JP2011080011A - ポリアセタール樹脂組成物及びそれを含有する成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリカーボネート成形体と接触又は近接しても、その成形体の劣化を抑制でき、かつ、高い引張伸度を有するポリアセタール樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリアセタール樹脂と窒素化合物とを含有するポリアセタール樹脂組成物であって、前記ポリアセタール樹脂組成物のメルトマスフローレートが25〜70g/10分であり、前記窒素化合物の含有量が窒素原子に換算して20〜100質量ppmであるポリアセタール樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアセタール樹脂組成物及びそれを含有する成形体に関する。
ポリアセタール樹脂は機械的強度、耐薬品性及び摺動性のバランスに優れ、かつ、その加工性が容易である。そこで、ポリアセタール樹脂は、代表的エンジニアリングプラスチックスとして、電気機器や電気機器の機構部品、OA機器の機構部品、自動車部品、及びその他の機構部品を中心に広範囲に亘って用いられている。
近年、ポリアセタール樹脂製のギア、レバー等の成形体は、ポリカーボネート成形体と組み合わせて使用される例が増えてきている。ポリアセタール樹脂製の成形体が、ポリカーボネート成形体と接触又は近接して特に高温や多湿の環境下において用いられると、ポリカーボネート成形体が劣化する場合がある。
従来、ポリアセタール樹脂製の成形体を改良して、その成形体と接触するポリカーボネート成形体の損傷を防ぐ技術が提案されている(例えば特許文献1参照。)また、ホルムアルデヒドの発生量を抑制して、他の樹脂成形品への影響を低減する技術が提案されている(例えば特許文献2及び3参照)。
特開2006−160790号公報 特開2007−91973号公報 特開2008−260923号公報
しかしながら、特許文献1には、ポリアセタール樹脂製成形体に接触したポリカーボネート成形体の傷つき(損傷)性を防止する対策については記載されているものの、それらが近接した状態でのポリカーボネート成形体の劣化については、何ら記載されていない。また、特許文献2及び3では、ホルムアルデヒドの発生量を抑制する旨の記載はあるが、ポリカーボネート成形体を劣化させるそれ以外の物質については、何ら検討がなされていない。
そこで本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、ポリカーボネート成形体と接触又は近接しても、その成形体の劣化を抑制でき、かつ、高い引張伸度を有するポリアセタール樹脂組成物及びそれを含む成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、窒素化合物を含有するポリアセタール樹脂組成物であって、ポリアセタール樹脂組成物の特定の流動性と窒素化合物の含有量とを組み合わせることにより、その組成物の引張伸度を高く維持すると共に、その組成物を含む成形体と接触又は近接したポリカーボネート成形体の劣化を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
[1]ポリアセタール樹脂と窒素化合物とを含有するポリアセタール樹脂組成物であって、前記ポリアセタール樹脂組成物のメルトマスフローレートが25〜70g/10分であり、前記窒素化合物の含有量が窒素原子に換算して20〜100質量ppmであるポリアセタール樹脂組成物。
[2]前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.001〜0.03質量部のタルクを含有する、[1]のポリアセタール樹脂組成物。
[3]融点が167℃〜172℃である、[1]又は[2]のポリアセタール樹脂組成物。
[4][1]〜[3]のいずれか一つのポリアセタール樹脂組成物を含有する成形体。
[5]ポリカーボネートの成形体と接触した状態又は前記成形体と3mm以下の距離に近接した状態で用いられる、[4]の成形体。
本発明により、ポリカーボネート成形体と接触又は近接しても、その成形体の劣化を抑制でき、かつ、高い引張伸度を有するポリアセタール樹脂組成物及びそれを含む成形体を提供することが可能になる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂(A)と窒素化合物(B)とを含有するポリアセタール樹脂組成物であって、そのポリアセタール樹脂組成物のメルトマスフローレートが25〜70g/10分であり、窒素化合物(B)の含有量が窒素原子として20〜100ppmである。
本実施形態に係るポリアセタール樹脂(A)は、ホルムアルデヒドの単独重合体であるポリオキシメチレンホモポリマーであってもよい。あるいは、ポリアセタール樹脂(A)は、ホルムアルデヒドの3量体(トリオキサン)若しくは4量体(テトラオキサン)等の環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジール、グリコールのホルマール若しくはジグリコールのホルマール等の環状ホルマールと、から製造された、炭素数2〜8のオキシアルキレン単位を0.1〜20質量%含有するオキシメチレン−オキシアルキレンコポリマーの末端安定化処理を行って得られたポリオキシメチレンコポリマーであってもよい。さらには、ポリアセタール樹脂(A)は、上記ホモポリマー及び/又はコポリマーと異成分とのブロック共重合体であってもよい。
ポリアセタール樹脂(A)の製造方法は、特に限定されるものではなく、ポリアセタール樹脂(A)は、従来公知の方法によって製造される。
例えば、ホルムアルデヒドの単独重合体は、米国特許第2998409号明細書に記載された公知の方法により、両末端をアセチル化されたポリオキシメチレンホモポリマー粉末として製造され得る。
