漏洩を防止するための密封装置に関し、詳しくは、流体圧が負荷する作動時にシール性を確保しながらも摺動抵抗を低減することのできる密封装置に関する。
例えばAT(Automatic Transmission)、CVT(Continuously Variable Transmission)等の回転用のシール等のように、相対往復動又は相対回転動を行う相対摺動部材間からの流体の漏洩を防止するための密封装置としては、図17に示すような樹脂製の環状体からなるシールリング100が主として用いられてきた(特許文献1)。
このようなシールリング100は、図17(a)に示すように、環状溝101内に装着されて相手摺動部材102に対して密着するが、流体圧が掛かっていない無負荷時には、図中矢印で示すように、流体の高圧側(図中左側)からシールリング100と環状溝101との間隙を通って低圧側(図中右側)に抜ける流体の漏れ流路が形成されてしまい、シール機能を発揮しない。この状態からシールリング100に流体圧がかかると、図17(b)に示すように、シールリング100は流体圧によって環状溝101内の低圧側の側壁面103に押圧され、相手摺動部品102との密着部S1及び環状溝101の側壁面103との密着部S3の二面において密着し、シール機能を発揮するようになっている。
このような密封装置では、流体の無負荷時には漏れ流路が形成されてシール機能を発揮しないことから、AT、CVT等のように流体が油圧ポンプによって圧送される油である場合、油圧ポンプが停止した無負荷状態では、シールリングがシールしていた油が流路を通ってオイルパンに戻ってしまい、シールリング近傍の油がなくなってしまう。従って、この状態からエンジン始動直後等のように油圧が掛かり始めると、シールリングの近傍は潤滑のない状態で作動開始することとなり、応答性や作動性が悪化する問題があった。
このため、従来、特に無負荷時でも高いシール性が要求される箇所に適用される密封装置として、図18に示すように、相手摺動部品202と摺動する摺動リング200aにゴム状弾性体200bを組み合わせた組合せシールからなる密封装置が用いられている(特許文献2)。
このような密封装置は、ゴム状弾性体200bを環状溝201の溝底面202側に配置し、且つ、該ゴム状弾性体200bが所定のつぶし代を形成するように装着することで、摺動リング200aと相手摺動部品202との密着部S1、摺動リング200aと環状溝201の側壁面203との密着部S3及びゴム状弾性体200bと環状溝201の溝底面202との密着部S2の三面において密着し、環状溝201に漏れ流路が形成されてしまうことを防止して、流体圧の無負荷時及び負荷開始直後においてもシール性を維持することができるようになっている。
しかしながら、このような従来の組合せシールからなる密封装置を用いた場合、これらは流体圧の無負荷時と負荷時とに関わらず、常に三面の密着部S1、S2及びS3で相手部品に対してそれぞれ密着するため、作動時の摺動抵抗が大きくなってしまう問題があった。このような摺動抵抗の増大化は、密封装置が特に自動車部品の駆動系に適用される場合、燃費性能を低下させてしまう大きな問題となる。
そこで、本発明は、流体圧の無負荷時及び負荷開始直後でも高いシール性を維持できると共に、流体圧が常時負荷する作動時には、シール性を維持しながらも摺動抵抗を低減することのできる密封装置を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
軸孔を有するハウジングと、該軸孔に挿入されると共に該ハウジングと相対摺動移動を行う軸との間の環状隙間を流体から密封するべく、前記軸又は前記ハウジングのうちの一方の部材に形成された環状溝に装着される密封装置であって、
相手摺動部品と摺動する摺動面を有すると共に流体圧の負荷時に前記環状隙間を密封するシールリング部と、流体圧の無負荷時に、前記シールリング部と前記環状溝との間を密封する密封部とを有してなり、
前記密封部は、流体圧の負荷時には、該流体圧によって、前記シールリング部と前記環状溝との間の密封状態を解除する方向に変形可能に設けられていることを特徴とする密封装置。
軸孔を有するハウジングと、該軸孔に挿入されると共に該ハウジングと相対摺動移動を行う軸との間の環状隙間を流体から密封するべく、前記軸又は前記ハウジングのうちの一方の部材に形成された環状溝に装着される密封装置であって、
相手摺動部品と摺動する摺動面を有すると共に流体圧の負荷時に前記環状隙間を密封するシールリング部と、流体圧の無負荷時に、前記シールリング部と前記環状溝との間を密封する密封部とを有してなり、
前記密封部は、流体圧の負荷時には、該流体圧によって、前記シールリング部と前記環状溝との間の密封状態を解除する方向に変形可能に設けられていることを特徴とする密封装置。
(請求項2)
前記密封部は、前記シールリング部から前記環状溝の内壁面に向けて傾斜状に延びるリップ形状に形成され、前記流体圧の無負荷時には前記リップ形状の密封部が前記環状溝の内壁面に当接して前記シールリング部と前記環状溝との間を密封すると共に、前記流体圧の負荷時には前記シールリング部と前記環状溝との間の密封を解除する方向に屈曲変形可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の密封装置。