また、ポリオキシメチレンコポリマーは、例えば下記の製法によって製造される。ポリオキシメチレンコポリマーは、ホルムアルデヒド又はトリオキサンを主モノマーとし、環状エーテル又は環状ホルマールをコモノマーとして、それらをカチオン重合触媒の存在下で反応(重合)させることによって得られる。
このポリオキシメチレンコポリマーを合成するために用いる環状エーテル及び環状ホルマールとしては、例えば、エチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、エチレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、1,3−プロパンジオールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール及び1,6−へキサンジオールホルマールが挙げられる。
重合触媒としては、ルイス酸、プロトン酸及びそのエステル又は無水物等のカチオン重合触媒が用いられる。ルイス酸としては、例えば、ホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物が挙げられ、より具体的には、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化ヒ素、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩が挙げられる。また、プロトン酸及びそのエステル又は無水物の具体例としては、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、アセチルパークロラート及びトリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェートが挙げられる。
重合に用いられる重合装置は、バッチ式、連続式のいずれでもよく、バッチ式重合装置としては、一般的に用いられる攪拌機付きの反応槽が用いられる。連続式重合装置としては、コニーダー、二軸スクリュー式連続押出混練機、二軸のパドル型連続混合機等のセルフクリーニング型混合機が使用可能である。重合温度は好ましくは60〜200℃、より好ましくは80〜170℃の温度範囲である。また、重合時間は特に制限はないが、一般に10秒以上100分以下が選ばれる。
このように重合して得られた重合体(ポリオキシメチレンコポリマー)は、重合体中に含有される重合触媒により解重合を起こすため、その重合触媒を失活することが望ましい。失活方法としては、例えば、塩基性中和剤を含む水溶液中又は有機溶媒中で、重合体と共存する重合触媒を失活する方法が挙げられる。塩基性中和剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン及び水酸化カルシウムが挙げられ、有機溶媒としては、例えば、n−ヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が挙げられる。
失活温度は好ましくは20〜90℃、より好ましくは30〜60℃である。また、失活時間は例えば5分〜200分である。触媒をより完全に失活させるために、失活させる前又は失活させる最中に重合体を粉砕することも可能である。重合触媒が失活された後、重合体を含有する失活液を濾過して、その失活液と重合体を分離し、重合体は更に洗浄され、乾燥される。
上記の失活方法により得られた重合体が不安定な末端水酸基を有する場合、従来公知の方法で、例えば、トリエチルアミン水溶液などの塩基性物質と共に重合体を加熱処理をすることによって、不安定末端部分を分解除去する。
こうして、ポリオキシメチレンコポリマーが得られる。
更に必要に応じて、本発明の目的を阻害しない範囲において、従来公知の添加剤をポリオキシメチレンコポリマーと溶融混練した混練物を採用してもよい。そのような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、顔料、窒化ホウ素及び炭酸カルシウムに代表される核剤、アルキレングリコール及びグリセリンステアレートに代表される帯電防止剤、エチレンビスステアリン酸アミドに代表される潤滑剤、紫外線吸収剤、耐候(光)安定剤等、従来、ポリオキシメチレンコポリマーに添加されている各種添加剤が挙げられる。
ポリアセタール樹脂(A)の融点は、167℃〜172℃の範囲であると好ましく、より好ましくは168℃〜170℃である。その融点が167℃〜172℃の範囲であると、剛性及び収縮のバランスがより良好であり、ポリアセタール樹脂組成物を含む成形体の反りをより抑えることが可能となる。ポリアセタール樹脂(A)の融点は下記のようにして測定される。すなわち、示差熱量計を用い、一旦200℃まで昇温させて融解させたポリアセタール樹脂(A)の試料を100℃まで冷却し、再度2.5℃/分の速度にて昇温する過程で発生する発熱スペクトルのピークの温度を測定し融点とする。
本実施形態に係る窒素化合物(B)は、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物であり、ポリアミド樹脂、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体、アミド化合物、アミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの付加物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、尿素、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、イミダゾール化合物、イミド化合物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中では、ポリアミド樹脂、アミド化合物並びにアミノ置換トリアジン化合物からなる群より選ばれる1種以上の窒素化合物が好ましく、加熱エージング時の着色特性の点からポリアミド樹脂がより好ましい。
ポリアミド樹脂の具体例としては、ナイロン(ポリアミド)4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12が挙げられ、また、共重合ポリアミド樹脂として、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12が挙げられる。アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体としては、例えば、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られたポリ−β−アラニン共重合体が挙げられる。
アミド化合物の具体例としては、イソフタル酸ジアミドなどの多価カルボン酸アミド、アントラニルアミド、エチレンビスステアリルアミドなどの脂肪酸アミド化合物が挙げられる。アミノ置換トリアジン化合物の具体例としては、メラミン、2,4−ジアミノ−sym−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン)及び2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジンが挙げられる。アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの付加物の具体例としては、N−メチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラミン及びN,N’,N”−トリメチロールメラミンが挙げられる。アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの縮合物の具体例としては、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。
尿素誘導体の例としては、N−置換尿素、尿素縮合体、エチレン尿素、ヒダントイン化合物、ウレイド化合物が挙げられる。N−置換尿素の具体例としては、アルキル基等の置換基が置換したメチル尿素、アルキレンビス尿素、アリール置換尿素が挙げられる。尿素縮合体の具体例としては、尿素とホルムアルデヒドとの縮合体が挙げられる。ヒダントイン化合物の具体例としては、ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン及び5,5−ジフェニルヒダントインが挙げられる。ウレイド化合物の具体例としては、アラントインが挙げられる。
ヒドラジン誘導体としては、例えばヒドラジド化合物が挙げられる。ヒドラジド化合物の具体例としては、ジカルボン酸ジヒドラジドが挙げられ、更に具体的には、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド及び2,6−ナフタレンジカルボジヒドラジドが挙げられる。イミド化合物の具体例としては、スクシンイミド、グルタルイミド及びフタルイミドが挙げられる。
ポリアセタール樹脂組成物中の窒素化合物(B)の含有量は、組成物の全量を基準として、窒素原子に換算して20〜100質量ppmであることが必要であり、好ましくは窒素原子に換算して30〜70質量ppmである。その含有量を窒素原子に換算して20〜100質量ppmの範囲にすることにより、ポリアセタール樹脂(A)からのホルムアルデヒドガスの発生を抑制し、ポリカーボネート成形体の劣化を抑制することが可能となる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、更にタルク(C)を含有すると好ましい。タルク(C)の化学名は含水珪酸マグネシウムであり、一般的にSiO2約60%、MgO約30%、結晶水4.8%が主成分である。タルク(C)のポリアセタール樹脂組成物中での平均粒子径は、後述の測定方法により測定される平均粒子径として、熱安定性改良の点から5μm以上であると好ましく10μmを超えるとより好ましく、引張伸度を高く維持する点から25μm以下であると好ましく、20μm未満であるとより好ましく、更に好ましくは11〜19μmであり、特に好ましくは12〜18μmである。
ポリアセタール樹脂組成物中のタルク(C)の含有量は、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、熱安定性改良の点から0.001質量部以上であると好ましく、引張伸度を高く維持する点から0.03質量部以下であることが好ましい。その含有量は、より好ましくは0.002〜0.03質量部、更に好ましくは0.005〜0.02質量部である。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲において、更に適当な添加剤を含有してもよく、それにより、一層熱安定性に優れたポリアセタール樹脂組成物となる。そのような添加剤は、好適には、酸化防止剤、ギ酸捕捉剤及び離型(潤滑)剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤(D)である。本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、その添加剤(D)を、ポリアセタール樹脂100質量部に対し、0.01〜10質量部含有すると好ましい。