前記密封部は、前記シールリング部から前記環状溝の内壁面に向けて傾斜状に延びるリップ形状に形成され、前記流体圧の無負荷時には前記リップ形状の密封部が前記環状溝の内壁面に当接して前記シールリング部と前記環状溝との間を密封すると共に、前記流体圧の負荷時には前記シールリング部と前記環状溝との間の密封を解除する方向に屈曲変形可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の密封装置。
(請求項3)
前記密封部が前記流体圧の負荷時に屈曲変形した際、前記シールリング部と前記密封部との間に形成される溝部を封止する封止部を有していることを特徴とする請求項2記載の密封装置。
前記密封部が前記流体圧の負荷時に屈曲変形した際、前記シールリング部と前記密封部との間に形成される溝部を封止する封止部を有していることを特徴とする請求項2記載の密封装置。
(請求項4)
前記封止部は前記密封部の先端部によって構成され、該先端部は、前記流体圧の負荷時に前記密封部が屈曲変形した際、前記先端部が前記環状溝の内壁面に当接することによって、前記溝部を該内壁面との間で前記流体の流入に対して封止するように形成されていることを特徴とする請求項3記載の密封装置。
前記封止部は前記密封部の先端部によって構成され、該先端部は、前記流体圧の負荷時に前記密封部が屈曲変形した際、前記先端部が前記環状溝の内壁面に当接することによって、前記溝部を該内壁面との間で前記流体の流入に対して封止するように形成されていることを特徴とする請求項3記載の密封装置。
(請求項5)
前記封止部は、前記溝部内に別体に設けられたOリングからなり、前記流体圧の負荷時に前記密封部が屈曲変形した際、前記Oリングが前記シールリング部と前記密封部との間で挟着されることによって、前記溝部を前記流体の流入に対して封止するように形成されていることを特徴とする請求項3記載の密封装置。
前記封止部は、前記溝部内に別体に設けられたOリングからなり、前記流体圧の負荷時に前記密封部が屈曲変形した際、前記Oリングが前記シールリング部と前記密封部との間で挟着されることによって、前記溝部を前記流体の流入に対して封止するように形成されていることを特徴とする請求項3記載の密封装置。
(請求項6)
前記シールリング部と前記密封部との間に形成される溝部内に、前記密封部が前記環状溝の溝底面に当接するように付勢力を作用させる環状のばね部材が介装されていることを特徴とする請求項2記載の密封装置。
前記シールリング部と前記密封部との間に形成される溝部内に、前記密封部が前記環状溝の溝底面に当接するように付勢力を作用させる環状のばね部材が介装されていることを特徴とする請求項2記載の密封装置。
(請求項7)
前記シールリング部と前記密封部とに亘って、前記密封部を前記環状溝の内壁面に付勢するためのV字状のバネ部材が埋設されていることを特徴とする請求項2記載の密封装置。
前記シールリング部と前記密封部とに亘って、前記密封部を前記環状溝の内壁面に付勢するためのV字状のバネ部材が埋設されていることを特徴とする請求項2記載の密封装置。
(請求項8)
前記密封部は前記シールリング部とは別体のゴム状弾性体によって形成され、前記シールリング部に対して一体に接着されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の密封装置。
前記密封部は前記シールリング部とは別体のゴム状弾性体によって形成され、前記シールリング部に対して一体に接着されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の密封装置。
(請求項9)
前記密封部は、前記シールリング部における前記環状溝の溝底面側に配置され、前記流体圧の無負荷時に、前記シールリング部と前記環状溝の溝底面との間を密封することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の密封装置。
前記密封部は、前記シールリング部における前記環状溝の溝底面側に配置され、前記流体圧の無負荷時に、前記シールリング部と前記環状溝の溝底面との間を密封することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の密封装置。
(請求項10)
前記密封部は、前記シールリング部の軸方向に並設され、前記流体圧の無負荷時に、前記シールリング部と前記環状溝の側壁面との間を密封することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の密封装置。
前記密封部は、前記シールリング部の軸方向に並設され、前記流体圧の無負荷時に、前記シールリング部と前記環状溝の側壁面との間を密封することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の密封装置。
(請求項11)
前記シールリング部は、前記相手摺動部品と摺動する摺動面から前記環状溝の溝底面に向けて延びるフランジ部を有しており、