酸化防止剤としては、ヒンダートフェノール系酸化防止剤が好ましい。ヒンダートフェノール系酸化防止剤としては、例えば、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが挙げられる。これらの中で、好ましくは、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]及びペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。これらの酸化防止剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
ギ酸捕捉剤としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩及びアルコキシドが挙げられる。より具体的には、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム又はバリウムの水酸化物、上記金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩、カルボン酸塩、層状複水酸化物が挙げられる。
上記カルボン酸塩のカルボン酸としては、10〜36個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸が好ましく、これらのカルボン酸は水酸基で置換されていてもよい。飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸塩の具体的な例としては、ジミリスチン酸カルシウム、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウム、(ミリスチン酸−パルミチン酸)カルシウム、(ミリスチン酸−ステアリン酸)カルシウム、(パルミチン酸−ステアリン酸)カルシウムが挙げられ、中でも好ましくは、ジパルミチン酸カルシウム及びジステアリン酸カルシウムである。
層状複水酸化物としては、例えば下記一般式(1)で表されるハイドロタルサイト類が挙げられる。
〔(M2+1-X(M3+X(OH)2X +〔(An-x/n・mH2O〕X - (1)
ここで、式(1)中、M2+は2価金属、M3+は3価金属、An-はn価(nは1以上の整数)のアニオンを示し、Xは0を超え0.33以下の数を示し、mは正の数を示す。
一般式(1)において、M2+の例としては、Mg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+が挙げられ、M3+の例としては、Al3+、Fe3+、Cr3+、Co3+、In3+が挙げられ、An-の例としては、OH-、F-、Cl-、Br-、NO3 -、CO3 2-、SO4 2-、Fe(CN)6 3-、CH3COO-、シュウ酸イオン、サリチル酸イオンが挙げられる。An-の中で特に好ましいのは、CO3 2-、OH-である。
上記一般式(1)で表されるハイドロタルサイト類の具体例としては、Mg0.75Al0.25(OH)2(CO30.125・0.5H2Oで表される天然ハイドロタルサイト、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、Mg4.3Al2(OH)12.6CO3で表される合成ハイドロタルサイトが挙げられる。
これらのギ酸捕捉剤は、1種を単独で又は2種上を組み合わせて用いられる。
離型(潤滑)剤としては、アルコール、脂肪酸及びそれらの脂肪酸エステル、平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物、シリコーンが好ましく用いられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、更に適当な公知の添加剤を必要に応じて含有することができる。そのような添加剤としては、具体的には、無機充填剤、高融点有機繊維状物質、結晶核剤、導電材、熱可塑性樹脂、及び熱可塑性エラストマーが挙げられる。
無機充填剤としては、例えば繊維状、粉粒子状、板状及び中空状の無機充填剤が用いられる。繊維状無機充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリコーン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化硅素繊維、ホウ素繊維、チタン酸カリウム繊維、さらには、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属繊維が挙げられる。また、繊維状無機充填剤として、繊維長の短いチタン酸カリウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー等のウイスカー類も用いられる。
粉粒子状無機充填剤としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、クレー、珪藻土、ウォラストナイトのような珪酸塩、酸化鉄、酸化チタン、アルミナのような金属酸化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウムのような金属硫酸塩、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩、その他、炭化珪素、窒化硅素、窒化ホウ素、各種金属粉末が挙げられる。
板状無機充填剤としては、例えば、マイカ、ガラスフレーク、各種金属箔が挙げられる。中空状無機充填剤としては、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、金属バルーンが挙げられる。