前記密封部は、前記シールリング部とは別体のゴム状弾性体からなり、前記環状溝の溝底面から前記フランジ部の内面に向けて傾斜状に延びるリップ形状に形成され、前記流体圧の無負荷時には前記リップ形状の密封部が前記フランジ部の内面に当接して前記シールリング部と前記環状溝との間を密封すると共に、前記流体圧の負荷時には前記フランジ部から離間して前記シールリング部と前記環状溝との間の密封を解除する方向に屈曲変形可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の密封装置。
前記シールリング部は、前記相手摺動部品と摺動する摺動面から前記環状溝の溝底面に向けて延びるフランジ部を有しており、
前記密封部は、前記シールリング部とは別体のゴム状弾性体からなり、前記環状溝の溝底面から前記フランジ部の内面に向けて傾斜状に延びるリップ形状に形成され、前記流体圧の無負荷時には前記リップ形状の密封部が前記フランジ部の内面に当接して前記シールリング部と前記環状溝との間を密封すると共に、前記流体圧の負荷時には前記フランジ部から離間して前記シールリング部と前記環状溝との間の密封を解除する方向に屈曲変形可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の密封装置。
(請求項12)
前記密封部は、環状のゴム状弾性体と、前記ゴム状弾性体を保形するガス封入部とを有してなり、
前記ガス封入部は、前記流体圧の無負荷時には、前記環状溝内における前記ゴム状弾性体の形状を、前記シールリング部と前記環状溝との間を密封する形状に保形すると共に、前記流体圧の負荷時には、前記ゴム状弾性体が前記シールリング部と前記環状溝との間の密封を解除する方向に変形する際に追従して圧縮することを特徴とする請求項1記載の密封装置。
前記密封部は、環状のゴム状弾性体と、前記ゴム状弾性体を保形するガス封入部とを有してなり、
前記ガス封入部は、前記流体圧の無負荷時には、前記環状溝内における前記ゴム状弾性体の形状を、前記シールリング部と前記環状溝との間を密封する形状に保形すると共に、前記流体圧の負荷時には、前記ゴム状弾性体が前記シールリング部と前記環状溝との間の密封を解除する方向に変形する際に追従して圧縮することを特徴とする請求項1記載の密封装置。
(請求項13)
前記ゴム状弾性体は、前記シールリング部と前記環状溝の溝底面との間で該溝底面を塞ぐように配置され、
前記ガス封入部は、前記ゴム状弾性体と前記溝底面との間にガスが封入されることによって形成されていることを特徴とする請求項12記載の密封装置。
前記ゴム状弾性体は、前記シールリング部と前記環状溝の溝底面との間で該溝底面を塞ぐように配置され、
前記ガス封入部は、前記ゴム状弾性体と前記溝底面との間にガスが封入されることによって形成されていることを特徴とする請求項12記載の密封装置。
(請求項14)
前記ゴム状弾性体は中空状に形成され、
前記ガス封入部は、前記ゴム状弾性体の内部にガスが封入されることによって形成されていることを特徴とする請求項12記載の密封装置。
前記ゴム状弾性体は中空状に形成され、
前記ガス封入部は、前記ゴム状弾性体の内部にガスが封入されることによって形成されていることを特徴とする請求項12記載の密封装置。
(請求項15)
前記密封部は、前記シールリング部における前記環状溝の溝底面側に該シールリング部とは別体に設けられ、前記流体圧の無負荷時に前記シールリング部と前記環状溝の内壁面との間を密封することを特徴とする請求項14記載の密封装置。
前記密封部は、前記シールリング部における前記環状溝の溝底面側に該シールリング部とは別体に設けられ、前記流体圧の無負荷時に前記シールリング部と前記環状溝の内壁面との間を密封することを特徴とする請求項14記載の密封装置。
(請求項16)
前記密封部は、前記シールリング部に対して一体に接着され、前記流体圧の無負荷時に前記環状溝の内壁面との間を密封することを特徴とする請求項14記載の密封装置。
前記密封部は、前記シールリング部に対して一体に接着され、前記流体圧の無負荷時に前記環状溝の内壁面との間を密封することを特徴とする請求項14記載の密封装置。
(請求項17)
前記密封部は、前記シールリング部における前記環状溝の溝底面側の周面に一体に接着され、前記流体圧の無負荷時に前記環状溝の溝底面との間を密封することを特徴とする請求項16記載の密封装置。
前記密封部は、前記シールリング部における前記環状溝の溝底面側の周面に一体に接着され、前記流体圧の無負荷時に前記環状溝の溝底面との間を密封することを特徴とする請求項16記載の密封装置。
(請求項18)
前記密封部は、前記シールリング部の軸方向に並設して一体に接着され、前記流体圧の無負荷時に前記環状溝の側壁面との間を密封することを特徴とする請求項16記載の密封装置。
前記密封部は、前記シールリング部の軸方向に並設して一体に接着され、前記流体圧の無負荷時に前記環状溝の側壁面との間を密封することを特徴とする請求項16記載の密封装置。
(請求項19)
前記ゴム状弾性体は、前記流体圧の無負荷時の密封部位が突起状に形成されていることを特徴とする請求項12〜18のいずれかに記載の密封装置。
前記ゴム状弾性体は、前記流体圧の無負荷時の密封部位が突起状に形成されていることを特徴とする請求項12〜18のいずれかに記載の密封装置。
本発明によれば、流体圧の無負荷時及び負荷開始直後でも高いシール性を維持できると共に、流体圧が常時負荷する作動時には、シール性を維持しながらも摺動抵抗を低減することのできる密封装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
本発明に係る密封装置は、軸孔を有するハウジングと、該軸孔に挿入されると共に該ハウジングと相対摺動移動を行う軸との間の環状隙間を流体から密封するべく、軸又はハウジングのうちの一方の部材に形成された環状溝に装着されるものであり、相手摺動部品と摺動する摺動面を有すると共に流体圧の負荷時に環状隙間を密封するシールリング部と、流体圧の無負荷時に、シールリング部と環状溝との間を密封する密封部とを有している。密封部は、流体圧の負荷時には、該流体圧によって、シールリング部と環状溝との間の密封を解除する方向に変形可能に設けられる。
すなわち、密封部は、流体圧が負荷しない無負荷時には、シールリング部と環状溝との間を密封することで、負荷が掛かり始める負荷開始直後であっても、環状溝内においてシールリング部との間に、密封装置を境にした流体の高圧側と低圧側とを繋ぐ流体の漏れ流路が形成されてしまうことがない。このため、密封装置は、少なくともシールリング部の相手摺動部品との摺動面と、密封部によるシールリング部と環状溝との間の密封部位とによって、従来の組合せシールからなる密封装置と同様、流体圧が負荷しない状態でも高いシール性を維持することができる。
また、流体圧が負荷する状態では、シールリング部がハウジングと軸との間の環状隙間を密封すると共に、この流体圧によって密封部がシールリング部と環状溝との間の密封状態を解除するように変形することで、この密封部による密封部位が、摺動部品が作動した際に大きな摺動抵抗を発生させることがない。このため、流体圧が常時負荷する作動時には、シール性を維持しながらも摺動抵抗が低減され、図17に示すような既存のシールリングだけからなる密封装置と同等の摺動抵抗に抑えることができる。
従って、作動時の摺動抵抗の増加無しに、従来のシールリングだけからなる密封装置の欠点である流体圧の無負荷時の流体漏れを無くすことができる。
この密封部は、様々な形態とすることができる。例えば、シールリング部から環状溝の内壁面に向けて傾斜状に延びるリップ形状に形成することができる。
このリップ形状からなる密封部は、流体圧の無負荷時には、環状溝の内壁面に当接してシールリング部と環状溝の内壁面との間を密封すると共に、流体圧の負荷時にはシールリング部と環状溝の内壁面との間の密封状態を解除する方向に屈曲変形可能に設けられる。従って、流体圧が負荷すると、リップ形状の密封部は屈曲変形することにより、摺動部品が作動した際に相手部品と摺動することがなくなり、摺動抵抗は低減される。
本発明に係る密封装置は、特に断りがない限り、シールリング部の外周面側を摺動面とする態様、内周面側を摺動面とする態様のいずれにも適用可能である。
図1は、本発明に係る密封装置の一例を示す断面図である。図中、1は密封装置であり、密封装置1は、互いに摺動する摺動部品20と30との間に形成される環状隙間40を密封するべく、一方の摺動部品30に形成された環状溝31内に装着されている。ここでは、摺動部品20がハウジング、摺動部品30が軸であり、環状溝31が摺動部品30の外周面に凹設される場合を例示する。
なお、以下に図示する全ての態様において、流体圧は環状隙間40を図中左側から右側に向けて作用するものとする。
密封装置1において、11はシールリング部、12はリップ形状の密封部であり、シールリング部11において密封部12と反対側の面が摺動部品20との摺動面とされている。
一般にシールリング部11は、例えばポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリアミド(ナイロン)等の樹脂によって形成することができる。
リップ形状の密封部12は、シールリング部11と同じ樹脂によって一体成形されており、シールリング部11の軸方向の図示左側の端部から環状溝31の溝底面31aに向けて垂下するフランジ部11aの下端から、該溝底面31aに向けて傾斜状に延びる傾斜部12aと、該傾斜部12aの先端から溝底面31aに沿うようにシールリング部11と平行に延びる平坦部12bと、この平坦部12bの先端からシールリング部11側に向けてやや立ち上がる立ち上がり部12cとを有している。
これにより、密封装置1は、シールリング部11と密封部12との間に横向きU字状の溝部13が形成され、この溝部13が流体の低圧側(図示右側)となるように位置決めされて環状溝31内に装着される。
密封部12は、フランジ部11aと傾斜部12aとの接続部位が他部位よりも薄肉状に形成された屈曲変形部12dとされ、この屈曲変形部12dよりも先端側がシールリング部11側に向けて、すなわち環状溝31の溝底面31aから離間する方向に変形可能となっている。
ここで、密封装置1は、摺動部品20と環状溝31の溝底面31aとの間で所定のしめ代及びつぶし代を有して装着され、流体圧が作用しない無負荷時において、シールリング部11と摺動部品20との密着部S1と、密封部12の平坦部12bと環状溝31の溝底面31aとの密着部S2とによって、環状隙間40に漏れ流路が形成されないように摺動部品20、30間を密封する。