これらの無機充填剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの無機充填剤は表面処理されたもの及び未表面処理のもののいずれであっても使用可能であるが、成形表面の平滑性、機械的特性の点から、表面処理の施されたものが好ましい場合がある。その場合に用いられる表面処理剤としては、従来公知のものが使用可能である。表面処理剤として、例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等の各種カップリング処理剤が挙げられる。具体的には、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリスステアロイルチタネート、ジイソプロポキシアンモニウムエチルアセテート、n−ブチルジルコネートが挙げられる。
高融点有機繊維状物質としては、例えば、芳香族ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。
導電材としては、例えば、導電性カーボンブラック、金属粉末及び金属繊維が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹脂、未硬化のエポキシ樹脂が挙げられる。また、これらの変性物であってもよい。熱可塑性エラストマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物のメルトマスフローレート(MFR)は、本発明の目的を達成する観点から25〜70g/10分である。このMFRは、好ましくは、25〜45g/10分である。MFRが25〜45g/10分の範囲では、ポリアセタール樹脂組成物の流動性と物性とのバランスが更に良好となる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、一般的な押出機を用いて製造することができる。押出機としては1軸又は多軸混練押出機が挙げられ、中でも、減圧装置を備えた2軸押出機が好ましい。該ポリアセタール樹脂組成物を製造する方法としては、下記〈1〉、〈2〉及び〈3〉の方法が挙げられる。すなわち、〈1〉ポリアセタール樹脂(A)を押出機のトップ(バレルの上流側)より供給し、窒素化合物(B)を定量フィーダー等でサイドフィード用供給口から添加して溶融混練する方法、〈2〉ポリアセタール樹脂(A)の一部を押出機のトップより供給し、窒素化合物(B)と残りのポリアセタール樹脂(A)とを定量フィーダー等でサイドフィード用供給口から添加して溶融混練する方法、〈3〉ポリアセタール樹脂(A)と窒素化合物(B)とをヘンシェルミキサー、タンブラー、V字型ブレンダーなどで混合した後、押出機を用いて溶融混錬する方法が挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を成形して成形体を得る方法は特に制限されず、公知の成形方法、例えば、押出成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、射出圧縮成形、加飾成形、他材質成形、ガスアシスト射出成形、発泡射出成形、低圧成形、超薄肉射出成形(超高速射出成形)、金型内複合成形(インサート成形、アウトサート成形)のいずれかの方法であってもよい。
本実施形態の成形体は、上記ポリアセタール樹脂組成物を含有する成形体であり、例えば上述の成形方法によって得られるポリアセタール樹脂組成物からなる成形体であると好ましい。この成形体は、ポリカーボネートの成形体と接触した状態又はポリカーボネートの成形体と3mm以下の距離に近接した状態で用いられると、本発明による効果をより有効かつ確実に奏することができる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を含有する成形体は、各種用途に適した形状を有するものであれば特に限定されない。その用途としては、例えば、ギア、カム、スライダー、レバー、アーム、クラッチ、フェルトクラッチ、アイドラギアー、プーリー、ローラー、コロ、キーステム、キートップ、シャッター、リール、シャフト、関節、軸、軸受け及びガイドに代表される機構部品、アウトサート成形の樹脂部品、インサート成形の樹脂部品、シャーシ、トレー、側板、プリンター及び複写機に代表されるオフィスオートメーション機器用部品、VTR、ビデオムービー、デジタルビデオカメラ、カメラ及びデジタルカメラに代表されるカメラ又はビデオ機器用部品、カセットプレイヤー、DAT、LD(Laser Disk)、MD(Mini Disk)、CD〔CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R(Recordable)、CD−RW(Rewritable)を含む〕、DVD〔DVD−ROM、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−R DL、DVD+R DL、DVD−RAM(RandomAccess Memory)、DVD−Audioを含む〕、Blu−ray Disc、HD−DVD、その他光デイスクドライブ、並びに、光デイスクケース、MFD、MO、ナビゲーションシステム及びモバイルパーソナルコンピュータに代表される音楽、映像又は情報機器、HDD(ハードディスクドライブ)、玩具、スポーツ用品等の部品が好適に挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)ポリアセタール樹脂の融点の測定方法
示差熱量計(パーキンエルマー社製、商品名「DSC−7」)を用い、一旦200℃まで昇温させ融解させた試料を100℃まで冷却し、再度2.5℃/分の速度にて昇温する過程で発生する発熱スペクトルのピークの温度を、ポリアセタール樹脂の融点とした。
(2)窒素原子の含有量の測定方法
白金パンにポリアセタール樹脂組成物の成形体の試料を採取し、ミクロ天秤で秤量したものを三菱化学製の微量全窒素分析装置であるTN−110(商品名)を用いて測定した。なお、熱分解炉の温度を800℃、酸化炉の温度を900℃、キャリアーガス流量をO2について300mL/分、Ar/O2について400mL/分に設定した。また、検量線を作成するために、ピリジン4.2gを100mLのメスフラスコにトルエンでメスアップし、窒素濃度7500μg/mLの標準試料溶液を調製した。そして、この標準試料溶液を希釈して75μg/mLと7.5μg/mLの標準試料溶液を調製して検量線の作成に用いた。