密封部12は、流体圧の無負荷状態で、図1(a)に示すように、密封装置1の軸方向において、立ち上がり部12cの先端が、これと同一側のシールリング部11の図示右側の端部11bよりも内側(図示左側)に位置し、装着時にシールリング部11の端部11bが環状溝31の図示右側の側壁面31bに当接しても、立ち上がり部12cの先端は該側壁面31bには当接せず、若干の間隙14を形成するようになっている。
これにより、この密封装置1に流体圧が負荷して、環状隙間40から環状溝31内に流入した流体の圧力が溝底面31aから密封部12の傾斜部12aに作用すると、密封部12が、屈曲変形部12dを支点としてシールリング部11に向けて屈曲変形し、密封部12は環状溝31の溝底面31aから離間する(図1(b))。
このとき、シールリング部11は、流体圧によって環状溝31の側壁面31bに密着して密着部S3を形成することで、密着部S1と併せて環状隙間40を密封すると共に、密封部12の平坦部12bと溝底面31aとの密着状態は解除されて密着部S2は解消されるため、摺動部品20、30間での摺動作動時の摺動抵抗は、既存のシールリングだけからなる密封装置と同等の摺動抵抗に抑えられる。
流体圧が負荷する際、密封部12が溝底面31aから離間すると、流体が溝部13内に流入することにより、密封部12が溝底面31aに当接する方向に変形しようとする力が作用し、該密封部12の屈曲変形力が低下するおそれがある。このため、密封部12は、図1(b)に示すように、密封部12の屈曲変形時に、立ち上がり部12cの先端が環状溝31の側壁面31bに当接して密着部S4を形成し、溝部13が封止されるように設定することにより、流体が溝部13内に流入することを阻止して、安定した摺動抵抗の低減機能を図るようにすることが好ましい。
図1に示す態様では、この密封部12の立ち上がり部12cの先端部によって、密封部12が屈曲変形した際、シールリング部11と密封部12との間に形成される溝部13を封止する封止部を構成している。
密封部12は、シールリング部11とは別部材によって形成することもできる。
図2は、密封部12をシールリング部11と別体に形成した態様を示している。
この密封部12は、ゴム状弾性体によって横向きV字状に形成され、シールリング部11における摺動部品20との摺動面とは反対面に一体に接着されている。これにより、密封部12の先端は、シールリング部11から環状溝31の溝底面31aに向けて傾斜状に真っ直ぐ延びる傾斜部12aとなり、この傾斜部12aの先端が、流体圧の無負荷時に溝底面31aと当接して密着部S2を形成し(図2(a))、流体圧の無負荷時に傾斜部12a全体が弾性変形して屈曲することで、先端が溝底面31aから離間して密封状態を解除する(図2(b))。
この態様では、密封部12の材質としてシールリング部11とは別の最適な材質を用いることができると共に、接着によって密封部12をシールリング部11と一体化(一部品化)することができるため、環状溝31内への装着も容易である。
この態様においても、密封部12の傾斜部12aの先端部によって封止部を構成することが好ましく、密封部12の屈曲変形時に、傾斜部12aの先端が環状溝31の側壁面31bに当接して密着部S4を形成し、溝部13が封止されるように設定される。
図2に示すように密封部12を接着によりシールリング部11と一体化する態様では、密封部12は、シールリング部11の周面側に接着するものに限らず、シールリング部11の軸方向の端部側に一体に接着してもよい。
図3は、このような密封部12をシールリング部11の軸方向の端部側に一体に並設させるように接着した態様を示している。
この場合、密封部12は、シールリング部11の軸方向における流体の高圧側(図示左側)に配置され、流体圧の無負荷時には、シールリング部11と環状溝31の側壁面31cとの間を密封する密着部S2を形成し(図3(a))、流体圧の負荷時には、密封部12が屈曲変形することで、側壁面31cから離間し、密封状態は解除される(図3(b))。
図3に示す密封部12は、溝部13が溝底面31a側を向くように配置されているが、図4に示すように、溝部13が溝底面31aとは反対側を向くように配置されるようにしてもよい。
図5は封止部の別の態様を示している。
この密封装置1における封止部は、溝部13内に別体に設けられたゴム状弾性体によって形成されたOリング15からなる。Oリング15は、流体圧の無負荷時には、自身の弾性力(締め付け力)によって、密封部12に対して環状溝31の溝底面31aへ当接させようとする付勢力を作用させる(図5(a))が、流体圧の負荷時に密封部12が屈曲変形した際、シールリング部11と密封部12との間で挟着されることによって、溝部13を流体の流入に対して封止する(図5(b))。従って、立ち上がり部12cの先端で封止する必要がなく、密封部12の先端部の寸法形状を厳密に規定する必要はない。
この図5に示す密封装置1は、シールリング部11の外周面側を摺動部品20との摺動面とする場合に適用できる。
図6は封止部としてOリングを用いた場合の密封装置の別の態様を示している。