(3)タルクの平均粒子径の測定方法
タルクの平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いることにより求めた。
(4)ポリカーボネートの劣化試験方法
まず、住友重機械工業社製の成形機であるSG50(商品名)を用いて、ポリカーボネート製の60mm×60mm×2mmの平板を作製した。また、同様に、ポリアセタール樹脂組成物からなる平板を作製した。それらの平板を85℃、85%RHに調整された恒温恒湿室槽内に、60mm×60mmの面で重ね合わせた状態か、又は、その面が互いに平行になるように表1に記載の距離で近接させた状態で240時間保管し、ポリカーボネート製の平板表面に曇りが発生しているか否かを目視にて観察した。そして、下記評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎ 全く曇りがない。
○ 若干曇りが発生している。
△ 明らかに曇りが発生している。
× 広範囲に曇りが発生している。
(5)引張伸度の測定方法
ISO527−1&−2(1993)に準じて、ポリアセタール樹脂組成物のISOダンベル試験片を作製し、その引張伸度を測定した。
(6)メルトマスフローレート(MFR)の測定方法
ポリアセタール樹脂組成物のMFRを、ISO1133(1997)の条件Dに準じて測定した。
実施例、比較例のポリアセタール樹脂組成物には下記成分を用いた。
〈ポリアセタール樹脂(A)〉
<ポリアセタール樹脂(a−1)>
熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8)を80℃に調整し、そこにトリオキサンを4kg/時間、コモノマーとして1,3−ジオキソランを42.8g/時間(トリオキサン100mol%に対して、1.3mol%)、連鎖移動剤としてメチラールをトリオキサン1molに対して0.1×10-3molとなる量で、連続的に添加した。さらに重合触媒として三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.5×10-5molとなる量で連続的に添加し重合を行なった。重合機より排出されたポリアセタールコポリマーをトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を行なった。重合触媒の失活したポリアセタールコポリマーを遠心分離機でろ過した後、ポリアセタールコポリマー100質量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1質量部を添加して、均一に混合した後、120℃で乾燥した。水酸化コリン蟻酸塩の添加量は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行い、窒素原子に換算して20質量ppmとした。乾燥後のポリアセタールコポリマーをベント付き2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機中の溶融しているポリアセタールコポリマー100質量部に対して水を0.5質量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間7分の条件で、その不安定末端部分の分解除去処理を行なった。不安定末端部分の分解されたポリアセタールコポリマーは、ベント真空度20Torrの条件下で脱揮され、押出機のダイス部よりストランドとして押し出され、ペレット化された。このようにして得られたポリアセタール樹脂(a−1)の融点は169.5℃であり、MFRは28g/10分であった。
<ポリアセタール樹脂(a−2)>
ポリアセタール樹脂を重合する際、重合触媒の三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.8×10-5molとなる量で連続的に添加した以外はポリアセタール樹脂(a−1)の製造と同様にして、ポリアセタール樹脂(a−2)を得た。このようにして得られたポリアセタール樹脂(a−2)の融点は169.5℃、MFRは80g/10分であった。
<ポリアセタール樹脂(a−3)>
ポリアセタール樹脂を重合する際、重合触媒の三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.2×10-5molとなる量で連続的に添加した以外はポリアセタール樹脂(a−1)の製造と同様にして、ポリアセタール樹脂(a−3)を得た。このようにして得られたポリアセタール樹脂(a−3)の融点は169.5℃、MFRは8g/10分であった。
<ポリアセタール樹脂(a−4)>
ポリアセタール樹脂を重合する際、重合触媒の三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.75×10-5molとなる量で連続的に添加した以外はポリアセタール樹脂(a−1)の製造と同様にして、ポリアセタール樹脂(a−3)を得た。このようにして得られたポリアセタール樹脂(a−3)の融点は169.5℃、MFRは70g/10分であった。
<ポリアセタール樹脂(a−5)>
ポリアセタール樹脂を重合する際、コモノマーとして1,3−ジオキソランを21.4g/時間(トリオキサン100mol%に対して、0.65mol%)添加した以外はポリアセタール樹脂(a−1)の製造と同様にして、ポリアセタール樹脂(a−5)を得た。このようにして得られたポリアセタール樹脂(a−5)の融点は172℃、MFRは28g/10分であった。
<ポリアセタール樹脂(a−6)>
ポリアセタール樹脂を重合する際、コモノマーとして1,3−ジオキソランを72.4g/時間(トリオキサン100mol%に対して、2.2mol%)添加した以外はポリアセタール樹脂(a−1)の製造と同様にして、ポリアセタール樹脂(a−6)を得た。このようにして得られたポリアセタール樹脂(a−6)の融点は167℃、MFRは28g/10分であった。
〈窒素化合物(B)〉
b−1:旭化成ケミカルズ株式会社製のポリアミド6−6
b−2:日産化学工業製のメラミン
b−3:ライオン製のエチレンビスステアリルアミド
〈タルク(C)〉
c−1:日本タルク株式会社製、商品名「MS」(表面未処理)、平均粒子径15.6μm
c−2:日本タルク株式会社製、商品名「P−3」(表面未処理)、平均粒子径5.1μm
c−3:日本タルク株式会社製、商品名「MS−KY」(表面未処理)、平均粒子径24.5μm
[実施例1]
ポリアセタール樹脂(a−1)100質量部に窒素化合物(b−1)を添加し、それらを30φのベント付き単軸押出し機のトップから供給し溶融混練し、ポリアセタール樹脂組成物を得た。得られたポリアセタール樹脂組成物を、射出成形機を用いて成形し、成形体である60mm×60mm×2mmの平板を得た。この平板について上記「(2)窒素原子の含有量の測定方法」に準じて測定したところ、窒素原子の含有量は50質量ppmであった。また、その平板について、上記「(4)ポリカーボネートの劣化試験方法」に準じて試験を行い、平板表面の曇り具合を観察した。さらに、上記「(5)引張伸度の測定方法」に準じてポリアセタール樹脂組成物の引張伸度を測定した。結果を表1に示す。なお、表1中の「平板間の距離」は「(4)ポリカーボネートの劣化試験方法」における平板間の距離を示し、0mmであるということは、重ね合わせた状態であることを意味する(以下同様。)。
[実施例2、3]
窒素化合物(b−1)の添加量を、その窒素原子の含有量が表1に示す量になるよう代えた以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
[実施例4〜6]
タルク(c−1)を表1に示す量で添加した以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
[実施例7〜10]
窒素化合物(b−1)の添加量を、窒素原子に換算して表1に示す量になるよう代えた以外は実施例4と同様にした。結果を表1に示す。
[実施例11]
タルク(c−1)の添加量を表1に示す量に代えた以外は実施例4と同様にした。結果を表1に示す。
[実施例12、13]
タルク(c−1)をタルク(c−2)又はタルク(c−3)に代えた以外は実施例4と同様にした。結果を表1に示す。
[実施例14]
窒素化合物(b−1)を窒素化合物(b−2)に代えた以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
[実施例15]
窒素化合物(b−1)を窒素化合物(b−3)に代えた以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
[実施例16]
ポリアセタール樹脂(a−1)をポリアセタール樹脂(a−4)に代えた以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
[実施例17、18]
ポリアセタール樹脂(a−1)を、それぞれポリアセタール樹脂(a−5)、ポリアセタール樹脂(a−6)に代えた以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
[比較例1]
窒素化合物(b−1)を添加しない以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
[比較例2]
窒素化合物(b−1)の添加量を、窒素原子に換算して表1に示す量になるよう代えた以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
[比較例3、4]
ポリアセタール樹脂(a−1)をポリアセタール樹脂(a−2)又はポリアセタール樹脂(a−3)に代えた以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
なお、実施例4及び比較例2についてのみ、「(4)ポリカーボネートの劣化試験方法」を平板間の距離が異なる2通りの場合で行った。
Figure 2011080011
本発明のポリアセタール樹脂組成物を含有する成形体は、ポリカーボネート成形体と接触又は近接させた状態においても、そのポリカーボネート成形体を劣化させることがなく、ポリアセタール樹脂特有の優れた機械物性を有しているために、電機電子、OA、工業などの各分野の機構部品分野で好適に利用できる。

Claims (5)

  1. ポリアセタール樹脂と窒素化合物とを含有するポリアセタール樹脂組成物であって、前記ポリアセタール樹脂組成物のメルトマスフローレートが25〜70g/10分であり、前記窒素化合物の含有量が窒素原子に換算して20〜100質量ppmであるポリアセタール樹脂組成物。
  2. 前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.001〜0.03質量部のタルクを含有する、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 融点が167℃〜172℃である、請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物を含有する成形体。
  5. ポリカーボネートの成形体と接触した状態又は前記成形体と3mm以下の距離に近接した状態で用いられる、請求項4記載の成形体。
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