この密封装置1は、シールリング部11と一体成形された密封部12が、該シールリング部11における溝底面31a側から該溝底面31aに向けて傾斜状に真っ直ぐ延びる傾斜部12aのみによって構成され、この傾斜部12aの先端によって、流体圧の無負荷時に溝底面31aと当接して密着部S2を形成するようになっている。このような密封部12は、例えば樹脂製のシールリング部11の内周側又は外周側から所定厚みで内側又は外側に切り倒すことによって形成することができる。
Oリング15は、シールリング部11と密封部12との間に介装されるが、この場合、流体圧の負荷、無負荷に関わらず、シールリング部11と密封部12との双方に密着するように設けられる。従って、流体圧の無負荷時には、Oリング15の弾性力によって、密封部12に対して溝底面31aへ当接させて密着力を作用させ(図6(a))、流体圧の負荷時には、流体圧の負荷による密封部12の屈曲変形によって圧縮されると共に、溝部13を流体の流入に対して封止する(図6(b))。
この態様では、Oリング15は、封止部としての機能のみならず、流体圧の無負荷時に密封部12に対して溝底面31aに対する密着力をも発生させるように機能している。このため、密封部12が密着力を持つ必要がないため、密封装置1の長寿命化を図ることができる。
また、密封部12とは別のばね部材の弾発力を利用して密着力を発生させるようにすることもできる。
図7は、図1に示す密封装置1において、溝部13内に、密封部12が環状溝31の溝底面31aに当接するように付勢力を作用させる環状のばね部材16を介装した態様を示している。
ばね部材16は例えばコイルばねによって構成することができ、流体圧の無負荷時には、その弾発力(締め付け力)によって密封部12を溝底面31aに対して密着させ(図7(a))、流体圧の負荷時には、密封部12の屈曲変形に追従して弾性変形し、密封部12の溝底面31aとの密封状態を解除する(図7(b))。このように、密封部12の密着力はばね部材16によって受け持つため、密封装置1を長寿命化できる。
この図7に示す密封装置1は、シールリング部11の外周面側を摺動面とする場合に適用できる。
図8は、図6に示す密封装置1のOリング15に代えて、シールリング部11と密封部12とに亘る横向きV字状のばね部材17を埋設した態様を示している。
このばね部材17は、流体圧の無負荷時には、その弾発力(V字が開こうとする力)によって密封部12を溝底面31aに対して密着させ(図8(a))、流体圧の負荷時には、密封部12の屈曲変形に追従して弾性変形し、密封部12の溝底面31aとの密封状態を解除する(図8(b))。
このような横向きV字状のばね部材17は、図9に示すように、密封部12をシールリング部11とは別体のゴム状弾性体によって形成して一体に接着した態様の密封装置にも適用することができる。この場合は、密封部12はゴム状弾性体からなるため、流体圧の無負荷時のシール性に優れる利点がある。
図10は、密封部がシールリング部とは別体に形成された更に別の態様を示している。
このシールリング部11は、摺動部品20との摺動面から環状溝31の溝底面31aに向けて延びるフランジ部11aを有しており、軸方向におけるこのフランジ部11a側の端部が流体の高圧側となるように環状溝31内に装着される。
一方、密封部12は、シールリング部11とは別体のゴム状弾性体であり、環状溝31の溝底面31aと密着するように配置される環状の基部12eと、この基部12e上からシールリング部11側に向けて傾斜状に延びる傾斜部12fとを有するリップ形状に形成されており、シールリング部11のフランジ部11aよりも流体の低圧側に配置される。傾斜部12fの先端は、フランジ部11aの低圧側から該フランジ部11aの内面に向けて延びるように配置され、流体圧の無負荷時には、この傾斜部12fの先端がフランジ部11aの内面に当接してシールリング部11との間を密封して密着部S2を形成する(図10(a))。また、流体圧の負荷時には、密封部12は流体圧によって屈曲変形し、傾斜部12fの先端がフランジ部11aから離間してシールリング部11との密封を解除し、摺動抵抗を低減する(図10(b))。
この態様では、密封部12をシールリング部11と別部品とするため、製造が容易である。
本発明は、密封部がシールリング部とは別体に形成される場合、密封部が、環状のゴム状弾性体と、該ゴム状弾性体を保形するガス封入部とを有してなる態様とすることも好ましい。このようなガス封入部は、流体圧の無負荷時には、環状溝内におけるゴム状弾性体の形状を、シールリング部と環状溝との間を密封する形状に保形すると共に、流体圧の負荷時には、ゴム状弾性体がシールリング部と環状溝との間の密封を解除する方向に変形する際に追従して圧縮する。
このガス封入部によって、密封部はゴム状弾性体単独の場合に比べて容易に低圧で変形可能とすることができ、また、劣化によるヘタリの発生も低くできるため、密封装置の耐久性を向上させることができる。
図11は、このようなガス封入部を有する密封装置を示している。
この態様において、密封部12を構成するゴム状弾性体120は、シールリング部11とは別体に構成されており、環状溝31内の溝底面31aに装着された2つの離間用スリーブ50a、50aの上面に、該溝底面31aを塞ぐように載置され、更にそのゴム状弾性体120の上面から、2つの固定用スリーブ50b、50bによって離間用スリーブ50a、50aとの間で挟着されることで、溝底面31aから離間して配置されている。
ガス封入部121は、このゴム状弾性体120と溝底面31aとの間の空間部にガスが封入されることによって形成されている。ガスとしては、一般に空気が用いられるが、窒素やその他、不活性ガスを用いることもでき、ゴムからの漏れ難さから、窒素であることが好ましい。
このような密封装置1によると、流体圧の無負荷時には、ガス封入部121がゴム状弾性体120を保形し、該ゴム状弾性体120が自身の弾性力によってシールリング部11に密着し、密着部S2を形成して漏れ流路の発生を阻止する(図11(a))。そして、流体圧の負荷時には、ガス封入部121のガスがゴム状弾性体120の変形に追従して圧縮し、これにより、ゴム状弾性体120はシールリング部との間の密封を解除する方向に変形し、摺動抵抗を低減する(図11(b))。
このようなゴム状弾性体120には、流体圧の無負荷時の密封部位が、突起状に形成されていることが好ましい。図11には、ゴム状弾性体120のシールリング部11との当接面側に、突起120aが形成されている。この突起120aにより、漏れ流路を密封する際の密封部位を特定することができる。そのため、この突起120aを密封に特化した形状に設定できるようになり、低圧でのシール性について安定した効果を得ることができる。
ゴム状弾性体120を環状溝31内に固定する方法としては、離間用スリーブ50a、50aを用いる代わりに、図12に示すように、環状溝31にゴム状弾性体120が溝底面31aから離間するように載置するための段部31d、31dを設けておき、固定用スリーブ50b、50bによって、この段部31d、31dとの間でゴム状弾性体120を挟着するようにしてもよい。この場合、スリーブは固定用スリーブ50b、50bのみで済むため、部品点数を削減できる。
また、ゴム状弾性体120は、図13に示すように、段部31d、31d上に直接接着することによって固定してもよい。これによれば、固定用スリーブ50b、50bも不要となるため、コストの更なる低減化が可能である。
図14は、ゴム状弾性体120を中空状に形成した態様を示している。
この密封装置1では、ガス封入部121は、中空状のゴム状弾性体120の内部にガスが封入されることによって形成されている。
このような密封装置1によると、流体圧の無負荷時には、ガス封入部121がゴム状弾性体120を保形し、該ゴム状弾性体120が自身の弾性力によってシールリング部11に密着し、密着部S2を形成して漏れ流路の発生を阻止する(図14(a))。そして、流体圧の負荷時には、ガス封入部121のガスがゴム状弾性体120の変形に追従して圧縮し、これにより、ゴム状弾性体120はシールリング部との間の密封を解除する方向に変形し、摺動抵抗を低減する(図14(b))。
これに加え、図11、12に示すようなスリーブも不要となると共に、密封部12を環状溝31内に装着する作業も容易となる利点がある。
中空状のゴム状弾性体120はシールリング部11と一体に接着される態様とすることもできる。
図15は、図14に示した密封部12を、流体圧の無負荷時に、突起120aが溝底面31aと密着して密着部S2を形成するように、シールリング部11における該溝底面31a側の周面に対して一体に接着している(図15(a))。従って、流体圧の負荷時には、この密着部S2が溝底面31aから離間して、密封状態を解除する方向に変形し、摺動抵抗を低減する(図15(b))。
このような中空状のゴム状弾性体120を有する密封部12は、シールリング部11の軸方向の端部に並設させることもできる。
図16は、密封部12をシールリング部11の軸方向の端部に並設した態様を示しており、密封部12がシールリング部11の軸方向において、流体の高圧側となるように配置されて環状溝31内に装着されている。
密封部12は、流体圧の無負荷時に、ゴム状弾性体120の突起120aが、環状溝31の高圧側の側壁面31cに密着して密着部S2を形成して漏れ流路を阻止し(図16(a))、流体圧の負荷時には、ガス封入部121が圧縮して密封部12が変形することにより、突起120aが側壁面31cから離間して密封状態を解除し、摺動抵抗を低減する(図16(b))。
1:密封装置
11:シールリング部
12:密封部
13:溝部
20:摺動部品
30:摺動部品
31:環状溝
40:環状隙間
11:シールリング部
12:密封部
13:溝部
20:摺動部品
30:摺動部品
31:環状溝
40:環状隙間
Claims (19)
- 軸孔を有するハウジングと、該軸孔に挿入されると共に該ハウジングと相対摺動移動を行う軸との間の環状隙間を流体から密封するべく、前記軸又は前記ハウジングのうちの一方の部材に形成された環状溝に装着される密封装置であって、
相手摺動部品と摺動する摺動面を有すると共に流体圧の負荷時に前記環状隙間を密封するシールリング部と、流体圧の無負荷時に、前記シールリング部と前記環状溝との間を密封する密封部とを有してなり、
前記密封部は、流体圧の負荷時には、該流体圧によって、前記シールリング部と前記環状溝との間の密封状態を解除する方向に変形可能に設けられていることを特徴とする密封装置。 - 前記密封部は、前記シールリング部から前記環状溝の内壁面に向けて傾斜状に延びるリップ形状に形成され、前記流体圧の無負荷時には前記リップ形状の密封部が前記環状溝の内壁面に当接して前記シールリング部と前記環状溝との間を密封すると共に、前記流体圧の負荷時には前記シールリング部と前記環状溝との間の密封を解除する方向に屈曲変形可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の密封装置。
- 前記密封部が前記流体圧の負荷時に屈曲変形した際、前記シールリング部と前記密封部との間に形成される溝部を封止する封止部を有していることを特徴とする請求項2記載の密封装置。
- 前記封止部は前記密封部の先端部によって構成され、該先端部は、前記流体圧の負荷時に前記密封部が屈曲変形した際、前記先端部が前記環状溝の内壁面に当接することによって、前記溝部を該内壁面との間で前記流体の流入に対して封止するように形成されていることを特徴とする請求項3記載の密封装置。
- 前記封止部は、前記溝部内に別体に設けられたOリングからなり、前記流体圧の負荷時に前記密封部が屈曲変形した際、前記Oリングが前記シールリング部と前記密封部との間で挟着されることによって、前記溝部を前記流体の流入に対して封止するように形成されていることを特徴とする請求項3記載の密封装置。
- 前記シールリング部と前記密封部との間に形成される溝部内に、前記密封部が前記環状溝の溝底面に当接するように付勢力を作用させる環状のばね部材が介装されていることを特徴とする請求項2記載の密封装置。
- 前記シールリング部と前記密封部とに亘って、前記密封部を前記環状溝の内壁面に付勢するためのV字状のバネ部材が埋設されていることを特徴とする請求項2記載の密封装置。
- 前記密封部は前記シールリング部とは別体のゴム状弾性体によって形成され、前記シールリング部に対して一体に接着されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の密封装置。
- 前記密封部は、前記シールリング部における前記環状溝の溝底面側に配置され、前記流体圧の無負荷時に、前記シールリング部と前記環状溝の溝底面との間を密封することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の密封装置。
- 前記密封部は、前記シールリング部の軸方向に並設され、前記流体圧の無負荷時に、前記シールリング部と前記環状溝の側壁面との間を密封することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の密封装置。
- 前記シールリング部は、前記相手摺動部品と摺動する摺動面から前記環状溝の溝底面に向けて延びるフランジ部を有しており、
前記密封部は、前記シールリング部とは別体のゴム状弾性体からなり、前記環状溝の溝底面から前記フランジ部の内面に向けて傾斜状に延びるリップ形状に形成され、前記流体圧の無負荷時には前記リップ形状の密封部が前記フランジ部の内面に当接して前記シールリング部と前記環状溝との間を密封すると共に、前記流体圧の負荷時には前記フランジ部から離間して前記シールリング部と前記環状溝との間の密封を解除する方向に屈曲変形可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の密封装置。 - 前記密封部は、環状のゴム状弾性体と、前記ゴム状弾性体を保形するガス封入部とを有してなり、
前記ガス封入部は、前記流体圧の無負荷時には、前記環状溝内における前記ゴム状弾性体の形状を、前記シールリング部と前記環状溝との間を密封する形状に保形すると共に、前記流体圧の負荷時には、前記ゴム状弾性体が前記シールリング部と前記環状溝との間の密封を解除する方向に変形する際に追従して圧縮することを特徴とする請求項1記載の密封装置。 - 前記ゴム状弾性体は、前記シールリング部と前記環状溝の溝底面との間で該溝底面を塞ぐように配置され、
前記ガス封入部は、前記ゴム状弾性体と前記溝底面との間にガスが封入されることによって形成されていることを特徴とする請求項12記載の密封装置。 - 前記ゴム状弾性体は中空状に形成され、
前記ガス封入部は、前記ゴム状弾性体の内部にガスが封入されることによって形成されていることを特徴とする請求項12記載の密封装置。 - 前記密封部は、前記シールリング部における前記環状溝の溝底面側に該シールリング部とは別体に設けられ、前記流体圧の無負荷時に前記シールリング部と前記環状溝の内壁面との間を密封することを特徴とする請求項14記載の密封装置。
- 前記密封部は、前記シールリング部に対して一体に接着され、前記流体圧の無負荷時に前記環状溝の内壁面との間を密封することを特徴とする請求項14記載の密封装置。
- 前記密封部は、前記シールリング部における前記環状溝の溝底面側の周面に一体に接着され、前記流体圧の無負荷時に前記環状溝の溝底面との間を密封することを特徴とする請求項16記載の密封装置。
- 前記密封部は、前記シールリング部の軸方向に並設して一体に接着され、前記流体圧の無負荷時に前記環状溝の側壁面との間を密封することを特徴とする請求項16記載の密封装置。
- 前記ゴム状弾性体は、前記流体圧の無負荷時の密封部位が突起状に形成されていることを特徴とする請求項12〜18のいずれかに記載の密封装置。
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